JP2023104165A - 架橋成形体、電線被覆材及び電線 - Google Patents

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Tetsushi Tanabe
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Abstract

【課題】耐熱性を維持しつつ高度な難燃性を持つ架橋成形体、電線被覆材及び電線を提供する。【解決手段】(A)シラン変性ポリオレフィン、(B)金属水酸化物、及び(C)シロキサン成分含有ゴムを含む難燃ポリオレフィン樹脂組成物よりなる成形体であって、前記(A)シラン変性ポリオレフィンが架橋された架橋成形体を用いる。そして、この架橋成形体よりなる電線被覆材により導体を被覆して電線として用いることができる。【選択図】なし

Description

本発明は、架橋成形体、並びにこれを用いた電線被覆材及び電線に関するものである。
ポリオレフィンは、軟質塩化ビニル樹脂と比較して非常に優れた電気特性を持ち、また経済的な優位性も持っている事から、電線やケーブルの被覆材をはじめとした、様々な成形品に多用されてきた。しかし、ポリオレフィン樹脂は可燃性固体であり、ひとたび火災が生じた場合は、延焼を防ぐことは困難である。そのため、電線の被覆材のような高い難燃性が求められる用途では、難燃性を向上させるために、金属水酸化物、臭素系難燃剤、リン系難燃剤などが添加される。また、金属水酸化物と複合ゴムとを併用することにより、難燃性を向上させる技術も知られている(特許文献1、2)。
また、さらにポリオレフィンの耐熱性と難燃性を高める手法として、難燃剤及び複合ゴムを添加した上で、電子線照射架橋、水架橋を用いる方法などが提唱されている(特許文献3~5)。
特開2000-26664号公報 特開2002-338755号公報 特開2016-50287号公報 特開2002-241548号公報 特開2005-255994号公報
ところで、ポリオレフィンを架橋する手法を組み合わせた発明についても、難燃剤及び複合ゴムを添加した上で架橋する手法については、耐熱性に関しては改善が見られるものの、電線製品等で必要とされる難燃性の水準までは届いていなかった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は耐熱性を維持しつつ高度な難燃性を持つ架橋成形体、電線被覆材及び電線を提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、(A)シラン変性ポリオレフィン、(B)金属水酸化物、及び(C)シロキサン成分含有ゴムを含む難燃ポリオレフィン樹脂組成物よりなる成形体において前記(A)シラン変性ポリオレフィンが架橋された架橋成形体であれば、耐熱性を維持しつつ、著しく難燃性を向上できることを見出した。
即ち、本発明は以下の特徴を有する。
[1](A)シラン変性ポリオレフィン、(B)金属水酸化物、及び(C)シロキサン成分含有ゴムを含む難燃ポリオレフィン樹脂組成物よりなる成形体であって、前記(A)シラン変性ポリオレフィンが架橋された架橋成形体。
[2]前記(A)シラン変性ポリオレフィンが水架橋された、[1]に記載の架橋成形体。
[3]前記(B)金属水酸化物が合成水酸化マグネシウムである[1]又は[2]に記載の架橋成形体。
[4][1]~[3]のいずれか一項に記載の架橋成形体よりなる電線被覆材。
[5]導体を[4]に記載の電線被覆材により被覆した電線。
本発明によれば、耐熱性を維持しつつ、高度な難燃性を持つ架橋成形体、電線被覆材及び電線を提供することができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
尚、本明細書において、「~」を用いてその前後に数値又は物性値を挟んで表現する場合、その前後の値を含むものとして用いることとする。
本発明の架橋成形体は、(A)シラン変性ポリオレフィン、(B)金属水酸化物、及び(C)シロキサン成分含有ゴムを含む難燃ポリオレフィン樹脂組成物よりなる成形体であって、少なくとも前記(A)シラン変性ポリオレフィンが架橋された架橋成形体である。
以下、本発明の架橋成形体について詳述する。
<(A):シラン変性ポリオレフィン>
本発明において、シラン変性ポリオレフィン(本明細書において、「(A)シラン変性ポリオレフィン」又は「(A)成分」と称す場合がある。)は、後述の(B)金属水酸化物及び(C)シロキサン成分含有ゴムを樹脂組成物中に微細に分散させると考えられる。また、ポリオレフィンとして要求される機械特性・電気特性を発揮するために必要となる。加えて、特定の縮合触媒存在下、水と反応することで架橋体を形成することができる。
(A)シラン変性ポリオレフィンは、例えば、以下に挙げる原料となるポリオレフィン樹脂に不飽和シラン化合物をグラフト化して変性することによって得られる。
(A)シラン変性ポリオレフィンの原料として用いるポリオレフィン樹脂(以下、「原料ポリオレフィン樹脂」と称す場合がある。)は特に限定されないが、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン等の炭素数3~8程度のα-オレフィンの単独重合体、これらのα-オレフィンとエチレンやプロピレン、1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン等の炭素数3~20程度の他のα-オレフィンや、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等との共重合体が挙げられる。ここで、「(メタ)アクリル酸」とは「アクリル酸」と「メタクリル酸」の一方又は双方を示す。後述の「(メタ)アクリロイル」についても同様である。
上記原料ポリオレフィン樹脂の具体例としては、分岐状又は直鎖状の低密度ポリエチレン、分岐状又は直鎖状の中密度ポリエチレン、分岐状又は直鎖状の高密度ポリエチレン等のエチレン単独重合体、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-1-ブテン共重合体、エチレン-4-メチル-1-ペンテン共重合体、エチレン-1-ヘキセン共重合体、エチレン-1-オクテン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エチル共重合体等のエチレン系樹脂、プロピレン単独重合体、プロピレン-エチレン共重合体、プロピレン-1-ブテン共重合体、プロピレン-エチレン-1-ブテン共重合体、プロピレン-4-メチル-1-ペンテン共重合体等のプロピレン系樹脂、及び、1-ブテン単独重合体、1-ブテン-エチレン共重合体、1-ブテン-プロピレン共重合体等の1-ブテン系樹脂が挙げられる。
これらの原料ポリオレフィン樹脂は、1種類を用いても2種類以上を併用してもよい。
ここで、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、1-ブテン系樹脂とは、それぞれ、エチレン単位、プロピレン単位、又は1-ブテン単位を、樹脂を構成する全モノマー単位中に50質量%以上、好ましくは50質量%を超える割合で含有する樹脂を言う。
これらの中でも、(A)シラン変性ポリオレフィンの原料に用いるポリオレフィン樹脂としては、エチレン系樹脂が好ましい。
本発明における(A)シラン変性ポリオレフィンは、後述する通り、例えば、遊離ラジカル発生剤によるグラフト反応で原料ポリオレフィン樹脂に対して不飽和シラン化合物をグラフトさせることにより得られるが、原料ポリオレフィン樹脂が、エチレン系樹脂であれば、グラフト化を好適に行うことができるので好ましい。また、原料ポリオレフィン樹脂がエチレン系樹脂であれば、本発明の樹脂組成物を電線被覆用に用いた場合に、耐熱性が良好となるので好ましい。
上記エチレン系樹脂の中でも、エチレン-1-ブテン共重合体、エチレン-1-ヘキセン共重合体、エチレン-1-オクテン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸メチル共重合体が特に好ましい。
原料ポリオレフィン樹脂を不飽和シラン化合物によりグラフト変性して(A)シラン変性ポリオレフィンを得るには、通常、公知の方法で原料ポリオレフィン樹脂を有機過酸化物等の遊離ラジカル発生剤の存在下にエチレン性不飽和シラン化合物のグラフト反応工程に供してグラフト変性することにより行われる。
例えば、原料ポリオレフィン樹脂に所定量の不飽和シラン化合物と遊離ラジカル発生剤を混合し、80~250℃の温度で溶融混練する方法を用いることができる。なお、この際、水を含んでいると、水架橋反応が進行するので、水を含まない状態で溶融混練することが好ましい。
グラフト変性に用いる不飽和シラン化合物としては、下記一般式(I)で表されるエチレン性不飽和シラン化合物が挙げられる。
SiR 3-n …(I)
上記式(I)中、Rはエチレン性不飽和炭化水素基又はハイドロカーボンオキシ基を表し、Rは炭化水素基を表し、Yは加水分解可能な有機基を表し、nは0~2の整数である。
ここで、Rとしては、炭素数が2~6のエチレン性不飽和炭化水素基又はハイドロカーボンオキシ基、例えば、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、シクロヘキセニル基、γ-(メタ)アクリロイルオキシプロピル基等が挙げられる。また、Rとしては、炭素数が1~10の炭化水素基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、デシル基、フェニル基等があげられる。さらに、Yとしては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ホルミルオキシ基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基等が、挙げられる。
このようなエチレン性不飽和シラン化合物の具体例としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられ、これらの中でも、臭気等の観点から、ビニルトリメトキシシランが好適に用いられる。
不飽和シラン化合物は、1種類を用いても2種類以上を併用してもよい。
前記不飽和シラン化合物の使用量は限定されず、難燃剤の十分な分散効果が得られ、本発明の樹脂組成物の難燃性を得るためには多いほうが望ましいが、加工性の観点からは少ないほうが望ましい。具体的には、原料ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上であり、一方、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。
前記遊離ラジカル発生剤としては、原料ポリオレフィン樹脂に対して不飽和シラン化合物をグラフト化可能であれば限定されないが、ジクミルパーオキサイト、2,5-(第三ブチルペルオキシ)ヘキシン-3,1,3-ビス(第三ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどの有機過酸化物が主として使用できる。これらの有機過酸化物も、1種類を用いても2種類以上を併用してもよい。
前記遊離ラジカル発生剤の使用量は限定されず、不飽和シラン化合物が原料ポリオレフィン樹脂に十分にグラフト共重合し十分な架橋効果を得るためには多いほうが望ましいが、加工性の観点からは少ないほうが望ましい。具体的には、原料ポリオレフィン樹脂100質量部に対し、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.02質量部以上であり、一方、好ましくは0.2質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下である。
本発明で用いる(A)シラン変性ポリオレフィンは、密度が0.850~0.960g/cmであることが好ましく、より好ましくは0.870~0.920g/cmである。密度が高くなるほど、得られる被覆電線の耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性、耐屈曲性等が良好となり、一方で、密度が低くなるほど、柔軟性が良好となる。前記の範囲内とすることにより、得られる被覆電線の耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性、耐屈曲性が十分に向上すると共に、十分な柔軟性を得ることができる。
前記(A)シラン変性ポリオレフィンの、JIS K7210に従って測定した190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR)は、成形性の点では大きい方が好ましく、機械的特性の点では小さい方が好ましい。具体的には、(A)シラン変性ポリオレフィンの190℃、2.16kg荷重におけるMFRが0.1g/10min以上であることが好ましく、1g/10min以上であることがより好ましく、一方、20g/10min以下であることが好ましく、10g/10min以下であることがより好ましい。これらの範囲内とすることにより、成形性と機械的特性をバランスよく発現させることができる。
前記(A)シラン変性ポリオレフィンは、1種のみを用いてもよく、モノマー組成や物性等の異なるものの2種以上を混合して用いてもよい。
前記(A)シラン変性ポリオレフィンとしては市販品を用いることもでき、例えば、三菱ケミカル(株)製、商品名「リンクロン」を好適に用いることができる。
本発明において、(A)シラン変性ポリオレフィンは任意の量で使用することができるが、組成物全体の中で、好ましくは10wt%以上、より好ましくは20wt%以上である。一方好ましくは80wt%以下、より好ましくは70wt%以下である。(A)シラン変性ポリオレフィンの配合割合が上記下限以上であれば、(B)成分の金属水酸化物と(C)成分のシロキサン成分含有ゴムとを分散しやすい傾向となる。また、上記上限以下であれば、(B)成分の金属水酸化物と(C)成分のシロキサン成分含有ゴムの含有量が多くなり、難燃性が高くなる傾向となる。
前記(A)成分の市販品としては、例えば、三菱ケミカル(株)製リンクロン(登録商標)シリーズで該当のものが適宜使用できる。
<(B):金属水酸化物>
本発明において、金属水酸化物(本明細書において、「(B)金属水酸化物」又は「(B)成分」と称す場合がある。)は、本発明の樹脂組成物及び成形体及び電線被覆材に対して、主として難燃性を付与するための成分である。
前記(B)金属水酸化物の種類は限定されないが、具体的には、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、ハイドロタルサイト等が挙げられ、中でも、水酸化マグネシウムが好適に用いられる。更にこのうち、合成水酸化マグネシウムが好適である。合成水酸化マグネシウムとは、酸化マグネシウムの水和反応、あるいはマグネシウムを含む水液体と水酸化マグネシウムのような強塩基性の化合物を反応させることにより製造されたものをいう。これらが本発明において好適に働く原理は詳らかではないが、ブルーサイト(水滑石)を粉砕した天然の水酸化マグネシウムと比較して、粒径が細かいこと、及び不純物が少ないことなどが影響している可能性が考えられる。これらの(B)金属水酸化物は、1種類を用いても2種類以上を併用してもよい。
前記(B)金属水酸化物は、表面処理剤によって表面処理されたものを使用してもよい。表面処理剤としては、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、脂肪酸又は脂肪酸金属塩等が挙げられる。これらの表面処理剤で(B)金属水酸化物を処理する方法としては、湿式法、乾式法、直接混練法などの既知の方法を用いることができる。(B)金属水酸化物として表面処理されたものを使用することにより、得られる樹脂組成物中での分散性が向上し、機械的特性を向上させることができる場合がある。
前記(B)金属水酸化物の平均粒子径は、機械的特性、分散性、難燃性の点から2.0μm以下であることが好ましく、0.5~1.2μmであることがより好ましい。上限以下の場合、後述の(C)成分:シロキサン成分含有ゴムと(B)金属水酸化物との相互作用を起こす実面積が多くなることから難燃性の向上が著しく、また、下限以上の場合、混練成形時のトルクを低減することができるため、成形加工特性が向上する。
ここで、(B)金属水酸化物の平均粒子径とは、体積基準の累積分布50vol%の時の粒径である。
本発明において、(B)金属水酸化物の配合割合は、組成物全体に対して、好ましくは20wt%以上、より好ましくは40wt%以上であり、一方、好ましくは80wt%以下、より好ましくは70wt%以下である。(B)金属水酸化物の配合割合が上記下限以上であれば、難燃性能を十分に得ることができる。一方、(B)金属水酸化物の配合割合が上記上限以下であれば、押出負荷が増大することによる生産性の低下や、機械的特性の低下を防止することができる。
前記(B)成分の市販品としては、例えば、協和化学社(株)製のマグシーズ(登録商標)シリーズで該当のものが適宜使用できる。
<(C):シロキサン成分含有ゴム>
本発明において、シロキサン成分含有ゴム(本明細書において、「(C)シロキサン成分含有ゴム」又は「(C)成分」と称する場合がある。)は、主として金属水酸化物の難燃性を向上させる目的で添加されており、最終的には本発明の樹脂組成物及び成形体及び電線被覆材に対して難燃性を付与するための成分である。
(C)シロキサン成分含有ゴムは、ポリオルガノシロキサンゴム成分を含むものであれば特に限定されないが、ポリオルガノシロキサンゴム成分を含む複合ゴムが好ましい。
ポリオルガノシロキサンゴム成分を含む複合ゴムとしてポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレート成分から構成される複合ゴムに、1種以上のビニル系単量体がグラフト重合された共重合体を主成分とするものを好適に用いることができる。
前記複合ゴムを構成するポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレート成分は、ポリオルガノシロキサンゴム成分が1~99質量%、ポリアルキル(メタ)アクリレート成分が99~1質量%(ただし、各成分の合計は100質量%)の範囲が好ましく、難燃性、柔軟性の点からポリオルガノシロキサンゴム成分が30~95質量%の範囲がより好ましく、さらには50~90質量%がより好ましい。
複合ゴムはどのような方法で製造されても良いが、乳化重合法が最適であり、まず、ポリオルガノシロキサンのラテックスを調製し、次にアルキル(メタ)アクリレートの合成用単量体をポリオルガノシロキサンラテックスの粒子に含浸させてから前記合成用単量体を重合するのが好ましい。
複合ゴムを構成するポリオルガノシロキサンゴム成分は、以下に示すオルガノシロキサン及び架橋剤(CI)を用いて乳化重合により調製することができ、その際、さらにグラフト交叉剤(GI)を併用することもできる。オルガノシロキサンとしては、3員環以上の各種の環状体が挙げられ、好ましく用いられるのは3~6員環である。例えば、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロキサン等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上混合して用いられる。これらの使用量はポリオルガノシロキサン成分中50重量%以上が好ましく、さらには70重量%以上が好ましい。
架橋剤(CI)としては、3官能性又は4官能性のシラン系架橋剤、例えば、トリメトキシメチルシラン、トリエトキシフェニルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ-n-プロポキシシラン、テトラブトキシシラン等が用いられる。特に4官能性の架橋剤が好ましく、この中でもテトラエトキシシランが特に好ましい。架橋剤の使用量はポリオルガノシロキサン成分中0.1~30重量%の範囲が好ましい。
グラフト交叉剤(GI)としては、次式で表される単位を形成し得る化合物(GI-1~GI-4)等が用いられる。
なお、式中、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、又はフェニル基、Rは水素原子又はメチル基、mは0、1又は2、pは1~6を示す。)
Figure 2023104165000001
上記式(GI-1)の単位を形成し得る(メタ)アクリロイルオキシシロキサンは、グラフト効率が高いので有効なグラフト鎖を形成することが可能であり、柔軟性発現の点で有利であり、メタクリロイルオキシシロキサンが特に好ましい。メタクリロイルオキシシロキサンの具体例としては、β-メタクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシラン、γ-メタクリロイルオキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ-メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロイルオキシプロピルエトキシジエチルシラン、γ-メタクリロイルオキシプロピルジエトキシメチルシラン、γ-メタクリロイルオキシブチルジエトキシメチルシラン等が挙げられる。
上記式(GI-2)の単位を形成し得るものとしてビニルシロキサンが挙げられ、具体例としては、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンが挙げられる。
上記式(GI-3)の単位を形成し得るものとしてp-ビニルフェニルジメトキシメチルシランが挙げられる。また、式(GI-4)の単位を形成し得るものとして、γ-メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、γ-メルカプトプロピルメトキシジメチルシラン、γ-メルカプトプロピルジエトキシメチルシラン等が挙げられる。
グラフト交叉剤の使用量はポリオルガノシロキサン成分中、0~10重量%が好ましく、さらには0.5~5重量%が好ましい。
このポリオルガノシロキサン成分のラテックスの製造は、例えば、米国特許第2,891,920号明細書、同第3,294,725号明細書等に記載された方法を用いることができる。本発明の実施では、例えば、オルガノシロキサンと架橋剤(CI)及び所望によりグラフト交叉剤(GI)の混合溶液とを、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸等のスルホン酸系乳化剤の存在下で、例えば、ホモジナイザー等を用いて水と剪断混合する方法により製造することが好ましい。アルキルベンゼンスルホン酸はオルガノシロキサンの乳化剤として作用すると同時に重合開始剤ともなるので好適である。この際、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、アルキルスルホン酸金属塩等を併用するとグラフト重合を行う際にポリマーを安定に維持するのに効果があるので好ましい。
複合ゴムを構成するポリアルキル(メタ)アクリレート成分は、以下に示すアルキル(メタ)アクリレート、架橋剤(CII)及びグラフト交叉剤(GII)を用いて合成することができる。アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレート及びヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、n-ラウリルメタクリレート等のアルキルメタクリレートが挙げられ、特に、n-ブチルアクリレートの使用が好ましい。
架橋剤(CII)としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,3-ブチレングリコールジメタクリレート、1,4-ブチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。
グラフト交叉剤(GII)としては、例えば、アリルメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。アリルメタクリレートは架橋剤として用いることもできる。
これら架橋剤並びにグラフト交叉剤は単独であるいは2種以上併用して用いられる。これら架橋剤及びグラフト交叉剤の合計の使用量はポリアルキル(メタ)アクリレート成分中0.1~20重量%が好ましい。ポリアルキル(メタ)アクリレート成分の重合は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリの水溶液の添加により中和されたポリオルガノシロキサン成分のラテックス中に、上記アルキル(メタ)アクリレート、架橋剤及びグラフト交叉剤を添加し、ポリオルガノシロキサン粒子へ含浸させた後、通常のラジカル重合開始剤を作用させて行う。重合の進行と共にポリオルガノシロキサン成分とポリアルキル(メタ)アクリレート成分との複合ゴムのラテックスが得られる。
なお、本発明の実施に際しては、この複合ゴムとしてポリオルガノシロキサンゴム成分の主骨格がジメチルシロキサンの繰り返し単位を有し、ポリアルキル(メタ)アクリレート成分の主骨格がn-ブチルアクリレートの繰り返し単位を有する複合ゴムが好ましく用いられる。
この複合ゴムにグラフト重合させるビニル系単量体としては、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族アルケニル化合物;メチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート等のメタクリル酸エステル;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物等の各種のビニル系単量体が挙げられ、これらは単独あるいは2種以上組み合わせて用いられる。これらビニル系単量体のうちメタクリル酸エステルが好ましく、メチルメタクリレートが特に好ましい。
前記(C)シロキサン成分含有ゴムにおける複合ゴムとビニル系単量体の割合は、質量を基準にして複合ゴム5~95質量%、ビニル系単量体5~95質量%が好ましく、さらには複合ゴム25~90質量%、ビニル系単量体10~75質量%が好ましい。ビニル系単量体が5質量%未満では樹脂組成物中でのグラフト共重合体の分散性が悪くなり、また、95質量%を超えると柔軟性が著しく低下する。
前記(C)シロキサン成分含有ゴムは、ビニル系単量体を複合ゴムのラテックスに加えラジカル重合技術によって一段であるいは多段で重合させて得られる。グラフト共重合体ラテックスは、好ましくは塩化カルシウム、酢酸カルシウム、又は硫酸マグネシウム等の金属塩を溶解した熱水中に投入し、塩析、凝固することにより分離、回収することができる。このポリオルガノシロキサン成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分とからなる複合ゴムに1種又は2種以上のビニル系単量体がグラフトされてなる複合ゴム系グラフト共重合体が配合されていることにより、柔軟性を損なうことなく、(B)成分の金属水酸化物の添加量を大幅に削減しつつ高い難燃性を発揮できる。必要に応じ、得られた複合ゴム系グラフト共重合体にポリオルガノシロキサンを混和して用いることもできる。
本発明において、(C)シロキサン成分含有ゴムの配合割合は、組成物全体に対して、好ましくは2wt%以上、より好ましくは4wt%以上であり、一方、好ましくは20wt%以下、より好ましくは15wt%以下である。(C)シロキサン成分含有ゴムの配合割合が上記下限以上であれば、難燃性能を十分に得ることができる。一方、(C)シロキサン成分含有ゴムの配合割合が上記上限以下であれば、樹脂成分の相対的な低下による機械特性の低下を防ぐことができる。
前記(C)シロキサン成分含有ゴムの効果は、以下のように推察される。(C)シロキサン成分含有ゴムそのものに難燃剤としての効力はなく、これのみをポリオレフィン樹脂に混合しても樹脂組成物の難燃性に変化はない。(A)シラン変性ポリオレフィンをベース樹脂とする樹脂組成物中において(B)金属水酸化物が近傍に存在する状態で燃焼場に投じられた際、高温により(B)金属水酸化物との複合物を形成し、それにより高い難燃性を発揮する。
前記(A)シラン変性ポリオレフィンは変性基に電気的な極性が存在することから、(B)金属水酸化物と(C)シロキサン成分含有ゴムを分散し、お互いを近傍に配置することが可能になっているものと推定される。一方、(A)シラン変性ポリオレフィンと比較して低極性であるポリオレフィン樹脂のみを用いた場合には、(B)金属水酸化物、(C)シロキサン成分含有ゴムはそれぞれ電気的な極性を持つ化合物であるがゆえに、自己凝集しやすく、相乗効果的な難燃性の発揮をし難かったものと推定される。
(C)の市販品としては、例えば、三菱ケミカル(株)製メタブレン(登録商標)シリーズで該当のものが適宜使用できる。
<難燃ポリオレフィン樹脂組成物>
本発明の難燃ポリオレフィン樹脂組成物は、(A)シラン変性ポリオレフィンと(B)金属水酸化物と(C)シロキサン成分含有ゴムを含有する。
難燃ポリオレフィン樹脂組成物は、(A)成分/(C)成分=10/1~2/1の比率が好適である。この比率の範囲内とすることで、難燃性の向上効果を得やすい傾向にある。
<その他の成分>
難燃ポリオレフィン樹脂組成物は、必要に応じて、本発明の効果を著しく妨げない範囲で、上述の(A)成分~(C)成分以外の樹脂類等や添加剤を「その他の成分」として含んでいてもよい。その他の成分は、1種類のみを用いても、2種類以上を任意の組合せと比率で併用してもよい。
前記樹脂類としては、前述の(A)シラン変性ポリオレフィン以外の樹脂成分について特に制限はないが、未変性ポリエチレン系樹脂のような未変性ポリオレフィン類を使用することができる。この樹脂類は、前記樹脂組成物、並びにこれを用いた成形体及び電線被覆材における機械的特性や成形性を向上させるための成分として用いられる。
前記未変性ポリオレフィン類とは、各種のポリエチレンや共重合により官能基の導入されたエチレン共重合体等のポリエチレン系樹脂や、ポリプロピレンや共重合により官能基の導入されたプロピレン共重合体等のポリプロピレン系樹脂等であって、シランカップリング剤や官能基などにより変性されていない樹脂をいう。
ここで、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂とは、それぞれ、エチレン単位、プロピレン単位を、樹脂を構成する全モノマー単位中に50質量%以上、好ましくは50質量%を超える割合で含有する樹脂を言う。
前記ポリエチレン系樹脂の例としては、エチレンと、プロピレン、1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン等の炭素数3~20程度の他のα-オレフィンとの共重合体や、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等とエチレンとの共重合体等を挙げることができる。
前記未変性ポリエチレン系樹脂は、密度が0.850~0.970g/cmのものが好ましく用いられる。密度が0.850g/cm以上であれば、得られる電線の耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性、耐屈曲性等が良好となり、密度が0.970g/cm以下であれば、柔軟性が良好となる。
前記未変性ポリエチレン系樹脂は、JIS K7210に従って測定した190℃、2.16kg荷重におけるMFRが1~10g/10分であることが好ましい。未変性ポリエチレンのMFRは、(A)シラン変性ポリオレフィンのMFRの規定と同様に、成形性の点では大きい方が好ましく、単位時間当たりの生産量を向上させることができ、機械的特性や耐熱性の点では小さい方が好ましい。
前記未変性ポリエチレン系樹脂は、1種のみを用いてもよく、モノマー組成や物性等の異なるものの2種以上を混合して用いてもよい。
未変性ポリオレフィンの含有割合の上限は、(A)シラン変性ポリオレフィン100質量部に対して、耐熱性の観点から、通常500質量部以下であり、好ましくは100質量部以下、より好ましくは75質量部以下、さらに好ましくは50質量部以下、特に好ましくは25質量部以下である。
(A)シラン変性ポリオレフィン、未変性ポリエチレン系樹脂以外の前記樹脂類としては、前述の未変性ポリプロピレン系樹脂の他、例えば、ポリフェニレンエーテル系樹脂;ポリカーボネート樹脂;ナイロン66、ナイロン11等のポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポリメチル(メタ)アクリレート系樹脂等の(メタ)アクリル系樹脂といった熱可塑性樹脂や各種熱可塑性エラストマーが挙げられる。
前記添加剤としては、具体的には、プロセス油、加工助剤、可塑剤、結晶核剤、衝撃改良剤、前記(B)成分以外の難燃剤、難燃助剤、架橋触媒、架橋助剤、帯電防止剤、酸化防止剤、滑剤、充填剤、相溶化剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、カーボンブラック、着色剤が挙げられる。
本発明において、架橋触媒は、(A)シラン変性ポリオレフィンを水架橋することができる成分である。
(A)シラン変性ポリオレフィンは、不飽和シラン化合物によりグラフト変性された変性ポリオレフィンであるため、当該架橋触媒の存在下に水分と接触させてポリオレフィン樹脂内に架橋構造を形成させることができる化合物、いわゆるシラノール縮合触媒が好適に使用される。シラノール縮合触媒として、具体的には、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクタエート、酢酸第1スズ、カプリル酸第1スズ、カプリル酸亜鉛、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト等の金属脂肪酸塩が挙げられる。
架橋触媒は、1種類のみを用いても、2種類以上を任意の組合せと比率で併用しても良い。
本発明において、架橋触媒の配合割合は、樹脂全体のうちで、好ましくは0.0001重量%以上、より好ましくは0.0002重量%以上であり、一方、好ましくは0.02重量%以下、より好ましくは0.01重量%以下である。架橋触媒の配合割合が上記下限以上であれば、シラン変性ポリオレフィンの架橋が十分に進行し、架橋特性を十分に得ることができる。一方、架橋触媒の配合割合が上記上限以下であれば、架橋が進行しすぎることによる成形性の低下を防止することができる。
電子線照射架橋を行う場合は一般的な条件が使用できる。その際は架橋助剤を添加することが望ましい。架橋助剤としては多官能性化合物が用いられる。具体的には、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、1,9-ノナンジオールジアクリレート、1,10-デカンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、2-ヒドロキシ-3-メタクリルプロピルアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレンポリプロピレングリコールジアクリレート、ジオキサングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールポリアクリレート、ポリペンタエリスリトールポリアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9-ノナンジオールジメタクリレート、1,10-デカンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、2-ヒドロキシ-1,3-ジメタクリロキシプロパン、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリエチレンポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、トリアリルイソシアヌレートが挙げられる。架橋助剤は、1種類のみを用いても、2種類以上を任意の組合せと比率で併用しても良い。
本発明において、架橋助剤の配合割合は、樹脂全体のうちで、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上であり、一方、好ましくは5.0重量%以下、より好ましくは3.0重量%以下である。架橋助剤の配合割合が上記下限以上であれば、樹脂成分の架橋が十分に進行し、架橋特性を十分に得ることができる。一方、架橋助剤の配合割合が上記上限以下であれば、未反応の架橋助剤を低減することができるため、架橋体の物性低下が起こりにくくなる。
前記の(B)成分以外の難燃剤は、ハロゲン系難燃剤と非ハロゲン系難燃剤に大別されるが、非ハロゲン系難燃剤が好ましい。(B)金属水酸化物以外の非ハロゲン系難燃剤としては、例えば、リン系難燃剤、窒素含有化合物(メラミン系、グアニジン系)難燃剤及び無機系化合物(硼酸塩、モリブデン化合物)難燃剤が挙げられる。
前記の熱安定剤及び酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール類、リン化合物、ヒンダードアミン、イオウ化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン化物が挙げられる。
前記の充填剤は、有機充填剤と無機充填剤に大別される。有機充填剤としては、例えば、澱粉、セルロース微粒子、木粉、おから、モミ殻、フスマ等の天然由来のポリマーやこれらの変性品が挙げられる。また、無機充填剤としては、例えば、タルク、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、ガラスバルーン、カーボンブラック、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、ゼオライト、ハイドロタルサイト、金属繊維、金属ウイスカー、セラミックウイスカー、チタン酸カリウム、窒化ホウ素、グラファイト、炭素繊維が挙げられる。
また、本発明の樹脂組成物は、炭化水素系ゴム用軟化剤を含有していてもよい。炭化水素系ゴム用軟化剤としては、鉱物油系又は合成樹脂系の軟化剤が好ましく、鉱物油系軟化剤がより好ましい。
前記鉱物油系軟化剤は、一般的に、芳香族炭化水素、ナフテン系炭化水素及びパラフィン系炭化水素の混合物であり、全炭素原子の50%以上がパラフィン系炭化水素であるものがパラフィン系オイル、全炭素原子の30~45%程度以上がナフテン系炭化水素であるものがナフテン系オイル、全炭素原子の35%以上が芳香族系炭化水素であるものが炭素原子芳香族系オイルと各々呼ばれている。
前記合成樹脂系軟化剤としては、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、及び炭素原子芳香族系オイルから選択される何れかを用いることが好ましい。これらのうち、色相が良好であることから、パラフィン系オイルを用いることがより好ましい。合成樹脂系軟化剤としては、ポリブテン及び低分子量ポリブタジエン等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物がこれらの添加剤や樹脂等のその他の成分を含有する場合、その含有割合は限定されないが、(A)成分~(C)成分の合計割合が本発明の樹脂組成物の50質量%以上を占めるような範囲とすることが好ましく、60質量%以上がより好ましく70質量%以上が更に好ましい。
<難燃ポリオレフィン樹脂組成物の製造方法>
本発明の難燃ポリオレフィン樹脂組成物の製造方法には特に制限はなく、(A)シラン変性ポリオレフィン、(B)金属水酸化物、(C)シロキサン成分含有ゴムを含有するように製造することができればよい。本発明の難燃ポリオレフィン樹脂組成物は、例えば、各成分を同時に又は任意の順序で混合することで製造することができる。酸化防止剤や着色剤などのその他の成分は、均一に分散させることができればどのタイミングで加えても良い。
前記の各原料成分を混合する際の装置に限定はないが、ニーダー、バンバリーミキサー、ロール、一軸押出機、二軸押出機などの汎用のものが使用できる。溶融混合時の温度は、各原料成分の少なくとも一つが溶融状態となる温度であればよいが、通常は用いる全成分が溶融する温度が選択され、一般には150~250℃で行われる。
<難燃ポリオレフィン樹脂組成物の成形体>
難燃ポリオレフィン樹脂組成物の成形体は、公知の成形方法により得られ、押出成形、圧縮成形、射出成形など特に限定するものではないが、難燃ポリオレフィン樹脂組成物の溶融状態での流動性の観点から押出成形が望ましい。また成形温度は難燃ポリオレフィン樹脂組成物の溶融温度より高温であれば限定されないが、150~200℃が望ましい。成形温度が上記下限以上であれば、溶融した樹脂組成物の流動性が高く、目的の形状の成形体を得やすい。一方、成形温度が上記上限以下であれば(B)金属水酸化物の分解による発泡による外観の悪化が起こりにくい。
<架橋成形体>
少なくとも(A)シラン変性ポリオレフィン、(B)金属水酸化物、及び(C)シロキサン成分含有ゴムを含む難燃ポリオレフィン樹脂組成物よりなる成形体において前記(A)シラン変性ポリオレフィンが架橋された架橋成形体を形成するための架橋方法について特段の制限はないが、水架橋あるいは電子線照射架橋などを用いることができる。本発明の樹脂組成物は、必須の構成成分として(A)シラン変性ポリオレフィンを含んでいるため、単に架橋触媒を添加、あるいは成形品に塗布することよって水架橋する方法が好適である。水架橋を行おうとする場合は、成形加工後、さらに常温~200℃程度、通常は常温~100℃程度の液状又は蒸気状の水に、10秒~1週間程度、通常は1分~1日程度接触させる処理を行うことで架橋構造の形成が促進される。
難燃ポリオレフィン樹脂組成物を、架橋処理を行う前に予め所望の形状に成形して成形体を得ておき、その後に架橋処理を行い、架橋成形体を得ることにより、例えば押出成形を行った場合に、表面が平滑であり、スコーチ(焼け痕)等が無い外観が良好な架橋成形体を得ることができ好ましい。
<用途>
本発明の架橋成形体の用途は特に限定するものではないが、優れた耐熱性、機械的特性、難燃性を併せ持ち、外観に優れることから、絶縁体、シースとして電線・ケーブルに好適に用いることができる。更には、電線を束ねるチューブの他、各種絶縁フィルム、絶縁パイプ、電源ボックス等に好適に使用することができる。以上に挙げたものの中でも本発明の架橋成形体は電線被覆材として用いることが特に好ましい。この電線被覆材は導体に被覆することにより、電線やケーブルとして用いることができる。
以下、実施例を用いて本発明の具体的態様を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。尚、以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限又は下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は前記した上限又は下限の値と、下記実施例の値又は実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
[原料]
以下の実施例及び比較例では、以下の原料を用いた。
<(A)成分:シラン変性ポリオレフィン>
・シラングラフトポリオレフィン-1:商品名 リンクロンSH710N(三菱ケミカル(株)製、MFR:2g/10min、密度:0.892g/cm、構成する全モノマー単位中のエチレン単位の含有割合:50質量%以上、エチレン-1-ブテン共重合体)、以下「SH710N」と称する。
<(B)成分:金属水酸化物>
・金属水酸化物-1:合成水酸化マグネシウム 商品名 マグシーズS-6(神島化学工業(株)製、平均粒子径:1.0μm、シラン表面処理)、以下「S-6」と称する。
<(C)成分:シロキサン成分含有ゴム>
・シロキサン成分含有ゴム-1:商品名 メタブレンSX-005(三菱ケミカル(株)製)メタクリル酸アルキル・アクリル酸アルキル・ジメチルシロキサン共重合物、以下「SX-005」と称する。
<その他の成分:樹脂類>
・ポリエチレン系樹脂:エチレン-1-ブテン共重合体、商品名:ENGAGE7256(ダウ・ケミカル日本(株)製、MFR:2.5g/10min、密度:0.885g/cm)、以下「ENGAGE7256」と称する。
<その他の成分:添加剤>
・酸化防止剤:ペンタエリスリトール・テトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、商品名:イルガノックス1010(BASFジャパン(株)製)、以下「イルガノックス1010」と称する。
・架橋助剤:トリメチロールプロパントリアクリレート、商品名:A-TMPT(新中村化学工業(株)製)、以下「A-TMPT」と称する。
<その他の成分:その他>
・臭素系難燃剤:エチレンビス(ペンタブロモフェニル)、商品名:セイテックス8010(アルベマール日本(株)製)、以下「セイテックス8010」と称する。
・アンチモン系難燃助剤:三酸化アンチモン、商品名:PATOX-KN(日本精鉱(株)製)、以下「PATOX-KN」と称する。
・架橋触媒:ジオクチルスズジラウレート(日東化成(株)製)、以下「架橋触媒」と称する。
[評価]
<熱老化性>
得られた難燃ポリオレフィン樹脂組成物のペレットを、20mm押出成形機にて1.0mm厚のテープ形状に押出成形した後、鍛造刃で打ち抜くことで試験片を作成した。後加工として、試験片の表面に架橋触媒を塗布した後、85℃、湿度85%にて24時間静置することで架橋した試験片を得た。この試験片を用いて、JIS K 6723の方法を参考に加熱後引張試験を実施した。
引張強さ残率・伸び残率については100に近い数字ほど、熱老化性に優れる事を示す。
<難燃性>
難燃性の評価指標として、酸素指数を測定した。得られた難燃ポリオレフィン樹脂組成物のペレットを180℃にて圧縮成形した後、鍛造刃で打ち抜くことで試験片を作成した。後加工として、試験片の表面に架橋触媒を塗布した後、85℃、湿度85%にて24時間静置することで架橋した試験片を得た。この試験片を用いて、JIS K 7201-2の方法を参考に酸素指数を測定した。
酸素指数の数字は大きいほど難燃性に優れることを示す。
<耐熱性>
耐熱性の評価指標として加熱変形率を測定した。得られた難燃ポリオレフィン樹脂成形物のペレットを180℃にて圧縮成形して試験片を作成した。後加工として、試験片の表面に架橋触媒を塗布した後、下記の架橋方法で架橋した試験片を得た。この試験片を用いて、JIS K 6723の方法を参考に加熱変形率を測定した。
加熱変形率の数字は小さいほど耐熱性に優れる事を示す。
<樹脂組成物の作成>
<実施例1>
内容量1.0Lの加圧ニーダーに、(A)成分としてシラングラフトポリオレフィン-1(SH710N)を50質量部、(B)成分として金属水酸化物-1(S-6)を100質量部、(C)成分としてシロキサン成分含有ゴム-1(SX-005)を5質量部、その他成分として、ポリエチレン系樹脂(ENGAGE7256)を50質量部、酸化防止剤(イルガノックス1010)を0.5質量部投入し、加圧ニーダーの設定温度100℃で15分間混練した。得られた混練物をさらにロールによりシート化した後、ペレタイザーでペレット化して難燃ポリオレフィン樹脂組成物を作製した。
得られた難燃ポリオレフィン樹脂組成物のペレットを用いて各種試験片を作成した。後加工として、表面に架橋触媒を塗布した後、85℃、湿度85%にて24時間静置することで架橋成形体を得た。その後、各種物性評価を実施した。結果を表1に示す。
<実施例2~8、10>
表1に示す配合に従い、実施例1と同様にして架橋成形体を得た。
<実施例9>
表1に示す配合に従い、実施例1と同様に難燃ポリオレフィン樹脂組成物を作製した。
得られた難燃ポリオレフィン樹脂組成物のペレットを用いて各種試験片を作成した。後加工として、加速電圧650kVにて100kGyの電子線を照射し、架橋成形体を得た。その後、各種物性評価を実施した。結果を表1に示す。
<実施例11>
表1に示す配合に従い、実施例1と同様にして難燃ポリオレフィン樹脂組成物を得た後 、得られた難燃ポリオレフィン樹脂組成物のペレットを用いて各種試験片を作成した。後加工として、表面に架橋触媒を塗布した後、85℃、湿度85%にて24時間静置した後、加速電圧650kVにて100kGyの電子線を照射し、架橋成形体を得た。その後、各種物性評価を実施した。
<比較例1~6>
表2に示す配合に従い、実施例9と同様にして架橋成形体を得た。
なお、比較例1~5は(A)成分を用いず、特に比較例5は架橋成形体にするための後処理を行わなかった。また、比較例6は(B)成分を用いず、さらに架橋成形体とするための後処理を行わなかった。
Figure 2023104165000002
Figure 2023104165000003
(結果)
(A)成分と(B)成分と(C)成分を配合し、更に架橋成形体とした実施例1~11については、いずれも耐熱性を維持しつつ高度な難燃性を有することが認められた。
これに対し、各比較例は、次のような結果となった。
(A)成分を含まない比較例1~4については、難燃性の向上は認められなかった。これは、樹脂組成物中での(B)成分/(C)成分の分散が不十分であったものと推定される。
(A)成分を含まない、非架橋成形体である比較例5については、比較例1~4と同様、難燃性の向上が認められなかっただけでなく、耐熱性が著しく悪い結果となった。
(B)成分のかわりに臭素系難燃剤・アンチモン系難燃助剤が含まれている非架橋成形体の比較例6においても難燃性の向上が認められなかっただけでなく、耐熱性が著しく悪い結果となった。比較例6においては(B)成分とは異なる難燃剤として、臭素系難燃剤・アンチモン系難燃助剤が含まれているが、これらについては(C)成分との相乗効果は認められなかったことから、(B)成分と(C)成分が共存していることが飛躍的な難燃性の向上に寄与していることが示唆される。
ハロゲン-アンチモン系難燃剤は、金属水酸化物に比べて少量の添加量で同程度の難燃性が発現することが知られている(参考文献:難燃化技術の基礎と最新の開発動向(著:西澤仁)。比較例6においては、金属水酸化物と比較してハロゲン-アンチモン系難燃剤が同程度の難燃性(比較例1と同程度の難燃性)を示す添加部数にて検討を行った。その結果、ハロゲン-アンチモン系難燃剤と、(A)シラン変性ポリオレフィンと(C)シロキサン成分含有ゴムが共存している状態であっても、顕著な難燃性の向上は認められない事が確認された。(B)金属水酸化物の場合とは、異なる挙動である。
以上の結果から、本発明によれば耐熱性を維持しつつ高度な難燃性を有する架橋成形体を得ることができた。

Claims (5)

  1. (A)シラン変性ポリオレフィン、(B)金属水酸化物、及び(C)シロキサン成分含有ゴムを含む難燃ポリオレフィン樹脂組成物よりなる成形体であって、前記(A)シラン変性ポリオレフィンが架橋された架橋成形体。
  2. 前記(A)シラン変性ポリオレフィンが水架橋された、請求項1に記載の架橋成形体。
  3. 前記(B)金属水酸化物が合成水酸化マグネシウムである請求項1又は2に記載の架橋成形体。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載の架橋成形体よりなる電線被覆材。
  5. 導体を請求項4に記載の電線被覆材により被覆した電線。
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