JP2017179250A - 変性ポリオレフィン系樹脂及びその製造方法、成形体、電線並びに樹脂組成物 - Google Patents

変性ポリオレフィン系樹脂及びその製造方法、成形体、電線並びに樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】耐ブリードアウト性、難燃性、機械的特性、加工性に優れた変性ポリオレフィン系樹脂の提供。【解決手段】式(1)で表される化学構造を有する変性ポリオレフィン系樹脂。(R1及びR2は夫々独立にH、アルキル、アリール、アラルキル、アルケニル、アルコキシ、シリル等;R3〜R10は夫々独立にH、アルキル、アリール、アラルキル、シアノ、アシル等;X1はH、アルキル、アセチル又はエステル)【選択図】なし

Description

本発明は変性ポリオレフィン系樹脂及びその製造方法に関する。より詳細には、本発明は、耐ブリードアウト性、難燃性、機械的特性、加工性等に優れた変性ポリオレフィン系樹脂及びその製造方法並びにこの変性ポリオレフィン系樹脂を用いて得られる成形体及び電線に関する。また、本発明は、この変性ポリオレフィン系樹脂を得るための樹脂組成物に関する。
ポリ塩化ビニル樹脂及びその樹脂組成物は電気絶縁性に優れ、且つ自消性の難燃特性を持つことから、電線被覆、チューブ、テープ、建材、自動車部品、家電部品等に広く使用されている。しかしながら、ポリ塩化ビニル樹脂は分子構造中に塩素を含んでいるため、燃焼時に腐食性ガスである塩化水素ガスを発生し、また、燃焼条件によってはダイオキシン類等の有毒ガスを発生する恐れがある。このため、最近の環境問題への対策の一環として、燃焼時におけるこれら有毒ガス発生の可能性が殆どない、ハロゲンを含有しない材料(以下、「ハロゲン不含材料」という場合がある。)が使用される傾向がある。
ハロゲン不含材料としては、ポリプロピレンやポリエチレンに代表されるポリオレフィン系樹脂やスチレン系樹脂等が挙げられる。ところが、これらの樹脂は易燃焼性であるため、用途によっては難燃化する必要がある。その対策としてハロゲン系難燃剤を添加する手法が古くより行われてきたが、ハロゲン系難燃剤も燃焼時に有毒ガスを発生し得るという懸念があり、最近では非ハロゲン系難燃剤として水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムといった金属水酸化物を配合する手法が採られている。これらの水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等を含む難燃性樹脂組成物は、燃焼時のハロゲン系ガスの発生を防止し得るが、要求される難燃性能を得るためには大量の難燃剤を充填する必要があり、その影響で樹脂組成物の物理特性が劣る、成形加工特性が劣る等の問題がある。
一方、ハロゲンを含まない難燃剤として、リン系化合物が広く使用されている。一般的なリン系難燃剤としては、特許文献1に開示されているように、トリフェニルフォスフェート(TPP)等のリン酸エステル系難燃剤が利用されている。また、特許文献2に開示されているように、ビニルリン含有化合物を化学結合によりポリマー鎖内に導入し、ブリードアウトの発生を抑える手法が開発されている。また、特許文献3には、加熱しても着色しにくいという特性を兼ね備えたアルケニルリン含有化合物重合体及びアルケニルリン含有化合物共重合体、並びにそのモノマー(単量体)として好適なアルケニルリン含有化合物が開示されている。
特開2010−24231号公報 特開2007−91824号公報 特開2010−202718号公報
本発明者の詳細な検討によれば、上記特許文献1〜3に記載されているような技術では次のような問題点があることがわかった。即ち、特許文献1に開示されているようなリン酸エステル系難燃剤は揮発性が高く、樹脂に配合して押出成形する際に金型を汚染したり、ブリードアウトをして外観を損なう等の問題があり、また、有機環状リン含有化合物においては、それが徐々に加水分解するので、ポリマー成形品の耐水性や電気絶縁性が低いという問題がある。また、有機環状リン含有化合物のブリードアウトが発生するために、ポリマー成形品の難燃性が徐々に低下するという問題点がある。また、特許文献2に記載されているような技術では、成形時等における加熱によって着色し易いという問題点がある。更に、特許文献3に記載されているようなアルケニルリン含有化合物のモノマーをそのままポリオレフィン樹脂等に配合した場合、アルケニルリン含有化合物のブリードアウトの問題があることがわかった。
本発明の目的は、リン含有化合物の耐ブリードアウト性、難燃性、機械的特性、加工性等に優れた変性ポリオレフィン系樹脂及びその製造方法、この変性ポリオレフィン系樹脂を用いて得られる成形体並びに電線を提供することにある。また、本発明はこの変性ポリオレフィン系樹脂を得るための樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は従来技術の問題点を解決するために鋭意検討を行った結果、ポリオレフィン系樹脂を特定のリン含有化合物によりグラフト変性した変性ポリオレフィン系樹脂により上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。即ち本発明は、以下の[1]〜[9]を要旨とする。
[1] 下記式(1)で表される化学構造を有する変性ポリオレフィン系樹脂。
Figure 2017179250
(式(1)中、R、Rは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアラルキル基、炭素数4〜12のヘテロアリール基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数6〜14のアリールオキシ基又はシリル基を示し、R〜R10は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数4〜14のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアラルキル基、炭素数1〜15のシアノ基又は炭素数1〜15のアシル基を示し、Xは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アセチル基、メチルエステル基又はエチルエステル基を示す。)
[2] 前記式(1A)で表されるグラフト基のグラフト率が0.1〜30重量%である、[1]に記載の変性ポリオレフィン系樹脂。
Figure 2017179250
(式(1A)中、R〜R10は式(1)におけると同義である。)
[3] エチレン単位を50重量%以上含有する、[1]又は[2]に記載の変性ポリオレフィン系樹脂。
[4] ポリオレフィン系樹脂(A)を下記式(2)で表されるリン含有化合物(B)によりグラフト変性する変性ポリオレフィン系樹脂の製造方法。
Figure 2017179250
(式(2)中、R’、R’は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアラルキル基、炭素数4〜12のヘテロアリール基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数6〜14のアリールオキシ基又はシリル基を示し、R’〜R10’は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数4〜14のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアラルキル基、炭素数1〜15のシアノ基又は炭素数1〜15のアシル基を示す。)
[5] ラジカル発生剤の存在下にグラフト変性を行う、[4]に記載の変性ポリオレフィン系樹脂の製造方法。
[6] ポリオレフィン系樹脂(A)100重量部に対し、リン含有化合物(B)を0.1〜100重量部を用いる、[4]又は[5]に記載の変性ポリオレフィン系樹脂の製造方法。
[7] [1]乃至[3]のいずれかに記載の変性ポリオレフィン系樹脂又は該変性ポリオレフィン系樹脂を含む樹脂組成物を成形してなる成形体。
[8] [1]乃至[3]のいずれかに記載の変性ポリオレフィン系樹脂を用いてなる電線。
[9] ポリオレフィン系樹脂(A)と下記式(2)で表されるリン含有化合物(B)とを含む樹脂組成物。
Figure 2017179250
(式(2)中、R’、R’は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアラルキル基、炭素数4〜12のヘテロアリール基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数6〜14のアリールオキシ基又はシリル基を示し、R’〜R10’は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数4〜14のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアラルキル基、炭素数1〜15のシアノ基又は炭素数1〜15のアシル基を示す。)
[10] ポリオレフィン系樹脂(A)100重量部に対し、リン含有化合物(B)を0.1〜100重量部含む、[9]に記載の樹脂組成物。
本発明によれば、耐ブリードアウト性、難燃性、機械的特性、加工性等に優れた変性ポリオレフィン系樹脂が提供される。また、本発明によれば、この変性ポリオレフィン系樹脂を用いて得られる成形体及び電線が提供される。更に本発明によれば、この変性ポリオレフィン系樹脂を得るための樹脂組成物が提供される。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸の一方又は両方を意味する。
また、本発明において、各置換基の炭素数は、当該置換基を有する場合、その置換基の炭素数も含めた合計の炭素数を意味する。
[変性ポリオレフィン系樹脂]
本発明の変性ポリオレフィン系樹脂は、下記(1)で表される化学構造を有するものである。
Figure 2017179250
式(1)中、R、Rは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアラルキル基、炭素数4〜12のヘテロアリール基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数6〜14のアリールオキシ基又はシリル基を示し、R〜R10は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数4〜14のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアラルキル基、炭素数1〜15のシアノ基又は炭素数1〜15のアシル基を示す。なお、式(1)中のR〜R10は後述する式(2)中のR’〜R10’にそれぞれが対応するものであり、それぞれの定義と好ましいものは式(2)におけるR’〜R10’と同様である。
式(1)中、Xは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アセチル基、メチルエステル基又はエチルエステル基を示す。これらの中でもXは、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又はアセチル基が好ましく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はアセチル基がより好ましく、水素原子が特に好ましい。なお、式(1)におけるXは原料として用いるポリオレフィン系樹脂(A)を選択することにより、所望の構造とすることができる。
本発明の変性ポリオレフィン系樹脂は、難燃性、耐ブリードアウト性等に優れるという効果を奏する。これは、本発明の変性ポリオレフィン系樹脂が、後述のリン含有化合物(B)がグラフト変性されていることにより、リン含有化合物(B)のブリードアウトが抑えられると共に、リン含有化合物(B)に由来する難燃性も付与されることによるものと推定される。
本発明の変性ポリオレフィン系樹脂は通常、以下に説明するポリオレフィン系樹脂(A)と下記式(2)で表されるリン含有化合物(B)との樹脂組成物を用いて得ることができる。より具体的には、本発明の変性ポリオレフィン系樹脂は通常、ポリオレフィン系樹脂(A)をラジカル発生剤の存在下でリン含有化合物(B)と反応させ、グラフト変性することにより得ることができる。
本発明の変性ポリオレフィン系樹脂は、後述のポリオレフィン系樹脂(A)を後述のリン含有化合物(B)でグラフト変性することにより、変性ポリオレフィン系樹脂中の下記式(1A)で表されるリン含有化合物(B)に由来するグラフト基の含有率に相当するグラフト率が、0.1重量%以上であることが好ましく、0.2重量%以上であることが好ましく、0.3重量%以上であることが好ましい。また、下記式(1A)で表されるグラフト基のグラフト率は、30重量%以下であることが好ましく、20重量%以下であることがより好ましく、10重量%以下であることが更に好ましい。グラフト率が上記下限以上であると、変性ポリオレフィン系樹脂の難燃性がより優れたものとなり、好ましい。一方、グラフト率が上記上限以下であると、変性ポリオレフィン系樹脂の引張物性等の機械的特性や加工性、耐ブリードアウト性がより優れたものとなり好ましい。
Figure 2017179250
(式(1A)中、R〜R10は式(1)におけると同義である。)
変性ポリオレフィン系樹脂におけるグラフト率は、蛍光X線測定により求めることができる。具体的な測定方法を後掲の実施例に示す。
また、本発明の変性ポリオレフィン系樹脂は、エチレン単位を50重量%以上含有することが好ましい。ここで、エチレン単位を50重量%以上含有するとは、変性ポリオレフィン系樹脂中に含まれる、式(1)で表される化学構造のうちの−C(X)−CH−で表される繰り返し単位の含有量を表し、エチレン単位の含有量は、変性ポリオレフィン系樹脂の製造に用いる後述のポリオレフィン系樹脂(A)のエチレン単位の含有量と上記のグラフト率から計算により求めることができる。
変性ポリオレフィン系樹脂のエチレン単位の含有量が50重量%以上であれば、変性ポリオレフィン系樹脂の機械的特性、加工性等がより優れたものとなる。変性ポリオレフィン系樹脂のエチレン単位の含有量は、より好ましくは60重量%以上であり、特に好ましくは70重量%以上である。一方、上記式(1A)で表されるグラフト基の導入で難燃性を高める観点から、エチレン単位の含有量は99重量%以下であることが好ましく、98重量%以下であることがより好ましい。
<ポリオレフィン系樹脂(A)>
本発明に用いるポリオレフィン系樹脂(A)は、オレフィンモノマーを重合して得られたものであれば特に制限されない。ポリオレフィン系樹脂(A)としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン等の単独重合体、これらのモノマーの共重合体、又はこれらと3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等の炭素数5〜20程度のその他のα−オレフィンや、酢酸ビニル、ビニルアルコール、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等との共重合体等が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂(A)として具体的には、例えば、低・中・高密度ポリエチレン等(分岐状又は直鎖状)のエチレン単独重合体、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体等のポリエチレン系樹脂;プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体等のポリプロピレン系樹脂;及び1−ブテン単独重合体、1−ブテン・エチレン共重合体、1−ブテン・プロピレン共重合体等のポリ−1−ブテン系樹脂;ノルボルネンの開環メタセシス重合体やノルボルネン誘導体・エチレン共重合体等の環状ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。これらの中でもポリオレフィン系樹脂(A)としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂及びエチレン・酢酸ビニル共重合体(ポリエチレン系樹脂に該当するものを除く。)から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。なお、これらのポリオレフィン系樹脂は、無水マレイン酸、マレイン酸、アクリル酸等の不飽和カルボン酸又はその誘導体や不飽和シラン化合物等で変性したものであってもよく、更には、部分的に架橋構造を有していてもよい。
なお、本発明において、「ポリエチレン系樹脂」とは、原料モノマーに由来する単位としてエチレン単位を50重量%以上含有する重合体を意味する。「ポリプロピレン系樹脂」及び「ポリ−1−ブテン系樹脂」等についても同様である。
ポリオレフィン系樹脂(A)として共重合体を用いる場合の重合形式は限定されず、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体等のいずれであってもよい。また、重合方法及び重合に用いる触媒も公知のものを適宜採用することができる。
ポリオレフィン系樹脂(A)として用いることのできるポリプロピレン系樹脂としては、成形性の観点から、JIS K7210(1999)に従って230℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレート(MFR)が、1.0〜60g/10分であることが好ましく、2.0〜40g/10分であることがより好ましい。
ポリオレフィン系樹脂(A)として用いることのできるポリエチレン系樹脂としては、成形性の観点から、JIS K7210(1990)に従って190℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレート(MFR)が、1〜60g/10分であることが好ましく、2.0〜40g/10分であることがより好ましい。また、ポリエチレン系樹脂は耐熱性の観点から密度(JIS K7112)が0.850〜0.980g/cmであることが好ましく、0.855〜0.950g/cmであることがより好ましく、0.860〜0.930g/cmであることが更に好ましい。
ポリオレフィン系樹脂(A)として用いることのできるエチレン・酢酸ビニル共重合体(ポリエチレン系樹脂に該当するものを除く。)としては、成形性の観点から、JIS K7210(1990)に従って190℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレート(MFR)が好ましくは1.0〜60g/10分であることが好ましく、2.0〜40g/10分であることがより好ましい。また、難燃性、成形性の観点から、酢酸ビニル含有量が5〜40重量%であることが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂(A)は市販品として入手することができる。ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、日本ポリプロ社製ノバテック(登録商標)PPシリーズ、ウィンテック(登録商標)シリーズ等が挙げられ、これらの中から該当品を適宜選択して使用することができる。また、ポリエチレン系樹脂としては、例えば、日本ポリエチレン社製ノバテック(登録商標)シリーズ、ダウ・ケミカル日本社製エンゲージ(登録商標)シリーズ、旭化成ケミカルズ社製クレオレックス(登録商標)シリーズ等が挙げられ、これらの中から該当品を適宜選択して使用することができる。更に、エチレン・酢酸ビニル共重合体としては、例えば、三井・デュポン ポリケミカル社製エバフレックス(登録商標)シリーズ、日本ポリエチレン社製ノバテック(登録商標)シリーズ等が挙げられる。
本発明の変性ポリオレフィン系樹脂の製造においては、上記のポリオレフィン系樹脂(A)は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<リン含有化合物(B)>
本発明の変性ポリオレフィン系樹脂の原料として用いるリン含有化合物(B)は、下記式(2)で表されるものである。上述のポリオレフィン系樹脂(A)がこのリン含有化合物(B)によりグラフト変性されていることにより、本発明の変性ポリオレフィン系樹脂に難燃性が付与される。
Figure 2017179250
(式(1)中、R’、R’は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアラルキル基、炭素数4〜12のヘテロアリール基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数6〜14のアリールオキシ基又はシリル基を示し、R’〜R10’は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数4〜14のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアラルキル基、炭素数1〜15のシアノ基(ここで、炭素数2〜15のシアノ基はシアノ基の炭素原子に炭化水素基が結合しているものを意味する。)又は炭素数1〜15のアシル基を示す。)
’、R’におけるアルキル基の炭素数は好ましくは1〜4である。このようなアルキル基の好ましいものとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
’、R’におけるシクロアルキル基の炭素数は好ましくは6〜12である。このようなシクロアルキル基の好ましいものとしては、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基等が挙げられる。
’、R’におけるアリール基の炭素数は好ましくは6〜12である。このようなアリール基の好ましいものとしては、フェニル基、ナフチル基、トリル基、ベンジルフェニル基等が挙げられる。
’、R’におけるアラルキル基の炭素数は好ましくは7〜13である。アラルキル基の好ましいものとしては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルベンジル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
’、R’におけるヘテロアリール基は、ヘテロ原子(酸素、窒素、硫黄等)を含む芳香環基であり、それに含まれる炭素数としては好ましくは4〜8が適当である。ヘテロアリール基としては、チエニル基、フリル基、ピリジル基、ピロリル基等が挙げられる。
’、R’におけるアルケニル基の炭素数は好ましくは2〜6である。このようなアルケニル基としては、ビニル基、2−ブテニル基等が挙げられる。
’、R’におけるアルコキシ基の炭素数は好ましくは1〜4である。このようなアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
’、R’におけるアリールオキシ基の炭素数は好ましくは6〜12である。アリールオキシ基としては、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。
’、R’におけるシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、フェニルジメチルシリル基、トリメトキシシリル基等のシリル基にアルキル基、アリール基、アルコキシ基が置換したオルガノシリル基が挙げられる。ここで、アルキル基の炭素数は1〜4が好ましく、アリール基の炭素数は6〜12が好ましく、アルコキシ基の炭素数は1〜4が好ましい。
’、R’としては、以上に挙げたものの中でも水素原子又はメチル基が好ましく、水素原子が最も好ましい。
’〜R10’におけるアルキル基の炭素数は好ましくは1〜10である。このようなアルキル基の好ましいものとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−デシル基等が挙げられる。
’〜R10’におけるシクロアルキル基の炭素数は好ましくは6〜12である。このようなシクロアルキル基の好ましいものとしては、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基等が挙げられる。
’〜R10’におけるアリール基の炭素数は好ましくは6〜12である。このようなアリール基の好ましいものとしては、フェニル基、ナフチル基、トリル基、ベンジルフェニル基等が挙げられる。
’〜R10’におけるアラルキル基の炭素数としては好ましくは7〜13である。アラルキル基の好ましいものとしては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルベンジル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
’〜R10’におけるシアノ基の炭素数は、好ましくは1〜12であり、より好ましくは1〜8であり、特に好ましくは1〜4である。なお、R’〜R10’のいずれかがシアノ基である場合、シアノ基の炭素数は、シアノ基と結合した炭化水素基等を含めた炭素数を意味する。
’〜R10’におけるアシル基の炭素数は好ましくは1〜4である。このようなアシル基の好ましいものとしては、アルデヒド基(ホルミル基)、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等が挙げられる。
’〜R10’としては、好ましくは水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基であり、より好ましくは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、特に好ましいのは水素原子又はメチル基である。
式(2)中、R’〜R10’の定義及びその好ましいものは、それぞれ式(1)中のR〜R10と同様である。
本発明の変性ポリオレフィン系樹脂の製造において、上記のリン含有化合物(B)は1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<変性ポリオレフィン系樹脂の製造方法>
本発明の変性ポリオレフィン系樹脂は、前述の通り、通常、ポリオレフィン(A)をリン含有化合物(B)でグラフト変性して得られるものである。このグラフト変性の方法としては如何なる方法を用いてもよいが、反応の際にラジカルを発生させる有機過酸化物等をラジカル発生剤として添加することが好ましい。また、グラフト変性させる方法としては、溶媒中で反応させる溶液変性法や溶媒を使用しない溶融変性法等が挙げられるが、懸濁分散反応法等のその他の方法を用いてもよい。
これらの中でも、溶融変性法としては、ポリオレフィン系樹脂(A)とリン含有化合物(B)、及び必要により後述するラジカル発生剤を予め混合して樹脂組成物とし、これを混練機中で溶融混練する方法や、混練機中で溶融したポリオレフィン系樹脂(A)に、ラジカル発生剤とリン含有化合物(B)との樹脂組成物を装入口から添加して溶融混練する方法等を用いることができる。混合には通常、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、V型ブレンダー等が使用され、溶融混練には通常、単軸又は二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、ブラベンダーミキサー等が使用できる。
溶融混練時の温度は限定されないが、通常はポリオレフィン系樹脂(A)が溶融する温度が選択され、一般的には150〜250℃で行うことができる。
溶液変性法としては、ポリオレフィン系樹脂(A)を有機溶剤等に溶解又は分散させて、これにラジカル発生剤とリン含有化合物(B)とを混合して樹脂組成物としてからグラフト変性する方法を使用することができる。有機溶剤としては、特に限定されるものではなく、例えばアルキル基置換芳香族炭化水素やハロゲン化炭化水素を使用することが出来る。
本発明の変性ポリオレフィン系樹脂を製造する際に用いることのできるラジカル発生剤は特に限定されないが、具体的には、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パーオキシベンゾエ−ト)ヘキシン−3、ラウロイルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルパーベンゾエ−ト、tert−ブチルパーイソブチレ−ト、tert−ブチルパーピバレ−ト、及びクミルパーピバレ−ト等の有機パーオキシドや有機パーエステル;アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾイソブチレ−ト等のアゾ化合物等を使用することができる。これらは1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのラジカル発生剤は、ポリオレフィン系樹脂(A)の種類やMFR、リン含有化合物(B)の種類、使用量、グラフト変性条件等に応じて適宜選択することができる。ラジカル発生剤の使用量は、ポリオレフィン系樹脂(A)100重量部に対し、通常0.01〜5重量部、好ましくは0.03〜3重量部、より好ましくは0.05〜2重量部である。
グラフト変性に用いるリン含有化合物(B)は、後述の通り、ポリオレフィン系樹脂(A)100重量部に対して、0.1〜100重量部であることが好ましく、得られる変性ポリオレフィン系樹脂の難燃性をより向上させる観点から、リン含有化合物(B)の使用量は、ポリオレフィン系樹脂(A)100重量部に対し、より好ましくは0.5重量部以上であり、更に好ましくは2重量部以上であり、特に好ましくは5重量部以上である。一方、得られる変性ポリオレフィン系樹脂の引張物性等の機械的特性、加工性、耐ブリードアウト性をより良好なものとする観点から、より好ましくは80重量部以下であり、更に好ましくは60重量部以下であり、特に好ましくは40重量部以下であり、とりわけ好ましくは20重量部以下であり、最も好ましいのは10重量部以下である。
このようにしてラジカル発生剤の存在下に、ポリオレフィン系樹脂(A)とリン含有化合物(B)とを反応させると、存在量の少ないリン含有化合物(B)同士の重合よりも、ポリオレフィン系樹脂(A)へのリン含有化合物(B)のグラフト変性反応が優先して進行し、変性ポリオレフィン系樹脂が得られる。
このようにして得られる変性ポリオレフィン系樹脂は、未反応物としてのポリオレフィン系樹脂(A)及びリン含有化合物(B)を含むものであってもよいし、これらを有機溶媒による洗浄により除去して用いてもよい。
<樹脂組成物>
本発明の変性ポリオレフィン系樹脂を得る際には通常、ポリオレフィン系樹脂(A)とリン含有化合物(B)を含む樹脂組成物が用いられる。この樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂(A)100重量部に対し、リン含有化合物(B)を0.1〜100重量部含有することが好ましい。リン含有化合物(B)の含有量が上記下限値以上であると、得られる変性ポリオレフィン系樹脂の難燃性の観点から好ましい。一方、リン含有化合物(B)の含有量が上記下上限値以下であると、得られる変性ポリオレフィン系樹脂の引張物性等の機械的特性、加工性、耐ブリードアウト性等の観点から好ましい。リン含有化合物(B)の含有量は、ポリオレフィン系樹脂(A)100重量部に対し、難燃性をより向上させる観点から、より好ましくは0.5重量部以上であり、更に好ましくは2重量部以上であり、特に好ましくは5重量部以上である。一方、引張物性等の機械的特性、加工性、耐ブリードアウト性をより良好なものとする観点から、より好ましくは80重量部以下であり、更に好ましくは60重量部以下であり、特に好ましくは40重量部以下であり、とりわけ好ましくは20重量部以下であり、最も好ましいのは10重量部以下である。
<変性ポリオレフィン樹脂組成物>
本発明の変性ポリオレフィン系樹脂には本発明の効果を著しく妨げない範囲で、その他の樹脂や、樹脂組成物に一般的に配合される各種の添加剤等の成分を必要に応じて配合し、変性ポリオレフィン系樹脂組成物としてもよい。その他の成分は、1種類のみを用いても2種類以上を任意の組合せと比率で用いてもよい。また、この樹脂組成物には、変性ポリオレフィン系樹脂の製造に用いたポリオレフィン系樹脂(A)やリン含有化合物(B)が含まれていてもよい。
その他の樹脂としては、本発明の変性ポリオレフィン系樹脂以外の樹脂であれば限定されないが、具体的には、例えば、ポリフェニレンエーテル系樹脂;ポリカーボネート樹脂;ナイロン6,6、ナイロン11等のポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリメチルメタクリレート系樹脂等の(メタ)アクリル系樹脂;ポリスチレン等のスチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂やスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー等の各種熱可塑性エラストマー等が挙げられる。また、前述のポリオレフィン系樹脂(A)が含まれていてもよい。
添加剤としては、特に限定されないが、具体的には、各種の熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、老化防止剤、造核剤、可塑剤、衝撃改良剤、相溶化剤、消泡剤、増粘剤、架橋剤、界面活性剤、滑剤、離型剤、ブロッキング防止剤、加工助剤、帯電防止剤、前述のリン含有化合物(B)以外の難燃剤及び/又は難燃助剤、着色剤等が挙げられる。熱安定剤及び酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール類、前述のリン含有化合物(B)以外のリン含有化合物、ヒンダードアミン、イオウ化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン化物等が挙げられる。また、前述のリン含有化合物(B)が含まれていてもよい。
本発明の変性ポリオレフィン系樹脂を含む樹脂組成物には、前述のリン含有化合物(B)以外の難燃剤を用いてもよい。難燃剤はハロゲン系難燃剤と非ハロゲン系難燃剤に大別されるが、特に限定されない。前述のリン含有化合物(B)以外の非ハロゲン系難燃剤としては、前述のリン含有化合物(B)以外のリン系難燃剤、窒素含有化合物(メラミン系、グアニジン系)難燃剤及び無機系化合物(水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム、硼酸塩、モリブデン化合物)難燃剤等が挙げられる。
本発明の変性ポリオレフィン系樹脂を含む樹脂組成物には充填材を用いてもよい。充填材は限定されないが、具体的には、クレイ、ウィスカ、ウォラストナイト、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、シリカ、アルミナ、ホウ酸亜鉛、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、ガラスバルーン、カーボンブラック、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、ゼオライト、金属繊維、チタン酸カリウム、窒化ホウ素、グラファイト、炭素繊維、ガラス繊維等の無機充填材;澱粉、セルロース微粒子、木粉、おから、モミ殻、フスマ等の天然由来のポリマーやこれらの変性品等の有機充填剤が挙げられる。充填材としてはアスペクト比が2以上の無機化合物が好適であり、具体的には、クレイ、ウィスカ、ウォラストナイト、炭素繊維、ガラス繊維等が好適である。
<変性ポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法>
本発明の変性ポリオレフィン系樹脂を含む変性ポリオレフィン系樹脂組成物は、上述の各成分を混合することにより得ることができる。混合の方法については、原料成分が均一に分散すれば特に制限はない。即ち、上述の各原料成分等を同時に又は任意の順序で混合することにより、各成分が均一に分布した変性ポリオレフィン系樹脂組成物を得ることができる。また、より均一に混合、分散するために上記原料成分を溶融混練することが好ましく、例えば、変性ポリオレフィン系樹脂組成物の各原料成分等を任意の順序で混合してから加熱してもよいし、全原料成分等を順次溶融させながら混合してもよいし、目的とする成形品を製造する際の成形時に各原料を予めドライブレンドした後に溶融混練してもよい。
混合方法や混合条件は、各原料成分等が均一に混合されれば特に制限はないが、生産性の点からは、例えばタンブラーブレンダー、Vブレンダー、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー等を用いて原料を混合し、単軸押出機や二軸押出機のような連続混練機及びミルロール、バンバリーミキサー、加圧ニーダー等のバッチ式混練機で溶融混練する方法が好ましい。これらの方法で樹脂組成物を製造する際の製造条件は限定されず、周知の条件で適宜設定することができる。溶融混練時の温度は、各原料成分の少なくとも一つが溶融状態となる温度であればよいが、通常は用いる全成分が溶融する温度が選択され、一般には150〜250℃で行うことができる。
<成形体及び用途>
本発明の変性ポリオレフィン系樹脂又は本発明の変性ポリオレフィン系樹脂を含む変性ポリオレフィン系樹脂組成物を成形して成形体を得ることができる。本発明の変性ポリオレフィン系樹脂又は本発明の変性ポリオレフィン系樹脂を含む変性ポリオレフィン系樹脂組成物を成形する方法としては、押出成形、圧縮成形、射出成形等の方法を何れも用いることができる。成形温度は樹脂又は樹脂組成物が溶融する温度より高温であれば特に限定されないが、通常80〜250℃、好ましくは100〜230℃である。
本発明の変性ポリオレフィン系樹脂の用途は特に限定するものではないが、本発明の変性ポリオレフィン系樹脂が優れた難燃性、電気絶縁性、耐ブリードアウト性、機械的特性、加工性等を有することから、電線、ケーブル等に好適に用いることができ、特にこれらの絶縁体・シースとして好適である。更には、複数の樹脂被覆電線を束ねるチューブの他、各種絶縁フィルム、絶縁パイプ、電源ボックス等に好適に使用することができる。以上に挙げたものの中でも本発明の変性ポリオレフィン系樹脂は電線に用いることが特に好ましい。なお、本発明の変性ポリオレフィン系樹脂はマスターバッチとして用いることも可能であり、任意の樹脂を混合して変性ポリオレフィン系樹脂組成物とすることもできる。
以下、実施例を用いて本発明の内容を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限又は下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は前記した上限又は下限の値と、下記実施例の値又は実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
[原料]
<ポリオレフィン系樹脂(A)>
A−1:エチレン・1−ブテン共重合体(ダウ・ケミカル日本社製 商品名:エンゲージ(登録商標)ENR7256、MFR[190℃、2.16kg(JIS K7210(1990))]:2.0g/10分)
A−2:直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製 商品名:ノバテック(登録商標)LL F30HG、密度:0.920g/cm、MFR[190℃、2.16kg(JIS K7210(1990))]:2.1g/10分)
A−3:エチレン・酢酸ビニル共重合体(三井・デュポン ポリケミカル社製 商品名:エバフレックス(登録商標)EV360、酢酸ビニル含有量:2重量%、MFR[190℃、2.16kg(JIS K7210(1990))]:2.0g/10分)
A−4:エチレン・酢酸ビニル共重合体(日本ポリエチレン社製 商品名:ノバテック(登録商標)EVA LV440P、酢酸ビニル含有量:15重量%、MFR[190℃、2.16kg(JIS K7210(1990))]:2.0g/10分)
<リン含有化合物(B)>
B−1:9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ビニル−10−フォスファフェナントレン−10−オキシド(片山化学工業社製 商品名:V5)(前記式(2)において、R’〜R10’が水素原子であるもの)
<その他のリン含有化合物>
b−1(比較例用):トリクレジルフォスフェート(大八化学工業社製 商品名:TCP)
<ラジカル発生剤>
ジ−tert−ブチルパーオキサイド(日本油脂社製 商品名:パーブチルD)
<実施例1、2>
各原料を表−1の比率で混合したものを29mmφの二軸押出機(L/D=30、フルフライトスクリュー)にて押出樹脂温度200℃で押出した。押出したストランドをペレタイザーでペレット化し、変性ポリオレフィン系樹脂を製造した。
得られた変性ポリオレフィン系樹脂について、後述の方法でグラフト率を測定した。
また、得られた変性ポリオレフィン系樹脂を、180℃の電気プレスを用いてシートに成形した。成形したシートを用い、後述する方法でUL−94Vに準拠した燃焼試験と耐ブリードアウト性の評価を行った。
結果を表−1に示す。
<比較例1〜3>
表−1に示す原料配合にて全ての原料をブレンドし、東洋精機製作所社製ラボプラストミルにて、120℃、60rpmにて10分間溶融混練することにより、樹脂組成物を製造した。得られた樹脂組成物を実施例1と同様にしてシートに成形した。成形したシートを用い、後述する方法でUL−94Vに準拠した燃焼試験と耐ブリードアウト性の評価を行った。結果を表−1に示す。
[評価方法]
<グラフト率>
試料1gをn−ヘキサン/アセトン=7/3(重量比) 湯浴温度80℃設定、8時間抽出(ソックスレー抽出)した。抽出残差を真空乾燥機で55℃、8時間乾燥した。次いで乾燥後の試料を用いて温度165℃、予熱1分、加圧(20MPa)1分の条件で電気プレス(SHINTO社製)を行い、圧み0.5mmのプレスシートを作成した。作成したプレスシートを2枚重ねとして蛍光X線測定を行った。蛍光X線測定には蛍光X線測定装置(株式会社リガク製 ZSX primusII、測定アプリケーション EZスキャン)を使用し、樹脂マトリックスを「PE(ポリエチレン)」として、リガク製SQXソフト、ファンダーメンタルパラメーター(FP)法を用いて、リン含有量を計算した。
<難燃性(UL−94V規格燃焼試験)>
電気プレスを用いて作成されたシートから金型で打ち抜いて試験片(長さ:127mm、幅:12.7mm、厚さ:3mm)を作成した。この試験片を垂直に保ち、下端にバーナーの火を10秒間接炎させた後にバーナーを取り除き、試験片に着火した火が消える時間を測定した。次いで火が消えると同時に2回目の接炎を10秒間行い、1回目と同様にして着火した火が消える時間を測定した。更に、落下する火種によって試験片の下に設置した綿が着火するか否かについても評価した。1回目と2回目の燃焼時間、綿着火の有無の結果から、UL−94V規格に従って燃焼性を評価した。燃焼性能はV−0、V−1、V−2の順に良好であり、V−2よりも劣るものは「−」と表記した。「−」の場合、試験片上端に達するまでの燃焼時間が長いものほど燃焼速度が遅く、難燃性に優れるものと評価される。
<耐ブリードアウト性>
電気プレスを用いて作成されたシートを恒温恒湿(温度23℃、湿度50%)条件で1週間放置し、表面にブリードアウトが発生しているかどうかを目視にて観察した。
○:ブリードアウトなし
×:ブリードアウトあり
Figure 2017179250
[評価結果]
表−1の結果から、本発明の変性ポリオレフィン系樹脂は、ポリエチレンやエチレン・酢酸ビニル共重合体に比べて難燃速度が遅く、難燃性能が高いことがわかる。即ち、ポリオレフィン系樹脂(A)として同じ原料を使用した実施例1と比較例1を比較するとリン含有化合物(B)による変性を行った実施例1は比較例1よりも燃焼時間が長く、難燃性に優れたものであることがわかる。また、実施例2と比較例2とを比較するとリン含有化合物(B)による変性を行った実施例2は「V−2」であり、比較例2よりも難燃性に優れたものであることがわかる。これにより、ポリオレフィン系樹脂(A)にリン含有化合物(B)をグラフト反応させたことにより難燃性が向上されることが確認された。また、一般的なリン系難燃剤であるトリクレジルフォスフェートを配合した比較例3ではブリードアウトが確認されたが、実施例1、2の変性ポリオレフィン系樹脂ではブリードアウトは確認されず、耐ブリードアウト性が良好であることが確認された。

Claims (10)

  1. 下記式(1)で表される化学構造を有する変性ポリオレフィン系樹脂。
    Figure 2017179250
    (式(1)中、R、Rは、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアラルキル基、炭素数4〜12のヘテロアリール基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数6〜14のアリールオキシ基又はシリル基を示し、R〜R10は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数4〜14のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアラルキル基、炭素数1〜15のシアノ基又は炭素数1〜15のアシル基を示し、Xは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アセチル基、メチルエステル基又はエチルエステル基を示す。)
  2. 下記式(1A)で表されるグラフト基のグラフト率が0.1〜30重量%である、請求項1に記載の変性ポリオレフィン系樹脂。
    Figure 2017179250
    (式(1A)中、R〜R10は式(1)におけると同義である。)
  3. エチレン単位を50重量%以上含有する、請求項1又は2に記載の変性ポリオレフィン系樹脂。
  4. ポリオレフィン系樹脂(A)を下記式(2)で表されるリン含有化合物(B)によりグラフト変性する変性ポリオレフィン系樹脂の製造方法。
    Figure 2017179250
    (式(2)中、R’、R’は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアラルキル基、炭素数4〜12のヘテロアリール基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数6〜14のアリールオキシ基又はシリル基を示し、R’〜R10’は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数4〜14のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアラルキル基、炭素数1〜15のシアノ基又は炭素数1〜15のアシル基を示す。)
  5. ラジカル発生剤の存在下にグラフト変性を行う、請求項4に記載の変性ポリオレフィン系樹脂の製造方法。
  6. ポリオレフィン系樹脂(A)100重量部に対し、リン含有化合物(B)を0.1〜100重量部を用いる、請求項4又は5に記載の変性ポリオレフィン系樹脂の製造方法。
  7. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の変性ポリオレフィン系樹脂又は該変性ポリオレフィン系樹脂を含む樹脂組成物を成形してなる成形体。
  8. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の変性ポリオレフィン系樹脂を用いてなる電線。
  9. ポリオレフィン系樹脂(A)と下記式(2)で表されるリン含有化合物(B)とを含む樹脂組成物。
    Figure 2017179250
    (式(2)中、R’、R’は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数7〜15のアラルキル基、炭素数4〜12のヘテロアリール基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数6〜14のアリールオキシ基又はシリル基を示し、R’〜R10’は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数4〜14のシクロアルキル基、炭素数1〜15のアリール基、炭素数7〜15のアラルキル基、炭素数1〜15のシアノ基又は炭素数1〜15のアシル基を示す。)
  10. ポリオレフィン系樹脂(A)100重量部に対し、リン含有化合物(B)を0.1〜100重量部含む、請求項9に記載の樹脂組成物。
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