JP5519585B2 - 魚釣用スピニングリール - Google Patents

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本発明は、釣糸をスプールへと案内するためのラインローラを回転可能に支持する軸受のシール機構に特徴を有する魚釣用スピニングリールに関する。
通常、魚釣用スピニングリールは、ハンドルを回転操作することで、動力伝達機構を介して釣糸をスプールに巻回するように構成されている。動力伝達機構には、ハンドルの回転操作に伴って回転駆動される駆動軸が設けられており、一般的に駆動軸は、リール本体に設けたボールベアリング(軸受)を介して回転自在に支持されている。
ところで、魚釣用スピニングリールを実際の釣場で使用する際には、リール本体に海水、砂、異物等が付着し易いという特有の問題があり、これらは、リール本体外部の隙間を介して内部に侵入し、前記駆動軸を支持するボールベアリングに付着・侵入してしまう。そして、ボールベアリングに海水、砂、異物等が付着したり侵入すると、ボールベアリングが腐食したり、回転性能が低下してしまう。
このような問題の対策として、ボールベアリングに近接する駆動軸の外周に、弾性材からなるシール部材を接触させてボールベアリングの防水、防塵を図ることが一般的に行われているが、弾性材からなるシール部材の接触圧の影響で駆動軸の回転性能を低下させてしまう問題が指摘されている。
そこで、駆動軸の回転性能を低下させることなく、ボールベアリングの防水・防塵を図る構成として、例えば、特許文献1には、磁気回路を構成する磁気保持リングとスプール軸(駆動軸)との間に磁性流体を保持してシールしたもの(磁気シール機構)が開示されている。
特開2003−319742号
以上のような磁気シール機構は、ハンドルの回転操作に伴って回転駆動される駆動軸に限らず、リールに設けられる軸受支持の多くの部位に適用できる。したがって、無論、従来において磁気シール機構が適用されていない軸受部位、例えば釣糸をスプールへと案内するためのラインローラを回転可能に支持する軸受に対して磁気シール機構を適用することもできる。
しかしながら、ラインローラを支持する軸受に磁気シール機構を適用する場合には、ロータの高速回転により、このロータに設けられるラインローラおよびその軸受に対して大きな遠心力が作用するため、軸受をシールする磁気シール機構の磁性流体がこの遠心力によって飛散する可能性がある。また、そのような飛散を防止するためには、磁性流体が磁界の外側に飛散しないように磁力を強くすることも考えられるが、その場合には、磁気シール機構を構成する磁石を大きくする必要があり、リール全体の大型化および重量化が避けられず、また、ロータの回転バランスの悪化を招く虞がある。
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、ロータ回転に伴う遠心力によってラインローラ軸受の磁気シール機構の磁性流体が飛散するのを抑制できる魚釣用スピニングリールを提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ハンドルの回転操作によるロータの回転により該ロータに設けられたラインローラの案内によって釣糸をスプールに巻回する魚釣用スピニングリールであって、前記ラインローラを回転可能に支持する軸受をシールするための磁気シール機構を備え、前記磁気シール機構は、前記軸受に並設される磁石と、該磁石と前記軸受の外輪との間に形成される磁気回路に保持されることによりこれらの間の空間をシールする磁性流体とを有し、前記ロータの回転に伴う遠心力によって磁性流体が飛散し得る方向には、前記磁石の磁力が作用する範囲内に、飛散する磁性流体を受けるための受け部が設けられることを特徴とする。
この請求項1に記載の発明によれば、ロータの回転に伴う遠心力によって磁性流体が飛散し得る方向に、飛散する磁性流体を受けるための受け部が設けられているため、ロータ回転に伴う遠心力によってラインローラ軸受の磁気シール機構の磁性流体が飛散しても、その磁性流体は受け部によって受けられてそれ以上の飛散が防止される。しかも、受け部は、磁石の磁力が作用する範囲内に設けられているため、受け部で受けられた磁性流体は、強い遠心力を受けなくなった段階で、磁石の磁力により元の位置(磁石と軸受の外輪との間の磁気回路が形成される領域)に戻ることができ、そのため、所望の磁気シールを常に確保することができる。このように、飛散する磁性流体を受ける受け部を設ければ、遠心力の作用に起因して従来において難しかったラインローラに対する磁気シール機構の適用を容易に実現できる。
なお、上記構成において、「磁石の磁力が作用する範囲」とは、少なくとも遠心力が作用しない状態で受け部の磁性流体が磁石の磁力によって元の位置へ戻ることができる範囲内のことであり、設けられる磁石の磁力、磁性流体の量などに依存する。また、上記構成において、「磁性流体が飛散し得る方向」とは、ロータの回転に伴う遠心力によって磁性流体が飛散し得る任意の方向を意味し、一般的には、ロータの回転中心と軸受をシールする磁性流体とを結ぶラインの方向を含む。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記受け部は、前記ラインローラまたはラインローラ周囲の既存の部品に設けられることを特徴とする。
この請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の作用効果が得られるとともに、受け部がラインローラまたはラインローラ周囲の既存の部品に設けられるため、受け部を形成する部材を新たに付加する必要がなく、したがって、部品点数を増やさずに、すなわち、リールの大型化・重量化を招くことなく受け部を設けることが可能になる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記受け部は、前記磁石を保持する保持体に設けられることを特徴とする。
この請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の作用効果が得られるとともに、磁石を保持する保持体に受け部が設けられるため、磁石と受け部との間の距離を小さく抑えることができ(受け部の磁性流体に強い磁力を作用させることができ)、したがって、磁性流体の飛散範囲を小さく抑えて、受け部から元の保持位置への磁性流体の戻りを促進させることができる。また、受け部を形成する部材を新たに付加する必要もないため、部品点数を増やさずに、すなわち、リールの大型化・重量化を招くことなく受け部を設けることが可能になる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記受け部は、前記軸受の外輪と前記ラインローラとの間に介挿される環状部材に設けられることを特徴とする。
この請求項4に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の作用効果が得られるとともに、軸受の外輪とラインローラとの間に介挿される環状部材に受け部が設けられるため、軸受周囲の広い範囲にわたって受け部を形成することが可能なり、磁性流体の飛散範囲が大きい場合にも対処できる。これは、特に、釣糸を高速で巻き取りながらロッドにアクションを加えるジギングなどの釣法のように磁性流体の飛散範囲が広くなる可能性がある場合に有益である。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の発明において、前記磁性流体が前記軸受の外輪の側端面と前記磁石との間で保持されることを特徴とする。
この請求項5に記載の発明によれば、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の発明と同様の作用効果が得られるとともに、磁性流体が軸受の外輪の側端面と前記磁石との間で保持されるため、磁気シール機構のコンパクト化を図ることができる。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の発明において、前記磁気シール機構と前記受け部とが前記軸受と一体化されて成ることを特徴とする。
この請求項6に記載の発明によれば、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の発明と同様の作用効果が得られるとともに、磁気シール機構と受け部とが軸受と一体化されているため、リール本体への組み込み性に優れ、寸法管理(磁石の磁力が作用する範囲の管理)が容易になる。
本発明の魚釣用スピニングリールによれば、ロータの回転に伴う遠心力によって磁性流体が飛散し得る方向に、飛散する磁性流体を受けるための受け部が設けられているため、ロータ回転に伴う遠心力によってラインローラ軸受の磁気シール機構の磁性流体が飛散しても、その磁性流体は受け部によって受けられてそれ以上の飛散が防止される。
本発明の第1の実施形態に係る魚釣用スピニングリールの全体の側面図である。 図1の魚釣用スピニングリールの正面図である。 図1のA−A線に沿う断面図である。 図3の要部拡大断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る魚釣用スピニングリールの要部拡大断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る魚釣用スピニングリールの要部拡大断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る魚釣用スピニングリールの要部拡大断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る魚釣用スピニングリールの要部拡大断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明に係る魚釣用リールの実施形態について説明する。
図1〜図4は本発明の魚釣用スピニングリールの第1の実施形態を示している。図1および図2に示されるように、本実施形態の魚釣用スピニングリールはリール本体1を有する。リール本体1内には、ハンドル3の回転操作によって回転駆動する駆動歯車(図示しない)が設けられており、この駆動歯車には、ピニオンが噛合している。ピニオン内には、スプール軸(図示しない)が軸方向に挿通されており、このスプール軸の先端には、釣糸が巻回されるスプール5が回転可能に取り付けられている。この場合、スプール軸(スプール)は、駆動歯車に係合するオシレーティング機構(図示しない)を介して、駆動歯車の回転によって前後動するように構成されている。
また、ピニオンの先端には、このピニオンと一体的に回転するロータ7が取り付けられており、このロータ7には、一対の支持アーム9が設けられている。これらの支持アーム9には、夫々、支持部材11を介して、ベール13が釣糸放出状態と釣糸巻回状態とに回動可能に支持されている。そして、一方の支持部材11とベール13の端部との間には、釣糸をスプール5へと案内するための後述する釣糸案内装置15が介装されている。
このような構成において、ハンドル3を回転操作すると、その回転運動は、駆動歯車を介してピニオンに伝達され、このピニオンを介してロータ7を回転させると共に、オシレーティング機構を介してスプール軸に伝達され、スプール5を前後動させる。これにより、釣糸は、釣糸案内装置15を介してスプール5に片寄ること無く均等に巻回される。
図3および図4に示されるように、釣糸案内装置15は、一方の支持部材11にネジ19によって締結されており、このネジ19が螺入されるように軸方向に延出する支持部17が形成されたラインスライダ21を有している。なお、支持部17は、図示のように、ラインスライダ21に一体形成されていても良いし、支持部材11側に一体形成されていても良い。
ラインスライダ21にはベール13の一方の基端部が接続されており、釣糸巻取開始時にベール13を釣糸巻回状態に回動させると、釣糸が、ベール13からラインスライダ21を介して、釣糸案内装置15の一構成部材であるラインローラ23に案内されるようになっている。
ラインローラ23は、2つの環状の軸受であるボールベアリング25,27を介して支持部17に回転可能に支持されている。この場合、ラインローラ23は、中空の略筒体形状を成しており、その外周面は平滑化されている。これにより、釣糸巻取時にベール13からラインスライダ21を介して案内された釣糸は、ラインローラ23の外周面を滑らかに経由しながらスプール5に巻回される。なお、ラインローラ23の外周形状については、特に限定されることはない。
2つのボールベアリング25,27は、ラインローラ23の内周面と支持部17の外周面との間に介在されており、軸方向(ラインローラ23の回転軸Oに沿った方向)に互いに離間して並列配置されている。また、ボールベアリング25,27は、支持部17の外周に回り止め嵌合される内輪25a,27aと、内輪25a,27aの外側に配される外輪25b,27bと、内輪25a,27aと外輪25b,27bとの間で転動可能に保持される複数の転がり部材(コロ)25c,27cとを備えており、隣接して設置される後述の磁気シール機構31,35によってシールされた状態となっている。
これら2つのボールベアリング25,27の対向端(内側端)は、共に、ラインローラ23の内周面に突出形成された係止部29の両端面に当て付けられている。そして、ボールベアリング25の外側端は、第1の磁気シール機構材31を介して、支持部17に形成された段差係止部33に当て付けられており、一方、ボールベアリング27の外側端は、第2の磁気シール機構35を介して、支持部材11に形成されて支持部17の端部に被嵌される被嵌係止部37に当て付けられている。
つまり、2つのボールベアリング25,27は、各係止部29,33,37によって軸方向への移動が規制された状態で維持され、また、第1および第2の磁気シール機構31,35は、ボールベアリング25,27の内部を外部に対して磁気的にシールするようになっている。
次に、釣糸案内装置15に配される磁気シール機構31,35について説明する。
図4に明確に示されるように、磁気シール機構31(35)は、支持部17の外周に被嵌されるとともに一端が支持部17に形成された段差係止部33(支持部材11に形成されて支持部17の端部に被嵌される被嵌係止部37)に当て付けられ且つ他端がボールベアリング25(27)の内輪25a(27a)の側端面に当て付けられる外周に段部を有する略環状の保持体32を備えており、この保持体32は、その外周の段部を用いてリング状の磁石40をボールベアリング25(27)に並設されるように(所定の隙間を隔てて外輪25b(27b)の側端面と対向するように)保持している。この場合、保持体32は、保持する磁石40と磁性体の外輪25b(27b)の側端面との間で磁性領域を発生させるような構造であれば良く、本実施形態では、真鍮、アルミ合金、樹脂、或いは金属補強された弾性材などの非磁性材料で形成されている。また、リング状の磁石40は、軸方向内側(ボールベアリングと対向する側)がS極に帯磁され、軸方向外側がN極に帯磁されており、これにより、前記所定の隙間を介して外輪25b(27b)との間で磁気回路を形成する。そして、この磁気回路が形成される隙間には、磁性流体42が注油によって保持されている。すなわち、磁性流体42は、磁石40とボールベアリング25(27)の外輪25b(27b)との間に形成される磁気回路(外輪25b(27b)の側端面と磁石40との間)に保持されることによりこれらの間の隙間(空間)を密封してボールベアリング25(27)の内部をシールする。
なお、磁性体としての外輪25b(27b)は、鉄系の材料、例えば、鋼材、SUS430、SUS440C、SUS630等によって形成される。また、注入される磁性流体42は、例えばFeのような磁性微粒子を、界面活性剤およびベースオイルに分散させて構成されたものであり、粘性があって磁石を近づけると反応する特性を備えている。このため、磁性流体42は、磁石40と外輪25b(27b)の側端面との間に形成される磁気回路によって隙間内に安定して保持され、ボールベアリング25(27)内を外部に対して確実にシールする。
また、本実施形態では、ロータ7の回転に伴う遠心力F(図2参照)によって磁性流体42が飛散し得る方向に、飛散する磁性流体42を受けるための受け部70,72が設けられている。ここで、「磁性流体が飛散し得る方向」は、ロータ7の回転に伴う遠心力Fによって磁性流体42が飛散し得る全ての方向を含むが、本実施形態では、特に、ロータ7の回転中心とボールベアリング25,27をシールする磁性流体42とを結ぶラインの方向F1,F2(図4参照)に受け部70,72が設けられる。すなわち、ラインスライダ21側のボールベアリング25に対応して図4に矢印F1で示される方向に受け部70が設けられ、支持部材11側のボールベアリング27に対応して図4に矢印F2で示される方向に受け部72が設けられる。
具体的に、受け部70は、磁気シール機構31をその径方向外側から覆うように遠心力F1方向で磁性流体42と対向するラインローラ23の部位に凹陥状の溝を設けることにより形成され、一方、受け部72も、磁気シール機構35をその径方向外側から覆うように遠心力F2方向で磁性流体42と対向するラインローラ23の部位に凹陥状の溝を設けることにより形成される。また、これらの受け部70,72は、磁石40の磁力が作用する範囲内に設けられる。ここで、「磁石の磁力が作用する範囲」とは、受け部70,72に受けられた磁性流体42が少なくとも遠心力が作用しない状態で磁石40の磁力によって元の位置(外輪25b(27b)の側端面と磁石40との間の隙間)へ戻ることができる範囲内のことであり、設けられる磁石40の磁力、磁性流体42の量などに依存する。
また、本実施形態において、ロータ7の中心との間の距離(径方向に沿う距離)がボールベアリング25よりも大きい(したがって、その遠心力F2が遠心力F1よりも大きい)ボールベアリング27側の受け部72は、飛散する磁性流体42を漏らすことなく確実に受けることができるように、磁気シール機構35の背後に回り込むような鍔状の障壁部23aを更に有して形成されている。
以上説明したように、本実施形態によれば、ロータ7の回転に伴う遠心力によって磁性流体42が飛散し得る方向に、飛散する磁性流体42を受けるための受け部70,72が設けられているため、ロータ回転に伴う遠心力によってラインローラ軸受(ボールベアリング25,27)の磁気シール機構31,35の磁性流体42が飛散しても、その磁性流体42は受け部70,72によって受けられてそれ以上の飛散が防止される。しかも、受け部70,72は、磁石40の磁力が作用する範囲内に設けられているため、受け部70,72で受けられた磁性流体42は、強い遠心力を受けなくなった段階で、磁石40の磁力により元の位置(磁石40と外輪25b,27bとの間の磁気回路が形成される領域)に戻ることができ、そのため、所望の磁気シールを常に確保することができる。このように、飛散する磁性流体42を受ける受け部70,72を設ければ、遠心力の作用に起因して従来において難しかったラインローラ23に対する磁気シール機構の適用を容易に実現できる。
また、本実施形態によれば、受け部70,72がラインローラ23に設けられるため、受け部70,72を形成する部材を新たに付加する必要がなく、したがって、部品点数を増やさずに、すなわち、リールの大型化・重量化を招くことなく受け部70,72を設けることが可能になる。また、本実施形態によれば、磁性流体42がボールベアリング25,27の外輪25b,27bの側端面と磁石40との間で保持されるため、磁気シール機構31,35のコンパクト化を図ることができる。
図5は本発明の第2の実施形態を示している。図示のように、本実施形態では、ラインローラ23と各ボールベアリング25,27の外輪25b,27bとの間に樹脂製または金属製の環状カラー(環状部材)52A,52Bが介挿されており、環状カラー52A,52Bの互いに対向する内端部は、径方向内側に屈曲して互いに当接することにより前述した係止部29を形成している。ここで、環状カラー52A,52Bは、リール本体1に対するボールベアリング25,27および磁気シール機構31,35の組み込み時の位置決めを担うものであり、磁性体であってもよく或いは非磁性体であってもよく、ラインローラ23と共に回転する。
また、本実施形態では、前述した受け部70,72が環状カラー52A,52Bの一部によって形成される。具体的には、受け部70は、磁気シール機構31をその径方向外側から覆うように遠心力F1方向で磁性流体42と対向する環状カラー52Aの部位に凹陥状の溝(または、屈曲凹部)52Aaを設けることにより形成され、一方、受け部72も、磁気シール機構35をその径方向外側から覆うように遠心力F2方向で磁性流体42と対向する環状カラー52Bの部位に凹陥状の溝(または、屈曲凹部)52Baを設けることにより形成される。また、これらの受け部70,72も磁石40の磁力が作用する範囲内に設けられる。更に、前述した理由により、ボールベアリング27側の受け部72は、飛散する磁性流体42を漏らすことなく確実に受けることができるように、磁気シール機構35の背後に回り込むような鍔状の障壁部を更に有して形成されることが好ましい。なお、それ以外の構成は第1の実施形態と同一である。
このように、本実施形態によれば、ラインローラ23と各ボールベアリング25,27の外輪25b,27bとの間に介挿される環状カラー52A,52Bに受け部70,72が設けられるため、ボールベアリング25,27周囲の広い範囲にわたって受け部70,72を形成することが可能なり、磁性流体42の飛散範囲が大きい場合にも対処できる。これは、特に、釣糸を高速で巻き取りながらロッドにアクションを加えるジギングなどの釣法のように磁性流体42の飛散範囲が広くなる可能性がある場合に有益である。
図6は本発明の第3の実施形態を示している。本実施形態は第2の実施形態の変形例であり、ボールベアリング27側(磁気シール機構35側)の受け部72が、ラインローラ23周囲の既存の部品、ここでは、回転しない支持部材11によって形成されている。具体的には、受け部72は、ラインローラ23側へ向けて延びる支持部材11の延出部11bによって形成されており、この延出部11bは、磁気シール機構35をその径方向外側から覆うように遠心力F2方向で磁性流体42と対向する凹陥部を環状カラー52Bの外端部52Bb(ラインローラ23の内面に沿て径方向外側に折れ曲がる部位)と共に形成する。なお、それ以外の構成は第2の実施形態と同一である。
このように、本実施形態によれば、受け部72が、ラインローラ周囲の既存の部品、すなわち、支持部材11に設けられるため、受け部72を形成する部材を新たに付加する必要がなく、したがって、部品点数を増やさずに、すなわち、リールの大型化・重量化を招くことなく受け部を設けることが可能になる。また、回転しない支持部材11に受け部72を設けるため、飛散した磁性流体42を受け部72で安定して保持できる。
図7は本発明の第4の実施形態を示している。本実施形態は第3の実施形態の変形例であり、ボールベアリング27側(磁気シール機構35側)の受け部72が、回転しない保持体32によって形成されている。具体的には、受け部72は、保持体32から径方向外側に延びてラインローラ23側へ向けて屈曲する屈曲延出部32bによって形成されており、この屈曲延出部32bは、磁気シール機構35をその径方向外側から覆うように遠心力F2方向で磁性流体42と対向する凹陥部を環状カラー52Bの外端部52Bb(ラインローラ23の内面に沿て径方向外側に折れ曲がる部位)と共に形成する。なお、それ以外の構成は第3の実施形態と同一である。
したがって、第3の実施形態と同様の作用効果が得られるとともに、磁石40を保持する保持体32に受け部72が設けられるため、磁石40と受け部72との間の距離を小さく抑えることができ(受け部72の磁性流体42に強い磁力を作用させることができ)、したがって、磁性流体42の飛散範囲を小さく抑えて、受け部72から元の保持位置(磁石40と外輪25b,27bとの間の磁気回路が形成される領域)への磁性流体42の戻りを促進させることができる。また、受け部72を形成する部材を新たに付加する必要もないため、部品点数を増やさずに、すなわち、リールの大型化・重量化を招くことなく受け部を設けることが可能になる。
図8は本発明の第5の実施形態を示している。本実施形態は第4の実施形態の変形例であり、受け部72を形成する屈曲延出部32bを有する保持体32が磁石40と共にボールベアリング27と一体化されている。すなわち、磁気シール機構35と受け部72とがボールベアリング27と一体化されて成る。この場合、ボールベアリング27は、その内輪27aの軸方向長さが外輪27bの軸方向長さよりも長く形成されており、その長く形成された内輪27aの延在部の外周面に保持体32の内周面が圧入嵌合されることにより保持体32がボールベアリング27と一体化される。したがって、ボールベアリング27の軸方向の位置決めは、内輪27aの前記延在部の側端面が支持部材11の被嵌係止部37に当て付くことによってなされる。このように、本実施形態では、磁気シール機構35と受け部72とがボールベアリング27と一体化されているため、リール本体1への組み込み性に優れ、寸法管理(磁石40の磁力が作用する範囲の管理)が容易になる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることは言うまでもない。例えば、前述した実施形態では、ラインローラ23の両側に位置する両方の磁気シール機構31,35にそれぞれ対応して受け部70,72が設けられているが、受け部は、磁性流体42の飛散が懸念される一方の磁気シール機構側のみに設けられてもよい。その場合には、遠心力の作用方向を考慮して、磁気シール機構35側に受け部72を設けることが好ましい。また、本発明は、前述した各実施形態を組み合わせた構成も可能である。更に、磁気シール機構の構造は前述した実施形態に限定されず、磁性流体を伴う任意のシール構造を採用できる。また、受け部が形成される部位も前述した実施形態に限定されない。要は、磁気シール機構から飛散される磁性流体を受けることができ且つその受けた磁性流体が磁気シール機構の元の保持位置へと戻ることができさえすれば、受け部の形成位置は任意である。
3 ハンドル
5 スプール
7 ロータ
11 支持部材(既存の部品)
23 ラインローラ
25,27 ボールベアリング(軸受)
25a,27a 内輪
25b,27b 外輪
31,35 磁気シール機構
32 保持体
40 磁石
42 磁性流体
52A,52B 環状カラー(環状部材)
70,72 受け部

Claims (6)

  1. ハンドルの回転操作によるロータの回転により該ロータに設けられたラインローラの案内によって釣糸をスプールに巻回する魚釣用スピニングリールであって、
    前記ラインローラを回転可能に支持する軸受をシールするための磁気シール機構を備え、
    前記磁気シール機構は、前記軸受に並設される磁石と、該磁石と前記軸受の外輪との間に形成される磁気回路に保持されることによりこれらの間の空間をシールする磁性流体とを有し、
    前記ロータの回転に伴う遠心力によって磁性流体が飛散し得る方向には、前記磁石の磁力が作用する範囲内に、飛散する磁性流体を受けるための受け部が設けられることを特徴とする魚釣用スピニングリール。
  2. 前記受け部は、前記ラインローラまたはラインローラ周囲の既存の部品に設けられることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用スピニングリール。
  3. 前記受け部は、前記磁石を保持する保持体に設けられることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用スピニングリール。
  4. 前記受け部は、前記軸受の外輪と前記ラインローラとの間に介挿される環状部材に設けられることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用スピニングリール。
  5. 前記磁性流体が前記軸受の外輪の側端面と前記磁石との間で保持されることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の魚釣用スピニングリール。
  6. 前記磁気シール機構と前記受け部とが前記軸受と一体化されて成ることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の魚釣用スピニングリール。
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