JP2017177615A - プラスチックカード - Google Patents

プラスチックカード Download PDF

Info

Publication number
JP2017177615A
JP2017177615A JP2016069790A JP2016069790A JP2017177615A JP 2017177615 A JP2017177615 A JP 2017177615A JP 2016069790 A JP2016069790 A JP 2016069790A JP 2016069790 A JP2016069790 A JP 2016069790A JP 2017177615 A JP2017177615 A JP 2017177615A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
hard coat
coat layer
resin
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016069790A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6701885B2 (ja
Inventor
一樹 滝沢
Kazuki Takizawa
一樹 滝沢
松岡 雅尚
Masanao Matsuoka
雅尚 松岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2016069790A priority Critical patent/JP6701885B2/ja
Publication of JP2017177615A publication Critical patent/JP2017177615A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6701885B2 publication Critical patent/JP6701885B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

【課題】耐傷性と加工性とを両立させたプラスチックカードを提供する。【解決手段】磁気カード30は、樹脂基体20上に転写層15が積層されており、転写層15は、樹脂基体20側から、少なくとも、接着層14と、プライマー層13と、最表面に位置するハードコート層12と、がこの順に配置されており、ハードコート層12は、JIS K6732に準拠して測定した25℃での伸び率が50%以上、180%以下である。【選択図】図2

Description

本発明は、プラスチックカードに関し、更に詳しくは、樹脂基体上にハードコート層を最表面とする転写層が積層されているプラスチックカード関する。
従来から、各種施設では、クレジットカード、キャッシュカード、社員カード、会員カード、ポイントカードなどの、情報表示手段や磁気ストライプやICチップなどの情報記録手段を有するカードが広く利用されている。例えば、カードには、カード使用者の氏名や、カードを特定する識別番号などの情報表示手段がエンボス加工により施されている。また、カードの利便性を高めるべく、カード表面に情報記録手段であるICモジュールがザグリ加工後に装着されている。
これまでのカードは、ポリ塩化ビニル樹脂を主体とする樹脂を基体とし、表面にアクリル樹脂からなる表面層が形成されていることが主流であった。この理由は、ポリ塩化ビニル樹脂が印刷やラミネートにおける接着性が適度にあり、エンボス加工によって文字などを形成することが容易であり、また十分とは言えないまでも、通常の環境では支障のない耐熱性を有しているからである。また、アクリル樹脂は透明性と密着性に優れるからである。例えば、下記の特許文献1には、樹脂基体上に硬化型のアクリル系樹脂の保護層が形成され、更に保護層上に、塩化ビニル系樹脂を主成分とする表明樹脂層が積層されている構成が開示されている。
特開2014−180854号公報
しかしながら、従来のカードは、財布などからの出し入れや、磁気ストライプの読み取りなどにより、長期間カードを利用しているとカード表面に傷が付きやすく、意匠性が損なわれやすかった。
そこで、平面や曲面を有する樹脂基体の表面に耐傷性を付与する方法として、転写フィルムを用いて、樹脂基体の表面にハードコート層を含む転写層を転写する手法が知られている。
ところが、耐傷性を向上させるべく、ハードコート層を単に高硬度化しただけでは、エンボス加工時にハードコート層が追従できずにひび割れたり、ザグリ加工時にクラックが発生しやすかった。また、高硬度のハードコート層は、一度クラックがはいると、そこをきっかけとして使用に伴いクラックが広がりやすかった。このように、ハードコート層を単に高硬度化しただけでは、耐傷性と加工性とを両立させることができないことが判明した。
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであり、樹脂基体上に、ハードコート層を含む転写層を転写してなるプラスチックカードであって、耐傷性と加工性とを両立させたプラスチックカードを提供することを目的とする。
本発明者らが前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ハードコート層の伸び率を所定範囲に設定することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
(1) 樹脂基体上に転写層が積層されており、
前記転写層は、前記樹脂基体側から、少なくとも、接着層と、プライマー層と、最表面に位置するハードコート層と、がこの順に配置されており、
前記ハードコート層は、以下の測定方法で測定した25℃での伸び率が50%以上、180%以下である、プラスチックカード。
(伸び率の測定方法)
表面が未処理のポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(PETフィルム)にハードコート層形成用樹脂組成物を塗布して厚さ40μmの塗膜を形成し、JIS K6732に準拠してダンベル型に打ち抜き後、PETフィルムを剥離して試験用シートとし、該試験用シートの伸びを引張圧縮試験機を用い、25℃の温度環境下にて、引張速度50mm/分、チャック間間隔100mmの条件で、目視にてハードコート層にクラックが入った時点での伸び率を測定する。
(2) 前記ハードコート層は、前記の方法で測定した150℃での伸び率が20%以上100%以内である、(1)に記載のプラスチックカード。
(3) 前記ハードコート層は、マルテンス硬度が30N/mm以上115N/mm以下である、(1)又は(2)に記載のプラスチックカード。
(4) 前記ハードコート層は、以下の測定方法で測定した押し込み弾性率が1200N/mm以上2300N/mm以下である、(1)から(3)のいずれかに記載のプラスチックカード。
(押し込み弾性率の測定方法)
微小硬さ試験機を使用し、ISO 14577−1に準拠して、表面が未処理の、厚さ188μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(PETフィルム)にハードコート層形成用樹脂組成物を塗布して厚さ3μmの塗膜を形成し、ハードコート層側から圧子を押し込み、荷重0.05mNとなるように5秒荷重をかけた際の値である。
(5) 前記ハードコート層は、前記押し込み弾性率の測定方法と同様の方法で、押し込み荷重が0.05mNで測定したときの最大押し込み深さが0.10μm以上0.30μm以下である、(1)から(4)のいずれかに記載のプラスチックカード。
(6) 前記ハードコート層は、前記押し込み弾性率の測定方法と同様の方法で、押し込み荷重が0.05mNで測定したときの荷重除去後の永久押し込み深さが0.06μm以上0.20μm以下である、(1)から(5)のいずれかに記載のプラスチックカード。
(7) 前記ハードコート層は、2官能オリゴマーと3官能モノマーとを含有する電離放射線硬化樹脂組成物の硬化物からなる層であり、2官能オリゴマーと3官能モノマーとの配合比(2官能オリゴマー/3官能モノマー)が、質量比で6/4以上8/2以下である、(1)から(6)のいずれかに記載のプラスチックカード。
(8) 前記ハードコート層は、2官能オリゴマーと多官能オリゴマーとを含有する電離放射線硬化樹脂組成物の硬化物からなる層であり、2官能オリゴマーと多官能オリゴマーとの配合比(2官能オリゴマー/多官能オリゴマー)が、質量比で7/3以上9/1以下である、(1)から(6)のいずれかに記載のプラスチックカード。
(9) 前記プラスチックカードの前記ハードコート層側の表面の少なくとも一部には、エンボス加工及び/又はザグリ加工による凹凸が形成されている、(1)から(8)のいずれかに記載のプラスチックカード。
本発明によれば、耐傷性と加工性とを両立させたプラスチックカードを提供することができる。
本発明のプラスチックカードに用いられる転写用ハードコートフィルムの一実施形態であって、層構成を示す断面模式図である。 本発明のプラスチックカードの一実施形態である磁気カードの構成を示す断面模式図である。
以下、本発明の実施形態について、プラスチックカードが磁気カードである場合について詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において適宜変更を加えて実施することができる。なお、本発明において、プラスチックカードとは、熱や圧力を加えることによって成形加工できる、高分子材料を含む材料によりカード状に形成されたものをいい、後述する磁気記録層やICモジュールを含んでいてもよく、また金属層などの無機物層や紙などの有機物層を含む積層体であってもよい。
<転写用ハードコートフィルム>
まず、本発明のプラスチックカードの製造に用いられる転写用ハードコートフィルムについて説明する。本実施形態の転写用ハードコートフィルム10は、図1に示すように、基材フィルム11上に、ハードコート層12とプライマー層13と接着層14とがこの順に配置されている積層体である。本実施形態においては、この3層が後に樹脂基体上に転写されて転写層15を構成する。なお、本発明における「転写層」とは、少なくとも、接着層と、プライマー層と、再表面に位置するハードコート層とが、この順に配置されていればよく、接着層からハードコート層までのすべての層を含む意味であり3層に限定されない。例えば、本発明の効果を妨げない範囲で、転写層は、接着層、印刷層、プライマー層、ハードコート層とがこの順に配置されてもよい。
以下、本実施形態の転写用ハードコートフィルム10を構成する基材フィルム11と、転写層15(ハードコート層12、プライマー層13、接着層14)について各々説明する。
[基材フィルム]
基材フィルム11は転写層15を形成し、転写層15を一時的に支持するためのフィルムであり、樹脂基体20への転写後に剥離される。基材フィルム11は、特に限定されないが、ポリエステル樹脂フィルム又はポリオレフィン樹脂フィルムにより構成されることが好ましい。また、上記フィルムのうち延伸フィルムであることが好ましい。基材フィルム11がこれらの樹脂フィルムにより構成されることにより、その上にハードコート層12などを容易に形成でき、また、転写用ハードコートフィルム10を製造する際に熱収縮や、ハードコート層12の形成に電離放射線硬化性樹脂を用いる場合は、電離放射線の照射による収縮が生じにくいという優れた耐収縮性を有し、転写用ハードコートフィルム10を優れた安定性と効率とで製造することが可能となる。更に、転写用ハードコートフィルム10を樹脂基体に転写する際の加熱温度による熱収縮が生じることもないので、容易にプラスチックカードを製造することができる。
ポリエステル樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」ということがある。)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート、エチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体などのポリエステル樹脂からなるフィルムが好ましく挙げられる。これらの中でも、本実施形態の転写用ハードコートフィルム10を製造する際の熱収縮や、電離放射線の照射による収縮が生じにくいことなどを考慮すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。
ポリオレフィン樹脂フィルムとしては、転写用ハードコートフィルム10を製造する際の熱収縮や、電離放射線の照射による収縮が生じにくいことなどを考慮すると、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブテン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体樹脂、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体樹脂、オレフィン熱可塑性エラストマーなどのポリオレフィン樹脂からなり、延伸された樹脂フィルムが好ましく挙げられる。また、これらの中でも、延伸ポリプロピレン樹脂フィルムであることが好ましい。
延伸ポリオレフィン樹脂は、一軸延伸されたもの、二軸延伸されたもののいずれでもよいが、転写用ハードコートフィルム10を製造する際の熱収縮や、電離放射線の照射による収縮が生じにくいことなどを考慮すると、二軸延伸されたものであることが好ましい。二軸延伸ポリオレフィン樹脂のシートは、通常、長手方向延伸機を用いてガラス転移温度(Tg)以上に加熱して、好ましくは5倍以上30倍以下程度延伸し、次いで、幅方向延伸機を用いてガラス転移温度(Tg)以上に加熱して幅方向へ好ましくは5倍以上30倍以下延伸して得られる。また、延伸倍率が上記範囲内であると、転写用ハードコートフィルム10を製造する際の熱収縮や、電離放射線の照射による収縮が生じにくくなる。
基材フィルム11の厚さは、特に限定されないが、4μm以上200μm以下であればよい。4μm以上であればカールやシワが入りにくくなり、200μm以下であればコストを安価に抑えられ、熱伝導効率が低下することがなく、転写後に基材フィルム11を剥離する際に各層がとられることがないため、優れた転写性が得られる。基材フィルム11は、複層構成でもよい。その場合、複層構成全体で上記厚みの範囲にあることが好ましい。
なお、基材フィルム11は、転写する際のハードコート層12との間の離型性を確保するために、必要に応じて基材フィルム11表面に公知の離型処理を施したり、シリコーン樹脂などの離型層を設けてもよい。また、逆にハードコート層12との密着性を向上させるためにコロナ放電処理、プラズマ処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン/紫外線処理、易接着コート剤を塗布するなどの表面処理を施してもよい。また、基材フィルム11は、上記の樹脂フィルムを単独で用いた単層でもよいし、複数種の樹脂フィルムを積層した複層構成であってよい。
[ハードコート層]
ハードコート層12は、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層であり、樹脂基体に耐傷性を付与する層である。ハードコート層12は、下記の方法で測定した25℃での伸び率が40%以上180%以下であり、45%以上160%以下であることが好ましく、50%以上150%以下であることがより好ましい。25℃での伸び率が上記範囲内であることにより、耐傷性と加工性とを両立することができる。25℃での伸び率が40%未満であると、エンボス加工時やザグリ加工時にクラックが入りやすく、加工性が低下しやすい。25℃での伸び率が180%超であると、耐傷性が低下しやすい。
また、上記ハードコート層12は、耐傷性と加工性とを両立するために、下記条件を更に充足することが好ましい。
ハードコート層12は、下記の方法で測定した150℃での伸び率が20%以上100%以内であることが好ましく、20%以上80%以内であることがより好ましい。ハードコート層12は、25℃での伸び率が上記範囲内であり、且つ150℃での伸び率が上記範囲内であることにより、耐傷性と加工性との両立をより図りやすくなる。150℃での伸び率が20%未満であると、エンボス加工時やザグリ加工時にクラックが入りやすく、加工性が低下しやすい。150℃での伸び率が100%超であると、耐傷性が低下しやすい。
ハードコート層12は、マルテンス硬度が30N/mm以上115N/mm以下であることが好ましく、40N/mm以上110N/mm以下であることがより好ましい。ハードコート層12は、伸び率が上記範囲内であり、且つマルテンス硬度が上記範囲であることにより、耐傷性と加工性との両立をより図りやすくなる。マルテンス硬度が30N/mm未満であると、耐傷性が低下しやすい。マルテンス硬度が115N/mm超であると、加工性が低下しやすい。
ハードコート層12は、下記の方法で測定した押し込み弾性率が1200N/mm以上2300N/mm以下であることが好ましく、1300N/mm以上2100N/mm以下であることがより好ましい。ハードコート層12は、伸び率が上記範囲内であり、且つ押し込み弾性率が上記範囲内であることにより、耐傷性と加工性との両立をより図りやすくなる。押し込み弾性率が1200N/mm未満であると、耐傷性が低下しやすい。押し込み弾性率が2300N/mm超であると、加工性が低下しやすい。
ハードコート層12は、下記の方法で測定した押し込み荷重が0.05mNで測定したときの最大押し込み深さが0.10μm以上0.30μm以下であることが好ましい。ハードコート層12は、伸び率が上記範囲内であり、且つ最大押し込み深さが上記範囲内であることにより、耐傷性と加工性との両立をより図りやすくなる。最大押し込み深さが0.10μm未満であると、加工性が低下しやすい。最大押し込み深さが0.30μm超であると、耐傷性が低下しやすい。
ハードコート層12は、下記の方法で測定した押し込み荷重が0.05mNで測定したときの荷重除去後の永久押し込み深さが0.06μm以上0.20μm以下であることが好ましい。ハードコート層12は、伸び率が上記範囲内であり、且つ荷重除去後の永久押し込み深さが上記範囲内であることにより、耐傷性と加工性との両立をより図りやすくなる。荷重除去後の永久押し込み深さが0.06μm未満であると、加工性が低下しやすい。荷重除去後の永久押し込み深さが0.20μm超であると、耐久性が低下しやすい。
なお、本発明において、各特性の測定方法は、以下の通りである。
(伸び率の測定方法)
表面が未処理のポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(PETフィルム)にハードコート層形成用樹脂組成物を塗布して厚さ40μmの塗膜を形成し、JIS K6732に準拠してダンベル型に打ち抜き後、PETフィルムを剥離して試験用シートとし、該試験用シートの伸びを引張圧縮試験機を用い、25℃又は150℃の温度環境下にて、引張速度50mm/分、チャック間間隔100mmの条件で、目視にてハードコート層にクラックが入った時点での伸び率を測定する。ここで、引張圧縮試験機としては、通常市販されるものであれば特に制限はなく、例えば、「テンシロンRTC−1250A(商品名)」,オリエンテック株式会社製などを用いればよい。
(マルテンス硬度、押し込み弾性率、押し込み深さ、荷重除去後の永久押し込み深さの測定方法)
微小硬さ試験機を使用し、ISO 14577−1に準拠して、表面が未処理の、厚さ188μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(PETフィルム)にハードコート層形成用樹脂組成物を塗布して厚さ3μmの塗膜を形成し、ハードコート層側から圧子を押し込み、荷重0.05mNとなるように5秒荷重をかけた際の値である。測定装置は、例えば、(株)フィッシャー・インストルメンツ製の微小硬さ試験機を用いることができる。
(測定条件)
・荷重速度 0.05mN/10秒
・保持時間 5秒
・荷重除荷速度 0.05mN/10秒
・圧子 ビッカース(PIC012)
・測定温度 25℃
ハードコート層12に用いられる電離放射線硬化性樹脂組成物としては、分子中に官能基(重合性不飽和結合及び/又はエポキシ基)を有するプレポリマー、オリゴマー、及び/又はモノマーを適宜混合したものが挙げられる。ここで、電離放射線としては、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合又は架橋し得るエネルギー量子を有するものを指し、例えば、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるほか、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も用いられる。
ハードコート層12に用いられる電離放射線硬化性樹脂組成物としては、上述した伸び率、好ましくは上述したマルテンス硬度、押し込み弾性率、最大押し込み深さ、及び永久押し込み深さを充足できるように適宜設定すればよく、これらの物性値を充足できることを限度として特に制限されない。
上述した電離放射線硬化性樹脂組成物の好適な例としては、2官能オリゴマーと3官能モノマーとの混合物(以下、材料1ということがある)、及び2官能オリゴマーと多官能オリゴマーとの混合物(以下、材料2ということがある。)が挙げられる。なお、本発明において、「オリゴマー」とは10〜100個のモノマーが結合した比較的低分子量の重合体のことである。
特に2官能オリゴマーと3官能モノマーとの配合比(2官能オリゴマー/3官能モノマー)が、好ましくは質量比で6/4以上8/2以下、より好ましくは質量比で7/3である電離放射線硬化性樹脂組成物が挙げられる。2官能オリゴマーと3官能モノマーとの配合比が6/4未満であると、ハードコート層12の伸び率低下のため加工性が低下する。2官能オリゴマーと3官能モノマーとの配合比が8/2を超えるとハードコート層12の硬度低下のため耐傷性が乏しくなる。
また、材料2としては、2官能オリゴマーと多官能オリゴマーとの配合比(2官能オリゴマー/多官能オリゴマー)が、好ましくは質量比で7/3以上9/1以下、より好ましくは質量比で7/3以上8/2以下である電離放射線硬化性樹脂組成物が挙げられる。2官能オリゴマーと多官能オリゴマーとの配合比が7/3未満であると、ハードコート層12の伸び率低下のため加工性が低下する。2官能オリゴマーと多官能オリゴマーとの配合比が9/1を超えるとハードコート層12の硬度低下のため耐傷性が乏しくなる。
モノマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレートモノマーが特に好適である。3官能性(メタ)アクリレートとして、具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。なお、本発明において(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味し、他の類似する表記も同様の意である。これらのモノマーは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
2官能オリゴマー又は多官能オリゴマーとしては、(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましい。(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えば、ポリカーボネート(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。ここで、ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、例えば、ポリカーボネートポリオールを(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。エポキシ(メタ)アクリレートは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレートを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートも用いることができる。ポリエステル(メタ)アクリレートは、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、或いは多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエーテル(メタ)アクリレートは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリブタジエン(メタ)アクリレートは、ポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート酸を付加することにより得ることができる。これらのオリゴマーは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、ハードコート層12を形成する硬化性樹脂組成物は、更に、耐傷性を向上させるために、粒子を含有させてもよいが、ハードコート層12の層厚が非常に薄いことから、平均粒子径が1μmを超える粒子を含まない、又は粒子を含まないことが好ましい。粒子を含有させる場合には、平均粒子径が1μm未満の粒子であることが好ましい。ハードコート層12が平均粒子径1μmを超える粒子を含有する場合、粒子がハードコート層12から突き出して、傷発生のきっかけとなり得る。本実施形態において、粒子の平均粒子径は、体積平均粒子径であるものとする。体積平均粒子径は、レーザー回折式、又はレーザー散乱式粒子径分布測定により測定することができる。
粒子としては、無機系と有機系の粒子があり、無機系の粒子としては、例えば、アルミナ、シリカ、カオリナイト、酸化鉄、ダイヤモンド、炭化ケイ素などの無機粒子が挙げられる。粒子形状は、球、楕円体、多面体、鱗片形などが挙げられ、特に制限はないが、硬度がより高くなり優れた耐傷性が得られる点で、球状が好ましい。
これらの無機系の粒子のうち、シリカ粒子は好ましいものの一つである。シリカ粒子は、耐傷性を向上させ、且つハードコート層12の透明性を阻害しないからである。シリカ粒子としては、従来公知のシリカ粒子から適宜選択して用いることが可能であり、コロイダルシリカ粒子なども好適に挙げられる。コロイダルシリカ粒子は、添加量が増えた場合であっても、透明性に影響を及ぼすことが少ない。
一方、有機系の粒子としては、架橋アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などの合成樹脂ビーズが好ましく挙げられる。
粒子の含有量としては、硬化性樹脂100質量部に対して1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、より好ましくは1質量部以上10質量部以下であり、更に好ましくは1質量部以上5質量部以下である。粒子の含有量が上記範囲内であると、優れた耐傷性、透明性、及びプライマー層13との密着性が得られる。
なお、ハードコート層12を形成する硬化性樹脂組成物には、樹脂組成物の粘度を調整するなどの目的で、メチル(メタ)アクリレートなどの単官能性(メタ)アクリレートのような希釈剤を、本発明の目的を損なわない範囲で適宜併用することができる。単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよく、また低分子量の多官能性(メタ)アクリレートを併用してもよい。
希釈剤としては、上記のモノマーの他、通常の有機溶媒を用いて、樹脂組成物の塗工性を確保することもできる。
また、上記硬化性樹脂組成物には硬化性樹脂の他、所望に応じて、非反応性シリコーン化合物、耐候性改善剤などの滑剤がプラスチックカードに耐傷性を付与する性能を損なわない範囲で含まれていてもよい。
硬化性樹脂組成物は、耐傷性及び耐候性を向上させ、優れた透明性を得る観点から、非反応性シリコーン化合物を含有することができる。非反応性シリコーン化合物は、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、(メタ)アクリロイル基、アリル基などの反応性官能基を有しないシリコーン化合物であれば特に制限はなく、例えば、ポリシロキサンからなるシリコーンオイルのほか、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アラルキル変性シリコーンオイル、フロロアルキル変性シリコーンオイル、長鎖アルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸アミド変性シリコーンオイル、フェニル変性シリコーンオイルなどが好ましく挙げられる。
なお、上記のような反応性官能基を分子中に有する反応性シリコーン化合物は、硬化収縮が生じやすくなるので、硬化性樹脂組成物に含有させないことが好ましい。
非反応性シリコーン化合物の含有量としては、硬化性樹脂100質量部に対して、0.05質量部以上30質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.05質量部以上10質量部以下であり、更に好ましくは0.1質量部以上5質量部以下である。非反応性シリコーン化合物の含有量が上記範囲内であると、優れた耐傷性及び耐候性が得られ、硬化収縮が生じることがない。
また、ハードコート層12の形成に用いられる硬化性樹脂組成物は、優れた耐候性を得るため、耐候性改善剤を含んでもよい。耐候性改善剤としては、紫外線吸収剤や光安定剤などがあり、紫外線吸収剤は有害な紫外線を吸収し、プラスチックカードの長期にわたる耐候性、安定性を向上させる。また、光安定剤は、これ自体は紫外線をほとんど吸収しないが、紫外線により生じる有害なフリーラジカルを効率よく捕捉することにより安定化が得られるというものである。
紫外線吸収剤としては、二酸化チタンや酸化セリウム、酸化亜鉛などの無機系のものや、ベンゾトリアゾール系やトリアジン系の有機系の紫外線吸収剤が好ましく挙げられ、なかでもトリアジン系紫外線吸収剤が好ましい。また、光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系の光安定剤(HALS)が好ましく挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤のなかでも、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤が更に好ましい。ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル]−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2’−エチル)ヘキシル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンなどが好ましく挙げられ、これらを単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
また、ヒンダードアミン系の光安定剤としては、反応性官能基を有するヒンダードアミン系光安定剤であることが好ましい。反応性官能基としては、電離放射線硬化性樹脂と反応性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基などのエチレン性二重結合を有する官能基などが好ましく挙げられ、これらから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。なかでも(メタ)アクリロイル基が好ましい。
このような反応性官能基を有するヒンダードアミン系光安定剤としては、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、2,4−ビス[N−ブチル−N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ]−6−(2−ヒドロキシエチルアミン)−1,3,5−トリアジン)などが好ましく挙げられる。
また、ハードコート層形成用の硬化性樹脂組成物は、その性能を阻害しない範囲で各種添加剤を含有することができる。各種添加剤としては、例えば重合禁止剤、架橋剤、帯電防止剤、接着性向上剤、酸化防止剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤などが挙げられる。
なお、電離放射線硬化性樹脂として紫外線硬化性樹脂を用いる場合には、光重合用開始剤を硬化性樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下添加することが望ましく、光重合用開始剤としては、従来慣用されているもののなかから適宜選択することがきできる。
(ハードコート層の層厚)
ハードコート層12の層厚は、優れた耐候性とその持続性、さらには透明性を得る観点から、好ましくは1μm以上10μm未満であり、より好ましくは1μm以上6μm以下であり、更に好ましくは1μm以上4μm以下である。また、ハードコート層12の厚さをより薄くすることにより硬化収縮の発生を低減することができ、また生産安定性や生産効率を向上させることができるため、特に1μm以上4μm以下とすることが好ましい。
また、プラスチックカードを磁気カードとする場合、耐傷性が保持される範囲内でハードコート層12の厚みを薄くすることで、磁気透過性が向上する。ハードコート層12の層厚は、耐傷性を付与する点から、1μm以上4μm未満であることが好ましく、1μm以上2μm以下がより好ましく、1μm以上1.5μm以下が更に好ましい。ハードコート層12の層厚が1μm未満であると、耐傷性が低下する。一方、ハードコート層12の層厚が4μm超であると、転写層15の層厚が大きくなるため磁気読み取り性が低下し好ましくない。
(ハードコート層の形成方法)
ハードコート層12は、上記の硬化性樹脂と、必要に応じて用いられる非反応性シリコーン化合物、粒子、紫外線吸収剤や光安定剤を耐候性改善剤として含む樹脂組成物を基材フィルム11上に塗布し、加熱処理、又は電離放射線などを照射することにより硬化させて形成する層であり、ハードコート層12の形成は、以下のようにして行われる。
ハードコート層12を形成する樹脂組成物の塗布は、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコートなどの公知の方式、好ましくはグラビアコートにより行う。なお、樹脂組成物が溶剤を含むような場合は、塗工後、熱風乾燥機などにより塗布層を予め加熱乾燥してから、更に加熱処理、又は電離放射線を照射することが好ましい。
上記の樹脂組成物の塗布により形成した未硬化樹脂層は、加熱処理、又は電子線などの電離放射線を照射して硬化することで、ハードコート層12となる。ここで、電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。
照射線量は、電離放射線硬化性樹脂の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜200kGy(1〜20Mrad)、より好ましくは50〜150kGy(5〜15Mrad)の範囲で選定される。
電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、又は直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いることができる。
また、電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯などが用いられる。
[プライマー層]
プライマー層13は、バインダー樹脂及びブロッキング防止剤を含むプライマー層形成用樹脂組成物により構成され、ハードコート層12に対する応力緩和層として機能するとともに、ハードコート層12と接着層14との密着性を向上させる役割を果たす層である。また、プライマー層13は、ハードコート層12の劣化による割れを抑制するために設けられとともに、生産工程や保管に際して、ブロッキング現象の発生を抑制し、フィルムの巻き形状の悪化やフィルムの損傷を生じさせないために設けられる層であることが好ましい。
(バインダー樹脂)
プライマー層13を構成するバインダー樹脂は、主剤と硬化剤とからなる2液硬化型樹脂を含有することが好ましい。また、プライマー層13は、必要に応じてブロッキング現象を防止するためにブロッキング防止剤を含んでいてもよい。
(主剤)
主剤としては、特に限定はなく、例えば、ポリウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、プチラール樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレンなどが挙げられる。これらのバインダー樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのバインダー樹脂の中でも、密着性及び耐候性の観点から、ポリウレタン樹脂が好ましい。
ポリウレタン樹脂としては、ポリウレタン樹脂の高分子鎖中に更にアクリル骨格を有するポリウレタン樹脂であることが、耐候性及び耐久性の観点からより好ましい。高分子鎖中にアクリル骨格を有するポリウレタン樹脂としては、例えば、ウレタン成分とアクリル成分との共重合体であるウレタンアクリル共重合体、ポリウレタンを構成するポリオール成分又はポリイソシアネート成分としてヒドロキシル基又はイソシアネート基を有するアクリル樹脂があり、なかでもウレタンアクリル共重合体が好ましい。ウレタンアクリル共重合体は、例えば、1分子中に少なくとも2個のヒドロキシル基を有するアクリル樹脂にポリオール化合物及びイソシアネート化合物を反応させる方法(特開平6−100653号公報など参照)や、不飽和二重結合を両末端に有するウレタンプレポリマーにアクリルモノマーを反応させる方法(特開平10−1524号公報など参照)などによって得ることができる。
上記の高分子鎖中にアクリル骨格を有するポリウレタン樹脂のなかでも、高分子鎖中に、更にポリカーボネート骨格又はポリエステル骨格を有するものが、ハードコート層12との密着性の観点から好ましい。高分子鎖中にアクリル骨格を有し、更にポリカーボネート骨格又はポリエステル骨格を有するポリウレタンとしては、ポリカーボネート系ウレタン成分とアクリル成分の共重合体であるポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体、又は、ポリエステル系ウレタン成分とアクリル成分の共重合体であるポリエステル系ウレタンアクリル共重合体がより好ましく、より一層優れた耐候性を備えさせるという観点から、ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体を用いることが特に好ましい。これらのポリウレタンは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体は、例えば、カーボネートジオールとジイソシアネートを反応させて得られたポリカーボネート系ウレタンと、アクリル骨格を有するジオールを共重合させることにより得ることができる。また、ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体は、アクリル骨格を有するジオールに、カーボネートジオールとジイソシアネートを反応させることによっても得ることができる。ここで、上記アクリル骨格を有するジオールとしては、具体的には、(メタ)アクリル酸、アルキル基の炭素数が1〜6程度の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、或いはこれらがラジカル重合したオリゴマー又はプレポリマー(重合度2以上10以下程度)に、2つの水酸基が導入されている化合物が挙げられる。
上記ジイソシアネートとしては、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族系インシアネート;イソホロンジイソシアネート、水素転化キシリレンジイソシアネートなどの脂環式系インシアネートが挙げられる。また、上記カーボネートジオールとしては、具体的には、下記一般式(1)に示される化合物(式中、Rは、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数1以上12以下のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数1以上12以下の2価の複素環基、又は、置換基を有していてもよい炭素数1以上12以下の2価の脂環基であり、m1は、1以上10以下の整数である)などが挙げられる。
HO−[R−O−(C=O)−O]m1−R−OH (1)
また、ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体は、ラジカル重合する基が導入されているポリカーボネート系ポリウレタンプレポリマーを、アクリルモノマーとラジカル重合させることによって得ることもできる。前記アクリルモノマーとしては、具体的には、(メタ)アクリル酸やアルキル基の炭素数が1以上6以下程度の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
上記ポリエステル系ウレタンアクリル共重合体は、例えば、エステルジオールとジイソシアネートを反応させて得られたポリエステル系ウレタンと、アクリル骨格を有するジオールを共重合させることにより得ることができる。或いは、アクリル骨格を有するジオールに、エステルジオールとジイソシアネートを反応させることによっても得ることができる。ここで、アクリル骨格を有するジオール及びジイソシアネートは、前記ポリカーポネート系ウレタンアクリル共重合体の製造に使用されるものと同様である。また、エステルジオールとしては、具体的には、下記一般式(2)に示される化合物(式中、Rは、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数1以上12以下のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数1以上12以下の2価の複素環基、又は、置換基を有していてもよい炭素数1以上12以下の2価の脂環基であり、m2は、1以上10以下の整数である)などが挙げられる。
HO−[R−O−(C=O)]m2−R−OH (2)
また、ポリエステル系ウレタンアクリル共重合体は、ラジカル重合する基が導入されているポリエステル系ポリウレタンプレポリマーを、アクリルモノマーとラジカル重合させることによって得ることもできる。アクリルモノマーとしては、上記ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体の製造に使用されるものと同様である。
上記プライマー層13に用いられるポリウレタンは、例えば、重量平均分子量が4.0×10以上1.0×10以下を満たすものが使用される。このような特定の重量平均分子量と後述するアクリル成分の含有量を満たすポリウレタンを使用することによって、優れた耐候性を備えさせることが可能になる。より一層優れた耐候性を備えさせるという観点から、ポリウレタンの重量平均分子量として、好ましくは5.0×10以上8.0×10以下が挙げられる。ここで、ポリウレタンの重量平均分子量は、GPC分析によって測定され、且つ、標準ポリスチレンで換算された値を示す。
上記プライマー層13に用いられるポリウレタンは、優れた耐候性を備えさせるために、アクリル成分の含有量が1質量%以上30質量%以下であることが好ましい。ここで、ポリウレタンにおけるアクリル成分の含有量とは、ポリウレタンの総質量当たり、アクリル骨格を構成するモノマーが占める割合(質量%)である。より一層優れた耐候性を備えさせるという観点から、ポリウレタンにおけるアクリル成分の含有量として、好ましくは5質量%以上20質量%以下が挙げられる。ポリウレタンにおけるアクリル成分の含有量は、ポリウレタンのNMRスペクトルを測定し、全ピーク面積に対するアクリル成分に帰属されるピーク面積の割合を求めることによって算出される。
プライマー層13には、本発明の効果を妨げないことを限度として、前記ポリウレタン以外のバインダー樹脂が含まれていてもよい。このようなバインダー樹脂としては、ウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレンなどが挙げられる。これらのバインダー樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのバインダー樹脂の中でも、好ましくはウレタン樹脂が挙げられる。
上記プライマー層13において、上記ポリウレタンと他のバインダー樹脂を組み合わせて使用する場合、これらの混合比については、特に制限されないが、例えば、バインダー樹脂の総量100質量部当たり、上記ポリウレタンが50質量部以上、好ましくは70質量部以上、更に好ましくは85質量部以上となるように設定すればよい。
(硬化剤)
上記の主剤の硬化を促進する観点から、例えばトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、シクロヘキサンフェニレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネートなどのイソシアネート硬化剤が挙げられる。
硬化剤の使用量は、応力緩和性能やハードコート層12と接着層14との密着性を向上の観点から、主剤となる樹脂100質量部に対して、1質量部以上40質量部以下が好ましく、10質量部以上30質量部以下がより好ましく、20質量部以上30質量部以下が更に好ましい。
(ブロッキング防止剤)
プライマー層13に使用されるブロッキング防止剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、炭酸カルシウムなどの無機粒子が挙げられる。これらのブロッキング防止剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、ブロッキング防止剤の平均粒子径については、特に制限されないが、透明性とブロッキング現象の発生の抑制の点から、プライマー層13の層厚よりも大きくすることが好ましく、1μm以上6μm以下がより好ましく、1μm以上5μm以下が更に好ましい。但し、ブロッキング防止剤の平均粒子径がプライマー層13の層厚に対して大きすぎると、突出した部分がきっかけとなってハードコート層12や接着層14との密着性が損なわれる傾向にある。ブロッキング防止剤の平均粒子径の定義は、上記のハードコート層12の説明における粒子と同様であり、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定したものである。
ブロッキング防止剤の含有量としては、透明性とブロッキング現象の発生の抑制の観点から、バインダー樹脂100質量部に対して1質量部以上20質量部以下の範囲が好ましく、より好ましくは2質量部以上15質量部以下、更に好ましくは3質量部以上10質量部以下である。
また、プライマー層13には、必要に応じて、紫外線吸収剤や光安定剤が含まれていてもよい。プライマー層13に使用される紫外線吸収剤の種類については、前記ハードコート層12に使用される紫外線吸収剤と同様である。
プライマー層13に使用される光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)が挙げられ、より具体的には、反応性官能基を有しないヒンダードアミン系光安定剤、又は前記ハードコート層12の形成に好ましく用いられる反応性官能基を有するヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。特に、プライマー層13に優れた応力緩和性能を備えさせるという観点から、プライマー層13に使用される光安定剤として、反応性官能基を有しないヒンダードアミン系光安定剤が好ましい。反応性官能基を有しないヒンダードアミン系光安定剤としては、具体的には、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2'−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレートなどが挙げられる。これらの光安定剤は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
更に、プライマー層13には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、前記以外の各種添加剤を含有してもよい。このような添加剤としては、例えば、耐摩耗性向上剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤などが挙げられる。これらの添加剤は、常用されるものから適宜選択して用いることができる。
(プライマー層の層厚)
ハードコート層12に対する応力緩和層として機能し、該ハードコート層12の耐候劣化による割れを抑制するとともに、生産工程や保管に際して、接着層14と基材フィルム11との密接着してしまうブロッキング現象の発生を抑制し、フィルムの巻き形状の悪化やフィルムの損傷を生じさせない観点から、1μm以上6μm以下であることが好ましく、より好ましくは1μm以上5μm以下である。
また、プラスチックカードを磁気カードとする場合、磁気の読み取り性が向上させるため、プライマー層13の層厚は、1μm以上4μm以下がより好ましく、1μm以上3μm以下が更に好ましい。プライマー層13の層厚が4μm超では、転写層15の層厚が大きくなるため磁気読み取り性が低下し好ましくない。
(プライマー層の形成方法)
プライマー層13は、グラビアコート、グラビアリバースコート、グラビアオフセットコート、スピンナーコート、ロールコート、リバースロールコート、キスコート、ホイラーコート、ディップコート、シルクスクリーンによるベタコート、ワイヤーバーコート、フローコート、コンマコート、かけ流しコート、刷毛塗り、スプレーコートなどの通常の塗布方法や転写コーティング法により、バインダー樹脂を含むプライマー層形成用の樹脂組成物をハードコート層12上に塗工することにより形成される。ここで、転写コーティング法とは、薄いシート(フィルム基材)にプライマー層13の塗膜を形成し、その後にハードコート層12の表面に被覆する方法である。
プライマー層形成用の樹脂組成物は、バインダー樹脂、及び必要に応じて添加される添加剤が溶剤に溶解又は分散させたものであればよい。プライマー層形成用の樹脂組成物で使用される溶剤としては、バインダー樹脂、及び必要に応じて添加される添加剤に対して溶解性又は相溶性を示すものであればよく、プライマー層形成用の樹脂組成物の塗布方法やプライマー層形成時の乾燥方法などに応じて適宜選定すればよいが、バインダー樹脂に対する溶解性又は相溶性、乾燥性などの観点から、有機溶剤が好ましい。有機溶剤としては、特に制限されないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソブチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類などが挙げられる。これらの有機溶剤は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、プライマー層13を形成する際に、ハードコート層12とプライマー層13との間の密着性を向上させるために、ハードコート層12の硬化を半硬化の状態にとどめ、その後、プライマー層形成用の樹脂組成物を塗布した後にハードコート層12の硬化を完全硬化することにより、ハードコート層12とプライマー層13との間の密着性を高めることもできる。
[接着層]
接着層14は、ハードコート層12を樹脂基体の表面に形成するために、ハードコート層12を樹脂基体20上に接着するために設けられる層である。
接着層14は、感熱接着性樹脂や加圧接着性樹脂などの接着性樹脂で構成された接着層であればよいが、好ましくは加熱によって溶着作用を発現するヒートシール層が挙げられる。接着層14を構成する接着性樹脂としては、具体的には、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂などが挙げられる。これらの接着性樹脂は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
なお、接着層14の接着性樹脂のガラス転移点温度(Tg)は、樹脂基体との貼り合わせ温度の1/2以上であることが好ましい。接着性樹脂のガラス転移点温度が低すぎると、樹脂基体との貼り合わせ時に、接着性樹脂が大きく流動し、接着性が損なわれる傾向があるため好ましくない。
また、接着層14には、接着性樹脂以外に、必要に応じて、各種添加剤を含んでいてもよい。このような添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤などが挙げられる。これらの添加剤は、常用されるものから適宜選択して用いることができる。
(接着層の層厚)
接着層14の層厚は、優れた透明性を確保するという観点から、1μm以上7μm未満であることが好ましく、より好ましくは1以上6μm以下である。また磁気カードとする場合は、磁気の読み取り性を向上させるため、接着層14の層厚は、1.0μm以上2μm以下が好ましく、1.5μm以上2μm以下がより好ましい。接着層14の層厚が1.0μm未満であると、樹脂基体との接着性が損なわれる傾向があるため好ましくない。また、接着層14の層厚が2μm超であると、転写層15の層厚が厚くなるため磁気透過性が低下し好ましくない。
接着層14の形成は、接着性樹脂を、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコートなどの方法で、所定の層上に塗工することによって行われる。
また、本実施形態の転写用ハードコートフィルム10は、接着層14の表面に、ポリエチレン樹脂などの樹脂で形成されたカバーフィルム(保護フィルム)を貼り付けて保護しておくことが、製品を保管する上で望ましい。本実施形態の転写用ハードコートフィルム10は、接着層14の表面にカバーフィルムを設ける場合、このカバーフィルムを剥がし、接着層14を露出し、この接着層14の面を介して樹脂基体に転写される。
<磁気カード>
次に、本発明のプラスチックカードの一実施形態である磁気カードについて説明する。磁気カード30は、図2に示すように、樹脂基体20上に、接着層14とプライマー層13とハードコート層12とがこの順に配置された転写層15を有する。図2中には、図示しないが、磁気カード30の転写層15側の表面の少なくとも一部には、名前や識別番号などの情報を表示するためのエンボス加工や、ICモジュールを装着するためのザグリ加工が施されて好適である。なお、「樹脂基体上」とは、樹脂基体20上に直接に転写層15が積層される場合はもちろん、印刷層などを介して間接的に積層される場合も含む意味である。「エンボス加工」とは、所定の形状が彫刻された部材を加熱しながら押し付けて、カード表面の一部に凹凸形状を付ける加工をいう。例えば、エンボスのない表面と凸部の高低差が100μm以上から500μmとなるような加工である。「ザグリ加工」とは、エンドミルなどにより切削してカード表面の一部に凹部を形成する加工をいう。例えば、カード表面から凹部の底面までの深さが100μm以上から800μmとなるような凹部を形成する加工である。
上述したように、ハードコート層12は、25℃での伸び率が50%以上、180%以下である。本実施形態に係る磁気カード30は、樹脂基体20上に積層された転写層15を有する転写用ハードコートフィルム10によって、上述したように優れた耐傷性と加工性を有する。したがって、磁気カード30の表面の転写層15は、財布からの出し入れなど、他の部材と擦れる機会が多くあるが、耐傷性に優れ、意匠性を損ねにくい。また、磁気カード30の表面に、名前や識別番号などの情報を表示するためにエンボス加工を施したり、ICモジュールを挿入し接着固定するための凹部をザグリ加工によって形成したりする場合であっても、転写層15(ハードコート層12)にクラックが発生しにくい。特に、耐傷性の向上のために高硬度化した転写層では、一度クラックが入ると、そこをきっかけとして使用に伴いクラックが広がりやすかった。これに対し、伸び率が上記範囲内である磁気カード30は、エンボス加工やザグリ加工によってもクラックが発生しにくい。
磁気カード30に使用される、ハードコート層12とプライマー層13と接着層14との種類については、前記の通りである。
樹脂基体20は、第一磁気記録層21が形成された透明樹脂からなる第一基体22、文字などの情報からなる第一印刷層23、ベタ画像などからなる第二印刷層24、第二磁気記録層25が形成された透明樹脂からなる第二基体26、磁気記録層25を隠蔽する隠蔽層27、文字や絵柄などからなる第三印刷層28、剥離性保護層29がこの順に積層されて形成されている。なお、磁気記録層とは、各種情報が磁気情報として記録される層のことをいう。
転写用ハードコートフィルム10を用いてプラスチックカード(磁気カード30)を製造する方法としては、予め成形された樹脂基体20に、ロールなどを用いて、転写用ハードコートフィルム10の接着層14の面を、樹脂基体20に圧着して積層する方法が挙げられる。樹脂基体20に転写用ハードコートフィルム10の接着層14の面を圧着する際に、必要に応じて接着層14の少なくとも一部が溶融する程度に加熱してもよい。転写用ハードコートフィルム10の加熱は、圧着前の転写用ハードコートフィルム10の予備加熱、熱圧ロールによる圧着と同時の加熱などによって行うことができる。また、転写前に樹脂基体20を予備加熱してもよい。樹脂基体20に転写用ハードコートフィルム10を貼付した後に、離型用の基材フィルム11を剥離して除去すればよい。
樹脂基体20を製造する方法としては、まず、磁気記録層21が予め一体化された第一基体22に、文字などの情報からなる第一印刷層23、及びベタ画像などからなる第二印刷層24をオフセット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷などによって形成する。同様に、磁気記録層25が予め一体化された第二基体26上にも磁気記録層25を隠蔽する隠蔽層27、文字や絵柄などからなる第三印刷層28をオフセット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷などによって形成する。これら第一基体22、第二基体26、剥離性保護層29とを積層させて熱圧着して一体化し、定められたプラスチックカードの大きさに打ちに抜いて樹脂基体20とする。第一基体22及び第二基体26への磁気記録層21の形成は、第一基体22及び第二基体26基体上に磁気テープを貼着することによって形成してもよいし、磁性材料を含有する磁性インキを印刷することによって形成してもよく、その後熱圧着することにより、表面が同一面となって一体化させることができ、その形成方法は特に限定されない。剥離性保護層29は、転写材料として使われていた材料が転写後に、樹脂基体20の保護材料としても機能することを意味している。
磁気カード30の平面図は図示していないが、磁気カード30は、ISO(ISO7810)又はJIS(JISX6301)で規定する53.92〜54.03mm×85.47〜85.72mm(ID−1型)のプラスチックカードである。磁気カード30の長辺に平行して所定位置に磁気記録層が埋め込まれている。磁気カード30の総厚みは、0.68〜0.84mmの範囲の一定厚みに形成されている。一般的に磁気記録層25の表面から磁気ヘッドまでの間隔が15μm以内なら、磁気読み取りに障害とならない、とされているが、磁気記録層25より表面側の各層をできる限り薄くするのが好ましい。
第一基体22及び第二基体26には、通常使用されるプラスチックシートを使用することができ、以下に挙げる単独シート又はそれらの複合シートを使用することができる。例えば、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレフタレートとグリコールの共重合体、(例えばPET−G)、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、ポリスチレン系、ABS、ポリアクリル酸エステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタンなどが挙げられる。
本実施形態に係る磁気カード30は、磁気記録層を有する磁気カードであるが、本発明に係るプラスチックカードおいては、これに加えて、非接触式のICモジュールとアンテナ、感熱記録層などを具備してもよい。本発明に係るプラスチックカードにおいては、ハードコート層上にホログラムを部分的に転写してもよく、またレーザー印字などの加工を施してもよい。また、本発明は、クレジットカード、キャッシュカード、社員カード、会員カード、ポイントカードなどの各種のカード媒体に適用することができる。
以下、実施例及び比較例を示して、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
基材フィルム11として厚100μmのポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)からなるフィルム(「東洋紡エステルフィルムE5001(商品名)」,東洋紡株式会社製)を用い、基材フィルム11の一方の面に、以下のハードコート層形成用の硬化性樹脂組成物(材料1)を塗布して未硬化樹脂層を形成し、90kV及び7Mrad(70kGy)の条件で電子線を照射して、該未硬化樹脂層を架橋硬化させることにより、ハードコート層12(層厚:1.5μm)を形成した。次いで、ハードコート層12の面にコロナ放電処理をした上に、以下のプライマー層形成用樹脂組成物を塗布して、プライマー層13(層厚:2μm)を形成し、更に、熱融着樹脂(アクリル樹脂・ガラス転移温度Tg105℃)を用いて接着層14(層厚:1.5μm)を、順次積層して、基材フィルム11、ハードコート層12、プライマー層13、及び接着層14を順に有する、転写用ハードコートフィルム10を得た。
この転写用ハードコートフィルム10を用い、樹脂基体20の片面に、120℃の熱をかけながら25kgf/cm2の圧力で15分間プレス転写を行い、樹脂基体20、接着層14、プライマー層13、ハードコート層12及び基材フィルム11を順に有する、基材フィルム付きハードコート層積層体である磁気カード30を形成し、更に基材フィルム11を剥離して磁気カード30を得た。転写用ハードコートフィルム10のハードコート層12の特性、及び磁気カード30について下記の評価を行った評価結果を表1に示す。
[ハードコート層形成用の硬化性樹脂組成物(材料1)]
2官能ポリカーボネートジオールウレタンアクリレートオリゴマー:70質量部
3官能アクリルモノマー:30質量部
上記の硬化性樹脂100質量部(固形分70%)に対して、
非反応性シリコーン化合物(ポリエーテル変性シリコーンオイル):0.2質量部
[プライマー層形成用樹脂組成物]
ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体
(ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体におけるウレタン成分とアクリル成分の質量比は70/30である。):100質量部
ブロッキング防止剤(シリカ粒子(平均粒子径2μm)):3質量部
硬化剤:ヘキサンメチレンジイソシアネート:25質量部
<比較例1>
実施例1において、ハードコート層形成用樹脂組成物(材料1)として、2官能ポリカーボネートジオールウレタンアクリレートオリゴマー:90質量部、3官能アクリルモノマー:10質量部とした以外は、実施例1と同様にして、転写用ハードコートフィルム10及び磁気カード30を得た。転写用ハードコートフィルム10のハードコート層12の特性、及び磁気カード30について下記の評価を行った評価結果を表1に示す。
<比較例2>
実施例1において、ハードコート層形成用樹脂組成物(材料1)として、2官能ポリカーボネートジオールウレタンアクリレートオリゴマー:50質量部、3官能アクリルモノマー:50質量部とした以外は、実施例1と同様にして、転写用ハードコートフィルム10及び磁気カード30を得た。転写用ハードコートフィルム10のハードコート層12の特性、及び磁気カード30について下記の評価を行った評価結果を表1に示す。
<実施例2>
実施例1において、ハードコート層形成用樹脂組成物(材料2)として、以下のハードコート層形成用の硬化性樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、転写用ハードコートフィルム10及び磁気カード30を得た。転写用ハードコートフィルム10のハードコート層12の特性、及び磁気カード30について下記の評価を行った評価結果を表2に示す。
[ハードコート層形成用の硬化性樹脂組成物(材料2)]
(硬化性樹脂)
6官能ウレタンアクリレートオリゴマー:70質量部
カプロラクトン系ウレタンアクリレートオリゴマー:30質量部
上記の硬化性樹脂100質量部(固形分70%)に対して、
非反応性シリコーン化合物(ポリエーテル変性シリコーンオイル):0.2質量部
<比較例3>
実施例2において、ハードコート層形成用樹脂組成物(材料2)として、2官能ウレタンアクリレートオリゴマー:60質量部、多官能ウレタンアクリレートオリゴマー:40質量部とした以外は、実施例2と同様にして、転写用ハードコートフィルム10及び磁気カード30を得た。転写用ハードコートフィルム10のハードコート層12の特性、及び磁気カード30について下記の評価を行った評価結果を表1に示す。
<比較例4>
実施例2において、ハードコート層形成用樹脂組成物(材料2)として、2官能ウレタンアクリレートオリゴマー:50質量部、多官能ウレタンアクリレートオリゴマー:50質量部とした以外は、実施例2と同様にして、転写用ハードコートフィルム10及び磁気カード30を得た。転写用ハードコートフィルム10のハードコート層12の特性、及び磁気カード30について下記の評価を行った評価結果を表1に示す。
<エンボス適性>
実施例及び比較例で得られた磁気カード30にエンボス加工機を用いて、凹部と凸部の高低差が最大500μmとなるエンボス加工を施した。磁気カード30の表面を目視で確認し、クラックの有無について、以下の基準で評価した。
◎:外観の変化はほとんど確認されなかった。
〇:目立たないがクラックを確認できる
×:クラックが激しい
<耐傷性>
実施例及び比較例で得られた磁気カード30の表面をスチールウール(#0000)を用いて1kg/cmの荷重をかけて500往復擦り、ヘイズメータ(東洋精機製作所社製、ヘイズガードプラス)でヘイズ差を測定した。
〇:10%未満
×:10%以上
Figure 2017177615
Figure 2017177615
表1及び表2の結果から、ハードコート層12が所定の範囲の伸び率、マルテンス硬度、押し込み弾性率、押し込み深さを有する実施例1、2の磁気カード30は、比較例1〜4の磁気カードに比べ、エンボス適性及び耐傷性に優れていた。
10 転写用ハードコートフィルム
11 基材フィルム
12 ハードコート層
13 プライマー層
14 接着層
15 転写層
20 樹脂基体
21 磁気記録層
22 第一基体
23 第一印刷層
24 第二印刷層
25 磁気記録層
26 第二基体
27 隠蔽層
28 第三印刷層
29 剥離性保護層
30 磁気カード

Claims (9)

  1. 樹脂基体上に転写層が積層されており、
    前記転写層は、前記樹脂基体側から、少なくとも、接着層と、プライマー層と、最表面に位置するハードコート層と、がこの順に配置されており、
    前記ハードコート層は、以下の測定方法で測定した25℃での伸び率が50%以上、180%以下である、プラスチックカード。
    (伸び率の測定方法)
    表面が未処理のポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(PETフィルム)にハードコート層形成用樹脂組成物を塗布して厚さ40μmの塗膜を形成し、JIS K6732に準拠してダンベル型に打ち抜き後、PETフィルムを剥離して試験用シートとし、該試験用シートの伸びを引張圧縮試験機を用い、25℃の温度環境下にて、引張速度50mm/分、チャック間間隔100mmの条件で、目視にてハードコート層にクラックが入った時点での伸び率を測定する。
  2. 前記ハードコート層は、前記の方法で測定した150℃での伸び率が20%以上100%以内である、請求項1に記載のプラスチックカード。
  3. 前記ハードコート層は、マルテンス硬度が30N/mm以上115N/mm以下である、請求項1又は2に記載のプラスチックカード。
  4. 前記ハードコート層は、以下の測定方法で測定した押し込み弾性率が1200N/mm以上2300N/mm以下である、請求項1から3のいずれかに記載のプラスチックカード。
    (押し込み弾性率の測定方法)
    微小硬さ試験機を使用し、ISO 14577−1に準拠して、表面が未処理の、厚さ188μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(PETフィルム)にハードコート層形成用樹脂組成物を塗布して厚さ3μmの塗膜を形成し、ハードコート層側から圧子を押し込み、荷重0.05mNとなるように5秒荷重をかけた際の値である。
  5. 前記ハードコート層は、前記押し込み弾性率の測定方法と同様の方法で、押し込み荷重が0.05mNで測定したときの最大押し込み深さが0.10μm以上0.30μm以下である、請求項1から4のいずれかに記載のプラスチックカード。
  6. 前記ハードコート層は、前記押し込み弾性率の測定方法と同様の方法で、押し込み荷重が0.05mNで測定したときの荷重除去後の永久押し込み深さが0.06μm以上0.20μm以下である、請求項1から5のいずれかに記載のプラスチックカード。
  7. 前記ハードコート層は、2官能オリゴマーと3官能モノマーとを含有する電離放射線硬化樹脂組成物の硬化物からなる層であり、2官能オリゴマーと3官能モノマーとの配合比(2官能オリゴマー/3官能モノマー)が、質量比で6/4以上8/2以下である、請求項1から6のいずれかに記載のプラスチックカード。
  8. 前記ハードコート層は、2官能オリゴマーと多官能オリゴマーとを含有する電離放射線硬化樹脂組成物の硬化物からなる層であり、2官能オリゴマーと多官能オリゴマーとの配合比(2官能オリゴマー/多官能オリゴマー)が、質量比で7/3以上9/1以下である、請求項1から6のいずれかに記載のプラスチックカード。
  9. 前記プラスチックカードの前記ハードコート層側の表面の少なくとも一部には、エンボス加工及び/又はザグリ加工による凹凸が形成されている、請求項1から8のいずれかに記載のプラスチックカード。
JP2016069790A 2016-03-30 2016-03-30 プラスチックカード Active JP6701885B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016069790A JP6701885B2 (ja) 2016-03-30 2016-03-30 プラスチックカード

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016069790A JP6701885B2 (ja) 2016-03-30 2016-03-30 プラスチックカード

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017177615A true JP2017177615A (ja) 2017-10-05
JP6701885B2 JP6701885B2 (ja) 2020-05-27

Family

ID=60008161

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016069790A Active JP6701885B2 (ja) 2016-03-30 2016-03-30 プラスチックカード

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6701885B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018159684A1 (ja) * 2017-02-28 2018-09-07 大日本印刷株式会社 三次元成形用転写フィルム、その製造方法、及び樹脂成形品の製造方法
JP2018140632A (ja) * 2017-02-28 2018-09-13 大日本印刷株式会社 三次元成形用転写フィルム及び樹脂成形品の製造方法
JP2018140633A (ja) * 2017-02-28 2018-09-13 大日本印刷株式会社 三次元成形用転写フィルム、その製造方法、及び樹脂成形品の製造方法
JP2020157684A (ja) * 2019-03-27 2020-10-01 大日本印刷株式会社 転写型ハードコートフィルム、及び当該フィルムを利用したハードコート体の製造方法
WO2022137768A1 (ja) * 2020-12-25 2022-06-30 株式会社カネカ 積層体およびその利用
JP7480474B2 (ja) 2019-03-26 2024-05-10 大日本印刷株式会社 加飾シートおよび加飾樹脂成形品

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018159684A1 (ja) * 2017-02-28 2018-09-07 大日本印刷株式会社 三次元成形用転写フィルム、その製造方法、及び樹脂成形品の製造方法
JP2018140632A (ja) * 2017-02-28 2018-09-13 大日本印刷株式会社 三次元成形用転写フィルム及び樹脂成形品の製造方法
JP2018140633A (ja) * 2017-02-28 2018-09-13 大日本印刷株式会社 三次元成形用転写フィルム、その製造方法、及び樹脂成形品の製造方法
JP7155540B2 (ja) 2017-02-28 2022-10-19 大日本印刷株式会社 三次元成形用転写フィルム及び樹脂成形品の製造方法
JP7192218B2 (ja) 2017-02-28 2022-12-20 大日本印刷株式会社 三次元成形用転写フィルム、その製造方法、及び樹脂成形品の製造方法
JP7480474B2 (ja) 2019-03-26 2024-05-10 大日本印刷株式会社 加飾シートおよび加飾樹脂成形品
JP2020157684A (ja) * 2019-03-27 2020-10-01 大日本印刷株式会社 転写型ハードコートフィルム、及び当該フィルムを利用したハードコート体の製造方法
JP7310213B2 (ja) 2019-03-27 2023-07-19 大日本印刷株式会社 転写型ハードコートフィルム、及び当該フィルムを利用したハードコート体の製造方法
WO2022137768A1 (ja) * 2020-12-25 2022-06-30 株式会社カネカ 積層体およびその利用

Also Published As

Publication number Publication date
JP6701885B2 (ja) 2020-05-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6701885B2 (ja) プラスチックカード
JP5056691B2 (ja) 鋼板用化粧シート及びこれを用いた化粧鋼板
JP5678767B2 (ja) 熱転写フィルムの製造方法
EP2689929A1 (en) Decorative sheet for three-dimensional molding and method for producing same, and decorative molded article using decorative sheet and method for producing same
JP5056693B2 (ja) 鋼板用化粧シート及びこれを用いた化粧鋼板
JP5979026B2 (ja) 成形同時加飾用転写フィルム
JP6195146B2 (ja) 保護層転写シートおよびその製造方法
JP6870263B2 (ja) 転写用ハードコートフィルム、ハードコート積層体、及びハードコート積層体の製造方法
JP2007290382A (ja) 鋼板用化粧シート及びこれを用いた化粧鋼板
JP2013208777A (ja) 保護層転写シートの製造方法
JP2006123536A (ja) 化粧シート
JP2017177647A (ja) 転写用ハードコートフィルム、基材フィルム付ハードコート層積層体、及びハードコート層積層体の製造方法
JP5581950B2 (ja) 耐候ハードコートフィルム
JP5527149B2 (ja) 金属板用化粧シート及びこれを用いた化粧金属板
JP5577894B2 (ja) 熱転写フィルム及びこれを用いたハードコート体
JP6821936B2 (ja) ハードコート層積層体の製造方法
JP2017177741A (ja) 転写用ハードコートフィルム、及びこれを用いた加飾部材
JP2014198317A (ja) 熱転写フィルムの製造方法
JP6658175B2 (ja) 転写箔
JP2017177613A (ja) 転写用ハードコートフィルム、基材フィルム付ハードコート層積層体、及びハードコート層積層体の製造方法
JP6701884B2 (ja) プラスチックカード
CN107001872B (zh) 粘合片
JP5056690B2 (ja) 鋼板用化粧シート及びこれを用いた化粧鋼板
JP2016190487A (ja) 転写シート、ハードコート積層体及びハードコート積層体の製造方法
JP2020138532A (ja) 着色フィルム、着色粘着シート、及び着色フィルムの検出方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20160928

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190130

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191015

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200407

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200420

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6701885

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150