JP2017176132A - 魚釣用スピニングリール - Google Patents

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Abstract

【課題】同芯度の精度を高め、それにより、磁気シールの耐圧性能及び防水性能を向上させることができる魚釣用スピニングリールを提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る魚釣用スピニングリールは、リール本体1に回転可能に設けられるピニオン8と、ピニオン8の先端側と基端側とをリール本体1に対して回転可能に支持する先端側軸受9A及び基端側軸受9Bと、先端側軸受9Aの先端側に近接して配設される磁気シール機構50とを備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、魚釣用スピニングリールに関し、特に、シール機構を備えた魚釣用スピニングリールに関する。
スピニングリールの駆動軸としてのロータ軸(ピニオン)は、構造的に2つの軸受の外側に、荷重部材であるロータが配置される、いわゆる片持ち支持構造となっている。一般に、片持ち支持構造は、2つの軸受の間に荷重部材が配置される両持ち構造よりも、ガタや耐荷重の上で不利となってしまうが、特に荷重部材から軸受までの距離が離れれば離れるほど、より不利になる。このため、特許文献1に開示される魚釣用リールでは、前側軸受とロータの距離が近づくように、前側軸受をリールの最前方に配置することで、よりガタの少なく、耐荷重が有利な構造を実現していた。
一方、このような配置では、前側軸受が海水の飛沫や砂塵等に晒されることで軸受が劣化し、当初の性能を維持できないという課題がある。これを防止するために、特許文献2には、リール本体の支持部(軸受等)と前記駆動軸との間の空隙の防水対策として、この空隙に形成した磁気回路に磁性流体を保持して磁気シールすることが開示されており、この磁気シールは、従来のゴムシールに比べて摩擦抵抗がなく摩耗しない確実な防水・防塵を図ることができるシール機構として注目されている。
具体的に、この特許文献2では、ピニオン(駆動軸)の歯部の前後部を軸受により支持し、前側軸受の前方に一方向クラッチを設けて逆転防止機構を構成するとともに、その前部のピニオン(磁性カラー)とリール本体の開口部との間の空隙に形成した磁気回路に磁性流体を保持して磁気シールを構成することにより、楔作用利用の逆転遊度の生じない一方向クラッチの防水・防塵を図っている。
特開2003−278803号 特許第5249076号
しかしながら、特許文献2の魚釣用リールでは、前側軸受とロータの間に一方向クラッチが配置される構成となっており、ロータ部分と前側軸受の間の距離が離れてしまうため、ロータのガタを抑え、耐荷重を向上させるのが難しかった。
また、前述した特許文献2の磁気シールの防水性能を更に高めるためには、ピニオンと一体的に回転する筒状磁性体と磁石(極板)との間の空隙を狭くして磁場を強くし、この空隙内に保持される磁性流体の油膜の耐圧能力(磁性流体の保持圧)を高くする必要があるが、ピニオンの磁気シールの位置決めには多くの部品が介在するため、空隙を狭くするのにも限界がある。
また、前述した特許文献2では、磁気シールされるピニオンの前記空隙位置(一方向クラッチの前部)がピニオンの前記前側軸受よりも前方に遠く離間位置されており、また、前側軸受と後側軸受との間の距離が短くなっている(前側軸受と後側軸受とが近い)。そのため、磁気シール機構を構成する磁石(極板)の内周と駆動軸である筒状磁性体の外周との間の同芯度を高精度に維持することが難しく(偏心し易い)、磁気シールの耐圧性能の向上、維持の面において課題が残されている。
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、同芯度の精度を高め、それにより、ロータのガタを抑えること、耐荷重を向上させることができる魚釣用スピニングリールを提供することを目的とする。また、磁気シールの耐圧性能及び防水性能を向上させることができる魚釣用スピニングリールを提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明の魚釣用スピニングリールは、リール本体に回転可能に設けられる駆動軸と、前記駆動軸の先端側と基端側とを前記リール本体に対して回転可能に支持する先端側軸受及び基端側軸受と、前記先端側軸受の先端側に近接して配設されるシール機構とを備えることを特徴とする。
上記構成によれば、軸受間を過度に近づけることなく先端側軸受と基端側軸受とにより駆動軸を先端側と基端側とで回転可能に支持するため、駆動軸の回転挙動が安定し、先端側軸受よりも基端側に位置される機能部材(駆動軸の回転状態を制御する部材、例えば一方向クラッチ)を含めた駆動軸周辺の配設部材の同芯度を高精度に確保できる(したがって、駆動軸の回転状態を制御する機能部材そのものの機能を高精度に維持できる)とともに、先端側軸受の先端側に近接してシール機構が配設されるため(シール機構が磁気シール機構である場合には該磁気シール機構の磁性流体を保持する空隙位置が先端側軸受に近接するため)、シール機構の同芯度が高精度に維持される(シール機構が磁気シール機構である場合には、該磁気シールの耐圧性能及び防水性能も高めることができる)。
本発明によれば、同芯度の精度を高め、それにより、ロータのガタを抑えること、耐荷重を向上させることができる魚釣用スピニングリールが得られる。また、磁気シールの耐圧性能及び防水性能を向上させることができる魚釣用スピニングリールが得られる。
本発明の第1の実施形態に係る魚釣用スピニングリールの一部に断面を有する側面図である。 図1の魚釣用スピニングリールの要部の拡大断面図である。 第1の実施形態の変形例に係る魚釣用スピニングリールの要部の拡大断面図である。 本発明の効果を説明するための模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る魚釣用スピニングリールの一部に断面を有する側面図である。 図3の魚釣用スピニングリールの要部の拡大断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る魚釣用スピニングリールの一実施形態について詳しく説明する。なお、本明細書中では、後述するスプール4側(図1の左側)を先端側(前側)とし、また、後述する駆動ギア7側(図1の右側)を基端側(後側)として、方向を規定する。
図1及び図2には、本発明の第1の実施形態に係る魚釣用スピニングリールが示される。図1に示されるように、本実施形態に係る魚釣用スピニングリールのリール本体1には、釣竿に装着されるリール脚2が一体形成されており、その前方には、回転可能に支持されたロータ3と、ロータ3の回転運動と同期して前後動可能に支持されたスプール4とが配設されている。
ロータ3は、スプール4の周囲を回転する一対の腕部3aを備えており、各腕部3aのそれぞれの前端部には、ベール3bの基端部を取り付けたベール支持部材3cが釣糸巻き取り位置と釣糸放出位置との間で回転自在に支持されている。なお、ベール3bの一方の基端部は、ベール支持部材3cに一体的に設けられた釣糸案内部3d(図1には図示せず;後述する第2の実施形態に係る図3参照)に取り付けられている。
リール本体1内には、ハンドル軸5が回転可能に支持されており、その突出端部には、ハンドル6が取り付けられている。また、ハンドル軸5には、巻き取り駆動機構が係合しており、この巻き取り駆動機構は、ハンドル軸5に一体回転可能に装着された駆動ギア7と、この駆動ギア7に噛合部19で噛合する筒状の駆動軸としてのピニオン8とを備えている。リール本体1内に回転可能に設けられるこのピニオン8は、ハンドル軸5と直交する方向に延在しており、軸方向に延在する空洞部が内部に形成されて成る。
ピニオン8は、その先端側と基端側とが先端側軸受9Aと基端側軸受9Bとによりリール本体1に対して回転可能に支持されるとともに、スプール4側に向けて延在しており、その先端部にはロータ3が一体回転可能に取着される。
また、ピニオン8には、その中間部分に、具体的には先端側軸受9Aよりも基端側に、より具体的には、先端側軸受9Aと基端側軸受9Bとの間に、楔作用を利用してピニオン8の回転状態を制御する機能部材としての転がり式一方向クラッチ10が取り付けられており、リール本体1の外部に設けられた切り換え操作レバー11を回動操作することにより一方向クラッチ10を作動させ、ハンドル6(ロータ3)の釣糸操出方向の逆回転を防止する公知の逆転防止機構を構成するようになっている。
ピニオン8の内部に形成された空洞部内には、ハンドル軸5と直交する方向に延在し、先端側にスプール4を装着したスプール軸12がピニオン8の内周との間に僅かな隙間を有した状態で軸方向に移動可能に挿通されている。また、スプール軸12には、スプール4(スプール軸12)を前後往復動させるための公知のスプール往復動装置13が係合している。
このような構成を有する魚釣用スピニングリールにおいて、ハンドル6により釣糸巻き取り操作を行なうと、ロータ3が巻き取り駆動機構を介して回転駆動されると共に、スプール4がスプール往復動装置13を介して前後に往復動されるため、釣糸は、釣糸案内部3dを介してスプール4の巻回胴部4aに均等に巻回される。
図2に明確に示されるように、転がり式一方向クラッチ10は、ピニオン8に対して回り止め嵌合された内輪21と、内輪21の外側に配された保持器27と、保持器27の外側に配された外輪25とを有している。
外輪の内周面には、保持器27によって保持された複数の転動部材28がフリーに回転できるフリー回転領域と、複数の転動部材28の回転を阻止する楔領域とが形成されており、各転動部材28は、保持器27に設けられたバネ部材によって楔領域に向けて常時付勢されている。
このような構成の一方向クラッチ10において、ピニオン8と共に内輪21が正回転(ロータ3が釣糸巻き取り方向に回転)すると、保持器27の転動部材28が外輪25のフリー回転領域に位置され、そのため、内輪21の回転力が外輪25に伝達されず(外輪25によって阻止されず)、したがって、ピニオン8と共にロータ3が支障なく回転できる。これに対して、ピニオン8と共に内輪21が逆回転(ロータ8が釣糸操出方向に回転)しようとすると、保持器27の転動部材28が外輪25の楔領域に位置するため、内輪21の回転力が外輪25に伝達され、これがストッパとなって、ピニオン8及びロータ3の回転(逆回転)が阻止される。
次に、上記構成のスピニングリール内に配設される磁気シール機構50について説明する。図2に明確に示されるように、リール本体1には、ハンドル6の操作で連動回転するピニオン8(及び/又は、これと一体に回転する内輪21)を部分的に収容して基端側軸受9Bにより支持する収容凹部40が凹状に形成されている。また、収容凹部40は、前述した逆転防止機構の一方向クラッチ10の外輪25を内部に回り止め位置決め状態で保持するとともに、スプール4側に面する先端側に開口40aを有している。この開口40aから水分や異物等が侵入する虞があるため、開口40aがカバー部材42によって部分的に閉じられるとともに、カバー部材42によって部分的に残されたピニオン8を挿通する開口部42aには、この開口部42aと非磁性材料(例えば、銅合金、アルミ合金等)から形成されるピニオン8の外周面に形成した磁性部との間に磁気回路を形成し且つこの間に磁性流体を保持することにより開口部42aをシールする磁気シール機構50が先端側軸受9Aの先端側に近接して位置(配設)して設けられる。
なお、カバー部材42は、端部内周に形成した螺軸部61又は別体のネジ等の締結手段でリール本体1の前部に突設した筒状部1aの前部外周又は前部内周に嵌合した状態(磁気シール機構50のピニオン8に対する同芯度が維持される)で取り付け固定される。また、収容凹部40の開口40aには、ピニオン8を支持する前述した先端側軸受9Aが位置するが、一方向クラッチ10の外径よりも小さい外径を有する先端側軸受9Aを使用できるように、この開口40aには、リール本体1と先端側軸受9Aとの間に開口40aを塞ぐように筒状の介挿部材63が配設される。
一方向クラッチ10やピニオン8等の駆動要素を収容する収容凹部40内をシールする磁気シール機構50は、ピニオン8を所定の隙間を存して囲繞するように配される磁石51と、これを保持する環状の極板(磁気リング)52と、ピニオン8の外周に一体回転可能に嵌着(装着)されて磁石51との間に磁気回路を形成する筒状磁性体53と、磁石51と筒状磁性体53との間(空隙)に保持される磁性流体55とにより1つのユニットとして構成される(すなわち、リール本体1からカバー部材42を外せば、カバー部材42と共に磁気シール機構50も一体で外せる)。
この場合、磁石51は、ピニオン8を挿通させるように、所定の厚さを有してリング状に形成されており、極板52は、そのように形成された磁石51を両側から挟持して保持するように構成される。また、筒状磁性体53は、鉄系の材料、例えば、鋼材、SUS430、SUS440C、SUS630等によって形成されており、これにより、磁石51によって、これを保持する極板52及び筒状磁性体53との間に磁気回路が形成されるようになっている。また、磁性流体は、例えばFeのような磁性微粒子をベースオイル界面活性剤により分散させて構成されたものであり、粘性があって磁石を近づけると反応する特性を備えている。
ここで、本発明の効果について、図3及び図4を参照して説明する。図3は、図1及び図2を用いて説明した第1の実施形態の変形例を示す。したがって、図3中、図1及び図2と同一の構成要素については、同一符号を付してその説明を省略する。図3では、基端側軸受9Bが、一方向クラッチ10の基端側ではなく、更にその基端側で、噛合部19の基端に近接して位置されている。また、図4は、本発明の効果を説明するための模式図であり、図4の(a)は特許文献2に示すような従来の構成、図4の(b)は本発明の構成(図3の構成に相当)を示す。図中、理想軸Cはガタがゼロのときのロータ3の回転軸(第1の実施形態のピニオン8に相当)、偏芯軸C’はガタを考慮した際のロータ3の回転軸である。また、d1およびd2はそれぞれ後側軸受(第1の実施形態の基端側軸受9Bに相当)、前側軸受(第1の実施形態の先端側軸受9Aに相当)におけるガタであり、Dは評価したい箇所(例えば磁気シール部)におけるロータ3の軸である。また、xは、前側軸受から後側軸受の距離であり、Lは後側軸受から評価したい箇所までの距離である。
それぞれの軸受部では、回転自由に支持するために遊びとなるガタが必要だが、このガタによって軸全体でも偏芯軸C’のように理想軸からのずれが生じる。このずれが最大となるのは、図4に示すように前側軸受と後側軸受のガタの方向が反対側にずれたときであり、ガタの量は相似の関係からD=(d1+d2)L/x−d1と表される。またd1=d2=dとすると、D=d(2L−x)/xと変形できる。
一例として、ワンウェイクラッチ(一方向クラッチ10)の軸方向距離を15mm、ピニオンギヤ(噛合部19)の軸方向距離を15mm、後側軸受から防水シール部までの距離Lを35mmとする。また特許文献2に示すような従来構成(図4の(a))における前側軸受と後側軸受の距離xを17.5mm、本発明の構成における前側軸受と後側軸受の距離xを32.5mmとすると、従来の構成図4の(a))における防水シール部でのガタDは3dとなり、本発明における防水シール部でのガタDは、1.15dとなる。本発明図4の(b))により、軸受部のガタを変えずにガタを40%以下に低減することができる。これにより、コストのかかる高精度加工に頼ることなく、防水部におけるガタを減らすことが出来、より信頼性の高い防水機構とすることができる。
また、ロータ部のガタについても同じ関係が成り立つ。一例として後側軸受からロータまでの距離Lを40mm、その他の値は上記と同じとすると、従来の構成ではロータ部のガタは3.57d、本発明でのロータ部のガタは1.46dとなり、約40%に低減することができる。これにより、防水性を確保しながら、ロータ軸のガタをより小さくし、耐久性を向上させたスピニングリールとすることができる。
以上説明したように、また、図4に関連して説明したように、前述した第1の実施形態によれば、軸受間を過度に近づけることなく先端側軸受9Aと基端側軸受9Bとにより駆動軸としてのピニオン8を先端側と基端側とで回転可能に支持するため、ピニオン8の回転挙動が安定し、先端側軸受9Aよりも基端側に位置される機能部材である一方向クラッチ10を含めたピニオン8周辺の配設部材の同芯度を高精度に確保できる(したがって、ピニオン8の回転状態を制御する一方向クラッチ10そのものの機能を高精度に維持できる)とともに、先端側軸受9Aの先端側に近接して磁気シール機構50が配設されるため、すなわち、磁気シール機構50の磁性流体55を保持する空隙位置が先端側軸受9Aに近接するため、磁気シール機構50の同芯度が高精度に維持され(したがって、前記空隙を所望の度合いまで狭めて磁性流体55の油膜の保持力を高めて均一に保つことができ)、磁気シール機構50の耐圧性能及び防水性能を一段と高めることができる。
図5及び図6には、本発明の第2の実施形態に係る魚釣用スピニングリールが示される。図示のように、本実施形態においても、第1の実施形態と同様、駆動軸としてのピニオン8の先端側と基端側とが先端側軸受9A及び基端側軸受9Bとによってリール本体1に対して回転可能に支持されており、ピニオン8には、その中間部分に、具体的には先端側軸受9Aよりも基端側に、より具体的には、先端側軸受9Aと基端側軸受9Bとの間に、楔作用を利用してピニオン8の回転状態を制御する機能部材としての転がり式一方向クラッチ10が取り付けられている。
また、本実施形態では、先端側軸受9Aが磁気シール付き軸受として形成されている。この磁気シール付き軸受9Aは、円筒状の内輪70と、これを囲繞する円筒状の外輪71と、内輪70と外輪71との間に転動可能に介在される複数の転動体72とを有する軸受本体75を備えている。なお、転動体72は、環状の保持器73によって保持されており、内輪70と外輪71とを相対的に回転可能としている。
内輪70、外輪71、及び、転動体72は、磁性を有する材料(磁性体)、例えばクロム系ステンレス(SUS440C)によって形成されており、保持器73は、耐食性、耐熱性に優れた材料、例えばステンレス材(SUS304)によって形成されている。
また、磁気シール付き軸受9Aは、一対の磁性流体シール80A,80Bを備える。すなわち、転動体72を挟んで軸受本体75の軸方向の両側にはそれぞれ、内輪70と外輪71との間の環状空間内に、その開口にほぼ位置して、磁性流体シール80A,80Bが配置されている。これらの一対の磁性流体シール80A,80Bはそれぞれ、軸受本体75に一体的に保持されて(軸受本体75と一体化されて軸受本体75と共にユニットとして構成される)、軸受本体75の内部を磁気的にシールする機能を有する。
具体的に、各磁性流体シール80A,80Bは、転動体72に面して軸方向内側に配設されるリング状の磁石81と、磁石81の軸方向外側面に接して配置されることにより磁石81を軸方向外側から保持するリング状の極板82と、内輪70または外輪71(回転部)と磁石81(固定部)との間に保持される磁性流体とを有しており、これらの部材により、転動体72内に埃、水分等が侵入しないようにシールする機能を有する。
この場合、磁石81は、転動体72と対向するようにして極板82に取着されており、極板82は、内輪70側の内面又は外輪71側の外面のいずれか一方を固定側としている。また、磁石81は、磁束密度が高く、磁力が強い永久磁石、例えば焼結製法によって作成されるネオジウム磁石を用いることができ、予め軸方向に磁極(S極、N極)が向くように着磁されている。
また、本実施形態では、磁気シール付き軸受9Aと一方向クラッチ10との間に非磁性材料により形成されるスペーサ90が介在されている。このようなスペーサ90を介在させれば、磁気シール付き軸受9Aが一方向クラッチ10を構成する筒状の磁性体を吸着してしまうことを回避できる。
なお、このような本実施形態の磁気シール付き軸受9Aは、ネジ部材98によりリール本体1に対して着脱自在に固定される支持体95によって軸方向で抜け止めされて支持される。このようにすると、ネジ部材98を取り外すだけで軸受9Aをリール本体1に対して着脱できるため、磁気シール付き軸受9Aの組み付け及び分解が容易となる。
また、本実施形態では、収容凹部40内を含めたリール本体1内部のシールを確保するために、磁気シール付き軸受9Aの内輪70及び外輪71とその対向部材との間にシール材92が介挿される。そのような対向部材として、本実施形態では、磁気シール付き軸受(先端側軸受)9Aとピニオン8との間に介在する一方向クラッチ10の内輪21、及び、磁気シール付き軸受9Aの抜け止めのための前記支持体95が挙げられる。なお、それ以外の構成は、一方向クラッチ10を作動させる切り換え操作機構の構成が異なる点を除き、第1の実施形態とほぼ同様である。
以上説明したように、この第2の実施形態によれば、軸受間を過度に近づけることなく先端側軸受9Aと基端側軸受9Bとにより駆動軸としてのピニオン8を先端側と基端側とで回転可能に支持するため、ピニオン8の回転挙動が安定し、したがって、磁気シール付き軸受9Aの内輪70の回転挙動も安定し(結果的に、磁気シール付き軸受9Aの内外輪70,71の偏心が防止され)、磁気シール付き軸受9Aの磁性流体の油膜の保持力を高めて均一に保たれる(その結果、磁性流体シール80A,80Bの耐圧性能及び防水性能を高めることができる)とともに、先端側軸受9Aよりも基端側に位置される機能部材としての一方向クラッチ10を含めたピニオン8周辺の配設部材の同芯度も高精度に確保できる(したがって、ピニオン8の回転状態を制御する一方向クラッチ10そのものの機能を高精度に維持できる)。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。例えば、前述した実施形態では、シール機構として磁気シール付き軸受を用いたが、その他のシール機構でも良い。例えば、軸受の回転部と固定部の間にV字状の溝を設け、その溝に合成ゴム等からなるエラストマーを配置し、僅かな空隙を隔てて非接触で対向させることで、表面張力、ラビリンス効果を利用して防水、防塵を実現する転がり軸受(固定部と回転部の間の空隙にエラストマー等の防水シールが僅かな隙間を隔てて配置されることで防水防塵を行なうラビリンス式シール付き軸受け)が知られている。このような軸受を利用しても、上述の実施形態と同じ効果が得られることは明らかである。また、本発明における磁気シール機構の構成は、第1の実施形態の構成に限定されず、収容凹部40内を磁気的にシールできる全ての構成を含む。また、磁気シール付き軸受の構成も、第2の実施形態の構成に限定されず、軸受内をシールできる全ての構成を含む。また、本発明において、駆動軸は、ピニオンに限定されず、これと連動回転する駆動部材であればよく、例えば両軸リールにおけるハンドル軸等を含む。また、本発明において、先端側軸受よりも基端側に配置されて駆動軸の回転状態を制御する機能部材は、一方向クラッチに限定されず、例えばラチェットやモーター、各種センサー等を含む。
1 リール本体
3 ロータ
8 ピニオン(駆動軸)
9A 先端側軸受(磁気シール付き軸受)
9B 基端側軸受
10 一方向クラッチ(機能部材)
50 磁気シール機構
90 スペーサ
92 シール材
95 支持体
98 ネジ部材

Claims (11)

  1. リール本体に回転可能に設けられる駆動軸と、
    前記駆動軸の先端側と基端側とを前記リール本体に対して回転可能に支持する先端側軸受及び基端側軸受と、
    前記先端側軸受の先端側に近接して配設されるシール機構と、
    を備えることを特徴とする魚釣用スピニングリール。
  2. 前記シール機構は、前記先端側軸受と一体に構成されることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用スピニングリール。
  3. 前記シール機構は、固定部と回転部の間の空隙が磁性流体でシールされる磁気シール付き軸受けであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載魚釣用スピニングリール
  4. 前記シール機構は、固定部と回転部の間の空隙にエラストマー等の防水シールが僅かな隙間を隔てて配置されることで防水防塵を行なうラビリンス式シール付き軸受けであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の魚釣用スピニングリール
  5. 前記先端側軸受よりも基端側に配置され、前記駆動軸の回転状態を制御する機能部材を更に備えることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の魚釣用スピニングリール。
  6. 前記機能部材が一方向クラッチであることを特徴とする請求項5に記載の魚釣用スピニングリール。
  7. 前記磁気シール付き軸受けと前記機能部材との間には非磁性材料により形成されるスペーサが介在されることを特徴とする請求項3に記載の魚釣用スピニングリール。
  8. 前記磁気シール付き軸受けの内輪及び外輪とその対向部材との間にシール材が介挿されることを特徴とする請求項3に記載の魚釣用スピニングリール。
  9. 前記先端側軸受を軸方向で抜け止め支持する支持体がネジ部材により前記リール本体に対して着脱自在に固定されることを特徴とする請求項3に記載の魚釣用スピニングリール。
  10. 前記駆動軸には、釣糸案内部を有するロータが一体回転可能に取着されることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の魚釣用スピニングリール。
  11. 前記先端側軸受の外径が前記機能部材の外径よりも小さいことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の魚釣用スピニングリール。
JP2016072280A 2016-03-31 2016-03-31 魚釣用スピニングリール Active JP6608752B2 (ja)

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