JP2017128212A - ハイブリッド自動車 - Google Patents
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Abstract
【課題】触媒暖機後の触媒温度低下に基づくエミッションの悪化を抑制する。【解決手段】触媒暖機制御を実行する際に、バッテリ50の蓄電割合SOCが目標蓄電割合SOC*より大きく、且つ、走行モードSDMがHV走行モードであるときには、この条件が成立していない通常時のカウント値C1より大きなカウント値C2をカウント閾値Crefに設定する。そして、触媒暖機を開始してからカウントアップする触媒暖機カウンタCがカウント閾値Cref以上に至ったときに触媒暖機を終了する。即ち、この条件が成立していない通常時に比して長い時間に亘って触媒暖機を行なうのである。このため、触媒暖機を終了した直後の触媒温度は通常のときの温度より高くなり、触媒暖機の終了後に触媒の温度が低下しがちになっても、触媒の活性化温度を維持しやすくなる。この結果、触媒の温度低下に基づくエミッションの悪化を抑制することができる。【選択図】図2
Description
本発明は、ハイブリッド自動車に関し、詳しくは、エンジンを駆動する際に排気系に取り付けられた触媒浄化装置の触媒の暖機が必要と判断したときには触媒暖機カウンタがカウント閾値に至るまで触媒が暖機されるようにエンジンを制御するハイブリッド自動車に関する。
従来、この種のハイブリッド自動車としては、エンジンの冷却水温やバッテリの温度に基づいてエンジンの排気系に取り付けられた浄化装置の触媒を暖機する際の触媒暖機時間を設定するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド自動車では、エンジンの冷却水温が低いほど長くなるように、且つ、バッテリの温度が低いほど短くなるように触媒暖機時間を設定し、設定した触媒暖機時間が経過するまで触媒を暖機するようにエンジンを運転制御する。
しかしながら、上述のハイブリッド自動車では、バッテリの蓄電割合が比較的大きいときには、バッテリの過充電抑制の必要からバッテリの充電要求が小さくなるため、エンジン負荷も小さくなり、触媒暖機後に必要な触媒温度を維持できなくなる。この場合、触媒温度の低下に基づくエミッションの悪化を招いてしまう。こうした現象は、バッテリが満充電に近い状態のときにモード切替スイッチによりハイブリッド走行モードを選択した場合のプラグインハイブリッド自動車では顕著になる。
本発明のハイブリッド自動車は、触媒暖機後の触媒温度低下に基づくエミッションの悪化を抑制することを主目的とする。
本発明のハイブリッド自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のハイブリッド自動車は、
排気を浄化する触媒を有する浄化装置が排気系に取り付けられたエンジンと、
走行用の動力を出力可能なモータと、
前記モータと電力のやりとりを行なうバッテリと、
前記エンジンを停止した状態で前記モータからの動力だけで走行する電動走行モードと、必要に応じた前記エンジンの始動を伴って前記エンジンからの動力と前記モータからの動力とにより走行するハイブリッド走行モードとを切り替えるモード切替スイッチと、
前記エンジンを駆動する際に前記触媒の暖機が必要と判断したときには触媒暖機カウンタがカウント閾値に至るまで触媒が暖機されるように前記エンジンを制御する触媒暖機制御を実行する制御手段と、
を備えるハイブリッド自動車であって、
前記制御手段は、前記モード切替スイッチにより前記ハイブリッド走行モードが選択されている状態で前記触媒暖機制御を実行する際に前記バッテリの蓄電割合が目標蓄電割合より大きいときには、前記バッテリの蓄電割合が前記目標蓄電割合以下のときに用いるカウント値より大きなカウント値を前記カウント閾値として用いて前記触媒暖機制御を実行する手段である、
ことを特徴とする。
排気を浄化する触媒を有する浄化装置が排気系に取り付けられたエンジンと、
走行用の動力を出力可能なモータと、
前記モータと電力のやりとりを行なうバッテリと、
前記エンジンを停止した状態で前記モータからの動力だけで走行する電動走行モードと、必要に応じた前記エンジンの始動を伴って前記エンジンからの動力と前記モータからの動力とにより走行するハイブリッド走行モードとを切り替えるモード切替スイッチと、
前記エンジンを駆動する際に前記触媒の暖機が必要と判断したときには触媒暖機カウンタがカウント閾値に至るまで触媒が暖機されるように前記エンジンを制御する触媒暖機制御を実行する制御手段と、
を備えるハイブリッド自動車であって、
前記制御手段は、前記モード切替スイッチにより前記ハイブリッド走行モードが選択されている状態で前記触媒暖機制御を実行する際に前記バッテリの蓄電割合が目標蓄電割合より大きいときには、前記バッテリの蓄電割合が前記目標蓄電割合以下のときに用いるカウント値より大きなカウント値を前記カウント閾値として用いて前記触媒暖機制御を実行する手段である、
ことを特徴とする。
この本発明のハイブリッド自動車では、エンジンを駆動する際に浄化装置の触媒の暖機が必要と判断したときには触媒暖機カウンタがカウント閾値に至るまで触媒が暖機されるようにエンジンを制御する触媒暖機制御を実行する。そして、モード切替スイッチによりハイブリッド走行モードが選択されている状態で触媒暖機制御を実行する際に、バッテリの蓄電割合が目標蓄電割合より大きいときには、バッテリの蓄電割合が目標蓄電割合以下のときに用いるカウント値より大きなカウント値をカウント閾値として用いて触媒暖機制御を実行する。即ち、モード切替スイッチによりハイブリッド走行モードが選択されている状態で触媒暖機制御を実行するときには、バッテリの蓄電割合が目標蓄電割合より大きいときには、小さいときに比して長い時間に亘って触媒暖機制御を実行するのである。バッテリの蓄電割合が目標蓄電割合より大きいときには、バッテリの充電要求が小さくなり、エンジン負荷も小さくなるから、触媒暖機後の触媒の温度は低下する場合が生じる。しかし、長い時間に亘って触媒暖機制御が実行されているから、触媒暖機制御が終了した直後の触媒温度はバッテリの蓄電割合が目標蓄電割合以下のときより高くなっているから、触媒の温度の低下が生じても、活性化温度以上を保持する時間は長くなる。この結果、触媒暖機後の触媒温度低下に基づくエミッションの悪化を抑制することができる。ここで、制御手段は、バッテリの蓄電割合が大きいほど大きなカウント値をカウント閾値として用いて触媒暖機制御を実行するものとしてもよい。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、プラネタリギヤ30と、モータMG1,MG2と、インバータ41,42と、バッテリ50と、充電器60と、ハイブリッド用電子制御ユニット(以下、「HVECU」という)70と、を備える。
エンジン22は、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力する内燃機関として構成されている。エンジン22の排気系には、排気を浄化する触媒を有する浄化装置25が取り付けられている。エンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)24によって運転制御されている。
エンジンECU24は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。エンジンECU24には、エンジン22を運転制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートから入力されている。エンジンECU24に入力される信号としては、エンジン22のクランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ23からのクランク角θcrやスロットルバルブのポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサからのスロットル開度THなど、その他にも種々のものを挙げることができる。
エンジンECU24からは、エンジン22を運転制御するための種々の制御信号が出力ポートを介して出力されている。エンジンECU24から出力される制御信号としては、スロットルバルブのポジションを調節するスロットルモータへの制御信号や燃料噴射弁への制御信号,イグナイタと一体化されたイグニッションコイルへの制御信号など、その他にも種々のものを挙げることができる。
エンジンECU24は、HVECU70と通信ポートを介して接続されており、HVECU70からの制御信号によってエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。エンジンECU24は、クランクポジションセンサ23からのクランク角θcrに基づいて、クランクシャフト26の回転数、即ち、エンジン22の回転数Neを演算している。
プラネタリギヤ30は、シングルピニオン式の遊星歯車機構として構成されている。プラネタリギヤ30のサンギヤには、モータMG1の回転子が接続されている。プラネタリギヤ30のリングギヤには、駆動輪38a,38bにデファレンシャルギヤ37を介して連結された駆動軸36が接続されている。プラネタリギヤ30のキャリヤには、ダンパ28を介してエンジン22のクランクシャフト26が接続されている。
モータMG1は、例えば同期発電電動機として構成されており、上述したように、回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されている。モータMG2は、例えば同期発電電動機として構成されており、回転子が駆動軸36に接続されている。インバータ41,42は、電力ライン54を介してバッテリ50と接続されている。モータMG1,MG2は、モータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)40によって、インバータ41,42の図示しない複数のスイッチング素子がスイッチング制御されることにより、回転駆動される。
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。モータECU40に入力される信号としては、モータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの回転位置θm1,θm2を挙げることができる。また、モータMG1,MG2の各相に流れる電流を検出する電流センサからの相電流やモータMG1,MG2の温度を検出する温度センサ45,46からのモータMG1,MG2の温度Tmg1,Tmg2も挙げることができる。
モータECU40からは、インバータ41,42の図示しない複数のスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。モータECU40は、HVECU70と通信ポートを介して接続されており、HVECU70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の駆動状態に関するデータをHVECU70に出力する。モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2を演算している。
バッテリ50は、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池として構成されている。このバッテリ50は、上述したように、電力ライン54を介してインバータ41,42と接続されている。バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、「バッテリECU」という)52によって管理されている。
バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。バッテリECU52に入力される信号としては、バッテリ50の端子間に設置された電圧センサ51aからの電池電圧Vbやバッテリ50の出力端子に取り付けられた電流センサ51bからの電池電流Ib,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51cからの電池温度Tbなどを挙げることができる。
バッテリECU52は、HVECU70と通信ポートを介して接続されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータをHVECU70に出力する。バッテリECU52は、電流センサ51bからの電池電流Ibの積算値に基づいて蓄電割合SOCを演算している。蓄電割合SOCは、バッテリ50の全容量に対するバッテリ50から放電可能な電力の容量の割合である。また、バッテリECU52は、演算した蓄電割合SOCと、温度センサ51cからの電池温度Tbと、に基づいて入出力制限Win,Woutを演算している。入出力制限Win,Woutは、バッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である。
充電器60は、電力ライン54に接続されており、電源プラグ61が家庭用電源などの外部電源に接続されているときに、外部電源からの電力を用いてバッテリ50を充電することができるように構成されている。この充電器60は、AC/DCコンバータと、DC/DCコンバータと、を備える。AC/DCコンバータは、電源プラグ61を介して供給される外部電源からの交流電力を直流電力に変換する。DC/DCコンバータは、AC/DCコンバータからの直流電力の電圧を変換してバッテリ50側に供給する。この充電器60は、電源プラグ61が外部電源に接続されているときに、HVECU70によって、AC/DCコンバータとDC/DCコンバータとが制御されることにより、外部電源からの電力をバッテリ50に供給する。
HVECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。HVECU70には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。HVECU70に入力される信号としては、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号やシフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,車速センサ88からの車速Vを挙げることができる。また、アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accやブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBPも挙げることができる。更に、エンジン22の運転を伴わずに走行する電動走行モード(EV走行モード)とエンジン22の運転を伴って走行するハイブリッド走行モード(HV走行モード)とを切り替える走行モード切替スイッチ89からの走行モードSMDも挙げることができる。
HVECU70からは、充電器60への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。HVECU70は、上述したように、エンジンECU24,モータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24,モータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、HV走行モードやEV走行モードで走行する。
HV走行モードでの走行時には、HVECU70は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accと車速センサ88からの車速Vとに基づいて、走行に要求される(駆動軸36に出力すべき)要求トルクTr*を設定する。続いて、設定した要求トルクTr*に駆動軸36の回転数Nrを乗じて、走行に要求される走行用パワーPdrv*を計算する。ここで、駆動軸36の回転数Nrとしては、モータMG2の回転数Nm2や車速Vに換算係数を乗じて得られる回転数を用いることができる。そして、計算した走行用パワーPdrv*からバッテリ50の充放電要求パワーPb*(バッテリ50から放電するときが正の値)を減じて、車両に要求される要求パワーPe*を設定する。ここで、充放電要求パワーPb*は、バッテリ50の蓄電割合SOCと制御中心としての目標蓄電割合SOC*との差分ΔSOCに基づいて、差分ΔSOCの絶対値が小さくなるように設定する。次に、要求パワーPe*がエンジン22から出力されると共に要求トルクTr*が駆動軸36に出力されるように、エンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定する。エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とについては、エンジンECU24に送信する。モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*については、モータECU40に送信する。エンジンECU24は、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とに基づいてエンジン22が運転されるように、エンジン22の吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などを行なう。モータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるように、インバータ41,42の各トランジスタのスイッチング制御を行なう。
EV走行モードでの走行時には、HVECU70は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accと車速センサ88からの車速Vとに基づいて要求トルクTr*を設定する。続いて、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定する。そして、要求トルクTr*が駆動軸36に出力されるようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する。モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*については、モータECU40に送信する。モータECU40は、上述したように、インバータ41,42を制御する。
次に、こうして構成されたハイブリッド自動車20の動作、特に浄化装置25の触媒を暖機する際の動作について説明する。図2は、HVECU70により実行される触媒暖機制御の一例を示すフローチャートである。触媒暖機制御は、エンジン22の冷却水温が閾値より低いときなどの触媒暖機が必要な条件が成立したときに実行される。
触媒暖機制御が実行されると、まず、バッテリ50の蓄電割合SOCや走行モード切替スイッチ89からの走行モードSDMなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、バッテリ50の蓄電割合SOCは、バッテリECU52により電流センサ51bからの電池電流Ibの積算値に基づいて演算されたものを通信により入力することができる。
続いて、バッテリ50の蓄電割合SOCが制御中心としての目標蓄電割合SOC*より大きいか否かを判定すると共に(ステップS110)、走行モードSDMがHV走行モードであるか否かを判定する(ステップS120)。バッテリ50の蓄電割合SOCが目標蓄電割合SOC*以下のときや、走行モードSDMがEV走行モードであるときには、カウント閾値Crefにカウント値C1を設定する(ステップS130)。一方、バッテリ50の蓄電割合SOCが目標蓄電割合SOC*より大きく、且つ、走行モードSDMがHV走行モードであるときには、カウント閾値Crefにカウント値C1より大きなカウント値C2を設定する(ステップS140)。カウント閾値Crefについては後述する。
カウント閾値Crefを設定すると、触媒暖機を開始する(ステップS150)。触媒暖機は、比較的軽負荷で点火時期を遅角させてエンジン22を運転することなどにより行なうことができる。触媒暖機の詳細については本発明の中核をなさないのでこれ以上の説明は省略する。
触媒暖機が開始されると、触媒暖機カウンタCがカウント閾値Cref以上に至るまで触媒暖機カウンタCをカウントアップし(ステップS160,S170)、触媒暖機カウンタCがカウント閾値Cref以上に至ったときに触媒暖機を終了して(ステップS180)、本制御を終了する。触媒暖機カウンタCは、触媒暖機制御が実行される際に値0に初期化される。また、触媒暖機カウンタCは、値1などの所定値ずつカウントアップするものとしてもよいし、エンジン22の負荷や外気温などにより変化する値ずつカウントアップするものとしてもよい。本実施例では、説明の容易のため、触媒暖機カウンタCは値1ずつカウントアップするものとして考える。
ステップS160,S170の処理を繰り返す毎に触媒暖機カウンタCはカウントアップされ、触媒暖機カウンタCがカウント閾値Cref以上に至ったとき触媒暖機が終了される。このため、カウント閾値Crefは、触媒暖機の継続時間を設定するものとなる。上述したように、カウント閾値Crefは、バッテリ50の蓄電割合SOCが目標蓄電割合SOC*より大きく、且つ、走行モードSDMがHV走行モードであるときには、この条件が成立していない通常のときのカウント値C1より大きなカウント値C2が設定される。このため、この条件が成立しているときには、この条件が成立していないときに比して、長い時間に亘って触媒暖機が行なわれることになる。バッテリ50の蓄電割合SOCが目標蓄電割合SOC*より大きいときには、充放電要求パワーPb*としての充電要求パワーは小さなものとなるから、エンジン22の負荷は比較的小さなものとなり、触媒暖機の終了後の触媒の温度は低下しがちになる。しかし、実施例では、この場合、長い時間に亘って触媒暖機が行なわれるから、触媒暖機を終了した直後の触媒温度は通常のときの温度より高くなり、触媒暖機の終了後に触媒の温度が低下しがちになっても、触媒の活性化温度を維持しやすくなる。この結果、触媒の温度低下に基づくエミッションの悪化を抑制することができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20では、触媒暖機制御を実行する際に、バッテリ50の蓄電割合SOCが目標蓄電割合SOC*より大きく、且つ、走行モードSDMがHV走行モードであるときには、この条件が成立していない通常時のカウント値C1より大きなカウント値C2をカウント閾値Crefに設定する。そして、触媒暖機を開始してからカウントアップする触媒暖機カウンタCがカウント閾値Cref以上に至ったときに触媒暖機を終了する。このため、バッテリ50の蓄電割合SOCが目標蓄電割合SOC*より大きく、且つ、走行モードSDMがHV走行モードであるときには、この条件が成立していない通常時に比して長い時間に亘って触媒暖機を行なうことになる。このため、触媒暖機を終了した直後の触媒温度は通常のときの温度より高くなり、触媒暖機の終了後に触媒の温度が低下しがちになっても、触媒の活性化温度を維持しやすくなる。この結果、触媒の温度低下に基づくエミッションの悪化を抑制することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、カウント閾値Crefとしてカウント値C1とカウント値C2とから設定するものとしたが、カウント閾値Crefとして蓄電割合SOCが大きいほど大きなカウント値を設定するものとしてもよい。
実施例では、2つのモータMG1,MG2とエンジン22とバッテリ50とを備えるハイブリッド自動車20に本発明を適用したが、モータとエンジンとバッテリとを備える種々の構成のハイブリッド自動車にも本発明を適用することができる。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、浄化装置25が「浄化装置」に相当し、エンジン22が「エンジン」に相当し、モータMG2が「モータ」に相当し、バッテリ50が「バッテリ」に相当し、走行モード切替スイッチ89が「モード切替スイッチ」に相当し、HVECU70とエンジンECU24とモータECU40とバッテリECU52とが「制御手段」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ハイブリッド自動車の製造産業などに利用可能である。
20 ハイブリッド自動車、22 エンジン、23 クランクポジションセンサ、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、25 浄化装置、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 プラネタリギヤ、36 駆動軸、37 デファレンシャルギヤ、38a,38b 駆動輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、45,46 温度センサ、50 バッテリ、51a 電圧センサ、51b 電流センサ、51c 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU52)、54 電力ライン、60 充電器、61 電源プラグ、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、89 走行モード切替スイッチ、MG1,MG2 モータ。
Claims (1)
- 排気を浄化する触媒を有する浄化装置が排気系に取り付けられたエンジンと、
走行用の動力を出力可能なモータと、
前記モータと電力のやりとりを行なうバッテリと、
前記エンジンを停止した状態で前記モータからの動力だけで走行する電動走行モードと、必要に応じた前記エンジンの始動を伴って前記エンジンからの動力と前記モータからの動力とにより走行するハイブリッド走行モードとを切り替えるモード切替スイッチと、
前記エンジンを駆動する際に前記触媒の暖機が必要と判断したときには触媒暖機カウンタがカウント閾値に至るまで触媒が暖機されるように前記エンジンを制御する触媒暖機制御を実行する制御手段と、
を備えるハイブリッド自動車であって、
前記制御手段は、前記モード切替スイッチにより前記ハイブリッド走行モードが選択されている状態で前記触媒暖機制御を実行する際に前記バッテリの蓄電割合が目標蓄電割合より大きいときには、前記バッテリの蓄電割合が前記目標蓄電割合以下のときに用いるカウント値より大きなカウント値を前記カウント閾値として用いて前記触媒暖機制御を実行する手段である、
ことを特徴とするハイブリッド自動車。
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