JP2019187280A - 磁気シール付き軸受、及びそのような磁気シール付き軸受を組み込んだ魚釣用リール - Google Patents

磁気シール付き軸受、及びそのような磁気シール付き軸受を組み込んだ魚釣用リール Download PDF

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Abstract

【課題】リテーナとボールとの間の摺動抵抗、及び、粘性抵抗を軽減してトルクの増大を抑制した磁気シール付き軸受を提供する。【解決手段】本発明の磁気シール付き軸受1は、内輪3と外輪5の間に複数のボール7を周方向に亘って転動可能に保持したリテーナ8と、軸方向一側の内外輪間に配設され、磁性流体を保持する磁気シール10と、を備えている。リテーナ8は、複数のボール7を保持する保持部の開放側8Bが磁気シール10側に向くように配設されていることを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、スピニングリール、両軸受型リール、電動リール等、魚釣りに際して用いられる各種の魚釣用リール、及び、そのような魚釣用リールの駆動部にも組み込み可能な磁気シール付き軸受に関する。
一般的に、上記した魚釣用リールには、回転軸を支持する軸受の内部に水分や埃等の異物が侵入しないように、様々なシール機構が用いられており、例えば、特許文献1には、パッキンシール等と比べて回転抵抗が少ない磁気シール付き軸受が開示されている。この磁気シール付き軸受は、内輪と外輪の間の両側開口部分の内輪の外周面又は外輪の内周面に、隙間が生じるようにリング状の磁石を止着した極板を装着し、磁気回路を形成した隙間部分に磁性流体を注入し保持することで、内部のボール(転がり部材)をシールする構成となっている。
特許第5797600号
上記したような従来の磁気シール付き軸受は、ボールを中心に左右対称の位置に磁石を配置しているため、ボールには、左右から均等に磁力(引力)が働き、ボールが片側に引き寄せられることはない。しかしながら、ボールは、リテーナ(保持器)に、周方向に沿って連続して転動可能に保持されており、このリテーナが両側の磁石から影響を受けてしまう。
上記したリテーナとしては、主に磁性材で形成されたクラウンタイプ(図2参照)のものが用いられており、一端側はボールを保持し端部が開放する凹部が周方向に連続的に形成され、他端側はリング状で連続する底部となっている。このため、ボールが左右の端部から中心に位置していたとしても、リテーナの底部側は、磁石からの距離が近くなって磁力の影響を大きく受けてしまい(リテーナが片側に引き寄せられる)、リテーナとボールとの間で摺動抵抗が大きくなってしまう。また、リテーナ底部と磁石との間の磁場が強くなることから、隙間に注入された磁性流体をリテーナ側に引き込み易くなり、これにより粘性抵抗が発生してしまう。
すなわち、従来の磁気シール付き軸受は、リテーナとボールとの間の摺動抵抗、及び、粘性抵抗によって、トルクが増大してしまう。
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、リテーナとボールとの間の摺動抵抗、及び、粘性抵抗を軽減してトルクの増大を抑制した磁気シール付き軸受、及びそのような磁気シール付き軸受を組み込んだ魚釣用リールを提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明に係る磁気シール付き軸受は、内輪と外輪の間に複数のボールを周方向に亘って転動可能に保持したリテーナと、軸方向一側の内外輪間に配設され、磁性流体を保持する磁気シールと、を備え、前記リテーナは、前記複数のボールを保持する保持部の開放側が前記磁気シール側に向くように配設されていることを特徴とする。
上記した構成の磁気シール付き軸受は、軸方向の一側に磁気シールが配設され、かつ、リテーナは、保持部の開放側が磁気シール側に向くように配設されており、リテーナのリング状で連続する底部側には、磁気シールが配設されていない構成となっている。このため、軸方向両側に磁気シールを配設した磁気シール付き軸受と比較すると、磁石からの影響を受けやすいリテーナ底部は、磁力の影響を受ける(リテーナが片側に引き寄せられる)ことがなくなり、リテーナとボールとの間での摺動抵抗が大きくなったり、リテーナ底部に磁性流体を引き込むこともない。したがって、磁気シールを配設した軸受において、トルクが増大することのない構成が得られる。
また、上記した構成の磁気シール付き軸受は、外気に直接触れる軸方向の片側が確実に防水、防塵できれば良い部分であれば、回転軸のトルクを増大することなく、防水、防塵機能を十分に発揮することが可能である。この場合、磁気シールが配設されていない側は、そのまま開放構造になっていても良いし、外輪や内輪の回転に影響を与えないように、別途、ゴム材等のシール機構を配設しても良い。例えば、上記した磁気シール付き軸受を、使用環境の厳しい魚釣用リールの回転軸の軸受として用いる場合、磁気シールが装着された側が、リール本体に対して外側(外面となる外気に直接触れる露出側)となるように配設すれば良い。すなわち、魚釣用リールは、リール本体の外側から水分、砂、埃などの異物がリール本体の内部に侵入することから、上記したような配設態様にすることで、コストを増大することなく十分なシール機能を効率良く発揮する魚釣用リールが得られる。
なお、上記した魚釣用リールの構成において、回転軸とは、釣糸を巻き取るべくハンドルを回転操作した際、それに伴って回転駆動される軸、及び、電動リールのように、駆動モータの駆動によって回転駆動される軸が該当し、本発明は、このよう回転軸を備えた各種の魚釣用リール(スピニングリール、両軸受型リール、電動リール等)が対象となる。また、リール本体内に回転軸が複数本存在する場合は、少なくとも1つの回転軸に配設されている軸受が上記したシール構造を備えていれば良い。さらに、リール本体とは、リールの形状を特定するフレーム部分や、フレームと一体化される部材(例えば、フレームに装着されるカバーや、構成部品を保持する保持部材等)が該当する。
また、上記した目的を達成するために、本発明に係る磁気シール付き軸受は、内輪と外輪の間に複数のボールを周方向に亘って転動可能に保持したリテーナと、軸方向両側の内外輪間に配設され、磁性流体を保持する磁気シールと、を備え、前記リテーナは、前記複数のボールを保持する保持部の開放側が磁気シールに近接するように偏倚して配設されていることを特徴とする。
このような構成の磁気シール付き軸受は、軸方向の両側に磁気シールが配設されているため、軸受内部を確実にシールすることができる。また、リテーナは、リング状で連続する底部側が磁気シールから離れるように偏倚しているため、軸方向の中心位置にリテーナを配設した磁気シール付き軸受と比較すると、磁石からの影響を受けやすいリテーナ底部は、磁力の影響を受け難くなり、これにより、リテーナとボールとの間での摺動抵抗が軽減され、リテーナ底部に磁性流体を引き込むことも抑制される。したがって、磁気シールを配設した軸受において、トルクが増大することのない構成が得られる。
本発明によれば、リテーナとボールとの間の摺動抵抗、及び、粘性抵抗を軽減してトルクの増大を抑制した磁気シール付き軸受が得られる。また、そのような磁気シール付き軸受を組み込むことで、回転トルクが増大することなく、効果的にリール本体内へ水分等の侵入を防止した魚釣用リールが得られる。
本発明に係る磁気シール付き軸受の第1の実施形態を示す図。 図1に示す磁気シール付き軸受に配設されたリテーナの構成を示す図。 磁気シールを、リテーナ底部側に配設した場合と、リテーナの開放側に配設した場合とで行なった試験結果を示し、(a)は、回転数と回転トルクの変化を示すグラフ、(b)は、時間経過と回転トルクの変化を示すグラフ。 魚釣用リールの一例(スピニングリール)を示す側面図。 図4に示す魚釣用リールを後方側から見た図。 磁気シール付き軸受が配設された部分を拡大して示す図。 魚釣用リールの別の例(両軸受型リール)を示す平面図。 図7に示す魚釣用リールにおいて、ハンドル軸部分を拡大して示す図。 本発明に係る磁気シール付き軸受の第2の実施形態を示す図。
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る磁気シール付き軸受の第1の実施形態を示す図であり、図2は、図1に示す磁気シール付き軸受に配設されたリテーナの構成を示す図である。
本実施形態に係る磁性流体シール付き軸受(以下、軸受とも称する)1は、円筒状の内輪3と、これを囲繞する円筒状の外輪5と、前記内輪3と外輪5との間に介装される複数のボール(転動体)7とを備えている。前記ボール7は、環状のリテーナ(保持器)8に一定間隔をおいて周方向に沿って保持されており、内輪3と外輪5を相対的に回転可能としている。
前記内輪3、外輪5及びボール7は、磁性を有する材料、例えばクロム系ステンレス(SUS440C)によって形成されており、前記リテーナ8は、鉄などの磁性材、或いは、耐食性、耐熱性に優れた材料、例えばステンレス材(SUS304)によって形成されている。なお、前記ボール7については、必ずしも磁性体で形成する必要はない。
前記リテーナ8は、図2に示すようなクラウンタイプのものが用いられ、環状に形成された本体8Aの一側に、ボール7を周方向に亘って一定間隔で保持できるように、保持部となる凹部8aが周方向に沿って連続的に形成されている。このため、リテーナ8の一側は、ボール7が凹部8a内に装填できるように開放側(以下、開放側8B)となっており、他側は、環状(リング状)で連続する底部(以下、環状の底部8C)となっている。すなわち、複数のボール7がそれぞれの凹部8a内に装填され、これが内外輪の間に配設されると、ボール7が転動しながらリテーナ8は公転するようになり、内輪3と外輪5は相対回転可能となる。
上記したクラウンタイプのリテーナ8を磁性材で一体形成すると、磁石の影響を受け、磁性を帯び易くなる。特に、開放側8Bと環状の底部8Cを軸方向で比較すると、環状の底部8Cの方の磁石に対向する露出面積が広いことから、開放側8Bと比較すると磁性を帯び易くなる。なお、上記したように、リテーナを非磁性材で一体形成しても、プレス成形する際に磁性を帯びるようになる。
本実施形態では、内輪3と外輪5の間の隙間に、水分や異物等が入り込まないように、開口端に、以下の磁気シール10を配設するが、環状の底部8C側には、磁気シールを配設しないようにし、リテーナが磁力の影響を受けないようにしている。
すなわち、前記内輪3と外輪5の一方の開口側(図1では右側)には、磁気シール(磁性流体シール)10が設置されている。
前記磁性流体シール10は、内輪3の外周面でシールする構成となっており、リング状に構成された磁石(以下、磁石と称する)12と、磁石12の軸方向外側面に接して配置されるリング状の極板(以下、極板と称する)14と、前記磁石12によって形成される磁気回路に保持される磁性流体15と、を有しており、これらの部材により、内部に水分、埃等の異物が侵入しないようにシールする機能を有している。
前記磁石12は、磁束密度が高く、磁力が強い永久磁石、例えば、焼結製法によって作成されるネオジム磁石を用いることができ、予め軸方向に磁極(S極、N極)が向くように着磁されている。また、磁石12の軸方向外側面には、前記極板14が接するように配設される。極板14は、前記磁石12と略同一の形状となっており、磁性を有する材料、例えばクロム系ステンレス(SUS440C)によって形成されている。なお、磁石12と極板14は、予め接着しておいても良いし、接着していなくても良い。この場合、両者を予め接着しておくことで、磁石12の位置決めやセンター出しが容易に行える共に、磁石12と極板14がユニット化され、組み込み作業が容易に行えるようになる。
前記磁石12及び極板14は、外輪5の開口側の内周面に取着される。本実施形態の外輪5の内面には、軸方向に対して垂直な面となる段差5aが形成されており、この段差5aを利用して磁石12を当て付け、容易に位置決め、固定できるようにしている。このような段差については、軸方向に対して垂直な面に限定されるものではなく、磁石12が当て付いて安定して保持できるのであれば、階段状に形成されていたり、傾斜状(斜面)に形成されていても良い。また、そのような段差を設けない構成であっても良い。
上記したように、外輪5の内周面に前記磁石12及び極板14を取着すると、内輪3の外周面との間に微小な隙間が形成され、この部分に磁性流体15を注入して保持されることで内部をシールするようにしている。前記磁性流体15は、例えばFe34のような磁性微粒子を、界面活性剤でベースオイルに分散させて構成されたものであり、粘性があって磁石を近づけると反応する特性を備えている。すなわち、磁性流体15は、磁石12と、磁性材料で構成される内輪3、外輪5及び極板14との間で形成される磁気回路によって、所定の位置に安定して保持される。
なお、磁性流体15は、内輪3の外周面との間の隙間に充填されるが、外輪側にも充填し、外輪5と、極板14や磁石12との間に生じる微小な隙間に保持させても良い。これにより、内外輪部分で確実なシールを実現することが可能となる。また、磁石12を止着した極板14は、内輪側に装着し、外輪5の内周面に隙間を形成し、この部分に磁性流体を注入して内部をシールする構成であっても良い。
上記した構成の軸受1は、軸方向の一側に磁気シール10が配設され、かつ、リテーナ8は、保持部の開放側8Bが磁気シール10側に向くように配設されており、リテーナ8の底部8C側には、磁気シールが配設されていない構成となっている。このため、軸方向両側の開口部分に磁気シールを配設した軸受と比較すると、磁石からの影響を受け易いリテーナの底部8Cは、磁力の影響を受ける(リテーナが片側に引き寄せられる)ことがなくなり、リテーナ8とボール7との間での摺動抵抗が大きくなったり、リテーナ底部8Cに磁性流体を引き込むこともない(粘性抵抗が大きくなることもない)。この結果、磁気シール10を配設した軸受において、トルクが増大することのない構成が得られる。
上記した構成の軸受1は、軸方向の片側が確実に防水等できれば良い部分であれば、回転軸のトルクを増大することなく、防水、防塵機能を十分に発揮することが可能である。この場合、磁気シール10が配設されていない側は、そのまま開放構造になっていても良いし、外輪や内輪の回転に影響を与えないように、別途、ゴム材等のシール機構を配設しても良い。
ここで、上記した構成の軸受による効果を検証するために行なった試験結果に関し、図3のグラフを参照しながら説明する。
図3(a)は、回転軸を軸受で支持するに際し、その回転軸の回転数と回転トルクを測定した結果を示しており、磁性流体を注入した磁気シールを、リテーナ底部8C側に配設した場合(ア)と、リテーナ8の開放側8Bに配設した場合(イ)を比較している。
この結果から明らかなように、同じ構成の磁気シールであっても、その磁気シールをリテーナ底部8C側に配設したものは、リテーナ8の開放側8Bに配設したものと比較して回転トルクが増大することが分かる(約1.5倍から2倍の差が生じる)。
図3(b)は、磁気シールを、リテーナ底部側に配設した場合と、リテーナの開放側に配設した場合において、時間経過と回転トルクの変化を示すグラフである。
このグラフに示すように、磁性流体を注入した磁気シールを、リテーナ底部8C側に配設した場合(ア)と、リテーナ8の開放側8Bに配設した場合(イ)において、経過時間とともに回転トルクを測定すると、回転初期状態では、リテーナ底部8C側に磁気シールを配設した構成では、最初のトルクの立ち上がりが大きくなることが分かる。
すなわち、磁性流体を注入した磁気シールを、リテーナ8の開放側8Bに配設することによって、回転トルクを増大させることはなく、かつ、回転し始めのトルクが大きくならないようにすることができる。
上記した構成の軸受1は、水分、埃等が付着しやすい環境下で使用される様々な回転軸部分に配設することが可能であり、例えば、以下の図に示すように、魚釣用リールの回転軸部分に配設することが可能である。
図4から図6は、魚釣用リールの一例(スピニングリール)を示す図であり、図4は側面図、図5は図4に示す魚釣用リールを後方側から見た図、そして、図6は磁気シール付き軸受が配設された部分を拡大して示す図である。
スピニングリール30のリール本体31内には、ハンドル32Aによって回転駆動されるハンドル軸(スプールに釣糸を巻回する際に回転駆動される回転軸)32が、上記した構成の一対の軸受1,1を介して回転可能に支持されている。前記ハンドル軸32には、ドライブギア(駆動歯車)34が一体回転可能に取り付けられており、前記駆動歯車34には、ハンドル軸32に対して直交する方向に延出し、軸受を介して回転可能に支持されたピニオンギア35の歯部が噛合している。前記ピニオンギア35の先端部には、ロータナットを螺合することで、ベール37aおよびラインローラ37bを備えたロータ37が一体回転するように取り付けられている。
前記ピニオンギア35は、軸方向に沿って貫通しており、その内部には、先端側に釣糸が巻回されるスプール38を保持したスプール軸39が挿通されている。このスプール軸39の基端側には、公知のオシレーティング機構40が連結されており、前記ハンドル軸32がハンドル32Aの回転操作によって回転されたとき、スプール軸39は軸方向に沿って往復駆動される。
上記した構成の魚釣用スピニングリールによれば、ハンドル32Aを回転操作すると、ドライブギア34とピニオンギア35の噛合関係によってピニオンギア35が回転駆動され、ロータ37が回転駆動される。また、オシレーティング機構40を介してスプール軸39が前後方向に往復駆動される。すなわち、ハンドル32Aの巻き取り操作に伴って、ロータ37の回転と同期してスプールはスプール軸39と共に前後往復動され、釣糸は、回転するロータ37のラインローラ37bを介して前後動するスプールに均等に巻回される。
図1に示した構成の軸受1は、磁気シール10が装着された側が、リール本体31に対して外側となるように配設されている。すなわち、水分(海水)、砂、埃などの異物は、外側から内部に侵入することから、上記した構成の軸受1は、磁気シール10が装着された側がリール本体31に対して外側となるように配設しておけば良い。軸受1をこのように配設することで、コストを増大することなく十分なシール機能を発揮することが可能となり、回転性能低下させることのない魚釣用リールが得られる。
なお、軸受1の軸方向内側は、図に示すように、そのまま開放状態にしても良いし、別途、ゴム、Oリング等のシール部材を配設しても良い。
図7及び図8は、魚釣用リールの別の例(両軸受型リール)を示す図であり、図7は平面図、図8はハンドル軸部分を拡大して示す図である。
本実施形態に係る両軸受型リール50のリール本体51は、左右フレーム52a,52bにそれぞれカバー部材53a,53bを取着した左右側板51A,51Bを有しており、これら左右の側板51A,51B間には、釣糸が巻回されるスプール54aが一体的に固定されたスプール軸54が軸受を介して回転自在に支持されている。
前記スプール軸54の端部には、スプール軸の軸方向に沿って移動可能なピニオンギア55が取り付けられている。前記ピニオンギア55は、切換えレバー56によって、スプール軸54と係合してスプール軸54と一体に回転する係合位置(動力伝達状態;クラッチON)と、スプール軸54との係合状態が解除される非係合位置(動力遮断状態;クラッチOFF)との間で軸方向に沿って移動される。また、前記右側板51B側には、ハンドル軸60が回転可能に支持されており、このハンドル軸60の端部にハンドル62が取り付けられている。また、ハンドル軸60と右カバー53bとの間には、一方向クラッチ65が配設されており、ハンドル軸60は、釣糸巻取方向のみに回転して逆回転が阻止されるようになっている。
前記ピニオンギア55には、ハンドル軸60に支持された駆動歯車(ドライブギア)66が噛合しており、ハンドル軸60の端部に装着されたハンドル62を回転操作すると、前記ドライブギア66とピニオンギア55とを介して、スプール軸54が回転駆動され、それに伴ってスプール54aが回転して釣糸が巻回される。
上記した構成の魚釣用リールにおいて、スプール54aに釣糸を巻回する際に回転駆動される回転軸(ハンドル軸60)が、上記した構成の軸受1によって回転可能に支持されている。前記軸受1は、磁気シール10が装着された側が、リール本体51に対して外側となるように配設されており、これにより、外側から内部に侵入する水分(海水)、砂、埃などの異物を、外側から内部に侵入することを防止している。
すなわち、このような形態の魚釣用リールにおいても、コストを増大することなく十分なシール機能を発揮することが可能であり、回転性能低下させることのない構成が得られる。
上記した魚釣用リールは一例を示したものであり、図1に示す軸受1は、電動リール、片軸受け型リール等、様々なタイプの魚釣用リールの回転軸部分に配設することが可能である。この場合、異物が侵入し易い側に磁気シール10が配設され、かつ、その方向に向けてリテーナ8の解放側8Bが向く配設態様となっていれば、軸受の配設位置、配設の仕方、それ以外のシール装置等、適宜変形することが可能である。
図9は、本発明に係る磁気シール付き軸受の第2の実施形態を示す図である。
なお、この実施形態では、図1に示した実施形態と同様な構成
部材については、同一の参照符号を付し、詳細な説明については省略する。
この実施形態の軸受1Aは、軸方向の両側に磁気シール10,10Aを配設している。このように、軸方向両側に磁気シール10.10Aを配設する構成であれば、リテーナ8は、複数のボール7を保持する保持部の開放側8Bが、磁気シール10に近接するように偏倚(偏倚量L)して配設すれば良い。このような構成では、軸方向の中心位置Xにリテーナ8を配設した構成と比較すると、磁石12からの影響を受けやすいリテーナ底部8Cは、磁力の影響を受け難くなり、これにより、リテーナとボールとの間での摺動抵抗が軽減され、リテーナ底部に磁性流体を引き込むことも抑制される。また、軸方向の両側に磁気シールを配設したことで、軸受1Aの内部を確実にシールすることができると共に、底部8C側が磁気シール10Aから離れるように偏倚しているため、トルクが増大することのない構成が得られる
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることはなく、種々変形して実施することが可能である。
上記した実施形態では、軸受のリテーナは、クラウンタイプのものを用いたが、リボンタイプのリテーナを用いたものであっても良い。このようなリボンタイプのリテーナでは、一方の開口側に磁気シールを配設しないように構成し、かつ、リテーナを磁気シールが配設されない側に偏倚させることで、上記した構成と同様、トルクを増大させない構成にすることが可能である。或いは、リテーナそのものを樹脂等の非磁性材で構成することで、トルクを増大させない構成にすることも可能である。また、上述した磁気シール10の構成については一例を示したに過ぎず、磁石や極板の構成や配置態様については適宜変形することが可能である。
1 磁気シール付き軸受
3 内輪
5 外輪
7 ボール
8 リテーナ
8B 開放側
8C リテーナ底部
15 磁性流体
30,50 魚釣用リール
31,51 リール本体
32,60 ハンドル軸(回転軸)

Claims (3)

  1. 内輪と外輪の間に複数のボールを周方向に亘って転動可能に保持したリテーナと、軸方向一側の内外輪間に配設され、磁性流体を保持する磁気シールと、を備え、
    前記リテーナは、前記複数のボールを保持する保持部の開放側が前記磁気シール側に向くように配設されていることを特徴とする磁気シール付き軸受。
  2. 内輪と外輪の間に複数のボールを周方向に亘って転動可能に保持したリテーナと、軸方向両側の内外輪間に配設され、磁性流体を保持する磁気シールと、を備え、
    前記リテーナは、前記複数のボールを保持する保持部の開放側が磁気シールに近接するように偏倚して配設されていることを特徴とする磁気シール付き軸受。
  3. スプールに釣糸を巻回する際に回転駆動される回転軸と、
    内輪と外輪の間に複数のボールを周方向に亘って転動可能に保持したリテーナと、軸方向一側の内外輪間に配設され、磁性流体を保持する磁気シールとを具備し、前記回転軸をリール本体に対して回転可能に支持した磁気シール付き軸受と、
    を有する魚釣用リールであって、
    前記リテーナは、前記複数のボールを保持する保持部の開放側が前記磁気シール側に向くように配設されており、
    前記磁気シール付き軸受は、磁気シールが装着された側がリール本体に対して外側となるように配設されている、
    ことを特徴とする魚釣用リール。
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