JP2017177741A - 転写用ハードコートフィルム、及びこれを用いた加飾部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】電波レーダ装置の前面に配置される加飾部材に、優れた耐候性と生産性を付与できる転写用ハードコートフィルム、及びこれを用いた加飾部材を提供する。
【解決手段】電波レーダ装置の前面に配置される加飾部材30であって、加飾部材30は、第2の樹脂基体33と、インジウム光沢層312と、第1の樹脂基体20と、接着層123とプライマー層122とハードコート層121とをこの順に備える転写層12と、をこの順に備え、前記プライマー層122中に紫外線吸収剤を含有し、転写層12は、波長350nm以上400nm以下の光線透過率の平均が25%以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、電波レーダ装置の前面に配置され、インジウム光沢層と樹脂基体とハードコート層とをこの順に備える加飾部材に用いられる該ハードコート層を形成するための転写用ハードコートフィルム、及びこれを用いた加飾部材に関するものである。
オートクルーズシステムは、車両前側に搭載されているセンサによって前方車両と自車との車間距離や相対速度を測定し、この情報を基にスロットルやブレーキを制御して自車を加減速し、車間距離をコントロールする技術である。オートクルーズシステムに使用されるセンサとしては、一般に、レーザレーダやミリ波レーダが使用されている。例えば、ミリ波レーダは、周波数30GHz〜300GHz、波長1〜10mmのミリ波を送信し、かつ、対象物にあたって反射したミリ波を受信することで、この送信波と受信波の差から前方車両と自車との車間距離や相対速度を測定する。ミリ波レーダの前方には、電波透過性の加飾部材(電波透過カバー)が配置されている。ミリ波レーダから照射したミリ波は、電波透過性の加飾部材を透過して、車両の前方に出力される。
また、70GHz帯のミリ波レーダでは、理論分解能は10mm程度であるが、人のようなレーダ反射が微弱な物体では、分解能が低下し、検知できない恐れがある。そのため、分解能に優れる、周波数300THz、波長1μm程度の近赤外線レーダも併用されて用いられる場合がある。
例えば、下記の特許文献1には、電波透過性の加飾部材の具体的構成及びその製造方法が提案されている。
図10は、従来の電波透過性の加飾部材100の一例を示す模式図である。電波透過性の加飾部材100は、車両前方を正面として正面視したときに手前側から、透明な第1の樹脂基体101と、着色層102(色材層1021及び金属光沢層1022)と、耐熱層103と、第2の樹脂基体104との順で構成される。
第1の樹脂基体101の背面は、凹凸形状であり、着色層102のうち、色材層1021は、第1の樹脂基体101の背面の凸部101Aに形成される。これに対し、金属光沢層1022は、第1の樹脂基体101の背面の凹部101Bを含んで形成される。正面視すると、凹部101Bに形成された金属光沢層1022が、金属光沢層1022の周囲に形成される色材層1021よりも手前に位置するため、ユーザーらに対し、金属光沢層1022が周囲の色材層1021に対して浮き出ているように見せることができる。
また、電波透過性の加飾部材100においては、耐傷性を付与するために、樹脂基体101の両表面にハードコート剤が塗布されてハードコート層105が形成されている(図11参照)。ハードコート剤の塗布方法として、スプレー法、ディップ法、スピンコート法、ロールコート法、カーテンコート法、フローコート法等が知られている。
特開2008−230497号公報
ところで、金属光沢層1022が電波透過性を有するには、金属光沢層1022が不連続構造、すなわち金属光沢層1022が一面に連続しておらず、多数の微細な金属光沢層1022が島状に互いに僅かに離間した状態で存置する構造(海島構造)をなす必要がある。そのため、金属光沢層1022には、光輝性を有し不連続構造をとりやすいインジウムを用いるのが一般的である。
しかしながら、本発明者らの検討によると、このインジウムは耐候性に乏しく、上述した加飾部材100においては、ハードコート層105が形成されていても、長期間に亘り太陽光に曝されることによりインジウムからなる金属光沢層1022が退色し易いという事実が判明した。
また、従来のハードコート剤を塗布する工程は、電波透過性の加飾部材100を製造する最終工程で行われる。そのため、ハードコート剤を塗布する最終工程までに第1の樹脂基体101に傷が付くと、高価なインジウムからなる金属光沢層1022が形成された第1の樹脂基体は不良品となってしまう。そのため、電波透過性加飾部材100を製造する初期の段階でハードコート層105を形成し、不良品の発生による損失をできるだけ少なく抑えることが望まれる。
また、上記の方法であると、第1の樹脂基体101の表面にハードコート層105を直接形成しているが、電波透過性の加飾部材100の耐候性を高める観点から、ハードコート層105を多層化することが好ましい。しかしながら、塗布方式において多層化する場合には、塗布及び乾燥を各層毎に繰り返す必要があり、作業にかかる負担が大きいうえ、歩留まりのさらなる悪化に繋がり得る。
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものである。すなわち、その目的は、電波レーダ装置の前面に配置される加飾部材に、優れた耐候性と生産性を付与できる転写用ハードコートフィルム、及びこれを用いた加飾部材を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、ハードコート層とプライマー層と接着層とがこの順に配置されている転写層を備える転写用ハードコートフィルムを用い、プライマー層に、波長350nm以上400nm以下の紫外線を効果的に吸収する紫外線吸収剤を含有させ、その結果、転写層の光線透過率を制御することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を開発するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 電波レーダ装置の前面に配置され、インジウム光沢層と樹脂基体とハードコート層とをこの順に備える加飾部材における、前記ハードコート層を形成するための転写用ハードコートフィルムであって、
基材フィルム上に、少なくとも、ハードコート層とプライマー層と接着層とがこの順に配置される転写層を備え、
前記プライマー層中に紫外線吸収剤を含有し、
前記転写層は、波長350nm以上400nm以下の光線透過率の平均が25%以下である転写用ハードコートフィルム。
(2) 前記紫外線吸収剤は、波長350nm以上400nm以下に吸収ピークを有する第1の紫外線吸収剤である、(1)に記載の転写用ハードコートフィルム。
(3) 前記プライマー層中に、第1の紫外線吸収剤ではない第2の紫外線吸収剤を更に含有し、
前記転写層は、波長300nm以上350nm以下の光線透過率の平均が0.5%以下である(1)から(2)のいずれかに記載の転写用ハードコートフィルム。
(4) 電波レーダ装置の前面に配置され、インジウム光沢層を備える加飾部材に用いる中間製品であって、
樹脂基体上に、少なくとも、接着層とプライマー層とハードコート層と基材フィルムとがこの順に配置される転写層を備え、
前記プライマー層中に紫外線吸収剤を含有し、
前記転写層は、波長350nm以上400nm以下の光線透過率の平均が25%以下である加飾部材の中間製品。
(5) 電波レーダ装置の前面に配置される加飾部材であって、
前記加飾部材は、少なくとも、インジウム光沢層と、樹脂基体と、接着層とプライマー層とハードコート層とを備える転写層と、をこの順に有し、
前記プライマー層中に紫外線吸収剤を含有し、
前記転写層は、波長350nm以上400nm以下の光線透過率の平均が25%以下である加飾部材。
(6) 電波レーダ装置の前面に配置される加飾部材であって、
前記加飾部材は、少なくとも、第2の樹脂基体と、インジウム光沢層と、第1の樹脂基体と、接着層とプライマー層とハードコート層とをこの順に備える転写層と、をこの順に備え、
前記プライマー層中に紫外線吸収剤を含有し、
前記転写層は、波長350nm以上400nm以下の光線透過率の平均が25%以下である加飾部材。
本発明によれば、電波レーダ装置の前面に配置される加飾部材に、優れた耐候性と生産性を付与できる転写用ハードコートフィルム、及びこれを用いた加飾部材を提供することができる。
本発明の転写用ハードコートフィルムの一実施形態であって、層構成を表す断面模式図である。 本発明の加飾部材の中間製品の一実施形態であって、(a)基材フィルムが存在する実施態様、(b)基材フィルムを剥離した実施態様、を表す断面模式図である。 上記加飾部材の中間製品の製造方法の一例を示す概略図である。 本発明の加飾部材の一実施形態であって、層構成を表す断面模式図である。 各紫外線吸収剤の吸光度を示すグラフである。 実施例1の透過率を示すグラフである。 実施例2の透過率を示すグラフである。 比較例2の透過率を示すグラフである。 比較例3の透過率を示すグラフである。 従来の加飾部材の一例であって、層構成を表す断面模式図である。 従来の加飾部材の他の例であって、層構成を表す断面模式図である。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<転写用ハードコートフィルム>
本実施形態の転写用ハードコートフィルム10は、基材フィルム11上に転写層12が配置される積層体である(図1参照)。転写層12は、基材フィルム11上から、少なくとも、ハードコート層121と、プライマー層122と、接着層123との順で構成される。本実施形態の転写用ハードコートフィルム10を用いることにより、第1の樹脂基体20(図2参照)にハードコート層121を含む転写層12が積層された加飾部材の中間製品を製造することができる。
本実施形態の転写用ハードコートフィルム10は、本発明の転写用ハードコートフィルムの一実施態様である。本発明における「この順に配置」とは、基材フィルム11とハードコート層121とプライマー層122と接着層123のみが積層されている構成に限定されない意味である。例えば、本発明の効果を妨げない範囲で、基材フィルム11とハードコート層121との間に離型層や着色層等の他の層が積層されていても本発明の積層順を充足する限り本発明の範囲である。
そして、転写層12は、プライマー層122中に紫外線吸収剤を含有し、波長350nm以上400nm以下の光線透過率の平均が25%以下である。波長350nm以上400nm以下の光線透過率の平均が25%以下であることにより、転写用ハードコートフィルム10が積層された加飾部材の中間製品や加飾部材は、エネルギーの低い紫外線や短波長の可視光に晒されても、後述する加飾部材のインジウム光沢層の退色が抑制され、優れた耐候性を有する。
ここで、光透過率の平均とは、転写用ハードコートフィルム10から基材フィルム11を剥離して転写層12のみとし、分光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ製 「型番:U−4100」)によって、波長350nmから波長400nmまでの光線における光透過率を1nm毎に測定し、その平均を算出したものである。
なお、本実施形態では、ハードコート層121、プライマー層122、接着層123の3層のみからなる転写層12であるが、転写層12にこれら3層以外に他の層が含まれていてもよい。また、転写層12は、波長400nm以上750nm以下の可視領域においては、90%以上の平均光線透過率であることが好ましい。
以下、本実施形態の転写用ハードコートフィルム10を構成する基材フィルム11と、転写層12とについて各々説明する。
〔基材フィルム〕
基材フィルム11は、特に限定されないが、ポリエステル樹脂フィルム又はポリオレフィン樹脂フィルムにより構成されることが好ましい。また、上記フィルムのうち延伸フィルムであることが好ましい。基材フィルム11がこれらの樹脂フィルムにより構成されることにより、その上にハードコート層121等を容易に形成でき、また、転写用ハードコートフィルム10を製造する際に熱収縮や、ハードコート層121の形成に電離放射線硬化性樹脂を用いる場合は、電離放射線の照射による収縮が生じにくいという優れた耐収縮性を有し、転写用ハードコートフィルム10を優れた安定性と効率とで製造することが可能となる。更に、転写用ハードコートフィルム10を第1の樹脂基体20に転写する際の加熱温度による熱収縮が生じることもないので、容易に加飾部材の中間製品を製造することができる。
ポリエステル樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」ということがある。)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート、エチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体等のポリエステル樹脂からなるフィルムが好ましく挙げられる。これらの中でも、本実施形態の転写用ハードコートフィルム10を製造する際の熱収縮や、電離放射線の照射による収縮が生じにくいこと等を考慮すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。
ポリオレフィン樹脂フィルムとしては、転写用ハードコートフィルム10を製造する際の熱収縮や、電離放射線の照射による収縮が生じにくいこと等を考慮すると、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブテン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体樹脂、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体樹脂、オレフィン熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン樹脂からなり、延伸された樹脂フィルムが好ましく挙げられる。また、これらの中でも、延伸ポリプロピレン樹脂フィルムであることが好ましい。
延伸ポリオレフィン樹脂は、一軸延伸されたもの、二軸延伸されたもののいずれでもよいが、転写用ハードコートフィルムを製造する際の熱収縮や、電離放射線の照射による収縮が生じにくいこと等を考慮すると、二軸延伸されたものであることが好ましい。二軸延伸ポリオレフィン樹脂のシートは、通常、長手方向延伸機を用いてガラス転移温度(Tg)以上に加熱して、好ましくは5倍以上30倍以下程度延伸し、次いで、幅方向延伸機を用いてガラス転移温度(Tg)以上に加熱して幅方向へ好ましくは5倍以上30倍以下延伸して得られる。また、延伸倍率が上記範囲内であると、転写用ハードコートフィルム10を製造する際の熱収縮や、電離放射線の照射による収縮が生じにくくなる。
基材フィルム11の厚さは、特に限定されないが、4μm以上200μm以下であればよい。4μm以上であればカールやシワが入りにくくなり、200μm以下であればコストを安価に抑えられ、熱伝導効率が低下することがなく、転写後に基材フィルム11を剥離する際に各層がとられることがないため、優れた転写性が得られる。基材フィルム11は、複層構成でもよい。その場合、複層構成全体で上記厚みの範囲にあることが好ましい。
なお、基材フィルム11は、転写する際のハードコート層121との間の離型性を確保するために、必要に応じて基材フィルム11表面に公知の離型処理を施したり、シリコーン樹脂等の離型層を設けてもよい。また、逆にハードコート層121との密着性を向上させるためにコロナ放電処理、プラズマ処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン/紫外線処理、易接着コート剤を塗布する等の表面処理を施してもよい。
〔転写層〕
転写層12は、基材フィルム11上から、ハードコート層121と、プライマー層122と、接着層123との順で構成される。
〔ハードコート層〕
ハードコート層121は、硬化性樹脂組成物の硬化物からなる層であり、第1の樹脂基体20に耐傷性(ハードコート性)を付与する層である。
[硬化性樹脂組成物]
(硬化性樹脂)
ハードコート層121は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、尿素樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、電離放射線硬化性樹脂等、の硬化物からなる層を好ましく挙げることができる。耐候性や耐傷性の観点から電離放射線硬化性樹脂の硬化物であることが好ましい。
電離放射線硬化性樹脂は、電離放射線を照射することにより硬化する硬化性樹脂であり、電離放射線としては、電波又は荷電粒子線のうち、分子を重合或いは架橋し得るエネルギー量子を有するもの、例えば、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるほか、X線、γ線等の電波、α線、イオン線等の荷電粒子線も用いられる。
ハードコート層121に使用できる電離放射線硬化性樹脂としては、従来から電離放射線硬化性を有する樹脂として慣用されている重合性オリゴマー(プレポリマー)、重合性ポリマーの中から適宜選択して用いることができ、良好な硬化特性を得る観点から、ブリードアウトしにくく、かつ硬化させてハードコート層121を形成する際に硬化収縮を生じにくいものが好ましい。また、無溶剤系で塗布する場合は固形分基準として95%以上100%以下程度としても塗布性を有することが好ましい。
重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系やポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートやカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系のオリゴマー等が好ましく挙げられ、ウレタン(メタ)アクリレート系がより好ましい。なお、上記(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
これらのオリゴマーのうち、多官能の重合性オリゴマーが好ましく、官能基数としては、2以上15以下が高架橋密度による耐傷性付与の点で好ましく、硬化収縮を生じにくいという点から、2以上8以下がより好ましく、更に好ましくは2以上6以下である。また、単官能の重合性オリゴマーとしては、例えば、カプロラクトン系ポリオールと有機イソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応により得られるカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレートや、ポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート等のような高分子ウレタン(メタ)アクリレートを挙げることができる。
重合性ポリマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つポリマー、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系やポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートやポリカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系のポリマー等が好ましく挙げられ、ポリカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレート又はウレタン(メタ)アクリレート系がより好ましい。なお、上記(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。これらのポリマーを単独で、或いは複数を組み合せて用いてもよい。
(粒子)
また、ハードコート層121を形成する硬化性樹脂組成物は、更に、耐傷性を向上させるために、粒子を含有させてもよい。粒子としては、無機系と有機系の粒子があり、無機系の粒子としては、例えば、アルミナ、シリカ、カオリナイト、酸化鉄、ダイヤモンド、炭化ケイ素等の粒子が挙げられる。粒子形状は、球、楕円体、多面体、鱗片形等が挙げられ、特に制限はないが、硬度がより高くなり優れた耐傷性が得られる点で、球状が好ましい。粒子の平均粒子径としては、特に制限されないが、ハードコート層121の硬度及び平滑性の観点から、0.1μm以上4μm以下、好ましくは0.5μm以上3μm以下が挙げられる。本実施形態において、粒子の平均粒子径は、体積平均粒子径であるものとする。体積平均粒子径は、レーザー回折式、又はレーザー散乱式粒子径分布測定により測定することができる。
これらの無機系の粒子のうち、シリカ粒子は好ましいものの一つである。シリカ粒子は、耐傷性を向上させ、かつハードコート層121の透明性を阻害しないからである。シリカ粒子としては、従来公知のシリカ粒子から適宜選択して用いることが可能であり、コロイダルシリカ粒子等も好適に挙げられる。コロイダルシリカ粒子は、添加量が増えた場合であっても、透明性に影響を及ぼすことが少ない。
一方、有機系の粒子としては、架橋アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂ビーズが好ましく挙げられる。
粒子の含有量としては、硬化性樹脂100質量部に対して1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、より好ましくは1質量部以上10質量部以下であり、更に好ましくは1質量部以上5質量部以下である。粒子の含有量が上記範囲内であると、優れた耐傷性、透明性、及びプライマー層122との密着性が得られる。
(その他の成分)
なお、ハードコート層121を形成する硬化性樹脂組成物には、樹脂組成物の粘度を調整する等の目的で、メチル(メタ)アクリレート等の単官能性(メタ)アクリレートのような希釈剤を、本発明の目的を損なわない範囲で適宜併用することができる。単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよく、また低分子量の多官能性(メタ)アクリレートを併用してもよい。
希釈剤としては、上記のモノマーの他、通常の有機溶媒を用いて、樹脂組成物の塗工性を確保することもできる。
また、上記硬化性樹脂組成物には硬化性樹脂の他、所望に応じて、非反応性シリコーン化合物等の滑剤が加飾部材に耐傷性を付与する性能を損なわない範囲で含まれていてもよい。
硬化性樹脂組成物は、耐傷性及び耐候性を向上させ、優れた透明性を得る観点から、非反応性シリコーン化合物を含有することができる。非反応性シリコーン化合物は、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、(メタ)アクリロイル基、アリル基等の反応性官能基を有しないシリコーン化合物であれば特に制限はなく、例えば、ポリシロキサンからなるシリコーンオイルのほか、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アラルキル変性シリコーンオイル、フロロアルキル変性シリコーンオイル、長鎖アルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸アミド変性シリコーンオイル、フェニル変性シリコーンオイル等が好ましく挙げられる。
なお、上記のような反応性官能基を分子中に有する反応性シリコーン化合物は、硬化収縮が生じやすくなるので、硬化性樹脂組成物に含有させないことが好ましい。
非反応性シリコーン化合物の含有量としては、硬化性樹脂100質量部に対して、0.05質量部以上30質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.05質量部以上10質量部以下であり、更に好ましくは0.1質量部以上5質量部以下である。非反応性シリコーン化合物の含有量が上記範囲内であると、優れた耐傷性及び耐候性が得られ、硬化収縮が生じることがない。
また、ハードコート層121の形成に用いられる硬化性樹脂組成物は、優れた耐候性を得るため、耐候性改善剤を含んでもよい。耐候性改善剤としては、紫外線吸収剤や光安定剤等があり、紫外線吸収剤は有害な紫外線を吸収し、加飾の長期にわたる耐候性、安定性を向上させる。また、光安定剤は、これ自体は紫外線をほとんど吸収しないが、紫外線により生じる有害なフリーラジカルを効率よく捕捉することにより安定化が得られるというものである。
しかし、ハードコート層121に、紫外線吸収剤を用いる場合は、その含有量が硬化性樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上3質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上2質量部以下であることがより好ましく、0.3質量部以上1.5質量部以下であることがより好ましい。ハードコート層121中の紫外線吸収剤の含有量が上記範囲であると、該吸収剤がブリードアウトすることなく、また十分な紫外線吸収能が得られるので、優れた耐候性が得られる。ハードコート層121に多くの紫外線吸収剤を含有させても、耐傷性と耐候性とを両立させることが難しく、後述するようにプライマー層122に紫外線吸収剤を多く含有させる方が、ハードコート層121の耐傷性を確保する上で好ましい。なお、紫外線吸収剤の詳細については、プライマー層122において、説明する。
また、光安定剤としては、反応性官能基を有するヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。反応性官能基としては、電離放射線硬化性樹脂と反応性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合を有する官能基等が好ましく挙げられ、これらから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。なかでも(メタ)アクリロイル基が好ましい。
このような反応性官能基を有するヒンダードアミン系光安定剤としては、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、2,4−ビス[N−ブチル−N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ]−6−(2−ヒドロキシエチルアミン)−1,3,5−トリアジン)等が好ましく挙げられる。
また、ハードコート層形成用の硬化性樹脂組成物は、その性能を阻害しない範囲で各種添加剤を含有することができる。各種添加剤としては、例えば重合禁止剤、架橋剤、帯電防止剤、接着性向上剤、酸化防止剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤等が挙げられる。
なお、電離放射線硬化性樹脂として紫外線硬化性樹脂を用いる場合には、光重合用開始剤を硬化性樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下添加することが望ましく、光重合用開始剤としては、従来慣用されているもののなかから適宜選択することがきできる。
[厚さ]
電波レーダが送受信するミリ波や近赤外線等の電波の減衰、回折、散乱及び周波数変動を抑えるため、ハードコート層121の厚さは、耐傷性を付与する性能を損なわない範囲で薄いほど好ましく、耐候性を損なわない範囲で厚みを有することが好ましい。また、ハードコート層121の透明化を図る観点、硬化収縮の発生を低減するという観点でも、ハードコート層121の厚さは、薄いほど好ましい。本実施形態において、ハードコート層121の厚さは、1μm以上10μm以下が好ましく、2μm以上6μm以下更に好ましく、2μm以上4μm以下であることが特に好ましい。
本実施形態では、車両や電子機器に設けられる電波透過性加飾部材を構成する第1の樹脂基体(図2の符号20)にハードコート層121を付与するにあたり、転写用ハードコートフィルム10を用いて、第1の樹脂基体20上にハードコート層121を射出成形同時転写するようにしたことから、ハードコート層121を簡便に薄膜化し、かつ、膜厚を簡便に均一化することができる。
第1の樹脂基体20上に、従来公知のハードコート剤塗布方法、例えば、ディップ法、スプレー法、スピンコート法、ロールコート法、カーテンコート法、フローコート法等を採用したとしても、ハードコート層121の薄膜化と、膜厚の均一化とを両立することは、難しい。
〔プライマー層〕
プライマー層122は、ハードコート層121と接着層123との間に配置され、ハードコート層121に対する応力緩和層として機能するとともに、ハードコート層121との密着性を向上させる役割を果たす層であり、更に紫外線吸収剤を含有することによって耐候性を向上させる役割を果たす層である。また、プライマー層122は、ハードコート層121の劣化による割れを抑制するために設けられとともに、生産工程や保管に際して、ブロッキング現象の発生を抑制し、フィルムの巻き形状の悪化やフィルムの損傷を生じさせないために設けられる層であることが好ましい。
更に、プライマー層122は、紫外線吸収剤として、波長350nm以上400nm以下に吸収ピークを有する紫外線吸収剤である第1の紫外線吸収剤を含有することが好ましい。第1の紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、又は、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤であることが好ましく、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤がより好ましい。このような第1の紫外線吸収剤としては、例えば、最大吸収波長が378nmであるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チヌビンカーボンプロテクト(商品名)BASFジャパン株式会社製)が挙げられる。また、例えば、最大吸収波長が356nmであるヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤(チヌビン477(商品名)、BASFジャパン株式会社製)も挙げられる。
プライマー層122中における第1の紫外線吸収剤の含有量は、転写層12の波長350nm以上400nm以下の光線透過率の平均が25%以下となるように、適宜調整されればよいが、その含有量が硬化性樹脂100質量部に対して、1質量部以上50質量部以下であることが好ましく、5質量部以上40質量部以下であることがより好ましく、10質量部以上35質量部以下であることが特に好ましい。ハードコート層121中の第1の紫外線吸収剤の含有量が上記範囲であると、波長350nm以上400nm以下の光線である紫外線や短波長である可視光に対して優れた耐候性を得ることができる。プライマー層122中の第1の紫外線吸収剤の含有量が1質量部未満である場合には、後述するインジウム光沢層の退色が進行しやすくなるため好ましくない。プライマー層122中の第1の紫外線吸収剤の含有量が50質量部を超えると、密着性が低下するため好ましくない。
紫外線吸収剤としては、上述した第1の紫外線吸収剤以外に、第2の紫外線吸収剤を含有してもよい。第2の紫外線吸収剤は、第1の紫外線吸収剤以外の紫外線吸収剤である。転写層は、波長300nm以上350nm以下の光線透過率の平均が0.5%以下であるように、第2の紫外線吸収剤を含有することが好ましい。
第2の紫外線吸収剤の含有量は、波長300nm以上350nm以下の光線透過率の平均が0.5%以下となるように適宜調整されればよいが、転写層12に含有される紫外線吸収剤のうち、1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、5質量%以上40質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上35質量%以下が特に好ましい。ハードコート層121中の第2の紫外線吸収剤の含有量が上記範囲であると、波長350nm以上400nm以下の光線である紫外線のみならず、より短波長の紫外線に対しても優れた耐候性を得ることができる。
以下、第2の紫外線吸収剤としては、二酸化チタンや酸化セリウム、酸化亜鉛等の無機系のものや、波長350nm未満400nm超に吸収ピークを有するベンゾトリアゾール系やトリアジン系の有機系の紫外線吸収剤が好ましく挙げられる。トリアジン系紫外線吸収剤のなかでも、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤が更に好ましい。ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル]−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−(2’−エチル)ヘキシル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等が好ましく挙げられ、これらを単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
プライマー層122に使用される光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)が挙げられ、より具体的には、反応性官能基を有しないヒンダードアミン系光安定剤、又は前記ハードコート層121の形成に好ましく用いられる反応性官能基を有するヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。特に、プライマー層122に優れた応力緩和性能を備えさせるという観点から、プライマー層122に使用される光安定剤として、反応性官能基を有しないヒンダードアミン系光安定剤が好ましい。反応性官能基を有しないヒンダードアミン系光安定剤としては、具体的には、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2’−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート等が挙げられる。これらの光安定剤は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[バインダー樹脂]
本実施形態に関するプライマー層122を構成するバインダー樹脂は、主剤と硬化剤とからなる2液硬化型樹脂を含有することが好ましい。
[主剤]
主剤としては、特に限定はなく、例えば、ポリウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、プチラール樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのバインダー樹脂の中でも、密着性及び耐候性の観点から、ポリウレタン樹脂が好ましい。
ポリウレタン樹脂としては、ポリウレタン樹脂の高分子鎖中に更にアクリル骨格を有するポリウレタン樹脂であることが、耐候性及び耐久性の観点からより好ましい。高分子鎖中にアクリル骨格を有するポリウレタン樹脂としては、例えば、ウレタン成分とアクリル成分との共重合体であるウレタンアクリル共重合体、ポリウレタンを構成するポリオール成分又はポリイソシアネート成分としてヒドロキシル基又はイソシアネート基を有するアクリル樹脂があり、なかでもウレタンアクリル共重合体が好ましい。ウレタンアクリル共重合体は、例えば、1分子中に少なくとも2個のヒドロキシル基を有するアクリル樹脂にポリオール化合物及びイソシアネート化合物を反応させる方法(特開平6−100653号公報等参照)や、不飽和二重結合を両末端に有するウレタンプレポリマーにアクリルモノマーを反応させる方法(特開平10−1524号公報等参照)等によって得ることができる。
上記の高分子鎖中にアクリル骨格を有するポリウレタン樹脂のなかでも、高分子鎖中に、更にポリカーボネート骨格又はポリエステル骨格を有するものが、ハードコート層との密着性の観点から好ましい。高分子鎖中にアクリル骨格を有し、更にポリカーボネート骨格又はポリエステル骨格を有するポリウレタンとしては、ポリカーボネート系ウレタン成分とアクリル成分の共重合体であるポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体、又は、ポリエステル系ウレタン成分とアクリル成分の共重合体であるポリエステル系ウレタンアクリル共重合体がより好ましく、より一層優れた耐候性を備えさせるという観点から、ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体を用いることが特に好ましい。これらのポリウレタンは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体は、例えば、カーボネートジオールとジイソシアネートを反応させて得られたポリカーボネート系ウレタンと、アクリル骨格を有するジオールを共重合させることにより得ることができる。また、ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体は、アクリル骨格を有するジオールに、カーボネートジオールとジイソシアネートを反応させることによっても得ることができる。ここで、上記アクリル骨格を有するジオールとしては、具体的には、(メタ)アクリル酸、アルキル基の炭素数が1〜6程度の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、或いはこれらがラジカル重合したオリゴマー又はプレポリマー(重合度2以上10以下程度)に、2つの水酸基が導入されている化合物が挙げられる。
上記ジイソシアネートとしては、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系インシアネート;イソホロンジイソシアネート、水素転化キシリレンジイソシアネート等の脂環式系インシアネートが挙げられる。また、上記カーボネートジオールとしては、具体的には、下記一般式(1)に示される化合物(式中、Rは、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数1以上12以下のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数1以上12以下の2価の複素環基、又は、置換基を有していてもよい炭素数1以上12以下の2価の脂環基であり、mは、1以上10以下の整数である)等が挙げられる。
HO−[R−O−(C=O)−O]m−R−OH (1)
また、ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体は、ラジカル重合する基が導入されているポリカーボネート系ポリウレタンプレポリマーを、アクリルモノマーとラジカル重合させることによって得ることもできる。前記アクリルモノマーとしては、具体的には、(メタ)アクリル酸やアルキル基の炭素数が1以上6以下程度の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
上記ポリエステル系ウレタンアクリル共重合体は、例えば、エステルジオールとジイソシアネートを反応させて得られたポリエステル系ウレタンと、アクリル骨格を有するジオールを共重合させることにより得ることができる。或いは、アクリル骨格を有するジオールに、エステルジオールとジイソシアネートを反応させることによっても得ることができる。ここで、アクリル骨格を有するジオール及びジイソシアネートは、前記ポリカーポネート系ウレタンアクリル共重合体の製造に使用されるものと同様である。また、エステルジオールとしては、具体的には、下記一般式(2)に示される化合物(式中、Rは、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数1以上12以下のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数1以上12以下の2価の複素環基、又は、置換基を有していてもよい炭素数1以上12以下の2価の脂環基であり、mは、1以上10以下の整数である)等が挙げられる。
HO−[R−O−(C=O)]m−R−OH (2)
また、ポリエステル系ウレタンアクリル共重合体は、ラジカル重合する基が導入されているポリエステル系ポリウレタンプレポリマーを、アクリルモノマーとラジカル重合させることによって得ることもできる。アクリルモノマーとしては、上記ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体の製造に使用されるものと同様である。
上記プライマー層122に用いられるポリウレタンは、優れた耐候性を備えさせるために、アクリル成分の含有量が1質量%以上30質量%以下であることが好ましい。ここで、ポリウレタンにおけるアクリル成分の含有量とは、ポリウレタンの総質量当たり、アクリル骨格を構成するモノマーが占める割合(質量%)である。より一層優れた耐候性を備えさせるという観点から、ポリウレタンにおけるアクリル成分の含有量として、好ましくは5質量%以上20質量%以下が挙げられる。ポリウレタンにおけるアクリル成分の含有量は、ポリウレタンのNMRスペクトルを測定し、全ピーク面積に対するアクリル成分に帰属されるピーク面積の割合を求めることによって算出される。
上記プライマー層122において、上記ポリウレタンと他のバインダー樹脂を組み合わせて使用する場合、これらの混合比については、特に制限されないが、例えば、バインダー樹脂の総量100質量部当たり、上記ポリウレタンが50質量部以上、好ましくは70質量部以上、更に好ましくは85質量部以上となるように設定すればよい。
[硬化剤]
上記の主剤の硬化を促進する観点から、例えばトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、シクロヘキサンフェニレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート等のイソシアネート硬化剤が挙げられる。
硬化剤の使用量は、応力緩和性能や表面保護層と接着層との密着性を向上の観点から、主剤となる樹脂100質量部に対して、1質量部以上40質量部以下が好ましく、10質量部以上30質量部以下がより好ましく、20質量部以上30質量部以下が特に好ましい。
本実施形態に関するプライマー層122は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の各種添加剤を含有していてもよい。このような添加剤としては、例えば、耐摩耗性向上剤、赤外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤等が挙げられる。これらの添加剤は、常用されるものから適宜選択して用いることができる。
[厚さ]
電波レーダが送受信するミリ波や近赤外線等の電波の減衰、回折、散乱及び周波数変動を抑えるため、プライマー層122の厚さは、耐候性を付与する性能を損なわない範囲で薄いほど好ましく、波長350nm以上400nm以下の光線透過率の平均が25%以下となる範囲の厚みを有することが好ましい。本実施形態において、プライマー層122の厚さは、0.1μm以上10μm以下が好ましく、0.1μm以上5μm以下であることがより好ましく、1μm以上4μm以下が特に好ましい。
〔接着層〕
本実施形態に関する接着層123は、ハードコート層121を第1の樹脂基体20の表面に形成するために、ハードコート層121を第1の樹脂基体20に接着するために設けられる層である。また、接着層123は、ハードコート層121を第1の樹脂基体20に接着するという機能に加えて、プライマー層122に含まれる粒子がプライマー層122の表面に突き出す、いわゆる頭出しを和らげて透明性の低下を抑制し、優れた光学的性能を確保するという機能をも有していることが好ましい。
本実施形態に関する接着層123に使用できる接着性の樹脂としては、第1の樹脂基体20の材質や転写の際の転写温度や圧力に応じて定められるものであるが、一般に、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ゴム、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂等の熱融着樹脂が好ましく、第1の樹脂基体20の材質や転写製品の用途に応じて、上記樹脂の中から1種又は2種以上の樹脂が選定される。プライマー層122に含まれる粒子との屈折率差が小さく透明性に優れ、透明性と耐候性向上の点から、上記熱融着樹脂としては、アクリル樹脂を単体で用いることが特に好ましい。
電波レーダが送受信するミリ波や近赤外線等の電波の減衰、回折、散乱及び周波数変動を抑えるため、接着層123の厚さは、接着性を付与する性能を損なわない範囲で薄いほど好ましい。また、接着層123の厚さについては、プライマー層122よりも厚いことが好ましい。電波レーダが送受信するミリ波の減衰、回折、散乱及び周波数変動を抑えるという観点と、上記ハードコート層121を含む転写層を第1の樹脂基体20に接着するという観点と、優れた透明性を確保するという観点とから、接着層123の厚さは、1μm以上7μm以下であることが好ましく、より好ましくは1μm以上6μm以下であり、特に好ましくは1μm以上5μm以下である。
また、電波レーダが送受信する電波の減衰、回折、散乱及び周波数変動を抑えるため、ハードコート層121の厚さ、プライマー層122の厚さ、及び接着層123の厚さの合計もまた、各層の本来の性能を損なわない範囲で薄いほど好ましい。ハードコート層121の厚さ、プライマー層122の厚さ、及び接着層123の厚さの合計は、15μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましい。
また、本実施形態の転写用ハードコートフィルム10は、接着層123の上にポリエチレン樹脂等の樹脂からなるカバーフィルム(保護フィルム)を貼り付けて表面を保護しておくことが、製品を保管する上で好ましい。本実施形態の転写用ハードコートフィルム10は、カバーフィルムを設ける場合、このカバーフィルムを剥がし、接着層123を露出し、この接着層123の面を介して第1の樹脂基体20に転写される。
[着色層]
本発明の転写用ハードコートフィルムでは必須ではないが、加飾部材の意匠性を向上させるため、必要に応じて転写用ハードコートフィルムの一部又は全面に、更に着色層(加飾層)を設けてもよい。着色層の柄は任意であるが、例えば、木目、石目、布目、砂目、幾何学模様、文字などからなる柄や絵柄等を設けることもできる。
着色層は、例えばプライマー層と接着層との間に積層されるが、これに限定されず、接着性を有する材料の場合には接着層の上に形成されていてもよい。
着色層の形成方法は、例えば、プライマー層122の上に、ポリビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、セルロース系樹脂などの樹脂をバインダーとし、適当な色の顔料又は染料を着色剤として含有する印刷インキによる印刷を行うことで形成することができる。印刷方法としては、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写印刷、昇華転写印刷、インクジェット印刷などの公知の印刷法が挙げられる。着色層の厚みは、意匠性の観点から5μm以上40μm以下が好ましく、5μm以上30μm以下がより好ましい。
<転写用ハードコートフィルムの製造方法>
本実施形態に関する転写用ハードコートフィルム10の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、少なくとも以下の工程を順に有する転写用ハードコートフィルムの製造方法を挙げることができる。
a)基材フィルム11上にハードコート層121を形成する工程
b)ハードコート層121上にプライマー層形成用組成物を用いてプライマー層122を形成する工程
c)プライマー層122上に接着層形成用組成物を用いて接着層123を形成する工程
以下各工程について説明する。
〔a)基材フィルム上に、ハードコート層を形成する工程〕
基材フィルム11上に、ハードコート層121を含む転写層形成する方法としては、ハードコート層形成用樹脂組成物を、硬化後の厚さが通常1μm以上10μm以下程度となるように、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の方式、好ましくはグラビアコートにより塗布し、硬化して行う方法がある。樹脂組成物が溶剤を含むような場合は、塗工後、熱風乾燥機等により塗布層を予め加熱乾燥してから、更に加熱処理、或いは電離放射線を照射することが好ましい。
ここで、電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70kV以上300kV以下、照射線量は5Mrad以上10Mrad以下程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。
〔b)プライマー層形成用組成物を用いてプライマー層を形成する工程〕
次に、ハードコート層121上プライマー層形成用組成物を用いてプライマー層122を形成する。プライマー層122は、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート、スリットコート、ダイコート等の塗布方式、或いは転写コーティング法により形成することができる。ここで、転写コーティング法とは、薄いシート(フィルム基材)にプライマー層122の塗膜を形成し、その後にハードコート層121の表面に被覆する方法である。好ましくはグラビアコートにより行うのがよい。
また、本実施形態に関するプライマー層122を形成する際に、ハードコート層121とプライマー層122との間の密着性を向上させるために、ハードコート層121の硬化を半硬化の状態にとどめ、その後、プライマー層形成用の樹脂組成物を塗布した後にハードコート層121の硬化を完全硬化することにより、ハードコート層121とプライマー層122との間の密着性を高めることもできる。
プライマー層122は、未硬化の状態を維持できる範囲で、表面の乾燥を行ってもよい。ここで、未硬化の状態とは、プライマー層122中に未反応の硬化剤が残存している状態であり、その残存率が多い程、プライマー層122の透明性低下を防止する観点から好ましい。硬化剤のイソシアネート部分に該当する赤外スペクトル2260cm−1のピーク強度が、プライマー層122塗布直後のピーク強度を基準として50%以上である状態が好ましい。
〔c)接着層形成用組成物を用いて接着層を形成する工程〕
次に、プライマー層122上に接着層形成用組成物を用いて接着層123を形成する。接着層123を形成する方法は、上記b)と同様の方法を用いることができ、特に限定されない。
〔d)プライマー層を硬化する工程〕
任意ではあるが、プライマー層122を硬化させてもよい。ここでの硬化とは、プライマー層122に残存している硬化剤を主剤と完全に反応させてしまう工程である。具体的には、従来公知の方法で硬化反応を促進させればよく、硬化剤の種類にもよるが、典型的には、40℃以上60℃以下の温度で、24時間以上72時間以下置くとよい。
<加飾部材の中間製品>
加飾部材の中間製品とは、第1の樹脂基体20の表面に、接着層123とプライマー層122とハードコート層121と必要に応じて基材フィルム11とが、この順に配置されて積層された積層体である。第1の樹脂基体20の表面にハードコート層121を含む転写層12が積層されることで、第1の樹脂基体20に十分な耐傷性を付与することができる(図2参照)。
〔第1の樹脂基体〕
第1の樹脂基体20を構成する樹脂は、用途に応じて適宜選択できる。中でも、本実施形態の転写用ハードコートフィルム10は、耐傷性、耐侯性、透明性のいずれにも優れ、射出成形同時転写によるハードコート層121の剥離を抑えられる樹脂であることが好ましい。
高い透明性を有する第1の樹脂基体20としては、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。中でも、耐衝撃性に優れることから、第1の樹脂基体20を構成する樹脂は、ポリカーボネート樹脂であることが好ましい。
第1の樹脂基体20の裏面には、凹凸が形成される。凹凸の凸部に着色層が形成され、凹凸の凹部及び凸部の両方にインジウム光沢層が形成されることで、第1の樹脂基体20をハードコート層121側から見たときに、凹部に形成されたインジウム光沢層312が周囲の色材層311に対して浮き出ているように見せることができる(図4参照)。
電波レーダが送受信する電波の減衰、回折、散乱及び周波数変動を抑えるため、第1の樹脂基体20の厚さは、面剛性等の実用的な強度を損なわない範囲で薄いほど好ましい。本実施形態において、第1の樹脂基体20の厚さは、通常1mm以上15mm以下であることが好ましく、2mm以上5mm以下であることがより好ましい。第1の樹脂基体20が薄すぎると、面剛性等の実用的な強度が不十分となり、第1の樹脂基体20が厚すぎると、ミリ波レーダが送受信するミリ波の減衰、回折、散乱及び周波数変動に影響する。
第1の樹脂基体20の凹凸の深さは、特に限定されないが、1mm以上5mm以下であることが好ましく、1mm以上3mm以下であることがより好ましい。凹凸が浅すぎると、第1の樹脂基体20の裏面に着色層31を形成したとしても(図4参照)、意匠性に劣り、着色層31のインジウム光沢層312が色材層311に対して立体的に浮き出ているように見せることができない。凹凸が深すぎると、第1の樹脂基体20の面剛性等の実用的な強度に影響し得る。
〔加飾部材の中間製品の製造方法〕
図3は、本実施形態に係る加飾部材の中間製品の製造方法の一例を示す概略図である。加飾部材の中間製品の製造方法は、少なくとも以下の工程を順に有する。
a)転写用ハードコートフィルム10を射出成形の固定型51Aにセットする工程であって、基材フィルム11の表面が固定型51Aの表面に接するように転写用ハードコートフィルム10を固定型51Aにセットする工程
b)接着層123の裏面に、凹凸形状を有する射出成形の可動型51Bをセットする工程
c)接着層123の裏面に、第1の樹脂基体形成用組成物20’を射出し、転写用ハードコートフィルム10と、転写用ハードコートフィルム10の裏面に形成され、裏面に凹凸を有する第1の樹脂基体20とを射出一体化する工程
[a)転写用ハードコートフィルムを射出成形の固定型にセットする工程]
工程a)では、まず、転写用ハードコートフィルム10の接着層123側(基材フィルム11と反対側)を、射出成形の固定型51Aに向けて、ヒーター52によって接着層123側から転写用ハードコートフィルム10を加熱する(図3の(a1))。
転写用ハードコートフィルム10を加熱する温度は、基材フィルム11のガラス転移温度近傍以上で、かつ、溶融温度(又は融点)未満の範囲であることが好ましい。通常は、ガラス転移温度近傍の温度で行うことが、より好ましい。なお、上記のガラス転移温度近傍とは、ガラス転移温度±5℃程度の範囲を指し、基材フィルム11として好適なポリエステルフィルムを使用する場合には、一般に、70〜130℃程度である。
続いて、転写用ハードコートフィルム10を固定型51Aの形状に沿うように予備成形(真空成形)し、転写用ハードコートフィルム10を固定型51Aに密着させる(図3の(a2)。
固定型51Aの成形面は、滑らかな曲面であり、固定型51Aの成形面によって転写される形状が、加飾部材の中間製品の表面の形状となる。
[b)接着層123の裏面に可動型51Bをセットする工程]
次いで、転写用ハードコートフィルム10の接着層123側(基材フィルム11と反対側)に射出成形の可動型51Bをセットし、型締めする(図3の(b))。
図示は省略するが、可動型51Bの成形面は、凹凸形状を有する。可動型51Bの成形面によって転写される形状が、加飾部材の中間製品の裏面の形状となる。
[c)転写用ハードコートフィルムと第1の樹脂基体とを射出一体化する工程]
次いで、接着層123の裏面に、第1の樹脂基体形成用組成物20’を射出し、転写用ハードコートフィルム10と、転写用ハードコートフィルム10の裏面に形成され、裏面に凹凸を有する第1の樹脂基体20とを射出一体化する(図3の(c))。
本実施形態では、好適な第1の樹脂基体形成用組成物20’(例えば、ポリカーボネート樹脂組成物)は、熱可塑性であるため、加熱溶融によって流動状態にして射出する。その後、第1の樹脂基体形成用組成物20’を冷却して固化させる。これによって、転写用ハードコートフィルム10が、形成された第1の樹脂基体20と一体化して貼り付き、基材フィルム付加飾部材の中間製品となる。第1の樹脂基体形成用組成物20’の加熱温度は、第1の樹脂基体形成用組成物20’の種類によるが、一般に、180〜320℃程度である。
[d)後工程]
基材フィルム付加飾部材の中間製品を形成した後、基材フィルム付加飾部材の中間製品を射出成形型51(固定型51A及び可動型51B)から取り出す(図3の(d))。その後、必要に応じて、基材フィルム11をプライマー層122から剥離し、加飾部材の中間製品を得る。なお、基材フィルム付加飾部材の中間製品を射出成形型51から取り出すと同時に、基材フィルム11をプライマー層122から剥離してもよい。
本実施形態では、電波透過性加飾部材を構成する第1の樹脂基体(図2の符号20)にハードコート層121を付与するにあたり、転写用ハードコートフィルム10を用いて、第1の樹脂基体20上にハードコート層121、プライマー層122及び接着層123を射出成形同時転写するようにしたことから、各々の層を簡便に薄膜化し、かつ、膜厚を簡便に均一化することができる。
第1の樹脂基体20上に、従来公知のハードコート剤塗布方法、例えば、ディップ法、スプレー法、スピンコート法、ロールコート法、カーテンコート法、フローコート法等を採用する場合、ハードコート層用組成物の塗布及び乾燥、プライマー層用組成物の塗布及び乾燥、接着層用組成物の塗布及び乾燥を個別に繰り返す必要があり、作業にかかる負担が大きい。また、各層の薄膜化を優先すると、膜厚の均一化を図るのは難しく、一方、膜厚の均一化を図ろうとすると、各層の薄膜化を図るのは難しい。また、従来公知のハードコート剤塗布方法は、一般に、加飾部材の最終製造工程で行われるため、この最終工程までに第1の樹脂基体20が傷付く恐れがあった。これに対し、本実施形態では、第1の樹脂基体20上に、転写用ハードコートフィルム10を射出成形同時転写することで、ハードコート層121を簡便に薄膜化し、かつ、膜厚を簡便に均一化することができ、生産性に優れると言える。また、本実施形態では、第1の樹脂基体上に最初のハードコート層121を付与することから、第1の樹脂基体が傷付くことによる不良品の発生が少なくなり、歩留まりが向上し、生産性に優れるといえる。
<電波透過性加飾部材>
本実施形態の電波透過性加飾部材は、電波レーダ装置の前面に配置される加飾部材であって、加飾部材は、インジウム光沢層312と、樹脂基体である第1の樹脂基体20と、接着層123とプライマー層122とハードコート層121とを備える転写層12と、をこの順に有し、プライマー層122中に第1の紫外線吸収剤を含有し、転写層12は、波長350nm以上400nm以下の光線透過率の平均が25%以下である。
また、本実施形態の電波透過性加飾部材30は、電波レーダ装置の前面に配置される加飾部材であって、図4に示すように、加飾部材30は、第2の樹脂基体33と、インジウム光沢層312と、第1の樹脂基体20と、接着層123とプライマー層122とハードコート層121とをこの順に備える転写層12と、をこの順に備え、プライマー層122中に第1の紫外線吸収剤を含有し、転写層12は、波長350nm以上400nm以下の光線透過率の平均が25%以下である。
上記インジウム光沢層312は、電波透過性加飾部材30の意匠性を向上させるために設けられる。電波透過性加飾部材30におけるインジウム光沢層312は、樹脂基体20に形成される色材層311とともに、後述する着色層31として形成される。着色層31の熱による腐食を防止するため、着色層31と第2の樹脂基体33の間には、必要に応じて耐熱層32が形成される(図4参照)。
〔着色層〕
着色層(加飾層)31は、電波透過性加飾部材30の意匠性を向上させるために設けられる。着色層31は、樹脂基体20の凸部20Aに形成される色材層311と、少なくとも樹脂基体20の凹部20Bに形成されるインジウム光沢層312とを含む。
着色層31は、隠蔽性(光非透過性又は光低透過性)の材料を所望のパターン状に配置して形成されたもの(文字、記号、図、模様等)である。樹脂基体20の凸部20Aに色材層311を形成し、樹脂基体20の凹部20Bにインジウム光沢層312を形成することで、電波透過性加飾部材30をハードコート層121側から視認する視認者に対し、インジウム光沢層312が周囲の色材層311に対して立体的に浮き出ているように見せることができる。
[色材層]
色材層311を構成する色材は、特に限定されない。所望のパターンが単色である場合、色材層311として適宜選択した1色の層のみ形成してもよいし、所望のパターンが複数色である場合には、色材層311として、適宜選択した複数色の層で形成してもよい。
色材層31は、公知の印刷インキ、塗料を用いた印刷等によって形成できる。
色材層31の厚さは、色材層311がむらなく形成され、電波レーダが送受信するミリ波や近赤外線等の電波の減衰、回折、散乱及び周波数変動を抑えられる範囲であれば、特に限定されない。
[インジウム光沢層]
インジウム光沢層312は、インジウムが上述したように島状に互いに僅かに離間した状態で存置する構造(海島構造)をなす不連続構造で形成されている。
なお、インジウムは、レアメタルであり、高価であるため、近年、ニッケル、銅、銀、スズ、金及びこれらの合金等、インジウムに代わる代替材料の研究も進んでいる。本実施形態では、インジウム光沢層312は、電波透過性を有すれば、インジウム以外の代替材料を含んでもよい。
インジウム光沢層312を形成する手法は、特に限定されないが、薄膜化に対応できることから、蒸着によりインジウム光沢層312を形成することが好ましい。蒸着は、物理的蒸着であってもよいし、化学的蒸着であってもよい。物理的蒸着として、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等が挙げられる。化学的蒸着として、プラズマを利用したプラズマCVD、加熱触媒体を用いて材料ガスを接触熱分解する触媒化学気相成長法(Cat−CVD)等が挙げられる。これら蒸着法の中でも、付着力、膜質の観点から、スパッタリングが好適である。
インジウム光沢層312の厚さは、インジウム光沢層312がむらなく形成され、電波レーダが送受信する電波の減衰、回折、散乱及び周波数変動を抑えられる範囲であれば、特に限定されない。インジウム光沢層312の厚さは、10nm以上300nm以下であることが好ましく、20nm以上200nm以下であることがより好ましい。
〔耐熱層〕
着色層31の裏面には、必要に応じて耐熱層32が形成される。
耐熱層32は、熱によってインジウム光沢層312が腐食するのを防止するために設けられる。耐熱層32は、アクリル系樹脂組成物又はウレタン系樹脂組成物の硬化物であることが好ましい。
耐熱層32の厚さは、耐熱層32がむらなく形成され、電波レーダが送受信する電波の減衰、回折、散乱及び周波数変動を抑えられる範囲であれば、特に限定されない。耐熱層32の厚さは、5μm以上50μm以下であることが好ましく、10μm以上30μm以下であることがより好ましい。
〔第2の樹脂基体〕
耐熱層32の裏面には、第2の樹脂基体33が、例えばインサート成形法などにより形成される。
第2の樹脂基体33を構成する樹脂は、特に限定されない。中でも、本実施形態の転写用ハードコートフィルムは、耐侯性に優れることから、樹脂基体20は、AES樹脂であることが好ましい。AES樹脂は、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合合成樹脂(ABS樹脂)のB(ブタジエン)の代わりにエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)を用いて耐候性を高めた合成樹脂である。
電波レーダが送受信する電波の減衰、回折、散乱及び周波数変動を抑えるため、第2の樹脂基体33の厚さは、面剛性等の実用的な強度を損なわない範囲で薄いほど好ましい。本実施形態において、第2の樹脂基体33の厚さは、通常1mm以上15mm以下であることが好ましく、2mm以上5mm以下であることがより好ましい。第2の樹脂基体33が薄すぎると、面剛性等の実用的な強度が不十分となり、第2の樹脂基体33が厚すぎると、ミリ波レーダが送受信するミリ波の減衰、回折、散乱及び周波数変動に影響する。
第2の樹脂基体33は、樹脂基体20の表面に、接着層123とプライマー層122とハードコート層121とがこの順に配置され、樹脂基体20の裏面に、着色層31等が配置された積層体に対し、第2の樹脂基体の構成成分である樹脂組成物を射出し、インサート成形することによって積層される。
<電波透過性加飾部材の製造方法>
電波透過性加飾部材30の製造方法は、特に制限されるものではない。例えば、本実施形態の加飾部材の中間製品における樹脂基体20の裏面の凸部20Aに、色材層形成用組成物を用いてスクリーン印刷することで色材層311を形成し、樹脂基体20の裏面に、電波透過性を有する金属を蒸着することでインジウム光沢層312を形成した後、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の塗布方式、或いは転写コーティング法により耐熱層32を形成し、耐熱層32の裏面に、第2の樹脂基体33をインサート成形することによって電波透過性加飾部材30を得ることができる。
以下、実施例を示して、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
基材フィルム11として厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)からなるフィルム(「東洋紡エステルフィルムA4100(商品名)」,東洋紡株式会社製)を用い、基材フィルム11の一方の面に、以下のハードコート層形成用の硬化性樹脂組成物を塗布して未硬化樹脂層を形成し、90kV及び10Mrad(100kGy)の条件で電子線を照射して、該未硬化樹脂層を架橋硬化させることにより、ハードコート層121(層厚:3.5μm)を形成した。次いで、ハードコート層121の面にコロナ放電処理をした上に、以下のプライマー層形成用樹脂組成物を塗布して、プライマー層122(層厚:2.5μm)を形成し、更に、熱融着樹脂(アクリル樹脂)を用いて接着層123(層厚4μm)を、順次積層して、基材フィルム11、ハードコート層121、プライマー層122、及び接着層123を順に有する転写用ハードコートフィルム10を得た。そして、裏面に凹凸を有する第1の樹脂基体20の表面に射出成形同時転写することで、加飾部材の中間製品を得ることができる。そして、加飾部材の中間製品の裏面に、色材層311、インジウム光沢層312及び第2の樹脂基体33を形成することで、電波透過性の加飾部材30を得ることができる。
(ハードコート層形成用の硬化性樹脂組成物)
(硬化性樹脂)
6官能ウレタンアクリレート:50質量部
カプロラクトン系ウレタンアクリレート:50質量部
上記の硬化性樹脂100質量部(固形分70%)に対して、以下の材料を添加した。
ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤C(最大吸収波長322nm)*1:0.7質量部
反応性官能基を有する光安定剤*2:4.2質量部
非反応性シリコーン化合物*3:0.2質量部
粒子(シリカ粒子、平均粒子径:2μm):2質量部
*1,チヌビン479(商品名)、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン、BASFジャパン株式会社製
*2,サノールLS−3410(商品名)、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート、日本乳化剤株式会社製
*3,ポリエーテル変性シリコーンオイル
(プライマー層形成用樹脂組成物)
ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体*5:100質量部
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤A(最大吸収波長378nm)*6:13質量部
ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤C(吸収ピーク322nm):17質量部
ヒンダードアミン系光安定剤*7:3質量部
ブロッキング防止剤*8:9質量部
硬化剤:ヘキサンメチレンジイソシアネート:25質量部
*5,ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体におけるウレタン成分とアクリル成分の質量比は70/30である。
*6,チヌビンカーボンプロテクト(商品名)、BASFジャパン株式会社製
*7,チヌビン123(商品名)、ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート)、BASFジャパン株式会社製
*8,シリカ粒子、平均粒子径:3μm
<実施例2>
実施例1において、プライマー層122に含有させた紫外線吸収剤Aの代わりにヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤B(最大吸収波長356nm)*924質量部を含有させた以外は、実施例1と同様にして、転写用ハードコートフィルム10を得た。そして、裏面に凹凸を有する第1の樹脂基体20の表面に射出成形同時転写することで、加飾部材の中間製品を得ることができる。そして、加飾部材の中間製品の裏面に、色材層311、インジウム光沢層312及び第2の樹脂基体33を形成することで、電波透過性の加飾部材30を得ることができる。
*9,チヌビン477(商品名)、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤(約80%)、1−メトキシ−2−プロピルアセタート(約20%)、BASFジャパン株式会社製
<比較例1>
実施例1において、第1の樹脂基体20に転写用ハードコートフィルムを転写せずに、そして、裏面に凹凸を有する第1の樹脂基体20に、色材層311、インジウム光沢層312及び第2の樹脂基体33を形成することで、電波透過性の加飾部材を得ることができる。
<比較例2>
実施例1において、プライマー層122に含有させた紫外線吸収剤Aを含有させない以外は、実施例1と同様にして、転写用ハードコートフィルムを得た。そして、裏面に凹凸を有する第1の樹脂基体20の表面に射出成形同時転写することで、加飾部材の中間製品を得ることができる。そして、加飾部材の中間製品の裏面に、着色層、インジウム光沢層及び第2の樹脂基体を形成することで、電波透過性の加飾部材を得ることができる。
<比較例3>
実施例1において、プライマー層122に含有させた紫外線吸収剤Aを含有させず、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤C(吸収ピーク322nm)17部と、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤D(最大吸収波長336nm)*1013質量部を含有させた以外は、実施例1と同様にして、転写用ハードコートフィルムを得た。
*10,チヌビン400(商品名)、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン(約85%)、1−メトキシ−2−プロピルアセタート(約15%)、BASFジャパン株式会社製
<評価>
転写層12における波長350nm以上400nm以下の光線透過率の平均と、加飾部材の中間製品(転写層/第1基体)、及び加飾部材(転写層/加飾部材)についてそれぞれ、耐候性と耐傷性を評価した。その結果を表1に示す。また、図5に紫外線吸収剤A,B,C,Dの吸光度を示す。図6〜図9に実施例1、2及び比較例2、3の透過率を示す。なお、表1中、第1基体はインジウム光沢層を含まず、加飾部材はインジウム光沢層を含むものである。
[耐候性の評価]
メタルウエザー耐候性試験装置(メタルウエザー(商品名)、ダイプラ・ウインテス株式会社製)を用いて、ライト条件(照度:150MJ若しくは300MJ、ブラックパネル温度63℃、層内湿度50%RH)で70時間暴露した。
そして、イエローインデックスの差(ΔYI)は、JISD1925に準じて、色差(ΔEab)は、JISZ8792、8730に準拠してSCI(拡散反射光+正反射光)の値を読み取った。
(評価基準)
〇:色差(ΔEab)が2.8以下
△:色差(ΔEab)が2.8超4以下
×:色差(ΔEab)が4超
[耐傷性]
実施例及び比較例で得られたハードコート層の表面をスチールウール(#0000)を用いて1000g/cmの荷重をかけて10往復擦り、外観を目視で観察した。
(評価基準)
〇:外観の変化はほとんど確認されなかった。
×:外観の変化が確認された。
Figure 2017177741
表1の結果から、実施例1、2の転写用ハードコートフィルムは、いずれも転写層の波長350nm〜400nm以下の光線透過率の平均が25%以下であり、これら転写用ハードコートフィルムが積層された実施例1、2の加飾部材は、比較例1〜3の加飾部材に比べて耐候性に優れていた。また、実施例1、2の加飾部材は、転写用ハードコードフィルムが積層されていない比較例1に比べて、耐候性、耐傷性共に優れていた。
10 転写用ハードコートフィルム
11 基材フィルム
12 転写層
121 ハードコート層
122 プライマー層
123 接着層
20 第1の樹脂基体
30 加飾部材
31 着色層
311 色材層
312 インジウム光沢層
32 耐熱層
33 第2の樹脂基体

Claims (6)

  1. 電波レーダ装置の前面に配置され、インジウム光沢層と樹脂基体とハードコート層とをこの順に備える加飾部材における、前記ハードコート層を形成するための転写用ハードコートフィルムであって、
    基材フィルム上に、少なくとも、ハードコート層とプライマー層と接着層とがこの順に配置される転写層を備え、
    前記プライマー層中に紫外線吸収剤を含有し、
    前記転写層は、波長350nm以上400nm以下の光線透過率の平均が25%以下である転写用ハードコートフィルム。
  2. 前紫外線吸収剤は、波長350nm以上400nm以下に吸収ピークを有する第1の紫外線吸収剤である、請求項1に記載の転写用ハードコートフィルム。
  3. 前記プライマー層中に、第1の紫外線吸収剤ではない第2の紫外線吸収剤を更に含有し、
    前記転写層は、波長300nm以上350nm以下の光線透過率の平均が0.5%以下である請求項1から2のいずれかに記載の転写用ハードコートフィルム。
  4. 電波レーダ装置の前面に配置され、インジウム光沢層を備える加飾部材に用いる中間製品であって、
    樹脂基体上に、少なくとも、接着層とプライマー層とハードコート層と基材フィルムとがこの順に配置される転写層を備え、
    前記プライマー層中に紫外線吸収剤を含有し、
    前記転写層は、波長350nm以上400nm以下の光線透過率の平均が25%以下である加飾部材の中間製品。
  5. 電波レーダ装置の前面に配置される加飾部材であって、
    前記加飾部材は、少なくとも、インジウム光沢層と、樹脂基体と、接着層とプライマー層とハードコート層とを備える転写層と、をこの順に有し、
    前記プライマー層中に紫外線吸収剤を含有し、
    前記転写層は、波長350nm以上400nm以下の光線透過率の平均が25%以下である加飾部材。
  6. 電波レーダ装置の前面に配置される加飾部材であって、
    前記加飾部材は、少なくとも、第2の樹脂基体と、インジウム光沢層と、第1の樹脂基体と、接着層とプライマー層とハードコート層とをこの順に備える転写層と、をこの順に備え、
    前記プライマー層中に紫外線吸収剤を含有し、
    前記転写層は、波長350nm以上400nm以下の光線透過率の平均が25%以下である加飾部材。
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