JP2013203950A - 熱硬化性樹脂組成物、樹脂フィルム、銅張板およびフレキシブルプリント配線板 - Google Patents
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Abstract
【課題】、反り性、寸法安定性、屈曲性に優れ、ポリイミドフィルム等の基材を使用しなくともフレキシブルプリント配線板を製造できるような、熱硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】熱硬化性樹脂組成物は、(A)脂環式エポキシ樹脂、(B)芳香族ジアミン化合物および(C)Tgが250℃以上である溶剤可溶性ポリイミドとTgが250℃以上である溶剤可溶性ポリアミドイミドとの少なくとも一方を含有する。(A)脂環式エポキシ樹脂と(B)芳香族ジアミン化合物の合計量を100質量部としたとき、(C)溶剤可溶性ポリイミドと溶剤可溶性ポリアミドイミドとの合計量が30質量部以上、100質量部以下である。
【選択図】 なし
【解決手段】熱硬化性樹脂組成物は、(A)脂環式エポキシ樹脂、(B)芳香族ジアミン化合物および(C)Tgが250℃以上である溶剤可溶性ポリイミドとTgが250℃以上である溶剤可溶性ポリアミドイミドとの少なくとも一方を含有する。(A)脂環式エポキシ樹脂と(B)芳香族ジアミン化合物の合計量を100質量部としたとき、(C)溶剤可溶性ポリイミドと溶剤可溶性ポリアミドイミドとの合計量が30質量部以上、100質量部以下である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、反り性、寸法安定性および屈曲性に優れたフレキシブルプリント配線板を製造するための熱硬化性樹脂組成物に関するものであり、またこの組成物を用いた樹脂フィルム、銅張板に関するものである。
従来、屈曲可能なフレキシブルプリント配線板に使用される絶縁体には、ポリイミドフィルム等の基材を用いた場合と基材を用いない場合があった。ポリイミド等の基材を用いる場合は、反り性、寸法安定性、屈曲性等は優れているが、ポリイミドフィルム自体の値段が高く、また、基材と銅箔との間に接着剤を使用する必要があるため、高価であった。
一方、ポリイミド等の基材を用いない場合は、一般的にはエポキシ樹脂系やウレタン樹脂系の接着剤がボンディングシートとして用いられてきた。これらは、銅張板やカバーレイにも用いられてきた。こうしたエポキシ樹脂系接着剤やウレタン樹脂系の接着剤は特許文献1(特開2007-224242)、特許文献2(特開2011-105950)に記載されている。
しかし、従来のエポキシ樹脂系接着剤は、常温時の弾性率が高いためにフレキシブルプリント配線板にした際に反りが大きく、又、Tgが低いために寸法安定性が劣っていた。又、ウレタン樹脂系接着剤は、常温での弾性率が低いために反り性には優れているが、Tgが低いために寸法安定性、信頼性等が劣っていた。
そこで、本発明の課題は、反り性、寸法安定性、屈曲性に優れ、ポリイミドフィルム等の基材を使用しなくともフレキシブルプリント配線板を製造できるような、熱硬化性樹脂組成物を提供することである。
また、本発明の課題は、こうした熱硬化性樹脂を用いて、樹脂フィルム、銅張板およびフレキシブルプリント配線板を提供することである。
本発明者らは,上記の目的を達成しようと鋭意研究を重ねた結果、特定組成物によって上記目的が達成できることを見いだし、本発明を完成させたものである。
本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、
(A)脂環式エポキシ樹脂
(B)芳香族ジアミン化合物および
(C)Tgが250℃以上である溶剤可溶性ポリイミドとTgが250℃以上である溶剤可溶性ポリアミドイミドとの少なくとも一方を含有しており、
(A)脂環式エポキシ樹脂と(B)芳香族ジアミン化合物の合計量を100質量部としたとき、(C)溶剤可溶性ポリイミドと溶剤可溶性ポリアミドイミドとの合計量が30質量部以上、100質量部以下であることを特徴とする。
(A)脂環式エポキシ樹脂
(B)芳香族ジアミン化合物および
(C)Tgが250℃以上である溶剤可溶性ポリイミドとTgが250℃以上である溶剤可溶性ポリアミドイミドとの少なくとも一方を含有しており、
(A)脂環式エポキシ樹脂と(B)芳香族ジアミン化合物の合計量を100質量部としたとき、(C)溶剤可溶性ポリイミドと溶剤可溶性ポリアミドイミドとの合計量が30質量部以上、100質量部以下であることを特徴とする。
本発明の組成物の硬化物は、反り性、寸法安定性、屈曲性に優れている。そして、ポリイミドフィルム等の基材を使用しなくとも、フレキシブルプリント配線板を製造可能であり、また、絶縁樹脂フィルムや銅張板に極めて適したものであるので、産業上の利点は多大である。
((A) 脂環式エポキシ樹脂)
本発明において、(A)脂環式エポキシ樹脂を用いる理由は、骨格の中に柔軟鎖を導入する事により常温時の弾性率を下げるためである。
本発明において、(A)脂環式エポキシ樹脂を用いる理由は、骨格の中に柔軟鎖を導入する事により常温時の弾性率を下げるためである。
脂環式エポキシ樹脂とは、脂環骨格を有する樹脂であり、骨格が脂肪族環式化合物の連鎖によって形成されているエポキシ樹脂である。
脂環式エポキシ樹脂のエポキシ当量の制限は特にないが、通常1000以下、好ましくは100〜500のものを用いる。
脂環式エポキシ樹脂のエポキシ当量の制限は特にないが、通常1000以下、好ましくは100〜500のものを用いる。
脂環式エポキシ樹脂としては、好ましくは2個以上のグリシジル基を持つ脂環式エポキシ樹脂ならば、すべて使用する事ができる。具体的には、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、3、4-エポキシシクロヘキセニルメチル-3’、4'-エポキシシクロヘキセンカルボキシレート等が挙げられ、単独または2種類以上組み合わせる事ができる。
代表例としては、ダイセル化学工業(株)製「EHPE-3150」(2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキセン付加物)などを挙げることができる。
代表例としては、ダイセル化学工業(株)製「EHPE-3150」(2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキセン付加物)などを挙げることができる。
((B)芳香族ジアミン化合物)
(B)芳香族ジアミン化合物を用いる理由は、ある程度の屈曲性を持たせるためである。
(B)芳香族ジアミン化合物を用いる理由は、ある程度の屈曲性を持たせるためである。
芳香族ジアミン化合物とは、芳香族基と二つのアミノ基とを有する化合物である。
好適な実施形態においては、エポキシ樹脂骨格の中にポリメチレン構造を導入することにより、硬化物にある程度の可とう性を持たせることができる。
この場合、主鎖に設けられるポリメチレン基が有するメチレン基の個数は、3個以上が好ましく、また16個以下が好ましい。
この場合、主鎖に設けられるポリメチレン基が有するメチレン基の個数は、3個以上が好ましく、また16個以下が好ましい。
芳香族ジアミン化合物は、具体的には、トリメチレン-ビス(4-アミノベンゾアート)やポリ(テトラ/3-メチルテトラメチレンエーテル)グリコールビス(4-アミノベンゾアート) 、 ポリテトラメチレンオキシド-ジ-p-アミノベンゾエート、ポリテトラメチレンオキシドアミノベンゾエート等が挙げられ、単独または2種類以上組み合わせる事ができる。
((C) Tgが250℃以上である溶剤可溶性ポリイミドおよび/または溶剤可溶性ポリアミドイミド)
(C)成分を使用する理由は、屈曲性を持ち、又、Tgを250℃以上にすることにより、ハンダ付け温度や寸法変化率を測定する温度においても体積膨張を小さくして、良好な反り性および寸法安定性にするためである。
Tg(ガラス転移温度)はTMA法で測定する。
(C)成分を使用する理由は、屈曲性を持ち、又、Tgを250℃以上にすることにより、ハンダ付け温度や寸法変化率を測定する温度においても体積膨張を小さくして、良好な反り性および寸法安定性にするためである。
Tg(ガラス転移温度)はTMA法で測定する。
(C)溶剤可溶性ポリイミドは、組成物の製造に使用する有機溶剤に可溶性のポリイミド樹脂である。また、(C)溶剤可溶性ポリアミドイミドは、組成物の製造に使用する有機溶剤に可溶性のポリアミドイミド樹脂である。
本発明の組成物は、ポリアミドとポリアミドイミドとの一方のみを含有していてよく、両方を含有していてよい。また、ポリイミドとポリアミドイミドとの両方を含有している場合には、両者の質量比率は特に限定されず、ポリイミド:ポリアミドイミド=1:0〜0:1であってよい。
本発明の組成物は、ポリアミドとポリアミドイミドとの一方のみを含有していてよく、両方を含有していてよい。また、ポリイミドとポリアミドイミドとの両方を含有している場合には、両者の質量比率は特に限定されず、ポリイミド:ポリアミドイミド=1:0〜0:1であってよい。
(C)成分の分子量としては、重量平均分子量(Mw)で50000以下のものが好適であり、35000以下が更に好適である。また、重量平均分子量(Mw)は、20000以上が好ましく、25000以上が更に好ましい。
(C)成分は、フェニルインダン構造を有することが好ましい。更には、ジアミノトリアルキルインダンと、テトラカルボン酸2無水物またはその誘導体とを反応させて得られる完全イミド化した可溶性ポリイミド樹脂が好ましい。ここで、ジアミノトリアルキルインダンとしては、ジアミノトリメチルインダン、ジアミノトリエチルインダンを例示でき、テトラカルボン酸2無水物の誘導体としては、ベンゾフェノンテトラカルボン酸2無水物を例示できる。
ジアミノトリメチルフェニルインダンとベンゾフェノンテトラカルボン酸2無水物を反応させて得られる完全イミド化した可溶性ポリイミド樹脂を(1式)に示す。また、ジアミノトリメチルフェニルインダンとテトラカルボン酸2無水物を反応させて得られる完全イミド化した可溶性ポリイミド樹脂も好ましい。
(C)成分は、具体的には、ピーアイ技術研究所社製Q-VR-0163や新日本理化社製SN-20、東洋紡績社製HR-16NN、日立化成工業社製HPC−9100等が挙げられ、単独または2種類以上組み合わせる事ができる。
(組成)
本発明においては、(A)脂環式エポキシ樹脂と(B)芳香族ジアミン化合物の合計量を100質量部としたとき、(C)溶剤可溶性ポリイミド、溶剤可溶性ポリアミドイミドの合計量を30〜100質量部とする。これを30質量部以上とすることによって、樹脂組成物の熱膨張係数が低くなり、硬化物の反り性、寸法安定性が向上する。この観点からは、(C)成分の合計量を50質量部以上とすることが更に好ましい。また、(C)成分の合計量を100質量部以下とすることによって、混合時の溶融粘度が低くなり、成形性が良好となる。この観点からは、(C)成分の合計量を80質量部以下とすることが更に好ましい。
本発明においては、(A)脂環式エポキシ樹脂と(B)芳香族ジアミン化合物の合計量を100質量部としたとき、(C)溶剤可溶性ポリイミド、溶剤可溶性ポリアミドイミドの合計量を30〜100質量部とする。これを30質量部以上とすることによって、樹脂組成物の熱膨張係数が低くなり、硬化物の反り性、寸法安定性が向上する。この観点からは、(C)成分の合計量を50質量部以上とすることが更に好ましい。また、(C)成分の合計量を100質量部以下とすることによって、混合時の溶融粘度が低くなり、成形性が良好となる。この観点からは、(C)成分の合計量を80質量部以下とすることが更に好ましい。
(A)脂環式エポキシ樹脂と(B)芳香族ジアミン化合物の合計量を100質量部としたとき、(B)芳香族ジアミン化合物の量を20質量部以上とすることが好ましく、30質量部以上とすることが更に好ましい。これによって、エポキシ基の反応を完結させる事により信頼性を向上させ、又、適度なフレキ性を有する基板にすることができる。
また、(B)芳香族ジアミン化合物の量を60質量部以下とすることが好ましく、50質量部以下とすることが更に好ましい。これによって、常温時の弾性率を低くすることにより、フレキシブルプリント配線板にした際に反りを低減することができる。
また、(B)芳香族ジアミン化合物の量を60質量部以下とすることが好ましく、50質量部以下とすることが更に好ましい。これによって、常温時の弾性率を低くすることにより、フレキシブルプリント配線板にした際に反りを低減することができる。
((D) フィラー)
(D)フィラーは、必ずしも添加する必要はない。しかし、フィラーを添加することによって、硬化物の膨張係数を下げ、反り性、寸法安定性を良好にするという観点から有用である。
(D)フィラーは、必ずしも添加する必要はない。しかし、フィラーを添加することによって、硬化物の膨張係数を下げ、反り性、寸法安定性を良好にするという観点から有用である。
(A)脂環式エポキシ樹脂と(B)芳香族ジアミン化合物の合計量を100質量部としたとき、フィラーの添加量は、60〜140質量部が好ましく、80〜120質量部が更に好ましい。
フィラーの具体例として、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、シリカ、水酸化アルミニウム等が挙げられ、単独または2種類以上組み合わせる事ができる。
(他の添加剤)
また、本発明の組成物には、必要に応じて硬化促進剤を併用することができる。硬化促進剤としては各種イミダゾール類などの一般的なものを使用することができる。主に反応速度、ポットライフの観点から選択する。例えば、2-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール、4,4’-メチレンビス(2-エチル-5-メチルイミダゾール)やTPPなどがある。
また、本発明の組成物には、必要に応じて硬化促進剤を併用することができる。硬化促進剤としては各種イミダゾール類などの一般的なものを使用することができる。主に反応速度、ポットライフの観点から選択する。例えば、2-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール、4,4’-メチレンビス(2-エチル-5-メチルイミダゾール)やTPPなどがある。
さらに本発明の組成物には、難燃性の付与のために難燃剤を添加することができる。ハロゲンフリーの難燃剤としては、縮合型リン酸エステル類、ホスファゼン類、ポリリン酸塩類、HCA(9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキサイド)誘導体、リン含有フェノキシ樹脂等があるが、特に限定されない。
(熱硬化性樹脂組成物の利用)
本発明の熱硬化性樹脂組成物をBステージ化することにより、樹脂フィルムを得ることができる。すなわち、以上述べてきた本発明の樹脂組成物は、これを好適な混合有機溶剤で希釈してワニスとなし、これを必要に応じて離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)上にダイコーターなどで塗布し、乾燥するという通常の方法によりB状態の熱硬化性樹脂フィルムを製造する事が出来る。Bステージとは、樹脂組成物を半硬化させた状態をさす。
本発明の熱硬化性樹脂組成物をBステージ化することにより、樹脂フィルムを得ることができる。すなわち、以上述べてきた本発明の樹脂組成物は、これを好適な混合有機溶剤で希釈してワニスとなし、これを必要に応じて離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)上にダイコーターなどで塗布し、乾燥するという通常の方法によりB状態の熱硬化性樹脂フィルムを製造する事が出来る。Bステージとは、樹脂組成物を半硬化させた状態をさす。
又、本発明の熱硬化性樹脂組成物を銅箔に塗工することにより、絶縁樹脂フィルム付き銅箔を製造する事ができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
35質量部の脂環式エポキシ樹脂CEL-2081(ダイセル工業社製)、21質量部の芳香族ジアミン化合物エラスマー250P(イハラケミカル社製)、392質量部のポリアミドイミド樹脂HR-16NN(Tg=304℃、固形分14重量%、東洋紡績社製)、1質量部の2-エチル-4-メチルイミダゾールからなるワニスを作製した。
35質量部の脂環式エポキシ樹脂CEL-2081(ダイセル工業社製)、21質量部の芳香族ジアミン化合物エラスマー250P(イハラケミカル社製)、392質量部のポリアミドイミド樹脂HR-16NN(Tg=304℃、固形分14重量%、東洋紡績社製)、1質量部の2-エチル-4-メチルイミダゾールからなるワニスを作製した。
(実施例2)
37質量部のCEL-2081、14質量部の芳香族ジアミン化合物CUA-4(イハラケミカル社製)、125質量部のHR-16NN、1質量部の2-エチル-4-メチルイミダゾールからなるワニスを作製した。
37質量部のCEL-2081、14質量部の芳香族ジアミン化合物CUA-4(イハラケミカル社製)、125質量部のHR-16NN、1質量部の2-エチル-4-メチルイミダゾールからなるワニスを作製した。
(実施例3)
18質量部の脂環式エポキシ樹脂TTA21P(Jiangsu
TetraChem社製)、17質量部の芳香族ジアミン化合物エラスマー250P、122質量部のポリイミド樹脂Q-VR-0163(Tg=308℃、固形分20重量%、ピーアイ技術研究所社製)、1質量部の2-エチル-4-メチルイミダゾールからなるワニスを作製した。
18質量部の脂環式エポキシ樹脂TTA21P(Jiangsu
TetraChem社製)、17質量部の芳香族ジアミン化合物エラスマー250P、122質量部のポリイミド樹脂Q-VR-0163(Tg=308℃、固形分20重量%、ピーアイ技術研究所社製)、1質量部の2-エチル-4-メチルイミダゾールからなるワニスを作製した。
(実施例4)
35質量部のCEL-2081、21質量部の芳香族ジアミン化合物エラスマー250P、392質量部のHR-16NN(固形分14重量%、東洋紡績社製)、1質量部の2-エチル-4-メチルイミダゾール、80質量部のフィラーSC-2050NNE(固形分70重量%、アドマファイン社製)からなるワニスを作製した。
35質量部のCEL-2081、21質量部の芳香族ジアミン化合物エラスマー250P、392質量部のHR-16NN(固形分14重量%、東洋紡績社製)、1質量部の2-エチル-4-メチルイミダゾール、80質量部のフィラーSC-2050NNE(固形分70重量%、アドマファイン社製)からなるワニスを作製した。
(比較例1)
16質量部のエピクロン850-S (DIC社製)、24質量部の芳香族ジアミン化合物エラスマー250P、142質量部のHR-16NN、1質量部の2-エチル-4-メチルイミダゾールからなるワニスを作製した。
16質量部のエピクロン850-S (DIC社製)、24質量部の芳香族ジアミン化合物エラスマー250P、142質量部のHR-16NN、1質量部の2-エチル-4-メチルイミダゾールからなるワニスを作製した。
(比較例2)
25質量部のCEL-2081、22質量部のメラミン変性フェノールノボラック樹脂(固形分60重量%、DIC社製)、202質量部のHR-16NN、1質量部の2-エチル-4-メチルイミダゾールからなるワニスを作製した。
25質量部のCEL-2081、22質量部のメラミン変性フェノールノボラック樹脂(固形分60重量%、DIC社製)、202質量部のHR-16NN、1質量部の2-エチル-4-メチルイミダゾールからなるワニスを作製した。
(比較例3)
37質量部のCEL-2081、14質量部のCUA-4、71質量部のQ-VR-0163、1質量部の2-エチル-4-メチルイミダゾールからなるワニスを作製した。
37質量部のCEL-2081、14質量部のCUA-4、71質量部のQ-VR-0163、1質量部の2-エチル-4-メチルイミダゾールからなるワニスを作製した。
(比較例4)
37質量部のCEL-2081、14質量部の芳香族アミン化合物CUA-4、260質量部のQ-VR-0163、1質量部の2-エチル-4-メチルイミダゾールからなるワニスを作製した。
37質量部のCEL-2081、14質量部の芳香族アミン化合物CUA-4、260質量部のQ-VR-0163、1質量部の2-エチル-4-メチルイミダゾールからなるワニスを作製した。
(特性評価)
実施例1〜4および比較例1〜4の配合物を、38μmポリエチレンテレフタラート(PETフィルム)上にダイコーターで塗布を行い、110℃で乾燥して、25μmのBステージ化した樹脂フィルムを作製した。又、保護フィルムとしてポリエチレンフィルムをラミネートした。
これを18μmの表面処理なし銅箔と重ね合わせ、真空加熱プレスに仕込み180℃120分、1MPaで成形を行い、特性評価を行った。特性結果を表1に示す。
実施例1〜4および比較例1〜4の配合物を、38μmポリエチレンテレフタラート(PETフィルム)上にダイコーターで塗布を行い、110℃で乾燥して、25μmのBステージ化した樹脂フィルムを作製した。又、保護フィルムとしてポリエチレンフィルムをラミネートした。
これを18μmの表面処理なし銅箔と重ね合わせ、真空加熱プレスに仕込み180℃120分、1MPaで成形を行い、特性評価を行った。特性結果を表1に示す。
ただし、各特性は以下のように評価した。
弾性率:銅箔エッチング後に、IPC-TM-650
2.4.18.3に準じて測定した。
膨張係数:銅箔エッチング後に、IPC-TM-650
2.4.24.3に準じて測定した。
屈曲性:銅箔エッチング後に、曲率半径0.38mm、荷重500gのMIT試験法により樹脂フィルムが破断するまでの屈曲回数を測定した。
寸法変化率:IPC-TM-650 2.2.4 150℃30minに準じて測定した。
反り性:片側の銅箔をエッチング後に、50mm×50mmに基板を切断して、水平な机の上に基板を置き、机から基板の頂点までの長さを測定した。
成形性:保護フィルムを剥がしたBステージ化した樹脂フィルムを、L/S=30/30の櫛形パターンを形成した基板に、110℃でラミネートを行い、オーブンで180℃120分乾燥した。乾燥後にパターン間にボイドの発生が見られない場合は「○」とし、ボイドが発生した場合は「×」とした。
各例における評価結果および各成分の質量部の数値を表1、表2に示す。
弾性率:銅箔エッチング後に、IPC-TM-650
2.4.18.3に準じて測定した。
膨張係数:銅箔エッチング後に、IPC-TM-650
2.4.24.3に準じて測定した。
屈曲性:銅箔エッチング後に、曲率半径0.38mm、荷重500gのMIT試験法により樹脂フィルムが破断するまでの屈曲回数を測定した。
寸法変化率:IPC-TM-650 2.2.4 150℃30minに準じて測定した。
反り性:片側の銅箔をエッチング後に、50mm×50mmに基板を切断して、水平な机の上に基板を置き、机から基板の頂点までの長さを測定した。
成形性:保護フィルムを剥がしたBステージ化した樹脂フィルムを、L/S=30/30の櫛形パターンを形成した基板に、110℃でラミネートを行い、オーブンで180℃120分乾燥した。乾燥後にパターン間にボイドの発生が見られない場合は「○」とし、ボイドが発生した場合は「×」とした。
各例における評価結果および各成分の質量部の数値を表1、表2に示す。
実施例1〜4は優れた成形性、寸法安定性、反り性、屈曲性であることが確認された。
比較例1はエポキシ樹脂に芳香族エポキシ樹脂を使用したために、常温時の弾性率が高くなり、反りが大きくなった。
比較例2は硬化剤にフェノール樹脂を使用したために、屈曲性が劣っていた。
比較例3はポリイミド又は、ポリアミドイミドの量が少ないために、膨張係数が大きくなり、寸法変化率が大きくなった。
比較例4はポリイミド又は、ポリアミドイミドの量が多すぎるために、溶融粘度が高くなり、成形性に悪影響を与えた。
比較例2は硬化剤にフェノール樹脂を使用したために、屈曲性が劣っていた。
比較例3はポリイミド又は、ポリアミドイミドの量が少ないために、膨張係数が大きくなり、寸法変化率が大きくなった。
比較例4はポリイミド又は、ポリアミドイミドの量が多すぎるために、溶融粘度が高くなり、成形性に悪影響を与えた。
Claims (8)
- (A)脂環式エポキシ樹脂
(B)芳香族ジアミン化合物および
(C)Tgが250℃以上である溶剤可溶性ポリイミドとTgが250℃以上である溶剤可溶性ポリアミドイミドとの少なくとも一方を含有しており、
(A)前記脂環式エポキシ樹脂と(B)前記芳香族ジアミン化合物の合計量を100質量部としたとき、(C)前記溶剤可溶性ポリイミドと前記溶剤可溶性ポリアミドイミドとの合計量が30質量部以上、100質量部以下であることを特徴とする、熱硬化性樹脂組成物。 - 更に(D)フィラーを含有していることを特徴とする、請求項1記載の組成物。
- 硬化物の曲率半径0.38mm、荷重500gのMIT試験法による折り曲げ回数が100回以上であることを特徴とする、請求項1または2記載の組成物。
- 硬化物の常温での弾性率が1.5GPa以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の組成物。
- 硬化物の25℃〜200℃の熱膨張係数が50ppm/℃以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つの請求項に記載の組成物。
- 請求項1〜5のいずれか一つの請求項に記載の熱硬化性樹脂組成物から作成された、Bステージ化した樹脂フィルム。
- 請求項6記載の樹脂フィルムと、この樹脂フィルムの少なくとも片面に接合された銅箔とを有することを特徴とする、銅張板。
- 請求項1〜5のいずれか一つの請求項に記載の熱硬化性樹脂組成物からなる層間絶縁材料を含むことを特徴とする、フレキシブルプリント配線板。
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