JP2000053809A - 難燃性エラストマー組成物 - Google Patents

難燃性エラストマー組成物

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JP2000053809A
JP2000053809A JP22304598A JP22304598A JP2000053809A JP 2000053809 A JP2000053809 A JP 2000053809A JP 22304598 A JP22304598 A JP 22304598A JP 22304598 A JP22304598 A JP 22304598A JP 2000053809 A JP2000053809 A JP 2000053809A
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JP22304598A
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English (en)
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Hajime Nishihara
一 西原
Kensuke Uchida
健輔 内田
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた難燃性、耐久性及び機械的強度を
有した難燃性エラストマー組成物の提供。 【構成】 (A)架橋性エラストマー 1〜99重量
部、(B)熱可塑性樹脂1〜99重量部[(A)と
(B)の合計量が100重量部]、及び(C)非ハロゲ
ン難燃剤 1〜500重量部とからなる部分的または完
全に動的架橋された組成物と実質的に同じであることを
特徴とする難燃性エラストマー組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は難燃性エラストマー
組成物に関する。更に詳しくは、卓越した難燃性、耐久
性及び機械的強度を有する難燃性エラストマー組成物に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】エラストマーは、成形性に優れることに
加え、耐衝撃性、可とう性に優れていることから、電線
被覆材料を始めとする多岐の被覆材料分野等で使用され
ているが、エラストマーの易燃性のためにその用途が制
限されている。
【0003】エラストマーの難燃化の方法としては、ハ
ロゲン系、リン系、無機系の難燃剤をエラストマーに添
加することが知られており、それによりある程度難燃化
が達成されている。しかしながら、近年火災に対する安
全性の要求がとみにクローズアップされ、更に高度な難
燃化技術の開発と共に、機械的性質の低下がなく、環境
上の問題のない非ハロゲン難燃化技術開発が強く望まれ
ている。
【0004】エラストマーの難燃化技術として、ポリプ
ロピレンとスチレン系熱可塑性エラストマーにポリリン
酸アンモニウムと金属水和物を配合した被覆材料(特開
平9−31267号公報)が開示されている。上記被覆
材料は成形性及び可とう性に優れるものの、架橋されて
いないために耐摩耗性または耐久性、特に圧縮永久歪み
(C−Set)が劣る。
【0005】一方、架橋材料としては、熱可塑性樹脂に
特定のハロゲン系難燃剤と三酸化アンチモンを配合し、
電子線架橋したチューブあるいは熱収縮チューブ(特許
第2765361号)、初期に対して架橋後の機械的特
性が特定の値を有する難燃性電線(特開平10−168
248号公報)、エチレン・α−オレフィン・非共役ポ
リエン共重合体ゴムと有機過酸化物とを含有した組成物
を製造した後に、架橋した電線被覆用ゴム組成物が開示
されている。上記3つの架橋材料は耐久性に優れている
ものの、まず非架橋の成形材料を製造した後に架橋工程
を経て最終架橋成形材料が製造されるために、生産性が
低下するだけでなく、2工程の熱または電磁波履歴のた
めに機械的強度の低下も著しい。
【0006】このように難燃性に優れ、かつ架橋ゴムの
耐久性、熱可塑性エラストマーの成形性、生産性を満足
した難燃性エラストマー組成物の開発が求められてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑み、上記のような問題点のない、即ち難燃性、
耐久性、及び機械的強度に優れた難燃性エラストマー組
成物を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は難燃性に優
れたエラストマー組成物を鋭意検討した結果、エラスト
マー組成物を動的架橋することにより、驚くべきことに
難燃性と耐久性と機械的強度が飛躍的に向上することを
見出し、本発明を完成した。
【0009】即ち本発明は、(A)架橋性エラストマー
1〜99重量部、(B)熱可塑性樹脂 1〜99重量
部[(A)と(B)の合計量が100重量部]、及び
(C)非ハロゲン難燃剤 1〜500重量部とからなる
部分的または完全に動的架橋された組成物と実質的に同
じであることを特徴とする難燃性エラストマー組成物を
提供するものである。
【0010】以下、本発明に関して詳しく述べる。
【0011】本発明の組成物は、(A)架橋性エラスト
マー、(B)熱可塑性樹脂、及び(C)非ハロゲン難燃
剤とからなる部分的または完全に動的架橋されたエラス
トマー組成物である。
【0012】ここで動的に架橋する事が重要であり、そ
の結果(B)の“海”に、部分的または完全に架橋され
たゴム成分(A)が“島”として存在する。即ち熱可塑
性樹脂の“海”による優れた成形性及び架橋ゴムによる
耐久性、機械的強度が発現することを見出し、本発明を
完成した。
【0013】以下に本発明の各成分について詳細に説明
する。
【0014】本発明において、(A)架橋性エラストマ
ーは、例えば、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポ
リエステル系、ポリウレタン系、1,2−ポリブタジエ
ン系、ポリ塩化ビニル系等であり、特にポリオレフィン
系熱可塑性エラストマーが好ましい。
【0015】前記(A)ポリオレフィン系熱可塑性エラ
ストマーの中でも特にエチレン・α−オレフィン共重合
体ゴムが好ましく、例えばエチレンおよび炭素数が3〜
20のα−オレフィンからなるエチレン・α−オレフィ
ン共重合体ゴムが挙げられる。
【0016】上記炭素数3〜20のα−オレフィンとし
ては、例えば、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−
1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン
−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ウンデ
セン−1、ドデセン−1等が挙げられる。中でもヘキセ
ン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1が好ま
しく、特に好ましくはオクテン−1である。オクテン−
1は少量でも柔軟化する効果に優れ、得られた共重合体
は機械的強度に優れている。
【0017】本発明にて好適に用いられるポリオレフィ
ン系エラストマーは、公知のメタロセン系触媒またはチ
ーグラー系触媒により製造することが好ましく、特にメ
タロセン系触媒により製造することが更に好ましい。
【0018】一般にはメタロセン系触媒は、チタン、ジ
ルコニウム等のIV族金属のシクロペンタジエニル誘導
体と助触媒からなり、重合触媒として高活性であるだけ
でなく、チーグラー系触媒と比較して、得られる重合体
の分子量分布が狭く、共重合体中のコモノマーである炭
素数3〜20のα−オレフィンの分布が均一である。そ
の為にメタロセン系触媒法で得られた重合体の方が架橋
が均一であり、優れたゴム弾性を示す。
【0019】本発明にて好適に用いられる(A)ポリオ
レフィン系エラストマーは、α−オレフィンの共重合比
率が1〜60重量%であることが好ましく、更に好まし
くは10〜50重量%、最も好ましくは20〜45重量
%である。α−オレフィンの共重合比率が50重量%を
越えると、組成物の硬度、引張強度等の低下が大きく、
一方、1重量%未満では組成物の硬度が高く、機械的強
度が低下傾向にある。
【0020】(A)の密度は、0.8〜0.9g/cm
3の範囲にあることが好ましい。この範囲の密度を有す
るポリオレフィン系エラストマーを用いることにより、
柔軟性に優れ、硬度の低い熱可塑性エラストマー組成物
を得ることができる。
【0021】本発明にて用いられるポリオレフィン系エ
ラストマーは、長鎖分岐を有していることが望ましい。
長鎖分岐が存在することで、機械的強度を落とさずに、
共重合されているα−オレフィンの比率(重量%)に比
して、密度をより小さくすることが可能となり、低密
度、低硬度、高強度のエラストマーを得ることができ
る。長鎖分岐を有するオレフィン系エラストマーとして
は、USP5278272等に記載されている。
【0022】また、ポリオレフィン系エラストマーは、
室温以上にDSCの融点ピークを有することが望まし
い。
【0023】融点ピークを有するとき、融点以下の温度
範囲では形態が安定しており、取扱い性に優れ、ベタツ
キも少ない。また、本発明にて用いられるポリオレフィ
ン系エラストマーのメルトインデックスは、0.01〜
100g/10分(190℃、2.16kg荷重)の範
囲のものが好ましく用いられ、更に好ましくは0.2〜
20g/10分である。100g/10分を越えると、
熱可塑性エラストマー組成物の架橋性が不十分であり、
また0.01g/10分より小さいと流動性が悪く、加
工性が低下して望ましくない。
【0024】本発明にて用いられる(A)は、複数の種
類のものを混合して用いても良い。そのような場合に
は、加工性のさらなる向上を図ることが可能となる。
【0025】本発明において(B)熱可塑性樹脂は、
(A)と相溶もしくは均一分散し得るものであればとく
に制限はない。たとえば、ポリスチレン系、ポリフェニ
レンエーテル系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル
系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリフェニレンス
ルフィド系、ポリカーボネート系、ポリメタクリレート
系等の単独もしくは二種以上を混合したものを使用する
ことができる。特に熱可塑性樹脂としてプロピレン系樹
脂等のオレフィン系樹脂が好ましい。
【0026】本発明で最も好適に使用されるプロピレン
系樹脂を具体的に示すと、ホモのアイソタクチックポリ
プロピレン、プロピレンとエチレン、ブテン−1、ペン
テン−1、ヘキセン−1等の他のα−オレフィンとのア
イソタクチック共重合樹脂(ブロック、ランダムを含
む)等が挙げられる。
【0027】これらの樹脂から選ばれる少なくとも1種
以上の(B)熱可塑性樹脂が、(A)と(B)の合計1
00重量部中、1〜99重量部の組成比で用いられる。
好ましくは5〜90重量部、更に好ましくは20〜80
重量部、最も好ましくは20〜70重量部である。1重
量部未満では組成物の流動性、加工性が低下し、99重
量部を越えると組成物の柔軟性が不十分であり、望まし
くない。
【0028】また、本発明にて用いられるプロピレン系
樹脂のメルトインデックスは、0.1〜100g/10
分(230℃、2.16kg荷重)の範囲のものが好ま
しく用いられる。100g/10分を越えると、熱可塑
性エラストマー組成物の耐熱性、機械的強度が不十分で
あり、また0.1g/10分より小さいと流動性が悪
く、成形加工性が低下して望ましくない。
【0029】本発明において(C)として使用する難燃
剤は、リン系または無機系難燃剤である。中でも(A)
がエチレン・α−オレフィン共重合体ゴムであり、
(B)がオレフィン系樹脂である場合には、難燃剤とし
て水和金属化合物単独または水和金属化合物及びリン系
難燃剤の組み合わせが特に有効である。
【0030】上記(C)としてのリン系難燃剤として
は、有機リン化合物、赤リン、無機系リン酸塩等が挙げ
られる。
【0031】上記有機リン化合物の例としては、ホスフ
ィン、ホスフィンオキシド、ビホスフィン、ホスホニウ
ム塩、ホスフィン酸塩、リン酸エステル、亜リン酸エス
テル等である。より具体的には、トリフェニルフォスフ
ェート、メチルネオペンチルフォスファイト、ペンタエ
リスリトールジエチルジフォスファイト、メチルネオペ
ンチルフォスフォネート、フェニルネオペンチルフォス
フェート、ペンタエリスリトールジフェニルジフォスフ
ェート、ジシクロペンチルハイポジフォスフェート、ジ
ネオペンチルハイポフォスファイト、フェニルピロカテ
コールフォスファイト、エチルピロカテコールフォスフ
ェート、ジピロカテコールハイポジフォスフェートであ
る。
【0032】ここで、特に有機リン化合物として、式
(1)で示される芳香族系リン酸エステル単量体、式
(2)で示される芳香族系リン酸エステル縮合体が好ま
しい。
【0033】
【化1】
【0034】
【化2】
【0035】(但し、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、A
5、Ar7、Ar8はそれぞれ独立に無置換または炭素
数1〜10の炭化水素基で少なくとも一つ置換されたフ
ェニル基から選ばれる芳香族基である。Ar6は炭素数
6〜20の二価の芳香族基である。mは1以上の整数を
表わす。) 前記(C)において、リン系難燃剤の一つの赤リンは、
一般の赤リンの他に、その表面をあらかじめ、水酸化ア
ルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化
チタンよりえらばれる金属水酸化物の被膜で被覆処理さ
れたもの、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、
水酸化亜鉛、水酸化チタンより選ばれる金属水酸化物及
び熱硬化性樹脂よりなる被膜で被覆処理されたもの、水
酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、
水酸化チタンより選ばれる金属水酸化物の被膜の上に熱
硬化性樹脂の被膜で二重に被覆処理されたものなどであ
る。
【0036】前記(C)において、リン系難燃剤の一つ
の無機系リン酸塩は、ポリリン酸アンモニウムが代表的
である。
【0037】そして、前記(C)としての無機系難燃剤
は、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドロマ
イト、ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化
バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化ジルコニウ
ム、酸化スズの水和物等の無機金属化合物の水和物、ホ
ウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、炭酸
亜鉛、炭酸マグネシウム、ムーカルシウム、炭酸カルシ
ウム、炭酸バリウム等が挙げられる。これらは、1種で
も2種以上を併用してもよい。この中で特に、水酸化マ
グネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシ
ウム、ハイドロタルサイトからなる群から選ばれたもの
が難燃効果が良く、経済的にも有利である。
【0038】本発明における前記(C)の添加量は,
(A)と(B)からなる樹脂成分100重量部に対し
て、1〜500重量部であり、好ましくは1〜300重
量部、更に好ましくは、3〜200重量部、最も好まし
くは、5〜100重量部である。本発明において、必要
に応じて、トリアジン骨格含有化合物、含金属化合物、
シリコーン樹脂、シリコーンオイル、ポリオルガノシリ
ケート、シリカ、アラミド繊維、ポリアクリロニトリル
繊維、フッ素系樹脂、フェノール樹脂から選ばれる一種
以上の難燃助剤(D)を配合することができる。
【0039】(D)の量は、(A)と(B)からなる樹
脂成分100重量部に対して、好ましくは0.001〜
500重量部、更に好ましくは、1〜200重量部、最
も好ましくは、5〜100重量部である。
【0040】(D)としてのトリアジン骨格含有化合物
は、リン系難燃剤の難燃助剤として一層の難燃性を向上
させるための成分である。その具体例としては、メラミ
ン、式(3)で示されるメラム、式(4)で示されるメ
レム、メロン(600℃以上でメレム3分子から3分子
の脱アンモニアによる生成物)、式(5)で示されるメ
ラミンシアヌレート、式(6)で示されるリン酸メラミ
ン、式(7)で示されるサクシノグアナミン、アジポグ
アナミン、メチルグルタログアナミン、式(8)で示さ
れるメラミン樹脂、式(9)で示されるBTレジンを挙
げることができるが、低揮発性の観点から特にメラミン
シアヌレートが好ましい。
【0041】
【化3】
【0042】
【化4】
【0043】
【化5】
【0044】
【化6】
【0045】
【化7】
【0046】
【化8】
【0047】
【化9】
【0048】(D)としての含金属化合物は、金属酸化
物及び/または金属粉である。上記金属酸化物は、酸化
アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸
化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モ
リブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、
酸化スズ、酸化アンチモン、酸化ニッケル、酸化銅、酸
化タングステン等の単体または、それらの複合体(合
金)であり、上記金属粉は、アルミニウム、鉄、チタ
ン、マンガン、亜鉛、モリブデン、コバルト、ビスマ
ス、クロム、ニッケル、銅、タングステン、スズ、アン
チモン等の単体または、それらの複合体である。
【0049】(D)としてのシリコーン樹脂は、SiO
2、RSiO3/2、R2SiO、R3SiO1/2の構造単位
を組み合わせてできる三次元網状構造を有するシリコー
ン樹脂である。ここで、Rはメチル基、エチル基、プロ
ピル基等のアルキル基、あるいは、フェニル基、ベンジ
ル基等の芳香族基、または上記置換基にビニル基を含有
した置換基を示す。ここで、特にビニル基を含有したシ
リコーン樹脂が好ましい。
【0050】このようなシリコーン樹脂は、上記の構造
単位に対応するオルガノハロシランを共加水分解して重
合することにより得られる。
【0051】(D)としてのシリコーンオイルまたはポ
リオルガノシリケートは、例えば下記式(10)で示さ
れる。
【0052】
【化10】
【0053】(但し、R1〜R4は炭素数1〜20の炭化
水素であり、p、qは0または1であり、nは1以上の
整数である。) ここで、R1〜R4は炭素数1〜20の炭化水素であり、
特にメチル基、フェニル基、アルキル基置換フェニル
基、アルケニル基から選ばれる置換基を有することが好
ましい。またR1〜R4は同一でも異なっていても良い。
【0054】前記シリコーンオイルまたポリオルガノシ
リケートの粘度は、600〜1000000センチスト
ークス(25℃)が好ましく、さらに好ましくは900
00〜150000センチストークス(25℃)であ
る。
【0055】(D)としてのシリカは、無定形の二酸化
ケイ素であり、特にシリカ表面に炭化水素系化合物系の
シランカップリング剤で処理した炭化水素系化合物被覆
シリカが好ましく、更にはビニル基を含有した炭化水素
系化合物被覆シリカが好ましい。
【0056】上記シランカップリング剤は、p−スチリ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニ
ルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエ
トキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルトリメトキシシラン等のビニル基含有
シラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシ
シラン等のエポキシシラン、及びN−β(アミノエチ
ル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β
(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシシラン、N
−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等
のアミノシランである。ここで、特に熱可塑性樹脂と構
造が類似した単位を有するシランカップリング剤が好ま
しく、例えば、スチレン系樹脂に対しては、p−スチリ
ルトリメトキシシランが好適である。
【0057】シリカ表面へのシランカップリング剤の処
理は、湿式法と乾式法に大別される。湿式法は、シリカ
をシランカップリング剤溶液中で処理し、その後乾燥さ
せる方法であり、乾式法は、ヘンシェルミキサーのよう
な高速撹はん可能な機器の中にシリカを仕込み、撹はん
しながらシランカップリング剤液をゆっくり滴下し、そ
の後熱処理する方法である。
【0058】(D)としてのアラミド繊維は、平均直径
が1〜500μmで平均繊維長が0.1〜10mmであ
ることが好ましく、イソフタルアミド、またはポリパラ
フェニレンテレフタルアミドをアミド系極性溶媒または
硫酸に溶解し、湿式または乾式法で溶液紡糸することに
より製造することができる。
【0059】(D)としてのポリアクリロニトリル繊維
は、平均直径が1〜500μmで平均繊維長が0.1〜
10mmであることが好ましく、ジメチルホルムアミド
等の溶媒に重合体を溶解し、400℃の空気流中に乾式
紡糸する乾式紡糸、または硝酸等の溶媒に重合体を溶解
し水中に湿式紡糸する湿式紡糸法により製造される。
(D)としてのフッ素系樹脂は、樹脂中にフッ素原子を
含有する樹脂である。その具体例として、ポリモノフル
オロエチレン、ポリジフルオロエチレン、ポリトリフル
オロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフ
ルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体等
を挙げることができる。また、必要に応じて上記含フッ
素モノマーと共重合可能なモノマーとを併用してもよ
い。
【0060】(D)としてのフェノール樹脂は、ノボラ
ック樹脂、レゾール樹脂または架橋フェノール樹脂であ
り、特にノボラック樹脂が好ましい。そして、その樹脂
は、フェノール類とアルデヒド類を硫酸または塩酸のよ
うな酸触媒の存在下で縮合して得られる熱可塑性樹脂で
ある。
【0061】本発明において、加工性の向上のために必
要に応じて、軟化剤を配合することができる。
【0062】上記軟化剤は、パラフィン系、ナフテン系
などのプロセスオイルが好ましい。これらは組成物の硬
度、柔軟性の調整用に5〜250重量部、好ましくは1
0〜150重量部用いる。5重量部未満では柔軟性、加
工性が不足し、250重量部を越えるとオイルのブリー
ドが顕著となり望ましくない。
【0063】本発明にて提供される組成物は、先に説明
した(A)特定のオレフィン系エラストマー、(B)プ
ロピレン系重合体、(C)難燃剤、ゴム用オイルを特定
の組成比で組み合わせることにより、難燃性、機械的強
度と柔軟性、加工性のバランスが改善され、好ましく用
いることができる。
【0064】本発明にて提供される組成物は、その組成
物を有機過酸化物等のラジカル開始剤あるいはラジカル
開始剤および架橋助剤により部分的に動的架橋させるこ
とが必要である。これにより、更に耐摩耗性や機械的強
度、耐熱性等を向上させることが可能となる。
【0065】ここで、好ましく使用されるラジカル開始
剤の具体的な例として、1,1−ビス(t−ブチルパー
オキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキ
シルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−
ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t
−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス
(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,
4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル
−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート等
のパーオキシケタール類;ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオ
キサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m
−イソプロピル)ベンゼン、α,α’−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメ
チル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン
および2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド
類;アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサ
イド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオ
キサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−ト
リメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパー
オキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイ
ドおよびm−トリオイルパーオキサイド等のジアシルパ
ーオキサイド類;t−ブチルパーオキシアセテート、t
−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオ
キシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキ
シラウリレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、
ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサ
ン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパー
オキシイソプロピルカーボネート、およびクミルパーオ
キシオクテート等のパーオキシエステル類;ならびに、
t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパ
ーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオ
キサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイ
ドロパーオキサイドおよび1,1,3,3−テトラメチ
ルブチルパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類
を挙げることができる。
【0066】これらの化合物の中では、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミ
ルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび2,5−ジメ
チル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン
−3が好ましい。
【0067】これらのラジカル開始剤は、(A)100
重量部に対し0.02〜3重量部、好ましくは0.05
〜1重量部の量で用いられる。0.02重量部未満では
架橋が不十分であり、3重量部を越えても組成物の物性
は向上せず、好ましくない。
【0068】更に、架橋助剤としては、ジビニルベンゼ
ン、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレ
ート、ダイアセトンジアクリルアミド、ポリエチレング
リコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコ
ールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタク
リレート、ジイソプロペニルベンゼン、P−キノンジオ
キシム、P,P’−ジベンゾイルキノンジオキシム、フ
ェニルマレイミド、アリルメタクリレート、N,N’−
m−フェニレンビスマレイミド、ジアリルフタレート、
テトラアリルオキシエタン、1,2−ポリブタジエン等
が好ましく用いられる。これらの架橋助剤は複数のもの
を併用して用いてもよい。
【0069】これらの架橋助剤は、(A)100重量部
に対し0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜2重量部
の量で用いられる。0.1重量部未満では架橋が不十分
であり、5重量部を越えても組成物の物性は向上せず過
剰の架橋助剤が残存し、好ましくない。
【0070】また、本発明の組成物には、その特徴を損
ねない程度に他の樹脂、エラストマーを添加しても良
い。
【0071】特に、少なくとも1個のビニル芳香族化合
物を主体とする重合体ブロックAと少なくとも1個の共
役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとからな
るブロック共重合体、もしくはこのブロック共重合体を
水素添加してなるブロック共重合体が添加することによ
り、オイルの保持性を飛躍的に高めることが可能となり
望ましい。
【0072】本発明においてブロック共重合体は、例え
ば、A−B、A−B−A、B−A−B−A、A−B−A
−B−A、B−A−B−A−B、(A−B)4Si、
(B−A−B)4Si、(B−A−B)4Sn等の構造を
有している。
【0073】ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブ
ロックとはビニル芳香族化合物を50重量%以上含有す
るビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物との共重合体
ブロックおよび/またはビニル芳香族化合物単独重合体
ブロックを示す。
【0074】共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロ
ックとは共役ジエン化合物を50重量%以上含有する共
役ジエン化合物とビニル芳香族化合物との共重合体ブロ
ックおよび/または共役ジエン化合物単独重合体ブロッ
クを示す。
【0075】ブロック共重合体を構成するビニル芳香族
化合物としては、スチレン、メチルスチレン、1,3−
ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等の
中から1種もしくは2種以上を使用できる。中でもスチ
レンが好ましい。
【0076】ブロック共重合体を構成する共役ジエン化
合物としては、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペン
タジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等の
中から1種もしくは2種以上を使用できる。中でもブタ
ジエン、イソプレンおよびこれらの組み合わせが好まし
い。
【0077】これらのブロック共重合体の製造方法とし
ては、公知のいかなる方法でもよく、例えば、炭化水素
溶剤中で有機リチウム化合物等の重合開始剤を用い、ビ
ニル芳香族化合物と共役ジエン化合物をブロック重合す
る方法である水素添加してなるブロック共重合体は上記
ブロック共重合体に、水素添加反応を施すことにより得
ることができる。水素添加反応の方法としては、公知の
いかなる方法でもよく、例えば、不活性溶剤中で水素添
加触媒存在下で水素添加させることができる。水素添加
するための反応条件は、共役ジエン化合物の少なくとも
80%、好ましくは90%以上が水素添加され、一方ビ
ニル芳香族化合物の20%未満、好ましくは10%未満
が水素添加されるように選択される。
【0078】上記構造を有するブロック共重合体の数平
均分子量は20000〜300000、好ましくは30
000〜200000の範囲である。
【0079】本発明においてブロック共重合体は、エラ
ストマーとしての機械的特性を持ち、オイル保持能力が
高くかつラジカル開始剤により架橋する特性を有してい
る。従ってブロック共重合体を一成分として有すること
により、本発明の組成物は多量のゴム用オイルを保持す
ることが可能となり、低硬度組成物を得ることが容易に
なる。
【0080】また動的架橋反応の際には、オレフィン系
エラストマーとともに架橋性エラストマー成分としても
機能する。
【0081】ブロック共重合体は0〜100重量部の組
成比で用いられる。100重量部を越えると組成物の架
橋性が低下し望ましくない。
【0082】また特に、数平均分子量が20000以下
の低分子量エチレン系重合体を添加することにより、組
成物の成形加工性、成形品の表面肌、等が著しく改良さ
れ、望ましい。
【0083】本発明において、更に卓越した安定性が要
求される場合には、必要に応じて、紫外線吸収剤、ヒン
ダードアミン系光安定剤、酸化防止剤、活性種捕捉剤、
遮光剤、金属不活性剤、または消光剤から選ばれる一種
または二種以上の安定性改良剤を配合することができ
る。
【0084】上記安定性改良剤の量は、(A)と(B)
の合計量100重量部に対して、好ましくは0.05〜
20重量部、更に好ましくは、0.1〜10重量部、最
も好ましくは、1〜5重量部である。
【0085】その他、本発明の組成物には、以下のよう
なポリマーを特徴を損ねない程度に加えてもよい。具体
的には、ポリエチレン、ポリブテン、ポリイソブテン、
エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレン−ビニルエ
ステル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合
体等のエチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体、
エチレン−ビニルアルコール共重合体、等がある。
【0086】また、本発明の組成物には、その特徴を損
ねない程度に無機フィラーおよび可塑剤を含有すること
が可能である。ここで用いる無機フィラーとしては、例
えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、カ
ーボンブラック、ガラス繊維、酸化チタン、クレー、マ
イカ、タルク、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム等が挙げられる。また、可塑剤としては、例えば、ポ
リエチレングリコール、ジオクチルフタレート(DO
P)等のフタル酸エステル等が挙げられる。また、その
他の添加剤、例えば、有機・無機顔料、難燃剤、シリコ
ンオイル、アンチブロッキング剤、発泡剤、帯電防止
剤、抗菌剤等も好適に使用される。
【0087】本発明の樹脂組成物の製造には、通常の樹
脂組成物、エラストマー組成物の製造に用いられるバン
バリーミキサー、ニーダー、単軸押出機、2軸押出機、
等の一般的な方法を採用することが可能である。とりわ
け効率的に動的架橋を達成するためには2軸押出機が好
ましく用いられる。2軸押出機は、オレフィン系エラス
トマーとプロピレン系樹脂とを均一かつ微細に分散さ
せ、さらに他の成分を添加させて、架橋反応を生じせし
め、本発明の好適な熱可塑性エラストマー組成物を連続
的に製造するのに、より適している。
【0088】動的架橋は混練加工機内で短時間に架橋反
応を行わせる加工方法であり、架橋速度の指標である架
橋時間(Tc90)が400秒以下、好ましくは300
秒以下である共重合体が望ましく、さらに好ましくは2
00秒以下が望ましい。
【0089】ここで、架橋時間(Tc90)とは、エラ
ストマーにパーオキサイドとしてジクミルパーオキサイ
ド1.0重量部を添加し、170℃でレオメーターによ
る加硫特性を測定したとき、最大架橋度(粘度)の90
%値の達するまでの時間である。
【0090】本発明において、オレフィン系エラストマ
ー、プロピレン系樹脂の形態はペレット、パウダー、ク
ラム等の細分化された形態が好ましい。
【0091】本発明の組成物は、具体例として、次のよ
うな加工工程を経由して製造することができる。すなわ
ち、オレフィン系エラストマーとプロピレン系樹脂と難
燃剤とをよく混合し、押出機のホッパーに投入する。ラ
ジカル開始剤、架橋助剤は、オレフィン系エラストマー
とプロピレン系重合体とラクトン系安定剤とともに当初
から添加してもよいし、押出機の途中から添加してもよ
い。またオイルは押出機の途中から添加してもよいし、
当初と途中とに分けて添加してもよい。オレフィン系エ
ラストマーとプロピレン系樹脂は一部を押出機の途中か
ら添加してもよい。押出機内で加熱溶融し混練される際
に、前記エラストマーとラジカル開始剤および架橋助剤
とが架橋反応し、さらにオイル等を添加して溶融混練す
ることにより架橋反応と混練分散とを充分させたのち押
出機から取り出す。ペレタイズして本発明の好適な熱可
塑性エラストマー組成物のペレットを得ることができ
る。組成物の架橋性の尺度として架橋度を定義する。本
発明の組成物0.5gを、キシレン200ml中で4時
間リフラックスさせる。溶液を定量用濾紙で濾過し、濾
紙上の残査を真空乾燥後定量し、組成物中のオレフィン
系エラストマーの重量に対する残査の重量の比率(%)
として算出する。
【0092】本発明の好適な組成物としての熱可塑性エ
ラストマー組成物の架橋度は、30%以上が望ましく、
更に好ましくは50%である。30%未満では架橋が不
十分であるため、圧縮永久歪み等の耐熱性、反撥弾性等
の物性が低下する。
【0093】こうして得られた好適な熱可塑性エラスト
マー組成物は任意の成形方法で各種成型品の製造が可能
である。射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、
カレンダー成形、発泡成形等が好ましく用いられる。
【0094】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例により更に詳
細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。なお、これら実施例および比較例において、各種
物性の評価に用いた試験法は以下の通りである。
【0095】(1)引張破断強度[kgf/cm2] JIS K6251に準じ、23℃にて評価した。
【0096】(2)引張破断伸度[%] JIS K6251に準じ、23℃にて評価した。
【0097】(3)圧縮永久歪み(C−Set)[%] JIS K6301に準じ、70℃×22時間にて、耐
久性の指標として評価した。数値が小さいほど耐久性に
優れる。
【0098】(4)難燃性 UL−94に準拠したVB(Vertical Bur
ning)法により評価した。
【0099】実施例、比較例で用いる各成分は以下のも
のを用いた。
【0100】(イ)架橋性エラストマー エチレンとオクテン−1との共重合体(TPE−1) 特開平3−163088号公報に記載のメタロセン触媒
を用いた方法により製造した。共重合体のエチレン/オ
クテン−1の組成比は、72/28(重量比)である。
(TPE−1と称する) エチレンとオクテン−1との共重合体(TPE−2) 通常のチーグラー触媒を用いた方法により製造した。共
重合体のエチレン/オクテン−1の組成比は、72/2
8(重量比)である。(TPE−2と称する) エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合
体(TPE−3) 特開平3−163088号公報に記載のメタロセン触媒
を用いた方法により製造した。共重合体のエチレン/プ
ロピレン/ジシクロペンタジエンの組成比は、72/2
4/4(重量比)である。(TPE−3と称する) (ロ)熱可塑性樹脂 ポリプロピレン 日本ポリケム(株)製、アイソタクチックポリプロピレ
ン(PPと称する) (ハ)難燃剤 水酸化マグネシウム 協和化学工業(株)製 商品名 キスマ[Mg(OH)
2と称する] 赤リン 燐化学工業(株)製 商品名 ノーバエクセル(RPと
称する) (ハ)パラフィン系オイル 出光興産(株)製、ダイアナプロセスオイル PW−3
80(MOと称する) (ニ)ラジカル開始剤 日本油脂社製、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−
ブチルパーオキシ)ヘキサン( 商品名パーヘキサ25
B)(POXと称する) (ホ)架橋助剤 和光純薬(株)製、ジビニルベンゼン(DVBと称す
る) 実施例1〜5、比較例1〜3 押出機として、バレル中央部に注入口を有した2軸押出
機(40mmφ、L/D=47)を用いた。スクリュー
としては注入口の前後に混練部を有した2条スクリュー
を用いた。
【0101】表1に記載した組成比で混合したのち2軸
押出機(シリンダー温度220℃)に導入し、溶融押出
を行った。但し、MOを用いる組成物については、MO
以外を混合したのち2軸押出機(シリンダー温度220
℃)に導入し、引き続き、押出機の中央部にある注入口
より所定量のMOをポンプにより注入し、溶融押出を行
った(製造法1)。
【0102】このようにして得られたエラストマー組成
物から200℃にて圧縮成形により2mm厚のシートを
作成し、各機械的特性及び難燃性を評価した。
【0103】その結果を表1に示した。
【0104】一方、比較のために非架橋エラストマー組
成物(製造法2)及び非架橋エラストマーを静的に架橋
して得られた架橋エラストマー組成物(製造法3)を以
下の方法で製造し、上記と同様に評価し、その結果を表
1に示した。
【0105】製造法2:POX、DVBを用いないこと
以外は、製造法1と同一の実験を繰り返した。
【0106】製造法3:表1の組成でバンバリーミキサ
ーで220℃で5分間混練した後に、8インチオープン
ロールで2mmの未架橋シートを製造した。次いで、加
速電圧2MeVの電子線を、照射線量が200kGyと
なるように照射して架橋エラストマー組成物を製造し
た。
【0107】
【表1】
【0108】表1によると、非架橋エラストマー組成物
は耐久性の指標となる圧縮永久歪み(C−Set)が極
めて劣り、また架橋エラストマー組成物でも静的に架橋
したものは引張破断強度及び引張破断伸度等の機械的強
度が低く、本発明の動的に架橋エラストマーは卓越した
耐久性、機械的強度及び難燃性を有することが分かる。
【0109】
【発明の効果】本発明の難燃性エラストマー組成物は、
卓越した難燃性、耐久性及び機械的強度を有している。
【0110】本発明の組成物は、自動車用部品、自動車
用内外装材、エアバッグカバー、機械部品、電気部品、
ケーブル、ホース、ベルト、玩具、雑貨、日用品、建
材、シート、フィルム等を始めとする用途、とりわけ電
線被覆材料または住宅用壁紙材料等に幅広く使用可能で
あり、産業界に果たす役割は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/02 C08L 23/02 23/08 23/08 101/00 101/00 Fターム(参考) 4J002 AC04W BB01W BB01X BB12X BB14X BB15W BC02W BC02X BD03X BD05W BG06X CF00W CF00X CG00X CH07X CK02W CL00X CN02X DE066 DE076 DE086 DE096 DE146 DE236 DE286 DH056 DK006 EW046 EW066 EW136 EW146 EW176 FD136

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)架橋性エラストマー 1〜99重
    量部、(B)熱可塑性樹脂 1〜99重量部[(A)と
    (B)の合計量が100重量部]、及び(C)非ハロゲ
    ン難燃剤 1〜500重量部とからなる部分的または完
    全に動的架橋されたことを特徴とする難燃性エラストマ
    ー組成物。
  2. 【請求項2】 (A)が少なくとも二種のビニル系単量
    体からなる共重合体である請求項1記載の難燃性エラス
    トマー組成物。
  3. 【請求項3】 (A)がエチレンと炭素数3〜20のα
    −オレフィンからなる、メタロセン系触媒を用いて製造
    されたエチレン・α−オレフィン共重合体ゴムである請
    求項2記載の難燃性エラストマー組成物。
  4. 【請求項4】 (B)がオレフィン系樹脂である請求項
    1〜3記載のいずれかの難燃性エラストマー組成物。
  5. 【請求項5】 (C)が水和金属化合物及び/またはリ
    ン系難燃剤である請求項1〜4記載のいずれかの難燃性
    エラストマー組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5記載のいずれかの組成物か
    らなる難燃性エラストマー成形材料。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001200106A (ja) * 1999-03-02 2001-07-24 Jsr Corp 難燃性重合体組成物
JP2005036230A (ja) * 2003-07-14 2005-02-10 Clariant Gmbh 改善された難燃性を有する弾性被覆材及びそれの製造法
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