JP2017179196A - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、耐折性、耐熱性、接着性、接続信頼性、絶縁信頼性等の基本特性を有しつつ、レーザー加工性、デスミアエッチング性及び塗工性に優れた熱硬化性樹脂組成物を提供することにある。
【解決手段】(A)液状エポキシ樹脂と、(B)軟化点125℃以下の固形エポキシ樹脂と、(C)ベンゾアート基および主鎖にポリメチレン基を有する芳香族ジアミン化合物と、(D)Tgが130℃以上のフェノキシ樹脂と、(E)Tgが200℃以上、質量平均分子量が50000以下である溶剤可溶性ポリアミドイミド樹脂と、を含むことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性樹脂組成物、例えば、放熱基板等の接着剤やプリプレグに用いることができる、塗工性に優れた熱硬化性樹脂組成物に関するものである。
近年、電子機器の薄型化と小型化に伴い、これらの機器に使用されるプリント配線板やモジュール基板に、樹脂製基板に回路パターンを形成したフレキシブルプリント配線板が使用されることがある。フレキシブルプリント配線板に、例えば、プリプレグを形成する熱硬化性樹脂組成物は、その硬化物が、耐折性(柔軟性)、耐熱性、接続信頼性、絶縁信頼性等に優れることが要求されている。また、プリント配線板やモジュール基板に搭載される電子部品は、近年、高機能化等により発熱量が増大しているので、プリント配線板やモジュール基板には、放熱特性が要求される場合がある。
さらに、フレキシブルプリント配線板上に、熱硬化性樹脂組成物を塗工し、塗工した熱硬化性樹脂組成物を半硬化状態(Bステージ)にすることで、フレキシブルプリント配線板上に接着剤を設け、該接着剤を用いて、銅、アルミニウム等の金属製材料(金属製の基板材料)をフレキシブルプリント配線板上に接着して、積層板を形成することがある。この場合、熱硬化性樹脂組成物の硬化物には、さらに、接着性や密着性も要求される。
そこで、耐折性、耐熱性、絶縁信頼性、接着性等に優れた樹脂組成物として、エポキシ樹脂(a)、硬化剤(b)、フェノール性水酸基を有するポリアミド−ポリ(ブタジエン−アクリロニトリル)共重合体(c)、イオン捕捉剤(d)及び難燃性付与剤(e)を含有するエポキシ樹脂組成物が提案されている(特許文献1)。
しかし、特許文献1のエポキシ樹脂組成物は、揮発性溶剤との相溶性が十分とはいえず、揮発性溶剤に溶解しているエポキシ樹脂組成物の固形分を増大させることができないので、塗工性(例えば、厚い硬化膜を形成する場合の塗工性)が十分ではないという問題があった。また、特許文献1のエポキシ樹脂組成物の硬化物は、積層板を形成するにあたり、レーザー加工性やデスミアエッチング性も十分ではないという問題があった。
特開2005−126543号公報
上記事情に鑑み、本発明の目的は、耐折性、耐熱性、接着性、接続信頼性、絶縁信頼性等の基本特性を有しつつ、レーザー加工性、デスミアエッチング性及び塗工性に優れた熱硬化性樹脂組成物を提供することにある。
本発明の態様は、(A)液状エポキシ樹脂と、(B)軟化点125℃以下の固形エポキシ樹脂と、(C)ベンゾアート基および主鎖にポリメチレン基を有する芳香族ジアミン化合物と、(D)Tgが130℃以上のフェノキシ樹脂と、(E)Tgが200℃以上、質量平均分子量が50000以下である溶剤可溶性ポリアミドイミド樹脂と、を含むことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物である。
本明細書中、液状エポキシ樹脂の「液状」、固形エポキシ樹脂の「固形」は、それぞれ、常温常圧(25℃、1atm)にて、液相、固相であることを意味する。また、「溶剤可溶性」とは、本発明の熱硬化性樹脂組成物の製造に使用する溶剤に可溶性であることを意味する。
本発明の態様は、前記(A)液状エポキシ樹脂と前記(B)固形エポキシ樹脂と前記(C)芳香族ジアミン化合物との合計量100質量部に対し、前記(D)フェノキシ樹脂と前記(E)溶剤可溶性ポリアミドイミド樹脂との合計量が、10質量部以上50質量部以下であることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物である。
本発明の態様は、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素及び水酸化アルミニウムからなる群から選択された少なくとも1種の(F)フィラーを、さらに含むことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物である。
本発明の態様は、さらに、(G)難燃剤を含むことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物である。
本発明の態様は、放熱基板の接着剤用であることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物である。
本発明の態様は、前記放熱基板が、樹脂基板、銅製基板材料及び/またはアルミニウム製基板材料を備えることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物である。
本発明の態様は、上記熱硬化性樹脂組成物を含むことを特徴とする接着剤である。
本発明の態様は、放熱基板に用いることを特徴とする接着剤である。
本発明の態様は、上記熱硬化性樹脂組成物を用いたことを特徴とするプリプレグである。
本発明の特徴は、上記接着剤を備えたことを特徴とする放熱基板である。
本発明の特徴は、上記プリプレグを用いて積層形成した積層板である。
本発明の態様によれば、(C)ベンゾアート基および主鎖にポリメチレン基を有する芳香族ジアミン化合物と(E)Tgが200℃以上、質量平均分子量が50000以下である溶剤可溶性ポリアミドイミド樹脂とを含むことにより、接着性を向上させつつ、さらに、レーザー加工性、デスミアエッチング性及び塗工性に優れた熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。
本発明の態様によれば、(A)液状エポキシ樹脂と(B)固形エポキシ樹脂と(C)芳香族ジアミン化合物との合計量100質量部に対し、(D)フェノキシ樹脂と(E)溶剤可溶性ポリアミドイミド樹脂との合計量が、10質量部以上50質量部以下であることにより、耐折性、耐熱性及び接着性と、接続信頼性、レーザー加工性、デスミアエッチング性及び塗工性とを、バランスよく向上させることができる
本発明の態様によれば、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、シリカ及び水酸化アルミニウムからなる群から選択された(F)フィラーを含むことにより、例えば、放熱基板の接着剤として用いた場合に、熱伝導率が向上し、優れた放熱特性を得ることができる。
次に、本発明の熱硬化性樹脂組成物について、以下に説明する。本発明の熱硬化性樹脂組成物は、(A)液状エポキシ樹脂と、(B)軟化点125℃以下の固形エポキシ樹脂と、(C)ベンゾアート基および主鎖にポリメチレン基を有する芳香族ジアミン化合物と、(D)Tgが130℃以上のフェノキシ樹脂と、(E)Tgが200℃以上、質量平均分子量が50000以下である溶剤可溶性ポリアミドイミド樹脂と、を含む。
(A)液状エポキシ樹脂
熱硬化性樹脂組成物の硬化物の特性を、プリント配線板の材料として多用されるFR−4基板に近づけるには、固形エポキシ樹脂を使用するのが好ましいところ、エポキシ樹脂として、固形のもののみを配合するのでは、硬化工程の際に熱硬化性樹脂組成物全体を均一な溶融状態とするのが難しい。そこで、液状エポキシ樹脂と固形エポキシ樹脂を併用する、すなわち、常温にて液状であるエポキシ樹脂も配合することにより、硬化工程の際の溶融を連続的に生じさせ、熱硬化性樹脂組成物全体を均一な溶融状態にする。
上記液状エポキシ樹脂は、常温常圧(25℃、1atm)にて液状であるエポキシ樹脂であれば、特に限定されず、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、о−クレゾールノボラック型等のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル型多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型多官能エポキシ樹脂、複素環式多官能エポキシ樹脂、ビスフェノール変性ノボラック型エポキシ樹脂、多官能変性ノボラック型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物型エポキシ樹脂等を挙げることができる。
これらのうち、熱硬化性樹脂組成物の硬化物における耐折性の点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂が好ましく、また、耐熱性の点から、1分子中に2個以上のグリシジル基を持つエポキシ樹脂が好ましい。これらの液状エポキシ樹脂は、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
液状エボキシ樹脂の粘度は、特に限定されないが、25℃で、1.0〜120Pa・sが好ましく、1.2〜100Pa・sが特に好ましい。なお、上記粘度は、E型粘度計を用いて測定した値である。
(B)軟化点125℃以下の固形エポキシ樹脂
軟化点が125℃以下であって、常温常圧(25℃、1atm)にて固形であるエポキシ樹脂であれば、特に限定されず、例えば、上記した各種エポキシ樹脂を挙げることができる。
これらのうち、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂が好ましく、また、耐熱性の点から、1分子中に2個以上のグリシジル基を持つエポキシ樹脂が好ましい。これらの固形エポキシ樹脂は、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
固形エポキシ樹脂の軟化点を125℃以下とするのは、変性材として用いる(D)成分であるフェノキシ樹脂のTgを130℃以上と限定していることによる。つまり、熱硬化性樹脂組成物が硬化する際に、(B)成分である固形エポキシ樹脂が(D)成分であるフェノキシ樹脂の溶融前に溶融していることにより、熱硬化性樹脂組成物の硬化物の均一化を図るためである。
固形エポキシ樹脂の軟化点は125℃以下であれば、特に限定されないが、例えば、その上限値は、(D)成分であるフェノキシ樹脂の溶融前に確実に溶融させる点から100℃が好ましい。また、上記軟化点の下限値は、特に限定されないが、例えば、熱硬化性樹脂組成物全体を確実に均一な溶融状態とする点から、50℃が好ましい。
液状エポキシ樹脂と軟化点125℃以下の固形エポキシ樹脂との配合割合は、特に限定されず、硬化物の特性と硬化工程時の溶融制御の点から、適宜選択可能である。例えば、液状エポキシ樹脂100質量部に対して、耐熱性の点から軟化点125℃以下の固形エポキシ樹脂を100〜400質量部配合するのが好ましく、接続信頼性の点から軟化点125℃以下の固形エポキシ樹脂を130〜200質量部配合するのが特に好ましい。
(C)ベンゾアート基および主鎖にポリメチレン基を有する芳香族ジアミン化合物
(C)成分である芳香族ジアミン化合物は、ポリイミドフィルム等の樹脂製基板やアルミニウム、酸化アルミニウム等の金属材料(例えば、基板に用いる材料)に対する接着性の向上と、耐熱性と耐折性の向上に寄与する。
上記ポリメチレン基が有するメチレン基の個数は、特に限定されないが、その下限値は、耐折性をより向上させる点から3個が好ましく、4個が特に好ましい。一方で、その上限値は、耐熱性の低下を防止する点から16個が好ましく、10個が特に好ましい。
(C)成分である芳香族ジアミン化合物としては、例えば、トリメチレン-ビス(4-アミノベンゾアート)(融点122℃)、ポリ(テトラ/3-メチルテトラメチレンエーテル)グリコールビス(4-アミノベンゾアート)(液状)、ポリテトラメチレンオキシド-ジ-p-アミノベンゾアート(融点15〜60℃)等が挙げられる。これらの芳香族ジアミン化合物は、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
(C)成分である芳香族ジアミン化合物は、固形である場合、その融点は特に限定されないが、上記した固形エポキシ樹脂の軟化点と同じ理由から、上限値は、125℃が好ましく、100℃が特に好ましい。一方で、融点の下限値は、50℃が好ましい。
(C)成分である芳香族ジアミン化合物の配合量は、特に限定されないが、耐熱性の点から、(A)液状エポキシ樹脂のエポキシ当量数と(B)軟化点125℃以下の固形エポキシ樹脂のエポキシ当量数との合計値1.0に対して、(C)成分である芳香族ジアミン化合物の活性水素当量数0.95〜1.5となる配合量が好ましい。
なお、各エポキシ樹脂のエポキシ当量数は、以下のものである。各エポキシ樹脂の各エポキシ当量数=(組成物中の各エポキシ樹脂の固形分質量)/(各エポキシ樹脂の各エポキシ当量)。また、(C)成分である芳香族ジアミン化合物の活性水素当量数は、以下のものである。芳香族ジアミン化合物の活性水素当量数=(組成物中の芳香族ジアミン化合物の質量)/(芳香族ジアミン化合物の活性水素当量)。
(D)Tgが130℃以上のフェノキシ樹脂
Tgが130℃以上のフェノキシ樹脂は、特に、接続信頼性の向上に寄与し、例えば、FR−4基板と同等程度の接続信頼性を得ることができる。接続信頼性は、125℃と65℃との間の冷熱サイクル試験により判断されることが多く、接続信頼性を左右する要素の一つである熱膨張率はTgの前後で大きく変化することから、フェノキシ樹脂のTgは130℃以上が必要となる。なお、本明細書において、Tg(ガラス転移温度)は、DSC法で測定した値である。また、Tgが130℃以上のフェノキシ樹脂は、さらに、レーザー加工性とデスミアエッチング性に寄与する。
Tgが130℃以上のフェノキシ樹脂の種類は特に限定されず、例えば、BPA/BPS型、BP/BPS型、BP型、BPS型等を挙げることができ、このうち、耐熱骨格を有するものが好ましい。これらは、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。また、Tgが130℃以上のフェノキシ樹脂の質量平均分子量は、特に限定されないが、上記硬化物の耐折性の点から10000〜200000が好ましく、20000〜100000が特に好ましい。
Tgが130℃以上のフェノキシ樹脂のTgの上限値は、特に限定されないが、均一溶融の点から、本発明の熱硬化性樹脂組成物の熱硬化処理温度以下が好ましい。なお、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂を含有する組成物なので、通常、熱硬化処理温度は180℃以下である。従って、Tgが130℃以上のフェノキシ樹脂のTgの上限値は、例えば、180℃以下である。
上市されている,Tgが130℃以上のフェノキシ樹脂としては、例えば、YL6954BH30(JER社製、Tg130℃)、ERF−001M30(新日鐵化学社製、Tg146℃)、YX8100BH30(JER社製、Tg150℃)等が挙げられる。
(E)Tgが200℃以上、質量平均分子量が50000以下である溶剤可溶性ポリアミドイミド樹脂
Tgが200℃以上、質量平均分子量が50000以下である溶剤可溶性ポリアミドイミド樹脂(以下、「溶剤可溶性ポリアミドイミド樹脂」ということがある。)は、(C)成分である芳香族ジアミン化合物と相まって、接着性の向上に寄与しつつ、優れたレーザー加工性、デスミアエッチング性及び塗工性の付与に寄与する。上記の通り、通常の熱硬化処理温度は最大180℃程度なので、耐熱性の点から、溶剤可溶性ポリアミドイミド樹脂のTgは200℃以上が必要である。また、樹脂ワニス相溶性(ひいては、例えば、厚い硬化膜を形成する場合等、における優れた塗工性)を得る点から、質量平均分子量が50000以下であることが必要である。
溶剤可溶性ポリアミドイミド樹脂は、Tgが200℃以上なので、180℃程度の熱硬化処理工程において、溶剤可溶性ポリアミドイミド樹脂自体は軟化が起こらず他成分との相溶が不均一になる。しかし、(C)成分である芳香族ジアミン化合物が配合されていることにより、熱硬化性樹脂組成物は、全体としては概ね軟化し、溶剤可溶性ポリイミド樹脂を含む全ての構成成分が擬似相溶状態にて熱硬化できる。これにより、熱硬化後の硬化物性が均一化される。
また、均一化された硬化物性は、硬化物の加工特性の向上にも寄与する。すなわち、レーザー加工性やデスミアエッチング性が向上して、デスミアエッチング後におけるスミアの残渣を低減できる。
溶剤可溶性ポリアミドイミド樹脂の種類は特に限定されず、例えば、トリカルボン酸無水物とジイソシアネート化合物とをイミド化反応させた反応生成物、トリカルボン酸無水物のクロリドとジアミン化合物とをイミド化反応させた反応生成物を挙げることができる。
トリカルボン酸無水物としては、例えば、トリメリット酸無水物を挙げることができる。
ジイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ジイソシアネートを挙げることができ、例えば、ビフェニルジイソシアネート、ジメチルビフェニルジイソシアネート、ジエチルビフェニルジイソシアネート、ジメトキシビフェニルジイソシアネート等を挙げることができる。
ジアミン化合物としては、芳香族ジアミン化合物を挙げることができ、例えば、ジアミノベンゾフェノン、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニル、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルアミド、ジアミノジフェニルメタン、ビス(アミノフェノキシ)ビフェニル等を挙げることができる。
これらの溶剤可溶性ポリアミドイミド樹脂は、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
溶剤可溶性ポリアミドイミド樹脂の質量平均分子量は、50000以下であれば特に限定されないが、確実に樹脂ワニス相溶性を得る点から35000以下が好ましく、樹脂ワニス相溶性をより向上させる点から30000以下が特に好ましい。一方で、溶剤可溶性ポリアミドイミド樹脂の質量平均分子量の下限値は、特に限定されないが、耐熱性の点から20000が好ましく、上記硬化物の耐折性の点から25000が特に好ましい。
また、溶剤可溶性ポリアミドイミド樹脂のTgは、200℃以上であれば、特に限定されないが、耐熱性をより向上させる点から250℃以上が好ましい。一方で、溶剤可溶性ポリアミドイミド樹脂のTgの上限値は、特に限定されないが、樹脂ワニス相溶性の低下を確実に防止する点から350℃が好ましい。
(A)液状エポキシ樹脂と(B)成分の固形エポキシ樹脂と(C)成分の芳香族ジアミン化合物との合計量100質量部に対する、(D)成分のフェノキシ樹脂と(E)溶剤可溶性ポリアミドイミド樹脂との合計の配合量は、特に限定されないが、その下限値は、接続信頼性と接着性をより向上させつつ、より優れたレーザー加工性、デスミアエッチング性及び塗工性を付与する点から10質量部が好ましく、上記硬化物の耐折性の点から20質量部が特に好ましい。一方で、上記配合量の上限値は、本発明の熱硬化性樹脂組成物の硬化物において、優れた機械的強度を得る点から50質量部が好ましく、40質量部が特に好ましい。
また、(D)成分のフェノキシ樹脂と(E)溶剤可溶性ポリアミドイミド樹脂との配合割合は、特に限定されないが、(E)溶剤可溶性ポリアミドイミド樹脂の質量:(D)成分のフェノキシ樹脂の質量は、上記擬似相溶状態での熱硬化による硬化物性の均一化と上記溶剤可溶性ポリアミドイミド樹脂の作用とのバランスの点から、1.0:1.5〜1.0:19が好ましく、より優れた擬似相溶状態を得る点から、1.0:3.0〜1.0:7.0が特に好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物では、上記(A)成分〜(E)成分に加えて、必要に応じて、さらに、(F)フィラーや(G)難燃剤を配合してもよい。
(F)フィラー
本発明の熱硬化性樹脂組成物では、フィラーを配合することで、例えば、本発明の熱硬化性樹脂組成物を、放熱基板の接着剤として用いる際に、該接着剤の熱伝導率を向上させることができ、また、熱硬化性樹脂組成物の硬化物の機械的強度を向上させることができる。優れた熱伝導率を付与しつつ、機械的強度を向上させるフィラーとしては、例えば、酸化アルミニウム(熱伝導率32W/mK)、窒化アルミニウム(熱伝導率150W/mK)、窒化ホウ素(熱伝導率33〜55W/mK)、窒化ケイ素(熱伝導率20W/mK)、水酸化アルミニウム(熱伝導率7.0W/mK)等を挙げることができる。これらは、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
フィラーの配合量は、特に限定されないが、例えば、その下限値は、上記(A)成分〜(E)成分の合計量100質量部に対し、熱伝導率と機械的強度とを確実に向上させる点から30質量部が好ましく、40質量部がより好ましく、より優れた放熱特性を得る点から50質量部が特に好ましい。一方で、その上限値は、上記(A)成分〜(E)成分の合計量100質量部に対し、優れたレーザー加工性、デスミアエッチング性及び塗工性を維持する点から300質量部が好ましく、250質量部がより好ましく、200質量部が特に好ましい。
(G)難燃剤
難燃剤を配合することで、本発明の熱硬化性樹脂組成物に難燃性を付与することができる。難燃剤は特に限定されず、公知のものを使用できる。難燃剤としては、例えば、有機リン酸塩等のリン元素含有化合物等を挙げることができる。リン元素含有化合物の具体例としては、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ブロモプロピル)ホスフェート、トリス(ブロモクロロプロピル)ホスフェート、2,3−ジブロモプロピル−2,3−クロロプロピルホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(ジブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェートなどの含ハロゲン系リン酸エステル;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート等のノンハロゲン系脂肪族リン酸エステル;トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ジイソプロピルフェニルフェニルホスフェート、トリス(トリメチルフェニル)ホスフェート、トリス(t−ブチルフェニル)ホスフェート、ヒドロキシフェニルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、3−グリシジルオキシプロピレンジフェニルホスフィンオキシド、3−グリシジルオキシジフェニルホスフィンオキシド、ジフェニルビニルホスフィンオキシド、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド、2−(9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−オキサイド−10−ホスファフェナントレン−10−イル)メチルコハク酸ビス−(2−ヒドロキシエチル)−エステル重合物などのノンハロゲン系芳香族リン酸エステル;トリスジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスメチルエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスジフェニルホスフィン酸アルミニウム、ビスジエチルホスフィン酸亜鉛、ビスメチルエチルホスフィン酸亜鉛、ビスジフェニルホスフィン酸亜鉛、ビスジエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスジエチルホスフィン酸チタン、ビスメチルエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスメチルエチルホスフィン酸チタン、ビスジフェニルホスフィン酸チタニル、テトラキスジフェニルホスフィン酸チタンなどのホスフィン酸の金属塩、環状フェノキシホスファゼン、環状シアノフェノキシホスファゼンなどの、置換若しくは非置換のフェノキシ基または置換若しくは非置換のナフトキシ基を有する環状若しくは鎖状のホスファゼン系化合物等のホスファゼン類、トリアリルホスフィン等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
難燃剤の配合量は、特に限定されず、例えば、上記(A)成分〜(E)成分の合計量100質量部に対し、1.0〜20質量部が好ましく、2.0〜10質量部が特に好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物では、上記(A)成分〜(E)成分に加えて、必要に応じて、さらに、硬化促進剤をすることができる。硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール類等を挙げることができ、主に、反応速度、ポットライフの観点から選択することができる。
イミダゾール類としては、例えば、2-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール、4,4’-メチレンビス(2-エチル-5-メチルイミダゾール)やTPPなどがある。
本発明の熱硬化性樹脂組成物に使用可能な溶剤は、特に限定されず、例えば、NMP(N−メチルピロリドン)やγ-ブチロラクトン等の高沸点(沸点180〜250℃)有機溶剤とシクロヘキサノンやMEK(メチルエチルケトン)等の中、低沸点(沸点60〜150℃)有機溶剤を組み合わせることが好ましい。また、他の溶剤としては、DMF(ジメチルホルムアミド)、DMAC(ジメチルアセトアミド)等を挙げることができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物をBステージ(半硬化の状態)化することにより、樹脂フィルムを得ることができる。すなわち、本発明の樹脂組成物を有機溶剤で希釈することでワニスとし、これを必要に応じて離型処理した樹脂フィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム))上にダイコーター等の公知の塗工方法で塗布し、乾燥することにより、半硬化状態の熱硬化性樹脂フィルムを得ることができる。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物を金属箔に塗工することにより、接着剤付き金属箔を得ることができる。この金属箔としては、例えば、表面粗化した銅箔、アルミニウム箔等を挙げることができ、熱伝導性と導電性の点から銅箔が特に好ましい。なお、上記金属箔は、例えば、放熱基板等の基板に用いる材料として使用することができる。
また、上記樹脂フィルム及び樹脂付き銅箔(RCC)は、リジッドコア又はフレキシブル配線板(FPC)コアを有するビルドアップ基板の高密度配線(HDI)材料として、レーザービアなどの非貫通ビアホールを持つプリント配線板にも使用することができる。
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、これらの例に限定されるものではない。
実施例1〜5、比較例1〜7
下記表1に示す各成分を下記表1に示す配合割合にて配合し、3本ロールを用いて室温にて混合分散させて、実施例1〜5、比較例1〜7にて使用する熱硬化性樹脂組成物(樹脂ワニス)を調製した。そして、調製した上記樹脂ワニスを以下のように塗工して試験片を作製した。下記表1中の数字は質量部を示す。また、下記表1中の空欄は配合なしを意味する。
Figure 2017179196
なお、表1中の各成分についての詳細は以下の通りである。
(A)液状エポキシ樹脂
・エピクロン850−S:DIC社製、エポキシ当量188
(B)軟化点125℃以下の固形エポキシ樹脂
・HP−7200H:DIC社製、エポキシ当量283、軟化点83℃
・N−695:DIC社製、エポキシ当量209〜219、軟化点90〜100℃
(C)ベンゾアート基および主鎖にポリメチレン基を有する芳香族ジアミン化合物
・エラストマー250P:イハラケミカル社製、融点60℃
・CUA−4:イハラケミカル社製、融点122℃
(D)Tgが130℃以上のフェノキシ樹脂
・ERF-001M30:新日鐵化学社製、Tg146℃、樹脂固形分30質量%
・YX8100BH30:三菱化学社製、Tg150℃、樹脂固形分30重量%
(E)Tgが200℃以上、質量平均分子量が50000以下である溶剤可溶性ポリアミドイミド樹脂
・バイロマックスHR−12N2:東洋紡社製、Tg255℃、質量平均分子量11000、樹脂固形分30質量%
・HPC−5020−30:日立化成社製、Tg256℃、質量平均分子量30000、樹脂固形分30質量%
(F)フィラー
・ハイジライトH−42M:昭和電工社製
(G)難燃剤
・ラビトルFP−110:伏見製薬所社製
その他の成分
・BAPP:セイカ社製、融点128℃
・LA−7054:DIC社製、水酸基価125、樹脂固形分60質量%
・YP−55:新日鐵住金化学社製、Tg84℃
・リカコートSN−20:新日本理化社製、Tg300℃、質量平均分子量130000、樹脂固形分20質量%
試験片作製工程
それぞれの樹脂ワニスについて、固形分45質量%となるように溶剤(NMP)で調整した。樹脂ワニスを38μmポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)上にダイコーターで塗布し120℃の温度で乾燥して厚さ51μmのB状態の熱硬化性樹脂組成物を有するフィルム(a)を製造した。また、揮発分は0.5質量%に調整した。保護フィルムとしてポリエチレンフィルム(PEフィルム)をB状態の熱硬化性樹脂組成物上にラミネートした。その後、ポリエチレンフィルム(ラミネート)を剥離し、B状態の熱硬化性樹脂組成物上に18μmの表面処理なし銅箔を重ね合わせ、170℃×3分、1MPaにてクイックプレスをした。その後、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離してから、真空プレスに仕込み(真空度5torr)、180℃×120分、1MPaにて、完全に硬化させて成形し、成形物(1)を得た。
表面処理なし銅箔に代えて、処理足付きの銅箔を用いた以外は、上記成形物(1)の製法と同様にして、成形物(2)を得た。
厚さ25μmのオールポリイミド銅張板(銅箔18μm)に、回路及びスルーホールを形成し、回路を黒色酸化銅処理してから、保護フィルムの剥離された上記フィルム(a)のB状態の熱硬化性樹脂組成物が塗工された側を、銅張板と重ね合わせることで、銅張板の両面を上記フィルム(a)でラミネートした。次に、170℃×3分、1MPaにてクイックプレスをし、上記フィルム(a)のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した。次に、両面に銅箔を重ね合わせ、真空プレスに仕込み(真空度1torr)、180℃×90分、1MPaにて、完全に硬化させて成形した。冷却後に真空プレスから取り出し、コンフォーマルマスク法で、銅箔をエッチングし、該エッチング部位からCOレーザーを照射し、熱硬化した熱硬化性樹脂組成物に所定孔径のブラインドビアを形成した。その後、過マンガン酸デスミア溶液でブラインドビアの表面粗化を行い、ブラインドビア内底部の残存物も溶解除去した。これに無電解銅メッキ0.5μm、電解銅メッキ20μmを付け、180℃×30分のアフターベーキングを行った。これに回路を形成し、ビルドアップ層が片側1層の4層ビルドアップ多層プリント配線板(PWB(I))を作製した。
JPCA−HD01のテストパターン基板を用いた以外は、上記PWB(I)の作製方法に準拠して、多層プリント配線板(PWB(II))を作製した。
なお、表2中、*1)は、上記成形物(2)の銅箔の代わりに、酸化アルミニウム箔(AL1060)を使用したものである。また、*2)は、上記成形物(2)の銅箔の代わりに、ポリイミドフィルムを使用したものである。
評価方法を以下に示す。
(1)耐折性
MIT試験:JIS P 8115 折り曲げ角度135°
(2)Tg
TMA法 IPC TM−650 2.4.24C
(3)CTE(熱膨張率)
IPC TM−650 2.4.24C
(4)ピール強度
IPC TM−650 2.4.8
(5)接続信頼性
JPCA−BU01による(125℃×30min←→−65℃×30min(1cycle)
(6)絶縁信頼性
高温高湿バイアス試験 85℃×85%RH、DC=30V (ただし槽内測定)
(7)レーザー加工性
COレーザー加工後のブラインドビア(トップ径100μm)の樹脂ワニスの残渣を顕微鏡(×200)にて観察した。
○:ブラインドビアの底部の1割以下の領域に樹脂ワニスの残渣あり
△:ブラインドビアの底部の1割超半分以下の領域に樹脂ワニスの残渣あり
×:ブラインドビアの底部の半分超の領域に樹脂ワニスの残渣あり
(8)デスミアエッチング性
過マンガン酸デスミア溶液処理後のブラインドビア(トップ径100μm)について、樹脂ワニスの残渣を顕微鏡(×200)にて観察した。
○:ブラインドビアの底部の1割以下の領域に樹脂ワニスの残渣あり
△:ブラインドビアの底部の1割超半分以下の領域に樹脂ワニスの残渣あり
×:ブラインドビアの底部の半分超の領域に樹脂ワニスの残渣あり
(9)樹脂ワニス相溶性
樹脂組成物の固形分を45質量%に調整した樹脂ワニス(溶剤はNMP)を25℃にて7日間放置して、NMPに対する樹脂ワニスの相溶性(樹脂ワニスの析出状態)を目視にて観察した。
○:析出なし
△:析出若干あり
×:析出あり
(10)熱伝導率(W/mk)
レーザーフラッシュ法を用いて測定した。
評価結果を下記表2に示す。
Figure 2017179196
表2に示すように、(A)液状エポキシ樹脂と、(B)軟化点125℃以下の固形エポキシ樹脂と、(C)ベンゾアート基および主鎖にポリメチレン基を有する芳香族ジアミン化合物と、(D)Tgが130℃以上のフェノキシ樹脂と、(E)Tgが200℃以上、質量平均分子量が50000以下である溶剤可溶性ポリアミドイミド樹脂と、を含む実施例1〜5では、ピール強度、接続信頼性及び絶縁信頼性を向上させつつ、さらに、レーザー加工性、デスミアエッチング性及び樹脂ワニス相溶性に優れた熱硬化性樹脂組成物を得ることができた。実施例1〜5では、樹脂ワニス相溶性に優れるので、優れた塗工性(例えば、厚い硬化膜を形成する場合の塗工性)が得られることが判明した。また、実施例1〜5では、良好な熱伝導率を得ることができた。
さらにフィラーとして水酸化アルミニウムを配合した実施例5では、熱伝導率がさらに向上した。また、上記フィラーを配合しなかった実施例1〜4では、さらに、優れた耐折性が得られた。さらに、実施例では、Tgが129℃以上と、良好な耐熱性が得られた。
一方で、(C)成分ではない芳香族ジアミン化合物を配合した比較例1、芳香族ジアミン化合物を配合しなかった比較例2では、酸化アルミニウム箔とポリイミドフィルムに対するピール強度が低下した。また、液状エポキシ樹脂を配合しなかった比較例3、軟化点125℃以下の固形エポキシ樹脂を配合しなかった比較例4では、レーザー加工性、デスミアエッチング性が得られなかった。Tgが130℃以上のフェノキシ樹脂に代えて、Tgが130℃未満のフェノキシ樹脂を配合した比較例5では、酸化アルミニウム箔に対するピール強度と接続信頼性が低下し、レーザー加工性、デスミアエッチング性も得られなかった。
Tgが200℃以上、質量平均分子量が50000以下である溶剤可溶性ポリアミドイミド樹脂を配合しなかった比較例6では、銅箔、酸化アルミニウム箔、ポリイミドフィルムに対するピール強度、接続信頼性及び絶縁信頼性が、いずれも低下し、レーザー加工性、デスミアエッチング性も得られなかった。また、上記ポリアミドイミド樹脂に代えて、溶剤可溶性ポリイミド樹脂を配合した比較例7では、樹脂ワニス相溶性が得られなかったので、塗工性(例えば、厚い硬化膜を形成する場合の塗工性)が得られないことが判明した。
本発明は、接着性を向上させつつ、さらに、レーザー加工性、デスミアエッチング性及び塗工性に優れた熱硬化性樹脂組成物を得ることができ、また良好な熱伝導性を有するので、例えば、フレキシブルビルドアッププリント配線板用や放熱基板用として使用することができる。

Claims (11)

  1. (A)液状エポキシ樹脂と、(B)軟化点125℃以下の固形エポキシ樹脂と、(C)ベンゾアート基および主鎖にポリメチレン基を有する芳香族ジアミン化合物と、(D)Tgが130℃以上のフェノキシ樹脂と、(E)Tgが200℃以上、質量平均分子量が50000以下である溶剤可溶性ポリアミドイミド樹脂と、を含むことを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  2. 前記(A)液状エポキシ樹脂と前記(B)固形エポキシ樹脂と前記(C)芳香族ジアミン化合物との合計量100質量部に対し、前記(D)フェノキシ樹脂と前記(E)溶剤可溶性ポリアミドイミド樹脂との合計量が、10質量部以上50質量部以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素及び水酸化アルミニウムからなる群から選択された少なくとも1種の(F)フィラーを、さらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. さらに、(G)難燃剤を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. 放熱基板の接着剤用であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 前記放熱基板が、樹脂基板、銅製基板材料及び/またはアルミニウム製基板材料を備えることを特徴とする請求項5に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物を含むことを特徴とする接着剤。
  8. 放熱基板に用いることを特徴とする請求項7に記載の接着剤。
  9. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物を用いたことを特徴とするプリプレグ。
  10. 請求項7または8に記載の接着剤を備えたことを特徴とする放熱基板。
  11. 請求項9に記載のプリプレグを用いて積層形成した積層板。
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