JP2013208777A - 保護層転写シートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】転写性および表面強度に優れ、安価に、被転写体表面に保護層を形成することができる、保護層転写シートの製造方法を提供する。
【手段】支持体と、前記支持体上に離型層および/または剥離層を介して設けられた活性光線硬化樹脂層と、を少なくとも備えてなる保護層転写シートを製造する方法であって、支持体上に離型層および/または剥離層を形成し、前記離型層および/または剥離層上に、活性光線硬化性樹脂を含んでなる塗工液を塗布して、塗膜を形成し、前記塗膜に、少なくとも2回以上、活性光線を照射して、活性光線硬化樹脂層を形成する、ことを含んでなることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、保護層転写シートの製造方法に関し、より詳細には、転写性が良好であるとともに、表面強度に優れ、かつ安価に保護層転写シートを得ることができる製造方法に関する。
身分証明書等のIDカードや銀行等のキャッシュカード等のICカードは、表面に顔写真や住所、氏名等の個別情報が記録されており、その内容が偽造、変造されないようにセキュリティー処理が施されている。例えば、ICカード表面にホログラムを設けたものが広く流通している。このようなICカードの表面には、記録した情報やホログラムを保護するため、保護層転写シートを用いて保護層が設けられている。
保護層転写シートは、支持体上に転写可能なハードコート層を設けた構成を有するものであり、ICカード等の被転写体の表面に、保護層転写シートのハードコート層(保護層)を転写することにより、被転写体表面に、ハードコート性能を付与できるものである。このような保護層転写シートとしては、一般的に、PETフィルム等の支持体上に、離型層または剥離層を介して、紫外線硬化樹脂層、絵柄印刷等を施した中間層、及び接着層を順に積層した層構成を有するものが使用されている。
保護層転写シートを構成する紫外線硬化樹脂層は被転写体の表面の保護を担うものであるため、ハードコート性能、即ち、表面強度が高いことが求められる。例えば、特開2011−1673号公報(特許文献1)には、光硬化樹脂層の厚みを厚くすることにより、表面強度を向上させることが提案されている。しかしながら、光硬化樹脂層を厚くすると、転写時の箔切れが悪くなり、転写性が低下する。したがって、転写性を維持しながら光硬化樹脂層の表面強度を向上させるためには、転写性の良好な通常の厚みの保護層転写シートを用い、2回の転写を行うことにより、被転写体表面にある程度の厚みを有する保護膜を設けることが考えられる。例えば、特開2001−138674号公報(特許文献2)には、5〜25μm程度の厚みを有する硬化層(光硬化樹脂層)を備えた保護層転写シートを用いて、2回以上、被転写体に硬化層を転写することが提案されている。この方法は、2回の転写により、転写性を維持しながら、表面強度に優れる保護層を被転写体表面に形成できるものの、工程数が多くなるため、コスト的な問題があった。
特開2011−1673号公報 特開2001−138674号公報
上記のような保護層転写シートを製造する場合、支持体上に離型層または剥離層を形成し、その表面に紫外線等で硬化し得る樹脂を含有する塗工液を塗布し、紫外線を照射することにより樹脂を硬化させて、保護層を形成することが行われる。本発明者らは、保護層形成の際に、紫外線の照射エネルギーを高めると、樹脂の重合度および/または架橋度が高くなり硬化した樹脂の表面強度は向上するものの、転写時の箔切れが悪くなり転写性が低下してしまうこと、逆に、紫外線の照射エネルギーを低くすると、転写性のよい保護層転写シートが得られるものの、保護層となる樹脂の表面強度が低下してしまうことが分かった。さらに検討した結果、本発明者らは今般、保護層形成の際の樹脂硬化工程において、紫外線照射を照射して樹脂を半硬化させ、次いで2回目の紫外線照射を行うことにより、転写性が良好であるとともに、表面強度にも優れる保護層転写シートが得られる、との知見を得た。上記のような方法で得られた保護層転写シートの保護層は表面強度が優れており1回のみの転写によって被転写体表面に十分なハードコート性能を付与できるため、安価に保護層を備えた被転写体を製造できる。
したがって、本発明の目的は、転写性が良好であるとともに、表面強度に優れ、かつ安価に保護層転写シートが得られる保護層転写シートの製造方法を提供することである。
本発明による保護層転写シートの製造方法は、支持体と、前記支持体上に離型層および/または剥離層を介して設けられた活性光線硬化樹脂層と、を少なくとも備えてなる保護層転写シートを製造する方法であって、
支持体上に離型層および/または剥離層を積層し、
前記離型層および/または剥離層上に、活性光線硬化性樹脂を含んでなる塗工液を塗布して、塗膜を形成し、
前記塗膜に、少なくとも2回以上、活性光線を照射して、活性光線硬化樹脂層を形成する、ことを含んでなることを特徴とするものである。
また、本発明による保護層転写シートの製造方法においては、前記活性光線の照射が、別工程にて少なくとも2回以上行うことが好ましい。
また、本発明による保護層転写シートの製造方法においては、1回目の照射時の照射エネルギーよりも、2回目の照射時の照射エネルギーの方が高くなるように、前記活性光線の照射を行うことが好ましい。
また、本発明による保護層転写シートの製造方法においては、前記1回目の照射時の活性光線が紫外線であることが好ましい。
また、本発明による保護層転写シートの製造方法においては、ピーク照度35〜350mW/cm、かつ積算露光量20〜200mJ/cmの紫外線で第1回目の照射を行うことが好ましい。
また、本発明による保護層転写シートの製造方法においては、前記2回目の照射の活性光線が、紫外線または電子線であることが好ましい。
また、本発明による保護層転写シートの製造方法においては、積算露光量65〜500mJ/cmの紫外線で2回目の照射を行うことが好ましい。
また、本発明による保護層転写シートの製造方法においては、照射線量50〜300kGyの電子線で2回目の照射を行うことが好ましい。
また、本発明による保護層転写シートの製造方法においては、前記塗布膜に1回目の活性光線の照射を行った後、前記塗布膜上に中間層を積層し、前記中間層を介して、2回目の活性光線の照射を行うことが好ましい。
また、本発明による保護層転写シートの製造方法においては、前記塗布膜に1回目の活性光線の照射を行った後、前記塗布膜上に接着層を積層し、前記接着層を介して、2回目の活性光線の照射を行うことが好ましい。
また、本発明による保護層転写シートの製造方法においては、前記中間層を積層した後、さらに前記中間層上に接着層を積層し、前記中間層および接着層を介して、2回目の活性光線の照射を行うことが好ましい。
また、本発明による保護層転写シートの製造方法においては、前記第1回目の照射の後、少なくとも12時間以上経過後に2回目の照射を行うことが好ましい。
さらに、本発明による保護層転写シートの製造方法においては、前記活性光線硬化樹脂層の厚みが5μm〜20μmとなるように前記塗膜を形成することが好ましい。
本発明によれば、上記の製造方法により得られた保護層転写シートも提供される。
本発明によれば、活性光線硬化性樹脂を含んでなる塗工液を塗布して塗膜を形成した後、塗膜に少なくとも2回以上活性光線を照射して、活性光線硬化樹脂層を形成することにより、転写性が良好であるとともに、表面強度にも優れる保護層転写シートを得ることができる。また、得られた保護層転写シートは、表面強度が優れており1回のみの転写によって被転写体表面に十分なハードコート性能を付与できるため、安価に、被転写体表面に保護層を形成することができる。
本発明の保護層転写シートの製造方法の一実施形態による各工程を示した概略工程図である。 本発明の保護層転写シートの製造方法の他の実施形態による各工程を示した概略工程図である。 本発明の保護層転写シートの製造方法の他の実施形態による各工程を示した概略工程図である。 本発明の保護層転写シートの製造方法により得られた保護層転写シートの一実施形態である断面模式図。
<定義>
本明細書において、活性放射線硬化性樹脂とは活性放射線を照射する前の前駆体または組成物を意味し、活性放射線を照射して活性放射線硬化性樹脂を硬化させたものを活性放射線硬化樹脂というものとする。
また、本明細書において、活性放射線とは、活性光線硬化性樹脂に対して化学的に作用させて重合を促進せしめる放射線を意味し、具体的には、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等を意味する。
<保護層転写シートの製造方法>
本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明による保護層転写シートの製造方法の各工程を示した概略工程図である。本発明による保護層転写シートの方法は、支持体1上に離型層および/または剥離層2を積層し、前記離型層および/または剥離層2上に、活性光線硬化性樹脂を含んでなる塗工液を塗布して、塗膜3を形成し、前記塗膜に、少なくとも2回以上活性光線を照射して、活性光線硬化樹脂層4を形成することにより、支持体1と、前記支持体1上に離型層および/または剥離層2を介して設けられた活性光線硬化樹脂層4と、を少なくとも備えてなる保護層転写シートを製造するものである。以下、各工程について説明する。
<支持体準備工程>
本発明による保護層転写シートの製造方法においては、図1(a)に示されるように、先ず支持体1を準備する。支持体としては、保護層転写シートから保護層を被転写体へ転写する際の熱エネルギー(例えばサーマルヘッドの熱)に耐え得る耐熱性を有し、保護層を支持できる機械的強度や耐溶剤性を有しているものであれば、特に制限なく使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、テレフタル酸− シクロヘキサンジメタノール− エチレングリコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレートの共押し出しフィルムなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6 、ナイロン66などのポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリイミド、ポリエーテルイミドなどのイミド系樹脂、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアラミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルファイトなどのエンジニアリング樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂などのスチレン系樹脂、セロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロースなどのセルロース系フィルム、等が挙げられる。
支持体は、上記した樹脂を主成分とする共重合樹脂若しくは混合体(アロイを含む)、または複数層からなる積層体であっても良い。また、支持体は、延伸フィルムでも、未延伸フィルムであってもよいが、強度を向上させる目的で、一軸方向または二軸方向に延伸されたフィルムを使用することが好ましい。支持体は、これら樹脂の少なくとも1層からなるフィルム、シート、ボード状として使用する。上記した樹脂からなる支持体の中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系のフィルムは、耐熱性、機械的強度に優れるため好適に使用され、この中でもポリエチレンテレフタレートフィルムがより好ましい。
支持体は、通常、厚みが2.5〜50μm程度のものを使用するが、2.5〜25μmの厚みを有する支持体をより好適に使用することができる。支持体の厚みが厚すぎると、機械的強度は高いものの、保護層転写シートから保護層を転写する際の熱エネルギーの伝達が不十分となり転写性が低下する傾向にある。一方、支持体の厚みが薄すぎると、機械的強度不足し、保護層を支持できなくなる場合がある。
支持体には、後記するように、その表面に離型層および/または剥離層を設けるため、予め、離型層および/または剥離層を設ける面に、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー( アンカーコート、接着促進剤、易接着剤とも呼ばれる)塗布処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、アルカリ処理、等の易接着処理を行ってもよい。また、支持体には、必要に応じて、充填剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。
<離型層および/または剥離層形成工程>
次に、支持体1上に離型層および/または剥離層2を積層する(図1(b))。離型層および/または剥離層2は、これらの層上に設けられる保護層7を、保護層転写シートから剥離して被転写体(図示せず)へ転写させるための層である。なお、保護層を保護層転写シートから剥離する際に、保護層とともに剥離される場合の層が剥離層であり、保護層のみが剥離して、自身は支持体側に留まる層が離型層である。
離型層は、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン系樹脂等の離型剤を使用して形成することもできる。離型層は、上記した離型剤に添加剤等を加えたものを適当な溶剤に溶解または分散して調製した塗工液を、ロールコート法、スプレーコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等の公知の手段により、支持体上に塗布、乾燥することにより形成することができる。塗工液は、塗布膜の乾燥時の厚みが0.001〜5g/m程度となるように塗布される。
剥離層としては、離型性樹脂や離型剤を含んだ樹脂、活性放射線の照射により重合ないし架橋し得る硬化性樹脂を好適に使用することができ、例えば、フッ素系樹脂、シリコーン、メラミン系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、繊維素系樹脂、ワックス、メラミン系樹脂などが挙げられる。離型剤を含んだ樹脂は、例えば、弗素系樹脂、シリコーン、各種のワックスなどの離型剤を、添加または共重合させた樹脂などが挙げられる。また、活性放射線の照射により重合ないし架橋し得る硬化性樹脂としては、例えば、紫外線(UV)、電子線(EB)等の活性放射線の照射により重合ないし硬化する官能基を有するモノマー、オリゴマー等を含有させた硬化性樹脂が挙げられる。
離型剤を添加する樹脂としては、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、繊維素系樹脂を使用してもよいが、耐熱性の観点から、環状オレフィン系樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂等を好適に使用することができる。これらの中でも、環状オレフィン系樹脂およびノルボルネン系樹脂が好ましく、さらに好ましくはノルボルネン系樹脂である。また、剥離層は、上記した樹脂を主成分とする共重合樹脂や混合体(アロイを含む)であってもよい。上記した熱可塑性樹脂のなかでも、ガラス転移温度(Tg)が120〜200℃のものが好ましい。
環式構造を含有する環状オレフィン系樹脂としては、例えば、(a)ノルボルネン系重合体、(b)単環の環状オレフィン重合体、(c)環状共役ジエン系重合体、(d)ビニル脂環式炭化水素重合体、および(a)〜(d)の水素化物等が挙げられる。これらのなかでも、耐熱性や機械的強度に優れること等の観点から、ノルボルネン系重合体水素化物、ビニル脂環式炭化水素重合体、およびその水素化物が好ましく、ノルボルネン系重合体の水素化物がより好ましい。
剥離層の形成は、上記した樹脂を溶媒へ分散又は溶解させた塗工液を、ロールコート、リバースロールコート、グラビアコート、リバースグラビアコート、バーコート、ロッドコートなどの公知の手段により、支持体上に塗布、乾燥することにより形成してもよく、また、押出しコーティング法により、支持体上に剥離層を形成してもよい。さらに、30℃〜120℃の温度で塗布膜を加熱乾燥またはエージングして剥離層を形成してもよく、活性放射線を塗布膜に照射して重合ないし架橋させて剥離層を形成してもよい。
剥離層の厚さとしては、通常、0.001μm〜5.0μm程度、好ましくは0.5μm〜3.0μm程度である。剥離層の厚さは薄い程良いが、0.1μm以上であれば、より良好に製膜されるため、剥離力が安定する。
<活性光線硬化性樹脂塗布工程>
次いで、上記のようにして形成された離型層および/または剥離層2上に、活性光線硬化性樹脂を含んでなる塗工液を塗布して、塗膜3を形成する(図1(c))。この塗布膜3は、後記するように、活性放射線の照射により硬化させることにより、転写される保護層を構成する活性光線硬化樹脂層4が形成される。従って、被転写体に保護層を設けた場合に、ハードコート性能を付与できるような樹脂を使用することが求められる。このような樹脂として、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する樹脂組成物を好適に使用することができ、例えば、特開2001−329031号公報に開示されている光硬化性樹脂等を好適に使用することができる。具体的には、(1)分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート類、(2)分子中に水酸基を少なくとも1個と(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート類、または(3)分子中に水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール類の反応生成物であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する活性放射線硬化性樹脂である。また、分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート類は、イソホロンジイソシアネートの三量体およびイソホロンジイソシアネートと活性水素含有化合物との反応物から選ばれる少なくとも1種以上であることが好ましい。
また、イソシアネート類と、多官能(メタ)アクリレート類と、多価アルコ− ル類との反応については、(1)イソシアネート類と多価アルコール類とをまず反応させた後、水酸基含有多官能(メタ)アクリレート類を反応させる、(2)イソシアネート類と水酸基含有多官能(メタ)アクリレート類とをまず反応させた後、多価アルコール類を反応させる、または(3)多価アルコール類と水酸基含有多官能(メタ)アクリレート類との混合物をイソシアネート類と反応させる、のいずれの方法も用いることができる。イソシアネート類、水酸基含有多官能(メタ)アクリレート類および多価アルコ− ル類のうち、少なくともいずれか1つに、2種以上の化合物を用いて反応を行うと、反応生成物として2種以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの混合物が得られる。
イソシアネート類中のイソシアネート基1 当量に対する、多価アルコール類と水酸基含有多官能(メタ)アクリレート類の合計水酸基当量は、0.9〜1.8当量が好ましい。合計水酸基当量が0.9〜1.8の間にあることにより、反応後の樹脂組成物の安定性と硬化物性を両立できる
また、多官能(メタ)アクリレート類の使用モル比は、多価アルコール類1モルに対して5〜15モルが好ましい。多官能(メタ)アクリレート類がこの範囲よりも少ないと、ゲル化により充分な硬化適性が得られない場合がある。また、この範囲を超えると、充分な硬化物性が得られない場合がある。
また、活性放射線硬化性樹脂として、上記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと他の樹脂との混合物を用いることができ、メタクリル樹脂との混合物が最適である。ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとメタクリル樹脂との混合物としては、その割合が質量基準において、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー:メタクリル樹脂=1:2〜3:1であることが好ましい。ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの配合割合が上記範囲を超えると充分な賦型性が得られない場合があり、一方、上記範囲よりも少ないと充分な耐熱性が得られない場合がある。
上記した活性光線硬化性樹脂を含む組成物からなる塗工液を、ロールコート、リバースロールコート、グラビアコート、リバースグラビアコート、バーコート、ロッドコートなどの公知の手段により、離型層または剥離層上に塗布して塗膜を形成する。塗膜は、後記する活性光線照射する前に、30℃〜120℃の温度で塗膜を乾燥またはエージングしてもよい。
塗工液は、活性光線照射による硬化後の膜厚(即ち、活性光線硬化樹脂層4の厚み)が5μm〜20μmとなるような量で塗布されるのが好ましく、より好ましくは5μm〜10μmである。活性光線硬化樹脂層4の厚みが5μmよりも薄いと、被転写体へ保護層を転写しても充分なハードコート性能を付与することができない場合があり、また、20μmよりも厚くすると、上記したように、保護層の転写時に箔切れが悪くなり、転写性が低下する場合がある。
<活性光線照射工程>
本発明による保護層転写シートの製造方法においては、上記のようにして得られた活性放射線硬化性樹脂組成物からなる塗膜3に活性光線を照射して樹脂組成物を重合させて硬化させる際に、少なくとも2回以上、活性光線を照射して活性光線硬化樹脂層4を形成する。即ち、1回目の活性光線照射により樹脂を半硬化させ(図1(d))、次いで、半硬化した樹脂3’に2回目の活性光線の照射を行うことにより活性光線硬化樹脂層4を形成する(図1(e))。
本発明者らは、従来、1回の活性光線の照射により活性光線硬化樹脂層を形成していたものを、上記のように少なくとも2回の活性光線照射により活性光線硬化樹脂層を形成することにより、得られた保護層転写シートの転写性と表面強度の両方が改善できることがわかった。この理由は定かではないが以下のように考えられる。即ち、1回目の活性光線の照射によって樹脂を完全に硬化させずに半硬化の状態にとどめておくことにより、離型層および/または剥離層と塗膜(活性光線硬化性樹脂組成物からなる膜)との界面において、半硬化にある樹脂(例えば、オリゴマー等)が離型層および/または剥離層中に侵入する。その状態で、2回目の活性光線を照射して樹脂を完全に硬化させることにより、離型層および/または剥離層と、形成された活性光線硬化樹脂層との密着性が向上する。2回目の活性光線照射により活性光線硬化性樹脂を完全に硬化させることができるため、所望の表面強度を得ることができる。これに対して、活性光線硬化性樹脂を1回の活性光線照射により、所望の表面強度に到達するまで硬化させた場合、離型層および/または剥離層に、活性光線硬化性樹脂のオリゴマー等が侵入する時間がないため密着性が向上せず、その結果、転写性が不十分になるものと考えられる。上記はあくまでも仮定であって、本発明が上記理論に拘束されるものではない。
活性光線の照射は、連続的に2回以上行うよりも、断続的に2回以上行うことが好ましく、1回目の活性光線照射を行った後、別工程にて2回目の活性光線照射を行うことがより好ましい。1回目および2回目の活性光線照射を断続的に行う場合は、例えば、製造ライン上で塗膜3を形成した後(図1(c))、続いて1回目の活性光線照射を行い(図1(d))、同じ製造ライン上で、2回目の活性光線の照射(図1(e))を行うことができる。また、別工程にて2回目の活性光線照射を行う場合は、1回目の活性光線照射により樹脂を半硬化させた状態(図1(d)の状態)で、一旦、ロール状に巻取り、ロール状の形態で2回目の活性光線照射工程に供給して、半硬化した樹脂(塗膜)に2回目の活性光線の照射を行ってもよい(図1(e))。
上記のように、別工程にて2回以上の活性光線照射を行う場合、1回目の照射時の照射エネルギーよりも、2回目の照射時の照射エネルギーの方が高くなるように、活性光線を照射して活性光線硬化樹脂層を形成することが好ましい。例えば、1回目の活性光線照射として紫外線照射を行い、2回目以降の活性光線照射として、紫外線または電子線によって照射を行うことができる。この場合、1回目の紫外線照射する際の、紫外線のピーク照度は35〜350mW/cmが好ましく、より好ましくは、65〜240mW/cmである。また、1回目の紫外線照射の際の積算露光量は20〜200mJ/cmが好ましく、より好ましくは、30〜130mJ/cmである。上記のような照射条件により紫外線を照射することにより、活性光線硬化性樹脂を完全硬化させずに半硬化の状態としておくことができる。
2回目以降の活性光線照射として紫外線を用いる場合には、積算露光量65〜500mJ/cm、好ましくは125〜375mJ/cmで紫外線を照射して、活性光線硬化性樹脂を完全硬化させることができる。また、2回目以降の活性光線照射として電子線を用いる場合には、照射線量50〜300kGy、好ましくは100〜200kGyの照射エネルギーで電子線を照射して、活性光線硬化性樹脂を完全硬化させることができる。このように、1回目の紫外線照射よりも2回目以降の紫外線照射の照射エネルギーを高くすることにより、より一層優れた転写性と表面強度とを有する保護層転写シートを得ることができる。
紫外線の照射は、従来公知の紫外線照射装置を用いることができ、例えば、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ、無電極紫外線ランプ、LED等、種々のものを制限なく使用することができる。また、電子線の照射は、100keV〜300keVのエネルギーで電子線を照射する高エネルギー型電子線照射装置や100keV以下のエネルギーで電子線を照射する低エネルギー型電子線照射装置のいずれを用いてもよく、また、照射方式も、走査型やカーテン型いずれの方式の照射装置であってもよい。
2回目以降の活性光線の照射は、図1(f)に示すように、後記する接着層6を積層する(図1(f))前に行ってもよいが、図2に示すように、1回目の活性放射線照射により、塗膜3(活性光線硬化性樹脂)を半硬化の状態3’にしておき(図2(d))、その塗膜3’上に、後記のようにして接着層6を積層した後(図2(e))、2回目以降の活性放射線照射を行ってもよく(図2(f))、また、図3に示すように、1回目の活性放射線照射により、塗膜(活性光線硬化性樹脂)を半硬化の状態3’にしておき(図3(d))、その塗膜3’上に、中間層5と接着層6とを積層した後(図3(e))、2回目以降の活性放射線照射を行ってもよい(図3(f))。
また、2回目以降の活性光線照射は、1回目の活性光線照射から2時間以上経過した後に行うのが好ましく、より好ましくは12時間経過後である。1回目の活性光線照射から12時間以上経過した後に2回目以降の活性光線照射を行うことにより、より一層優れた転写性と表面強度とを有する保護層転写シートを得ることができる。
<接着層形成工程>
本発明においては、上記のようにして活性光線硬化樹脂層4を形成した後、活性光線硬化樹脂層4上に接着層6を積層する(図1(f))。保護層転写シート10の活性光線硬化樹脂層4および接着層6が離型層2から剥離して、保護層7として被転写体(図示せず)に転写されるものであり、接着層6は、被転写体と保護層7との接着性を高めるために設けられるものである。
接着層は、熱で溶融または軟化して接着する熱接着型接着剤が適用でき、例えば、アイオノマー樹脂、酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系・メタクリル系などの(メタ)アクリル系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、マレイン酸樹脂、ブチラール系樹脂、アルキッド樹脂、ポリエチレンオキサイド樹脂、フェノール系樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、メラミン−アルキッド樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニールエーテル樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系樹脂などが適用でき、これらの樹脂を単独または複数を組み合せて使用する。これらの接着層の樹脂は、接着力などの点で、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリエステル系樹脂が好ましい。さらに好ましくは、接着性の点で、マレイン酸−塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体である。
形成する接着層の厚さは、通常は0.05〜10μm程度、好ましくは0.1〜5μmである。接着層の厚さが0.05μm未満であると、被転写体との接着力が不足して脱落が生じる場合があり、一方、10μmを超えても接着効果は変わらないのでコストの上昇を招くとともに、さらには、保護層転写シートを転写する際のサーマルヘッドの熱を無駄に消費させることになる。接着層には、必要に応じて、充填剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤などの添加剤を含有していてもよい。
<中間層形成工程>
本発明の保護層転写シート10は、上記のようにして製造することができるが、活性光線硬化樹脂層4と接着層6との間に中間層5を設けてもよい。中間層5を設けることにより、活性光線硬化樹脂層4と接着層6との層間の密着性を高めることができる。中間層を構成する材料としては、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、SEBS樹脂、SEPS樹脂等の樹脂を適宜選択して使用することができるが、これらの中でもアクリル系樹脂を好適に使用することができる。特に、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとメタクリル樹脂との混合物を好適に使用することができる。この場合、活性光線硬化樹脂層上に、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとメタクリル樹脂との混合物かなる塗工液を塗布し活性光線照射により樹脂を硬化させることにより中間層を形成することができる。
活性光線照射により中間層5を形成する場合、図2および図3に示したように、半硬化の状態にある塗膜(活性光線硬化性樹脂)3’上に中間層形成塗工液を塗布し、2回目の活性放射線を照射して、活性光線硬化樹脂層4の形成と中間層5の形成とを同時に行ってもよく、これにより、工程数が減少するため、保護層転写シートの製造コストを低減することができる。
<保護層転写シート>
上記のようにして得られた保護層転写シートは、図4に示すように、支持体1と、支持体1上に離型層および/または剥離層2を介して設けられた活性光線硬化樹脂層4と、を少なくとも備えている。また、活性光線硬化樹脂層4上には、中間層5および接着層6が設けられていてもよい。このような保護層転写シート10を用いて被転写体(図示せず)へ保護層7を転写すると、活性光線硬化樹脂層4(中間層5および接着層6が設けられている場合には、活性光線硬化樹脂層4、中間層5および接着層6)が保護層7として、被転写体へ転写される。
被転写体としては、耐磨耗性や耐可塑剤性などの耐久性を必要とする用途であれば特に限定されず、例えば、天燃繊維紙、コート紙、トレーシングペーパー、転写時の熱で変形しないプラスチックフイルム、ガラス、金属、セラミックス、木材、布あるいは染料受容性のある媒体等いずれのものでもよい。また、ICカード等は、通常意匠性やセキュリティー性が要求されるため、被転写体の保護層が転写される面には、印刷層やホログラム層等が設けられるのが一般的である。
本発明による保護層転写シートを用いて、被転写体上に保護層を転写する方法としては、公知の転写法でよく、例えば、熱刻印によるホットスタンプ(箔押)、熱ロールによる全面又はストライプ転写、サーマルヘッド(感熱印画ヘッド)によるサーマルプリンタ(熱転写プリンタともいう)などの公知の方法が適用できる。好ましくは、サーマルプリンタである。
以下、実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ(株)製、ルミラー)を支持体として用い、その一方の面に、下記の組成からなる剥離層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥後の厚みが1.5μmになるように塗布し乾燥して剥離層を形成した。
<剥離層塗工液組成>
ノルボルネン系樹脂(日本合成ゴム(株)製、アートンG) 40部
アクリルポリオール樹脂 10部
(商品名サーモラックSU−100A、綜研化学(株)製)
溶媒(メチルエチルケトン:トルエン=2:8) 50部
次に、形成した離型層上に、下記の組成からなる活性光線硬化性樹脂塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥後の厚みが6μmになるように塗布し、乾燥させて塗膜を形成した。
<活性光線硬化性樹脂塗工液組成>
ウレタンオリゴマー 50部
(商品名NKオリゴU−6HA、新中村化学工業株式会社製)
多官能オリゴマー 25部
(商品名NKエステル U−A−9550、新中村化学工業株式会社製)
メタクリル樹脂 30部
(商品名パラペットGF、クラレ(株)製)
光重合開始剤 5部
(商品名イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
メチルエチルケトン 200部
上記のように形成した塗膜に、UV露光器(Fusion UV、F600V、LH10ランプ、Hバルブ、反射鏡はコールドタイプ)を用いて紫外線を照射した。照射条件(ピーク照度および積算露光量)は、下記の表1に示される通りとした。なお、ピーク照度および積算露光量の測定は、フュージョン UVシステムズ・ジャパン株式会社製のUV照度測定器マイクロキュアデーターリーダーにより、マイクロキュア モデルMC−2を用いて行った。紫外線照射時のピーク照度、積算露光量は、光源と基材との間の距離(mm)を変更することにより、また、ランプ光源出力(%)や搬送速度(m/min)を変化させることにより調整した。
上記のようにして1回目の紫外線照射を行った後、室温で5日間保存した。その後、紫外線を照射した塗膜に、2回目の活性光線照射として、可変成形型電子ビーム描画装置を用いて電子線を照射し、樹脂を硬化させて活性光線硬化樹脂層を形成した。なお、電子線の照射条件は、表1に示す線量とした。なお、電子線線量は、加速電圧(kV)、ビーム電流(A/cm)、搬送速度(m/min)を変化させることにより調整した。
次に、上記のようにして形成した活性光線硬化樹脂層上に、下記組成からなる中間層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥後の厚みが2.0μmになるように塗布した後、50℃で24時間エージングを行うことにより中間層を形成した。
<中間層塗工液組成>
メタクリル樹脂 100部
(商品名パラペットGF、クラレ(株)製)
メチルエチルケトン 100部
続いて、上記のようにして形成した中間層上に、下記組成からなる接着層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥後の厚みが1.0μmになるように塗布、乾燥して、接着層を形成し、支持体/活性光線硬化樹脂層/中間層/接着層の層構成を有する保護層転写シートを得た。
<接着層塗工液組成>
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20部
アクリル樹脂 10部
溶媒(酢酸エチル:トルエン=2:5) 70部
実施例2〜3
実施例1において、活性光線硬化性樹脂塗工液を塗布した塗膜への電子線の照射条件を、表1に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様にして保護層転写シートを作製した。
実施例4〜5
実施例1において、2回目の活性光線照射である電子線照射に代えて、高圧水銀灯による紫外線照射を表1に示す条件にて行い、また、2回目の活性光線照射までの放置時間を表1に示す時間に変えた以外は、実施例1と同様にして保護層転写シートを作製した。
実施例6
実施例5において、活性光線硬化性樹脂塗工液からなる塗膜の膜厚を、6μmから4μmに変更した以外は、実施例5と同様にして保護層転写シートを作製した。
実施例7
実施例5において、活性光線硬化性樹脂塗工液からなる塗膜の膜厚を、6μmから12μmに変えた以外は実施例5と同様にして保護層転写シートを作製した。
実施例8
実施例2において、活性光線硬化性樹脂塗工液からなる塗膜の膜厚を、6μmから12μmに変えた以外は実施例2と同様にして保護層転写シートを作製した。
実施例9
実施例1において、塗膜へ紫外線照射を行った直後に中間層塗工液を塗膜へ塗布し、50℃で24時間エージングを行うことにより中間層を形成した後に、中間層を介して電子線を照射し、その後、中間層上に接着層を積層した以外は実施例1と同様にして保護層転写シートを作製した。
実施例10
実施例2において、塗膜へ紫外線照射を行った直後に中間層塗工液を塗膜へ塗布し、50℃で24時間エージングを行うことにより中間層を形成した後に、中間層を介して電子線を照射し、その後、中間層上に接着層を積層した以外は、実施例2と同様にして保護層転写シートを作製した。
実施例11
実施例3において、塗膜へ紫外線照射を行った直後に中間層塗工液を塗膜へ塗布し、50℃で24時間エージングを行うことにより中間層を形成した後に、中間層を介して電子線を照射し、その後、中間層上に接着層を積層した以外は、実施例3と同様にして保護層転写シートを作製した。
実施例12
実施例4において、塗膜へ紫外線照射を行った直後に中間層塗工液を塗膜へ塗布し、50℃で24時間エージングを行うことにより中間層を形成した後に、中間層を介して2回目の紫外線を照射し、その後、中間層上に接着層を積層した以外は、実施例4と同様にして保護層転写シートを作製した。
実施例13
実施例5において、塗膜へ紫外線照射を行った直後に中間層塗工液を塗膜へ塗布し、50℃で24時間エージングを行うことにより中間層を形成した後に、中間層を介して2回目の紫外線し、その後、中間層上に接着層を積層した以外は、実施例5と同様にして保護層転写シートを作製した。
実施例14
実施例4において、塗膜へ紫外線照射を行ってから室温で1日間保存した後、中間層塗工液を塗膜へ塗布し、続いて、中間層塗工液の塗膜を介して2回目の紫外線照射を行い、50℃で24時間エージングを行った後、中間層上に接着層を積層した以外は、実施例4と同様にして保護層転写シートを作製した。
実施例15
実施例5において、塗膜へ紫外線照射を行ってから室温で1日間保存した後、中間層塗工液を塗膜へ塗布し、続いて、中間層塗工液の塗膜を介して2回目の紫外線照射を行い、50℃で24時間エージングを行った後、中間層上に接着層を積層した以外は、実施例5と同様にして保護層転写シートを作製した。
実施例16
実施例9において、塗膜へ紫外線照射を行った直後に中間層塗工液を塗膜へ塗布し、50℃で24時間エージングを行った後、中間層上に接着層を積層し、その後、中間層および接着層を介して電子線を照射した以外は、実施例9と同様にして保護層転写シートを作製した。
実施例17
実施例10において、塗膜へ紫外線照射を行った直後に中間層塗工液を塗膜へ塗布し、50℃で24時間エージングを行った後、中間層上に接着層を積層し、その後、中間層および接着層を介して電子線を照射した以外は、実施例10と同様にして保護層転写シートを作製した。
実施例18
実施例11において、塗膜へ紫外線照射を行った直後に中間層塗工液を塗膜へ塗布し、50℃で24時間エージングを行った後、中間層上に接着層を積層し、その後、中間層および接着層を介して電子線を照射した以外は、実施例11と同様にして保護層転写シートを作製した。
実施例19
実施例12において、塗膜へ紫外線照射を行った直後に中間層塗工液を塗膜へ塗布し、50℃で24時間エージングを行った後、中間層上に接着層を積層し、その後、中間層および接着層を介して2回目の紫外線照射を行った以外は、実施例12と同様にして保護層転写シートを作製した。
実施例20
実施例13において、塗膜へ紫外線照射を行った直後に中間層塗工液を塗膜へ塗布し、50℃で24時間エージングを行った後、中間層上に接着層を積層し、その後、中間層および接着層を介して2回目の紫外線照射を行った以外は、実施例13と同様にして保護層転写シートを作製した。
比較例1
実施例1において、2回目の活性光線(電子線)照射までの放置時間を表1に示す時間に変更し、2回目の活性光線照射を行わなかった以外は実施例1と同様にして保護層転写シートを作製した。
比較例2
比較例1において、紫外線のピーク照度を150mW/cmから350mW/cmへ変更し、積算露光量を70mJ/cmから250mJ/cmへ変更した以外は、比較例1と同様にして保護層転写シートを作製した。
比較例3
比較例2において、紫外線の積算露光量を250mW/cmから500mW/cmへ変更した以外は、比較例2と同様にして保護層転写シートを作製した。
Figure 2013208777
<保護層転写シートの評価>
下記材料組成のカード基材の受像層表面に、VDS製カードプリンターCP510用スタンダードの染料層を備えた熱転写シートを用いて、イエロー、マゼンタ、シアンの順で画像を形成したものを被転写体とした。
次に、上記の被転写体の受像層(画像形成した側)と保護層転写シートの接着層とが対向するように重ね合わせ、下記の転写条件にて、被転写体の前面に保護層を形成した。
・サーマルヘッド: KGT−217−12MPL20(京セラ株式会社製)
・発熱体平均抵抗値:3195(Ω)
・主走査方向印字密度:300dpi
・副走査方向印字密度:300dpi
・印加電力:0.12(w/dot)
・1ライン周期:5(ミリ秒)
・印字開始温度:40(℃)
・印加パルス:1ライン周期中に、1ライン周期を256に等分割したパルス長を持つ分割パルスの数を0〜255個まで可変できるマルチパルス方式のテストプリンターを用い、分割パルスのDuty比を60%固定とし、ライン周期あたりのパルス数を210個固定とし、ベタ印画を行い、印画面全面に保護層を転写してカードを作製した。
上記の転写条件にて、連続100枚の転写を行った後のカードの外観特性を目視にて評価し、カード端面のバリの有無、後端のバリの有無、未転写カードの数を調べ、問題のあるカードの数によって転写性の評価を行った。評価基準は以下の通りとした。
○:問題のあるカードの枚数が0〜19枚
△:問題のあるカードの枚数が20〜39枚
×:問題のあるカードの枚数が40枚以上
評価結果は、下記の表2に示される通りであった。
また、カード表面の保護層の耐摩耗性試験(Taber試験)を、ANSI−INCITS322−2002、5.9 Surface Abrasionに準拠して、所定サイクル回数ごとに摩耗度合いを目視にて観察し、カード表面の画像を視認できるものを良好とし、表面が摩耗し画像が視認しにくい又は視認できないものを不良とした。1500サイクル実施後でも良好であったものを◎、1000サイクル実施後に良好であったもの○、500サイクル実施後に良好であったもの△、500サイクル実施後に不良であったものを×とした。評価結果は表2に示される通りであった。
さらに、上記保護層転写シートの活性光線照射工程において、支持体やその他の層の変形(活性光線照射による変形や熱変形等)が生じたものを×とし、それを基準として、わずかに変形したものを△、変形しなかったものを○として、加工適性の評価を行った。評価結果は、下記の表2に示される通りであった。
Figure 2013208777
1 支持体
2 離型層および/または剥離層
3、3’ 活性光線硬化性樹脂からなる塗膜
4 活性光線硬化樹脂層
5 中間層
6 接着層
10 保護層転写シート

Claims (14)

  1. 支持体と、前記支持体上に離型層および/または剥離層を介して設けられた活性光線硬化樹脂層と、を少なくとも備えてなる保護層転写シートを製造する方法であって、
    支持体上に離型層および/または剥離層を形成し、
    前記離型層および/または剥離層上に、活性光線硬化性樹脂を含んでなる塗工液を塗布して、塗膜を形成し、
    前記塗膜に、少なくとも2回以上、活性光線を照射して、活性光線硬化樹脂層を形成する、ことを含んでなることを特徴とする、方法。
  2. 前記活性光線の照射が、別工程にて少なくとも2回以上行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 1回目の照射時の照射エネルギーよりも、2回目の照射時の照射エネルギーの方が高くなるように、前記活性光線の照射を行う、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記1回目の照射時の活性光線が紫外線である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. ピーク照度35〜350mW/cm、かつ積算露光量20〜200mJ/cmの紫外線で第1回目の照射を行う、請求項4に記載の方法。
  6. 前記2回目の照射の活性光線が、紫外線または電子線である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 積算露光量65〜500mJ/cmの紫外線で2回目の照射を行う、請求項6に記載の方法。
  8. 照射線量50〜300kGyの電子線で2回目の照射を行う、請求項6に記載の方法。
  9. 前記塗布膜に1回目の活性光線の照射を行った後、前記塗布膜上に中間層を積層し、前記中間層を介して、2回目の活性光線の照射を行う、請求項2〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記塗布膜に1回目の活性光線の照射を行った後、前記塗布膜上に接着層を積層し、前記接着層を介して、2回目の活性光線の照射を行う、請求項2〜8のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記中間層の形成した後、さらに前記中間層上に接着層を積層し、前記中間層および接着層を介して、2回目の活性光線の照射を行う、請求項9に記載の方法。
  12. 前記第1回目の照射の後、少なくとも2時間以上経過後に2回目の照射を行う、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記活性光線硬化樹脂層の厚みが5μm〜20μmとなるように前記塗膜を形成する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法によって得られた保護層転写シート。
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