JP2017183177A - 電気化学素子、セルユニット、電気化学モジュール、電気化学装置およびエネルギーシステム - Google Patents

電気化学素子、セルユニット、電気化学モジュール、電気化学装置およびエネルギーシステム Download PDF

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Abstract

【課題】材料コストと加工コストを抑制しつつ、コンパクトで高性能な、強度と信頼性に優れた電気化学素子を提供する。
【解決手段】電気化学素子Qは、金属支持体1と電気化学反応部Rとを有し、金属支持体1が円盤形状であり、電気化学反応部Rは、電極層Aと、電解質層Bと、対極電極層Cとを少なくとも有し、金属支持体1の表側1eに配置されており、電解質層Bは、電極層Aと対極電極層Cとの間に配置されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、電気化学素子、セルユニット、電気化学モジュール、電気化学装置およびエネルギーシステムに関する。
従来の固体酸化物形燃料電池(以下「SOFC」と記す。)は、主としてセラミックス材料を支持体とするSOFCの開発が進められている。そして、その構造を円盤状とすることで、ガスの流れを改善し、熱応力による不利益を抑制したSOFCが開示されている(特許文献1)。
特開平7−50169号公報
従来のセラミックスを支持体とするセル構造体では、機械的強度を持たせるために、セラミックス支持体の厚みをある程度の厚さに確保する必要があり、高価なセラミックス材料を多量に使う必要が生じ、これが高コストに繋がる。また、支持体がセラミックスであるために、強度・信頼性の面で課題が残る。更に、セラミックス材料同士の接続が困難であったり、また、電気的な接続も困難であったりしたため、構造が複雑になり、信頼性・耐久性の確保やコストダウンが困難であるという課題も残っていた。
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、材料コストと加工コストを抑制しつつ、コンパクトで高性能な、強度と信頼性に優れた電気化学素子を提供することにある。
〔構成1〕
上記目的を達成するための本発明に係る電気化学素子の特徴構成は、金属支持体と電気化学反応部とを有し、
前記金属支持体が円盤形状であり、
前記電気化学反応部は、電極層と、電解質層と、対極電極層とを少なくとも有し、前記金属支持体の表側に配置されており、
前記電解質層は、前記電極層と前記対極電極層との間に配置されている点にある。
上記の特徴構成によれば、薄くても十分な強度を有する堅牢な金属支持体の上に電気化学反応部を配置するから、コンパクトで高性能かつ強度と信頼性に優れた電気化学素子を得ると共に、電極層や電解質層に使用する高価なセラミックス材料の使用量を抑制しつつ、安価な金属材料で強度を確保することで材料コストを抑制し、セラミックスより加工しやすい金属支持体を用いることで加工コストを抑制した、低コストな電気化学素子を得ることができる。加えて金属支持体が円盤形状であるから、各種の応力集中を抑制し、また、温度分布を小さくできるので、電気化学素子の強度と信頼性をより高めつつ、性能の向上を図ることができる。なお、円盤形状とは、円形のみならず、楕円形や小判形などの応力集中を抑制可能な湾曲部を有する形状を含むものであり、上述の作用効果が得られる範囲であれば、加工上の問題も考慮して円に近い多角形や周囲に凹凸があるものでも構わない。なお電気化学反応部の各層について、電解質層が電極層と対極電極層との間に配置されていればよく、他の層が追加で配置されてもよい。また、一の層が他の層の全体を完全に覆うことも必須ではなく、例えば対極電極層が電解質層の一部を覆って配置されていてもよい。また、電解質層が電極層と対極電極層との間に配置されている領域の近傍に電解質層が電極層と対極電極層との間に配置されていない領域が設けられている構成であっても、電解質層は実質的に電極層と対極電極層との間に配置されているといえる。
〔構成2〕
本発明に係る電気化学素子の別の特徴構成は、前記電極層、前記電解質層、前記対極電極層が、それぞれ薄層として形成されている点にある。
上記の特徴構成によれば、電極層、電解質層、対極電極層が、それぞれ薄層として形成されているから、電気化学反応部での反応効率を高めて電気化学素子を高性能化することができる。また電気化学反応部を形成するための材料の量が少なくなるから、電気化学素子の材料コストを低減することができる。
〔構成3〕
本発明に係る電気化学素子の別の特徴構成は、前記金属支持体が、表側と裏側との間での気体の通流を許容する気体通流許容領域を有する点にある。
上記の特徴構成によれば、気体通流許容領域を通じて、気体を電極層に供給できるようになるため、燃料電池のような気体を反応に用いる電気化学素子に好適である。
〔構成4〕
本発明に係るセルユニットの特徴構成は、上述の電気化学素子と、有突起集電板とを有するセルユニットであって、
前記有突起集電板は、金属製の板であって、凹部または凸部が1つ以上含まれる凹凸構造部位を有し、
前記有突起集電板が、前記金属支持体の裏側に面して配置され、
前記凹凸構造部位が、複数のセルユニットが積層される際に、他のセルユニットの対極電極層に接続される点にある。
上記の特徴構成によれば、凹凸構造部位を有する有突起集電板によって他のセルユニットとの接続が容易になる上、金属製の凹凸構造部位を有する有突起集電板はプレス成形等の加工で容易に得られるため、材料コストおよび加工コストを抑制した低コストなセルユニットを実現することができる。更に、前記凹凸構造部位により、電気化学素子の熱膨張や熱収縮による変位を吸収・緩和できるため、セルユニットの信頼性をより高めることができる。なお、有突起集電板は、他のセルユニットの対極電極層側に直接接触させて接続することもできるし、有突起集電板と対極電極層の間に導電性を有する材料等を挿入して、そのような材料を介して接続することもできる。
〔構成5〕
本発明に係るセルユニットの別の特徴構成は、前記有突起集電板と前記金属支持体との間に接合部位が形成されている点にある。
上記の特徴構成によれば、金属支持体の表側に配置された電気化学反応部により得られた電気を前記接合部位を介して効率よく有突起集電板に導電することができるので、高性能なセルユニットを実現できる。また、金属製の支持体と金属製の集電板との接合部位であるから、集電板の形状に合わせて、ろう付けを含む各種の溶接や、かしめ等によって前記接合部位を形成できるため、材料コストおよび加工コストを抑制した低コストなセルユニットを実現することができ、好適である。なお、前記接合部位は、有突起集電板と金属支持体との接合箇所が得られればよく、有突起集電板が金属支持体に対して付勢される(押し付けられる)ことで接合部位が形成されても良い。
〔構成6〕
本発明に係るセルユニットの別の特徴構成は、前記金属支持体の裏側と前記有突起集電板との間に、その内部を気体が通流することを許容する隙間空間が形成される点にある。
上記の特徴構成によれば、有突起集電板と金属支持体との間に気体が通流可能な隙間空間が形成されるから、簡易な構成で気体通流許容領域への気体の供給を実現することができ、低コストなセルユニットを実現することができる。更に、気体の流配をより均質化することが可能となるから、高性能なセルユニットを得ることができ、好適である。
〔構成7〕
本発明に係るセルユニットの特徴構成は、上述の電気化学素子と、ガスセパレータ部材と、有突起集電板とを有するセルユニットであって、
前記ガスセパレータ部材は、金属製の部材であって、前記金属支持体の裏側に面して配置され、前記金属支持体との間に、その内部を気体が通流することを許容する隙間空間を形成し、
前記有突起集電板は、金属製の板であって、凹部または凸部が1つ以上含まれる凹凸構造部位を有し、
前記凹凸構造部位が、複数のセルユニットが積層される際に、他のセルユニットの対極電極層に接続される点にある。
上記の特徴構成によれば、ガスセパレータ部材と有突起集電板との間で、ガスセパレータ部材を通流する気体との熱交換が可能となるため、セルユニット内の温度分布を小さくすることができ、高性能なセルユニットを実現できる。更に、簡易な構成で気体通流許容領域への気体の供給を実現し、有突起集電板が他のセルユニットとの電気的接続を実現できるから、高性能なセルユニットを低コストで製造することができ好適である。更に、前記凹凸構造部位により、電気化学素子の熱膨張や熱収縮による変位を吸収・緩和できるため、セルユニットの信頼性をより高めることができる。なお、有突起集電板は、他のセルユニットの対極電極層側に直接接触させて接続することもできるし、有突起集電板と対極電極層の間に導電性を有する材料等を挿入して、そのような材料を介して接続することもできる。
〔構成8〕
本発明に係るセルユニットの別の特徴構成は、前記金属支持体と前記ガスセパレータ部材との間、前記金属支持体と前記有突起集電板との間、または前記ガスセパレータ部材と前記有突起集電板との間のうち、少なくとも1つの間に接合部位が形成されている点にある。
上記の特徴構成によれば、金属支持体とガスセパレータ部材との間、金属支持体と有突起集電板との間、またはガスセパレータ部材と有突起集電板との間のうち、少なくとも1つの間に接合部位が形成されているから、金属支持体の表側に配置された電気化学反応部により得られた電気を前記接合部位を介して効率よくガスセパレータ部材や有突起集電板に導電することができるので、高性能なセルユニットを実現できる。更に、金属製の支持体と金属製のガスセパレータ部材、または、金属製の支持体と金属製の集電板との接合部位、または、金属製のガスセパレータ部材と金属製の集電板との接合部位であるから、それぞれの部材の形状に合わせて、ろう付けを含む各種の溶接や、かしめ等によって前記接合部位を形成できるため、材料コストおよび加工コストを抑制した低コストなセルユニットを実現することができ、好適である。なお、前記接合部位は、金属支持体とガスセパレータ部材との間、金属支持体と有突起集電板との間、またはガスセパレータ部材と有突起集電板との間のうち、少なくとも1つの間のうち、少なくとも1つの間に接合箇所が得られればよく、いずれかの部材がいずれかの部材に対して付勢される(押し付けられる)ことで接合部位が形成されても良い。
〔構成9〕
本発明に係るセルユニットの別の特徴構成は、前記隙間空間に気体を供給する気体供給管を有する点にある。
上記の特徴構成によれば、セルユニット内に、前記空間に気体を供給する気体供給管を形成することで、簡易な構成で、気体供給管から前記空間を経て気体通流許容領域への気体の供給を実現することができ、コンパクトで低コストなセルユニットを実現することができる。
〔構成10〕
本発明に係るセルユニットの別の特徴構成は、前記気体供給管と前記金属支持体との間、前記気体供給管と前記有突起集電板との間、または前記気体供給管と前記セパレータ部材との間のうち、少なくとも1つの間に接合部位が形成されている点にある。
上記の特徴構成によれば、簡易な構成で気体のシールが可能となり、コンパクトで低コストなセルユニットを実現することができる。更に、気体供給管が金属製である場合は、支持体、集電板、ガスセパレータ部材のそれぞれが金属製であることから、ろう付けを含む各種の溶接等によって前記接合部位を形成できるため、材料コストおよび加工コストを抑制した低コストなセルユニットを実現することができ、好適である。
〔構成11〕
本発明に係るセルユニットの別の特徴構成は、前記気体供給管から前記隙間空間を経て、気体が前記金属支持体の内側から外側に向けて流れて、前記気体通流許容領域を通流して前記電極層へ供給される点にある。
上記の特徴構成によれば、セルユニットの温度分布や気体の流れの分布をより均質化できるので、高性能かつ信頼性・耐久性に優れたセルユニットを得ることができる。
〔構成12〕
本発明に係るセルユニットの別の特徴構成は、前記隙間空間において、気体が前記金属支持体の外側から内側に向けて流れて、前記気体通流許容領域を通流して前記電極層へ供給される点にある。
上記の特徴構成によれば、隙間空間において、気体が金属支持体の外側から内側に向けて流れるから、セルユニットの温度分布や気体の流れの分布をより均質化できるので、高性能かつ信頼性・耐久性に優れたセルユニットを得ることができる。
〔構成13〕
本発明に係るセルユニットの別の特徴構成は、前記隙間空間の形状が、前記金属支持体の円盤形状の中心軸に対して略軸対称である点にある。
上記の特徴構成によれば、略軸対称である隙間空間によって気体通流許容領域の全体に対して面内分布をより均等に気体を供給でき、セルユニットの温度分布や気体の流れの分布をより均質化できるので好適である。
〔構成14〕
本発明に係るセルユニットの別の特徴構成は、前記金属支持体が、開口部を有する点にある。
上記の特徴構成によれば、当該開口部にセルユニットの構成部材を配置して、セルユニットをコンパクト化することが可能となる。例えば、隙間空間に気体を供給する気体供給管を当該開口部を通して配置することも可能となる。
〔構成15〕
本発明に係るセルユニットの別の特徴構成は、前記有突起集電板が円盤形状である点にある。
上記の特徴構成によれば、金属支持体も有突起集電板も円盤形状であるから、金属支持体の表側に配置された電気化学反応部により得られる電流の密度分布や、気体の流配をより均質化することが可能となり、高性能なセルユニットを低コストで製造することができ好適である。
〔構成16〕
本発明に係る電気化学モジュールの特徴構成は、上述のセルユニットが複数積層した状態で配置される点にある。
上記の特徴構成によれば、上述のセルユニットが複数積層した状態で配置されるので、材料コストと加工コストを抑制しつつ、コンパクトで高性能な、強度と信頼性・耐久性に優れた電気化学モジュールを得ることができる。
〔構成17〕
本発明に係る電気化学装置の特徴構成は、上述の電気化学モジュールと、電気化学モジュールに対して還元性成分を含有する燃料を供給する燃料供給部とを少なくとも有し、前記電気化学モジュールから電力を取り出す構成とする点にある。
上記の特徴構成によれば、例えば、水素や炭化水素ガス、アルコール等の、還元性成分を含有する燃料を電気化学モジュールに供給して、電気化学反応により発電を行って電力を取り出すことができるので、コンパクトで高性能な、強度と信頼性・耐久性に優れた電気化学装置を実現することができる。このため、定置用や移動用など、多岐に渡る用途に使用可能な電気化学装置として好適である。
〔構成18〕
本発明に係る電気化学装置の別の特徴構成は、上述の電気化学モジュールと改質器を少なくとも有し、前記電気化学モジュールに対して還元性成分を含有する燃料ガスを供給する燃料供給部と、前記電気化学モジュールから電力を取り出すインバータとを有する点にある。
上記の特徴構成によれば、電気化学モジュールと改質器を有し電気化学モジュールに対して還元性成分を含有する燃料ガスを供給する燃料供給部と、電気化学モジュールから電力を取り出すインバータとを有するので、都市ガス等の既存の原燃料供給インフラを用い、低コストでコンパクトな耐久性・信頼性および性能に優れた電気化学モジュールから電力を取り出すことができ、低コストでコンパクトな耐久性・信頼性および性能に優れた電気化学装置を実現することができる。また、電気化学モジュールから排出される未利用の燃料ガスをリサイクルするシステムを構築し易くなるため、高効率な電気化学装置を実現することができる。
〔構成19〕
上記目的を達成するための本発明に係るエネルギーシステムの特徴構成は、上述の電気化学装置と、前記電気化学装置から排出される熱を再利用する排熱利用部を有する点にある。
上記の特徴構成によれば、電気化学装置と、電気化学装置から排出される熱を再利用する排熱利用部を有するので、低コストでコンパクトな耐久性・信頼性および性能に優れ、かつエネルギー効率にも優れたエネルギーシステムを実現することができる。なお、電気化学装置から排出される未利用の燃料ガスの燃焼熱を利用して発電する発電システムと組み合わせてエネルギー効率に優れたハイブリットシステムを実現することもできる。
電気化学素子およびセルユニットの構造を示す上面図 電気化学素子およびセルユニットの構造を示す断面図 セルユニットの構造を示す断面図 有突起集電板の構造を示す斜視断面図 電気化学素子の構造を示す断面図 セルユニットの構造を示す断面図 有突起集電板の構造を示す斜視断面図 有突起集電板の構造を示す斜視断面図 電気化学装置およびエネルギーシステムの構成を示す概略図
〔第1実施形態〕
<電気化学素子>
以下、第1実施形態に係る電気化学素子について図1および図2に基づいて説明する。電気化学素子Qは、金属支持体1と電気化学反応部Rとを有し、金属支持体1が円盤形状であり、電気化学反応部Rは、電極層Aと、電解質層Bと、対極電極層Cとを少なくとも有し、金属支持体1の表側1eに配置されており、電解質層Bは、電極層Aと対極電極層Cとの間に配置されている。
<金属支持体>
金属支持体1は、金属製の円盤形状の平板である。本実施形態では、金属支持体1の中央に、金属支持体1と同心の開口部1bが形成されている。金属支持体1には、表側1eと裏側1fとを貫通して複数の貫通孔1aが形成されている。この貫通孔1aを通じて金属支持体1の表側1eと裏側1fとの間で気体の通流が可能となっている。本実施形態では、貫通孔1aが設けられているドーナツ型の帯状の領域を気体通流許容領域Pと称する。
なお、金属支持体1は、支持体として電気化学素子を形成するのに充分な強度を有すれば良く、例えば、0.1mm〜2mm程度、好ましくは0.1mm〜1mm程度、より好ましくは0.1mm〜0.5mm程度の厚みのものを用いることができる。また、金属支持体1には、焼結金属や発泡金属等を用いることもできる。
金属支持体1の材料としては、耐熱性、耐酸化性および耐腐食性に優れた金属材料が用いられる。例えば、フェライト系ステンレス鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、ニッケル基合金などが用いられる。特に、クロムを含む合金が好適に用いられる。例えば、Crを15重量%〜25重量%程度含むFe−Cr系合金材料の場合、その上に形成する電極層Aや電解質層Bの材料と熱膨張率が近くなり、信頼性・耐久性に優れた電気化学素子を得ることができるため好ましい。また、Crを70重量%以上含むCrリッチなCr−Fe系合金を用いることもできる。更に、Ni−Cr−Al系やFe−Cr−Al系の合金等も用いることができる。
金属支持体1の表面には、拡散防止膜(図示なし)が形成されている。拡散防止膜は、金属支持体1からのCrの飛散を抑制するために設けられる。拡散防止膜は導電性を有し、電気化学反応部Rの電極層A(後述)と金属支持体1との導通を抑制しないよう、低い抵抗値となるように構成される。
拡散防止膜の抵抗値としては、0.1Ω・cm2程度以下であればよく、0.05Ω・cm2程度以下であれば、電気化学素子Qを燃料電池として動作させた場合でも十分な起電力と電流量を確保でき好適である。
拡散防止膜は種々の手法により形成されうるが、金属支持体1の表面を酸化させて金属酸化物被膜層を形成する手法が好適に利用される。その場合、酸素分圧を低く制御した雰囲気下や、不活性ガスあるいは水素雰囲気下にて金属支持体1を熱処理することにより、適切な厚さおよび抵抗値を有する拡散防止膜を金属支持体1の表面に好適に形成することができる。特に、金属支持体1に、Crを15重量%〜25重量%程度含むFe−Cr系合金材料を用いると、焼成処理によって、その表面に容易に酸化クロムを主成分とする拡散防止膜を形成することができるため好ましい。また、拡散防止膜は、金属支持体1の表面に、スパッタリング法やPLD法、CVD法、スプレーコーティング法などにより形成しても良いし、メッキと酸化処理によって形成しても良い。更に、拡散防止膜は導電性の高いスピネル相などを含んでも良い。
<電気化学反応部>
本実施形態に係る電気化学反応部Rは、電極層Aと、電解質層Bと、対極電極層Cと、中間層とを有する。
<電極層>
電極層Aは、金属支持体1の表側1eの表面(すなわち拡散防止膜)の上に、膜の状態で形成される。その膜厚は、例えば、1μm〜100μm程度、好ましくは、5μm〜50μm程度とすることができる。このような膜厚にすることで、高価な電極層材料の使用量を低減してコストダウンを図りつつ、十分な電極性能を確保することが可能となる。
電極層Aの材料としては、例えばNiO−酸化セリウム(セリア)を主成分とするもの、Ni−酸化セリウム(セリア)を主成分とするもの、NiO−ジルコニアを主成分とするもの、Ni−ジルコニアを主成分とするもの、CuO−酸化セリウム(セリア)を主成分とするもの、Cu−酸化セリウム(セリア)を主成分とするものなどの複合材を用いることができる。なお、酸化セリウム(セリア)、ジルコニア等あるいはこれらに異種元素をドープした固溶体を複合材の骨材と呼ぶ。電極層Aは、気体透過性を具備するように形成される。例えば、電極層Aの表面および内部に微細な複数の細孔を有するように構成される。
電極層Aは、低温焼成法(例えば1400℃等の高温域での焼成処理をせず、例えば1100℃程度以下の低温域での焼成処理を用いる湿式法)やスプレーコーティング法、スパッタリング法、パルスレーザーデポジション法、CVD法などにより形成することが好ましい。これらの、低温域での使用可能なプロセスにより、例えば1400℃等の高温域での焼成を用いずに、例えば1100℃程度以下の低温域での処理によって、良好な電極層Aが得られる。そのため、金属支持体1に高温加熱によるダメージを与えることを抑制でき、また、金属支持体1と電極層Aとの間の高温加熱による元素相互拡散を抑制することができ、耐久性に優れた電気化学素子Qを実現できるので好ましい。
<電解質層>
電解質層Bは、電極層Aと対極電極層Cとの間に膜状で設けられる。その膜厚は、例えば、1μm〜50μm程度、好ましくは1μm〜20μm程度、より好ましくは2μm〜10μm程度とすることができる。このような膜厚にすることで、高価な電解質層材料の使用量を低減してコストダウンを図りつつ、十分な電解質性能を確保することが可能となる。
電解質層Bの材料としては、種々のジルコニア系材料、酸化セリウム系材料、種々のペロブスカイト系複合酸化物等の固体電解質材料を用いることができる。特にジルコニア系のセラミックスが好適に用いられる。電解質層Bをジルコニア系セラミックスにすると、電気化学素子Qの稼働時の温度をセリア系セラミックスに比べて高くすることができ、非常に高効率な電気化学素子Qを構成することができる。
電解質層Bは、低温焼成法(例えば1400℃等の高温域での焼成処理をせず、例えば1100℃程度以下の低温域での焼成処理を用いる湿式法)やスプレーコーティング法、スパッタリング法、パルスレーザーデポジション法、CVD法などにより形成することが好ましい。これらの、低温域で使用可能な成膜プロセスにより、例えば1400℃等の高温域での焼成を用いずに、例えば1100℃程度以下の低温域での処理によって、緻密で気密性の高い電解質層Bが得られる。そのため、金属支持体1に高温加熱によるダメージを与えることを抑制でき、また、金属支持体1と電極層Aとの間の高温加熱による元素相互拡散を抑制することができ、耐久性に優れた電気化学素子Qを実現できるので好ましい。
電解質層Bは、気密性を保つために緻密に構成される。なお、電解質層Bに、相対密度が90%以上である層が含まれることが好ましい。また、相対密度が95%以上である層が含まれることがより好ましく、更には、相対密度が98%以上である層が含まれることが好ましい。このように、相対密度を高くすることで電解質層Bを緻密なものとすることができる。なお、ここで相対密度とは、電解質材料の理論密度に対して実際に形成された電解質層Bの密度の割合を表す。電解質層Bは、気体通流許容領域Pを覆うように構成されると、ガスの気密性が高められ、高性能な電気化学素子Qを実現できるので好ましい。また、電解質層Bと他の気密性の高い部材(シール材など)を組合せて気体通流許容領域Pを覆うように構成することもできる。
<対極電極層>
対極電極層Cは、電解質層Bの上に膜状で設けられる。その膜厚は、例えば、1μm〜100μm程度、好ましくは、5μm〜50μm程度とすることができる。このような膜厚にすることで、高価な対極電極層材料の使用量を低減してコストダウンを図りつつ、十分な対極電極性能を確保することが可能となる。
対極電極層Cの材料としては、例えば、LSCF(La−Sr−Co−Fe系酸化物)、LSC(La−Sr−Co系酸化物)、LSM(La−Sr−Mn系酸化物)等の複合酸化物を用いることができる。なお対極電極層Cは、低温焼成法(例えば1400℃等の高温域での焼成処理をせず、例えば1100℃程度以下の低温域での焼成処理を用いる湿式法)やスプレーコーティング法、スパッタリング法、パルスレーザーデポジション法、CVD法などにより形成することが好ましい。これらの、低温域で使用可能なプロセスにより、例えば1400℃等の高温域での焼成を用いずに、例えば1100℃程度以下の低温域での処理によって、良好な対極電極層Cが得られる。そのため、金属支持体1に高温加熱によるダメージを与えることを抑制でき、また、金属支持体1と電極層Aとの間の高温加熱による元素相互拡散を抑制することができ、耐久性に優れた電気化学素子Qを実現できるので好ましい。
<中間層>
なお、電極層Aと電解質層Bとの間に中間層(緩衝層)が膜の状態で形成されていてもよい。その膜厚は、例えば、1μm〜100μm程度、好ましくは2μm〜50μm程度、より好ましくは5μm〜20μm程度とすることができる。このような膜厚にすることで、高価な中間層材料の使用量を低減してコストダウンを図りつつ、十分な中間層性能を確保することが可能となる。
中間層の材料としては、例えば、酸化セリウム系材料やジルコニア系材料等を用いることができる。中間層を電極層Aと電解質層Bとの間に導入することにより、電気化学反応部Rの性能や信頼性、耐久性を向上できる。なお中間層は、低温焼成法(例えば1400℃等の高温域での焼成処理をせず、例えば1100℃程度以下の低温域での焼成処理を用いる湿式法)やスプレーコーティング法、スパッタリング法、パルスレーザーデポジション法、CVD法などにより形成することが好ましい。これらの、低温域で使用可能なプロセスにより、例えば1400℃等の高温域での焼成を用いずに、例えば1100℃程度以下の低温域での処理によって、良好な中間層が得られる。そのため、金属支持体1に高温加熱によるダメージを与えることを抑制でき、また、金属支持体1と電極層Aとの間の高温加熱による元素相互拡散を抑制することができ、耐久性に優れた電気化学素子Qを実現できるので好ましい。
また電解質層Bと対極電極層Cとの間に、中間層(反応防止層)が膜の状態で形成されていてもよい。その膜厚は、例えば、1μm〜100μm程度、好ましくは2μm〜50μm程度、より好ましくは5μm〜20μm程度とすることができる。このような膜厚にすることで、高価な中間層材料の使用量を低減してコストダウンを図りつつ、十分な中間層性能を確保することが可能となる。
中間層の材料としては、例えば、酸化セリウム系材料やジルコニア系材料等を用いることができる。中間層を電解質層Bと対極電極層Cとの間に導入することにより、対極電極層Cの構成材料と電解質層Bの構成材料との反応が効果的に抑制され、電気化学反応部Rの性能の長期安定性を向上できる。なお中間層は、低温焼成法(例えば1400℃等の高温域での焼成処理をせず、例えば1100℃程度以下の低温域での焼成処理を用いる湿式法)やスプレーコーティング法、スパッタリング法、パルスレーザーデポジション法、CVD法などにより形成することが好ましい。これらの、低温域で使用可能なプロセスにより、例えば1400℃等の高温域での焼成を用いずに、例えば1100℃程度以下の低温域での処理によって、良好な中間層が得られる。そのため、金属支持体1に高温加熱によるダメージを与えることを抑制でき、また、金属支持体1と電極層Aとの間の高温加熱による元素相互拡散を抑制することができ、耐久性に優れた電気化学素子Qを実現できるので好ましい。
以上説明した中間層は、必要に応じて設置すればよく、電極層A、電解質層B、対極電極層Cをこの順で積層した構成も可能である。また、中間層を一方だけ、あるいは両方を設けることも可能である。すなわち、電極層A、電解質層B、中間層、対極電極層Cをこの順で積層した構成も可能である。電極層A、中間層、電解質層B、対極電極層Cをこの順で積層した構成も可能である。電極層A、中間層、電解質層B、中間層、対極電極層Cをこの順で積層した構成も可能である。
以上の様に構成された電気化学素子Qでは、導電性を有する拡散防止膜の上に接して電極層Aが形成されている。したがって、金属支持体1と電極層Aとの間の電気伝導性が確保されている。また、必要に応じて、金属支持体1の表面の必要な部分に、絶縁被膜を形成してもよい。
<電気化学反応部Rでの電気化学反応>
以上の様に構成された電気化学反応部Rは、気体の供給を受け、電気化学反応を生じさせる。
電気化学反応部Rが燃料電池として動作する場合は、電極層Aに水素ガスが供給され、対極電極層Cに酸素ガスが供給される。そうすると、対極電極層Cにおいて酸素分子O2が電子e-と反応して酸素イオンO2-が生成される。その酸素イオンO2-が電解質層Bを通って電極層Aへ移動する。電極層Aにおいては、水素分子H2が酸素イオンO2-と反応し、水H2Oと電子e-が生成される。以上の反応により、電極層Aと対極電極層Cとの間に起電力が発生し、発電が行われる。
電気化学反応部Rが電解セルとして動作する場合は、電極層Aに水蒸気を含有するガスが供給され、電極層Aと対極電極層Cとの間に電圧が印加される。そうすると、電極層Aにおいて水分子H2Oが電子e-を受け取って水素分子H2と酸素イオンO2-となる。酸素イオンO2-は電解質層Bを通って対極電極層Cへ移動する。対極電極層Cにおいて酸素イオンO2-が電子を放出して酸素分子O2となる。以上の反応により、水分子H2Oが水素H2と酸素O2とに電気分解される。
<セルユニット>
次に、本実施形態に係るセルユニットUについて図2および図3に基づいて説明する。セルユニットUは、電気化学素子Qと有突起集電板3とを有し、有突起集電板3は、金属製の円盤形状の板であって、凹部または凸部が1つ以上含まれる凹凸構造部位3aを有し、有突起集電板3が、金属支持体1の裏側1fに面して配置され、金属支持体1に対して接合部位Wを介して接合され、凹凸構造部位3aが、複数のセルユニットUが積層される際に、他のセルユニットUの対極電極層Cに接続される。
詳しくはセルユニットUは、電気化学素子Qと、気体供給管2と、有突起集電板3とを有して構成される。
<気体供給管>
気体供給管2は、金属製の円筒形状の部材である。気体供給管2は、その中心軸が金属支持体1の中心軸1cと一致した状態で、金属支持体1の開口部1bに挿入され、溶接により固定される。また、金属支持体1が気体供給管2に対してシール材を挟んで付勢されてもよい。気体供給管2の材料としては、上述の金属支持体1と同様のものを用いることができる。また気体供給管2の表面に、金属支持体1と同様の拡散防止膜を形成すると、Cr飛散を抑制することができ好適である。
なお、気体供給管2は、セルユニットUおよび後述する電気化学モジュールMを構成するのに充分な強度を有すれば良い。また、気体供給管2には、焼結金属や発泡金属等を用いることもできるが、この場合は気体が透過しないように表面コーティングなどの処理を施せばよい。
気体供給管2は、その内側に中心軸と平行に仕切壁2aが配置されて、第1流路2bと第2流路2cとに仕切られている。第1流路2bと第2流路2cとは、それぞれに異なる気体が通流できるよう、互いに気体が通流しない形態とされる。
気体供給管2に、内側と外側とを貫通する第1通流孔2dと第2通流孔2eとが形成されている。第1通流孔2dは、金属支持体1と有突起集電板3との間の空間(隙間空間S)と第1流路2bとをつないでいて、両者の間での気体の通流が可能となっている。第2通流孔2eは、有突起集電板3に対して金属支持体1と反対側の空間と第2流路2cとをつないでいて、両者の間での気体の通流が可能となっている。第1通流孔2dと第2通流孔2eとは、気体供給管2の中心軸に沿う方向に関して、異なる位置に形成されており、有突起集電板3を挟んで両側に形成されている。
<有突起集電板>
有突起集電板3は、中央に開口部3bを有する金属製の円盤形状の板である。本実施形態では、図4に示す様に、複数の凹凸構造部位3aが、有突起集電板3の円盤の面から上下方向に突出して形成されている。凹凸構造部位3aは、頂点がなだらかな円錐形状である。図4に示される有突起集電板3の断面から分かるとおり、上方向に突出する凹凸構造部位3aと下方向に突出する凹凸構造部位3aとが隣接して形成されている。
有突起集電板3は、図2に示される様に、金属支持体1の裏側1fに面して配置され、金属支持体1に対して接合部位Wを介して接合される。例えば、有突起集電板3を金属支持体1に直接付勢して接合することができるが、この場合は、凹凸構造部位3aの頂点と金属支持体1の接触する部分が接合部位Wとなる。また、凹凸構造部位3aの頂点に、導電性に優れたセラミックスペースト等を塗布して接合部位Wを形成して、有突起集電板3を金属支持体1に付勢して接合することもできるし、金属フェルト等を有突起集電板3と金属支持体1の間に挟んで有突起集電板3を金属支持体1に付勢して接合することもできる。もしくは、有突起集電板3と金属支持体1とが凹凸構造部位3aの頂点の一部または全部にて、ろう付けにて接合部位Wを形成しつつ接合することもできる。そして有突起集電板3は、気体供給管2が開口部3bを通る形態にて配置される。有突起集電板3と気体供給管2とは、開口部3bの周囲において溶接にて接合される。また、有突起集電板3が気体供給管2に対してシール材を挟んで付勢されてもよい。
有突起集電板3の材料としては、上述の金属支持体1と同様のものを用いることができる。また有突起集電板3の表面に、金属支持体1と同様の拡散防止膜を形成すると、Cr飛散を抑制することができ好適である。以上の様に構成される有突起集電板3は、プレス成形などにより低コストで製造することが可能である。なお有突起集電板3は、表側と裏側との間で気体が通流できないよう、気体を透過しない材料で構成される。
また有突起集電板3は、セルユニットUおよび後述する電気化学モジュールMを構成するのに充分な強度を有すれば良く、例えば、0.1mm〜2mm程度、好ましくは0.1mm〜1mm程度、より好ましくは0.1mm〜0.5mm程度の厚みのものを用いることができる。また、有突起集電板3には、焼結金属や発泡金属等を用いることもできるが、この場合は気体が透過しないように表面コーティングなどの処理を施せばよい。
図3に示す通り、セルユニットUは複数積層されて電気化学モジュールMを形成する。その際に有突起集電板3は、他のセルユニットUの対極電極層Cに接続される。詳しくは、有突起集電板3の凹凸構造部位3aの頂点が、下側に位置するセルユニットUの対極電極層Cに対して接合される。これにより、一方のセルユニットUの電極層Aと、他方のセルユニットUの対極電極層Cとが、電気的に接続される。
<隙間空間>
上述の通り、有突起集電板3は凹凸構造部位3aを有しており、凹凸構造部位3aの頂点が金属支持体1の裏側1fに接合される。そうすると、金属支持体1と有突起集電板3との間には、中心軸1cに対して軸対称である、円盤状(ドーナツ型)の空間が形成される。この空間には、気体供給管2の第1通流孔2dを通って第1流路2bから気体が供給される。そうするとその気体は、金属支持体1の貫通孔1aすなわち気体通流許容領域Pに供給されて、電極層Aに供給される。すなわちセルユニットUでは、金属支持体1と有突起集電板3との間に、気体通流許容領域Pに対して気体の通流を許容する隙間空間Sが形成される。また、同様に、有突起集電板3の凹凸構造部位3aの頂点が、下側に位置するセルユニットUの対極電極層Cに対して接合されると、気体供給管2の第2通流孔2eを通って対極電極層Cに対して気体の供給が可能となる空間が形成される。つまり、有突起集電板3は、図3に示すような構成でセルユニットUが複数積層されて電気化学モジュールMを形成する際には、導電パスとしての役割に加えて、ガスセパレータの役割も果たすことになる。
<電気化学モジュール>
続いて、本実施形態に係る電気化学モジュールMについて図3に基づいて説明する。電気化学モジュールMは、上述のセルユニットUが複数積層した状態で配置されて構成される。
詳しくは電気化学モジュールMは、上述のセルユニットUを、ガスケット6を挟んで複数積層して構成される。ガスケット6は、一方のセルユニットUの気体供給管2と、他方のセルユニットUの気体供給管2との間に配置される。そしてガスケット6は、一方のセルユニットUの金属支持体1、気体供給管2および有突起集電板3と、他方のセルユニットUの金属支持体1、気体供給管2および有突起集電板3との間を、電気的に絶縁する。ガスケット6は、併せて、気体供給管2の第1流路2bおよび第2流路2cを通流する気体が漏出したり混合したりしないよう、セルユニットUの接続部位(気体供給管2の接続部位)を気密に保つ。ガスケット6は、以上の電気的絶縁および気密保持が可能なように、例えばバーミキュライトや雲母、アルミナ等を材料として形成される。
そして上述の通り、有突起集電板3が、一方のセルユニットUの金属支持体1と、対極電極層Cとを電気的に接続している。そうすると、一方のセルユニットUの電極層Aと、他方のセルユニットUの対極電極層Cとが、金属支持体1および有突起集電板3を介して電気的に接続されることになる。したがって本実施形態に係るセルユニットUでは、各セルユニットUの電気化学反応部Rが、電気的に直列に接続される。
電気化学モジュールMにおける気体の通流について図3に基づいて説明する。説明は、電気化学反応部Rを燃料電池として動作させる場合を例として行う。
気体供給管2の第1流路2bに、水素ガスHが供給される。そうすると水素ガスHは、第1通流孔2dを通って隙間空間Sに流れ込む。水素ガスHは、隙間空間Sを外周部1dに向けて流れて、気体通流許容領域Pに供給される。そして水素ガスHは気体通流許容領域Pの貫通孔1aを通流して、電極層Aに供給される。残余のガスは、反応排ガスJとして外周部1dから排出される。なお第1通流孔2dは気体供給管2の第1流路2bの側にのみ形成されているが、隙間空間Sは円盤状(ドーナツ型)に連続して形成されているから、第1通流孔2dから流出した水素ガスHは、気体供給管2を回り込んで反対側(第2流路2c側)にも流れる。
気体供給管2の第2流路2cに、酸素ガスKが供給される。そうすると酸素ガスKは、第2通流孔2eを通って、有突起集電板3と対極電極層Cとの間の空間に流れ込む。酸素ガスKは、その空間を外周部1dに向けて流れて、対極電極層Cに供給される。残余のガスは、外周部1dから排出される。なお第2通流孔2eは気体供給管2の第2流路2cの側にのみ形成されているが、第2通流孔2eから流出した酸素ガスKは、気体供給管2を回り込んで反対側(第1流路2b側)にも流れる。
〔第2実施形態〕
<セルユニット>
第2実施形態に係るセルユニットUについて図5に基づいて説明する。なお以下の第2〜第5実施形態、及び、他の実施形態では、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
第2実施形態に係るセルユニットUは、電気化学素子Qと、ガスセパレータ部材4と、有突起集電板3とを有し、ガスセパレータ部材4は、金属製の部材であって、金属支持体1の裏側1fに面して配置され、金属支持体1との間に、気体通流許容領域Pに対して気体の通流を許容する隙間空間Sを形成し、有突起集電板3は、金属製の円盤形状の板であって、凹部または凸部が1つ以上含まれる凹凸構造部位3aを有し、凹凸構造部位3aが、複数のセルユニットUが積層される際に、他のセルユニットUの対極電極層Cに接続される。
<ガスセパレータ部材>
ガスセパレータ部材4は、本実施形態では有突起集電板3と同形状・同構成の部材が用いられる。つまり、ガスセパレータ部材は中央に開口部を有する金属製の円盤形状の板である。そして、複数の凹凸構造部位4aが、ガスセパレータ部材4の円盤の面から上下方向に突出して形成されている。
ガスセパレータ部材4は、金属支持体1の裏側1fに面して配置され、金属支持体1に対して接合される。例えば、ガスセパレータ部材4を金属支持体1に直接付勢して接合することができるが、この場合は、凹凸構造部位4aの頂点と金属支持体1の接触する部分が接合部位Wとなる。また、凹凸構造部位4aの頂点に、導電性に優れたセラミックスペースト等を塗布して接合部位Wを形成して、ガスセパレータ部材4を金属支持体1に付勢して接合することもできるし、金属フェルト等をガスセパレータ部材4と金属支持体1の間に挟んでガスセパレータ部材4を金属支持体1に付勢して接合することもできる。もしくは、ガスセパレータ部材4と金属支持体1とが凹凸構造部位4aの頂点の一部または全部にて、ろう付けにて接合部位Wを形成しつつ接合することもできる。そしてガスセパレータ部材4は、気体供給管2が開口部を通る形態にて配置される。ガスセパレータ部材4と気体供給管2とは、開口部の周囲において溶接にて接合される。また、ガスセパレータ部材4が気体供給管2に対してシール材を挟んで付勢されてもよい。
そしてガスセパレータ部材4は、外壁板5aと底板部材5bとで覆われる。外壁板5aは、金属製の円筒形状の部材であって、金属支持体1と同じ直径を有している。底板部材5bは、金属製のドーナツ型の部材であって、金属支持体1と同じ直径を有している。外壁板5aは、金属支持体1の外周部1dに気密を保つ形態にて溶接で接合される。また、外壁板5aが金属支持体1に対してシール材を挟んで付勢されてもよい。底板部材5bは、外壁板5aと、気体供給管2とに、気密を保つ形態にて溶接により接合される。また、底板部材5bが、外壁板5aと気体供給管2とに対してシール材を挟んで付勢されてもよい。また、例えば、底板部材5bは、ガスセパレータ部材4に直接付勢して接合される。このようにすることで、凹凸構造部位4aの頂点と底板部材5bが接触し、導電パスが形成される。なお、この場合、凹凸構造部位4aの頂点に導電性に優れたセラミックスペースト等を塗布したり、金属フェルト材料を挟んだりして、底板部材5bをガスセパレータ部材4に付勢して接合してもよい。もしくは、底板部材5bを凹凸構造部位4aの頂点の一部または全部にてろう付けにて接合することもできる。
このようにして、金属支持体1と外壁板5aと底板部材5bとにより、円筒形状の空間が形成される。そしてその空間は、ガスセパレータ部材4により2つに仕切られる。なおガスセパレータ部材4の外周は、外壁板5aと接触していないため、ガスセパレータ部材4の上下の空間は、外周部に於いて連通している。ガスセパレータ部材4の上側の空間(金属支持体1との間の空間)は、第1通流孔2dによって、第1流路2bと連通している。ガスセパレータ部材4の下側の空間(底板部材5bとの間の空間)は、第2通流孔2eによって、第2流路2cと連通している。
<隙間空間>
ガスセパレータ部材4の上側の空間(金属支持体1との間の空間)は、金属支持体1と接している。そうすると、その空間の気体は、金属支持体1の貫通孔1aすなわち気体通流許容領域Pに供給されて、電極層Aに供給される。すなわち本実施形態のセルユニットUでは、金属支持体1とガスセパレータ部材4との間に、気体通流許容領域Pに対して気体の通流を許容する隙間空間Sが形成される。
<電気化学モジュール>
続いて、本実施形態に係る電気化学モジュールMについて図6に基づいて説明する。電気化学モジュールMは、上述のセルユニットUが複数積層した状態で配置されて構成される。詳しくは電気化学モジュールMは、第1実施形態と同様に、セルユニットUをガスケット6を挟んで複数積層して構成される。
本実施形態では、金属支持体1、ガスセパレータ部材4、底板部材5b、有突起集電板3および気体供給管2が溶接で接続されている。そして有突起集電板3の凹凸構造部位3aが、他のセルユニットUの対極電極層Cに接続されている。そうすると、一方のセルユニットUの電極層Aと、他方のセルユニットUの対極電極層Cとが、電気的に接続されることになる。したがって本実施形態に係るセルユニットUでは、各セルユニットUの電気化学反応部Rが、電気的に直列に接続される。
電気化学モジュールMにおける気体の通流について図6に基づいて説明する。説明は、電気化学反応部Rを燃料電池として動作させる場合を例として行う。
気体供給管2の第2流路2cに、水素ガスHが供給される。そうすると水素ガスHは、第2通流孔2eを通って、ガスセパレータ部材4と底板部材5bとの間の空間に流れ込む。水素ガスHは、その空間を外周部1dに向けて流れて、外空間の端で隙間空間S(ガスセパレータ部材4と金属支持体1との間の空間)に流れ込む。そして水素ガスHは、隙間空間Sから気体通流許容領域Pに供給され、気体通流許容領域Pの貫通孔1aを通流して、電極層Aに供給される。残余のガスは、第1通流孔2dから第1流路2bに流れ込み、電気化学モジュールMから排出される。なお第2通流孔2eは気体供給管2の第2流路2cの側にのみ形成されているが、第2通流孔2eから流出した水素ガスHは、気体供給管2を回り込んで反対側(第1流路2b側)にも流れる。すなわち本実施形態では、隙間空間Sにおいて、水素ガスHが金属支持体1の外周から中心軸1cに向けて流れて、気体通流許容領域Pを通流して電極層Aへ供給される。
有突起集電板3と対極電極層Cとの間には、電気化学モジュールMの外側から酸素ガスKが供給される。そして酸素ガスKは対極電極層Cへ供給され、電気化学反応に用いられる。
〔第3実施形態〕
<有突起集電板>
上述の実施形態では有突起集電板3は頂点がなだらかな円錐形状である凹凸構造部位3aを有していた。凹凸構造部位3aとしては、図7に示すような形状も可能である。図7に示す第3実施形態に係る有突起集電板3は、円盤形状の径方向に延びる直線に沿って交互に山折り・谷折りされた形状を有している。すなわち、山の部位、谷の部位が凹凸構造部位3aに該当する。このような形状の有突起集電板3は、第1実施形態と同様にプレス成形により低コストで製造することが可能である。
〔第4実施形態〕
<有突起集電板>
有突起集電板3の凹凸構造部位3aとしては、図8に示す形状も可能である。図8に示す第4実施形態に係る有突起集電板3は、円盤形状の中心から螺旋状に延びる曲線に沿って交互に山折り・谷折りされた形状を有している。すなわち、山の部位、谷の部位が凹凸構造部位3aに該当する。このような形状の有突起集電板3は、第1実施形態と同様にプレス成形により低コストで製造することが可能である。
<第5実施形態>
以上説明した電気化学素子Qおよび電気化学モジュールMを用いて、電気化学装置YおよびエネルギーシステムZを構築することができる。
<エネルギーシステム、電気化学装置>
図9には、エネルギーシステムZおよび電気化学装置Yの概要が示されている。
エネルギーシステムZは、電気化学装置Yと、電気化学装置Yから排出される熱を再利用する排熱利用部としての熱交換器53とを有する。
電気化学装置Yは、電気化学モジュールMと、脱硫器31と改質器34とを有し電気化学モジュールMに対して還元性成分を含有する燃料ガスを供給する燃料供給部と、電気化学モジュールMから電力を取り出すインバータ38とを有する。
詳しくは電気化学装置Yは、脱硫器31、改質水タンク32、気化器33、改質器34、ブロア35、インバータ38、制御部39および電気化学モジュールMを有する。
脱硫器31は、都市ガス等の炭化水素系の原燃料に含まれる硫黄化合物成分を除去(脱硫)する。原燃料中に硫黄化合物が含有される場合、脱硫器31を備えることにより、硫黄化合物による改質器34あるいは電気化学素子Qに対する悪影響を抑制することができる。気化器33は、改質水タンク32から供給される改質水から水蒸気を生成する。改質器34は、気化器33にて生成された水蒸気を用いて脱硫器31にて脱硫された原燃料を水蒸気改質して、水素を含む改質ガスを生成する。
電気化学モジュールMは、改質器34から供給された改質ガスと、ブロア35から供給された空気とを用いて、電気化学反応させて発電する。
電気化学モジュールMは、複数の電気化学素子Qを有する。複数の電気化学素子Qは互いに電気的に接続された状態で複数積層して配置される。電気化学素子Qは、改質ガスと、ブロア35から供給された空気とを電気化学反応させて発電する。
インバータ38は、電気化学モジュールMの出力電力を調整して、商用系統(図示省略)から受電する電力と同じ電圧および同じ周波数にする。制御部39は電気化学装置YおよびエネルギーシステムZの運転を制御する。
原燃料は、昇圧ポンプ41の作動により原燃料供給路42を通して脱硫器31に供給される。改質水タンク32の改質水は、改質水ポンプ43の作動により改質水供給路44を通して気化器33に供給される。そして、原燃料供給路42は脱硫器31よりも下流側の部位で、改質水供給路44に合流されており、合流された改質水と原燃料とが気化器33に供給される。
改質水は気化器33にて気化され水蒸気となる。気化器33にて生成された水蒸気を含む原燃料は、水蒸気含有原燃料供給路45を通して改質器34に供給される。改質器34にて原燃料が水蒸気改質され、水素ガスを主成分とする改質ガス(還元性成分を有する第1気体)が生成される。改質器34にて生成された改質ガスは、改質ガス供給路46を通して電気化学モジュールMに供給される。
電気化学モジュールMに供給された改質ガスは、複数積層された電気化学素子Qに供給される。改質ガス中の主に水素(還元性成分)が、電気化学素子Qにて電気化学反応に使用される。反応に用いられなかった残余の水素ガスを含む反応排ガスが、電気化学素子Qから排ガス排出路52により熱交換器53に送られる。
熱交換器53は、電気化学モジュールMからの反応排ガスと、供給される冷水とを熱交換させ、温水を生成する。すなわち熱交換器53は、電気化学装置Yから排出される熱を再利用する排熱利用部として動作する。
なお、排熱利用部の代わりに、電気化学モジュールMから排出される反応排ガスを利用する反応排ガス利用部を設けてもよい。反応排ガスには、電気化学素子Qにて反応に用いられなかった残余の水素ガスが含まれる。反応排ガス利用部では、残余の水素ガスを利用して、燃焼による熱利用や、燃料電池等による発電が行われ、エネルギーの有効利用がなされる。
<他の実施形態>
(1)上記の実施形態では、電気化学素子Qを固体酸化物形燃料電池や固体酸化物形電解セルに用いたが、固体酸化物を利用した酸素センサ等に利用することもできる。
(2)上述の実施形態では、金属支持体1と電解質層Bとの間に電極層Aを配置し、電解質層Bからみて金属支持体1と反対側に対極電極層Cを配置した。電極層Aと対極電極層Cとを逆に配置する構成も可能である。つまり、金属支持体1と電解質層Bとの間に対極電極層Cを配置し、電解質層Bからみて金属支持体1と反対側に電極層Aを配置する構成も可能である。この場合、電気化学素子Qへの気体の供給についても変更する必要がある。例えば電気化学素子Qを燃料電池として動作させる場合、金属支持体1の気体通流許容領域Pを通じて対極電極層Cに酸素を供給し、電極層Aに水素を供給する。
(3)上述の第1実施形態と第2実施形態では、電気化学素子Qを固体酸化物形燃料電池として用いる場合の例として、アノードガスに水素ガスを、カソードガスに酸素ガスを用いる例を示したが、アノードガスに炭化水素原燃料を改質した改質ガスのような水素を主成分とするガスを用い、カソードガスに空気などの酸素を含むガスを用いることもできる。
(4)上述の第1実施形態と第2実施形態では、図1に示すように、電気化学反応部Rをドーナツ状に形成したが、金属支持体1の表側に複数の電気化学反応部Rを区画分けして複数配置しても良い。
(5)上述の第1実施形態と第2実施形態では、気体供給管2の表面に金属支持体1と同様の拡散防止膜を形成しうることを示したが、気体供給管2の表面に絶縁被膜を形成してもよい。気体供給管2の表面に絶縁被膜を形成して、金属支持体1や有突起集電板3やガスセパレータ部材4などとの間を絶縁できる構成とすると、ガスケット6を省いた構成にすることもできる。なお、絶縁被膜は、金属支持体1の表面に、絶縁性の高いシリカやアルミナなどを含む金属酸化物被膜をスパッタリング法やPLD法、CVD法、スプレーコーティング法などにより形成しても良いし、メッキと酸化処理によって形成しても良い。また、金属支持体1の材料として、SiとAlのうち少なくとも一方が1重量%〜5重量%程度含有されている金属材料を用い、焼成処理によって、その表面にシリカやアルミナを含む絶縁被膜を形成することもできる。
なお上述の実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
1 :金属支持体
1b :開口部
1c :中心軸
1e :表側
1f :裏側
3 :有突起集電板
3a :凹凸構造部位
4 :ガスセパレータ部材
4a :凹凸構造部位
34 :改質器
38 :インバータ
A :電極層
B :電解質層
C :対極電極層
M :電気化学モジュール
P :気体通流許容領域
Q :電気化学素子
R :電気化学反応部
S :隙間空間
U :セルユニット
W :接合部位
Y :電気化学装置
Z :エネルギーシステム

Claims (19)

  1. 金属支持体と電気化学反応部とを有し、
    前記金属支持体が円盤形状であり、
    前記電気化学反応部は、電極層と、電解質層と、対極電極層とを少なくとも有し、前記金属支持体の表側に配置されており、
    前記電解質層は、前記電極層と前記対極電極層との間に配置されている電気化学素子。
  2. 前記電極層、前記電解質層、前記対極電極層が、それぞれ薄層として形成されている、請求項1に記載の電気化学素子。
  3. 前記金属支持体が、表側と裏側との間での気体の通流を許容する気体通流許容領域を有することを特徴とする請求項1または2に記載の電気化学素子。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の電気化学素子と、有突起集電板とを有するセルユニットであって、
    前記有突起集電板は、金属製の板であって、凹部または凸部が1つ以上含まれる凹凸構造部位を有し、
    前記有突起集電板が、前記金属支持体の裏側に面して配置され、
    前記凹凸構造部位が、複数のセルユニットが積層される際に、他のセルユニットの対極電極層に接続されるセルユニット。
  5. 前記有突起集電板と前記金属支持体との間に接合部位が形成されている請求項4に記載のセルユニット。
  6. 前記金属支持体の裏側と前記有突起集電板との間に、その内部を気体が通流することを許容する隙間空間が形成される請求項4または5に記載のセルユニット。
  7. 請求項1から3のいずれか1項に記載の電気化学素子と、ガスセパレータ部材と、有突起集電板とを有するセルユニットであって、
    前記ガスセパレータ部材は、金属製の部材であって、前記金属支持体の裏側に面して配置され、前記金属支持体との間に、その内部を気体が通流することを許容する隙間空間を形成し、
    前記有突起集電板は、金属製の板であって、凹部または凸部が1つ以上含まれる凹凸構造部位を有し、
    前記凹凸構造部位が、複数のセルユニットが積層される際に、他のセルユニットの対極電極層に接続されるセルユニット。
  8. 前記金属支持体と前記ガスセパレータ部材との間、前記金属支持体と前記有突起集電板との間、または前記ガスセパレータ部材と前記有突起集電板との間のうち、少なくとも1つの間に接合部位が形成されている請求項7に記載のセルユニット。
  9. 前記隙間空間に気体を供給する気体供給管を有する請求項6〜8のいずれか1項に記載のセルユニット。
  10. 前記気体供給管と前記金属支持体との間、前記気体供給管と前記有突起集電板との間、または前記気体供給管と前記セパレータ部材との間のうち、少なくとも1つの間に接合部位が形成されている請求項9に記載のセルユニット。
  11. 前記気体供給管から前記隙間空間を経て、気体が前記金属支持体の内側から外側に向けて流れて、前記気体通流許容領域を通流して前記電極層へ供給される請求項9または10に記載のセルユニット。
  12. 前記隙間空間において、気体が前記金属支持体の外側から内側に向けて流れて、前記気体通流許容領域を通流して前記電極層へ供給される請求項6〜11のいずれか1項に記載のセルユニット。
  13. 前記隙間空間の形状が、前記金属支持体の円盤形状の中心軸に対して略軸対称である請求項6〜12のいずれか1項に記載のセルユニット。
  14. 前記金属支持体が、開口部を有することを特徴とする、請求項4〜13のいずれか1項に記載のセルユニット。
  15. 前記有突起集電板が円盤形状であることを特徴とする、請求項4〜14のいずれか1項に記載のセルユニット。
  16. 請求項4〜15のいずれか一項に記載のセルユニットが複数積層した状態で配置される電気化学モジュール。
  17. 請求項16に記載の電気化学モジュールと、前記電気化学モジュールに対して還元性成分を含有する燃料を供給する燃料供給部とを少なくとも有し、前記電気化学モジュールから電力を取り出すことを特徴とする電気化学装置。
  18. 請求項16に記載の電気化学モジュールと改質器を少なくとも有し、前記電気化学モジュールに対して還元性成分を含有する燃料ガスを供給する燃料供給部と、前記電気化学モジュールから電力を取り出すインバータとを有する電気化学装置。
  19. 請求項17または18に記載の電気化学装置と、前記電気化学装置から排出される熱を再利用する排熱利用部を有するエネルギーシステム。
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