JP2017182271A - 導電性フィルム、導電性フィルムの製造方法、タッチパネル、電子デバイス、透明アンテナおよび窓ガラス - Google Patents
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Abstract
Description
特に、近年、携帯電話、タブレット端末などの電子デバイスへのタッチパネルの搭載率が上昇しており、タッチパネル用電極部材として用いられる導電性フィルムの需要が急速に拡大している。
また、近年、このような導電性フィルムとして、コスト等の観点から、酸化インジウムスズ(indium tin oxide:ITO)からなる透明導電膜に代えて、導体(特に、銅)配線からなるメッシュパターンを有する導電性フィルムが用いられている。
すなわち、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
導体配線が、基板側から金属層と視認抑制層とをこの順に有し、
視認抑制層が、アルミニウムの酸化物または水酸化物と、第2族元素およびケイ素からなる群から選択される少なくとも1種の元素とを含有する、導電性フィルム。
[2] 視認抑制層が、マグネシウム、カルシウムおよびケイ素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有する、[1]に記載の導電性フィルム。
[3] 視認抑制層が、金属層の表面の一部または全部を被覆している、[1]または[2]に記載の導電性フィルム。
[4] 視認抑制層が、表面の一部または全部に凹凸構造を有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の導電性フィルム。
[5] 凹凸構造を有する視認抑制層の表面の空間周波数のピーク値が5.0μm-1より大きい、[4]に記載の導電性フィルム。
[6] 金属層が、銅およびアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属を含有する、[1]〜[5]のいずれかに記載の導電性フィルム。
[7] 導体配線の線幅が5μm以下であり、導体配線のピッチが20〜500μmである、[1]〜[6]のいずれかに記載の導電性フィルム。
基板の少なくとも一方の表面上に、金属層を形成する金属層形成工程と、
金属層の表面上に、アルミニウムを含有するアルミニウム含有層を形成するアルミニウム含有層形成工程と、
第2族元素およびケイ素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有する水中で、アルミニウム含有層に温水処理を施すことにより、金属層上に、アルミニウムの酸化物または水酸化物と上記群から選択される少なくとも1種の元素とを含有する視認抑制層を形成する視認抑制層形成工程とを有する、導電性フィルムの製造方法。
[9] [1]に記載の導電性フィルムを作製する導電性フィルムの製造方法であって、
基板の少なくとも一方の表面上に、アルミニウムを含有するアルミニウム含有層を形成するアルミニウム含有層形成工程と、
第2族元素およびケイ素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有する水中で、アルミニウム含有層の一部に温水処理を施すことにより、温水処理が施されずに残存したアルミニウム含有層上に、アルミニウムの酸化物または水酸化物と上記群から選択される少なくとも1種の元素とを含有する視認抑制層を形成する視認抑制層形成工程とを有する、導電性フィルムの製造方法。
[10] 温水処理が、マグネシウム、カルシウムおよびケイ素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有する水中で施される、[8]または[9]に記載の導電性フィルムの製造方法。
[11] 温水処理が、90℃以上の水温で施される、[8]〜[10]のいずれかに記載の導電性フィルムの製造方法。
[12] 温水処理が、25分以上施される、[8]〜[11]のいずれかに記載の導電性フィルムの製造方法。
[13] [1]〜[7]のいずれかに記載の導電性フィルムを含む、タッチパネル。
[14] [1]〜[7]のいずれかに記載の導電性フィルム、または、[13]に記載のタッチパネルを有する、電子デバイス。
[15] [1]〜[7]のいずれかに記載の導電性フィルムを含む、透明アンテナ。
[16] [1]〜[7]のいずれかに記載の導電性フィルムを含む、窓ガラス。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明の導電性フィルムは、基板と、基板の少なくとも一方の表面上に設けられる導体配線とを有する導電性フィルムである。
また、本発明の導電性フィルムは、導体配線が、基板側から金属層と視認抑制層とをこの順に有する。
また、本発明の導電性フィルムは、視認抑制層が、アルミニウムの酸化物または水酸化物(以下、「アルミニウムの酸化物等」とも略す。)と、第2族元素およびケイ素からなる群から選択される少なくとも1種の元素(以下、「特定元素」とも略す。)とを含有する。
これは、詳細には明らかではないが、本発明者らは以下のように推測している。
すなわち、導体配線の金属層よりも視認側(外光が入射する側)に、アルミニウムの酸化物等と特定元素とを含有する視認抑制層を設けることにより、視認抑制層の表面における反射が低減し、かつ、視認抑制層を透過した光を特定元素が吸収し、その結果、金属層の反射が抑制されたためであると考えられる。
図1に示す導電性フィルム10は、基板1と導体配線2とを有し、導体配線2が、基板1側から金属層3と視認抑制層4とをこの順に有する。また、符号100は、外光の入射方向を表す。
また、図2AおよびBは、それぞれ、導体配線の積層構造の一例を示す模式的な断面図である。
図2Aに示す導体配線2は、金属層3の表面の一部(基板1と反対側の主面)に視認抑制層4が設けられており、図2Bに示す導体配線2は、金属層3の表面の全部を被覆するように視認抑制層4が設けられている。
なお、図1ならびに図2Aおよび図2Bは、いずれも模式図であり、各層の厚みの関係などは必ずしも実際のものとは一致しない。
以下、本発明の導電性フィルムに用いられる種々の部材について詳細に説明する。
基板は、導体配線を支持できればその種類は制限されず、透明基板であることが好ましい。なお、透明とは、波長380〜780nmの範囲において透過率80%以上であることを意図し、90%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。
透明基板の材料としては、例えば、透明樹脂材料、透明無機材料などが挙げられる。
透明樹脂材料としては、具体的には、例えば、トリアセチルセルロース等のアセチルセルロース系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリエチレン(PE)、ポリメチルペンテン、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー等のオレフィン系樹脂;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリエーテルサルホン;ポリカーボネート;ポリスルホン;ポリエーテル;ポリエーテルケトン;アクロニトリル;メタクリロニトリル;などが挙げられる。
一方、透明無機材料としては、具体的には、例えば、ソーダ硝子、カリ硝子、鉛ガラス等の硝子;透光性圧電セラミックス(PLZT)等のセラミックス;石英;蛍石;サファイア基板;などが挙げられる。
また、基板の形状は特に限定されず、例えば、ロールの形で供給されるもの、巻き取れるほどには曲がらないが負荷をかけることによって湾曲するもの、曲がらないもののいずれであってもよい。
また、基板の構成は、単一の層からなる構成に限られるものではなく、複数の層が積層された構成を有していてもよい。複数の層が積層された構成を有する場合は、同一組成の層が積層されてもよく、また、異なった組成を有する複数の層が積層されてもよい。
本発明の導電性フィルムが有する導体配線は、上述した基板側から金属層と視認抑制層とを有し、視認抑制層が、アルミニウムの酸化物等と特定元素とを含有する。
金属層に含まれる金属は特に限定されないが、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)およびパラジウム(Pd)からなる群から選択される少なくとも1種の金属を含有していることが好ましく、Cuおよび/またはAlを含有していることがより好ましい。
また、金属層がCuを含有している場合、その含有量(原子組成比)は、コスト、パターン加工適正、抵抗率などの観点から、80原子%以上であることが好ましく、90原子%以上であることがより好ましい。
また、金属層がAlを含有している場合、その含有量(原子組成比)は、コスト、作製容易性、抵抗率などの観点から、80原子%以上であることが好ましく、90原子%以上であることがより好ましい。
なお、上述した金属以外に、鉄(Fe)、クロム(Cr)、チタン(Ti)などが数質量%程度含有されていてもよい。
視認抑制層は、アルミニウムの酸化物または水酸化物と、第2族元素およびケイ素からなる群から選択される少なくとも1種の元素とを含有する層であり、本発明においては、上述した通り、視認抑制層を設けることにより、導体配線の視認性を抑制することができる。
また、視認抑制層は、アルミニウムの酸化物または水酸化物とともに、第2族元素およびケイ素をいずれも含有する層であることが好ましく、アルミニウムの酸化物または水酸化物とともに、第2族元素およびケイ素ならびに第1族元素(ただし、水素を除く。以下同様。)を含有する層であることがより好ましい。
ここで、第2族元素としては、具体的には、例えば、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、カルシウム、マグネシウムであることが好ましく、マグネシウムであることがより好ましい。
また、第1族元素としては、具体的には、例えば、ナトリウム、カリウム、セシウム等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、ナトリウム、カリウムであることが好ましい。
また、視認抑制層がケイ素を含有する場合の含有量は、XPSから求められる、アルミニウム元素に対するケイ素のモル比(ケイ素/アルミニウム)が0.1以上1未満となる量であるのが好ましく、0.2以上0.9以下となる量であるのがより好ましい。
なお、ピーク強度は、以下の測定条件により観測されたピークから、バックグラウンドを差し引き、ピークの面積をエネルギーに対して積分した面積強度をいう。
<測定条件>
・測定装置:ULVAC−PHI製 Varsa Probe II
・X線源:単色化AlKa線(100mmΦ、25W、15kV)
・測定範囲:300μm×300μm
・Pass Energy:46.95eV、Step0.05eV
・帯電補正:あり
・測定元素(測定軌道):C1s(5)、Al2p(10)、O1s(1)、Si2p(10)、Mg2p(10)
・Ar+エッチング条件:加速電圧3kV、照射範囲3mm×3mm
なお、視認抑制層の厚みは、走査型電子顕微鏡〔Scanning Electron Microscope(以下、「SEM」と略す。)〕から分析することが可能であり、例えば、Pt(白金)を主成分とする保護膜を導電性フィルムのサンプル表面にスパッタ蒸着等により形成した後、集束イオンビーム(Focused Ionized Beam:FIB)による加工で導電性フィルムの断面を露出させる。その後、SEMにより断面形状の観察を行い、二次電子像または反射電子像による輝度の相違から、各層の厚みを評価することができる。
これは、凹凸構造の存在により、モスアイ構造と同様、屈折率が空気界面からなだらかに変化し、また、入射した光が凹凸構造内で多重反射することにより、多くの光が吸収されることに起因すると考えられる。
ここで、空間周波数のピーク値は、以下のようにして求める。
<空間周波数のピーク値の求め方>
視認抑制層を形成した表面を走査型電子顕微鏡で撮像した電子顕微鏡画像に、画像処理ソフトImageJを用いて二次元フーリエ変換を施し、空間周波数の強度スペクトルを得る。
次いで、得られた二次元の空間周波数の強度スペクトルを方位角方向に積算し、一次元の空間周波数の強度スペクトルを分解能略0.11μm−1で求め、さらに前後三点移動平均をとることで一次元の空間周波数とスペクトル強度の関係を算出する。
スペクトル強度の最大値は、先に求めた空間周波数の強度スペクトルの最大値とし、この最大値をとるときの空間周波数を「空間周波数のピーク値」とする。
また、導体配線の線幅は、視認性と抵抗率の観点から、0.5〜5μmであることがより好ましく、0.8〜4μmであることが更に好ましく、1〜3μmであることが特に好ましい。
また、導体配線のピッチは、視認性の観点から、50〜500μmであることがより好ましく、100〜250μmであることが更に好ましい。
本発明の第1の態様に係る導電性フィルムの製造方法(以下、「本発明の第1製造方法」と略す。)は、上述した本発明の導電性フィルムを作製する導電性フィルムの製造方法であって、基板の少なくとも一方の表面上に、金属層を形成する金属層形成工程と、金属層の表面上に、アルミニウムを含有するアルミニウム含有層を形成するアルミニウム含有層形成工程と、第2族元素およびケイ素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有する水中で、アルミニウム含有層に温水処理を施すことにより、金属層上に、アルミニウムの酸化物または水酸化物と上記群から選択される少なくとも1種の元素とを含有する視認抑制層を形成する視認抑制層形成工程とを有する。
以下、本発明の第1製造方法および本発明の第2製造方法が有する各工程について詳細に説明する。
本発明の第1製造方法が有する金属層形成工程は、基板の少なくとも一方の表面上に、金属層を形成する工程である。
ここで、基板としては、本発明の導電性フィルムにおいて説明したものと同様のものが挙げられる。
また、金属層を構成する金属としては、具体的には、例えば、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、Cuであることが好ましい。
本発明の第1製造方法が有するアルミニウム含有層形成工程は、金属層の表面上に、アルミニウムを含有するアルミニウム含有層を形成する工程であり、本発明の第2製造方法が有するアルミニウム含有層形成工程は、基板の少なくとも一方の表面上に、アルミニウムを含有するアルミニウム含有層を形成する工程である。
ここで、アルミニウム含有層は、上述した金属層形成工程で用いる金属として、アルミニウムを用いる以外は、上述した金属層と同様の方法で形成することができる。
本発明の第1製造方法が有する視認抑制層形成工程は、第2族元素およびケイ素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有する水中(以下、「温水処理液」とも略す。)で、アルミニウム含有層に温水処理を施すことにより、金属層上に、アルミニウムの酸化物または水酸化物と上記群から選択される少なくとも1種の元素とを含有する視認抑制層を形成する工程である。
また、本発明の第2製造方法が有する視認抑制層形成工程は、温水処理液中で、アルミニウム含有層の一部に温水処理を施すことにより、温水処理が施されずに残存したアルミニウム含有層上に、アルミニウムの酸化物または水酸化物と上記群から選択される少なくとも1種の元素とを含有する視認抑制層を形成する工程である。
ここで、本発明の第2製造方法における「アルミニウム含有層の一部」とは、アルミニウム含有層における基板と反対側の主面から深さ方向の一部までに温水処理を施す態様、および、アルミニウム含有層における基板との隣接面以外の表面の全部からアルミニウム合金層の内部方向の一部までに温水処理を施す態様のいずれであってもよい。
上記温水処理としては、例えば、アルミニウム含有層の一部または全部を70℃以上の温水処理液に15分以上浸漬する処理が好適に挙げられる。
また、上記温水処理液としては、第2族元素およびケイ素をいずれも含有する処理液であることが好ましく、第2族元素およびケイ素ならびに第1族元素を含有する処理液であることがより好ましい。
ここで、第2族元素および第1族元素としては、本発明の導電性フィルムにおいて説明したものと同様のものが挙げられる。
また、温水処理液にケイ素を用いる場合の含有量は、270.0mg/L以下であることが好ましい。
また、温水処理液にナトリウム(第1族元素)を用いる場合の含有量は、5.0〜15.0mg/Lであることが好ましい。
また、温水処理にカリウム(第1族元素)を用いる場合の含有量は、10.0mg/L未満であることが好ましい。
同様の理由から、上記温水処理における浸漬時間は、20分以上が好ましく、25分以上がより好ましい。
また、パターン化の方法は特に限定されず、従来公知の方法を適宜採用することができ、例えば、基板上に形成した金属層をパターニングする方法としては、フォトリソグラフィー法、インプリントリソグラフィ、ウェットエッチング、ドライエッチング等が挙げられる。
本発明のタッチパネルは、上述した本発明の導電性フィルムを含むタッチパネルであり、本発明の導電性フィルムをタッチパネル用電極部材として用いることができる。
ここで、タッチパネル用電極部材の層構成としては、例えば、基板の片側の表面に導体配線が設けられた2枚の導電性フィルムを貼合する貼合方式、基板の両側の表面に導体配線が設けられた1枚の導電性フィルムを具備する方式などが挙げられる。
本発明の電子デバイスは、上述した本発明の導電性フィルムまたはタッチパネルを有する電子デバイスである。
このような電子デバイスとしては、例えば、上述した本発明のタッチパネルを含む表示装置が挙げられ、具体的には、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末、カーナビ、タブレット端末などが挙げられる。
本発明の電子デバイスは、上述した本発明の導電性フィルムを有する透明アンテナである。
本発明の窓ガラスは、上述した本発明の導電性フィルムを有する窓ガラスである。
<金属層形成工程/アルミニウム含有層形成工程>
まず、PETフィルム(A4300、厚み50μm、東洋紡株式会社製)上に、スパッタリングにより、Cuからなる金属層(厚み:150nm)およびAlからなるアルミニウム含有層(厚み:1μm)をこの順に形成した。
形成したアルミニウム含有層上に、紫外線(UV)硬化樹脂を塗布し、予め用意しておいたフォトマスクを密着させた後、UV光にて露光した。
次いで、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(濃度:2.38%)に浸すことにより、UV硬化性樹脂の露光部分を現像した。なお、現像後、純水を用いてリンス処理を施した。
次いで、現像したレジストをマスクとして用い、アルミニウム含有層をNaOHによりウェットエッチングを施し、視認抑制層をパターニングした。
次いで、塩化第II鉄(FeCl3)溶液を用いて、Cuからなる金属層をエッチングし、導体配線を作製した。
次いで、アセトンで超音波洗浄することにより、UV硬化樹脂を除去した。
パターニング後の導体配線を光学顕微鏡にて評価したところ、パターン幅は5μmであり、ピッチは150μmであった。
水に、Mgを8.0mg/L添加し、Siを13.0mg/L添加した温水処理液を調製した。
100℃で沸騰した温水処理液中に、パターニング後の導体配線を30分間浸漬し、アルミニウムの酸化物または水酸化物からなる視認抑制層(厚み:300nm)を形成し、導電性フィルムを作製した。
なお、形成した視認抑制層について、上述した方法(XPS)により、アルミニウムに対するマグネシウムのモル比(マグネシウム/アルミニウム)を求めると、0.6であることが分かり、アルミニウムに対するケイ素のモル比(ケイ素/アルミニウム)を求めると、0.7であることが分かった。
Cuからなる金属層(厚み:150nm)を形成せず、PETフィルム(A4300、厚み50μm、東洋紡株式会社製)上に、Alからなるアルミニウム含有層(厚み:1μm)のみを形成した以外は、実施例1と同様の方法で、導電性フィルムを作製した。
視認抑制層形成工程における温水処理の条件を下記表1に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、導電性フィルムを作製した。
視認抑制層形成工程の温水処理において、特定元素を添加しなかった以外は、実施例1と同様の方法で、導電性フィルムを作製した。
視認抑制層形成工程の温水処理において、特定元素を添加しなかった以外は、実施例2と同様の方法で、導電性フィルムを作製した。
PETフィルム(A4300、厚み50μm、東洋紡株式会社製)上に、Cuからなる金属層(厚み:150nm)のみを形成し、Alからなるアルミニウム含有層(厚み:1μm)を形成せず、また、温水処理を施さなかった以外は、実施例1と同様の方法で、導電性フィルムを作製した。
温水処理を施さなかった以外は、実施例1と同様の方法で、導電性フィルムを作製した。
温水処理を施さなかった以外は、実施例2と同様の方法で、導電性フィルムを作製した。
実施例1および3〜7ならびに比較例1、3および4で作製した導電性フィルムに関して、配線パターン化せずに視認抑制層を形成した評価用サンプルを作製した。
作製した評価用サンプルについて、分光測色計(コニカミノルタセンシング株式会社製、CM−3600d)を用いて、以下の条件で測定した。結果を図3〜6に示す。
分光測色計は、反射モードに設定され、光源として標準光D65、測定用ターゲットマスクとしてCM−A105(25.4mmφ)を用いた。
ここで、SCI(Specular Component Include)を測定した。SCIは、拡散反射光と鏡面反射光を足し合わせた全反射光の積分強度を測定する設定である。
実施例1、3および4で作製した導電性フィルムに関して、配線パターン化せずに視認抑制層を形成した評価用サンプルを作製した。
作製した実施例1、3および4の評価用サンプルについて、視認抑制層の表面を走査型電子顕微鏡で撮影した画像を図7〜9に示す。
また、作製した実施例1および3の評価用サンプルについて、上述した方法により測定した、空間周波数のスペクトルを図10および11に示す。
作製した導電性フィルムに対して、キセノンランプをコリメートし、入射角45度の角度から当てた場合における、フィルム正面からの目視における視認性を評価した。
このとき、ランプ光の照射面積は円相当直径10mmΦと同一面積であり、フィルムに照射されるキセノンランプの照度はおおよそ500ルクスとなるように調整した。これは、標準的な室内環境と同程度の照度である。
また、視認性は、ランダムに抽出した10名の被験者がそれぞれ配線の正面から、配線フィルムから距離15cm離して目視にて視認の有無を確認し、以下の基準で評価した。結果を下記表1に示す。
A:視認可能としたのが、0名以上3名以下の場合
B:視認可能としたのが、4名以上6名以下の場合
C:視認可能としたのが、7名以上の場合
表1中の実施例3〜8の温水処理条件に変更した以外は、実施例2と同様の方法により、導電性フィルムを作製した。
作製した導電性フィルムについて、上述した視認性を評価したところ、実施例3〜8と同等の結果であることが確認できた。
2 導体配線
3 金属層
4 視認抑制層
10 導電性フィルム
100 外光
Claims (16)
- 基板と、前記基板の少なくとも一方の表面上に設けられる導体配線とを有する導電性フィルムであって、
前記導体配線が、前記基板側から金属層と視認抑制層とをこの順に有し、
前記視認抑制層が、アルミニウムの酸化物または水酸化物と、第2族元素およびケイ素からなる群から選択される少なくとも1種の元素とを含有する、導電性フィルム。 - 前記視認抑制層が、マグネシウム、カルシウムおよびケイ素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有する、請求項1に記載の導電性フィルム。
- 前記視認抑制層が、前記金属層の表面の一部または全部を被覆している、請求項1または2に記載の導電性フィルム。
- 前記視認抑制層が、表面の一部または全部に凹凸構造を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性フィルム。
- 前記凹凸構造を有する前記視認抑制層の表面の空間周波数のピーク値が5.0μm-1より大きい、請求項4に記載の導電性フィルム。
- 前記金属層が、銅およびアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属を含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性フィルム。
- 前記導体配線の線幅が5μm以下であり、前記導体配線のピッチが20〜500μmである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電性フィルム。
- 請求項1に記載の導電性フィルムを作製する導電性フィルムの製造方法であって、
基板の少なくとも一方の表面上に、金属層を形成する金属層形成工程と、
前記金属層の表面上に、アルミニウムを含有するアルミニウム含有層を形成するアルミニウム含有層形成工程と、
第2族元素およびケイ素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有する水中で、前記アルミニウム含有層に温水処理を施すことにより、前記金属層上に、アルミニウムの酸化物または水酸化物と前記群から選択される少なくとも1種の元素とを含有する視認抑制層を形成する視認抑制層形成工程とを有する、導電性フィルムの製造方法。 - 請求項1に記載の導電性フィルムを作製する導電性フィルムの製造方法であって、
基板の少なくとも一方の表面上に、アルミニウムを含有するアルミニウム含有層を形成するアルミニウム含有層形成工程と、
第2族元素およびケイ素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有する水中で、前記アルミニウム含有層の一部に温水処理を施すことにより、前記温水処理が施されずに残存した前記アルミニウム含有層上に、アルミニウムの酸化物または水酸化物と前記群から選択される少なくとも1種の元素とを含有する視認抑制層を形成する視認抑制層形成工程とを有する、導電性フィルムの製造方法。 - 前記温水処理が、マグネシウム、カルシウムおよびケイ素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有する水中で施される、請求項8または9に記載の導電性フィルムの製造方法。
- 前記温水処理が、90℃以上の水温で施される、請求項8〜10のいずれか1項に記載の導電性フィルムの製造方法。
- 前記温水処理が、25分以上施される、請求項8〜11のいずれか1項に記載の導電性フィルムの製造方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電性フィルムを含む、タッチパネル。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電性フィルム、または、請求項13に記載のタッチパネルを有する、電子デバイス。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電性フィルムを含む、透明アンテナ。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電性フィルムを含む、窓ガラス。
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JP2015127810A (ja) * | 2013-11-27 | 2015-07-09 | キヤノン株式会社 | 光学用部材及びその製造方法 |
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WO2016031133A1 (ja) * | 2014-08-27 | 2016-03-03 | 富士フイルム株式会社 | 反射防止膜を備えた光学部材およびその製造方法 |
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