JP2000053816A - 熱可塑性オレフィン系エラストマー組成物 - Google Patents

熱可塑性オレフィン系エラストマー組成物

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JP2000053816A
JP2000053816A JP22123198A JP22123198A JP2000053816A JP 2000053816 A JP2000053816 A JP 2000053816A JP 22123198 A JP22123198 A JP 22123198A JP 22123198 A JP22123198 A JP 22123198A JP 2000053816 A JP2000053816 A JP 2000053816A
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olefin
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ethylene
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Hajime Nishihara
一 西原
Shinichi Shibayama
伸一 柴山
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性オレフィン系エラストマーに軟化剤
を多量に添加することを可能にし、その結果として優れ
た加工性、柔軟性、機械的特性を有する熱可塑性オレフ
ィン系エラストマーの提供。 【解決手段】 (A)エチレンと炭素数6〜12のα−
オレフィンからなる、メタロセン系触媒を用いて製造し
たエチレン・αーオレフィン共重合体 1〜99重量部
と(B)プロピレン系樹脂 1〜99重量部[(A)と
(B)の合計量が100重量部]とからなる部分的また
は完全に架橋された重合体組成物と、(C)軟化剤 1
〜500重量部、及び(D)平均粒子径0.001〜1
0μmであり、250℃で溶融しない粉体 0.1〜2
00重量部からなる熱可塑性オレフィン系エラストマー
組成物、とりわけ(D)が表面処理された熱可塑性オレ
フィン系エラストマー組成物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性オレフィン
系エラストマー組成物に関する。更に詳しくは、熱可塑
性オレフィン系エラストマーに軟化剤を多量に添加する
ことを可能にし、その結果として優れた加工性、柔軟
性、機械的特性を有する熱可塑性オレフィン系エラスト
マー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂、エラストマー等の重合体
は、優れた耐熱性、耐衝撃性等の機械的特性を有するた
めに自動車用材料、電気材料、住宅材料を始めとする多
岐の分野で使用されている。エラストマーとして、ラジ
カル架橋性オレフィン系エラストマーとPP等のラジカ
ル架橋性のないオレフィン系樹脂とをラジカル開始剤の
存在下、押出機中で溶融混練させながら架橋する、いわ
ゆる動的架橋による熱可塑性エラストマー組成物は、既
に公知の技術であり、例えば、エチレン−プロピレン−
ジエンゴム(EPDM)とオレフィン系樹脂の動的架橋
エラストマー組成物が知られている。このEPDMはポ
リマー鎖中にジエン成分が存在するために架橋性に優れ
ているものの、耐環境劣化性が劣るために品質上の改善
が望まれており、実用的使用に耐えるエラストマー組成
物が求められている。
【0003】また一方で、近年かかる分野で材料の加工
性、表面硬度(柔軟性)を改良するために流動パラフィ
ン(ミネラルオイル)等の軟化剤を添加することが行な
われている。その際、エラストマー組成物に高度の上記
機能を付与するためには、できるだけ多量の軟化剤を添
加する必要があるが、エラストマー組成物と軟化剤との
相溶性が良くない場合は、軟化剤がブリードするという
問題があった。
【0004】一方、樹脂に液状添加剤を比較的低温で吸
収させる従来技術があり、吸油性樹脂と液体添加剤とか
らなる樹脂組成物または特性改良方法が開示されてい
る。例えば、多孔質スチレンージビニルベンゼン共重合
体に液状油を吸着せしめた含油樹脂及び熱硬化樹脂から
なる樹脂組成物(特公平7ー122024号公報)、吸
油性架橋重合体に添加剤を含有させた樹脂改質用添加剤
と、樹脂からなる樹脂組成物を用いた添加剤のブリード
防止方法(特開平5ー214114号公報)、樹脂に特
定の架橋重合体を練り込むことにより、艶消しされた外
観を得る方法(特開平6ー57007号公報)、樹脂に
特定の架橋重合体を練り込むことにより、耐衝撃性を向
上させる方法(特開平6ー73190号公報)、非晶質
シリカにリン系難燃剤を含浸させた粉末状難燃剤(特開
平7ー331244号公報)、無機質粉体に担持された
リン系難燃剤(特許番号第2588331号公報)、樹
脂用添加剤と吸油性重合体からなるマスターバッチ(特
開平9ー52956号公報)が知られている。しかしな
がら、上記公報には特定の熱可塑性エラストマー組成物
において、特定の粉体を用いることにより軟化剤を飛躍
的に吸収保持する事は開示されていないし、暗示さえさ
れていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑み、上記のような問題点のない、即ち軟化剤の
取り扱いを容易にするだけでなく、重合体に軟化剤を多
量に添加することを可能にし、その結果として優れた加
工性、柔軟性、機械的特性を有する熱可塑性オレフィン
系エラストマー組成物を提供することを目的とするもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、加工性、柔
軟性に優れた熱可塑性エラストマー組成物を鋭意検討し
た結果、部分的または完全に架橋された重合体と軟化剤
に対して、特定の平均粒子径であり、かつ特定の化合物
を用いることにより、驚くべきことに軟化剤が組成物中
に多量に保持されることを見出し、本発明に到達した。
【0007】即ち、本発明は、(A)エチレンと炭素数
6〜12のα−オレフィンからなる、メタロセン系触媒
を用いて製造したエチレン・αーオレフィン共重合体
1〜99重量部と(B)プロピレン系樹脂 1〜99重
量部[(A)と(B)の合計量が100重量部]と
(C)軟化剤 1〜500重量部、及び(D)平均粒子
径0.001〜10μmであり、250℃で溶融しない
粉体 0.1〜200重量部からなる部分的または完全
に架橋された熱可塑性オレフィン系エラストマー組成
物、とりわけ(D)が表面処理された粉体である熱可塑
性オレフィン系エラストマー組成物である。
【0008】以下、本発明を詳しく説明する。本発明の
組成物は、(A)特定のエチレン・αーオレフィン共重
合体、(B)プロピレン系樹脂、(C)パラフィンオイ
ル等の軟化剤、及び(D)特定の化合物からなる。上記
(A)と(B)からなる重合体は、組成物から得られた
成形体の強度保持の役割を担い、(C)は(A)及び
(B)に加工性、表面硬度を制御するための成分であ
り、(D)は(C)を吸収保持するための成分である。
【0009】本発明において、(D)の平均粒子径が
0.001〜10μmであることが重要である。平均粒
子径が0.001μm未満では粒子の凝集が著しく、機
械的強度が低下し、一方10μmを越えると異物効果で
同様に機械的強度が低下する。ここで、特に(D)の表
面が有機酸で処理されることにより機械的強度が著しく
向上する。
【0010】以下に本発明の各成分について詳細に説明
する。本発明において、(A)エチレン・αーオレフィ
ン共重合体ゴムは、炭素数が6〜12のα−オレフィン
からなるエチレン・αーオレフィン共重合体である。上
記炭素数6〜12のα−オレフィンとしては、例えば、
ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン−
1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ウンデセ
ン−1、ドデセン−1等が挙げられる。中でもヘキセン
−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1が好まし
く、特に好ましくはオクテン−1である。オクテン−1
は少量でも柔軟化する効果に優れ、得られた共重合体は
機械的強度に優れている。
【0011】本発明において用いられる(A)は、公知
のメタロセン系触媒を用いて製造する。一般にはメタロ
セン系触媒は、チタン、ジルコニウム等のIV族金属の
シクロペンタジエニル誘導体と助触媒からなり、重合触
媒として高活性であるだけでなく、チーグラー系触媒と
比較して、得られる重合体の分子量分布が狭く、共重合
体中のコモノマーである炭素数3〜20のα−オレフィ
ンの分布が均一である。
【0012】本発明において用いられる(A)は、α−
オレフィンの共重合比率が1〜60重量%であることが
好ましく、更に好ましくは10〜50重量%、最も好ま
しくは20〜45重量%である。α−オレフィンの共重
合比率が60重量%を越えると、組成物の硬度、引張強
度等の低下傾向にあり、一方、1重量%未満では、機械
的強度が低下する。
【0013】(A)の密度は、0.8〜0.9g/cm
3 の範囲にあることが好ましい。本発明にて用いられる
オレフィン系エラストマーは、長鎖分岐を有しているこ
とが望ましい。長鎖分岐が存在することで、機械的強度
を落とさずに、共重合されているα−オレフィンの比率
(重量%)に比して、密度をより小さくすることが可能
となり、低密度、低硬度、高強度のエラストマーを得る
ことができる。長鎖分岐を有するオレフィン系エラスト
マーとしては、USP5278272等に記載されてい
る。
【0014】また、(A)は、室温以上にDSCの融点
ピークを有することが望ましい。融点ピークを有すると
き、融点以下の温度範囲では形態が安定しており、取扱
い性に優れ、ベタツキも少ない。また、本発明にて用い
られる(A)のメルトインデックスは、0.01〜10
0g/10分(190℃、2.16kg荷重)の範囲の
ものが好ましく用いられ、更に好ましくは0.2〜10
g/10分である。100g/10分を越えると、熱可
塑性エラストマー組成物の架橋性が不十分であり、また
0.01g/10分より小さいと流動性が悪く、加工性
が低下して望ましくない。
【0015】本発明にて用いられる(A)は、複数の種
類のものを混合して用いても良い。そのような場合に
は、加工性のさらなる向上を図ることが可能となる。本
発明において(B)プロピレン系樹脂は、ホモのアイソ
タクチックポリプロピレン、プロピレンとエチレン、ブ
テン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1等の他のα−オ
レフィンとのアイソタクチックプロピレン系樹脂(ブロ
ック、ランダムを含む)等が挙げられる。
【0016】また、本発明における(B)プロピレン系
樹脂のメルトインデックスは、0.1〜100g/10
分(230℃、2.16kg荷重)の範囲のものが好ま
しく用いられる。100g/10分を越えると、組成物
の耐熱性、接着強度等の機械的強度が低下傾向であり、
また0.1g/10分より小さいと流動性が悪く、成形
加工性が低下して望ましくない。
【0017】本発明において、(A)と(B)の合計1
00重量部中、(A)が1〜99重量部の組成比で用い
られる。好ましくは5〜90重量部、更に好ましくは2
0〜80重量部、最も好ましくは20〜70重量部であ
る。1重量部未満では組成物の流動性、加工性が低下
し、99重量部を越えると組成物の柔軟性が不十分であ
り、望ましくない。
【0018】本発明にて提供されるオレフィン系エラス
トマー組成物は、その組成物を有機過酸化物等のラジカ
ル開始剤あるいはラジカル開始剤および架橋助剤により
部分的に架橋させることが必要である。これにより、更
に耐摩耗性や機械的強度、耐熱性等を向上させることが
可能となる。ここで、好ましく使用されるラジカル開始
剤の具体的な例として、1,1−ビス(t−ブチルパー
オキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキ
シルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−
ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t
−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス
(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,
4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル
−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート等
のパーオキシケタール類;ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオ
キサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m
−イソプロピル)ベンゼン、α,α’−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメ
チル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン
および2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド
類;アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサ
イド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオ
キサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−ト
リメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパー
オキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイ
ドおよびm−トリオイルパーオキサイド等のジアシルパ
ーオキサイド類;t−ブチルパーオキシアセテート、t
−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオ
キシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキ
シラウリレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、
ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサ
ン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパー
オキシイソプロピルカーボネート、およびクミルパーオ
キシオクテート等のパーオキシエステル類;ならびに、
t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパ
ーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオ
キサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイ
ドロパーオキサイドおよび1,1,3,3−テトラメチ
ルブチルパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類
を挙げることができる。
【0019】これらの化合物の中では、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミ
ルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび2,5−ジメ
チル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン
−3が好ましい。
【0020】これらのラジカル開始剤は、(A)と
(B)からなる重合体100重量部に対し0.01〜3
重量部、好ましくは0.02〜1重量部の量で用いられ
る。0.01重量部未満では架橋が不十分であり、3重
量部を越えても組成物の物性は向上せず、好ましくな
い。更に、架橋助剤としては、ジビニルベンゼン、トリ
アリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ダ
イアセトンジアクリルアミド、ポリエチレングリコール
ジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレ
ート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリ
コールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメ
タクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレー
ト、ジイソプロペニルベンゼン、P−キノンジオキシ
ム、P,P'−ジベンゾイルキノンジオキシム、フェニ
ルマレイミド、アリルメタクリレート、N,N'−m−
フェニレンビスマレイミド、ジアリルフタレート、テト
ラアリルオキシエタン、1,2−ポリブタジエン等が好
ましく用いられる。これらの架橋助剤は複数のものを併
用して用いてもよい。
【0021】これらの架橋助剤は、(A)と(B)から
なる重合体100重量部に対し0.1〜5重量部、好ま
しくは0.5〜2重量部の量で用いられる。0.1重量
部未満では架橋が不十分であり、5重量部を越えても組
成物の物性は向上せず過剰の架橋助剤が残存し、好まし
くない。また、本発明の組成物には、その特徴を損ねな
い程度に他の樹脂、エラストマーを添加しても良い。
【0022】本発明のオレフィン系エラストマー組成物
は、具体例として、次のような加工工程を経由して製造
することができる。すなわち、オレフィン系エラストマ
ーとプロピレン系樹脂とをよく混合し、押出機のホッパ
ーに投入する。ラジカル開始剤、架橋助剤は、オレフィ
ン系エラストマーとプロピレン系重合体とともに当初か
ら添加してもよいし、押出機の途中から添加してもよ
い。またオイルは押出機の途中から添加してもよいし、
当初と途中とに分けて添加してもよい。オレフィン系エ
ラストマーとプロピレン系樹脂は一部を押出機の途中か
ら添加してもよい。押出機内で加熱溶融し混練される際
に、前記エラストマーとラジカル開始剤および架橋助剤
とが架橋反応し、さらにオイル等を添加して溶融混練す
ることにより架橋反応と混練分散とを充分させたのち押
出機から取り出す。ペレタイズして本発明の熱可塑性エ
ラストマー組成物のペレットを得ることができる。
【0023】本発明のオレフィン系エラストマー組成物
の架橋性の尺度としての架橋度は30%以上が好まし
く、更に好ましくは50%以上である。30%未満では
架橋が不十分であるため、物性が低下する。架橋度はオ
レフィン系エラストマー組成物0.5gをキシレン20
0ml中で4時間リフラックスさせ、溶液を定量用濾紙
で濾過し、濾紙上の残渣を真空乾燥後定量し、組成物中
のオレフィン系エラストマーの重量に対する残渣の重量
の比率として表される。
【0024】本発明において前記(C)として使用する
軟化剤は、(A)と(B)からなる重合体に加工性、柔
軟性(表面硬度)を制御するための成分であり、25℃
での粘度が10万センチストークス以下であることが好
ましい。(C)の量は、(A)と(B)からなる組成物
100重量部に対して、1〜500重量部であり、好ま
しくは1〜250重量部、より好ましくは10〜150
重量部、更に好ましくは20〜100重量部、最も好ま
しくは30〜70重量部である。
【0025】上記軟化剤の例としては、パラフィン系、
ナフテン系などのプロセスオイル、フタル酸ジメチル、
フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル等のフタル酸
エステル、フタル酸ブチルベンジルエステル等のフタル
酸混基エステル、コハク酸ジイソデシル、アジピン酸ジ
オクチル等の脂肪族2塩基酸エステル、ジエチレングリ
コ−ルジベンゾエ−ト等のグリコ−ルエステル、オレイ
ン酸ブチル、アセチルリシノ−ル酸メチル等の脂肪族酸
エステル、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等の
エポキシ可塑剤であり、その他、トリメリット酸トリオ
クチル、エチルフタリルエチルグリコレ−ト、ブチルフ
タリルブチルグリコレ−ト、アセチルクエン酸トリブチ
ル、塩素化パラフィン、ポリプロピレンアジペ−ト、ポ
リエチレンセバケ−ト、トリアセチン、トリブチリン、
トルエンスルホンアミド、アルキルベンゼン、ビフェニ
ル、部分水添タ−フェニル、ショウノウ等を挙げること
ができる。上記軟化剤の中でも、パラフィン系、ナフテ
ン系などのプロセスオイルが最も好ましい。
【0026】本発明における(D)は、本発明の要件を
満足しておれば特に制限されない。例えば、熱硬化性樹
脂、金属、金属含有化合物、ハロゲン含有化合物、窒素
含有化合物、ケイ素含有化合物、補強剤、セラミック、
耐光剤、着色剤等の粉体であり、平均粒子径は0.00
1μm〜10μmであり、好ましくは0.01μm〜1
0μm、更に好ましくは0.1μm〜5μmであり、最
も好ましくは0.1μm〜2μmである。
【0027】本発明の(D)として、特に表面処理され
た無機系粉体が好ましく機械的強度に優れている。表面
処理剤として、例えば有機酸またはシランカップリング
剤が知られている。上記有機酸の中でも、2ーエチルヘ
キサン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸等の高級脂肪酸が
好ましい。
【0028】上記熱硬化性樹脂は、フェノ−ル樹脂、メ
ラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
フラン樹脂、尿素樹脂、キシレン樹脂、シリコ−ン樹
脂、ジアリルフタレ−ト、アラミド等である。前記金属
は、アルミニウム、鉄、チタン、マンガン、亜鉛、モリ
ブデン、コバルト、ビスマス、クロム、ニッケル、銅、
タングステン、スズ、アンチモン等の単体または、それ
らの複合体である。
【0029】前記金属含有化合物は、酸化アルミニウ
ム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化マグネシ
ウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、
酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化スズ、
酸化アンチモン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タングス
テン等の単体または、それらの複合体(合金)、水酸化
アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、ハイ
ドロタルサイト、ゼオライト、水酸化カルシウム、水酸
化バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化ジルコニ
ウム、酸化スズの水和物等の無機金属化合物の水和物、
ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、炭
酸亜鉛、炭酸マグネシウム、ムーカルシウム、炭酸カル
シウム、炭酸バリウム、カオリン、モンモリロナイト、
ベントナイト、クレー、マイカ、タルク等である。
【0030】前記ハロゲン含有化合物は、芳香族ハロゲ
ン化合物、ハロゲン化シアヌレート樹脂、ハロゲン化ポ
リフェニレンエーテル等が挙げられ、好ましくはデカブ
ロモジフェニルオキサイド、ブロム化ポリスチレン、ブ
ロム化架橋ポリスチレン、ブロム化ポリフェニレンオキ
サイド、ポリジブロムフェニレンオキサイド、デカブロ
ムジフェニルオキサイドビスフェノール縮合物、含ハロ
ゲンリン酸エステル等のハロゲン系難燃剤等である。
【0031】前記窒素含有化合物は、メラミン、メラ
ム、メレム、メロン(600℃以上でメレム3分子から
3分子の脱アンモニアによる生成物)、メラミンシアヌ
レ−ト、リン酸メラミン、サクシノグアナミン、アジポ
グアナミン、メチルグルタログアナミン等のトリアジン
骨格含有化合物等である。前記ケイ素含有化合物は、無
定形の二酸化ケイ素であるシリカまたはシリコーン樹
脂、シリケート等である。
【0032】(D)の量は、(A)と(B)からなる組
成物100重量部に対して、0.1〜200重量部であ
り、好ましくは1〜150重量部、より好ましくは1〜
100重量部、更に好ましくは5〜50重量部、最も好
ましくは10〜50重量部である。本発明の組成物に
は、その特徴を損ねない程度にガラス繊維、有機・無機
顔料、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定
剤、難燃剤、シリコンオイル、アンチブロッキング剤、
発泡剤、帯電防止剤、抗菌剤等も好適に使用される。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例、比較例に
より更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定され
るものではない。なお、これら実施例および比較例にお
いて、各種物性の評価に用いた試験法は以下の通りであ
る。 (1)表面硬度 2mm厚シートを4枚重ねて、ASTM D2240に
準じ、Aタイプにて23℃雰囲気下にて評価した。数字
が小さい方が柔軟性が高い。 (2)引張破断強度[kgf/cm2] JIS K6251に準じ、23℃にて評価した。 (3)引張破断伸度[%] JIS K6251に準じ、23℃にて評価した。 (4)圧縮永久歪み(C−set)[%] JIS K6301に準じ、70℃×22時間にて評価
した。数値が小さい方が圧縮永久歪みが優れている。 (5)オイルブリード 成形直後の試料を23℃環境下に、1週間放置してお
き、表面に浮き出てきたオイルの状況を次の尺度で目視
で評価した。
【0034】○:オイルブリードなし △:わずかに
あり ×:明瞭にあり (6)(D)成分の平均粒子径 電子顕微鏡により各粒子の数平均粒子直径を求め、平均
粒子径とした。即ち、各粒子を球と仮定し、長径と短径
の算術平均を各粒子の平均直径とする。そして、100
個の粒子の平均直径の算術平均により数平均粒子直径を
求めた。 (7)色調変化 シートをギヤオーブン中で120℃、100時間の条件
で加熱し、色調変化を観察した。実施例、比較例で用い
る各成分は以下のものを用いた。 (イ)エチレン・αーオレフィン共重合体 エチレンとオクテン−1との共重合体 特開平3ー163088号公報に記載のメタロセン触媒
を用いた方法により製造した。共重合体のエチレン/オ
クテンー1の組成比は、72/28(重量比)である。
(TPEー1と称する) エチレン(E)ープロピレン(P)ーエチリデンノル
ボルネン(DM)共重合体 市販のチーグラー系触媒重合の上記共重合体〔E/P/
DM=59/29/12(重量比)〕(EPDMー1と
称する) エチレンとオクテン−1との共重合体 チーグラー系触媒を用いて、エチレン/オクテンー1共
重合体〔72/28(重量比)〕を製造した。(TPE
ー2と称する) (ロ)ポリプロピレン 日本ポリケム(株)製、アイソタクチックポリプロピレ
ン(PPと称する) (ハ)250℃で溶融しない粉体 市販の炭酸カルシウム(CaCO3)をボールミルで粉
砕した。その際に粉砕時間を制御する事により、異なっ
た平均粒子直径のCaCO3を製造した。
【0035】また表面処理は、ボールミル粉砕の際にス
テアリン酸を添加して粉砕しながら表面処理を行った。No 表面処理 平均粒子径(μm) CACー1 無 0.0005 CAC−2 無 0.001 CACー3 無 0.15 CAC−4 無 1.0 CAC−5 無 10.0 CACー6 無 13.0 CAC−7 有 0.15 CAC−8 有 1.0 (ニ)パラフィン系オイル 出光興産(株)製、ダイアナプロセスオイル PW−3
80(MOと称する) (ホ)ラジカル開始剤 日本油脂社製、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−
ブチルパーオキシ)ヘキサン(商品名パーヘキサ25
B)(POXと称する) (ヘ)架橋助剤 和光純薬(株)製、ジビニルベンゼン(DVBと称す
る)
【0036】
【実施例1〜6、比較例1〜6】押出機として、バレル
中央部に注入口を有した2軸押出機(40mmφ、L/
D=47)を用いた。スクリューとしては注入口の前後
に混練部を有した2条スクリューを用いた。表1に記載
した組成比で混合したのち2軸押出機(シリンダー温度
220℃)に導入し、溶融押出を行った。但し、MOを
用いる組成物については、MO以外を混合したのち2軸
押出機(シリンダー温度220℃)に導入し、引き続
き、押出機の中央部にある注入口より所定量のMOをポ
ンプにより注入し、溶融押出を行った。
【0037】このようにして得られた組成物から200
℃にて圧縮成形により2mm厚のシートを作成し、各機
械的特性及びオイルブリード性を評価した。その結果を
表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1によると、平均粒子径0.001〜1
0μmであり、250℃で溶融しない粉体を添加した場
合は、オイルブリードはなく、柔軟性、引張破断強度等
の機械的強度が向上するが、特に表面処理をした粉体を
使用する場合は、機械的強度の向上は著しいことが分か
る。またEPDMを用いた熱可塑性エラストマー組成物
は、ギヤオーブン中で120℃、100時間の条件での
加熱で黄変し、色調変化は著しく、一方、エチレンとオ
クテン−1との共重合体のチーグラー触媒重合品の組成
物は機械的強度が低いことが分かる。
【0040】
【発明の効果】本発明の組成物は、熱可塑性オレフィン
系エラストマーに軟化剤を多量に添加することを可能に
し、その結果として優れた加工性、柔軟性、機械的特性
を有する。本発明の組成物は、自動車用部品、自動車用
内装材、エアバッグカバー、機械部品、電気部品、ケー
ブル、ホース、ベルト、玩具、雑貨、日用品、建材、シ
ート、フィルム等を始めとする用途に幅広く使用可能で
あり、産業界に果たす役割は大きい。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AE04Y AE05Y BB02X BB05W BB14X BB15X BC11Z BP02X CC03Z CC12Z CC16Z CC18Z CD00Z CD16Y CF21Z CH07Z CH12Z CL06Z CP02Z CP03Z DA087 DA097 DA107 DA117 DE067 DE077 DE097 DE117 DE127 DE137 DE147 DE217 DE237 DE267 DE287 DJ007 DJ017 DJ037 DJ047 DJ057 DK007 EA046 ED026 EE036 EH036 EH046 EH096 EH146 EU187 EV286 EW057 FA087 FB087 FB097 FD01U FD010 FD017 FD02Y FD026 FD200

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)エチレンと炭素数6〜12のα−オ
    レフィンからなる、メタロセン系触媒を用いて製造した
    エチレン・αーオレフィン共重合体 1〜99重量部と
    (B)プロピレン系樹脂 1〜99重量部[(A)と
    (B)の合計量が100重量部]と(C)軟化剤 1〜
    500重量部、及び(D)平均粒子径0.001〜10
    μmであり、250℃で溶融しない粉体 0.1〜20
    0重量部とからなる部分的または完全に架橋された熱可
    塑性オレフィン系エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】(D)が表面処理剤で処理された粉体であ
    る請求項1記載の熱可塑性オレフィン系エラストマー組
    成物。
  3. 【請求項3】(D)が表面処理剤が有機酸である請求項
    2記載の熱可塑性オレフィン系エラストマー組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010534747A (ja) * 2007-07-30 2010-11-11 ナノレジンス・アクチェンゲゼルシャフト 可塑剤組成物

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