JP2013255879A - 炭素短繊維の篩分方法、及び炭素短繊維 - Google Patents

炭素短繊維の篩分方法、及び炭素短繊維 Download PDF

Info

Publication number
JP2013255879A
JP2013255879A JP2012132481A JP2012132481A JP2013255879A JP 2013255879 A JP2013255879 A JP 2013255879A JP 2012132481 A JP2012132481 A JP 2012132481A JP 2012132481 A JP2012132481 A JP 2012132481A JP 2013255879 A JP2013255879 A JP 2013255879A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sieving
pitch
carbon
fiber
short
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012132481A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Okada
康 岡田
Katsuhiro Yusa
勝弘 遊佐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kureha Corp
Original Assignee
Kureha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kureha Corp filed Critical Kureha Corp
Priority to JP2012132481A priority Critical patent/JP2013255879A/ja
Publication of JP2013255879A publication Critical patent/JP2013255879A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Combined Means For Separation Of Solids (AREA)
  • Inorganic Fibers (AREA)

Abstract

【課題】本発明の目的は、異形物を短時間で除去することのできる、炭素短繊維の篩分方法、及び炭素短繊維の製造方法を提供することである。更に、本発明の目的は、異形物を含まない炭素短繊維を提供することである。
【解決手段】前記課題は、粉砕された炭素繊維を、目開きが長方形である篩により篩分することを特徴とする、炭素短繊維の篩分方法又は炭素短繊維の製造方法によって解決することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、炭素短繊維の篩分方法、炭素短繊維の製造方法、炭素短繊維のリサイクル方法、及び炭素短繊維に関する。本発明の篩分方法により篩分された炭素短繊維は、粒子状の異形物が除かれており、メカニカルシール又はブレーキパッドなどの添加剤として、好適に用いることができる。
炭素短繊維は、0.05mm〜数mmの繊維長を有する炭素繊維であり、PAN系、レーヨン系、又はピッチ系の炭素短繊維が知られている。これらの炭素短繊維は、コンクリート、各種プラスチック、及び合成ゴム等に添加することによって、摺動性、機械特性、電気特性、及び熱特性などを調整するために広く使用されている。そして、その使用目的に応じて、異なる平均繊維長の炭素短繊維が使用されている。
炭素短繊維は、ポリアクリロニトリル樹脂、レーヨン、又はピッチを繊維化し、それを炭素繊維とし、更に繊維長を揃えて作製される。例えば、前記ピッチ系炭素短繊維は、ピッチ(例えば、石油系ピッチ又は石炭系のピッチ)を、遠心法、メルトブロー法、渦流法、又はエアーサッカー法等などの紡糸方法により溶融紡糸し、更に不融化、焼成、及び粉砕などの工程を行うことにより製造されている(特許文献1)。また、ピッチ系炭素短繊維の平均繊維長の調整は、前記粉砕の条件の調整により制御できることが開示されており、更に篩を用いて分級し、その際に篩の目開きを調整することにより、平均繊維長の調整を行うことが開示されている(特許文献2)。
特開2005−179809号公報 特開2007−291576号公報 特開平11−50338号公報
本発明者らは、前記のように作製されたピッチ系炭素短繊維が、1重量%程度の粒子状の異形物を含んでいることを見出した。前記異形物は、溶融紡糸の工程において、溶融延伸の不良によって発生するものである。そして、このような異形物を含むピッチ系炭素短繊維を、メカニカルシール又はブレーキパッドなどに用いた場合、シール性、及び摺動性等に悪影響を与える。
本発明者らは、ピッチ系炭素短繊維から前記の異形物を除去するために、通常の篩による篩分を試みた。前記異形物は、その多くが比較的小さな粒子状であるために、細かい目開きの篩を用いる必要があった。しかしながら、細かい目開きの篩を用いた場合、異形物を除去することは可能であるが、目開きを通過するピッチ系炭素短繊維の平均繊維長が、用いる篩の目開きよりも「長い」ために、篩分に長時間を要した。また、篩にかける時間が長くなるほど、比較的長い繊維長の短繊維が篩の目を通過しやすくなることから、篩時間によって平均繊維長が変化する問題も生じていた。また、PAN系炭素繊維を含む炭素繊維強化プラスチック(以下、CFRPと称することがある)から、PAN系炭素短繊維をリサイクルによって回収する場合も、篩分を行うが(特許文献3)、この場合も、リサイクルされたPAN系炭素短繊維に異形物が含まれるという問題があった。
従って、本発明の目的は、異形物を短時間で除去することのできる、炭素短繊維の篩分方法、及び炭素短繊維の製造方法を提供することである。更に、本発明の目的は、異形物を含まない炭素短繊維を提供することである。
本発明者らは、ピッチ系炭素短繊維から前記の異形物を容易に除去し、除去の処理時間を短縮することについて、鋭意検討を重ねた結果、従来使用されていた正方形の目開きの篩に代えて、長方形の目開きの篩を用いることにより、前記粒子状の異形物を除去することが可能であり、更に処理時間を大幅に短縮することができることを見出した。
本発明は、このような知見に基づくものである。
すなわち、本発明は、
[1]粉砕された炭素繊維を、目開きが長方形である篩により篩分することを特徴とする、炭素短繊維の篩分方法、
[2]前記篩の目開きの長方形の短辺(NS)の長さが、篩分される炭素繊維の平均繊維直径(D)の1.5〜3倍の範囲であり、且つ長方形の長辺(LS)の長さが、前記短辺の1.1〜25倍である、[1]に記載の炭素短繊維の篩分方法、
[3]前記目開きが長方形である篩により篩分する段階の前及び/又は後に、目開きが正方形又は長方形の篩により篩分する1つ以上の段階を含む、[1]又は[2]に記載の炭素短繊維の篩分方法、
[4]粉砕炭素繊維を目開きが正方形である篩により篩分する第1篩分段階、及び目開きが長方形である篩により篩分する第2篩分段階を含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の炭素短繊維の篩分方法、
[5]前記炭素繊維がピッチ系炭素繊維である、[1]〜[4]のいずれかに記載の炭素短繊維の製造方法、
[6]前記ピッチ系炭素短繊維の炭素源が石油又は石炭である、[5]に記載のピッチ系炭素短繊維の篩分方法、
[7][1]〜[6]のいずれかに記載の炭素短繊維の篩分方法を、炭素短繊維の篩分工程として含む、炭素短繊維の製造方法、
[8][1]〜[6]のいずれかに記載の炭素短繊維の篩分方法を、炭素短繊維の篩分工程として含む、炭素短繊維のリサイクル方法、
[9]異形物を含有しない、平均繊維径aμmのピッチ系炭素短繊維であって、
前記異形物が、1.5a〜3aμmの範囲のいずれか1つの長さの短辺、及び1.65a〜75aμmのいずれか一つの長さの長辺の長方形の目開きを有する篩を通過しない異形物であることを特徴とする、ピッチ系炭素短繊維、又は
[10]前記ピッチ系炭素短繊維の炭素源が石油又は石炭である、[9]に記載のピッチ系炭素短繊維、
に関する。
本発明の炭素短繊維の篩分方法又は製造方法によれば、異形物を含まない炭素短繊維を製造することができる。また、本発明の炭素短繊維は、異形物を含まないため、メカニカルシール又はブレーキパッドなどの添加剤として用いた場合、摺動性のバラツキが小さくなるという利点がある。また、本発明の炭素短繊維の篩分方法は、PAN系炭素繊維を用いた炭素繊維強化炭素複合材料(以下、CFCと称することがある)のリサイクル方法に用いることができる。すなわち、CFCから回収され、粉砕された炭素短繊維を、本発明の篩分方法を用いて篩分することによって、異形物が除去されたピッチ系炭素短繊維、レーヨン系炭素短繊維、又はPAN系炭素短繊維のリサイクル品を得ることができる。
本発明の炭素短繊維の篩分方法により異形物が除去されたピッチ系炭素短繊維(A)及び除去された異形物(B)の写真である。 (A)正方形の目開きを有する篩と異形物との関係を表した模式図である。(B)長方形の目開きを有する篩と異形物との関係を表した模式図である。(C)長方形の目開きを有する篩と異形物との関係を表した模式図である。(D)正方形の目開きを有する従来の篩と、異形物及びピッチ系炭素短繊維との関係を表した模式図である。
本発明は、炭素短繊維の篩分方法、炭素短繊維の製造方法、炭素短繊維のリサイクル方法、及びピッチ系炭素短繊維に関するものである。本明細書では、最初に炭素短繊維の篩分方法、炭素短繊維の製造方法及びピッチ系炭素短繊維に共通する事項について説明し、続いてそれぞれの発明について、順に説明する。
本発明による炭素短繊維の原料は、特に限定されるものはない。従って、本発明の炭素短繊維には、ポリアクリロニトリル樹脂を原料とするPAN系、レーヨンを原料とするレーヨン系、又はピッチを原料とするピッチ系の炭素短繊維が含まれる。
炭素短繊維の平均繊維径及び平均繊維長は、特に限定されないが、一般的には、平均繊維径(D)が、5μm〜30μmである。また、平均繊維長(L)が20μm〜6000μmであるが、20〜6000μm、より好ましくは40〜3000μm、更に好ましくは50〜1000μmである。また、平均繊維長が1mm以下をミルド、平均繊維長が1mmを超え100mm以下のものをチョップと称することがあり、本発明の篩分方法は、特にミルドの篩分方法として適している。
平均繊維径は、以下の方法によって測定することができる。
先端を針金で縛った試料を内径5mmのテフロン(登録商標)チューブに通し、エポキシ樹脂液を馴染ませて試料をチューブの中に引き込み、約110℃の乾燥機でおよそ1時間硬化させる。チューブを切断し、その中に入っていた部分をステンレス製、直径25mm、高さ30mmの包埋試料調整用型枠に固定後、エポキシ樹脂液を流し込み約110℃の乾燥機でおよそ2時間加熱硬化後、冷却して包埋試料を取り出す。包埋試料をリファインテック(株)社製ニューマックスポリッシャーHV APN−128B型研磨機で鏡面に研磨後、(株)ニレコ社製ルーゼックスIIIU画像解析装置で1ロット当り100〜130本の繊維直径を測定する。
平均繊維長は、以下の方法によって測定することができる。
30mLの三角フラスコにスポイトで1級試薬の流動パラフィン5mLを量り取り、ミクロスパチュラで試料を採取し前述した流動パラフィンに分散させる。該フラスコからマイクロピペットで300μLの分散液を量り取り、1枚目のスライドガラス上に落とし、2枚目のスライドガラス板を重ねて圧着させる。本ガラス板を(株)ニレコ社製ルーゼックスIIIU画像解析装置にセットし、1000〜1300本/ロットの測定本数で各々単繊維の繊維長を測定する。
本発明の炭素短繊維は、異形物を含有しないことを特徴とする。本明細書において、「異形物」とは、平均繊維径aμmの炭素短繊維の場合、1.5a〜3aμmの範囲のいずれか1つの長さの短辺、及び1.65a〜75aμmのいずれか一つの長さの長辺の長方形の目開きを有する篩を通過しない炭素化物又は黒鉛化物等を意味する。ここで、長方形の目開きの長辺は、短辺の1.1倍以上の長さである。
また、長方形の目開きの長辺は、目標とする炭素短繊維の平均繊維長をbμmとした場合、0.4b〜bμmの範囲であってもよい。
具体的には、例えば、ピッチ系炭素短繊維の場合、異形物の多くは、図1Bに示すような、粒子状の炭素化物及び黒鉛化物、柱状の炭素化物及び黒鉛化物、又は屈曲した繊維状の炭素化物及び黒鉛化物などであり、溶融紡糸の不良によって生成されたものである。このような異形物は、従来、ピッチ系炭素短繊維の製品中に1質量%程度含まれていた。図1Aは、本発明の篩分方法により異形物を除去したピッチ系炭素短繊維であり、粒子状の炭素化物及び黒鉛化物、柱状の炭素化物及び黒鉛化物、又は屈曲した繊維状の炭素化物及び黒鉛化物が、除去されている。また、リサイクルの場合は、炭素繊維以外の異形物、例えば樹脂の破片、金属、及びゴムなどが含まれていることがあり、このような異形物を除くことができる。
前記異形物を含む炭素短繊維は、メカニカルシール又はブレーキパッドなどに用いた場合、シール性または摺動性等に悪影響を与えることがある。
前記異形物は、特許文献2及び3に記載の炭素短繊維の平均繊維長を調整する篩分では、除去することが困難である。この点について、図2D及び図2Aを用いて説明する。例えば、100μmの平均繊維長の炭素短繊維(2)を篩分する場合、平均繊維長の制御及び処理速度(処理量)を最適とするためには、一辺(5)の目開きが100μm(100μm×100μm)前後の篩を使用する。すなわち、ピッチ系炭素短繊維の篩分においては、目的の平均繊維長程度の正方形の目開きを有する篩を用いることが、繊維長の制御及び処理速度の点から好ましい。しかしながら、図2Dに示すように、一辺(5)の目開きが100μm前後の篩を使用すると、異形物は篩の目開きを通過する。この問題を解決するため、図2Aのように異形物を除去することのできる正方形の目開きの篩を用いると、炭素短繊維(2)の繊維長が目開きの一辺(5)より長いため、篩分の効率が、極端に低下する。従って、通常の正方形の目開きを有する篩を用いた、平均繊維長を調整する篩分によっては前記異形物を除去することは、事実上困難であった。
具体的には、前記異形物を除去するためには、例えば平均繊維径が14.5μmのピッチ系炭素短繊維を溶融紡糸した場合、目開きが43.5μm(43.5μm×43.5μm)以下の目開きの篩を用いて、篩分する必要があった。しかしながら、目開きが43.5μm(43.5μm×43.5μm)の篩を用いると処理速度が極端に遅くなる。従って、目開きが43.5μm(43.5μm×43.5μm)以下の篩を用いて、前記異形物を除去することは、事実上不可能であった。
一方、図2B又は図2Cに示す本発明の炭素短繊維の篩分方法によれば、目開きが長方形である篩を用いることにより、前記異形物の多くを通過させることなく、炭素短繊維の篩の通過速度を飛躍的に高めることが可能であり、篩分を効率的にできるものである。
従来、前記異形物が除去されたピッチ系炭素短繊維は、存在していなかった。また、本発明の炭素短繊維の篩分方法は、前記異形物を効率的に除去することが可能であり、本発明のピッチ系炭素短繊維は、前記異形物が除去されたピッチ系炭素短繊維である。
本発明によるピッチ系炭素短繊維は、ピッチまたはタールを原料とする炭素短繊維である限り、特に限定されるものではない。また、本発明のピッチ系炭素短繊維に用いるピッチは、特に限定されるものはなく、例えば石油系ピッチ、又は石炭系ピッチなどの縮合複素環化合物、あるいはナフタレン又はフェナントレンなどの縮合多環炭化水素化合物などを挙げることができ、これらの1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。特には、石油系ピッチ、又は石炭系ピッチを用いることが好ましい。石油系ピッチ、又は石炭系ピッチは、溶融紡糸の適用が可能だからである。
本発明に使用されるピッチは等方性ピッチ、又は異方性ピッチのいずれも用いることができる。等方性ピッチは、軽量、耐熱性、及び摺動性などの特性において優れており、短繊維として供給されることが多い。一方、異方性ピッチは、密度が大きく黒鉛結晶が発達しており、等方性ピッチよりは長い炭素短繊維として供給されることが多い。
なお、本明細書において「ピッチ系炭素短繊維」は、600℃〜2000℃で焼成された炭素化ピッチ繊維からの炭素短繊維及び2000℃〜3500℃で焼成された黒鉛化ピッチ繊維からの炭素短繊維を含むものである。また、本明細書において「炭素化」は「黒鉛化」を含むことがあり、「炭素化物」は「黒鉛化物」を含むことがある。
[1]炭素短繊維の篩分方法
本発明の炭素短繊維の篩分方法は、粉砕された炭素繊維を、目開きが長方形である篩により篩分することを特徴とする。
長方形の目開きの長辺(LS)の長さ、及び短辺(NS)の長さは、特に限定されるものではなく、目的とする炭素短繊維の平均繊維長(L)及び平均繊維径(D)に従って、適宜選択することができる。
前記篩の目開きの長方形の短辺(NS)の長さは、例えば篩分される炭素繊維の平均繊維直径(D)の1.5〜3倍の範囲とすることができ、好ましくは2.0〜2.5倍の範囲である。1.5倍未満であると、篩分の処理速度が遅くなることがあり、3倍を超えると異形物の混入が多くなる。
また、前記篩の目開きの長方形の長辺(LS)の長さは、例えば長方形の短辺の1.1〜25倍の範囲とすることができ、好ましくは1.5〜10倍の範囲であり、より好ましくは2.0〜10倍の範囲である。1.1倍未満であると、篩分の処理速度が遅くなることがあり、25倍以上だと篩の目開きが狂う恐れがある(目ズレ)。
また、篩の目開きの長方形の長辺(LS)の長さは、目標の平均繊維長の0.4〜2.0倍の範囲とすることが好ましく、0.5〜1.0倍の範囲が好ましい。
本発明の炭素短繊維の篩分方法は、前記目開きが長方形である篩により篩分する段階(以下、長方形篩分段階と称することがある)の前及び/又は後に、目開きが正方形又は長方形の篩により篩分する1つ以上の段階を含むことができる。すなわち、本発明の炭素短繊維の篩分方法は、1以上の長方形篩分段階、及び1以上の目開きが正方形である篩により篩分する段階(以下、正方形篩分段階と称することがある)を組み合わせて、行うことができる。例えば、2回の長方形篩分段階を連続して行ってもよく、また、長方形篩分段階の前に、正方形の篩による1回の正方形篩分段階を経てもよい。
前記目開きが正方形である篩による篩分は、主として炭素短繊維の平均繊維長を制御するために行うものである。従って、長方形篩分段階の前に、少なくとも1つの正方形篩分段階を含むことが好ましい。すなわち、本発明の炭素短繊維の篩分方法は、例えば粉砕ピッチ繊維を目開きが正方形である篩により篩分する第1篩分段階、及び目開きが長方形である篩により篩分する第2篩分段階を含むことが好ましい。
本発明の炭素短繊維の篩分方法によって篩い分けされる炭素繊維は、特に限定されるものではないが、例えばピッチ炭素短繊維、レーヨン系炭素短繊維、又はPAN系炭素短繊維を挙げることができる。例えば、ピッチ繊維は、溶融紡糸の不良によって異形物を含むことがあるため、ピッチ繊維の製造方法において、本発明の篩分方法を用いることは有用である。炭素短繊維の篩分方法に用いるピッチ繊維は、後述の炭素化ピッチ繊維、又は黒鉛化ピッチ繊維のいずれでもよい。すなわち、本発明のピッチ系炭素短繊維の篩分方法によって、炭素化ピッチ繊維を篩分してもよく、黒鉛化ピッチ繊維を篩分してもよい。
炭素短繊維の篩分方法に用いるピッチ繊維は、粉砕されたものである。その粉砕方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができ、例えばカッター、ボールミル、ジェットミル、ビクトリーミル、クラッシャー、又は高速回転ミルなどを用いることができる。例えば、ピッチ繊維のチョップへの粉砕(チョッピング)には、カッターを用いることが好ましく、カッターの歯の回転数を調製することによって、平均繊維長を制御することができる。
また、ミルドは、長いピッチ繊維から直接調整することも可能であるが、チョップを更に粉砕するミリングによって、容易に調製することが可能である。例えば、ハンマーミルを用いて、ハンマーの回転速度、及びチョップの投入量等を調整することによって、ミルドの平均繊維長を制御することができる。
すなわち、本発明の篩分方法によってチョップ又はミルドの平均繊維長を調整し、更に前記異形物を除去することが可能である。
[2]炭素短繊維の製造方法
本発明の炭素短繊維の製造方法は、粉砕された炭素繊維を、目開きが長方形である篩により篩分することを特徴とする。すなわち、本発明の炭素短繊維の製造方法は、前記炭素短繊維の篩分方法を用いるものである。
例えば、ピッチ系炭素短繊維の場合は、好ましくはピッチを溶融紡糸し、ピッチ繊維を得る溶融紡糸工程、前記ピッチ繊維を、100℃〜400℃の温度で不融化し、不融化ピッチ繊維を得る不融化工程、前記不融化ピッチ繊維を、不活性ガス雰囲気下で、600℃〜2000℃で焼成し、炭素化ピッチ繊維を得る炭素化焼成工程、前記炭素化ピッチ繊維を、粉砕する工程、及び得られた粉砕ピッチ繊維を篩分する工程、により製造することができる。
本発明の製造方法における篩分工程は、前記炭素短繊維の篩分方法を用いる。すなわち、製造方法における篩分工程は、少なくとも1つの長方形篩分段階を含むものであり、1以上の長方形篩分段階及び1以上の正方形篩分段階を組み合わせて、篩分工程を行うこともできる。
《溶融紡糸工程》
前記溶融紡糸工程における溶融紡糸方法は、特に限定されるものではなく、ピッチ系炭素短繊維の製造に使用される方法を用いることが可能であり、例えば遠心力を利用してノズルから溶融ピッチを出す遠心紡糸法、溶融ピッチを高温高速の空気と共に吹き出すメルトブロー法、メルトブロー法の高温高速空気を渦巻状とし、その旋回流で延伸する渦流法、エアーサッカーノズルに繊維を吸引して延伸し、その出口以降で集綿するエアーサッカー法等などを挙げることができる、
遠心紡糸法の場合、繊維形成性ピッチを回転軸が水平な遠心紡糸機により、溶融紡糸し、そして延伸する。紡糸された繊維を、カッターにより裁断し、遠心紡糸機の下部に設けられた水平ベルトコンベア上に堆積させてピッチ繊維マットを得る。
《不融化工程》
前記溶融紡糸工程によって得られた、ピッチ繊維マットは、公知の方法で不融化することができる。例えば、不融化はNO、SO、又はオゾンなどの酸化性ガスを含む空気雰囲気中、100〜400℃に加熱することにより行うことができる。
《炭素化焼成工程》
前記不融化工程で得られた不融化ピッチ繊維は、非酸化ガス雰囲気中(例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン、又はクリプトン)で、500℃〜2000℃に加熱することにより、焼成することができる。
《粉砕工程》
前記炭素化ピッチ繊維は、公知の粉砕方法により粉砕することができる。具体的には、前記ピッチ系炭素短繊維の篩分方法の欄で記載した粉砕方法を用いることができる。粉砕工程は、通常は前記の炭素化焼成工程後に行うが、場合により不融化前にピッチ繊維を粉砕することも可能であり、不融化後に炭素化焼成工程により、焼成を実施することもできる。
《篩分工程》
ピッチ系炭素短繊維の製造における篩分工程は、前記のように炭素短繊維の篩分方法を用いるものである。篩分工程は、ピッチ繊維の粉砕後に行うことが可能であり、従って、不融化の前、炭素化焼成工程の後、又は黒鉛化焼成工程の前若しくは後に行うことも可能であり、複数の長方形篩分段階、及び/又は正方形篩分段階を行う場合は、それぞれの篩分段階を、不融化の前、炭素化焼成工程の後、又は黒鉛化焼成工程の前若しくは後に行うことも可能である。
《黒鉛化焼成工程》
ピッチ系炭素短繊維の製造は、粉砕工程及び篩分工程の間、篩分工程における篩分段階のいずれかの間、又は篩分工程の後に、前記炭素化ピッチ繊維を、減圧下または不活性ガス雰囲気下で、例えば2000℃〜3500℃で焼成し、黒鉛化ピッチ繊維を得る黒鉛化焼成工程を、更に含むことができる。
炭素化ピッチ繊維の黒鉛化は、公知の方法により行うことが可能であり、例えば、減圧下又は不活性ガス雰囲気中で、2000℃以上で行うことが可能であり、上限は3500℃以下が好ましい。また、不活性ガスとしてはアルゴンガス、ヘリウムガス、窒素等をあげることができる。
[3]ピッチ系炭素短繊維
本発明のピッチ系炭素短繊維は、異形物を含有しないピッチ系炭素短繊維であって、前記異形物が1.5a〜3aμmの範囲のいずれか1つの長さの短辺、及び1.65a〜75aμmのいずれか一つ長さの長辺の長方形の目開きを有する篩を通過しない異形物である。
本発明のピッチ系炭素短繊維は、限定されるものはないが、本発明のピッチ系炭素短繊維の篩分方法、又は前記のピッチ系炭素短繊維の製造方法によって、製造することが可能である。
[4]炭素短繊維のリサイクル方法
本発明の炭素短繊維の篩分方法は、炭素短繊維のリサイクル方法に用いることができる。炭素短繊維は、コンクリート、各種プラスチック(樹脂)、及び合成ゴムなどとの複合材料の原料として用いられている。例えば、炭素繊維及び樹脂の複合材料、又は炭素繊維、樹脂、及び金属などの複合材料が、航空機の機体又は自動車の車体の材料として使用されている。最近、前記の複合材料から、炭素繊維及び樹脂を分離して、再利用するためにさまざまなリサイクル方法が開発されてきている。
本発明の炭素短繊維のリサイクル方法に用いる複合材料のリサイクル技術は、特に限定されるものではないが、例えば、真空熱分解、低温流体処理、高温流体処理、流動層処理、熱流体処理、常温溶解法、熱分解法、超臨界流体法、及び亜臨界流体法を挙げることができる。これらのリサイクル技術によって、複合材料を粉砕及び/又は溶解し、炭素短繊維を樹脂などから分離する。分離された炭素短繊維は、炭素短繊維以外に、樹脂の破片及び金属片などの異形物が含まれることがある。この異形物を本発明の炭素短繊維の篩分方法によって、除去することが可能である。
従って、本発明の炭素短繊維のリサイクル方法は、(1)複合材料の粉砕及び/又は溶解工程、(2)炭素短繊維の分離工程、及び(3)炭素短繊維の篩分工程を含む。炭素短繊維の篩分工程(3)は、本発明の炭素短繊維の篩分方法を用いることができる。
また、本発明のリサイクル方法によってリサイクルされる、炭素繊維の種類は特に限定されるものではないが、ピッチ系炭素短繊維、レーヨン系炭素短繊維、又はPAN系炭素短繊維を挙げることができる。
本発明のリサイクル方法における篩分工程は、前記炭素短繊維の篩分方法を用いる。すなわち、製造方法における篩分工程は、少なくとも1つの長方形篩分段階を含むものであり、1以上の長方形篩分段階及び1以上の正方形篩分段階を組み合わせて、篩分工程を行うこともできる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
《実施例1》
本実施例では、平均繊維径14.5μm、及び平均繊維長90μmのピッチ系炭素短繊維を製造した。
(1)炭素化ピッチ繊維の製造(溶融紡糸工程、不融化工程、及び炭素化焼成工程)
まず、石油ナフサを熱分解してエチレン、プロピレン等のオレフィン類を分取した残りの高沸点留分(いわゆるエチレンボトム油)を380℃で熱処理して320℃、10mmHg abs.で減圧蒸留し、炭素含有率94.5質量%、平均分子量620、軟化点(高架式フローテスター)170℃のピッチを得た。
得られたピッチを横型遠心紡糸機2台(配列はコンベアと平行)を用いて溶融紡糸した。カッターにより順次カッティングし、進行方向と直交する方向に往復移動しているベルトコンベア上に、短繊維(繊維長は主として、100〜1500mm)の集合体であるが繊維長の延長方向がコンベアの進行方向に優先的に整列しているため連続糸として取り扱いが可能なマットとして堆積させた。
このマットを不融化炉にて、NO=2%、残りは空気の雰囲気下で炉内循環ガスを0.5m/sec(空塔速度として)を流し、反応熱を除去しながら100〜250℃まで3時間で昇温して不融化処理を行い、不融化ピッチ繊維を得た。
次に、マットを自重懸垂しながら竪型焼成炉にて850℃まで15分で昇温して焼成し、200℃まで冷却した後、炉外に送り出した。得られた炭素化ピッチ繊維は繊維間の融着がなく、良好なものであった。
(2)粉砕工程、篩分工程、及び黒鉛化工程
前記炭素化ピッチ繊維を、カッターに投入し、平均繊維長100mmのチョップを得た。
得られたチョップを、粉砕機に投入し、ブレードで粉砕した。スクリーンの目開きは、1.5mmを用いた。
得られたミルドに、180メッシュ(90μm×90μm:ワイヤー径51μm)の正方形の目開きを有する篩を用いて、第1の篩分段階を行った。
第1の篩分段階により得られた炭素化ピッチ繊維を黒鉛化した。炭素化ピッチ繊維を、焼成炉に投入し、2000℃まで、20時間で昇温して焼成し、常温まで冷却し、黒鉛化を行った。
次に、得られたミルドに、長方形の目開き34μm×76μmの篩を用いて、第2の篩分段階を行った。超音波振動タイプの目詰まり防止機能のついた振動篩機(KGJR-800-1D;興和工業所社製)を用い、偏心おもりは145Rのものを用いた。
得られたピッチ系炭素短繊維は、平均繊維径14.5μmであり、平均繊維長90μmであり、異形物を含まないものであった。得られたピッチ系炭素短繊維の写真を図1Aに、篩に残った異形物を図1Bに示す。
《実施例2》
本実施例では、平均繊維径14.5μm、及び平均繊維長110μmのピッチ系炭素短繊維を製造した。
実施例1の(1)で得られた炭素化ピッチ繊維を用いて、粉砕工程、篩分工程、及び黒鉛化工程を実施した。
前記炭素化ピッチ繊維を、カッターに投入し、平均繊維長100mmのチョップを得た。
得られたチョップを、粉砕機に投入し、ブレードで粉砕した。スクリーンの目開きは、1.5mmを用いた。
得られたミルドに、120メッシュ(130μm×130μm:ワイヤー径81μm)の正方形の目開きを有する篩を用いて、第1の篩分段階を行った。
次に、長方形の目開き34μm×76μmの篩を用いて、第2の篩分段階を行った。超音波振動タイプの目詰まり防止機能のついた振動篩機(KGJR-800-1D;興和工業所社製)を用い、偏心おもりは145Rのものを用いた。
第2の篩分段階の処理速度を表1に示す。
第2の篩分段階により得られた炭素化ピッチ繊維を黒鉛化した。炭素化ピッチ繊維を、焼成炉に投入し、2000℃まで、20時間で昇温して焼成し、常温まで冷却し、黒鉛化を行った。
得られたピッチ系炭素短繊維は、平均繊維径14.5μmであり、平均繊維長110μmであり、異形物を含まないものであった。
《実施例3》
本実施例では、平均繊維径14.5μm、及び平均繊維長170μmのピッチ系炭素短繊維を製造した。
実施例1の(1)で得られた炭素化ピッチ繊維を用いて、粉砕工程、篩分工程、及び黒鉛化工程を実施した。
前記炭素化ピッチ繊維を、カッターに投入し、平均繊維長100mmのチョップを得た。
得られたチョップを、粉砕機に投入し、ブレードで粉砕した。スクリーンの目開きは、1.5mmを用いた。
得られたミルドに、120メッシュ(130μm×130μm:ワイヤー径81μm)の正方形の目開きを有する篩を用いて、第1の篩分段階を行った。
第1の篩分段階により得られた炭素化ピッチ繊維を黒鉛化した。炭素化ピッチ繊維を、焼成炉に投入し、2000℃まで、20時間で昇温して焼成し、常温まで冷却し、黒鉛化を行った。
次に、長方形の目開き34μm×76μmの篩を用いて、第2の篩分段階を行った。超音波振動タイプの目詰まり防止機能のついた振動篩機(KGJR-800-1D;興和工業所社製)を用い、偏心おもりは145Rのものを用いた。
第2の篩分段階の処理速度を表1に示す。
得られたピッチ系炭素短繊維は、平均繊維径14.5μmであり、平均繊維長170μmであり、異形物を含まないものであった。
《実施例4》
本実施例では、平均繊維径14.5μm、及び平均繊維長400μmのピッチ系炭素短繊維を製造した。
実施例1の(1)で得られた炭素化ピッチ繊維を用いて、粉砕工程、篩分工程、及び黒鉛化工程を実施した。
前記炭素化ピッチ繊維を、カッターに投入し、平均繊維長100mmのチョップを得た。
得られたチョップを、粉砕機に投入し、ブレードで粉砕した。スクリーンの目開きは、1.5mmを用いた。
得られたミルドに、24メッシュ(710μm×710μm:ワイヤー径350μm)の正方形の目開きを有する篩を用いて、第1の篩分段階を行った。
第1の篩分段階により得られた炭素化ピッチ繊維を黒鉛化した。炭素化ピッチ繊維を、焼成炉に投入し、2000℃まで、20時間で昇温して焼成し、常温まで冷却し、黒鉛化を行った。
次に、長方形の目開き34μm×76μmの篩を用いて、第2の篩分段階を行った。超音波振動タイプの目詰まり防止機能のついた振動篩機(KGJR-800-1D;興和工業所社製)を用い、偏心おもりは145Rのものを用いた。
第2の篩分段階の処理速度を表1に示す。
得られたピッチ系炭素短繊維は、平均繊維径14.5μmであり、平均繊維長400μmであり、異形物を含まないものであった。
《比較例1》
本比較例では、長方形の目開きの篩に代えて、正方形の目開きの篩を用いて、平均繊維径14.5μm、及び平均繊維長110μmのピッチ系炭素短繊維から、異形物の除去を試みた。
前記第2の篩分段階おける長方形の目開きの篩に代えて、目開き34μm×34μmの篩を用いたことを除いては、実施例2の操作を繰り返し、平均繊維径14.5μm、及び平均繊維長110μmのピッチ系炭素短繊維を製造した。
第2の篩分段階の処理速度を表1に示す。実施例2における長方形の目開きの篩による処理速度と比較して、1/2〜1/3であった。
《比較例2》
本比較例では、長方形の目開きの篩に代えて、正方形の目開きの篩を用いて、平均繊維径14.5μm、及び平均繊維長170μmのピッチ系炭素短繊維から、異形物の除去を試みた。
前記第2の篩分段階おける長方形の目開きの篩に代えて、目開き34μm×34μmの篩を用いたことを除いては、実施例3の操作を繰り返し、平均繊維径14.5μm、及び平均繊維長170μmのピッチ系炭素短繊維を製造した。
第2の篩分段階の処理速度を表1に示す。実施例3における長方形の目開きの篩による処理速度と比較して、1/2〜1/3であった。
《比較例3》
本比較例では、長方形の目開きの篩に代えて、正方形の目開きの篩を用いて、平均繊維径14.5μm、及び平均繊維長400μmのピッチ系炭素短繊維から、異形物の除去を試みた。
前記第2の篩分段階おける長方形の目開きの篩に代えて、目開き34μm×34μmの篩を用いたことを除いては、実施例4の操作を繰り返し、平均繊維径14.5μm、及び平均繊維長400μmのピッチ系炭素短繊維を製造した。
第2の篩分段階の処理速度を表1に示す。実施例4における長方形の目開きの篩による処理速度と比較して、1/2〜1/3であった。
《比較例4》
本比較例では、長方形の目開きを有する篩による篩分段階を行わずに、平均繊維径14.5μm、及び平均繊維長90μmのピッチ系炭素短繊維を製造した。第2の篩分段階を行わないことを除いては、実施例1の操作を繰り返した。
得られた、ピッチ系炭素短繊維は、異形物を含むものであった。
《比較例5》
本比較例では、長方形の目開きを有する篩による篩分段階を行わずに、平均繊維径14.5μm、及び平均繊維長110μmのピッチ系炭素短繊維を製造した。第2の篩分段階を行わないことを除いては、実施例2の操作を繰り返した。
得られた、ピッチ系炭素短繊維は、異形物を含むものであった。
《比較例6》
本比較例では、長方形の目開きを有する篩による篩分段階を行わずに、平均繊維径14.5μm、及び平均繊維長170μmのピッチ系炭素短繊維を製造した。第2の篩分段階を行わないことを除いては、実施例3の操作を繰り返した。
得られた、ピッチ系炭素短繊維は、異形物を含むものであった。
《比較例7》
本比較例では、長方形の目開きを有する篩による篩分段階を行わずに、平均繊維径14.5μm、及び平均繊維長400μmのピッチ系炭素短繊維を製造した。第2の篩分段階を行わないことを除いては、実施例4の操作を繰り返した。
得られた、ピッチ系炭素短繊維は、異形物を含むものであった。
本発明のピッチ系炭素短繊維の篩分方法、ピッチ系炭素短繊維の製造方法及びピッチ系炭素短繊維の製造方法は、異形物を含まないピッチ系炭素短繊維の製造方法に用いることができる。また、本発明のピッチ系炭素短繊維は、異形物を含まないため、メカニカルシール又はブレーキパッドなどの添加剤として、好適に用いることができる。
1・・・異形物;
2・・・ピッチ系炭素短繊維;
3・・・長方形の目開きの長辺(LS);
4・・・長方形の目開きの短辺(NS);
5・・・正方形の目開きの一辺。

Claims (10)

  1. 粉砕された炭素繊維を、目開きが長方形である篩により篩分することを特徴とする、炭素短繊維の篩分方法。
  2. 前記篩の目開きの長方形の短辺(NS)の長さが、篩分される炭素繊維の平均繊維直径(D)の1.5〜3倍の範囲であり、且つ長方形の長辺(LS)の長さが、前記短辺の1.1〜25倍である、請求項1に記載の炭素短繊維の篩分方法。
  3. 前記目開きが長方形である篩により篩分する段階の前及び/又は後に、目開きが正方形又は長方形の篩により篩分する1つ以上の段階を含む、請求項1又は2に記載の炭素短繊維の篩分方法。
  4. 粉砕炭素繊維を目開きが正方形である篩により篩分する第1篩分段階、及び目開きが長方形である篩により篩分する第2篩分段階を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の炭素短繊維の篩分方法。
  5. 前記炭素繊維がピッチ系炭素繊維、レーヨン系、又はPAN系炭素繊維である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の炭素短繊維の篩分方法。
  6. 前記ピッチ系炭素短繊維の炭素源が石油又は石炭である、請求項5に記載の炭素短繊維の篩分方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の炭素短繊維の篩分方法を、炭素短繊維の篩分工程として含む、炭素短繊維の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の炭素短繊維の篩分方法を、炭素短繊維の篩分工程として含む、炭素短繊維のリサイクル方法。
  9. 異形物を含有しない、平均繊維径aμmのピッチ系炭素短繊維であって、
    前記異形物が、1.5a〜3aμmの範囲のいずれか1つの長さの短辺、及び1.65a〜75aμmのいずれか一つの長さの長辺の長方形の目開きを有する篩を通過しない異形物であることを特徴とする、ピッチ系炭素短繊維。
  10. 前記ピッチ系炭素短繊維の炭素源が石油又は石炭である、請求項9に記載のピッチ系炭素短繊維。
JP2012132481A 2012-06-12 2012-06-12 炭素短繊維の篩分方法、及び炭素短繊維 Pending JP2013255879A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012132481A JP2013255879A (ja) 2012-06-12 2012-06-12 炭素短繊維の篩分方法、及び炭素短繊維

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012132481A JP2013255879A (ja) 2012-06-12 2012-06-12 炭素短繊維の篩分方法、及び炭素短繊維

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017102928A Division JP6425770B2 (ja) 2017-05-24 2017-05-24 炭素短繊維の篩分方法、及び炭素短繊維

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013255879A true JP2013255879A (ja) 2013-12-26

Family

ID=49952787

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012132481A Pending JP2013255879A (ja) 2012-06-12 2012-06-12 炭素短繊維の篩分方法、及び炭素短繊維

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013255879A (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4247007A (en) * 1978-11-02 1981-01-27 Yuriko Kai Strands and netting and screens made thereof
JPS61164686A (ja) * 1985-01-17 1986-07-25 三ツ星ベルト株式会社 スロツトタイプラバ−スクリ−ン
JPS61502391A (ja) * 1984-06-15 1986-10-23 ベルテツク インタ−ナシヨナル アクテイエボラ−グ ファイバ供給装置
JPH077411U (ja) * 1993-06-28 1995-02-03 株式会社機設 小海老選別機
JP2004524945A (ja) * 2000-10-19 2004-08-19 ブルー メンブラーネス ゲーエムベーハー 可撓性かつ多孔性の膜および吸着材ならびにそれらの製造方法
JP2009018963A (ja) * 2007-07-12 2009-01-29 Kotegawa Kogyo Kk 炭素繊維微粒子およびその製造方法及び装置
JP2009108425A (ja) * 2007-10-26 2009-05-21 Teijin Ltd 炭素繊維およびそれを用いた複合材料
WO2010071226A1 (ja) * 2008-12-19 2010-06-24 帝人株式会社 炭素繊維およびその製造方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4247007A (en) * 1978-11-02 1981-01-27 Yuriko Kai Strands and netting and screens made thereof
JPS61502391A (ja) * 1984-06-15 1986-10-23 ベルテツク インタ−ナシヨナル アクテイエボラ−グ ファイバ供給装置
JPS61164686A (ja) * 1985-01-17 1986-07-25 三ツ星ベルト株式会社 スロツトタイプラバ−スクリ−ン
JPH077411U (ja) * 1993-06-28 1995-02-03 株式会社機設 小海老選別機
JP2004524945A (ja) * 2000-10-19 2004-08-19 ブルー メンブラーネス ゲーエムベーハー 可撓性かつ多孔性の膜および吸着材ならびにそれらの製造方法
JP2009018963A (ja) * 2007-07-12 2009-01-29 Kotegawa Kogyo Kk 炭素繊維微粒子およびその製造方法及び装置
JP2009108425A (ja) * 2007-10-26 2009-05-21 Teijin Ltd 炭素繊維およびそれを用いた複合材料
WO2010071226A1 (ja) * 2008-12-19 2010-06-24 帝人株式会社 炭素繊維およびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4861653A (en) Pitch carbon fibers and batts
TW201040336A (en) Graphitized short fibers and composition thereof
CN1035483A (zh) 超高模量高拉伸强度碳纤维
US5824245A (en) Processes for preparing milled graphite fibers
JP6425770B2 (ja) 炭素短繊維の篩分方法、及び炭素短繊維
JP2013255879A (ja) 炭素短繊維の篩分方法、及び炭素短繊維
JPS61186520A (ja) ピツチ系炭素繊維の製造方法
TW201033419A (en) Carbon fibers and method for producing the same
JPH0788604B2 (ja) ピッチ系炭素繊維の製造方法
JP4343312B2 (ja) ピッチ系炭素繊維
JPH0532494B2 (ja)
JP6407747B2 (ja) ピッチ系炭素繊維及びその製造方法
JPS6034619A (ja) 炭素繊維及び黒鉛繊維の製造方法
JP3648865B2 (ja) 炭素繊維の製造方法
JP3698156B2 (ja) 炭素繊維
JPH07166432A (ja) 炭素繊維
JP3055295B2 (ja) ピッチ系炭素繊維とその製造方法
JPH0434019A (ja) 炭素短繊維の製造方法
JPH1025626A (ja) 炭素繊維の製造方法
JPH0811844B2 (ja) ピッチ系炭素繊維の製造方法
JP2998396B2 (ja) ピッチ系炭素繊維、その製造方法及び紡糸原料用ピッチ
JP2008285795A (ja) 炭素繊維およびその製造方法
JPH0663136B2 (ja) ピツチ系炭素繊維の製造法
JPS62104924A (ja) ピツチ系炭素繊維の製造方法
JPH0359166A (ja) 高特性炭素繊維の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150306

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160223

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160418

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20160426

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160830

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161017

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170307