JP2017177877A - ハイブリッド自動車 - Google Patents
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Abstract
【課題】粒子状物質除去フィルタに粒子状物質が堆積するのに伴って駆動力が落ち込むのを抑制することを主目的とする。
【解決手段】PMフィルタのPM堆積量を推定し(S110)、PM堆積量とエンジンの回転数Neとに基づいてエンジンの出力低下量を算出し(S120)、算出した出力低下量を補うためのアシストトルクを設定して(S130)、モータから出力する。これにより、PMフィルタのPM堆積量が増加していることによる背圧の上昇によってエンジンの出力が低下する場合でも、駆動力が落ち込むのを抑制してドライバビリティが低下するのを防止することができる。
【選択図】図2
【解決手段】PMフィルタのPM堆積量を推定し(S110)、PM堆積量とエンジンの回転数Neとに基づいてエンジンの出力低下量を算出し(S120)、算出した出力低下量を補うためのアシストトルクを設定して(S130)、モータから出力する。これにより、PMフィルタのPM堆積量が増加していることによる背圧の上昇によってエンジンの出力が低下する場合でも、駆動力が落ち込むのを抑制してドライバビリティが低下するのを防止することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、ハイブリッド自動車に関し、詳しくは、排気系に粒子状物質を除去する粒子状物質除去フィルタを有するエンジンを備えるハイブリッド自動車に関する。
従来、この種のハイブリッド自動車としては、エンジンの排気管に粒子状物質を捕集するためのパティキュレートフィルタ(PMフィルタ)を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなハイブリッド自動車では、PMフィルタに粒子状物質が堆積した場合には、エンジンを高負荷運転して排気温度を上昇させてPMフィルタの温度を上げ、かつ、燃料カットすることで、PMフィルタに堆積している粒子状物質を酸化燃焼させるフィルタ再生を行なうものとしている。
しかしながら、上述したハイブリッド自動車において、粒子状物質の堆積量が増加しても車両の運転状況によってはPMフィルタの再生処理が直ちに行なわれない場合がある。その場合、PMフィルタの目詰まりによりエンジンの背圧が上昇してエンジンの出力が低下することがある。エンジンの出力が低下して駆動力が落ち込むと、運転者に違和感を与えるおそれがある。
本発明のハイブリッド自動車は、粒子状物質除去フィルタに粒子状物質が堆積するのに伴って駆動力が落ち込むのを抑制することを主目的とする。
本発明のハイブリッド自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のハイブリッド自動車は、
排気系に粒子状物質を除去する粒子状物質除去フィルタを有し、走行用の動力を出力可能なエンジンと、
前記走行用の動力を出力可能なモータと、
走行に要求される駆動力により走行するよう前記エンジンと前記モータとを制御する制御手段と、
を備えるハイブリッド自動車であって、
前記制御手段は、前記粒子状物質除去フィルタに堆積している粒子状物質の堆積量と前記エンジンの回転数とに基づいて前記エンジンの出力低下量を予測し、該予測した出力低下量を補うトルクを出力するよう前記モータを制御する
ことを特徴とする。
排気系に粒子状物質を除去する粒子状物質除去フィルタを有し、走行用の動力を出力可能なエンジンと、
前記走行用の動力を出力可能なモータと、
走行に要求される駆動力により走行するよう前記エンジンと前記モータとを制御する制御手段と、
を備えるハイブリッド自動車であって、
前記制御手段は、前記粒子状物質除去フィルタに堆積している粒子状物質の堆積量と前記エンジンの回転数とに基づいて前記エンジンの出力低下量を予測し、該予測した出力低下量を補うトルクを出力するよう前記モータを制御する
ことを特徴とする。
この本発明のハイブリッド自動車では、粒子状物質除去フィルタに堆積している粒子状物質の堆積量とエンジンの回転数とに基づいてエンジンの出力低下量を予測し、予測した出力低下量を補うトルクを出力するようモータを制御する。これにより、粒子状物質除去フィルタの粒子状物質の堆積量が増加し、背圧の上昇によってエンジンの出力が低下する場合でも、その出力低下を補うトルクをモータから出力して駆動力が落ち込むのを抑制することができる。したがって、粒子状物質除去フィルタに粒子状物質が堆積している状態でドライバビリティが低下するのを防止することができる。ここで、粒子状物質除去フィルタに堆積している粒子状物質の堆積量が多いときには少ないときに比して大きくなる傾向でエンジンの出力低下量を予測し、エンジンの回転数が大きいときには小さいときに比して大きくなる傾向でエンジンの出力低下量を予測するものなどとすることができる。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、プラネタリギヤ30と、モータMG1,MG2と、インバータ41,42と、バッテリ50と、ハイブリッド用電子制御ユニット(以下、HVECUという)70と、を備える。
エンジン22は、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力する内燃機関として構成されている。このエンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により運転制御されている。エンジン22の排気系には、排気浄化装置23と粒子状物質除去フィルタ(以下、PMフィルタという)25とが取りつけられている。排気浄化装置23には、排気中の未燃焼燃料や窒素酸化物を除去する触媒23aが充填されている。PMフィルタ25は、セラミックスやステンレスなどにより多孔質フィルタとして形成されており、煤などの粒子状物質(PM:Particulate Matter)を捕捉する。
エンジンECU24は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。エンジンECU24には、エンジン22を運転制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。各種センサからの信号としては、例えば、クランクシャフト26の回転位置を検出する図示しないクランクポジションセンサからのクランクポジションや、エンジン22の冷却水の温度を検出する図示しない水温センサからの冷却水温Twなどを挙げることができる。また、エンジン22のスロットルバルブのポジションを検出する図示しないスロットルバルブポジションセンサからのスロットル開度THや吸気管に取り付けられた図示しないエアフローメータからの吸入空気量Ga、吸気管に取り付けられた図示しない温度センサからの吸気温Taなども挙げることができる。さらに、排気系のPMフィルタ25の前後の差圧を検出する差圧センサ25aからの差圧ΔPなども挙げることができる。また、エンジンECU24からは、エンジン22を運転制御するための種々の制御信号が出力ポートを介して出力されている。種々の制御信号としては、例えば、燃料噴射弁への駆動信号や、スロットルバルブのポジションを調節するスロットルモータへの駆動信号,イグナイタと一体化されたイグニッションコイルへの制御信号を挙げることができる。エンジンECU24は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。このエンジンECU24は、HVECU70からの制御信号によりエンジン22を運転制御する。また、エンジンECU24は、必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。なお、エンジンECU24は、クランク角θcrに基づいて、クランクシャフト26の回転数、即ち、エンジン22の回転数Neを演算している。
プラネタリギヤ30は、シングルピニオン式の遊星歯車機構として構成されている。プラネタリギヤ30のサンギヤには、モータMG1の回転子が接続されている。プラネタリギヤ30のリングギヤには、駆動輪38a,38bにデファレンシャルギヤ37を介して連結された駆動軸36が接続されている。プラネタリギヤ30のキャリヤには、エンジン22のクランクシャフト26が接続されている。
モータMG1は、永久磁石が埋め込まれた回転子と三相コイルが巻回された固定子とを備える周知の同期発電電動機として構成されており、上述したように回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されている。モータMG2は、モータMG1と同様に同期発電電動機として構成されており、回転子が駆動軸36に接続されている。モータMG1,MG2は、モータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40によってインバータ41,42を制御することにより駆動する。インバータ41,42は、バッテリ50が接続された電力ライン54に接続されている。インバータ41,42は、6つのトランジスタと6つのダイオードとにより構成される周知のインバータとして構成されている。インバータ41,42は、電力ライン54を共用しているから、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータに供給することができる。
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。各種センサからの信号としては、例えば、モータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する図示しない回転位置検出センサからの回転位置θm1,θm2や、モータMG1,MG2の各相に流れる電流を検出する電流センサからの相電流、コンデンサ46の端子間に取り付けられた図示しない電圧センサからのコンデンサ46(電力ライン54)の電圧VLなどを挙げることができる。モータECU40からは、モータMG1,MG2を駆動制御するためのインバータ41,42の各トランジスタへのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。モータECU40は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。このモータECU40は、HVECU70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御する。また、モータECU40は、必要に応じてモータMG1,MG2の駆動状態に関するデータをHVECU70に出力する。なお、モータECU40は、モータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいて、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2を演算している。
バッテリ50は、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池として構成されており、インバータ41,42を介してモータMG1,MG2と電力をやりとりをする。バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52により管理されている。
バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号が入力ポートを介して入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりHVECU70に送信する。入力ポートを介して入力される信号としては、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧Vbや、バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流Ib、バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度Tbなどを挙げることができる。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために蓄電割合SOCや入出力制限Win,Woutを演算している。蓄電割合SOCは、バッテリ50から放電可能な電力の容量の全容量に対する割合であり、電流センサにより検出された充放電電流Ibの積算値に基づいて演算される。入出力制限Win,Woutは、バッテリ50を充放電してもよい最大許容電力であり、演算した蓄電割合SOCと電池温度Tbとに基づいて演算される。
HVECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。HVECU70には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。各種センサからの信号としては、例えば、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号や、シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSPを挙げることができる。また、アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや、ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP、車速センサ88からの車速Vなども挙げることができる。HVECU70は、上述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されている。このHVECU70は、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、エンジン22の運転を伴って走行するハイブリッド走行モード(HV走行モード)や、エンジン22の運転を停止して走行する電動走行モード(EV走行モード)で走行する。
HV走行モードでの駆動制御では、HVECU70は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accと車速センサ88からの車速Vとに基づいて走行に要求される要求トルクTr*を設定する。続いて、設定した要求トルクTr*に駆動軸36の回転数Nrを乗じて、走行に要求される走行用パワーPdrv*を計算する。ここで、駆動軸36の回転数Nrとしては、モータMG2の回転数Nm2や車速Vに換算係数を乗じて得られる回転数を用いることができる。そして、計算した走行用パワーPdrv*からバッテリ50の目標充放電電力としての充放電要求パワーPb*(バッテリ50から放電するときが正の値)を減じて車両に要求される要求パワーPe*を設定する。次に、要求パワーPe*とエンジン22を効率よく運転するための動作ライン(例えば燃費最適動作ライン)とを用いてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定し、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で、エンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*となるようにするための回転数フィードバック制御によってモータMG1から出力すべきトルクとしてのトルク指令Tm1*を設定すると共にモータMG1をトルク指令Tm1*で駆動したときにプラネタリギヤ30を介して駆動軸36に作用するトルクを要求トルクTr*から減じてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する。エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とについてはエンジンECU24に送信する。モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40に送信する。エンジンECU24は、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とに基づいてエンジン22が運転されるように、エンジン22の吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などを行なう。モータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるように、インバータ41,42の各トランジスタのスイッチング制御を行なう。
EV走行モードでの駆動制御では、HVECU70は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accと車速センサ88からの車速Vとに基づいて要求トルクTr*を設定する。続いて、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定する。そして、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*が駆動軸36に出力されるようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する。モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*については、モータECU40に送信する。モータECU40は、上述したように、インバータ41,42を制御する。
また、実施例のハイブリッド自動車20は、エンジン22の排気系に取り付けられたPMフィルタ25の再生が必要であると判断される場合に、フィルタ再生処理を実行する。PMフィルタ25の再生が必要であるか否かは、例えば、PMフィルタ25に取り付けられた差圧センサ25aにより検出された差圧ΔPに基づいて、PMフィルタ25に堆積している粒子状物質の堆積量(以下、PM堆積量という)が再生が必要な量を超えていると推定できるか否かにより判定することができる。なお、PM堆積量は、エンジン22の回転数Neやエンジン22の空気量負荷率、エンジン22の冷却水温Twなどに基づいて推定するものとすることもできる。また、フィルタ再生処理は、例えば、エンジン22を高負荷運転してPMフィルタ25の温度を再生に必要な温度まで上昇させ、その後、エンジン22を燃料カットした状態でエンジン22をモータMG1によってモータリングして、PMフィルタ25に堆積した粒子状物質を燃焼することにより実行される。なお、エンジン22の燃料カットは、エンジン22の回転数Neが所定回転数以上で走行中にアクセルペダル83がオフされたなどの条件が成立した場合に行なうことができる。このため、PMフィルタ25の再生が必要であると判断されていても、PMフィルタ25の温度が再生に必要な温度まで上昇していない場合や、エンジン22を燃料カットするための条件が成立していない場合には、フィルタ再生処理の実行待ちとなる。フィルタ再生処理の実行待ちとなっている間は、PM堆積量が増加している状態であるから、PMフィルタ25の目詰まりによってエンジン22の排気側の背圧が高いものとなる。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特にPM堆積量の増加によるエンジン22の背圧の高まりに伴ってエンジン22からの出力低下を補う動作について説明する。図2は、HVECU70により実行されるPM堆積時出力補正処理ルーチンの一例を示すフローチャーある。このルーチンは、所定時間毎に繰り返し実行される。
PM堆積時出力補正処理ルーチンが実行されると、HVECU70は、まず、エンジン22の回転数Neや、エアフローメータからの吸入空気量Ga、PMフィルタ25に取り付けられた差圧センサ25aにより検出された差圧ΔPなどのデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。続いて、入力した差圧ΔPに基づいてPM堆積量を推定し(ステップS110)、PM堆積量によるエンジン22の出力低下量を算出する(ステップS120)。ここで、図3は、エンジン回転数Neとエンジン出力とPM堆積の有無との関係を示す説明図である。なお、PM堆積ありとは、例えばPM堆積量が再生が必要な量以上である場合をいう。PM堆積ありの場合は、PM堆積なしの場合に比べてPMフィルタ25の目詰まりによってエンジン22の排気側の背圧が高いものとなるため、図示するようにエンジン22の出力が低下することになる。また、図4は、PM堆積量とエンジン出力低下量とエンジン回転数Neとの関係を示す説明図である。図示するように、エンジン22の出力は、PM堆積量が所定の堆積量PMa以上においてPM堆積量が大きいほど低下量が大きくなり、エンジン22の回転数Neが大きいほど低下量が大きくなる傾向となっている。また、吸入空気量Gaが大きい場合と小さい場合のそれぞれにおいて、エンジン22の回転数Ne毎(大、中、小)にPM堆積量とエンジン22の出力低下量との関係を実験などにより予め求めてマップとして記憶しておくものとする。ステップS120では、ステップS100で入力したエンジン22の回転数NeおよびステップS110で推定したPM堆積量とに基づいて各マップから定まる出力低下量を、ステップS100で入力した吸入空気量Gaを用いて補間することにより、エンジン22の出力低下量を算出する。
こうしてエンジン22の出力低下量を算出すると、その出力低下分(プラネタリギヤ30を介して駆動軸36に作用するトルクの低下分)がモータMG2からの出力により補われるようモータMG2のアシストトルクTaを設定する(ステップS130)。アシストトルクTaを設定すると、上述した駆動制御において、モータMG1をトルク指令Tm1*で駆動したときにプラネタリギヤ30を介して駆動軸36に作用するトルクを要求トルクTr*から減じたトルクに、アシストトルクTaを付加することにより、モータMG2のトルク指令Tm2*を設定することになる。これにより、エンジン22の出力低下分を補うアシストルクがモータMG2から出力されることになる。このように、PMフィルタ25のPM堆積量とエンジン22の回転数Neとに基づいてエンジン22の出力低下量を予測し、その出力低下量をモータMG2から出力するアシストトルクによって補うから、運転者の要求する駆動力をフィードバック制御による遅れが発生することなく出力することができる。特に、運転者がアクセルペダル83を踏み込んでハイブリッド自動車20が加速している際に出力遅れが生じると、運転者が違和感を感じやすいものとなるが、そのような出力遅れが生じるのを抑制して、ドライバビリティが低下するのを防止することができる。
次に、ステップS110で推定したPM堆積量が所定のポンプアップ堆積量以上であるか否かを判定し(ステップS140)、PM堆積量がポンプアップ堆積量未満であると判定すると、そのまま本ルーチンを終了する。ここで、ポンプアップ堆積量は、エンジン22の出力低下が生じる所定の堆積量PMaよりも大きな堆積量として定められている。PM堆積量がポンプアップ堆積量以上の場合には、PMフィルタ25の目詰まりが一層顕著となってさらに背圧が高まるため、エンジン22の排気バルブが閉じ難くなったり、排気バルブを作動させるロッカーアームの作動不良が生じたりするなどの不具合が生じるおそれが高まるものとなる。実施例では、そのような不具合が生じるのを抑えるため、PM堆積量がポンプアップ堆積量以上であると判定すると、エンジン22の出力制限を設定する(ステップS150)。図5は、エンジン回転数Neとエンジン出力制限との関係を示す説明図である。図示するように、エンジン22の回転数Neが、ある回転数以上の場合において、エンジン22の出力に一定の出力制限を掛けるものとしている。このため、PM堆積量が所定のポンプアップ堆積量以上である場合のエンジン22の出力制限分は、出力制限のない場合におけるエンジン22の回転数Neに基づく出力と、一定の出力制限との差分として、算出することができる。
そして、エンジン22の出力制限による出力低下分(プラネタリギヤ30を介して駆動軸36に作用するトルクの低下分)がモータMG2からの出力により補われるようモータMG2のアシストトルクTbを設定して(ステップS160)、本ルーチンを終了する。上述した駆動制御では、このアシストトルクTbを、アシストトルクTaと同様の処理により、モータMG2のトルク指令Tm2*を設定する。これにより、エンジン22の出力制限による出力低下分を補うアシストルクがモータMG2から出力されることになるから、PM堆積量に応じたエンジン22の出力制限分をモータMG2からの出力によって補填することができる。このため、運転者の要求する駆動力を出力してドライバビリティが低下するのを防止することができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20では、PMフィルタ25のPM堆積量と、エンジン22の回転数Neとに基づいて、エンジン22の出力低下量を算出し、算出した出力低下量を補うためのアシストトルクを設定してモータMG2から出力する。より具体的には、PMフィルタ25のPM堆積量が所定の堆積量PMa(第1の所定堆積量)以上の場合には、PM堆積量が多いときには少ないときに比して出力低下量が大きくなり且つエンジン22の回転数Neが大きいときには小さいときに比して出力低下量が大きくなる傾向でエンジン22の出力低下量を予測し、予測した出力低下量を補うためのアシストトルクTaをモータMG2から出力する。また、PMフィルタ25のPM堆積量が所定の堆積量PMa(第1の所定堆積量)よりも大きなポンプアップ堆積量(第2の所定堆積量)以上の場合には、出力制限のない場合におけるエンジン22の回転数Neに基づく出力と一定の出力制限との差分からエンジン22の出力低下量を予測し、予測した出力低下量を補うためのアシストトルクTbをモータMG2から出力する。これにより、PMフィルタ25のPM堆積量が増加していることによる背圧の上昇によってエンジン22の出力が低下する場合でも、駆動力が落ち込むのを抑制することができる。したがって、PMフィルタ25のPM堆積量が増加している状態でドライバビリティが低下するのを防止することができる。
実施例では、エンジン22の出力低下による出力低下分を補うためのアシストトルクTaとエンジン22の出力制限による出力低下分を補うためのアシストトルクTbとを設定するものとしたが、これに限られるものではなく、例えばアシストトルクTaのみを設定するものなどとしてもよく、そのようにする場合、図2のPM堆積時出力補正処理ルーチンにおいてステップS140〜S160の処理を省略すればよい。
実施例では、エンジン22と2つのモータMG1,MG2とがプラネタリギヤ30に接続されたハイブリッド自動車20に本発明を適用するものとしたが、駆動軸に動力を出力可能なエンジンと、駆動軸に動力を出力可能なモータと、を備えるハイブリッド自動車であれば如何なる構成のハイブリッド自動車にも適用することができる。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、PMフィルタ25が「粒子状物質除去フィルタ」に相当し、エンジン22が「エンジン」に相当し、モータMG2が「モータ」に相当し、HVECU70とエンジンECU24とモータECU40とが「制御手段」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ハイブリッド自動車の製造産業などに利用可能である。
20 ハイブリッド自動車、22 エンジン、23 排気浄化装置、23a 触媒、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、25 粒子状物質除去フィルタ(PMフィルタ)、25a 差圧センサ、26 クランクシャフト、30 プラネタリギヤ、36 駆動軸、37 デファレンシャルギヤ、38a,38b 駆動輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、46 コンデンサ、50 バッテリ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、MG1,MG2 モータ。
Claims (1)
- 排気系に粒子状物質を除去する粒子状物質除去フィルタを有し、走行用の動力を出力可能なエンジンと、
前記走行用の動力を出力可能なモータと、
走行に要求される駆動力により走行するよう前記エンジンと前記モータとを制御する制御手段と、
を備えるハイブリッド自動車であって、
前記制御手段は、前記粒子状物質除去フィルタに堆積している粒子状物質の堆積量と前記エンジンの回転数とに基づいて前記エンジンの出力低下量を予測し、該予測した出力低下量を補うトルクを出力するよう前記モータを制御する
ことを特徴とするハイブリッド自動車。
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