JP6720644B2 - 電磁波透過性加飾部材への転写用ハードコートフィルム及び基材フィルム付ハードコート層積層体、電磁波透過性加飾部材、及びこれらの製造方法 - Google Patents
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Description
a)樹脂基体101の凹凸面の凸部101Aの一部に、色材層形成用組成物を用いて色材層1021を形成する工程
b)樹脂基体101の裏面からインジウム等の電磁透過性金属を蒸着し、金属層1022を形成する工程
c)金属層1022の裏面に耐熱層103を形成するとともに、中間積層体に対して樹脂組成物を射出し、全体を射出一体化する工程
a)基材フィルム上にハードコート層を形成する工程
b)前記ハードコート層上にプライマー層形成用組成物を用いてプライマー層を形成する工程
c)前記プライマー層上に接着層形成用組成物を用いて接着層を形成する工程
a)(1)から(4)のいずれかに記載の転写用ハードコートフィルムを射出成形の固定型にセットする工程であって、前記基材フィルムの表面が前記固定型の表面に接するように前記転写用ハードコートフィルムを前記固定型にセットする工程
b)前記接着層の裏面に、凹凸形状を有する射出成形の可動型をセットする工程
c)前記接着層の裏面に、樹脂基体形成用組成物を射出し、前記転写用ハードコートフィルムと、前記転写用ハードコートフィルムの裏面に形成され、裏面に凹凸を有する樹脂基体とを射出一体化する工程
本実施形態の転写用ハードコートフィルム10は、基材フィルム11上に転写層12が配置される積層体である(図1参照)。転写層12は、基材フィルム11上から、少なくとも、ハードコート層121と、プライマー層122と、接着層123との順で構成される。本実施形態の転写用ハードコートフィルム10を用いることにより、樹脂基体20(図2)にハードコート層121を含む転写層12が積層されたハードコート層積層体を製造することができる。
基材フィルム11は、特に限定されないが、ポリエステル樹脂フィルム又はポリオレフィン樹脂フィルムにより構成されることが好ましい。また、上記フィルムのうち延伸フィルムであることが好ましい。基材フィルム11がこれらの樹脂フィルムにより構成されることにより、その上にハードコート層121などを容易に形成でき、また、転写用ハードコートフィルム10を製造する際に熱収縮や、ハードコート層121の形成に電離放射線硬化性樹脂を用いる場合は、電離放射線の照射による収縮が生じにくいという優れた耐収縮性を有し、転写用ハードコートフィルム10を優れた安定性と効率とで製造することが可能となる。更に、転写用ハードコートフィルム10を樹脂基体20に転写する際の加熱温度による熱収縮が生じることもないので、容易にハードコート層積層体10を製造することができる。
転写層12は、基材フィルム11上から、ハードコート層121と、プライマー層122と、接着層123との順で構成される。
ハードコート層121は、硬化性樹脂を含有するハードコート層形成用組成物の硬化物からなる層であり、樹脂基体20に耐傷性を付与する層である。
ハードコート層形成用組成物は、所望に応じて、耐候剤、粒子(耐傷粒子)、非反応性シリコーン化合物などの滑剤がハードコート層積層体への耐候性及び耐傷性を付与する性能を損なわない範囲で含まれていてもよい。
ハードコート層121は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、尿素樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、電離放射線硬化性樹脂等、の硬化物からなる層を好ましく挙げることができる。耐候性や耐傷性の観点から電離放射線硬化性樹脂の硬化物であることが好ましい。
また、必須の構成ではないが、ハードコート層121の耐傷性を高めるため、ハードコート層121を形成するハードコート層形成用組成物には、粒子(耐傷粒子)が含有されていることが好ましい。
電磁波レーダが送受信する電磁波の減衰、回折、散乱及び周波数変動を抑えるため、ハードコート層121の厚さは、耐傷性を付与する性能を損なわない範囲で薄いほど好ましい。また、ハードコート層121の透明化を図る観点、硬化収縮の発生を低減するという観点でも、ハードコート層121の厚さは、薄いほど好ましい。本実施形態において、ハードコート層121の厚さは、1μm以上10μm以下が好ましく、2μm以上6μm以下さらに好ましく、2μm以上4μm以下であることが特に好ましい。
車両や電子機器に設けられる電磁波レーダが外部に向けて送受信する電磁波の減衰、回折、散乱及び周波数変動を抑え、電磁波レーダによる測定精度を高めるため、ハードコート層121の、基材フィルム11が設けられる側の面のJIS B 0601で規定された表面粗さRaは、100nm以下であることが好ましく、80nm以下であることがより好ましく、50nm以下であることがさらに好ましく、30nm以下であることがよりさらに好ましく、15nm以下であることがより特に好ましい。
(ハードコート層121の、基材フィルム11が設けられる側の面の表面粗さRaの測定方法)
転写用ハードコートフィルム10の基材フィルム11の側を、射出成形の固定型に向けて、ヒーターによって接着層123の側から転写用ハードコートフィルム10を100℃で加熱する。
そして、転写用ハードコートフィルム10を固定型の形状に沿うように予備成形し、転写用ハードコートフィルムを固定型に密着させる。
次いで、転写用ハードコートフィルムの接着層123の側に射出成形の可動型をセットし、型締めする。
次いで、接着層123の裏面に、流動状態のポリカーボネート樹脂を成形温度315℃、圧力170MPaにて射出、充填して固化させることにより、転写用ハードコートフィルム10と樹脂基体とを射出一体化して、基材フィルム付きハードコート層積層体を得る。
次いで、基材フィルム付きハードコート層積層体から基材フィルム11を剥がし、前記ハードコート層121の、基材フィルム11が設けられていた側の面の表面粗さRaを測定する。表面粗さRaは、New View 5000(Zygo社製)を用いて、対物レンズ:10倍、ズームレンズ:1倍、Scan Length:15μmにて、1000μm×1000μmの範囲の表面形状を撮像し、得られた像から算出した粗さ曲線の中心線からの平均のずれを算出することよって求める。
プライマー層122は、バインダー樹脂及びブロッキング防止剤を含むプライマー層形成用樹脂組成物により構成され、ハードコート層121に対する応力緩和層として機能するとともに、ハードコート層121の密着性を向上させる役割を果たす層である。
本実施形態に関するプライマー層122を構成するバインダー樹脂は、主剤と硬化剤とからなる2液硬化型樹脂を含有することが好ましい。
主剤としては、特に限定はなく、例えば、ポリウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、プチラール樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのバインダー樹脂の中でも、密着性及び耐候性の観点から、ポリウレタン樹脂が好ましい。
HO−[R1−O−(C=O)−O]m1−R1−OH (1)
HO−[R2−O−(C=O)]m2−R2−OH (2)
上記の主剤の硬化を促進する観点から、例えばトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、シクロヘキサンフェニレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネートなどのイソシアネート硬化剤が挙げられる。
本実施形態に関するプライマー層122は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の各種添加剤を含有していてもよい。このような添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤や光安定剤等の耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、赤外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤等が挙げられる。これらの添加剤は、常用されるものから適宜選択して用いることができる。
電磁波レーダが送受信するミリ波や近赤外波の減衰、回折、散乱及び周波数変動を抑えるため、プライマー層122の厚さは、耐候性を付与する性能を損なわない範囲で薄いほど好ましい。本実施形態において、プライマー層122の厚さは、0.1μm以上10μm以下が好ましく、0.1μm以上5μm以下であることがより好ましく、1μm以上4μm以下さらに好ましい。
本実施形態に関する接着層123は、ハードコート層121を樹脂基体20の表面に形成するために、ハードコート層121を樹脂基体20に接着するために設けられる層であり、このようなハードコート層121を樹脂基体20に接着するという機能を有する。また、プライマー層122に含まれる粒子がプライマー層122の表面に突き出す、いわゆる頭出しを和らげて、表面の平坦性を向上させて、透明性の低下を抑制し、優れた光学的性能を確保するという機能をも有する。
本発明の転写用ハードコートフィルムでは必須ではないが、ハードコート層積層体の意匠性を向上させるため、必要に応じて転写用ハードコートフィルムの一部又は全面に、更に着色層(加飾層)を設けてもよい。着色層の柄は任意であるが、例えば、木目、石目、布目、砂目、幾何学模様、文字などからなる柄や絵柄等を設けることもできる。
電磁波レーダが送受信するミリ波や近赤外波の屈折、散乱は、電磁波透過性加飾部材(図4の符号30)を構成する各層の層間で生じる。そのため、転写層12を構成する各層における屈折率の差は、小さいほど好ましい。
ただし、大気とハードコート層121との間における屈折率の差を小さくすることは、技術的に困難であるため、ハードコート層121の表面における表面粗さRaをできるだけ小さくすることにより、ミリ波や近赤外波の屈折、散乱を抑えることが好ましい。
本実施形態に関する転写用ハードコートフィルム10の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、少なくとも以下の工程を順に有する転写用ハードコートフィルムの製造方法を挙げることができる。
b)ハードコート層121上にプライマー層形成用組成物を用いてプライマー層122を形成する工程
c)プライマー層122上に接着層形成用組成物を用いて接着層123を形成する工程
基材フィルム11上に、ハードコート層121を含む転写層形成する方法としては、ハードコート層形成用樹脂組成物を、硬化後の厚さが通常1μm以上10μm以下程度となるように、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート、スリットコート、ダイコートなどの方式、好ましくはグラビアコートにより塗布し、硬化して行う方法がある。特に、溶剤を樹脂組成物の構成成分にすることで、ハードコート層121をよりいっそう薄膜化し、均一化することができる。樹脂組成物が溶剤を含むような場合は、塗工後、熱風乾燥機などにより塗布層を予め加熱乾燥してから、さらに加熱処理、あるいは電離放射線を照射することが好ましい。
次に、ハードコート層121上プライマー層形成用組成物を用いてプライマー層122を形成する。プライマー層122は、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコートなどの塗布方式、或いは転写コーティング法により形成することができる。ここで、転写コーティング法とは、薄いシート(フィルム基材)にプライマー層122の塗膜を形成し、その後にハードコート層121の表面に被覆する方法である。好ましくはグラビアコートにより行うのがよい。
次に、プライマー層122上に接着層形成用組成物を用いて接着層123を形成する。接着層123を形成する方法は、上記b)と同様の方法を用いることができ、特に限定されない。
任意ではあるが、プライマー層122を硬化させてもよい。ここでの硬化とは、プライマー層122に残存している硬化剤を主剤と完全に反応させてしまう工程である。具体的には、従来公知の方法で硬化反応を促進させればよく、硬化剤の種類にもよるが、典型的には、40℃以上60℃以下の温度で、24時間以上72時間以下置くとよい。
ハードコート層積層体とは、樹脂基体20の表面に、少なくとも、接着層123とプライマー層122とハードコート層121と必要に応じて基材フィルム11とが、この順に配置されて積層された積層体である。樹脂基体20の表面にハードコート層121を含む転写層が積層されることで、樹脂基体20に十分な耐傷性を付与することができる(図2参照)。
樹脂基体20を構成する樹脂は、用途に応じて適宜選択できる。中でも、本実施形態の転写用ハードコートフィルムは、耐傷性、耐侯性、透明性のいずれにも優れ、射出成形同時転写によるハードコート層121の剥離を抑えられることから、樹脂基体20は、有機ガラスであることが好ましい。
図3は、本実施形態に係るハードコート層積層体の製造方法の一例を示す概略図である。ハードコート層積層体の製造方法は、少なくとも以下の工程を順に有する。
a)転写用ハードコートフィルム10を射出成形の固定型51Aにセットする工程であって、基材フィルム11の表面が固定型51Aの表面に接するように転写用ハードコートフィルム10を固定型51Aにセットする工程
b)接着層123の裏面に、凹凸形状を有する射出成形の可動型52Bをセットする工程
c)接着層123の裏面に、樹脂基体形成用組成物20’を射出し、転写用ハードコートフィルム10と、転写用ハードコートフィルム10の裏面に形成され、裏面に凹凸を有する樹脂基体20とを射出一体化する工程
工程a)では、まず、転写用ハードコートフィルム10の接着層123側(基材フィルム11と反対側)を、射出成形の固定型51Aに向けて、ヒーター52によって接着層123側から転写用ハードコートフィルム10を加熱する(図3の(a1))。
次いで、転写用ハードコートフィルム10の接着層123側(基材フィルム11と反対側)に射出成形の可動型51Bをセットし、型締めする(図3の(b))。
次いで、接着層123の裏面に、樹脂基体形成用組成物20’を射出し、転写用ハードコートフィルム10と、転写用ハードコートフィルム10の裏面に形成され、裏面に凹凸を有する樹脂基体20とを射出一体化する(図3の(c))。
基材フィルム付ハードコート層積層体を形成した後、基材フィルム付ハードコート層積層体を射出成形型51(固定型51A及び可動型52A)から取り出す(図3の(d))。その後、必要に応じて、基材フィルム11を転写層12から剥離し、ハードコート層積層体を得る。なお、基材フィルム11を転写層12から剥離するタイミングは、特に限定されず、基材フィルム付ハードコート層積層体を射出成形型51から取り出すと同時に、基材フィルム11を転写層12から剥離してもよい。
本実施形態の電磁波透過性加飾部材30は、裏面に凹凸を有する樹脂基体20の表面に、少なくとも、接着層123とプライマー層122とハードコート層121とがこの順に配置される。また、樹脂基体20の裏面に、着色層31及び他の樹脂基体33がこの順に配置される。着色層31の熱による腐食を防止するため、着色層31と他の樹脂基体33の間には、必要に応じて耐熱層32が形成される(図4参照)。
着色層(加飾層)31は、電磁波透過性加飾部材30の意匠性を向上させるために設けられる。着色層31は、樹脂基体20の凸部20Aに形成される色材層311と、少なくとも樹脂基体20の凹部20Bに形成される金属層312とを含む。
色材層311を構成する色材は、特に限定されない。所望のパターンが単色である場合、色材層311として適宜選択した1色の層のみ形成してもよいし、所望のパターンが複数色である場合には、色材層311として、適宜選択した複数色の層で形成してもよい。
金属層312は、電磁波透過性を有する金属からなる。電磁波透過性を有する金属として、インジウムが広く知られている。
着色層31の裏面には、必要に応じて耐熱層32が形成される。
耐熱層32の裏面には、他の樹脂基体33が形成される。
電磁波透過性加飾部材30の製造方法は、特に制限されるものではない。例えば、本実施形態のハードコート層積層体における樹脂基体20の裏面の凸部20Aに、色材層形成用組成物を用いてスクリーン印刷することで色材層311を形成し、樹脂基体20の裏面に、電磁波透過性を有する金属を蒸着することで金属層312を形成した後、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコートなどの塗布方式、或いは転写コーティング法により耐熱層32を形成し、耐熱層32の裏面に、他の樹脂基体33をインサート成形することによって電磁波透過性加飾部材30を得ることができる。
〔転写用ハードコートフィルム、ハードコート層積層体の製造〕
基材フィルム(剥離フィルム)として、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)(製品名:E5101,東洋紡社製,塗布面側の表面粗さRa:23.9nm)からなるフィルムを用い、該基材フィルムの塗布面に、以下に示すハードコート層形成用の硬化性樹脂組成物(希釈後固形分30%、希釈溶剤:酢酸エチル)をグラビアコーティングにより塗布して未硬化樹脂層を形成し、90kV及び7Mrad(70kGy)の条件で電子線を照射して、該未硬化樹脂層を架橋硬化させることにより、ハードコート層(厚さ:3μm,屈折率1.50)を形成した。
(ハードコート層形成用樹脂組成物)
6官能の電離放射線硬化性樹脂(6官能のウレタンアクリレート,重量平均分子量Mw:約1,000)60質量部と、2官能のカプロラクトン変性ウレタンアクリレート(重量平均分子量:数千程度)40質量部との混合物:100質量部
ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤(製品名:Tinuvin479,BASFジャパン株式会社製):0.7質量部
反応性官能基を有する光安定剤(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート,製品名:サノールLS−3410,日本乳化剤株式会社製):4.2質量部
非反応性シリコーン化合物(ポリエーテル変性シリコーンオイル):0.3質量部
耐傷フィラー(シリカ粒子、平均粒子径:2μm):2重量部
(プライマー層形成用樹脂組成物)
ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体:100質量部
紫外線吸収剤A(Tinuvin400):13質量部、屈折率 1.56
紫外線吸収剤B(Tinuvin479):17質量部、屈折率 1.68
光安定剤(Tinuvin123):3質量部
粒子(平均粒径3μmのシリカ、屈折率 1.46):8質量部
ポリイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネート):25質量部
基材フィルムとして、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)(製品名:U41,東レ社製,塗布面側の表面粗さRa:1.1nm)からなるフィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様の手法にて、実施例2のハードコート層積層体を得た。
実施例1で用いた型と同じ型を用いて、転写用ハードコートフィルムをセットしない状態で、実施例1と同じ組成のポリカーボネート樹脂を用いて射出成形を実施し、ハードコート層の形成されていない樹脂基体を得た。
実施例、比較例について、ハードコート層の表面の表面粗さRaを測定した。表面粗さの測定は、以下の手法によって行った。
(表面粗さの測定方法)
New View 5000(Zygo社製)を用いて、対物レンズ:10倍、ズームレンズ:1倍、Scan Length:15μmにて、1000μm×1000μmの範囲の表面形状を撮像し、得られた像から算出した粗さ曲線の中心線からの平均のずれを算出することより、Raを求めた。
11 基材フィルム
12 ハードコート層
13 プライマー層
14 接着層
20 樹脂基体
30 電磁波透過性加飾部材
Claims (8)
- 基材フィルム上に、少なくとも、ハードコート層とプライマー層と接着層とがこの順に配置されていて、
前記ハードコート層の、前記基材フィルムが設けられている側の面のJIS B 0601で規定された表面粗さRaが15nm以下である、
電磁波透過性加飾部材への転写用ハードコートフィルム。 - 前記ハードコート層は、硬化性樹脂と、粒子とを含有するハードコート層形成用組成物の硬化物からなる層である、請求項1に記載の転写用ハードコートフィルム。
- 前記ハードコート層の厚さ、前記プライマー層の厚さ、及び前記接着層の厚さの合計が15μm以下である、請求項1又は請求項2に記載の転写用ハードコートフィルム。
- 前記ハードコート層の厚さは、1μm以上10μm以下であり、
前記プライマー層の厚さは、0.1μm以上10μm以下であり、
前記接着層の厚さは、1μm以上7μm以下である、請求項3に記載の転写用ハードコートフィルム。 - 裏面に凹凸を有する樹脂基体の表面に、少なくとも、接着層とプライマー層とハードコート層と基材フィルムとがこの順に配置され、
前記ハードコート層の、前記基材フィルムが設けられている側の面のJIS B 0601で規定された表面粗さRaが15nm以下である、
電磁波透過性加飾部材への基材フィルム付ハードコート層積層体。 - 裏面に凹凸を有する樹脂基体の表面に、少なくとも、接着層とプライマー層とハードコート層とがこの順に配置され、
前記樹脂基体の裏面に、着色層及び他の樹脂基体がこの順に配置され、
前記着色層は、前記樹脂基体の凸部に形成される色材層と、少なくとも前記樹脂基体の凹部に形成される金属層とを含み、
前記ハードコート層の表面のJIS B 0601で規定された表面粗さRaが15nm以下である、
電磁波透過性加飾部材。 - 少なくとも以下の工程を順に有する、電磁波透過性加飾部材への転写用ハードコートフィルムの製造方法。
a)基材フィルム上にハードコート層を形成する工程であって、前記基材フィルムの前記ハードコート層が形成される側の面のJIS B 0601で規定された表面粗さが15nm以下である工程
b)前記ハードコート層上にプライマー層形成用組成物を用いてプライマー層を形成する工程
c)前記プライマー層上に接着層形成用組成物を用いて接着層を形成する工程 - 少なくとも以下の工程を順に有する、基材フィルム付ハードコート層積層体の製造方法。
a)請求項1から請求項4のいずれかに記載の転写用ハードコートフィルムを射出成形の固定型にセットする工程であって、前記基材フィルムの表面が前記固定型の表面に接するように前記転写用ハードコートフィルムを前記固定型にセットする工程
b)前記接着層の裏面に、凹凸形状を有する射出成形の可動型をセットする工程
c)前記接着層の裏面に、樹脂基体形成用組成物を射出し、前記転写用ハードコートフィルムと、前記転写用ハードコートフィルムの裏面に形成され、裏面に凹凸を有する樹脂基体とを射出一体化する工程
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