JP6720644B2 - 電磁波透過性加飾部材への転写用ハードコートフィルム及び基材フィルム付ハードコート層積層体、電磁波透過性加飾部材、及びこれらの製造方法 - Google Patents

電磁波透過性加飾部材への転写用ハードコートフィルム及び基材フィルム付ハードコート層積層体、電磁波透過性加飾部材、及びこれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電磁波透過性加飾部材への転写用ハードコートフィルム及び基材フィルム付ハードコート層積層体、電磁波透過性加飾部材、及びこれらの製造方法に関する。
オートクルーズシステムは、車両前側に搭載されているセンサによって前方車両と自車との車間距離や相対速度を測定し、この情報を基にスロットルやブレーキを制御して自車を加減速し、車間距離をコントロールする技術である。オートクルーズシステムに使用されるセンサとしては、一般に、レーザレーダやミリ波レーダが使用されている。例えば、ミリ波レーダは、周波数30GHz〜300GHz、波長1〜10mmのミリ波を送信し、かつ、対象物にあたって反射したミリ波を受信することで、この送信波と受信波の差から前方車両と自車との車間距離や相対速度を測定する。ミリ波レーダの前方には、電磁波透過性加飾部材(電波透過カバー)が配置されている。ミリ波レーダから照射したミリ波は、電磁波透過性加飾部材を透過して、車両の前方に出力される。
また、70GHz帯のミリ波レーダでは、理論分解能は10mm程度であるが、人のようなレーダ反射が微弱な物体では、分解能が低下し、検知できない恐れがある。そのため、分解能に優れる、周波数300THz、波長1μm程度の近赤外線レーダも併用されて用いられる場合がある。
例えば、下記の特許文献1には、電磁波透過性加飾部材の具体的構成及びその製造方法が提案されている。
図5は、これまで用いられている電磁波透過性加飾部材100の一例を示す模式図である。電磁波透過性加飾部材100は、車両前方を正面として正面視したときに手前側から、透明な樹脂基体101と、着色層102(色材層1021及び金属層1022)と、耐熱層103と、他の樹脂基体104との順で構成される。
樹脂基体102の背面は、凹凸形状であり、着色層102のうち、色材層1021は、樹脂基体101の背面の凸部101Aに形成される。これに対し、金属層1022は、樹脂基体101の背面の凹部101Bを含んで形成される。
正面視すると、凹部101Bに形成された金属層1022が、金属層1022の周囲に形成される色材層1021よりも手前に位置するため、ユーザーらに対し、金属層1022が周囲の着色層1021に対して浮き出ているように見せることができる。
上記電磁波透過性加飾部材100は、以下の工程を経て製造される。
a)樹脂基体101の凹凸面の凸部101Aの一部に、色材層形成用組成物を用いて色材層1021を形成する工程
b)樹脂基体101の裏面からインジウム等の電磁透過性金属を蒸着し、金属層1022を形成する工程
c)金属層1022の裏面に耐熱層103を形成するとともに、中間積層体に対して樹脂組成物を射出し、全体を射出一体化する工程
ところで、樹脂基体101の表面に耐傷性を付与するために、樹脂基体101の表面にハードコート層105を形成することが行われている(図6参照)。この場合、上記工程a)〜c)の後、d)樹脂基体101の表面にハードコート剤を塗布する工程が行われる。ハードコート剤の塗布方法として、スプレー法、ディップ法、スピンコート法、ロールコート法、カーテンコート法、フローコート法等が知られている。
特開2008−230497号公報
しかしながら、中間積層体には金属層1022が形成されているが、この金属層1022には電波透過性が求められる。そのため、クロムメッキなどの一般的な金属層の作製方法を適用することが、困難であり、金属層1022を構成する金属はインジウム等の高価な物質が用いられることが多い。しかしながら、電磁波透過性加飾部材100を製造する工程において、ハードコート剤の塗布は最終工程であり、その途中で中間積層体に傷がつく可能性がある。そこで、電磁波透過性加飾部材100を製造する初期の段階でハードコート層105を形成し、不良品の発生による損失をできるだけ少なく抑えることが望まれる。
また、上記の方法であると、樹脂基体101の表面にハードコート層105を直接形成しているが、樹脂基体101とハードコート層105との密着性、電磁波透過性加飾部材100の耐候性を高める観点から、樹脂基体101とハードコート層105との間に、接着層及びプライマー層を形成することが好ましい。しかしながら、ディップ法、スプレー法、スピンコート法、ロールコート法、カーテンコート法、フローコート法のいずれを採用しても、電磁波透過性加飾部材100を製造する最終工程において、樹脂基体101の表面に、接着層、プライマー層及びハードコート層105を形成しようとすると、接着層用組成物の塗布及び乾燥、プライマー層用組成物の塗布及び乾燥、ハードコート層用組成物の塗布及び乾燥を個別に繰り返す必要があり、作業にかかる負担が大きいうえ、歩留まりのさらなる悪化に繋がり得る。
また、電磁波透過性加飾部材100は、電磁波レーダの周辺部材として機能するため、電磁波透過性加飾部材100を製造するにあたっては、(ア)透過する電磁波の減衰を抑えること、(イ)透過するミリ波の回折及び散乱を抑えること、(ウ)透過する電磁波の周波数変動を抑えることが求められる。これら(ア)〜(ウ)を実現するには、電磁波透過性加飾部材100を構成する各層の厚さをできるだけ薄くし、かつ、できるだけ均一にすることが求められる。
本発明は、以上の状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、不良品による損失を少なく抑え、密着性、耐候性を高め、透過する電磁波の減衰等を抑えた、電磁波透過性加飾部材への転写用ハードコートフィルム等を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、基材フィルム上に、ハードコート層とプライマー層と接着層とがこの順に配置されている転写用ハードコートフィルムを用いることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を開発するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1)本発明は、基材フィルム上に、少なくとも、ハードコート層とプライマー層と接着層とがこの順に配置されている、電磁波透過性加飾部材への転写用ハードコートフィルムである。
(2)また、本発明は、前記ハードコート層が、硬化性樹脂と、粒子とを含有するハードコート層形成用組成物の硬化物からなる層である、(1)に記載の転写用ハードコートフィルムである。
(3)また、本発明は、前記ハードコート層の厚さ、前記プライマー層の厚さ、及び前記接着層の厚さの合計が15μm以下である、(1)又は(2)に記載の転写用ハードコートフィルムである。
(4)また、本発明は、前記ハードコート層の厚さは、1μm以上10μm以下であり、前記プライマー層の厚さは、0.1μm以上10μm以下であり、前記接着層の厚さは、1μm以上7μm以下である、(3)に記載の転写用ハードコートフィルム。
(5)また、本発明は、前記ハードコート層の、前記基材フィルムが設けられている側の面のJIS B 0601で規定された表面粗さRaが100nm以下である、(1)から(4)のいずれかに記載の転写用ハードコートフィルムである。
(6)また、本発明は、裏面に凹凸を有する樹脂基体の表面に、少なくとも、接着層とプライマー層とハードコート層と基材フィルムとがこの順に配置される、電磁波透過性加飾部材への基材フィルム付ハードコート層積層体である。
(7)また、本発明は、裏面に凹凸を有する樹脂基体の表面に、少なくとも、接着層とプライマー層とハードコート層とがこの順に配置され、前記樹脂基体の裏面に、着色層及び他の樹脂基体がこの順に配置され、前記着色層は、前記樹脂基体の凸部に形成される色材層と、少なくとも前記樹脂基体の凹部に形成される金属層とを含む、電磁波透過性加飾部材である。
(8)また、本発明は、少なくとも以下の工程を順に有する、車両の電磁波透過性加飾部材への転写用ハードコートフィルムの製造方法である。
a)基材フィルム上にハードコート層を形成する工程
b)前記ハードコート層上にプライマー層形成用組成物を用いてプライマー層を形成する工程
c)前記プライマー層上に接着層形成用組成物を用いて接着層を形成する工程
(9)また、本発明は、少なくとも以下の工程を順に有する、基材フィルム付ハードコート層積層体の製造方法である。
a)(1)から(4)のいずれかに記載の転写用ハードコートフィルムを射出成形の固定型にセットする工程であって、前記基材フィルムの表面が前記固定型の表面に接するように前記転写用ハードコートフィルムを前記固定型にセットする工程
b)前記接着層の裏面に、凹凸形状を有する射出成形の可動型をセットする工程
c)前記接着層の裏面に、樹脂基体形成用組成物を射出し、前記転写用ハードコートフィルムと、前記転写用ハードコートフィルムの裏面に形成され、裏面に凹凸を有する樹脂基体とを射出一体化する工程
本発明によると、基材フィルム上に、ハードコート層とプライマー層と接着層とがこの順に配置されている転写用ハードコートフィルムを、裏面に凹凸を有する樹脂基体の表面に射出成形同時転写することで、基材フィルム付ハードコート層積層体を得ることができる。そして、基材フィルム付ハードコート層積層体の裏面に、着色層、金属層及び他の樹脂基体を形成することで、電磁波透過性加飾部材を得ることができる。
電磁波透過性加飾部材を得るにあたり、樹脂基体の表面にハードコート層を形成する工程は、電磁波透過性加飾部材を製造する初期の段階であり、樹脂基体の裏面に金属層を形成するよりも前である。したがって、インジウムをはじめとした高価な金属のロスを最小限に抑えることができる。
また、樹脂基体とハードコート層との間には、接着層とプライマー層とが形成されている。これにより、樹脂基体とハードコート層との間の密着性を担保する層と、電磁波透過性加飾部材の耐候性を高める層とを分けることができ、密着性、耐候性がよりいっそう高まる。そして、一度の射出成形同時転写で、樹脂基体に、接着層とプライマー層とハードコート層とをまとめて形成できるため、ディップ法、スプレー法、スピンコート法、ロールコート法、カーテンコート法、フローコート法といった公知のハードコート剤塗布方法に比べ、作業負担を軽減できる。
また、本発明の転写用ハードコートフィルムを用いることで、電磁波透過性加飾部材を構成する接着層、プライマー層及びハードコート層の薄膜化かつ均一化を図ることができるため、電磁波レーダが送受信するミリ波や近赤外波の減衰、回折、散乱及び周波数変動を抑えることができ、電磁波レーダによる測定精度が高まる。
したがって、本発明によると、不良品による損失を少なく抑え、密着性、耐候性を高め、透過するミリ波や近赤外波の減衰等を抑えた、電磁波透過性加飾部材への転写用ハードコートフィルム等を提供できる。
本発明は、車両の電磁波透過性加飾部材に応用できるほか、電磁波透過性を有する電子機器の筐体への電磁波透過性加飾部材としても応用できる。
本発明の転写用ハードコートフィルムの一実施形態であって、層構成を表す断面模式図である。 本発明のハードコート層積層体の一実施形態であって、(a)基材フィルムが存在する実施態様、(b)基材フィルムを剥離した実施態様、を表す断面模式図である。 上記ハードコート層積層体の製造方法の一例を示す概略図である。 本発明の電磁波透過性加飾部材の一実施形態であって、層構成を表す断面模式図である。 従来の電磁波透過性加飾部材の一例であって、層構成を表す断面模式図である。 従来の電磁波透過性加飾部材の他の例であって、層構成を表す断面模式図である。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<転写用ハードコートフィルム>
本実施形態の転写用ハードコートフィルム10は、基材フィルム11上に転写層12が配置される積層体である(図1参照)。転写層12は、基材フィルム11上から、少なくとも、ハードコート層121と、プライマー層122と、接着層123との順で構成される。本実施形態の転写用ハードコートフィルム10を用いることにより、樹脂基体20(図2)にハードコート層121を含む転写層12が積層されたハードコート層積層体を製造することができる。
本実施形態の転写用ハードコートフィルム10は、本発明の転写用ハードコートフィルムの一実施態様である。本発明における「この順に配置」とは、基材フィルム11とハードコート層121とプライマー層122と接着層123のみが積層されている構成に限定されない意味である。例えば、本発明の効果を妨げない範囲で、基材フィルム11とハードコート層121との間に離型層や着色層(加飾層)などの他の層が積層されていても本発明の積層順を充足する限り本発明の範囲である。
また、本発明における「転写層12」とは、ハードコート層121から接着層123までのすべての層を含む意味であり、3層に限定されない。よって、転写層が4層以上で構成される場合には、転写層の厚さとは4層以上の総厚さを意味するものである。
以下、本実施形態の転写用ハードコートフィルムを構成する基材フィルム11と、転写層12とについて各々説明する。
〔基材フィルム〕
基材フィルム11は、特に限定されないが、ポリエステル樹脂フィルム又はポリオレフィン樹脂フィルムにより構成されることが好ましい。また、上記フィルムのうち延伸フィルムであることが好ましい。基材フィルム11がこれらの樹脂フィルムにより構成されることにより、その上にハードコート層121などを容易に形成でき、また、転写用ハードコートフィルム10を製造する際に熱収縮や、ハードコート層121の形成に電離放射線硬化性樹脂を用いる場合は、電離放射線の照射による収縮が生じにくいという優れた耐収縮性を有し、転写用ハードコートフィルム10を優れた安定性と効率とで製造することが可能となる。更に、転写用ハードコートフィルム10を樹脂基体20に転写する際の加熱温度による熱収縮が生じることもないので、容易にハードコート層積層体10を製造することができる。
ポリエステル樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」ということがある。)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート、エチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体などのポリエステル樹脂からなるフィルムが好ましく挙げられる。これらの中でも、本実施形態の転写用ハードコートフィルム10を製造する際の熱収縮や、電離放射線の照射による収縮が生じにくいことなどを考慮すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。
ポリオレフィン樹脂フィルムとしては、転写用ハードコートフィルム10を製造する際の熱収縮や、電離放射線の照射による収縮が生じにくいことなどを考慮すると、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブテン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体樹脂、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体樹脂、オレフィン熱可塑性エラストマーなどのポリオレフィン樹脂からなり、延伸された樹脂フィルムが好ましく挙げられる。また、これらの中でも、延伸ポリプロピレン樹脂フィルムであることが好ましい。
延伸ポリオレフィン樹脂は、一軸延伸されたもの、二軸延伸されたもののいずれでもよいが、転写用ハードコートフィルムを製造する際の熱収縮や、電離放射線の照射による収縮が生じにくいことなどを考慮すると、二軸延伸されたものであることが好ましい。二軸延伸ポリオレフィン樹脂のシートは、通常、長手方向延伸機を用いてガラス転移温度(Tg)以上に加熱して、好ましくは5倍以上30倍以下程度延伸し、次いで、幅方向延伸機を用いてガラス転移温度(Tg)以上に加熱して幅方向へ好ましくは5倍以上30倍以下延伸して得られる。また、延伸倍率が上記範囲内であると、転写用ハードコートフィルム10を製造する際の熱収縮や、電離放射線の照射による収縮が生じにくくなる。
車両や電子機器に設けられる電磁波レーダが外部に向けて送受信するミリ波や近赤外波の減衰、回折、散乱及び周波数変動を抑え、電磁波レーダによる測定精度を高めるため、転写用ハードコートフィルム10を構成する各層の層厚は、均一であることが好ましい。特に、ハードコート層121の、基材フィルム11が設けられる側の面の表面粗さRaは、基材フィルム11の、ハードコート層121が形成される側の面の表面粗さに依存する。言い換えると、転写によって形成されるハードコート層121の表面形状は、基材フィルム11のハードコート層塗布側の面の表面形状の影響を受ける。そこで、転写により形成されるハードコート層121の表面粗さを低減するには、基材フィルム11のハードコート層塗布側の表面粗さを低減することが好ましい。具体的に、基材フィルム11の、ハードコート層121が形成される側の面の表面粗さは、100nm以下であることが好ましく、80nm以下であることがより好ましく、50nm以下であることがさらに好ましく、30nm以下であることがよりさらに好ましく、15nm以下であることがより特に好ましい。
本実施形態において、表面粗さRaは、New View 5000(Zygo社製)を用いて、対物レンズ:10倍、ズームレンズ:1倍、Scan Length:15μmにて、1000μm×1000μmの範囲の表面形状を撮像し、JIS B 0601:2001に準拠し得られた像から算出した粗さ曲線の中心線からの平均のずれを算出することよって求めるものとする。
基材フィルム11の厚さは、特に限定されないが、4μm以上200μm以下であればよい。4μm以上であればカールやシワが入りにくくなり、200μm以下であればコストを安価に抑えられ、熱伝導効率が低下することがなく、転写後に基材フィルム11を剥離する際に各層がとられることがないため、優れた転写性が得られる。基材フィルム11は、複層構成でもよい。その場合、複層構成全体で上記厚みの範囲にあることが好ましい。
なお、基材フィルム11は、転写する際のハードコート層121との間の離型性を確保するために、必要に応じて基材フィルム11表面に公知の離型処理を施したり、シリコーン樹脂などの離型層を設けてもよい。また、逆にハードコート層121との密着性を向上させるためにコロナ放電処理、プラズマ処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン/紫外線処理、易接着コート剤を塗布するなどの表面処理を施してもよい。
〔転写層〕
転写層12は、基材フィルム11上から、ハードコート層121と、プライマー層122と、接着層123との順で構成される。
〔ハードコート層〕
ハードコート層121は、硬化性樹脂を含有するハードコート層形成用組成物の硬化物からなる層であり、樹脂基体20に耐傷性を付与する層である。
[ハードコート層形成用組成物]
ハードコート層形成用組成物は、所望に応じて、耐候剤、粒子(耐傷粒子)、非反応性シリコーン化合物などの滑剤がハードコート層積層体への耐候性及び耐傷性を付与する性能を損なわない範囲で含まれていてもよい。
(硬化性樹脂)
ハードコート層121は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、尿素樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、電離放射線硬化性樹脂等、の硬化物からなる層を好ましく挙げることができる。耐候性や耐傷性の観点から電離放射線硬化性樹脂の硬化物であることが好ましい。
電離放射線硬化性樹脂は、電離放射線を照射することにより硬化する硬化性樹脂であり、電離放射線としては、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するもの、例えば、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるほか、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も用いられる。
ハードコート層121に使用できる電離放射線硬化性樹脂としては、従来から電離放射線硬化性を有する樹脂として慣用されている重合性オリゴマー(プレポリマー)、重合性ポリマーの中から適宜選択して用いることができ、良好な硬化特性を得る観点から、ブリードアウトしにくく、かつ、硬化させてハードコート層12を形成する際に硬化収縮を生じにくいものが好ましい。また、無溶剤系で塗布する場合は固形分基準として95%以上100%以下程度としても塗布性を有することが好ましい。
重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系やポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートやカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系のオリゴマーなどが好ましく挙げられ、ウレタン(メタ)アクリレート系がより好ましい。なお、上記(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
これらのオリゴマーのうち、多官能の重合性オリゴマーが好ましく、官能基数としては、2以上15以下が高架橋密度による耐傷性付与の点で好ましく、硬化収縮を生じにくいという点から、2以上8以下がより好ましく、さらに好ましくは2以上6以下である。また、単官能の重合性オリゴマーとしては、例えば、カプロラクトン系ポリオールと有機イソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応により得られるカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレートや、ポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレートなどのような高分子ウレタン(メタ)アクリレートを挙げることができる。
重合性ポリマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つポリマー、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系やポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートやポリカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系のポリマーなどが好ましく挙げられ、ポリカプロラクトン系ウレタン(メタ)アクリレート又はウレタン(メタ)アクリレート系がより好ましい。なお、上記(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。これらのポリマーを単独で、あるいは複数を組合せて用いてもよい。
本実施形態に関するハードコート層121に含まれる樹脂の重量平均分子量(Mw)については、その種類に応じて異なり、一律に規定することはできないが、例えば200〜100,000、好ましくは500〜50,000、更に好ましくは1,000〜30,000が挙げられる。重量平均分子量(Mw)が過小であると、ハードコート層12の硬度が不足する結果、十分な耐傷性や耐溶剤性が得られない可能性がある。これに対し、重量平均分子量(Mw)が過大であると、種類によっては、架橋密度を十分に高めることができず、ハードコート層12の硬度が不足する結果や、硬化前のインキの粘度が上昇し、塗布適正が低下する可能性がある。
なお、本明細書における樹脂の重量平均分子量は、GPC法によって測定し、かつ、標準ポリスチレン換算された値である。
(粒子)
また、必須の構成ではないが、ハードコート層121の耐傷性を高めるため、ハードコート層121を形成するハードコート層形成用組成物には、粒子(耐傷粒子)が含有されていることが好ましい。
電磁波透過性加飾部材を構成する樹脂基体(図2の符号20)に転写層12が転写されると、樹脂基体20の表面に、少なくとも、接着層123とプライマー層122とハードコート層121と基材フィルム11とがこの順に配置されることになる(図2の(a)参照)。本実施形態の転写用ハードコートフィルム10を用いて、樹脂基体20に転写層12を転写すれば、ハードコート層121の表面には、基材フィルム11が設けられている。そのため、ハードコート層121の成分が揮発することはなく、これにより、ハードコート層121の、基材フィルム11が設けられている側の面における表面粗さRaの低下を抑えられる。
これに対し、従来の手法では、スプレー法、ディップ法、スピンコート法、ロールコート法、カーテンコート法、フローコート法等を用いて、樹脂基体の表面に、ハードコート剤を塗布、乾燥して、ハードコート層105を形成することになる(図6参照)。この手法では、ハードコート剤を塗布後、乾燥する際に、ハードコート層121の成分が揮発し、ハードコート層121の層厚が減少する。一方、ハードコート層121に含まれる粒子(耐傷粒子)は、乾燥によっても揮発することはない。その結果、従来の手法でハードコート層105を形成すると、粒子がハードコート層105から突き出して、ハードコート層105の表面における表面粗さRaの低下に繋がり得る。そして、ハードコート層105の表面粗さが低下すると、車両や電子機器に設けられる電磁波レーダが外部に向けて送受信するミリ波や近赤外波の減衰、回折、散乱及び周波数変動に繋がり得る。
以上のとおりであるため、本実施形態の転写用ハードコートフィルム10は、耐傷性を高めるために、ハードコート層121を形成するハードコート層形成用組成物に、粒子(耐傷粒子)を含めたとしても、ハードコート層121の、基材フィルム11が設けられている側の面における表面粗さRaを略均一にすることができる。そして、本実施形態の転写用ハードコートフィルム10は、車両や電子機器に設けられる電磁波レーダが外部に向けて送受信するミリ波や近赤外波の減衰、回折、散乱及び周波数変動を抑えられる、という特有の効果を奏する。
粒子としては、無機系と有機系の粒子がある。無機系粒子としては、例えば、アルミナ、シリカ、ジルコニア、カオリナイト、酸化鉄、ダイヤモンド、炭化ケイ素などの粒子が挙げられる。該無機系粒子の形状としては、例えば、球状、楕円体、多面体、鱗片形などが挙げられ、特に制限はないが、ハードコート層121の硬度がより高くなり優れた耐傷性が得られる点で、球状が好ましい。
一方、有機系粒子としては、架橋アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂ビーズが挙げられる。
中でも、耐傷性を向上させ、かつ、ハードコート層121の透明性を阻害しないことから、粒子は、シリカ粒子、アルミナ粒子、ジルコニア粒子であることが好ましく、シリカ粒子であることがより好ましい。シリカ粒子としては、従来公知のシリカ粒子から適宜選択して用いることが可能であり、コロイダルシリカ粒子なども好適に挙げられる。コロイダルシリカ粒子は、添加量が増えた場合であっても、透明性に影響を及ぼすことが少ない。
粒子の平均粒子径は、特に制限されないが、ハードコート層121に好適な耐傷性を付与するという観点から、平均粒子径は、1nm以上4000nm(4μm)以下であることが好ましく、500nm以上3000nm(3μm)以下であることがより好ましい。さらに、粒子がハードコート層121から突き出して、ハードコート層121の表面における表面粗さRaの低下を抑えるため、平均粒子径は、2000nm(2μm)以下であることが好ましい。本実施形態において、粒子の平均粒子径は、体積平均粒子径であるものとする。体積平均粒子径は、レーザー回折式、又はレーザー散乱式粒子径分布測定により測定することができる。
粒子の含有量は、特に限定されないが、ハードコート層121への耐傷性の付与、及びハードコート層121に樹脂基体20(図2参照)への追従性を考慮すると、粒子の含有量は、硬化性樹脂100質量部に対して0.1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、1質量部以上8質量部以下であることがより好ましく、2質量部以上7質量部以下であることが特に好ましい。粒子の含有量が過少であると、ハードコート層形成用組成物として粒子を構成成分にしたにもかかわらず、ハードコート層121に耐傷性を好適に付与できない可能性がある。粒子の含有量が過大であると、ハードコート層121の樹脂基体20(図2参照)への追従性が十分でなく、樹脂基体20上にハードコート層121を好適に熱転写できない可能性がある。
[厚さ]
電磁波レーダが送受信する電磁波の減衰、回折、散乱及び周波数変動を抑えるため、ハードコート層121の厚さは、耐傷性を付与する性能を損なわない範囲で薄いほど好ましい。また、ハードコート層121の透明化を図る観点、硬化収縮の発生を低減するという観点でも、ハードコート層121の厚さは、薄いほど好ましい。本実施形態において、ハードコート層121の厚さは、1μm以上10μm以下が好ましく、2μm以上6μm以下さらに好ましく、2μm以上4μm以下であることが特に好ましい。
[表面粗さ]
車両や電子機器に設けられる電磁波レーダが外部に向けて送受信する電磁波の減衰、回折、散乱及び周波数変動を抑え、電磁波レーダによる測定精度を高めるため、ハードコート層121の、基材フィルム11が設けられる側の面のJIS B 0601で規定された表面粗さRaは、100nm以下であることが好ましく、80nm以下であることがより好ましく、50nm以下であることがさらに好ましく、30nm以下であることがよりさらに好ましく、15nm以下であることがより特に好ましい。
本実施形態において、ハードコート層121の、基材フィルム11が設けられる側の面の表面粗さRaは、以下の測定方法にて測定するものとする。
(ハードコート層121の、基材フィルム11が設けられる側の面の表面粗さRaの測定方法)
転写用ハードコートフィルム10の基材フィルム11の側を、射出成形の固定型に向けて、ヒーターによって接着層123の側から転写用ハードコートフィルム10を100℃で加熱する。
そして、転写用ハードコートフィルム10を固定型の形状に沿うように予備成形し、転写用ハードコートフィルムを固定型に密着させる。
次いで、転写用ハードコートフィルムの接着層123の側に射出成形の可動型をセットし、型締めする。
次いで、接着層123の裏面に、流動状態のポリカーボネート樹脂を成形温度315℃、圧力170MPaにて射出、充填して固化させることにより、転写用ハードコートフィルム10と樹脂基体とを射出一体化して、基材フィルム付きハードコート層積層体を得る。
次いで、基材フィルム付きハードコート層積層体から基材フィルム11を剥がし、前記ハードコート層121の、基材フィルム11が設けられていた側の面の表面粗さRaを測定する。表面粗さRaは、New View 5000(Zygo社製)を用いて、対物レンズ:10倍、ズームレンズ:1倍、Scan Length:15μmにて、1000μm×1000μmの範囲の表面形状を撮像し、得られた像から算出した粗さ曲線の中心線からの平均のずれを算出することよって求める。
本実施形態では、車両や電子機器に設けられる電磁波透過性加飾部材を構成する樹脂基体(図2の符号20)にハードコート層121を付与するにあたり、転写用ハードコートフィルム10を用いて、樹脂基体20上にハードコート層121を射出成形同時転写するようにしたことから、ハードコート層121の成分が表面から揮発することはなく、粒子がハードコート層121から突き出すことを抑えられる。その結果、本実施形態では、ハードコート層121を簡便に薄膜化し、かつ、膜厚を簡便に均一化することができる。
樹脂基体20上に、従来公知のハードコート剤塗布方法、例えば、ディップ法、スプレー法、スピンコート法、ロールコート法、カーテンコート法、フローコート法等を採用したとしても、ハードコート層121の成分が表面から揮発して、粒子がハードコート層121から突き出し得るため、ハードコート層121の薄膜化と、膜厚の均一化とを両立することは、難しい。
〔プライマー層〕
プライマー層122は、バインダー樹脂及びブロッキング防止剤を含むプライマー層形成用樹脂組成物により構成され、ハードコート層121に対する応力緩和層として機能するとともに、ハードコート層121の密着性を向上させる役割を果たす層である。
[バインダー樹脂]
本実施形態に関するプライマー層122を構成するバインダー樹脂は、主剤と硬化剤とからなる2液硬化型樹脂を含有することが好ましい。
[主剤]
主剤としては、特に限定はなく、例えば、ポリウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、プチラール樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのバインダー樹脂の中でも、密着性及び耐候性の観点から、ポリウレタン樹脂が好ましい。
ポリウレタン樹脂としては、ポリウレタン樹脂の高分子鎖中に更にアクリル骨格を有するポリウレタン樹脂であることが、耐候性及び耐久性の観点からより好ましい。高分子鎖中にアクリル骨格を有するポリウレタン樹脂としては、例えば、ウレタン成分とアクリル成分との共重合体であるウレタンアクリル共重合体、ポリウレタンを構成するポリオール成分又はポリイソシアネート成分としてヒドロキシル基又はイソシアネート基を有するアクリル樹脂があり、なかでもウレタンアクリル共重合体が好ましい。ウレタンアクリル共重合体は、例えば、1分子中に少なくとも2個のヒドロキシル基を有するアクリル樹脂にポリオール化合物及びイソシアネート化合物を反応させる方法(特開平6−100653号公報等参照)や、不飽和二重結合を両末端に有するウレタンプレポリマーにアクリルモノマーを反応させる方法(特開平10−1524号公報等参照)等によって得ることができる。
上記の高分子鎖中にアクリル骨格を有するポリウレタン樹脂のなかでも、高分子鎖中に、更にポリカーボネート骨格又はポリエステル骨格を有するものが、ハードコート層との密着性の観点から好ましい。高分子鎖中にアクリル骨格を有し、更にポリカーボネート骨格又はポリエステル骨格を有するポリウレタンとしては、ポリカーボネート系ウレタン成分とアクリル成分の共重合体であるポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体、又は、ポリエステル系ウレタン成分とアクリル成分の共重合体であるポリエステル系ウレタンアクリル共重合体がより好ましく、より一層優れた耐候性を備えさせるという観点から、ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体を用いることが特に好ましい。これらのポリウレタンは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体は、例えば、カーボネートジオールとジイソシアネートを反応させて得られたポリカーボネート系ウレタンと、アクリル骨格を有するジオールを共重合させることにより得ることができる。また、ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体は、アクリル骨格を有するジオールに、カーボネートジオールとジイソシアネートを反応させることによっても得ることができる。ここで、上記アクリル骨格を有するジオールとしては、具体的には、(メタ)アクリル酸、アルキル基の炭素数が1〜6程度の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、或いはこれらがラジカル重合したオリゴマー又はプレポリマー(重合度2以上10以下程度)に、2つの水酸基が導入されている化合物が挙げられる。
上記ジイソシアネートとしては、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系インシアネート;イソホロンジイソシアネート、水素転化キシリレンジイソシアネート等の脂環式系インシアネートが挙げられる。また、上記カーボネートジオールとしては、具体的には、下記一般式(1)に示される化合物(式中、Rは、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数1以上12以下のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数1以上12以下の2価の複素環基、又は、置換基を有していてもよい炭素数1以上12以下の2価の脂環基であり、mは、1以上10以下の整数である)等が挙げられる。
HO−[R−O−(C=O)−O]m−R−OH (1)
また、ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体は、ラジカル重合する基が導入されているポリカーボネート系ポリウレタンプレポリマーを、アクリルモノマーとラジカル重合させることによって得ることもできる。前記アクリルモノマーとしては、具体的には、(メタ)アクリル酸やアルキル基の炭素数が1以上6以下程度の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
上記ポリエステル系ウレタンアクリル共重合体は、例えば、エステルジオールとジイソシアネートを反応させて得られたポリエステル系ウレタンと、アクリル骨格を有するジオールを共重合させることにより得ることができる。あるいは、アクリル骨格を有するジオールに、エステルジオールとジイソシアネートを反応させることによっても得ることができる。ここで、アクリル骨格を有するジオール及びジイソシアネートは、前記ポリカーポネート系ウレタンアクリル共重合体の製造に使用されるものと同様である。また、エステルジオールとしては、具体的には、下記一般式(2)に示される化合物(式中、Rは、同一又は異なって、置換基を有していてもよい炭素数1以上12以下のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数1以上12以下の2価の複素環基、又は、置換基を有していてもよい炭素数1以上12以下の2価の脂環基であり、mは、1以上10以下の整数である)等が挙げられる。
HO−[R−O−(C=O)]m−R−OH (2)
また、ポリエステル系ウレタンアクリル共重合体は、ラジカル重合する基が導入されているポリエステル系ポリウレタンプレポリマーを、アクリルモノマーとラジカル重合させることによって得ることもできる。アクリルモノマーとしては、上記ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体の製造に使用されるものと同様である。
上記プライマー層に用いられるポリウレタンは、優れた耐候性を備えさせるために、アクリル成分の含有量が1質量%以上30質量%以下であることが好ましい。ここで、ポリウレタンにおけるアクリル成分の含有量とは、ポリウレタンの総質量当たり、アクリル骨格を構成するモノマーが占める割合(質量%)である。より一層優れた耐候性を備えさせるという観点から、ポリウレタンにおけるアクリル成分の含有量として、好ましくは5質量%以上20質量%以下が挙げられる。ポリウレタンにおけるアクリル成分の含有量は、ポリウレタンのNMRスペクトルを測定し、全ピーク面積に対するアクリル成分に帰属されるピーク面積の割合を求めることによって算出される。
上記プライマー層において、上記ポリウレタンと他のバインダー樹脂を組み合わせて使用する場合、これらの混合比については、特に制限されないが、例えば、バインダー樹脂の総量100質量部当たり、上記ポリウレタンが50質量部以上、好ましくは70質量部以上、更に好ましくは85質量部以上となるように設定すればよい。
[硬化剤]
上記の主剤の硬化を促進する観点から、例えばトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、シクロヘキサンフェニレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネートなどのイソシアネート硬化剤が挙げられる。
硬化剤の使用量は、応力緩和性能や表面保護層と接着層との密着性を向上の観点から、主剤となる樹脂100質量部に対して、1質量部以上40質量部以下が好ましく、10質量部以上30質量部以下がより好ましく、20質量部以上30質量部以下がさらに好ましい。
[各種添加剤]
本実施形態に関するプライマー層122は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の各種添加剤を含有していてもよい。このような添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤や光安定剤等の耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、赤外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤等が挙げられる。これらの添加剤は、常用されるものから適宜選択して用いることができる。
[厚さ]
電磁波レーダが送受信するミリ波や近赤外波の減衰、回折、散乱及び周波数変動を抑えるため、プライマー層122の厚さは、耐候性を付与する性能を損なわない範囲で薄いほど好ましい。本実施形態において、プライマー層122の厚さは、0.1μm以上10μm以下が好ましく、0.1μm以上5μm以下であることがより好ましく、1μm以上4μm以下さらに好ましい。
〔接着層〕
本実施形態に関する接着層123は、ハードコート層121を樹脂基体20の表面に形成するために、ハードコート層121を樹脂基体20に接着するために設けられる層であり、このようなハードコート層121を樹脂基体20に接着するという機能を有する。また、プライマー層122に含まれる粒子がプライマー層122の表面に突き出す、いわゆる頭出しを和らげて、表面の平坦性を向上させて、透明性の低下を抑制し、優れた光学的性能を確保するという機能をも有する。
本実施形態に関する接着層123に使用できる接着性の樹脂としては、樹脂基体20の材質や転写の際の転写温度や圧力に応じて定められるものであるが、一般に、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ゴム、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂などの熱融着樹脂が好ましく、樹脂基体20の材質や転写製品の用途に応じて、上記樹脂の中から1種又は2種以上の樹脂が選定される。プライマー層122に含まれる粒子との屈折率差が小さく透明性に優れ、透明性と耐候性向上の点から、上記熱融着樹脂としては、アクリル樹脂を単体で用いることが特に好ましい。
電磁波レーダが送受信する電磁波の減衰、回折、散乱及び周波数変動を抑えるため、接着層123の厚さは、接着性を付与する性能を損なわない範囲で薄いほど好ましい。電磁波レーダが送受信するミリ波や近赤外波の減衰、回折、散乱及び周波数変動を抑えるという観点と、上記ハードコート層121を含む転写層を樹脂基体20に接着するという観点から、接着層123の厚さは、1μm以上7μm以下であることが好ましく、より好ましくは1μm以上6μm以下であり、特に好ましくは1μm以上5μm以下である。
また、電磁波レーダが送受信するミリ波や近赤外波の減衰、回折、散乱及び周波数変動を抑えるため、ハードコート層121の厚さ、プライマー層122の厚さ、及び接着層123の厚さの合計もまた、各層の本来の性能を損なわない範囲で薄いほど好ましい。ハードコート層121の厚さ、プライマー層122の厚さ、及び接着層123の厚さの合計は、15μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましい。本実施形態において、これら各層の厚さは、断面を電子顕微鏡で観察することにより測定するものとする。
本実施形態では、電磁波透過性加飾部材を構成する樹脂基体(図2の符号20)にハードコート層121を付与するにあたり、転写用ハードコートフィルム10を用いて、樹脂基体20上にハードコート層121、プライマー層122及び接着層123を射出成形同時転写するようにしたことから、各々の層を簡便に薄膜化し、かつ、膜厚を簡便に均一化することができる。
樹脂基体20上に、従来公知のハードコート剤塗布方法、例えば、ディップ法、スプレー法、スピンコート法、ロールコート法、カーテンコート法、フローコート法等を採用する場合、ハードコート層用組成物の塗布及び乾燥、プライマー層用組成物の塗布及び乾燥、接着層用組成物の塗布及び乾燥を個別に繰り返す必要があり、作業にかかる負担が大きい。また、各層の薄膜化を優先すると、膜厚の均一化を図るのは難しく、一方、膜厚の均一化を図ろうとすると、各層の薄膜化を図るのは難しい。
また、本実施形態の転写用ハードコートフィルム10は、接着層123の上にポリエチレン樹脂などの樹脂からなるカバーフィルム(保護フィルム)を貼り付けて表面を保護しておくことが、製品を保管する上で好ましい。本実施形態の転写用ハードコートフィルム10は、カバーフィルムを設ける場合、このカバーフィルムを剥がし、接着層123を露出し、この接着層123の面を介して樹脂基体20に転写される。
〔着色層〕
本発明の転写用ハードコートフィルムでは必須ではないが、ハードコート層積層体の意匠性を向上させるため、必要に応じて転写用ハードコートフィルムの一部又は全面に、更に着色層(加飾層)を設けてもよい。着色層の柄は任意であるが、例えば、木目、石目、布目、砂目、幾何学模様、文字などからなる柄や絵柄等を設けることもできる。
着色層は、例えばプライマー層と接着層との間に積層されるが、これに限定されず、接着性を有する材料の場合には接着層の上に形成されていてもよい。
着色層の形成方法は、例えば、プライマー層122の上に、ポリビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、セルロース系樹脂などの樹脂をバインダーとし、適当な色の顔料又は染料を着色剤として含有する印刷インキによる印刷を行うことで形成することができる。印刷方法としては、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写印刷、昇華転写印刷、インクジェット印刷などの公知の印刷法が挙げられる。着色層の厚みは、意匠性の観点から5μm以上40μm以下が好ましく、5μm以上30μm以下がより好ましい。
〔転写層12を構成する各層の屈折率〕
電磁波レーダが送受信するミリ波や近赤外波の屈折、散乱は、電磁波透過性加飾部材(図4の符号30)を構成する各層の層間で生じる。そのため、転写層12を構成する各層における屈折率の差は、小さいほど好ましい。
具体的に、転写層12を構成する各層における屈折率の差は、0.1以下であることが好ましく、0.05以下であることがより好ましい。
空気界面以外の層間、例えばハードコート層121とプライマー層122との間、プライマー層122と接着層123との間等においては、設計上、各層の表面凹凸を十分小さくすることが困難な場合は、各層を構成する材料の屈折率の差を小さくすることにより、電磁波レーダが送受信するミリ波や近赤外波の屈折、散乱を抑えることが可能である。
ただし、大気とハードコート層121との間における屈折率の差を小さくすることは、技術的に困難であるため、ハードコート層121の表面における表面粗さRaをできるだけ小さくすることにより、ミリ波や近赤外波の屈折、散乱を抑えることが好ましい。
<転写用ハードコートフィルムの製造方法>
本実施形態に関する転写用ハードコートフィルム10の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、少なくとも以下の工程を順に有する転写用ハードコートフィルムの製造方法を挙げることができる。
a)基材フィルム11上にハードコート層121を形成する工程
b)ハードコート層121上にプライマー層形成用組成物を用いてプライマー層122を形成する工程
c)プライマー層122上に接着層形成用組成物を用いて接着層123を形成する工程
以下各工程について説明する。
〔a)基材フィルム上に、ハードコート層を形成する工程〕
基材フィルム11上に、ハードコート層121を含む転写層形成する方法としては、ハードコート層形成用樹脂組成物を、硬化後の厚さが通常1μm以上10μm以下程度となるように、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート、スリットコート、ダイコートなどの方式、好ましくはグラビアコートにより塗布し、硬化して行う方法がある。特に、溶剤を樹脂組成物の構成成分にすることで、ハードコート層121をよりいっそう薄膜化し、均一化することができる。樹脂組成物が溶剤を含むような場合は、塗工後、熱風乾燥機などにより塗布層を予め加熱乾燥してから、さらに加熱処理、あるいは電離放射線を照射することが好ましい。
ここで、電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70kV以上300kV以下、照射線量は5Mrad以上10Mrad以下程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。
〔b)プライマー層形成用組成物を用いてプライマー層を形成する工程〕
次に、ハードコート層121上プライマー層形成用組成物を用いてプライマー層122を形成する。プライマー層122は、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコートなどの塗布方式、或いは転写コーティング法により形成することができる。ここで、転写コーティング法とは、薄いシート(フィルム基材)にプライマー層122の塗膜を形成し、その後にハードコート層121の表面に被覆する方法である。好ましくはグラビアコートにより行うのがよい。
また、本実施形態に関するプライマー層122を形成する際に、ハードコート層121とプライマー層122との間の密着性を向上させるために、ハードコート層121の硬化を半硬化の状態にとどめ、その後、プライマー層122形成用の樹脂組成物を塗布した後にハードコート層121の硬化を完全硬化することにより、ハードコート層121とプライマー層122との間の密着性を高めることもできる。
プライマー層122は、未硬化の状態を維持できる範囲で、表面の乾燥を行ってもよい。ここで、未硬化の状態とは、プライマー層中に未反応の硬化剤が残存している状態であり、その残存率が多い程、プライマー層122の透明性低下を防止する観点から好ましい。硬化剤のイソシアネート部分に該当する赤外スペクトル2260cm−1のピーク強度が、プライマー層塗布直後のピーク強度を基準として50%以上である状態が好ましい。
〔c)接着層形成用組成物を用いて接着層を形成する工程〕
次に、プライマー層122上に接着層形成用組成物を用いて接着層123を形成する。接着層123を形成する方法は、上記b)と同様の方法を用いることができ、特に限定されない。
〔d)プライマー層を硬化する工程〕
任意ではあるが、プライマー層122を硬化させてもよい。ここでの硬化とは、プライマー層122に残存している硬化剤を主剤と完全に反応させてしまう工程である。具体的には、従来公知の方法で硬化反応を促進させればよく、硬化剤の種類にもよるが、典型的には、40℃以上60℃以下の温度で、24時間以上72時間以下置くとよい。
<ハードコート層積層体、基材フィルム付ハードコート層積層体>
ハードコート層積層体とは、樹脂基体20の表面に、少なくとも、接着層123とプライマー層122とハードコート層121と必要に応じて基材フィルム11とが、この順に配置されて積層された積層体である。樹脂基体20の表面にハードコート層121を含む転写層が積層されることで、樹脂基体20に十分な耐傷性を付与することができる(図2参照)。
〔樹脂基体〕
樹脂基体20を構成する樹脂は、用途に応じて適宜選択できる。中でも、本実施形態の転写用ハードコートフィルムは、耐傷性、耐侯性、透明性のいずれにも優れ、射出成形同時転写によるハードコート層121の剥離を抑えられることから、樹脂基体20は、有機ガラスであることが好ましい。
樹脂基体20が有機ガラスである場合、樹脂基体20を構成する樹脂は、高い透明性を有することが好ましい。高い透明性を有する樹脂として、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。中でも、耐衝撃性に優れることから、樹脂基体20を構成する樹脂は、ポリカーボネート樹脂であることが好ましい。
樹脂基体20の裏面20Bには、凹凸が形成される。凹凸の凸部に着色層が形成され、凹凸の凹部及び凸部の両方に金属層が形成されることで、樹脂基体20をハードコート層121側から見たときに、凹部に形成された金属層312が周囲の着色層に対して浮き出ているように見せることができる。
電磁波レーダが送受信する電磁波の減衰、回折、散乱及び周波数変動を抑えるため、樹脂基体20の厚さは、面剛性などの実用的な強度を損なわない範囲で薄いほど好ましい。本実施形態において、樹脂基体20の厚さは、通常1mm以上15mm以下であることが好ましく、2mm以上5mm以下であることがより好ましい。樹脂基体20が薄すぎると、面剛性などの実用的な強度が不十分となり、樹脂基体20が厚すぎると、電磁波レーダが送受信するミリ波や近赤外波の減衰、回折、散乱及び周波数変動に影響する。
樹脂基体20の凹凸の深さは、特に限定されないが、1mm以上5mm以下であることが好ましく、1mm以上3mm以下であることがより好ましい。凹凸が浅すぎると、樹脂基体20の裏面に着色層31を形成したとしても(図4参照)、意匠性に劣り、着色層31の金属層31Bが色材層31Aに対して立体的に浮き出ているように見せることができない。凹凸が深すぎると、樹脂基体20の面剛性などの実用的な強度に影響し得る。
〔ハードコート層積層体の製造方法〕
図3は、本実施形態に係るハードコート層積層体の製造方法の一例を示す概略図である。ハードコート層積層体の製造方法は、少なくとも以下の工程を順に有する。
a)転写用ハードコートフィルム10を射出成形の固定型51Aにセットする工程であって、基材フィルム11の表面が固定型51Aの表面に接するように転写用ハードコートフィルム10を固定型51Aにセットする工程
b)接着層123の裏面に、凹凸形状を有する射出成形の可動型52Bをセットする工程
c)接着層123の裏面に、樹脂基体形成用組成物20’を射出し、転写用ハードコートフィルム10と、転写用ハードコートフィルム10の裏面に形成され、裏面に凹凸を有する樹脂基体20とを射出一体化する工程
[a)転写用ハードコートフィルムを射出成形の固定型にセットする工程]
工程a)では、まず、転写用ハードコートフィルム10の接着層123側(基材フィルム11と反対側)を、射出成形の固定型51Aに向けて、ヒーター52によって接着層123側から転写用ハードコートフィルム10を加熱する(図3の(a1))。
転写用ハードコートフィルム10を加熱する温度は、基材フィルム11のガラス転移温度近傍以上で、かつ、溶融温度(又は融点)未満の範囲であることが好ましい。通常は、ガラス転移温度近傍の温度で行うことが、より好ましい。なお、上記のガラス転移温度近傍とは、ガラス転移温度±5℃程度の範囲を指し、基材フィルム11として好適なポリエステルフィルムを使用する場合には、一般に、70〜130℃程度である。
続いて、転写用ハードコートフィルム10を固定型51Aの形状に沿うように予備成形(真空成形)し、転写用ハードコートフィルム10を固定型51Aに密着させる(図3の(a2)。
固定型51Aの成形面は、滑らかな曲面であり、固定型51Aの成形面によって転写される形状が、基材フィルム付ハードコート層積層体の表面の形状となる。
[b)接着層123の裏面に可動型52Bをセットする工程]
次いで、転写用ハードコートフィルム10の接着層123側(基材フィルム11と反対側)に射出成形の可動型51Bをセットし、型締めする(図3の(b))。
図示は省略するが、可動型51Bの成形面は、凹凸形状を有する。可動型51Bの成形面によって転写される形状が、基材フィルム付ハードコート層積層体の裏面の形状となる。
[c)転写用ハードコートフィルムと樹脂基体とを射出一体化する工程]
次いで、接着層123の裏面に、樹脂基体形成用組成物20’を射出し、転写用ハードコートフィルム10と、転写用ハードコートフィルム10の裏面に形成され、裏面に凹凸を有する樹脂基体20とを射出一体化する(図3の(c))。
本実施形態では、好適な樹脂基体形成用組成物20’(例えば、ポリカーボネート樹脂組成物)は、熱可塑性であるため、加熱溶融によって流動状態にして射出する。その後、樹脂基体形成用組成物20’を冷却して固化させる。これによって、転写用ハードコートフィルム10が、形成された樹脂基体20と一体化して貼り付き、基材フィルム付ハードコート層積層体となる。樹脂基体形成用組成物20’の加熱温度は、樹脂基体形成用組成物20’の種類によるが、一般に、180〜320℃程度である。
[d)後工程]
基材フィルム付ハードコート層積層体を形成した後、基材フィルム付ハードコート層積層体を射出成形型51(固定型51A及び可動型52A)から取り出す(図3の(d))。その後、必要に応じて、基材フィルム11を転写層12から剥離し、ハードコート層積層体を得る。なお、基材フィルム11を転写層12から剥離するタイミングは、特に限定されず、基材フィルム付ハードコート層積層体を射出成形型51から取り出すと同時に、基材フィルム11を転写層12から剥離してもよい。
また、基材フィルム11を転写層12から剥離した後、ハードコート層121の表面に保護フィルム(図示せず)を積層してもよい。
また、基材フィルム付ハードコート層積層体を使用するまで、基材フィルム11の剥離を行わず、基材フィルム11を付した状態を維持してもよい。とはいうものの、基材フィルム付ハードコート層積層体を量産する際には、ハードコート層積層体を巻取体として得るため、基材フィルム11を転写層12から剥離し、その後、ハードコート層積層体を巻き取って巻取体にするのが一般的である。
<電磁波透過性加飾部材>
本実施形態の電磁波透過性加飾部材30は、裏面に凹凸を有する樹脂基体20の表面に、少なくとも、接着層123とプライマー層122とハードコート層121とがこの順に配置される。また、樹脂基体20の裏面に、着色層31及び他の樹脂基体33がこの順に配置される。着色層31の熱による腐食を防止するため、着色層31と他の樹脂基体33の間には、必要に応じて耐熱層32が形成される(図4参照)。
〔着色層〕
着色層(加飾層)31は、電磁波透過性加飾部材30の意匠性を向上させるために設けられる。着色層31は、樹脂基体20の凸部20Aに形成される色材層311と、少なくとも樹脂基体20の凹部20Bに形成される金属層312とを含む。
着色層31は、隠蔽性(光非透過性または光低透過性)の材料を所望のパターン状に配置して形成されたもの(文字、記号、図、模様等)である。樹脂基体20の凸部20Aに色材層311を形成し、樹脂基体20の凹部20Bに金属層を形成することで、電磁波透過性加飾部材30をハードコート層121側から視認する視認者に対し、金属層312が周囲の色材層311に対して立体的に浮き出ているように見せることができる。
[色材層]
色材層311を構成する色材は、特に限定されない。所望のパターンが単色である場合、色材層311として適宜選択した1色の層のみ形成してもよいし、所望のパターンが複数色である場合には、色材層311として、適宜選択した複数色の層で形成してもよい。
色材層31は、公知の印刷インキ、塗料を用いた印刷等によって形成できる。
色材層31の厚さは、色材層311がむらなく形成され、電磁波レーダが送受信する電磁波の減衰、回折、散乱及び周波数変動を抑えられる範囲であれば、特に限定されない。
[金属層]
金属層312は、電磁波透過性を有する金属からなる。電磁波透過性を有する金属として、インジウムが広く知られている。
ところで、インジウムは、レアメタルであり、高価であるため、近年、ニッケル、銅、銀、スズ、金及びこれらの合金等、インジウムに代わる代替材料の研究も進んでいる。本実施形態では、金属層32を構成する金属として、インジウムに代わる代替材料が用いられてもよい。
金属層312を形成する手法は、特に限定されないが、薄膜化に対応できることから、蒸着により金属層312を形成することが好ましい。蒸着は、物理的蒸着であってもよいし、化学的蒸着であってもよい。物理的蒸着として、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等が挙げられる。化学的蒸着として、プラズマを利用したプラズマCVD、加熱触媒体を用いて材料ガスを接触熱分解する触媒化学気相成長法(Cat−CVD)等が挙げられる。これら蒸着法の中でも、付着力、膜質の観点から、スパッタリングが好適である。
金属層312の厚さは、金属層312がむらなく形成され、電磁波レーダが送受信する電磁波の減衰、回折、散乱及び周波数変動を抑えられる範囲であれば、特に限定されない。金属層312の厚さは、10nm以上300nm以下であることが好ましく、20nm以上200nm以下であることがより好ましい。
〔耐熱層〕
着色層31の裏面には、必要に応じて耐熱層32が形成される。
耐熱層32は、熱によって金属層312が腐食するのを防止するために設けられる。耐熱層32は、アクリル系樹脂組成物又はウレタン系樹脂組成物の硬化物であることが好ましい。
耐熱層32の厚さは、耐熱層32がむらなく形成され、電磁波レーダが送受信する電磁波の減衰、回折、散乱及び周波数変動を抑えられる範囲であれば、特に限定されない。耐熱層32の厚さは、5μm以上50μm以下であることが好ましく、10μm以上30μm以下であることがより好ましい。
〔他の樹脂基体〕
耐熱層32の裏面には、他の樹脂基体33が形成される。
他の樹脂基体33を構成する樹脂は、特に限定されない。中でも、本実施形態の転写用ハードコートフィルムは、耐侯性に優れることから、樹脂基体20は、AES樹脂であることが好ましい。AES樹脂は、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合合成樹脂(ABS樹脂)のB(ブタジエン)の代わりにエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)を用いて耐候性を高めた合成樹脂である。
電磁波レーダが送受信する電磁波の減衰、回折、散乱及び周波数変動を抑えるため、他の樹脂基体33の厚さは、面剛性などの実用的な強度を損なわない範囲で薄いほど好ましい。本実施形態において、他の樹脂基体33の厚さは、通常1mm以上15mm以下であることが好ましく、2mm以上5mm以下であることがより好ましい。他の樹脂基体33が薄すぎると、面剛性などの実用的な強度が不十分となり、他の樹脂基体33が厚すぎると、電磁波レーダが送受信するミリ波や近赤外波の減衰、回折、散乱及び周波数変動に影響する。
他の樹脂基体33は、樹脂基体20の表面に、接着層123とプライマー層122とハードコート層121とがこの順に配置され、樹脂基体20の裏面に、着色層31等が配置された積層体に対し、他の樹脂基体の構成成分である樹脂組成物を射出し、インサート成形することによって積層される。
<電磁波透過性加飾部材の製造方法>
電磁波透過性加飾部材30の製造方法は、特に制限されるものではない。例えば、本実施形態のハードコート層積層体における樹脂基体20の裏面の凸部20Aに、色材層形成用組成物を用いてスクリーン印刷することで色材層311を形成し、樹脂基体20の裏面に、電磁波透過性を有する金属を蒸着することで金属層312を形成した後、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコートなどの塗布方式、或いは転写コーティング法により耐熱層32を形成し、耐熱層32の裏面に、他の樹脂基体33をインサート成形することによって電磁波透過性加飾部材30を得ることができる。
以下、実施例及び比較例を示して、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
〔転写用ハードコートフィルム、ハードコート層積層体の製造〕
基材フィルム(剥離フィルム)として、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)(製品名:E5101,東洋紡社製,塗布面側の表面粗さRa:23.9nm)からなるフィルムを用い、該基材フィルムの塗布面に、以下に示すハードコート層形成用の硬化性樹脂組成物(希釈後固形分30%、希釈溶剤:酢酸エチル)をグラビアコーティングにより塗布して未硬化樹脂層を形成し、90kV及び7Mrad(70kGy)の条件で電子線を照射して、該未硬化樹脂層を架橋硬化させることにより、ハードコート層(厚さ:3μm,屈折率1.50)を形成した。

(ハードコート層形成用樹脂組成物)
6官能の電離放射線硬化性樹脂(6官能のウレタンアクリレート,重量平均分子量Mw:約1,000)60質量部と、2官能のカプロラクトン変性ウレタンアクリレート(重量平均分子量:数千程度)40質量部との混合物:100質量部
ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤(製品名:Tinuvin479,BASFジャパン株式会社製):0.7質量部
反応性官能基を有する光安定剤(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニルメタクリレート,製品名:サノールLS−3410,日本乳化剤株式会社製):4.2質量部
非反応性シリコーン化合物(ポリエーテル変性シリコーンオイル):0.3質量部
耐傷フィラー(シリカ粒子、平均粒子径:2μm):2重量部
次いで、ハードコート層の面にコロナ放電処理をした上に、下記組成のプライマー層形成用樹脂組成物(希釈後固形分:13%、希釈溶剤:MEK)をグラビアコーティングにより塗布して、ブロッキングしない程度に表面を乾燥させてプライマー層(厚さ:3μm、屈折率1.49)を形成した。

(プライマー層形成用樹脂組成物)
ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体:100質量部
紫外線吸収剤A(Tinuvin400):13質量部、屈折率 1.56
紫外線吸収剤B(Tinuvin479):17質量部、屈折率 1.68
光安定剤(Tinuvin123):3質量部
粒子(平均粒径3μmのシリカ、屈折率 1.46):8質量部
ポリイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネート):25質量部
その後、プライマー層が完全に硬化する前に、プライマー層上にアクリル系樹脂(重量平均分子量(Mw):7.6×10,希釈後固形分:14%,希釈溶剤:メチルエチルケトン(MEK))をグラビアコーティングにより塗布することにより接着層(厚さ:4μm、屈性率1.49)を積層した。
さらに、上記の、基材フィルム/ハードコート層/プライマー層/接着層の積層体を、40℃温度下に72時間置くことにより、未硬化のプライマー層を硬化させることで、実施例の転写用ハードコートフィルムを得た。
続いて、転写用ハードコートフィルムの基材フィルム側を、射出成形の固定型に向けて、ヒーターによって接着層側(基材フィルムと反対側)から転写用ハードコートフィルムを100℃で加熱した。
そして、転写用ハードコートフィルムを固定型の形状に沿うように予備成形(真空成形)し、転写用ハードコートフィルムを固定型に密着させた。
次いで、転写用ハードコートフィルムの接着層側(基材フィルムと反対側)に射出成形の可動型をセットし、型締めした。
次いで、接着層の裏面に、流動状態のポリカーボネート樹脂(製品名:パンライトL−1250Z,メルトボリュームレート(MVR):8cm/10min,帝人社製、屈折率1.58)を成形温度315℃、圧力170MPaにて射出、充填して固化させることにより、転写用ハードコートフィルムと樹脂基体とを射出一体化した。
その後、可動金型を固定金型から離間させた後、離形用の基材フィルムを剥離することにより、ポリカーボネート、接着層、プライマー層、及びハードコート層がこの順で積層されている実施例1のハードコート層積層体を得た。
<実施例2>
基材フィルムとして、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)(製品名:U41,東レ社製,塗布面側の表面粗さRa:1.1nm)からなるフィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様の手法にて、実施例2のハードコート層積層体を得た。
<比較例1>
実施例1で用いた型と同じ型を用いて、転写用ハードコートフィルムをセットしない状態で、実施例1と同じ組成のポリカーボネート樹脂を用いて射出成形を実施し、ハードコート層の形成されていない樹脂基体を得た。
この樹脂基体上に、実施例1で用いたハードコート樹脂組成物の溶液(希釈溶剤:2−プロパノール)中にディップコートによりハードコート層を製膜した後、200kV及び7Mrad(70kGy)の条件で電子線を照射して、該未硬化樹脂層を架橋硬化させることにより、ハードコート層(厚さ:3μm)を形成した。そして、樹脂基体にハードコート層が積層された積層体を、比較例1のハードコート層積層体とした。
<評価>
実施例、比較例について、ハードコート層の表面の表面粗さRaを測定した。表面粗さの測定は、以下の手法によって行った。

(表面粗さの測定方法)
New View 5000(Zygo社製)を用いて、対物レンズ:10倍、ズームレンズ:1倍、Scan Length:15μmにて、1000μm×1000μmの範囲の表面形状を撮像し、得られた像から算出した粗さ曲線の中心線からの平均のずれを算出することより、Raを求めた。
表面粗さRaを求めた結果、実施例1の剥離フィルム付きハードコート層積層体におけるハードコート層の、基材フィルムが設けられている側の面の表面粗さRaは、23.4nmであり、実施例2の当該Raは、9.8nmであった。一方、比較例1のハードコート層積層体におけるハードコート層の、基材フィルムが設けられている側の面の表面粗さRaは、120nmであった。
実施例によると、基材フィルム上に、少なくとも、ハードコート層とプライマー層と接着層とがこの順に配置されている転写用ハードコートフィルムを、裏面に凹凸を有する樹脂基体の表面に射出成形同時転写することで、基材フィルム付ハードコート層積層体を得ることができる。そして、基材フィルム付ハードコート層積層体の裏面に、着色層、金属層及び他の樹脂基体を形成することで、電磁波透過性加飾部材を得ることができる。
電磁波透過性加飾部材を得るにあたり、樹脂基体の表面にハードコート層を形成する工程は、電磁波透過性加飾部材を製造する初期の段階であり、樹脂基体の裏面に金属層を形成するよりも前である。したがって、インジウムをはじめとした高価な金属のロスを最小限に抑えることができる。
また、樹脂基体とハードコート層との間には、接着層とプライマー層とが形成されている。これにより、樹脂基体とハードコート層との間の密着性を担保する層と、電磁波透過性加飾部材の耐候性を高める層とを分けることができ、密着性、耐候性がよりいっそう高まる。そして、一度の射出成形同時転写で、樹脂基体に、接着層とプライマー層とハードコート層とをまとめて形成できるため、ディップ法、スプレー法、スピンコート法、ロールコート法、カーテンコート法、フローコート法といった公知のハードコート剤塗布方法に比べ、作業負担を軽減できる。
また、実施例の転写用ハードコートフィルムを用いることで、電磁波透過性加飾部材を構成する接着層、プライマー層及びハードコート層の薄膜化かつ均一化を図ることができるため、電磁波レーダが送受信するミリ波や近赤外波の減衰、回折、散乱及び周波数変動を抑えることができ、電磁波レーダによる測定精度が高まる。
また、本実施例は、車両の電磁波透過性加飾部材に応用できるほか、電磁波透過性を有する電子機器の筐体への電磁波透過性加飾部材としても応用できる。
10 電磁波透過性加飾部材への転写用ハードコートフィルム
11 基材フィルム
12 ハードコート層
13 プライマー層
14 接着層
20 樹脂基体
30 電磁波透過性加飾部材

Claims (8)

  1. 基材フィルム上に、少なくとも、ハードコート層とプライマー層と接着層とがこの順に配置されていて、
    前記ハードコート層の、前記基材フィルムが設けられている側の面のJIS B 0601で規定された表面粗さRaが15nm以下である、
    電磁波透過性加飾部材への転写用ハードコートフィルム。
  2. 前記ハードコート層は、硬化性樹脂と、粒子とを含有するハードコート層形成用組成物の硬化物からなる層である、請求項1に記載の転写用ハードコートフィルム。
  3. 前記ハードコート層の厚さ、前記プライマー層の厚さ、及び前記接着層の厚さの合計が15μm以下である、請求項1又は請求項2に記載の転写用ハードコートフィルム。
  4. 前記ハードコート層の厚さは、1μm以上10μm以下であり、
    前記プライマー層の厚さは、0.1μm以上10μm以下であり、
    前記接着層の厚さは、1μm以上7μm以下である、請求項3に記載の転写用ハードコートフィルム。
  5. 裏面に凹凸を有する樹脂基体の表面に、少なくとも、接着層とプライマー層とハードコート層と基材フィルムとがこの順に配置され
    前記ハードコート層の、前記基材フィルムが設けられている側の面のJIS B 0601で規定された表面粗さRaが15nm以下である、
    電磁波透過性加飾部材への基材フィルム付ハードコート層積層体。
  6. 裏面に凹凸を有する樹脂基体の表面に、少なくとも、接着層とプライマー層とハードコート層とがこの順に配置され、
    前記樹脂基体の裏面に、着色層及び他の樹脂基体がこの順に配置され、
    前記着色層は、前記樹脂基体の凸部に形成される色材層と、少なくとも前記樹脂基体の凹部に形成される金属層とを含み、
    前記ハードコート層の表面のJIS B 0601で規定された表面粗さRaが15nm以下である、
    電磁波透過性加飾部材。
  7. 少なくとも以下の工程を順に有する、電磁波透過性加飾部材への転写用ハードコートフィルムの製造方法。
    a)基材フィルム上にハードコート層を形成する工程であって、前記基材フィルムの前記ハードコート層が形成される側の面のJIS B 0601で規定された表面粗さが15nm以下である工程
    b)前記ハードコート層上にプライマー層形成用組成物を用いてプライマー層を形成する工程
    c)前記プライマー層上に接着層形成用組成物を用いて接着層を形成する工程
  8. 少なくとも以下の工程を順に有する、基材フィルム付ハードコート層積層体の製造方法。
    a)請求項1から請求項のいずれかに記載の転写用ハードコートフィルムを射出成形の固定型にセットする工程であって、前記基材フィルムの表面が前記固定型の表面に接するように前記転写用ハードコートフィルムを前記固定型にセットする工程
    b)前記接着層の裏面に、凹凸形状を有する射出成形の可動型をセットする工程
    c)前記接着層の裏面に、樹脂基体形成用組成物を射出し、前記転写用ハードコートフィルムと、前記転写用ハードコートフィルムの裏面に形成され、裏面に凹凸を有する樹脂基体とを射出一体化する工程
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