JP2017180344A - キック始動装置付き鞍乗型車両用パワーユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】キック軸を支持する剛性を確保しつつ、伝動ケースカバーの重量を低減させパワーユニット全体の軽量化を図るとともに、コスト削減を図ることのできるキック始動装置付き鞍乗型車両用パワーユニットを提供する。【解決手段】伝動ケースカバー30を、樹脂性とし、伝動ケースカバー30と別体に形成されるとともにキック軸10を軸支する金属製の支持部材100,200を、ベルト室70の内部に配置するようにして、金属製の伝動ケース21bに締結し、キック軸を支持する剛性を確保しつつ、伝動ケースカバーの重量を低減させ、キック始動装置付き鞍乗型車両用パワーユニット全体の軽量化を図るとともに、コスト削減を図る。【選択図】図4

Description

本発明は、キック始動装置が付いた鞍乗型車両用パワーユニットに関する。
従来のキック始動装置を備える鞍乗型車両用パワーユニットとして、内燃機関の機関本体に連設されて後輪の側方に配置される伝動ケースと、該伝動ケースとの間にベルト式無段変速機を収容するベルト室を形成するようにして、伝動ケースに取り付けられる伝動ケースカバーと、キック軸の回転によって駆動するキック駆動ギヤと、キック駆動ギヤに噛み合うとともに、内燃機関のクランク軸に設けられるキックラチェットに係脱自在なキック被動ギヤとを備え、キック軸が伝動ケースカバーに支持されるものが知られている。
従来の鞍乗型車両用パワーユニットの伝動ケースカバーは、キック軸を支持する剛性を確保するためアルミ等の金属で構成するのが一般的であり、ベルト室を形成するべく伝動ケースと伝動ケースカバーとを設けると、大型となる金属製の伝動ケースカバーの重量の増加や高コスト化が課題となる。
特開2007−132413号公報
本発明は、前記難点を克服するために発明されたもので、その目的は、キック軸を支持する剛性を確保しつつ、伝動ケースカバーの重量を低減させパワーユニット全体の軽量化を図るとともに、コスト削減を図ることのできるキック始動装置付き鞍乗型車両用パワーユニットを提供することである。
本願発明は、内燃機関のクランク軸に設けられる駆動プーリと、駆動プーリの後方に設けられる従動軸に設けられる従動プーリと、駆動プーリと従動プーリとに巻き掛けられるベルトとを有するベルト式無段変速機が、
前記内燃機関の機関本体に連設されて後輪の側方に配置される伝動ケースと、該伝動ケースに取り付けられる伝動ケースカバーとで形成されるベルト室に収容され、
前記伝動ケースカバーを貫通するようにして設けられるキック軸と、
前記キック軸の回転によって駆動するキック駆動ギヤと、
前記キック駆動ギヤによって駆動されるとともに、前記クランク軸に設けられるキックラチェットに係脱自在なキック被動ギヤとを備えたキック始動装置付き鞍乗型車両用パワーユニットにおいて、
前記伝動ケースカバーが樹脂製で形成され、
該伝動ケースカバーと別体に形成されるとともに前記キック軸を軸支する金属製の支持部材が、
前記ベルト室の内部に配置されるようにして、金属製の前記伝動ケースに締結されることを特徴とする鞍乗型車両用パワーユニットのキック始動装置である。
ベルト室を金属製の伝動ケースと樹脂製の伝動ケースカバーとで形成するため、大型となる伝動ケースカバーの重量の低減と低コスト化を図ることができる。このとき、キック軸は、伝動ケースカバーと別体に形成される金属製の支持部材によって軸支されるので、キック軸の支持剛性を確保することができる。また、この支持部材は、ベルト室の内部に配置される比較的小型なものとすることができ、パワーユニットの重量低減に寄与することができる。さらに、支持部材は金属製の伝動ケースに締結されるので、キック軸からの負荷が樹脂製の伝動ケースカバーへ伝達されにくくなり、伝動ケースカバーの耐久性も向上できる。
前記構成において、前記キック軸を前記従動プーリよりも前方に配置され、前記支持部材は、前記ベルト室における前記従動プーリよりも前方側の領域のみに設けてもよい。
前記構成によれば、ベルト室における従動プーリよりも前方側の領域のみに支持部材を設けることで、キック軸を支持しつつ、支持部材をコンパクトに形成することができ、パワーユニットの重量低減に一層効果的に寄与できる。
また、前記構成において、前記伝動ケースカバーに、その前部に外部から前記ベルト室へ冷却風を取り込む冷却風取入口を形成するとともに、冷却風取入口よりも後方で且つ前記従動プーリよりも前方に、冷却風を排出する冷却風出口を有する排風ダクトが設けられ、
前記支持部材を、前記ベルト室における前記排風ダクトよりも前方側の領域のみに設けてもよい。
前記構成によれば、ベルト室における従動プーリよりも前方側の領域のみに支持部材を設けることで、キック軸を支持しつつ、支持部材をコンパクトに形成することができ、パワーユニットの重量低減に一層効果的に寄与できる。また、支持部材は排風ダクトよりも前方側の領域に設けられるので、支持部材を排風ダクトと前後方向で重ならないように設けることができ、支持部材が排風の邪魔になるのを抑制して円滑な排風を行うことができる。
ざらに、前記構成において、前記支持部材は、前記キック駆動ギヤが設けられるキック軸を軸支する第1軸受部と、
前記キック被動ギヤが設けられる被動軸を軸支する第2軸受部と、
前記第1軸受部および前記第2軸受部が固定される支持板部と、
側面視で前記支持板部から前記伝動ケースの上部と下部とに向けてそれぞれ延出して前記伝動ケースに締結される上側支持脚部及び下側支持脚部とを有してもよい。
前記構成によれば、上側支持脚部と下側支持脚部とにより、キック軸の周囲の支持剛性を効率よく高めることができる。
さらにまた、前記構成において、前記伝動ケースカバーには、その前部に外部から前記ベルト室へ冷却風を取り込む冷却風取入口が形成されるとともに、
前記伝動ケースカバーの内壁面と、前記伝動ケースカバーの内壁面に取り付けられる板部材とで、前記冷却風取入口から取り込まれた冷却風を前記駆動プーリに導風する導風路を形成し、
前記支持板部は、前記導風路における前記伝動ケースカバー寄りの位置に設けてもよい。
前記構成によれば、伝動ケースカバーの内壁面と、該内壁面に取り付けられる板部材とで導風路を形成する場合に、この導風路内に支持部材が配置される場合であっても、この支持部材は導風路における伝動ケースカバー寄りの位置に設けられるので、支持部材が導風の邪魔になるのを抑制することができ、冷却風取入口から駆動プーリへ円滑に冷却風を案内することができる。
前記構成において、前記伝動ケースカバーを、前記支持部材と共締めで前記伝動ケースに締結するとともに、
前記伝動ケースカバーには、前記支持部材を前記伝動ケースカバーに位置決めさせておく係合部を形成し、
前記伝動ケースカバーに、前記キック軸及び前記被動軸が軸支された前記支持部材と、前記板部材とが、予め小組された状態で、前記伝動ケースへ取り付けてもよい。
前記構成によれば、伝動ケースカバーと支持部材とが共締めで伝動ケースに締結されるので、締結構造を簡素化することができる。尚、支持部材はベルト室内に配置されるので、伝動ケースカバーと支持部材とを共締めにしようとすると、外部から支持部材を視認することが難しく、この状態での共締め作業は困難なものとなる。これに対し、共締めで締結するにあたり、伝動ケースには係合部が形成され、該係合部に支持部材を位置決めさせておくことができるので、組立て作業性を向上することができる。その上、伝動ケースカバーに、キック軸及び被動軸が軸支された支持部材と、板部材とが、予め小組された状態で、伝動ケースへ取り付けられるので、組立て性を一層向上することができる。
また、前記構成において、前記伝動ケースカバーを、前記支持部材と共締めで前記伝動ケースに締結するとともに、
前記伝動ケースカバーに、前記支持部材を前記伝動ケースカバーに位置決めさせておく係合部を形成してもよい。
前記構成によれば、伝動ケースカバーと支持部材とが共締めで伝動ケースに締結されるので、締結構造を簡素化することができる。尚、支持部材はベルト室内に配置されるので、伝動ケースカバーと支持部材とを共締めにしようとすると、外部から支持部材を視認することが難しく、この状態での共締め作業は困難なものとなる。これに対し、共締めで締結するにあたり、伝動ケースには係合部が形成され、該係合部に支持部材を位置決めさせておくことができるので、組立て作業性を向上することができる。
さらに、前記構成において、前記キック軸を初期位置へ向けて付勢する戻しバネを、前記支持部材に取り付けてもよい。
前記構成によれば、戻しバネを樹脂製の伝動ケースカバーではなく金属製の支持部材に取り付けるようにしたので、伝動ケースカバー側へ伝達される負荷を抑制することができる。
本発明によれば、ベルト室を金属製の伝動ケースと樹脂製の伝動ケースカバーとで形成するため、大型となる伝動ケースカバーの重量の低減と低コスト化を図ることができる。
本発明の一実施形態に係るキック始動装置付き鞍乗型車両用パワーユニットが搭載された自動二輪車の要部左側面図である。 図1において、II−II矢視に切断したパワーユニットの断面展開図である。 パワーユニットの左側面図である。 図2のキック始動装置周辺の要部拡大図である。 図3において、V−V矢視に切断した断面図である。 伝動ケースカバーを省略した状態のパワーユニットのキック始動装置周辺の斜視図である。 支持部材および板部材を取り付けた状態の伝動ケースカバーを内側から見た図である。 図3において、VIII−VIII矢視に切断した断面図である。 他の実施形態のキック始動装置付き鞍乗型車両用パワーユニットに用いられる支持部材を示した斜視図である。
図1から図8に基づき、本発明の一実施形態に係るキック始動装置付き鞍乗型車両用のパワーユニットPにつき説明する。図6では、伝動ケースカバー30を省略してパワーユニットPの要部を示している。
なお、本明細書の説明および特許請求の範囲における前後左右上下等の向きは、本実施形態に係るパワーユニットPを、車両に搭載した状態での車両の向きに従うものとする。本実施形態において鞍乗型車両はスクータ型自動二輪車である。図中矢印FRは車両前方を、LHは車両左方を、RHは車両右方を、UPは車両上方を、それぞれ示す。
図1に、本実施形態に係るスイング式のパワーユニットPを、スクータ型自動二輪車(本発明における「鞍乗型車両」。以下、単に「自動二輪車」という。)1に取付けられた状態で示す。図1は、自動二輪車1の車体後部のみを示している。
自動二輪車1は、図示されない車体前部と車体後部1Rとが、低いフロア部1Cを介して連結されており、車体の骨格をなす車体フレームは、概ねダウンフレーム(不図示)とメインフレーム2とからなる。
すなわち車体前部の図示されないヘッドパイプから図示されないダウンフレームが下方へ延出し、同ダウンフレームは下端で水平に屈曲してフロア部1Cの下方を後方へ延び、その後端において左右一対のメインフレーム2がクロスフレーム2bを介して連結され、メインフレーム2は該クロスフレーム2bから斜め後方に立ち上がって所定高さで水平に屈曲して後方に延びている。
同メインフレーム2により図示されない燃料タンクや収納ボックスが支持され、その上方に図示されないシートが配置されている。
メインフレーム2の立ち上がり部下端の連結部材2aには、リンク部材3を介してスイング式のパワーユニットPが揺動自在に連結支持されている。
パワーユニットPには、その前部に単気筒の4ストロークサイクル内燃機関20が、シリンダブロック22を略水平に近い状態にまで大きく前傾した姿勢で搭載され、パワーユニットPのユニットケース21のクランクケースに相当する部分の下端から前方に突出したハンガーブラケット21hの端部が前記リンク部材3にピボット軸3aを介して連結される。
該内燃機関20の左半部から後方にかけてベルト式無段変速機25が構成され、その後部に設けられた減速機構28に後輪8が軸支されている。
パワーユニットPの上方には、内燃機関20の大きく前傾したシリンダヘッド23の上部から吸気管12が延出し、後方に湾曲した吸気管12にスロットルボディ13を介装してコネクティングチューブ14が接続され、後方に延びるコネクティングチューブ14にエアクリーナ装置15が連結され、エアクリーナ装置15はユニットケース21の上部に取り付けられる。
フロア部1Cは、ステッププレート4が張設されている。このステッププレート4の左右側縁に沿って各々下方にロアサイドカバー5が延設されている。ロアサイドカバー5は、フロア部1Cから後方へ斜め上向きに延出しており、内燃機関20のシリンダブロック22およびシリンダヘッド23の側方を覆う。
車体後部1Rは、ロアサイドカバー5の上端縁に連結したボディカバー6がメインフレーム2の左右側方を覆っている。
ユニットケース21の下部に突設されたブラケット21kには、メインスタンド7が枢着されている。
図2は、パワーユニットPを図1の概ねII-II線に沿って切断し展開した断面図である。
ユニットケース21は、金属製であり、左右割りの左ユニットケース21Lと右ユニットケース21Rとを合体して構成されるもので、右ユニットケース21Rは、クランクケース部の半体をなし、左ユニットケース21Lは、前後に長尺で前部のクランクケース部21a,中央の伝動ケース部21b,後部の減速機ケース部21cからなる。
この左ユニットケース21Lの左側開放面は、伝動ケースの一部である伝動ケースカバー30により覆われ、内部にベルト式無段変速機25が収納され、後方の減速機ケース部21cの右側開放面は伝道ケースの一部である減速機ケース27により覆われ、内部に減速機構(減速ギヤ列)28が収納される。
クランクケース部21aと右ユニットケース21Rのいわゆるクランクケース内には、クランク軸40が左右の主軸受41,41に回転自在に支持されて、左右水平方向に延びた延出部のうち右延出部にはACジェネレータ60が設けられ、左延出部には駆動スプロケット55とベルト式無段変速機25の駆動プーリ76が設けられる。
内燃機関20は、シリンダブロック22のシリンダライナ44内を往復動するピストン42とクランク軸40のクランクピン40aとをコネクティングロッド43が連結している。
本4サイクルの内燃機関20は、SOHC型式のバルブシステムを採用しており、シリンダヘッドカバー24内には動弁機構50が設けられ、同動弁機構50に駆動伝達を行うカムチェーン51がカムシャフト53とクランク軸40との間に架設されており、そのためのカムチェーン室52が、クランクケース部21a,シリンダブロック22,シリンダヘッド23に連通して設けられている。
すなわち左右水平方向に指向したカムシャフト53の左端に嵌着された被動スプロケット54と、クランク軸40に嵌着された前記駆動スプロケット55との間にカムチェーン51がカムチェーン室52内を通って架渡されている。シリンダヘッド23において燃焼室に向かって斜めに点火プラグ45が嵌入されている。
右ユニットケース21Rの右側面に設けられるACジェネレータ60は、右ユニットケース21Rの中央円筒部21dより突出するクランク軸40の端部にACGボス61を介して碗状のアウタロータ62が固着され、その内周面に周方向に亘って配設される磁石63の内側にステータコイル65の巻回されたステータ64が中央円筒部21dに固定されている。
アウタロータ62の右側面には強制空冷ファン66が取り付けられ、その側方をファンカバー67が覆い、同ファンカバー67に連接されてシリンダブロック22およびシリンダヘッド23の周囲を覆うシュラウド68が設けられる。
右側の湾曲したシュラウド68の内側には内壁68iにより強制空冷ファン66からシリンダヘッド23に冷却風を導く冷却風通路68pが形成されている。
ユニットケース21のクランクケース部21aには、前記カムチェーン室52が主軸受41によりクランク室と仕切って形成されており、同カムチェーン室52の左側壁は、さらに左方のベルト室70とカムチェーン室52とを仕切る仕切り壁71であり、同仕切り壁71には、クランク軸40が貫通する円開口にシール部材72が圧入され、同シール部材72の中空部をクランク軸40が貫通している。
このシール部材72と主軸受41との間のクランク軸40に前記駆動スプロケット55が嵌着されており、同駆動スプロケット55に前記カムチェーン51が巻き掛けられる。このシール部材72によりベルト室70がカムチェーン室52から液密に仕切られ、オイルがベルト室70に漏れるのを防止している。
シール部材72を貫通して延出したクランク軸40には、図2に示されるように、駆動プーリ76が一体となって回転可能に設けられている。
駆動プーリ76は、固定側プーリ半体77と可動側プーリ半体78とからなり、固定側プーリ半体77は、クランク軸40の左端部にラチェット部材79によって固着され、その右側に可動側プーリ半体78がクランク軸40に支持され、同可動側プーリ半体78はクランク軸40とともに回転し、かつ軸方向に摺動して固定側プーリ半体77に接近・離反することができ、両プーリ半体77,78間にVベルト75が挟まれて巻き掛けられる。
可動側プーリ半体78の右側で前記シール部材72に近接した固定位置にカムプレート80が設けられており、その外周端に設けたスライドピース80aが可動側プーリ半体78の外周端に軸方向に指向するようにして形成された摺動溝78aに摺動自在に係合している。
可動側プーリ半体78のカムプレート80側側面は、カムプレート80側に向けてテーパ形状となっており、同テーパ面内側にカムプレート80に挟まれてドライウェイトローラ81が収容されている。
したがってクランク軸40の回転速度が増加すると、可動側プーリ半体78とカムプレート80間にあってともに回転するドライウェイトローラ81が、遠心力により遠心方向に移動し、可動側プーリ半体78は同ドライウェイトローラ81に押圧されて左方に移動して固定側プーリ半体77に接近し、両プーリ半体77,78間に挟まれたVベルト75を遠心方向に移動させ巻き掛け径を大きくするように構成されている。
かかる駆動プーリ76に対応する後方の従動プーリ86は、減速機構28の減速機入力軸95に対し相対回転自在に支持されるインナスリーブ89に固定側プーリ半体87が嵌着され、同固定側プーリ半体87の左側でインナスリーブ89に相対移動可能に可動側プーリ半体88が外嵌支持され、かかる両プーリ半体87,88から構成されている。
インナスリーブ89に突設されたガイドピン89pが従動軸90の螺旋状の長孔90hに摺動自在に嵌合してトルクカム機構を構成している。両プーリ半体87,88に前記Vベルト75が挟持される。減速機入力軸95とインナスリーブ89の左側部に遠心クラッチ91が設けられている。
遠心クラッチ91は、インナスリーブ89に嵌着されたクラッチインナ92の外周を覆うクラッチアウタ93が減速機入力軸95に嵌着されており、クラッチインナ92にばね92bに抗して遠心方向に揺動するクラッチシュー92sがクラッチアウタ93の内周面に対向して設けられている。
したがって、Vベルト75を介してインナスリーブ89に伝達された動力は、その回転速度が増すと、クラッチシュー92sがばね92bに抗して遠心方向に揺動してクラッチアウタ93の内周面に接して遠心クラッチ91が接合し、減速機入力軸95に伝達され、減速機構28を介して、後車軸96に伝達して後輪8を回転させる。
図2に示されるように、内燃機関20の機関本体に連設された左ユニットケース21Lに設けられ後輪8の側方に配置されている伝動ケース部21bには、左側から覆うように伝動ケースカバー30が取り付けられている。伝動ケース部21bと伝動ケースカバー30とにより構成される空間はベルト室70となっている。伝動ケースカバー30は、図3に示されるように、樹脂性であって、側面視で前後に長尺の長円状をなして、図2に示されるように、前方の駆動プーリ76から後方の遠心クラッチ91までを覆うように形成されている。
内燃機関20のクランク軸40に設けられる駆動プーリ76と、駆動プーリ76の後方に設けられる従動軸90に設けられる従動プーリ86と、駆動プーリ76と従動プーリ86とに巻き掛けられるVベルト75とを有するベルト式無段変速機25は、伝動ケース21bと、伝動ケースカバー30とで構成されるベルト室70に収容される。
伝動ケースカバー30は、ベルト式無段変速機25の左側を覆うカバー本体部31と、該カバー本体部31の前部の上面に設けられベルト室70内と連通して外気をベルト室70内に取り入れる冷却風取入管32を備えている。カバー本体部31は、側面視で長円状をした側壁部31aと外周囲を囲繞する周壁部31bとから概ねなり、側壁部31aの前方寄りには、キック軸10が挿通されるキック軸挿通孔31cが設けられている。
伝動ケースカバー30の周壁部31bの周囲には、図3および図7に示されるように、伝動ケース部21bに取り付けるための取付ボス部36が外方に突出して複数設けられている。上部の前方寄りに1つ、下部の前方に2つ、係合取付ボス部37が設けられている。該係合取付ボス部37には、後述する支持部材100の係合突部104c、105c係合され、支持部材100を伝動ケースカバー30に位置決めさせる係合部37aが形成されている。
伝動ケースカバー30の冷却風取入管32の上端は、ベルト室70内への冷却風取入口33となっている。冷却風取入管32には、ダクト48が取り付けられており、該ダクト48の上端は、側面視において、前部が低く後部が高く形成された開口部48aとなっており、自動二輪車1の車体とボディカバー6との間を流れる外気をベルト室70へ取り入れ易くなっている。
伝動ケースカバー30のカバー本体部31の側壁部31aの内面には、図7に示されるように、伝動ケースカバー30の前後方向の略中央であって、前記冷却風取入口33より後方であって、駆動プーリ76と遠心クラッチ91の間に位置するように、側壁内面に沿って、筒状のケース排風ダクト34が上下向に指向して形成されている。
ケース排風ダクト34の上端開口部34aはベルト室70の内側に開放し、下端開口部34bがベルト室70の外側に開放しており、ケース排風ダクト34の下端開口部34bは、ベルト室70の冷却風出口35となっている。この冷却風出口35は、図2に示されるように、従動プーリ86よりも前方に位置して設けられている。冷却風取入口33からベルト室70へ取り込まれた空気は、ベルト式無段変速機25を冷却し、ケース排風ダクト34の冷却風出口35より外へ排出される。
図6に示されるように、伝動ケースカバー30の内壁面30aには、伝動ケースカバー30と別体に形成され、キック軸10を軸支する金属製の支持部材100(図7参照)が取り付けられている。支持部材100は、伝動ケースカバー30と共にボルト128により伝動ケース21bに共締めされ、図4に示されるように、ベルト室70の内部に配置される。
支持部材100は、図4ないし図6を参照して、キック駆動ギヤ120が設けられるキック軸10を軸支する第1軸受部102と、キック被動ギヤ123が設けられる被動軸122を軸支する第2軸受部103と、第1軸受部102および第2軸受部103が固定される支持板部101と、側面視で支持板部101から伝動ケース21bの上部と下部とに向けてそれぞれ延出して前記伝動ケース21bに締結される上側支持脚部104及び下側支持脚部105とを有している。
略平板に形成された支持板部101の後部に、円筒形状の第1軸受部102が溶接により一体に固着されている。図4に示されるように、第1軸受部102の内部にはカラー107が嵌着され、該カラー107を介して、キック軸10が回動自在に貫通支持されている。
キック軸10の内側端部にはキック駆動ギヤ120が嵌着され、第1軸受部102の外周には、キック軸10を初期位置へ向けて戻しバネ121が巻回されている。戻しバネ121の一端121aは第1軸受部102に係合され、他端121bは、支持部材100の支持板部101の内側に突出したバネ取付部106に巻き掛けられており、キック軸10は戻しバネ121により付勢されている。
キック軸10の左端部は、伝動ケースカバー30のカバー本体部31に設けられたキック軸挿通孔31cから外部へ突出してキックアーム11の基端が嵌着され、該キックアーム11の先端には、キックペダル11pが起伏自在に取り付けられている。
支持部材100の前部には、筒状の第2軸受部103が溶接により取り付けられている。第2軸受部103には、クランク軸40と同軸に被動軸122が回転かつ軸方向の摺動可能に支持されており、同被動軸122にはキック被動ギヤ123が形成されて前記キック駆動ギヤ120と噛合しているとともに、右端にはラチェットホイール124が固着され、全体がフリクションスプリング125により左方に付勢されている。
一方クランク軸40に固定側プーリ半体77を押さえて固定されるラチェット部材79には、ラチェットホイール124に対向してラチェットが形成されており、両者は被動軸122の摺動で接離可能である。このように構成されているので、キック被動ギヤ123は、キック駆動ギヤ120に噛み合うとともに、ラチェットホイール124によりクランク軸40に設けられたラチェット部材79に係脱自在となっている。
したがってキックペダル11pが踏み込まれ、キック軸10が戻しバネ121に抗して回転すると、キック軸10と一体にキック駆動ギヤ120が回転して、キック軸10の回転によってキック駆動ギヤ120が駆動される。キック駆動ギヤ120と噛合するキック被動ギヤ123が被動軸122と一体に回転しながらフリクションスプリング125に抗して右方に突出して、ラチェットホイール124がラチェット部材79のラチェットと噛み合ってクランク軸40を強制的に回転させ内燃機関20を始動することができる。
図6に示されるように、支持板部101には、第1軸受部102から上方に向かって延出して上側支持脚部104が、下方に向かって延出して下側支持脚部105が形成されている。さらに支持板部101には、第2軸受部103から斜め下前方に向かって延出して、下側支持脚部105が形成されている。
これらの上側支持脚部104と下側支持脚部105は、図6および図7に示されるように、支持板部101から、同一平面に沿って外方へ延び、折り曲げられて伝動ケースカバー30の係合取付ボス部37まで延出する脚部104a,105aが形成されている。該脚部104a,105aの端部には伝動ケース21bのボス部21bの面に当接される取付片104b,105bが設けられ、該取付片104b,105bから伝動ケースカバー30側に係合突部104c,105cが突設されている。
係合突部104c,105cは図6に示されるように円筒形状に形成されており、伝動ケースカバー30の係合取付ボス部37に円孔に形成された係合部37aに挿入され(図8参照)、支持部材100を前記伝動ケースカバー30に位置決めさせる。
キック軸10、被動軸122、戻しバネ121、キック被動ギヤ123およびラチェットホイール124が取り付けられた支持部材100は、その係合突部104c,105cが係合部37aに係合されて、伝動ケースカバー30に仮止めされ、その後図7に示されるように、略平板状の板部材110にネジ112が螺合されて、板部材110は伝動ケースカバー30に取り付けられる。
板部材110は、図7に示されるように、支持部材100の取付片104b,105b以外の略全体を覆うように形成されており、被動軸122およびラチェットホイール124の周囲は、これらが挿通できるように円形の開口部110bが設けられている。なお、開口部110bは、冷却風取入口33から取り込まれた冷却風を駆動プーリ76側に通過させる開口となっている。キック軸10は、図2に示されるように、従動プーリ86よりも前方に配置されており、支持部材100は、ベルト室70における従動プーリ86よりも前方側の領域のみに設けられている。さらに、支持部材100は、図7に示されるように、ベルト室70におけるケース排風ダクト34の上端開口部34aよりも前方側の領域に設けられている。
尚、ケース排風ダクト34は、伝動ケース30と別体に形成されるものであってもよい。
図4および図5に示されるように、伝動ケースカバー30の内壁面30aと、板部材110とで、冷却風取入口33から取り込まれた冷却風を駆動プーリ76に導風する導風路130が形成される。前記した支持部材100の支持板部101は、図5に示されるように、導風路130における伝動ケースカバー30寄りの位置に設けられ、導風路130を通過する冷却風の流れを妨げないようになっている。より詳細には、支持部材100の第1軸受部102と、第2軸受部103と、支持板部101とが板部材110よりも車幅方向外側に配置されており、クランク軸40の軸線に沿う方向で、支持板部101は板部材110よりも伝動ケースカバー30に近い位置に設けられている。
前述の伝動ケースカバー30、支持部材100および板部材110は、以下のように伝動ケース部21bに取り付けられる。図7に示されるように、伝動ケースカバー30に、キック軸10及び被動軸122が軸支された支持部材100と板部材110とが予め小組された状態で、ユニットケース21の伝動ケース部21bへ当接される。その後、図8に示されるように、ボルト39を、伝動ケースカバー30の係合取付ボス部37および支持部材100の係合突部104c,105cとに挿通して、伝動ケース部21bのボス部21bqのネジ穴21bに螺合し、伝動ケースカバー30は、支持部材100と共締めで伝動ケース部21bに取り付けられる。
本実施の形態のキック始動装置付き鞍乗型車両用のパワーユニットPは、前記したように構成されているので、以下のような効果を奏する。
本実施の形態のパワーユニットPでは、伝動ケースカバー30が樹脂製であって、伝動ケースカバー30と別体に形成され、キック軸10を軸支する金属製の支持部材100が、ベルト室70の内部に配置されるようにして、金属製の伝動ケース部21bに締結されるので、ベルト室70が、金属製の伝動ケース部21bと樹脂製の伝動ケースカバー30とで形成されるため、大型となる伝動ケースカバー30の重量の低減と低コスト化を図ることができる。
さらに、キック軸10は、金属製の支持部材100の第1軸受部102によって軸支されるので、キック軸10の支持剛性を確保することができる。また支持部材100は、ベルト室70の内部に配置される比較的小型なものとすることができ、パワーユニットPの重量低減に寄与することができる。さらに、支持部材100は金属製の伝動ケース部21bに締結されるので、キック軸10からの負荷が樹脂製の伝動ケースカバー30へ伝達されにくくなり、伝動ケースカバー30の耐久性も向上できる。
また、キック軸10は従動プーリ86よりも前方に配置され、支持部材100は、ベルト室70における従動プーリ86よりも前方側の領域のみに設けられているので、支持部材100はキック軸10を支持しつつコンパクトに形成することができ、パワーユニットPの重量低減に一層効果的に寄与できる。
さらに、伝動ケースカバー30に、その前部に外部からベルト室70へ冷却風を取り込む冷却風取入管32の冷却風取入口33を形成するとともに、冷却風取入口33よりも後方で従動プーリ87よりも前方に、冷却風を排出する冷却風出口35としての下端開口部34bを備えるケース排風ダクト34が設けられており、支持部材100を、ベルト室70における冷却風出口35よりも前方側の領域のみに設けているので、支持部材100はキック軸10を支持しつつ、コンパクトに形成することができ、パワーユニットPの重量低減に一層効果的に寄与できる。また、支持部材100はケース排風ダクト34よりも前方側の領域に設けられるので、支持部材100をケース排風ダクト34と前後方向で重ならないように設けることができ、支持部材100が排風の邪魔になるのを抑制して円滑な排風を行うことができる。
さらにまた、支持部材100は、キック駆動ギヤ120が設けられるキック軸10を軸支する第1軸受部102と、キック被動ギヤ123が設けられる被動軸122を軸支する第2軸受部103と、第1軸受部102および第2軸受部103が固定される支持板部101と、側面視で支持板部101から伝動ケース部21bの上部と下部とに向けてそれぞれ延出して伝動ケース部21bのボス部21bに締結される上側支持脚部104及び下側支持脚部105とを有しているので、上側支持脚部104と下側支持脚部105とにより、キック軸10の周囲の支持剛性を効率よく高めることができる。
さらに、伝動ケースカバー30には、その前部に外部からベルト室70へ冷却風を取り込む冷却風取入口33が形成されるとともに、伝動ケースカバー30の内壁面30aと、伝動ケースカバー30の内壁面30aに取り付けられる板部材110とで、冷却風取入口33から取り込まれた冷却風を駆動プーリ76に導風する導風路130を形成し、支持板部101は、導風路130において伝動ケースカバー30寄りの位置に設けているので、伝動ケースカバー30の内壁面30aと、該内壁面30aに取り付けられる板部材110とで導風路130を形成する場合に、この導風路130内に支持部材が配置される場合であっても、支持部材100が導風の邪魔になるのを抑制することができ、冷却風取入口33から駆動プーリ76へ円滑に冷却風を案内することができる。
また、伝動ケースカバー30と支持部材100とが共締めで伝動ケース部21bに締結されることにより、締結構造を簡素化することができる。また、支持部材100はベルト室70内に配置されるので、伝動ケースカバー30と支持部材100とを共締めにしようとすると、外部から支持部材100を視認することが難しく、この状態での共締め作業は困難なものとなる。これに対し、共締めで締結するにあたり、伝動ケースカバー30には係合部37bが形成され、該係合部37bに支持部材100の係合突部104c,105cを位置決めさせておくことができるので、組立て作業性を向上することができる。その上、伝動ケースカバー30に、キック軸10及び被動軸122が軸支された支持部材100と、板部材110とが、予め小組された状態で、伝動ケース部21bへ取り付けられるので、組立て性を一層向上することができる。
伝動ケースカバー30を、支持部材100と共締めで伝動ケース部21bに締結するとともに、伝動ケースカバー30に、支持部材100を伝動ケースカバー30に位置決めさせておく係合部を形成してもよい。
前記構成によれば、伝動ケースカバー30と支持部材100とが共締めで伝動ケース部21bに締結されるので、締結構造を簡素化することができる。尚、支持部材100はベルト室70内に配置されるので、伝動ケースカバー30と支持部材100とを共締めにしようとすると、外部から支持部材100を視認することが難しく、この状態での共締め作業は困難なものとなる。これに対し、共締めで締結するにあたり、伝動ケースカバー30には係合部37aが形成され、該係合部37aに支持部材100を位置決めさせておくことができるので、組立て作業性を向上することができる。
さらに、戻しバネ121を樹脂製の伝動ケースカバー30ではなく金属製の支持部材100に取り付けるようにしたので、伝動ケースカバー30側へ伝達される負荷を抑制することができる。
前記した実施の形態では、上側支持脚部104が1つ、下側支持脚部105が2つ設けられた支持部材100が用いられていたが、支持部材100に変えて図9に示されるような支持部材200を用いてもよい。支持部材200は、キック駆動ギヤ120が設けられるキック軸10を軸支する第1軸受部202と、キック被動ギヤ123が設けられる被動軸122を軸支する第2軸受部203と、第1軸受部102および第2軸受部103が固定される支持板部201と、側面視で支持板部101から伝動ケース21bの上部と下部とに向けてそれぞれ延出して前記伝動ケース部21bに締結される上側支持脚部204及び下側支持脚部205とを有している。
第1軸受部202から上方に向かって延出して上側支持脚部204が、下方に向かって延出して下側支持脚部205が形成されている。さらに第2軸受部203からも、上方に向かって延出して上側支持脚部204が、下方に向かって延出して下側支持脚部205が形成されている。これらの上側支持脚部204と下側支持脚部205は、前記した実施形態に用いられた支持部材100の上側支持脚部104と下側支持脚部105と同様に、脚部204a,205a、取付片204b,205bおよび係合突部204c,205cが設けられており、伝動ケースカバー30の係合取付ボス部37および伝動ケース部21bボス部21bが、取付片204b,205bおよび係合突部204c,205cに対応する位置に設けられて(不図示)、伝動ケースカバー30は支持部材200と一体に伝動ケース部21bに取付けられる。本実施の形態に用いられる支持部材200は、第1軸受部202と第2軸受部203とのそれぞれが、上側支持脚部204と下側支持脚部205の両方により支持されているので、キック軸10およびキック被動ギヤ123の両方が強固に支持部材200により保持できる。また、上側支持脚部材204及び下側支持脚部材205には、凹部204d,205dが形成される。このように凹部204d,205dを形成することで、支持脚部の剛性を一層高めることができる。なお、凹部204d,205dは、凸部形状であってもよい。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は前記した実施の形態に限定されるものではなく、その他種々の変更が可能である。また、本発明のキック始動装置付き鞍乗型車両用のパワーユニットPは、自動二輪車に限定されず他種の鞍乗型車両にも幅広く適用することができる。
1…自動二輪車、10…キック軸、20…内燃機関、21…ユニットケース、21L…左ユニットケース、21b…伝動ケース、25…ベルト式無段変速機、30…伝動ケースカバー、30a…内壁面、33…冷却風取入口、35…冷却風出口、37a…係合部、40…クランク軸、70…ベルト室、75…Vベルト、76…駆動プーリ、86…従動プーリ、90…従動軸、95…減速機入力軸、97…キックラチェット、
100…支持部材、101…支持板部、102…第1軸受部、103…第2軸受部、104…上側支持脚部、105…下側支持脚部、110…板部材、120…キック駆動ギヤ、121…戻しバネ、
200…支持部材、201…支持板部、202…第1軸受部、203…第2軸受部、204…上側支持脚部、205…下側支持脚部、
P…パワーユニット。

Claims (8)

  1. 内燃機関(20)のクランク軸(40)に設けられる駆動プーリ(76)と、駆動プーリ(76)の後方に設けられる従動軸(90)に設けられる従動プーリ(86)と、駆動プーリ(76)と従動プーリ(86)とに巻き掛けられるベルト(75)とを有するベルト式無段変速機(25)が、
    前記内燃機関(20)の機関本体に連設されて後輪(8)の側方に配置される伝動ケース(21b)と、該伝動ケース(21b)に取り付けられる伝動ケースカバー(30)とで形成されるベルト室(70)に収容され、
    前記伝動ケースカバー(30)を貫通するようにして設けられるキック軸(10)と、
    前記キック軸(10)の回転によって駆動するキック駆動ギヤ(120)と、
    前記キック駆動ギヤ(120)によって駆動されるとともに、前記クランク軸(40)に設けられるキックラチェット(79)に係脱自在なキック被動ギヤ(123)とを備えたキック始動装置付き鞍乗型車両用パワーユニットにおいて、
    前記伝動ケースカバー(30)は、樹脂製であって、
    該伝動ケースカバー(30)と別体に形成されるとともに前記キック軸(10)を軸支する金属製の支持部材(100,200)が、
    前記ベルト室(70)の内部に配置されるようにして、金属製の前記伝動ケース(21b)に締結されることを特徴とするキック始動装置付き鞍乗型車両用パワーユニット。
  2. 前記キック軸(10)は前記従動プーリ(86)よりも前方に配置され、前記支持部材(100,200)は、前記ベルト室(70)における前記従動プーリ(86)よりも前方側の領域のみに設けられることを特徴とする請求項1に記載のキック始動装置付き鞍乗型車両用パワーユニット。
  3. 前記伝動ケースカバー(30)には、その前部に外部から前記ベルト室(70)へ冷却風を取り込む冷却風取入口(33)が形成されるとともに、該冷却風取入口(33)よりも後方で且つ前記従動プーリ(86)よりも前方に、冷却風を排出する冷却風出口(35)を有する排風ダクト(34)が設けられ、
    前記支持部材(100,200)は、前記ベルト室(70)における前記排風ダクト(34)よりも前方側の領域に設けられることを特徴とする請求項1に記載のキック始動装置付き鞍乗型車両用パワーユニット。
  4. 前記支持部材(100,200)は、前記キック駆動ギヤ(120)が設けられるキック軸(10)を軸支する第1軸受部(102,202)と、
    前記キック被動ギヤ(123)が設けられる被動軸(122)を軸支する第2軸受部(103,203)と、
    前記第1軸受部(102,202)および前記第2軸受部(103,203)が固定される支持板部(101)と、
    側面視で前記支持板部(101)から前記伝動ケース(21b)の上部と下部とに向けてそれぞれ延出して前記伝動ケース(21b)に締結される上側支持脚部(104)及び下側支持脚部(105)とを有することを特徴とする請求項1に記載のキック始動装置付き鞍乗型車両用パワーユニット。
  5. 前記伝動ケースカバー(30)には、その前部に外部から前記ベルト室(70)へ冷却風を取り込む冷却風取入口(33)が形成されるとともに、
    前記伝動ケースカバー(30)の内壁面(30a)と、前記伝動ケースカバー(30)の内壁面(30a)に取り付けられる板部材(110)とで、前記冷却風取入口(33)から取り込まれた冷却風を前記駆動プーリに導風する導風路(130)を形成し、
    前記支持板部(101)は、前記導風路(130)における前記伝動ケースカバー(30)寄りの位置に設けられることを特徴とする請求項4に記載のキック始動装置付き鞍乗型車両用パワーユニット。
  6. 前記伝動ケースカバー(30)には、その前部に外部から前記ベルト室(70)へ冷却風を取り込む冷却風取入口(33)が形成されるとともに、
    前記伝動ケースカバー(30)の内壁面(30a)と、前記伝動ケースカバー(30)の内壁面(30a)に取り付けられる板部材(110)とで、前記冷却風取入口(33)から取り込まれた冷却風を前記駆動プーリに導風する導風路(130)を形成し、
    前記伝動ケースカバー(30)は、前記支持部材(100,200)と共締めで前記伝動ケース(21b)に締結されるとともに、
    前記伝動ケースカバー(30)には、前記支持部材(100,200)を前記伝動ケースカバー(30)に位置決めさせておく係合部(37a)が形成され、
    前記伝動ケースカバー(30)に、前記キック軸(10)及び前記被動軸(122)が軸支された前記支持部材(100,200)と、前記板部材(110)とが、予め小組された状態で、前記伝動ケース(21b)へ取り付けられることを特徴とする請求項4に記載のキック始動装置付き鞍乗型車両用パワーユニット。
  7. 前記伝動ケースカバー(30)は、前記支持部材(100,200)と共締めで前記伝動ケース(21b)に締結されるとともに、
    前記伝動ケースカバー(30)には、前記支持部材(100,200)を前記伝動ケースカバー(30)に位置決めさせておく係合部(37a)が形成されることを特徴とする請求項1に記載のキック始動装置付き鞍乗型車両用パワーユニット。
  8. 前記キック軸(10)を初期位置へ向けて付勢する戻しバネ(121)が、前記支持部材(100)に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のキック始動装置付き鞍乗型車両用パワーユニット。
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