JP2998396B2 - ピッチ系炭素繊維、その製造方法及び紡糸原料用ピッチ - Google Patents
ピッチ系炭素繊維、その製造方法及び紡糸原料用ピッチInfo
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に関し、より詳しくは、圧縮強度に特に優れたピッチ系
炭素繊維とその製造方法に関する。
高弾性、高剛性等の優れた性質により、種々の複合材料
の強化材として使用されてきた。例えば、ゴルフクラ
ブ、テニス等のラケット、釣り竿等のスポーツ用品、義
手、義足等の医療用品などから、車両、航空宇宙機等の
構造材としてまで、広く用いられている。高特性の炭素
繊維の種類としては、ポリアクリロニトリル(PAN)
系、ピッチ系に大別される。このうちピッチ系炭素繊
維、黒鉛繊維は、石炭、石油等より得られるピッチを原
料とし、これを加熱等の手段を用い、黒鉛構造の前駆構
造である液晶の光学的異方性相部分を生じさせ、これを
紡糸し、酸化性雰囲気下で不融化、ついで炭化、必要に
応じて黒鉛化を行い、高性能の炭素繊維を得ている。こ
こで光学的異方性相部分を生じさせる理由は、液晶とな
っている光学的異方性相部分が配向性を有するため、得
られる炭素繊維も配向性の優れたものとなり、高強度を
発現し易くなるためである。例えば特開昭49−361
70号公報には、光学的異方性相部分が40〜90%を
しめるピッチを用いることにより、高性能の炭素繊維が
得られることが記載されている。
ピッチを製造するに際して特開昭57−42924、特
開昭58−168687、各号公報等に開示されている
ように炭素質原料を攪拌しながらあるいは更に不活性気
体等を吹き込みながら加熱処理して紡糸ピッチを製造す
ること、あるいは特公昭63−5433、特公平1−5
3317、各号公報等に開示されているように炭素質原
料を加熱処理した後、芳香族溶剤を作用させ溶剤分別で
溶剤不溶分を回収して紡糸ピッチを製造することが既に
知られている。
号公報に記載されている様に、ナフタレンのような原料
から得た光学異方質の合成ピッチや、特開昭63−31
5614号公報に記載されている様にアルキルベンゼン
をホルムアルデヒドで架橋重質化させたような原料から
得た光学異方性の合成ピッチを原料として炭素繊維を得
ることも知られている。
ピッチ系繊維は、PAN系繊維に比べ、引張強度、弾性
率等においては同等品が得られているが、圧縮強度では
劣っており、この点についての更なる改良が望まれてい
た。
炭素繊維の圧縮強度を向上させるべく鋭意検討を行い、
その結果、引張強度、弾性率に優れるばかりでなく、圧
縮強度でもPAN系繊維に匹敵するピッチ系炭素繊維を
提供することを可能とした。すなわち、本発明者らは、
かかる課題が、特に分子量分布の巾が狭く、炭素、水素
元素以外の酸素、窒素、硫黄の様な異元素及びキノリン
不溶分の様な重質成分を殆んど含んでいない均質な性状
を有する光学異方質のピッチを用いることによりかかる
課題を解決しうることを見出し、本発明に到達した。す
なわち本発明の目的は引張強度、圧縮強度、弾性率に優
れたピッチ系炭素繊維を提供することにあり、かかる目
的は、示差走査型熱量計で求めたガラス転移温度巾が
40℃以下であり、光学異方性相の含有割合が10体
積%以上であり、かつキノリン不溶分量が5重量%以
下であるピッチを紡糸原料ピッチとすることを特徴とす
るピッチ系炭素繊維、及び、縮合多環炭化水素をルイス
酸触媒を用いて重縮合させ、光学異方性相を100体積
%含有する重縮合物を得、該重縮合物のピリジン可溶分
を抽出し、更に該ピリジン可溶分からトルエン/ヘキサ
ン=20体積%/80体積%〜50体積%/50体積%
の混合溶媒の不溶分として、示差走査型熱量計で求め
たガラス転移温度巾が40℃以下、光学異方性相の含
有割合が10体積%以上、かつキノリン不溶分量が5
重量%以下である成分を抽出し、紡糸原料ピッチとして
用いることを特徴とする炭素繊維の製造方法、並びに縮
合多環炭化水素をルイス酸触媒を用いて重縮合させ、光
学異方性相を100体積%含有する重縮合物を得、該重
縮合物のピリジン可溶分を抽出し、更に該ピリジン可溶
分からトルエン/ヘキサン=20体積%/80体積%〜
50体積%/50体積%の混合溶媒の不溶分を抽出して
得られる、示差走査型熱量計で求めたガラス転移温度
巾が40℃以下、光学異方性相の含有割合が10体積
%以上、かつキノリン不溶分量が5重量%以下である
紡糸原料用ピッチにより容易に達成される。
明に用いられる炭素質原料の出発物質としては例えば、
石炭系のコールタール、コールタールピッチ、石炭液化
物、石油系の重質油、ピッチ、石油樹脂の熱重縮合反応
生成物、ナフタレンやアントラセンの触媒反応による重
合反応生成物等が挙げられる。これらの炭素質原料には
フリーカーボン、未溶解石炭、灰分、触媒等の不純物が
含まれているが、これらの不純物は、濾過、遠心分離、
あるいは溶剤を使用する静置沈降分離等の周知の方法で
あらかじめ除去しておくことが望ましい。
た後特定溶剤で可溶分を抽出するといった方法、あるい
は水素供与性溶剤、水素ガスの存在下に水添処理すると
いった方法で予備処理を行っておいてもよい。特に本発
明に用いられる原料ピッチの出発物質としては、縮合多
環炭化水素類を用いるのが不純物の除去等の点から好ま
しく、このうちとくに好ましいものとしては、ナフタレ
ン、アントラセン、フェナンスレン、アセナフテン、ピ
レン、アセナフチレン、及びそのアルキル置換化合物が
用いられる。これらは単独で用いても複数を混合して用
いてもかまわないが、好ましくは実質的に単独で用いる
のが好ましい。これは例えばナフタレンとアントラセン
では、次のステップである重縮合させたときの重合物の
形態が異なる等の理由による。これらの原料ピッチのう
ち特に好適なのはナフタレンである。
化水素類の場合には、ルイス酸触媒の存在下、好ましく
は室温〜300℃にて重縮合させ、更に必要に応じた処
理を行ない所望する物性のピッチを製造する。該ルイス
酸触媒としては、SO3 、BF3 、AlCl3 、AlB
r3 、SnCl4 、FeCl3 、ZnCl2 、SO2、
Li+ 、Na+ 、Ag+ 、Fe3+、Al3+、Cu2+、H
g+ 、H+ 、NO2 +、HF・BF3 等が挙げられ、こ
のうち特に、HF・BF3 、AlCl3 、BF 3 が好ま
しい。
の製造法では前述の炭素質の出発物質を通常350〜5
00℃、好ましくは380〜450℃で、2分から50
時間、好ましくは5分から5時間、窒素、アルゴン、水
蒸気等の不活性ガス雰囲気下、あるいは、吹き込み下に
加熱処理する。又更に必要に応じた処理を行ない所望す
る物性のピッチを製造する。
以下であり、 光学異方性相の含有割合が10体積%以上であり、か
つ キノリン不溶分量が5重量%以下である。
定されないが、例えば、溶剤分離により、かかるピッチ
を得ることができる。具体的には縮合多環炭化水素をル
イス酸を用いて室温〜300℃にて重縮合させ、得られ
たピッチのピリジン不溶分を除去したのちトルエンとヘ
キサンの混合溶媒にて可溶分を除去することが挙げられ
る。トルエンとヘキサンの混合比はトルエン/ヘキサン
=20体積%/80体積%〜50体積%/50体積%で
ある。
してはトルエンとヘキサンの混合比の他に、ピッチに対
する溶剤量比、温度、時間などがあり、これらの条件を
うまく組み合わせて溶剤処理し、濾過や遠心分離等の一
般的な方法で可溶分を除去し、更に減圧加熱処理等の方
法により所望するピッチを製造する必要がある。さらに
詳しく言えば、上述の重縮合させ得られたピッチのピリ
ジン不溶分を除去したものから本発明の特徴を有するピ
ッチを得るにはトルエン/ヘキサン比が小さい場合に
は、この溶剤量比を大きくするか、処理温度を高くする
か、処理時間を長くして処理することにより目的を達成
することが出来るし、又トルエン/ヘキサン比が大きい
場合には溶剤比、処理温度、時間を適当に小さくするこ
とにより目的を達成することが出来る。
に従って炭素繊維製造に使用される。炭素繊維の製造
は、かかる紡糸ピッチを例えば220°〜400℃の温
度で溶融紡糸し、次いで酸化性雰囲気下で不融化し、得
られた繊維束を1500〜2000℃程度で炭化処理
し、必要に応じて2200〜3000℃程度の温度で黒
鉛化処理して目的の炭素繊維もしくは黒鉛繊維を製造す
ることができる。特に、本発明の紡糸ピッチは比較的低
温焼成により高い弾性率を発現することができる。換言
すれば、同一の焼成温度で比較すると著しく弾性率の高
い炭素繊維が得られる。
べき条件について説明する。本発明の紡糸用ピッチは、
まず、分子量分布が狭いものであることを必須条件とす
る。これは示差走査型熱量計で求めたガラス転移温度巾
(ΔTg )が40℃以下であることにより確かめること
が出来る。本来ガラス転移点とは物質固有の温度であ
り、物質の比熱等の物理的性質が不連続的に変化する温
度を云う。しかしながら紡糸用ピッチの様に、種々の分
子構造を有ししかも低軟化点成分から高軟化点成分まで
巾広い分子量分布を有する物質の場合には、混合物であ
る為にガラス転移する温度に巾が存在することになる。
つまり低軟化点成分から高軟化点成分まで多くの分子種
と、分子量分布を有する紡糸ピッチの場合にはガラス転
移温度巾(ΔTg )が大きくなる。このガラス転移温度
巾(ΔTg )は、示差走査型熱量計で測定する。測定は
“JIS K7121−1987 プラスチックの転移
温度測定方法”に従って行なう。この方法で得られるD
SC曲線よりガラス転移温度巾(ΔTg )は、“JIS
K7121−1987 9.3ガラス転移温度の求め
方”に従い、図1に記載したTigとTegの差として求め
る。具体的には、ガラス転移前後の各ベースラインを延
長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線のこ
う配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度
をTig,Teg(それぞれ低温側のベースライン、高温側
のベースラインに対応)とする。
温度巾ΔTg はTigとTegの差として求めている。さら
に本発明の炭素繊維紡糸原料用ピッチは、光学的異方性
相の含有体積割合が10体積%以上であることを必須要
件とする。光学的異方性相が10体積%未満であると、
炭素繊維の結晶性が低くなり性能の劣ったものになりや
すい。
割合が70体積%以上であるほうが炭素繊維の結晶性の
発達による弾性率の発現のしやすさの観点から好まし
い。偏光顕微鏡でのピッチ試料中の光学異方性を示す部
分を調べるのはピッチ試料を数mm角に粉砕したもの
を、常法にしたがって2cm直径の樹脂の表面のほぼ前
面に埋め込み、表面を研磨後、表面全体をくまなく偏光
顕微鏡(100〜600倍)下で観察する。
の全表面積に占める光学異方性相部分又は光学異方性小
球体部分の面積の割合を測定することによって求める。
さらに又本発明の炭素繊維紡糸原料用ピッチはキノリン
不溶分量が5重量%以下であることを必須要件とする。
これはキノリン不溶分の様な重質成分が5重量%以上含
まれると炭素繊維紡糸ピッチの均質性が損なわれ、圧縮
強度に優れたピッチ系炭素繊維を製造することが困難と
なりやすいためである。又キノリン不溶分が5重量%以
上含まれる炭素繊維紡糸用ピッチであってガラス転移温
度巾(ΔTg )が40℃以下になる様に分子量分布が狭
いものは、該ピッチの軟化点が高く、溶融紡糸に必要な
温度が370℃以上になってしまい熱分解反応に伴なう
気泡等の発生により紡糸が非常に困難となる。
工業規格“JIS K2421”による方法で測定する
ものとする。かかる特徴をもつピッチを用いることによ
り引張強度、弾性率、圧縮強度のいずれも優れた性質を
もつピッチ系炭素繊維を得ることが出来る。
るが、本発明はその要旨をこえない限り、下記実施例に
よって限定されるものではない。
00℃〜400℃で重合させて調整した、偏光顕微鏡下
で光学異方性100体積%で、光学異方性組織構造は、
“粗い流れ状”のもので、ガラス転移温度巾(ΔTg )
は52℃で、キノリン不溶分量は18.5重量%でメト
ラー軟化点250℃で、元素組成分析値がC:94.8
重量%、H:5.2重量%のピッチを微粉砕した後、こ
のピッチ5gに対し、ピリジンを200mlの割合で加
え、100℃で抽出した後、0.5μmメンブランフィ
ルターで濾過し、ピリジン不溶分を除去した。その後、
可溶分から、ピリジンを除去し、ピリジン可溶のピッチ
を得た。
ルエン/ヘキサン=40体積%/60体積%の混合溶媒
を150mlの割合で加え、約70℃で抽出した後、
0.5μmメンブランフィルターで濾過し、可溶分を除
去した。不溶分から溶媒を除去し、紡糸用ピッチを得
た。得られた紡糸用ピッチは、粘度が200ポイズをし
めす温度が278℃であり、この温度で20分間静置し
たあと室温まで冷却し425倍の偏光顕微鏡で観察した
結果、全体が粗い流れ構造をとっており、100体積%
の光学異方性を有していた。
以下であり、セイコー電子社製SSC580シリーズD
SC−20型装置を用いて“JIS K7121−19
87”の方法に従ってDSC曲線を測定した。具体的に
は試料皿はアルミ製のものを用い、基準物質にも空のア
ルミ皿で用い、窒素ガス50ml/分流通下15mgの
紡糸ピッチをあらかじめ350℃に加熱処理し、室温に
急冷後15℃/分の一定昇温速度で加熱処理して測定を
行った。この様にして求めたガラス転移温度巾(Δ
Tg )は32℃であった。
0.1mmのノズルを有する押し出し紡糸機により紡糸
し、繊維径11μmのピッチ繊維を得た。次いで、ピッ
チ繊維を空気中、310℃で不融化処理した。この様に
不融化処理された繊維を、アルゴンガス中、1950℃
まで昇温し、30分間保持した。得られた炭素繊維は、
繊維径8.3μm、引張強度350kg/mm2 、引張
弾性率65ton/mm2 であり、また、Vf 60%の
CFRPの0°圧縮強度はASTM−D3410に規定
されている試験法に準じて測定した結果65kg/mm
2 であった。
体積%/70体積%の混合溶媒を用いて処理した以外は
全く実施例1と同様にして紡糸用ピッチを得た。得られ
た紡糸用ピッチは粘度が200ポイズをしめす温度は2
64℃であり、実施例1と同様にして偏光顕微鏡で調べ
た結果75体積%の光学異方性を有していた。このピッ
チはキノリン不溶分量が1重量%以下でありガラス転移
温度巾(ΔT g )は35℃であった。
mのノズルを有する押し出し紡糸機により紡糸し、繊維
径11μmのピッチ繊維を得た。次いでピッチ繊維を空
気中310℃で不融可処理しこの不融可繊維をアルゴン
ガス中2050℃まで昇温し、30分間保持した。得ら
れた炭素繊維は繊維径8.5μm、引張強度350kg
/mm2 、引張弾性率66ton/mm2 であり、また
Vf 60%のCFRPの0°圧縮強度は60kg/mm
2 であった。
方性100%、ガラス転移温度巾(ΔTg )52℃、キ
ノリン不溶分18.5重量%、メトラー軟化点250℃
のピッチを、実施例1と全く同様にして紡糸、不融化、
焼成し炭素繊維を得た。得られた炭素繊維は、繊維径
7.2μm、引張強度270kg/mm2 、引張弾性率
53ton/mm2 であり、また、Vf 60%のCFR
Pの0°圧縮強度は40kg/mm2 であった。
方性100%でメトラー軟化点250℃のピッチ5gに
対し、トルエン/ヘキサン=60体積%/40体積%の
混合溶媒(溶解度パラメータ:8.2)を200mlの
割合で加え、約70℃で抽出した後、0.5μmメンブ
ランフィルターで濾過し、可溶分を除去した。不溶分か
ら溶媒を除去し、紡糸用ピッチを得た。得られた紡糸用
ピッチは、200ポイズを示す温度は323℃であり、
光学的異方性100体積%、ガラス転移温度巾(Δ
Tg )38℃、キノリン不溶分24.3重量%であっ
た。
様にして紡糸し、不融化、焼成し炭素繊維を得た。得ら
れた炭素繊維は、繊維径9.0μm、引張強度は250
kg/mm2 、引張弾性率67ton/mm2 であり、
また、Vf 60%のCFRPの0°圧縮強度は40kg
/mm2 であった。
は、高弾性率、高い0°圧縮強度を発現する炭素繊維を
製造でき、さらに紡糸性が十分でかつ高弾性率、高い0
°圧縮強度を発現できる炭素繊維を与える。
説明図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 示差走査型熱量計で求めたガラス転移
温度巾が40℃以下であり、 光学異方性相の含有割合が10体積%以上であり、か
つ キノリン不溶分量が5重量%以下であるピッチを紡糸
原料ピッチとすることを特徴とするピッチ系炭素繊維。 - 【請求項2】 該紡糸原料ピッチの光学異方性相の含有
割合が、70体積%以上である請求項1記載のピッチ系
炭素繊維。 - 【請求項3】 該紡糸原料ピッチが縮合多環炭化水素を
ルイス酸触媒を用いて重縮合させて得られた請求項1記
載のピッチ系炭素繊維。 - 【請求項4】 縮合多環炭化水素をルイス酸触媒を用い
て重縮合させ、光学異方性層を100体積%含有する重
縮合物を得、該重縮合物のピリジン可溶分を抽出し、更
に該ピリジン可溶分からトルエン/ヘキサン=20体積
%/80体積%〜50体積%/50体積%の混合溶媒の
不溶分として、示差走査型熱量計で求めたガラス転移
温度巾が40℃以下、光学異方性相の含有割合が10
体積%以上、かつキノリン不溶分量が5重量%以下で
ある成分を抽出し、紡糸原料ピッチとして用いることを
特徴とする炭素繊維の製造方法。 - 【請求項5】 縮合多環炭化水素をルイス酸触媒を用い
て重縮合させ、光学異方性層を100体積%含有する重
縮合物を得、該重縮合物のピリジン可溶分を抽出し、更
に該ピリジン可溶分からトルエン/ヘキサン=20体積
%/80体積%〜50体積%/50体積%の混合溶媒の
不溶分を抽出して得られる、示差走査型熱量計で求め
たガラス転移温度巾が40℃以下、光学異方性相の含
有割合が10体積%以上、かつキノリン不溶分量が5
重量%以下である紡糸原料用ピッチ。
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DE69228663T DE69228663T2 (de) | 1991-12-25 | 1992-12-22 | Auf Pech basierte Kohlenstoffasern und Verfahren zu deren Herstellung |
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US08/329,185 US5643546A (en) | 1991-12-25 | 1994-10-26 | Pitch-type carbon fibers and process for their production |
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- 1992-02-13 JP JP2692792A patent/JP2998396B2/ja not_active Expired - Lifetime
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