JP5785885B2 - 魚釣用スピニングリール及びそのラインローラユニット - Google Patents

魚釣用スピニングリール及びそのラインローラユニット Download PDF

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本発明は、釣糸をスプールへと案内するためのラインローラを有する魚釣用スピニングリールに関し、特に、ラインローラと、該ラインローラを回転可能に支持する軸受と、軸受のシール機構とを新規な方法でユニット化して成ることを特徴とする魚釣用スピニングリール及びそのラインローラユニットに関する。
通常、魚釣用スピニングリールは、ハンドルを回転操作することで、動力伝達機構を介して釣糸をスプールに巻回するように構成されている。動力伝達機構には、ハンドルの回転操作に伴って回転駆動される駆動軸が設けられており、一般的に駆動軸は、リール本体に設けたボールベアリング(軸受)を介して回転自在に支持されている。
ところで、魚釣用スピニングリールを実際の釣場で使用する際には、リール本体に海水、砂、異物等が付着し易いという特有の問題があり、これらは、リール本体外部の隙間を介して内部に侵入し、前記駆動軸を支持するボールベアリングに付着・侵入してしまう。そして、ボールベアリングに海水、砂、異物等が付着したり侵入すると、ボールベアリングが腐食したり、回転性能が低下してしまう。
このような問題の対策として、ボールベアリングに近接する駆動軸の外周に、弾性材からなるシール部材を接触させてボールベアリングの防水、防塵を図ることが一般的に行われているが、弾性材からなるシール部材の接触圧の影響で駆動軸の回転性能を低下させてしまう問題が指摘されている。
そこで、駆動軸の回転性能を低下させることなく、ボールベアリングの防水・防塵を図る構成として、例えば、特許文献1には、磁気回路を構成する磁気保持リングとスプール軸(駆動軸)との間に磁性流体を保持してシールしたもの(磁気シール機構)が開示されている。
特開2003−319742号
以上のような磁気シール機構は、ハンドルの回転操作に伴って回転駆動される駆動軸に限らず、リールに設けられる軸受支持の多くの部位に適用できる。したがって、無論、従来において磁気シール機構が適用されていない軸受部位、例えば釣糸をスプールへと案内するためのラインローラを回転可能に支持する軸受に対して磁気シール機構を適用することもできる。
しかしながら、ラインローラのような高速回転する小型で且つ釣糸から伝わった海水やゴミが特に入りやすい部分に磁気シール機構を適用するのは難しい。すなわち、そのような小さい部分に磁気シール機構を組み込むことは困難であり、生産性に劣るという問題がある。
具体的には、特許文献1に開示される磁気シール機構は、2枚の極板間に磁石が挟まれる構造であるため、すなわち、1つの磁石に対して極板を2枚必要とするため、全体の部品点数が多くなり、組み込み作業性が悪化して生産性が低下するという問題がある。また、磁石の厚み寸法と極板2枚の厚み寸法との和に相当する寸法の設置スペースが少なくとも軸受の片側で必要になるため、省スペース化を図ることが難しい。更に、極板が磁性体であることから、その比重が重く(鉄の比重に近い)、そのため、磁気シール機構全体の重量が重くなる。
また、特許文献1に開示される磁気シール機構は、磁性流体が駆動軸等の回転体に直接に接触するように配置される構成のため、回転体を磁性材料によって形成する必要があり、したがって、回転体に必要な要求品質を満足させるための選択肢が制限される。また、回転体が磁性体であることから、リール全体の重量増大も招く。
このように、特許文献1を含む従来の磁気シール機構は、部品点数が多く、重量、小型化、および、材料選択などの点において幾つかの問題を残しており、そのため、特に高速回転する小型のラインローラの部位に対して組み込むためには更なる改善が求められる。
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、釣糸を案内するラインローラを支持する軸受を磁気シール機構によってシールするに際して組み込み性に優れる磁気シール機構付きラインローラユニット、および、そのようなラインローラユニットを備える魚釣用スピニングリールを提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ハンドルの回転操作によるロータの回転により該ロータに設けられたラインローラの案内によって釣糸をスプールに巻回する魚釣用スピニングリールであって、前記ラインローラを回転可能に支持する一対の軸受をそれぞれシールするために前記各軸受に設けられる磁気シール機構を備え、前記各磁気シール機構は、対応する前記軸受に並設される磁石と、対応する前記軸受の外輪または内輪と前記磁石との間に形成される磁気回路に保持されることによりこれらの間の空間をシールする磁性流体とを有し、一対の軸受のそれぞれに並設される磁石同士の磁気吸引力によって前記ラインローラと前記軸受と前記磁気シール機構とがユニットとして一体化されて成り、一対の軸受のそれぞれに並設される磁石同士は、互いに対向する側が異なる極性に帯磁されていることを特徴とする。
この請求項1に記載の発明によれば、磁気シール機構を構成する一対の磁石同士の磁気吸引力によってラインローラと軸受と磁気シール機構とがユニットとして一体化されるため、止め具やネジ等の機械的な固定手段を用いなくても、あるいは、ユニット化のための複雑な加工を施さなくても、ラインローラ、軸受、および、磁気シール機構を一体的に且つ安定的に保持することができ、ユニットとして簡単に魚釣用スピニングリールに組み込むことができる。また、固定手段としての止め具やネジ等を外すなどの煩雑な分解作業を行なわなくても容易に分解することが可能になる。また、一対の軸受のそれぞれに並設される磁石同士は、互いに対向する側が異なる極性に帯磁されているため、ユニット化に必要な磁気吸引力を効果的に高めることができ、ユニットとしての保持安定性が向上する。また、磁気シール機構内の磁力が打ち消し合うことがなくなり、磁気シール機構のシール力が安定する。更には、磁力を利用してユニット化できるように組み込まれるため、磁石の向きを管理し易くなり生産性および品質が向上する。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記軸受が磁性体から成り、前記磁石によって前記軸受が磁化されることにより、軸受同士の磁気吸引力が前記ユニットの一体化に寄与することを特徴とする。
この請求項に記載の発明によれば、請求項に記載の発明と同様の作用効果が得られるとともに、ユニット全体の磁気吸引力が増強され、ユニットとしての保持安定性が更に向上する。
なお、本発明では、上記構成を有する磁気シール機構付きのラインローラユニットも提供される。
本発明によれば、磁気シール機構を構成する一対の磁石同士の磁気吸引力によってラインローラと軸受と磁気シール機構とがユニットとして一体化されるため、釣糸を案内するラインローラを支持する軸受を磁気シール機構によってシールするに際して組み込み性に優れる磁気シール機構付きラインローラユニット、および、そのようなラインローラユニットを備える魚釣用スピニングリールを提供できる。
本発明の第1の実施形態に係る魚釣用スピニングリールの全体の側面図である。 図1の魚釣用スピニングリールの正面図である。 図1のA−A線に沿う断面図である。 図3の要部拡大断面図である。 図4の要部拡大断面図である。 ネジを外してラインスライダおよび支持部材からラインローラユニットを取り外した状態を示す分解断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る魚釣用スピニングリールの図4に対応する要部拡大断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る魚釣用スピニングリールの図4に対応する要部拡大断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明に係る魚釣用リールの一実施形態について説明する。
図1〜図6は本発明の魚釣用スピニングリールの第1の実施形態を示している。図1および図2に示されるように、本実施形態の魚釣用スピニングリールはリール本体1を有する。リール本体1内には、ハンドル3の回転操作によって回転駆動する駆動歯車(図示しない)が設けられており、この駆動歯車には、ピニオンが噛合している。ピニオン内には、スプール軸(図示しない)が軸方向に挿通されており、このスプール軸の先端には、釣糸が巻回されるスプール5が取り付けられている。この場合、スプール軸(スプール)は、駆動歯車に係合するオシレーティング機構(図示しない)を介して、駆動歯車の回転によって前後動するように構成されている。
また、ピニオンの先端には、このピニオンと一体的に回転するロータ7が取り付けられており、このロータ7には、一対の支持アーム9が設けられている。これらの支持アーム9には、夫々、支持部材11を介して、ベール13が釣糸放出状態と釣糸巻回状態とに回動可能に支持されている。そして、一方の支持部材11とベール13の端部との間には、釣糸をスプール5へと案内するための後述する釣糸案内装置15が介装されている。
このような構成において、ハンドル3を回転操作すると、その回転運動は、駆動歯車を介してピニオンに伝達され、このピニオンを介してロータ7を回転させると共に、オシレーティング機構を介してスプール軸に伝達され、スプール5を前後動させる。これにより、釣糸は、釣糸案内装置15を介してスプール5に片寄ること無く均等に巻回される。
図3〜図5に示されるように、釣糸案内装置15は、一方の支持部材11にネジ19によって締結されており、このネジ19が螺入されるように軸方向に延出する支持部17が形成されたラインスライダ21を有している。なお、支持部17は、図示のように、ラインスライダ21に一体形成されていても良いし、支持部材11側に一体形成されていても良い。
ラインスライダ21にはベール13の一方の基端部が接続されており、釣糸巻取開始時にベール13を釣糸巻回状態に回動させると、釣糸が、ベール13からラインスライダ21を介して、釣糸案内装置15の一構成部材であるラインローラ23に案内されるようになっている。
ラインローラ23は、2つの環状の軸受であるボールベアリング25,27を介して支持部17に回転可能に支持されている。この場合、ラインローラ23は、中空の略筒体形状を成しており、その外周面は平滑化されている。これにより、釣糸巻取時にベール13からラインスライダ21を介して案内された釣糸は、ラインローラ23の外周面を滑らかに経由しながらスプール5に巻回される。なお、ラインローラ23の外周形状については、特に限定されることはない。
ボールベアリング25,27は、支持部17の外周に回り止め嵌合される内輪25a,27aと、内輪25a,27aの外側に配される外輪25b,27bと、内輪25a,27aと外輪25b,27bとの間で転動可能に保持される複数の転がり部材(コロ)25c,27cとを備えており、ボールベアリング25,27の外輪25b,27bとラインローラ23との間に介挿される樹脂製または金属製の環状カラー(環状部材)52A,52Bの内周面と支持部17の外周面との間に介在されるとともに、軸方向(ラインローラ23の回転軸Oに沿った方向)に互いに離間して並列配置されている。そして、ボールベアリング25,27は、その内部が、隣接して設置される後述の磁気シール機構31,35によってシールされた状態となっている。なお、環状カラー52A,52Bは、その当接面52Ab,52Bb(図5参照)がラインローラ23に対してその外側からこれを挟み込むように当て付くとともに、リール本体1に対するボールベアリング25,27および磁気シール機構31,35の位置決めを担っており、ラインローラ23と共に回転する。なお、環状カラー52A,52Bは、磁性体であっても非磁性体であってもよいが、後述するように、釣糸巻取り時の遠心力によって飛散した磁性流体を元の位置に戻す必要から、非磁性体が好ましく、更に、ボールベアリング25,27のスラスト方向へのせん断負荷を軽減させるためには弾性変形し易い材料が好ましいため、具体的には樹脂材料を用いるのが好ましい。
また、これら2つのボールベアリング25,27の対向端(内側端)は、共に、ラインローラ23の内側に突出するように設けられる係止部29の両端面29a,29b(図5参照)に当て付けられている。本実施形態において、この係止部29は、環状カラー52A,52Bの互いに対向する内端部を径方向内側に屈曲して互いに当接させることにより形成される。また、ボールベアリング25の外側端は、第1の磁気シール機構材31の後述する保持体32の内端面32’(図5参照)に当て付けられるとともに、この保持体32を介して、支持部17に形成された段差係止部33に当て付けられている。一方、ボールベアリング27の外側端は、第2の磁気シール機構35の後述する保持体32の内端面32’(図5参照)に当て付けられるとともに、この保持体32を介して、支持部材11に形成されて支持部17の端部に被嵌される被嵌係止部37に当て付けられている。
次に、磁気シール機構31,35について説明する。
図4および図5に明確に示されるように、磁気シール機構31(35)は、支持部17の外周に被嵌されるとともに一端が支持部17に形成された段差係止部33(支持部材11に形成されて支持部17の端部に被嵌される被嵌係止部37)に当て付けられ且つ他端(内端面32’)がボールベアリング25(27)の内輪25a(27a)の側端面に当て付けられる(したがって、回転しない)外周に段部を有する略環状の保持体32を備えており、この保持体32は、その外周の段部を用いてリング状の磁石40A(40B)をボールベアリング25(27)に並設されるように(所定の隙間を隔てて外輪25b(27b)の側端面と対向するように)保持している(例えば、磁石40A(40B)は保持体32に接着固定される)。この場合、保持体32は、保持する磁石40A(40B)と磁性体の外輪25b(27b)の側端面との間で磁性領域を発生させるような構造であれば良く、本実施形態では、真鍮、アルミ合金、樹脂、或いは金属補強された弾性材などの非磁性材料で形成されている。また、リング状の磁石40は、前記所定の隙間を介して、磁性体である外輪25b(27b)との間で磁気回路を形成する。そして、この磁気回路が形成される隙間には、磁性流体42が注油によって保持されている。すなわち、磁性流体42は、磁石40とボールベアリング25(27)の外輪25b(27b)との間に形成される磁気回路(外輪25b(27b)の側端面と磁石40との間)に保持されることによりこれらの間の隙間(空間)を密封してボールベアリング25(27)の内部をシールする。
なお、磁性体としての外輪25b(27b)は、鉄系の材料、例えば、鋼材、SUS430、SUS440C、SUS630等によって形成される。また、注入される磁性流体42は、例えばFeのような磁性微粒子を、界面活性剤およびベースオイルに分散させて構成されたものであり、粘性があって磁石を近づけると反応する特性を備えている。このため、磁性流体42は、磁石40と外輪25b(27b)の側端面との間に形成される磁気回路によって隙間内に安定して保持され、ボールベアリング25(27)内を外部に対して確実にシールする。
ここで、本実施形態の大きな特徴として、一対のボールベアリング25,27のそれぞれに並設される磁気シール機構31,35の磁石40A,40Bは、互いに対向する側が異なる極性に帯磁されており、その磁石40A,40B同士の磁気吸引力f(図3および図5参照)によってラインローラ23とボールベアリング25,27と磁気シール機構31,35とを1つのユニットUとして一体化させるようになっている。
具体的には、図5に示されるように、ボールベアリング25に隣接して設けられる磁気シール機構31の磁石40Aは、軸方向内側(ボールベアリング25と対向する側)の部位40AaがS極に帯磁されるとともに、軸方向外側(ボールベアリング25から離れて面する側)の部位40AbがN極に帯磁される。一方、ボールベアリング27に隣接して設けられる磁気シール機構35の磁石40Bは、軸方向内側(ボールベアリング27と対向する側、すなわち、磁石40Aと対向する側)の部位40BaがN極に帯磁されるとともに、軸方向外側(ボールベアリング27から離れて面する側)の部位40BbがS極に帯磁される。
すなわち、磁気シール機構31,35の磁石40A,40Bは、互いに対向する部位40Aa,40Baが異なる極性に帯磁されることにより、ラインローラ23およびボールベアリング25,27をこれらの外側から所定の力で挟み込んで保持する磁気吸引力fを発生させ、それにより、磁石40A,40Bと一体を成す保持体32と協働して、環状カラー52A,52Bの当接面52Ab,52Bb、係止部29の両端面29a,29b、および、保持体32の内端面32’を介して、ラインローラ23およびボールベアリング25,27を挟圧して一体化し、図6に示されるようにネジ19を介してラインスライダ21と支持部17との間に組み付けることができるラインローラユニットUを形成する。
また、本実施形態において、磁気シール機構31,35の磁石40A,40Bは、隣接して配置される磁性体としてのボールベアリング25,27を磁化しており、ボールベアリング25,27同士の磁気吸引力fがラインユニットUの一体化に寄与するようにしている。
また、本実施形態では、ロータ7の回転に伴う遠心力F(図2参照)によって磁性流体42が飛散し得る方向に、飛散する磁性流体42を受けるための受け部70,72が設けられている。ここで、「磁性流体が飛散し得る方向」は、ロータ7の回転に伴う遠心力Fによって磁性流体42が飛散し得る全ての方向を含むが、本実施形態では、特に、ロータ7の回転中心とボールベアリング25,27をシールする磁性流体42とを結ぶラインの方向F1,F2(図4参照)に受け部70,72が設けられる。すなわち、ラインスライダ21側のボールベアリング25に対応して図4に矢印F1で示される方向に受け部70が設けられ、支持部材11側のボールベアリング27に対応して図4に矢印F2で示される方向に受け部72が設けられる。
具体的に、受け部70は、磁気シール機構31をその径方向外側から覆うように遠心力F1方向で磁性流体42と対向する環状カラー52Aの部位に凹陥状の溝(または、屈曲凹部)52Aaを設けることにより形成され、一方、受け部72は、回転しない保持体32によって形成されている。具体的には、受け部72は、保持体32から径方向外側に延びてラインローラ23側へ向けて屈曲する屈曲延出部32aによって形成されており、この屈曲延出部32aは、磁気シール機構35をその径方向外側から覆うように遠心力F2方向で磁性流体42と対向する凹陥部を環状カラー52Bの外端部52Ba(ラインローラ23の内面に沿て径方向外側に折れ曲がる部位)と共に形成する。また、これらの受け部70,72は、磁石40の磁力が作用する範囲内に設けられる。ここで、「磁石の磁力が作用する範囲」とは、受け部70,72に受けられた磁性流体42が少なくとも遠心力が作用しない状態で磁石40の磁力によって元の位置(外輪25b(27b)の側端面と磁石40との間の隙間)へ戻ることができる範囲内のことであり、設けられる磁石40の磁力、磁性流体42の量などに依存する。
以上説明したように、本実施形態によれば、磁気シール機構31,35を構成する一対の磁石40A,40B同士の磁気吸引力fによってラインローラ23とボールベアリング25,27と磁気シール機構31,35とがラインローラユニットUとして一体化されるため、止め具やネジ等の機械的な固定手段を用いなくても、あるいは、ユニット化のための複雑な加工を施さなくても、ラインローラ23、ボールベアリング25,27、および、磁気シール機構31,35を一体的に且つ安定的に保持することができ、ラインローラユニットUとして簡単に魚釣用スピニングリールに組み込むことができる(図6参照)。また、止め具や固定手段としてのネジ等を外すなどの煩雑な分解作業を行なわなくても容易に分解することが可能になる。また、磁気シール機構31,35の磁石40A,40Bは、互いに対向する部位40Aa,40Baが異なる極性に帯磁されることにより、磁気シール機構31,35内の磁力が打ち消し合うことがなくなり、磁気シール機構31,35のシール力が安定する。更には、磁力を利用してユニット化できるように組み込まれるため、磁石の向きを管理し易くなり生産性および品質が向上する。
また、本実施形態によれば、磁気シール機構31,35が従来のように極板を有さず、磁石40A,40Bとボールベアリング25,27の外輪25b,27bとの間で直接に磁性流体42が保持されるため、全体の部品点数が少なくなり、組み込み作業性が良好となって生産性が向上する。また、極板を排除したことにより、極板の厚み寸法分だけ磁気シール機構31,35の幅寸法を小さくできるため、省スペース化を図ることができる。また、比重の高い磁性体である極板を排除したことにより、磁気シール機構31,35全体の軽量化を図ることもできる。更に、磁性流体42が回転体であるラインローラ23に直接に接触するように配置されないため、ラインローラ32を磁性材料によって形成する必要がなく、したがって、ラインローラ23の材料選択の自由度を高く確保できる。
図7は本発明の第2の実施形態を示している。図示のように、本実施形態では、ボールベアリング25,27の外輪25b,27bとラインローラ23との間に環状カラー52A,52Bが介挿されていない。したがって、2つのボールベアリング25,27の対向端(内側端)は、共に、ラインローラ23の内周面に突出形成された係止部29の両端面29a,29bに当て付けられている。なお、それ以外の構成は第1の実施形態と同一である。したがって、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
図8は本発明の第3の実施形態を示している。図示のように、本実施形態は、第2の実施形態の変形例であり、ボールベアリング25,27間に磁性体(例えば、SUS440)から成るスペーサ80が介挿されるとともに、ラインローラユニットUのユニット化のために必要な磁気吸引力f、fを効果的に高める磁極配置を特徴としている点が第2の実施形態と異なる。
具体的には、本実施形態では、ボールベアリング25に隣接して設けられる磁気シール機構31の磁石40Aは、軸方向内側(ボールベアリング25と対向する側)の部位40AaがS極に帯磁されるとともに、軸方向外側(ボールベアリング25から離れて面する側)の部位40AbがN極に帯磁される。一方、ボールベアリング27に隣接して設けられる磁気シール機構35の磁石40Bは、軸方向内側(ボールベアリング27と対向する側、すなわち、磁石40Aと対向する側)の部位40BaがN極に帯磁されるとともに、軸方向外側(ボールベアリング27から離れて面する側)の部位40BbがS極に帯磁される。また、S極に帯磁された磁石40Aの部位40Aaと対向するボールベアリング25の外輪25bおよび内輪25aの外側部位25ba,25aaは、磁石40Aとの間の磁気吸引力を高めるべく磁石40Aの部位40Aaと反対の極性であるN極に帯磁され、一方、N極に帯磁された磁石40Bの部位40Baと対向するボールベアリング27の外輪27bおよび内輪27aの外側部位27bb,27abは、磁石40Bとの間の磁気吸引力を高めるべく磁石40Bの部位40Baと反対の極性であるS極に帯磁される。また、これらに対応して、ボールベアリング25の外輪25bおよび内輪25aの内側部位25bb,25abがS極に帯磁されるとともに、ボールベアリング27の外輪27bおよび内輪27aの内側部位27ba,27aaがN極に帯磁される。更に、ボールベアリング25,27間に介挿される磁性体から成るスペーサ80は、ボールベアリング25の内輪25aのS極に帯磁された内側部位25abと対向する部位80aがN極に帯磁され、また、ボールベアリング27の内輪27aのN極に帯磁された内側部位27aaと対向する部位80bがS極に帯磁される。なお、それ以外の構成は第2の実施形態と同一である。したがって、第1および第2のの実施形態と同様の作用効果を得ることができるとともに、ユニット化のための磁気吸引力を第1および第2の実施形態の場合よりも増強でき、ラインローラユニットUの保持安定性を高めることができる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることは言うまでもない。例えば、前述した実施形態では、磁性流体が磁石とボールベアリングの外輪との間に保持されているが、磁性流体が磁石とボールベアリングの内輪との間に保持されても構わない。また、前述した実施形態では、ボールベアリング25に隣接して設けられる磁気シール機構31の磁石40Aの部位40AaがS極に帯磁され、ボールベアリング27に隣接して設けられる磁気シール機構35の磁石40Bの部位40BaがN極に帯磁されているが、これらの極性が逆であってもよい。また、この逆の極性配置に伴って前述した各磁性体要素の極性配置も逆になってもよい。また、一対の軸受に関しては必ずしも同一のボールベアリングで有る必要はなく、一方がボールベアリングであって、他方が樹脂製の円筒状のカラー部材からなる軸受であってもよい。更に、磁気シール機構の構造は前述した実施形態に限定されず、磁性流体を伴う任意のシール構造を採用できる。
3 ハンドル
5 スプール
7 ロータ
23 ラインローラ
25,27 ボールベアリング(軸受)
25a,27a 内輪
25b,27b 外輪
31,35 磁気シール機構
40A,40B 磁石
42 磁性流体
U ラインローラユニット

Claims (4)

  1. ハンドルの回転操作によるロータの回転により該ロータに設けられたラインローラの案内によって釣糸をスプールに巻回する魚釣用スピニングリールであって、
    前記ラインローラを回転可能に支持する一対の軸受をそれぞれシールするために前記各軸受に設けられる磁気シール機構を備え、
    前記各磁気シール機構は、対応する前記軸受に並設される磁石と、対応する前記軸受の外輪または内輪と前記磁石との間に形成される磁気回路に保持されることによりこれらの間の空間をシールする磁性流体とを有し、
    一対の軸受のそれぞれに並設される磁石同士の磁気吸引力によって前記ラインローラと前記軸受と前記磁気シール機構とがユニットとして一体化されて成り、
    一対の軸受のそれぞれに並設される磁石同士は、互いに対向する側が異なる極性に帯磁されていることを特徴とする魚釣用スピニングリール。
  2. 前記軸受が磁性体から成り、前記磁石によって前記軸受が磁化されることにより、軸受同士の磁気吸引力が前記ユニットの一体化に寄与することを特徴とする請求項に記載の魚釣用スピニングリール。
  3. ハンドルの回転操作によるロータの回転により該ロータに設けられたラインローラの案内によって釣糸をスプールに巻回する魚釣用スピニングリールに組み込まれるラインローラユニットであって、
    前記ラインローラと、
    前記ラインローラを回転可能に支持する一対の軸受と、
    前記一対の軸受をそれぞれシールするために前記各軸受に設けられる磁気シール機構と、
    を備え、
    前記各磁気シール機構は、対応する前記軸受に並設される磁石と、対応する前記軸受の外輪または内輪と前記磁石との間に形成される磁気回路に保持されることによりこれらの間の空間をシールする磁性流体とを有し、
    一対の軸受のそれぞれに並設される磁石同士の磁気吸引力によって前記ラインローラと前記軸受と前記磁気シール機構とがユニットとして一体化されて成り、
    一対の軸受のそれぞれに並設される磁石同士は、互いに対向する側が異なる極性に帯磁されていることを特徴とするラインローラユニット。
  4. 前記軸受が磁性体から成り、前記磁石によって前記軸受が磁化されることにより、軸受同士の磁気吸引力が前記ユニットの一体化に寄与することを特徴とする請求項に記載のラインローラユニット。
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