JPH074930U - 磁性流体シール装置付転がり軸受ユニット - Google Patents
磁性流体シール装置付転がり軸受ユニットInfo
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- JPH074930U JPH074930U JP3654993U JP3654993U JPH074930U JP H074930 U JPH074930 U JP H074930U JP 3654993 U JP3654993 U JP 3654993U JP 3654993 U JP3654993 U JP 3654993U JP H074930 U JPH074930 U JP H074930U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】ポールピース5、5の位置ずれ防止を図ると共
に、シャフト1とハウジング2との位置関係を正確に規
制する。 【構成】転がり軸受3、3の外輪9、9の間にスペーサ
19a、19bとポールピース5、5と永久磁石4とを
挟持して、軸力伝達手段18を構成する。皿ばね24の
弾力により、上記各転がり軸受3、3に予圧を付与す
る。
に、シャフト1とハウジング2との位置関係を正確に規
制する。 【構成】転がり軸受3、3の外輪9、9の間にスペーサ
19a、19bとポールピース5、5と永久磁石4とを
挟持して、軸力伝達手段18を構成する。皿ばね24の
弾力により、上記各転がり軸受3、3に予圧を付与す
る。
Description
【0001】
この考案に係る磁性流体シール装置付転がり軸受ユニットは、例えば半導体製 造装置や産業機械に組み込んで、回転軸(シャフト)をケースの壁部に回転自在 に支持すると共に、この回転軸が上記壁部を挿通する部分の気密保持を確実に図 る為に利用する。
【0002】
例えば半導体製造装置の場合、内部を真空にしたケース内に設けた装置を、こ のケース外に設けたモータにより駆動する必要がある。従って、このモータによ り回転させられるシャフトを、上記ケースの壁面を貫通した状態で配置するが、 上記シャフトをケースの壁部に回転自在に支持すると共に、この壁部を貫通する 部分の気密保持を確実に図る必要がある。この様な事情に鑑みて従来から、図1 1に示す様な磁性流体シール装置付転がり軸受が知られている。
【0003】 この磁性流体シール装置付転がり軸受は、円筒形の外周面を有するシャフト1 を、このシャフト1と同心に配置されたハウジング2の内側に、1対の転がり軸 受3、3により回転自在に支持している。上記ハウジング2は、アルミニウム合 金等の非磁性材により円筒形に造られている。このハウジング2は、図示しない ケースの壁面に設けた通孔の内側に、この通孔の内周縁との間の気密を保持した 状態で支持固定する。
【0004】 上記ハウジング2の外周面と上記シャフト1の内周面との間には、永久磁石ユ ニットである永久磁石4と、1対のポールピース5、5と、磁性流体6、6とを 備えた磁性流体シール装置7を組み付けている。上記永久磁石4は、円輪状に形 成されて軸方向(図11の左右方向)に亙り着磁されており、上記ハウジング2 の内周面に支持されている。この永久磁石4の両端面には、それぞれ磁性材製の ポールピース5、5を添設している。そして、各ポールピース5、5の内周縁と 上記シャフト1の外周面との間の微小隙間にそれぞれ磁性流体6、6を、上記永 久磁石4の磁力に基づいて保持している。上記各ポールピース5、5の外周縁と 上記ハウジング2の内周面との気密保持は、各ポールピース5、5の外周縁の係 止溝内に装着したOリング10、10により保持している。
【0005】 上記各微小隙間に磁性流体6、6を保持する必要上、上記シャフト1の一部外 周面で、上記各ポールピース5、5の内周縁と対向する部分は磁性材製とする必 要がある。この為に図11の例では、シャフト1全体を磁性材製としているが、 シャフト1自体は非磁性材製とし、このシャフト1に磁性材製で円筒状のスリー ブを外嵌する場合もある。
【0006】 又、上記ハウジング2の内周面で、上記磁性流体シール装置7を挟む位置には 、1対のスペーサ8a、8bを設けている。前記1対の転がり軸受3、3を構成 する外輪9、9は、更にこのスペーサ8a、8bを挟む位置で、上記ハウジング 2の内周面に内嵌固定している。従来構造の場合、上記1対のスペーサ8a、8 bと永久磁石4とポールピース5、5との厚さ寸法の合計は、上記外輪9、9の 端面同士の間隔よりも少し小さくしている。従って、例えばスペーサ8aと外輪 9の端面との間には隙間11が存在する。
【0007】 前記1対の転がり軸受3、3への予圧付与は、上記ハウジング2の一端(図1 1の右端)開口部に螺着した抑えナット12の緊締により行なっている。即ち、 この抑えナット12から一方(図11の右方)の転がり軸受3の外輪9に加えら れた、図11で左方向のスラスト荷重は、この転がり軸受3を構成する転動体1 3(玉)及び内輪14、上記シャフト1の外輪に止着したストップリング15a を介して、このシャフト1に伝達される。更にこのスラスト荷重は、上記シャフ ト1の外周面に止着した別のストップリング15bを介して、他方(図11の左 方)の転がり軸受3を構成する内輪14に伝達される。
【0008】 上記抑えナット12の緊締に基づくスラスト荷重が、上述の様に伝わる為、上 記一方の転がり軸受3は抑えナット12とストップリング15aとの間で、上記 他方の転がり軸受3は上記ストップリング15bとハウジング2の他端開口部内 周縁に形成した内向フランジ部16との間で、それぞれ挟持されて、上記スラス ト荷重に見合った予圧が付与される。
【0009】
ところが、上述の様に構成される従来の磁性流体シール装置付転がり軸受ユニ ットの場合、次のの様な、解決すべき問題がある。
【0010】 磁性流体シール装置7の性能維持が不完全となる可能性を否定出来ない。即ち 、隙間11の存在に基づき、磁性流体シール装置7を構成するポールピース5、 5がシャフト1の軸方向(図11の左右方向)にずれ動く可能性がある。そして 、ずれ動いた場合には、永久磁石4の磁力による磁性流体6、6の保持力が低下 し、この磁性流体が上記ポールピース5、5の内周縁から離れて、周囲に散逸す る恐れがある。磁性流体6、6の散逸は、磁性流体シール装置7のシール性能を 阻却するだけでなく、この磁性流体シール装置7によって外部と隔てられた清浄 空間を汚染する原因となる為、好ましくない。
【0011】 ハウジング2端面からのシャフト1の突出量Lを厳密に規制する事が難しい。 即ち、この突出量Lは、基本的には上記ハウジング2とシャフト1との軸方向に 亙る寸法で定まるが、抑えナット12の緊締に伴なう、転がり軸受3、3への予 圧付与により、僅かとは言え変化する事が避けられない。しかも、この様な予圧 付与に基づく変化量を正確に予測する事は難しい為、予圧付与を完了した時点で の上記突出量Lを、μm単位まで厳密に規制する事は難しい。
【0012】 仮に、この突出量Lを厳密に規制する必要があれば、図12に示す様に、ハウ ジング2端部に形成した内向フランジ部16の内側面と、この内向フランジ部1 6に対向する外輪9の端面との間にスペーサ17を挟持する事が考えられる。こ のスペーサ17の厚さ寸法tを調節すれば、上記突出量Lを厳密に規制できる。 ところが、所望の突出量Lを得る為のスペーサ17の厚さ寸法tは、上記転がり 軸受3、3への予圧付与を行なった後でなければ知る事ができない。従って、ス ペーサ17により上記突出量Lを厳密に規制する為には、磁性流体シール装置付 転がり軸受ユニットを一度組み立てた後分解し、所定の厚さ寸法tを有するスペ ーサ17を組み付けた状態で、再び組立作業を行なわなければならず、磁性流体 シール装置付転がり軸受ユニットの組立作業が面倒になる。
【0013】 本考案の磁性流体シール装置付転がり軸受ユニットは、上述の様な事情に鑑み て考案したものである。
【0014】
本考案の磁性流体シール装置付転がり軸受ユニットは、前述した従来の磁性流 体シール装置付転がり軸受ユニットと同様に、少なくとも表面を磁性材により覆 われた円筒形の外周面を有するシャフトと、円筒形の内周面を有し、このシャフ トと同心に配置されたハウジングと、上記外周面と内周面との間に設けられた磁 性流体シール装置と、この磁性流体シール装置を挟む軸方向に離隔した2個所位 置で、上記外周面と内周面との間に設けられた少なくとも1対の転がり軸受とを 備えている。そして、上記磁性流体シール装置は、軸方向に着磁された永久磁石 を含む永久磁石ユニットと、この永久磁石ユニットに添設された磁性材製のポー ルピースと、磁性流体とから成る。又、この磁性流体は、上記ポールピースの内 周縁と、上記外周面との間の微小隙間に、上記永久磁石の磁力に基づいて保持さ れるものである。更に、上記1対の転がり軸受はそれぞれ、上記ハウジングの内 周面に内嵌支持された外輪と、上記シャフトの外周面に外嵌支持された内輪と、 外輪内周面の外輪軌道と内輪外周面の内輪軌道との間にそれぞれ複数個ずつ設け られた転動体とから成るものである。
【0015】 特に、本考案の磁性流体シール装置付転がり軸受ユニットに於いては、上記1 対の転がり軸受を構成する1対の外輪の端面同士の間には、複数の部材を軸方向 に重ね合わせて成り、各転がり軸受に予圧を付与する力を伝達する為の軸力伝達 手段が設けられている。そして、この軸力伝達手段には、互いに軸方向に重ね合 わされた上記永久磁石ユニット及びポールピースが含まれている。又、上記1対 の転がり軸受を構成する1対の内輪の内、一方の内輪と上記シャフトとの間には 、この一方の内輪が上記軸力伝達手段から離れる方向に変位する事を阻止する変 位阻止手段が設けられている。更に、他方の内輪と上記シャフトとの間には、こ の他方の内輪を上記軸力伝達手段に向け押圧する、押圧手段が設けられている事 を特徴としている。
【0016】
上述の様に構成される本考案の磁性流体シール装置付転がり軸受ユニットによ り、ハウジングの内側にシャフトを回転自在に支持すると共に、ハウジングの内 周面とシャフトの外周面との間の空間を密閉する際の作用は、前述した従来の磁 性流体シール装置付転がり軸受ユニットの場合と同様である。
【0017】 特に、本考案の磁性流体シール装置付転がり軸受ユニットの場合には、磁性流 体シール装置を構成する永久磁石ユニットとポールピースとが軸方向にずれ動く 事がなく、ポールピースの周縁部に支持された磁性流体が周囲に散逸しにくい。 又、転がり軸受への予圧付与に伴う変位を、上記ハウジングにシャフトを挿入す る以前に知る事ができる為、ハウジング端面からのシャフトの突出量を厳密に規 制する事が容易になる。
【0018】
図1は本考案の第一実施例を示している。前述の図11に示した従来構造と同 等部分には同一符号を付して重複する説明を省略し、以下、本考案の特徴部分に 就いて説明する。
【0019】 1対の転がり軸受3、3を構成する1対の外輪9、9の端面同士の間には、こ れら各転がり軸受3、3に予圧を付与する為の軸力伝達手段18が設けられてい る。この軸力伝達手段18は、円輪状に形成されて軸方向に着磁された、永久磁 石ユニットそのものである永久磁石4と、この永久磁石4を挟む1対のポールピ ース5、5と、これら永久磁石4及びポールピース5、5を挟む1対のスペーサ 19a、19bとを、互いに軸方向に亙り直列に重ね合わせて成る。この様な軸 力伝達手段18を構成する各部材4、5、19a、19b、並びに上記1対の外 輪9、9は、内向フランジ部16と抑えナット12との間で挟持される事により 、ハウジング2の内側に固定されている。尚、上記各スペーサ19a、19bは 非磁性材である事が好ましいが、磁性材であっても良い。
【0020】 又、上記1対の転がり軸受3、3を構成する1対の内輪14、14の内、一方 (図1の左方)の転がり軸受3を構成する内輪14とシャフト1との間には、変 位阻止手段であるストップリング20を設けて、この内輪14が上記軸力伝達手 段18から離れる方向(図1の左方向)に変位する事を阻止している。
【0021】 更に、他方の内輪14と上記シャフト1との間には押圧手段21を設けて、こ の他方の内輪14を上記軸力伝達手段18に向け押圧している。即ち、上記シャ フト1の外周面に螺子止め等により固定した環体22と、上記他方の内輪14の 端面に添設したスペーサ23との間に皿ばね24を設けて、上記押圧手段21を 構成し、上記皿ばね24の弾力により、上記他方の内輪14を上記軸力伝達手段 18に向け押圧している。
【0022】 押圧手段21による押圧力は、上記他方の転がり軸受3の内輪14、同じく転 動体13、同じく外輪9、軸力伝達手段18、上記一方の転がり軸受3の外輪9 、同じく転動体13を介して、この一方の転がり軸受3の内輪14にまで伝わり 、上記ストップリング20により支承される。即ち、上記1対の転がり軸受3、 3の何れにも、上記押圧力が加わる為、各転がり軸受3、3に、上記皿ばね24 の弾力に応じた予圧が付与される。
【0023】 上述の様に構成される本考案の磁性流体シール装置付転がり軸受ユニットの作 用の内、1対の転がり軸受3、3によりハウジング2の内側にシャフト1を回転 自在に支持する作用、並びに磁性流体シール装置7によりハウジング2の内周面 とシャフト1の外周面との間の空間を密閉する際の作用は、前述した従来の磁性 流体シール装置付転がり軸受ユニットの場合と同様である。
【0024】 特に、本考案の磁性流体シール装置付転がり軸受ユニットの場合には、上記磁 性流体シール装置7が上記ハウジング2の内側にしっかりと固定されており、こ の磁性流体シール装置7を構成する永久磁石4とポールピース5、5とが軸方向 にずれ動く事がない。従って、各ポールピース5、5の内周縁に保持された磁性 流体6、6の保持力が失われにくく、この磁性流体6、6が周囲に散逸しにくい 。
【0025】 又、各転がり軸受3、3への予圧付与に伴う変位を、上記ハウジング2にシャ フト1を挿入する以前に知る事でできる。この結果、ハウジング2端面からのシ ャフト1の突出量L´を厳密に規制する事が容易になる。即ち、本考案の磁性流 体シール装置付転がり軸受ユニットの場合には、シャフト1の周囲に上記磁性流 体シール装置7及び1対のスペーサ19a、19bを設けると共に、1対の転が り軸受3、3の内輪14、14を外嵌した状態で、これら各部材を上記ハウジン グ2内に挿入する以前に、上記各転がり軸受3、3に予圧を付与できる。
【0026】 従って、予圧付与後、ハウジング2の内向フランジ部16に対向すべき外輪9 の端面からのシャフト1の突出量Hを測定しておけば、この突出量Hと上記内向 フランジ部16の厚さ寸法Tとから、ハウジング2への組み付け完了時点に於け る上記突出量L´を正確に予測できる。所望の突出量L´を所望値とする為に、 上記外輪9の端面と内向フランジ16の内側面との間にシム板を挟持する作業は 、分解組立等の面倒な作業を要する事なく、容易に行なえる。
【0027】 次に、図2は本考案の第二実施例を示している。前述した従来例及び上述した 第一実施例が、磁性流体シール装置7(図1、11参照)に円環状の永久磁石4 を、永久磁石ユニットとして含んでいたのに対し、本実施例の場合には、それぞ れが円柱状で軸方向に着磁された複数の永久磁石25、25を永久磁石ユニット として使用する事により、上記磁性流体シール装置7を構成している。これら複 数の永久磁石25、25は、円環状に配設した状態で、1対のポールピース5、 5(図1、11)の間に挟持される。その他の構成及び作用は、前述した第一実 施例と同様である。
【0028】 次に、図3は本考案の第三実施例を示している。本実施例の場合、永久磁石ユ ニットを構成する円環状の永久磁石4の表面にメッキ層26を設ける事で、この 永久磁石4の強度向上を図っている。これは、永久磁石4が軸力伝達手段18の 構成部品であり、転がり軸受3、3(図1)に予圧を付与する為の力を伝達する 役目を持つ為である。尚、メッキ処理の方法としては、無電解ニッケルメッキが 一般的に使用できるが、ニッケルメッキ、カドミウムメッキ、亜鉛メッキ、硬質 クロムメッキ等も使用可能である。メッキ層26の厚さは、2〜100μm程度 あれば良い。又、メッキ層26は、円環状の永久磁石4の表面だけでなく、図2 に示した円柱状の永久磁石25、25の表面に設ける事もできる。
【0029】 次に、図4は本考案の第四実施例を示している。前述の第二実施例が、長さ寸 法の揃った永久磁石25、25(図2)を複数本円環状に配置する事により、永 久磁石ユニットとしていたのに対して、本実施例の場合には、長い永久磁石25 a、25aと短い永久磁石25b、25bとを混ぜた状態で円環状に配置する事 により、永久磁石ユニットを構成している。この内、長さの揃った長い永久磁石 25a、25aが、予圧付与の為の軸方向の力の伝達を行なう。本実施例の場合 には、短い永久磁石25b、25bの長さ寸法を厳密に規制する必要がないので 、部品製作上有利となる。尚、上記2種類の永久磁石25a、25bの長さ寸法 の差dLが10μmあっても、短い永久磁石25b、25bからポールピース5、 5(図1)への磁力伝達に支障はない。その他の構成及び作用は、前述した第二 実施例と同様である。
【0030】 次に、図5は本考案の第五実施例を示している。本実施例の場合には、各ポー ルピース5、5の側面外周寄り部分にスペーサ筒部27a、27bを、各ポール ピース5、5と一体に形成している。各ポールピース5、5とは独立したスペー サ19a、19b(図1)は省略している。その他の構成及び作用は、前述した 第一実施例の場合と同様である。
【0031】 次に、図6は本考案の第六実施例を示している。本実施例の場合には、各ポー ルピース5、5の厚さ寸法を大きくすると共に、シャフト1の外周面で各ポール ピース5、5の内周面と対向する部分に、それぞれ複数本の凹溝28、28を、 上記シャフト1の円周方向に亙って形成している。そして、上記各ポールピース 5、5の内周面と、上記シャフト1の外周面で隣り合う凹溝28、28同士に挟 まれた部分との間に、それぞれ磁性流体6、6を保持している。本実施例の場合 、磁性流体6、6が軸方向に亙って多段に設けられる為、シール可能な圧力差を 大きくできる。
【0032】 次に、図7は本考案の第七実施例を示している。本実施例の場合、それぞれが 1対のポールピース5、5により永久磁石4を挟持したシールユニット29、2 9を複数組(図示の例では3組)、スペーサ30、30を介して軸方向に亙り重 ね合わせている。本実施例の場合も、上述した第六実施例の場合と同様に、磁性 流体6、6が軸方向に亙って多段に設けられる為、シール可能な圧力差を大きく できる。
【0033】 次に、図8は本考案の第八実施例を示している。本実施例の場合には、非磁性 材により短円筒状に形成されたスペーサ31の内側に円環状の永久磁石4を設け て、永久磁石ユニット32を構成している。この永久磁石ユニット32を、1対 のポールピース5、5の間に挟持している。スペーサ31の長さ寸法は永久磁石 4の長さ寸法よりも僅かに大きい。従って、上記永久磁石4の少なくとも片面と この片面が対向するポールピース5の側面との間には、微小隙間が存在するが、 永久磁石4からポールピース5、5への磁力伝達に支障はない。
【0034】 尚、上記永久磁石ユニット32を構成する為に、円環状の永久磁石4に代えて 、図9に示す様に、それぞれが円柱状に形成された複数本の永久磁石25、25 を使用する事もできる。更に、上記スペーサ31として、図10に示す様に、複 数に分割される構造のものを使用する事もできる。本実施例の場合、各永久磁石 25、25の長さ寸法を厳密に揃える必要がない。
【0035】 上述した各実施例は何れも、固定のハウジング2の内側にシャフト1を回転自 在に支持する構造に就いて説明したが、本考案の磁性流体シール装置付転がり軸 受ユニットは、この様な構造に限定されず、固定軸の周囲にロータを、回転自在 に支持する構造にも適用できる。但し、この様な固定軸を含む構造の場合には、 永久磁石ユニット及びポールピースは固定軸の外周面に支持し、磁性流体はポー ルピースの外周縁と上記ロータの内周面との間に保持する等、内外周が図示の実 施例の場合とは逆になる(請求項2参照)。
【0036】
本考案の磁性流体シール装置付転がり軸受ユニットは、以上に述べた通り構成 され作用するので、磁性流体シール装置の性能維持を図ると同時に清浄空間が汚 染される可能性を低くし、しかもハウジング端面からのシャフトの突出量を厳密 に規制する事を容易に行なえる。
【図1】本考案の第一実施例を示す、磁性流体シール装
置付転がり軸受ユニットの半部断面図。
置付転がり軸受ユニットの半部断面図。
【図2】同第二実施例を示す、永久磁石の斜視図。
【図3】同第三実施例を示す、永久磁石の断面図。
【図4】同第四実施例を示す、永久磁石の側面図。
【図5】同第五実施例を、ハウジングを省略した状態で
示す、磁性流体シール装置付転がり軸受ユニットの半部
断面図。
示す、磁性流体シール装置付転がり軸受ユニットの半部
断面図。
【図6】同第六実施例を、ハウジングを省略した状態で
示す、磁性流体シール装置付転がり軸受ユニットの半部
断面図。
示す、磁性流体シール装置付転がり軸受ユニットの半部
断面図。
【図7】同第七実施例を、ハウジングを省略した状態で
示す、磁性流体シール装置付転がり軸受ユニットの半部
断面図。
示す、磁性流体シール装置付転がり軸受ユニットの半部
断面図。
【図8】同第八実施例を、ハウジングを省略した状態で
示す、磁性流体シール装置付転がり軸受ユニットの半部
断面図。
示す、磁性流体シール装置付転がり軸受ユニットの半部
断面図。
【図9】第八実施例の変形例に使用する永久磁石ユニッ
トの斜視図。
トの斜視図。
【図10】永久磁石ユニットに使用するスペーサの別例
を示す斜視図。
を示す斜視図。
【図11】従来構造の1例を示す半部断面図。
【図12】シャフトの突出量を調節する為のスペーサの
装着状態を示す、図11のA部に相当する断面図。
装着状態を示す、図11のA部に相当する断面図。
1 シャフト 2 ハウジング 3 転がり軸受 4 永久磁石 5 ポールピース 6 磁性流体 7 磁性流体シール装置 8a、8b スぺーサ 9 外輪 10 Oリング 11 隙間 12 抑えナット 13 転動体 14 内輪 15a、15b ストップリング 16 内向フランジ部 17 スぺーサ 18 軸力伝達手段 19a、19b スぺーサ 20 ストップリング 21 押圧手段 22 環体 23 スぺーサ 24 皿ばね 25、25a、25b 永久磁石 26 メッキ層 27a、27b スぺーサ筒部 28 凹溝 29 シールユニット 30、31 スぺーサ 32 永久磁石ユニット
Claims (2)
- 【請求項1】 少なくとも表面を磁性材により覆われた
円筒形の外周面を有するシャフトと、円筒形の内周面を
有し、このシャフトと同心に配置されたハウジングと、
上記外周面と内周面との間に設けられた磁性流体シール
装置と、この磁性流体シール装置を挟む軸方向に離隔し
た2個所位置で、上記外周面と内周面との間に設けられ
た少なくとも1対の転がり軸受とを備え、 上記磁性流体シール装置は、軸方向に着磁された永久磁
石を含む永久磁石ユニットと、この永久磁石ユニットに
添設された磁性材製のポールピースと、磁性流体とから
成り、 この磁性流体は、上記ポールピースの内周縁と、上記外
周面との間の微小隙間に、上記永久磁石の磁力に基づい
て保持されるものであり、 上記1対の転がり軸受はそれぞれ、上記ハウジングの内
周面に内嵌支持された外輪と、上記シャフトの外周面に
外嵌支持された内輪と、外輪内周面の外輪軌道と内輪外
周面の内輪軌道との間にそれぞれ複数個ずつ設けられた
転動体とから成るものである磁性流体シール装置付転が
り軸受ユニットに於いて、 上記1対の転がり軸受を構成する1対の外輪の端面同士
の間には、複数の部材を軸方向に重ね合わせて成り、各
転がり軸受に予圧を付与する力を伝達する為の軸力伝達
手段が設けられており、 この軸力伝達手段には、互いに軸方向に重ね合わされた
上記永久磁石ユニット及びポールピースが含まれてお
り、 上記1対の転がり軸受を構成する1対の内輪の内、一方
の内輪と上記シャフトとの間には、この一方の内輪が上
記軸力伝達手段から離れる方向に変位する事を阻止する
変位阻止手段が設けられており、 他方の内輪と上記シャフトとの間には、この他方の内輪
を上記軸力伝達手段に向け押圧する、押圧手段が設けら
れている事を特徴とする磁性流体シール装置付転がり軸
受ユニット。 - 【請求項2】 円筒形の外周面を有するシャフトと、少
なくとも表面を磁性材により覆われた円筒形の内周面を
有し、このシャフトと同心に配置されたハウジングと、
上記外周面と内周面との間に設けられた磁性流体シール
装置と、この磁性流体シール装置を挟む軸方向に離隔し
た2個所位置で、上記外周面と内周面との間に設けられ
た少なくとも1対の転がり軸受とを備え、 上記磁性流体シール装置は、軸方向に着磁された永久磁
石を含む永久磁石ユニットと、この永久磁石ユニットに
添設された磁性材製のポールピースと、磁性流体とから
成り、 この磁性流体は、上記ポールピースの外周縁と、上記内
周面との間の微小隙間に、上記永久磁石の磁力に基づい
て保持されるものであり、 上記1対の転がり軸受はそれぞれ、上記ハウジングの内
周面に内嵌支持された外輪と、上記シャフトの外周面に
外嵌支持された内輪と、外輪内周面の外輪軌道と内輪外
周面の内輪軌道との間にそれぞれ複数個ずつ設けられた
転動体とから成るものである磁性流体シール装置付転が
り軸受ユニットに於いて、 上記1対の転がり軸受を構成する1対の内輪の端面同士
の間には、複数の部材を軸方向に重ね合わせて成り、各
転がり軸受に予圧を付与する力を伝達する為の軸力伝達
手段が設けられており、 この軸力伝達手段には、互いに軸方向に重ね合わされた
上記永久磁石ユニット及びポールピースが含まれてお
り、 上記1対の転がり軸受を構成する1対の外輪の内、一方
の外輪と上記ハウジングとの間には、この一方の外輪が
上記軸力伝達手段から離れる方向に変位する事を阻止す
る変位阻止手段が設けられており、 他方の外輪と上記ハウジングとの間には、この他方の外
輪を上記軸力伝達手段に向け押圧する、押圧手段が設け
られている事を特徴とする磁性流体シール装置付転がり
軸受ユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3654993U JP2584951Y2 (ja) | 1993-06-11 | 1993-06-11 | 磁性流体シール装置付転がり軸受ユニット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3654993U JP2584951Y2 (ja) | 1993-06-11 | 1993-06-11 | 磁性流体シール装置付転がり軸受ユニット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH074930U true JPH074930U (ja) | 1995-01-24 |
JP2584951Y2 JP2584951Y2 (ja) | 1998-11-11 |
Family
ID=12472854
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3654993U Expired - Fee Related JP2584951Y2 (ja) | 1993-06-11 | 1993-06-11 | 磁性流体シール装置付転がり軸受ユニット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2584951Y2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002284021A (ja) * | 2001-03-28 | 2002-10-03 | Showa Corp | 電動パワーステアリング装置 |
JP2011501063A (ja) * | 2007-10-18 | 2011-01-06 | リガク イノベイティブ テクノロジーズ インコーポレイテッド | 各シール段階での流体量の精密制御を伴う磁性流体シールの製造方法、及び磁性流体シール |
JP2011174547A (ja) * | 2010-02-24 | 2011-09-08 | Eagle Industry Co Ltd | ころがり軸受及び装置 |
JP2017176132A (ja) * | 2016-03-31 | 2017-10-05 | グローブライド株式会社 | 魚釣用スピニングリール |
WO2022041349A1 (zh) * | 2020-08-25 | 2022-03-03 | 清华大学 | 永磁体片和导磁片交替分布的磁性液体密封装置 |
CN116357741A (zh) * | 2023-04-10 | 2023-06-30 | 杭州弘晟智能科技有限公司 | 一种锅转磁流体结构 |
-
1993
- 1993-06-11 JP JP3654993U patent/JP2584951Y2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2584951Y2 (ja) | 1998-11-11 |
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