JP2017175251A - 駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スピーカーに流れる電流を検出した検出信号を正帰還させることによって等価的に負性インピーダンスを発生させて低音を効率良く発音させるようにしたスピーカーの駆動装置において、スピーカーユニットのインピーダンスのばらつきによる発振を防止する。【解決手段】バスレフ型のスピーカー1を駆動する駆動装置10は、入力信号Siを増幅してスピーカー1の変換器(振動器)3に供給するアンプ11と、変換器3に流れる駆動電流IRに応じた検出信号V1を出力する電流検出部12と、検出信号V1に基づく信号をアンプ11の入力側に正帰還して等価的に負性インピーダンスを発生させて変換器3の駆動状態を制御する駆動制御部13と、変換器3のインピーダンスR1を監視し、そのインピーダンスR1に基づいてアンプ11に正帰還させる信号の伝達利得を調整する伝達利得調整部14と、を備える構成である。【選択図】図1

Description

本発明は、スピーカーを駆動する駆動装置に関する。
小型スピーカーから低音を発生させる技術は、従来から種々提案されている。例えば特許文献1には、ヘルムホルツ共鳴と負性駆動の技術を組み合わせたスピーカー駆動装置が開示されている。この従来技術は、入力信号を増幅器で増幅してバスレフ型のスピーカーに供給し、スピーカーユニットのボイスコイルに流れる電流を検出した信号を増幅器の前段側で入力信号に加算して正帰還させることにより、等価的に負性インピーダンスを発生させるものである。すなわち、バスレフ型のスピーカーの場合、ボイスコイルのインピーダンスを小さくすると、スピーカーのQ値が大きくなる。また負性インピーダンスを発生させることにより、ボイスコイルのインピーダンスを見かけ上小さくできる。つまり、ボイスコイルのインピーダンスを小さくすることで、スピーカーのQ値が大きくなるため、低温を効率よく発音できる。
このような駆動装置では、負性インピーダンスの値がボイスコイルのインピーダンスよりも大きくなると発振してしまうという問題がある。そのため、従来は、ボイスコイルのインピーダンスのばらつきを予め想定して、負性インピーダンスの値がボイスコイルのインピーダンスを超えないように、ボイスコイルに流れる電流を検出した信号を正帰還させる際の伝達利得を決定していた。
特開2015−204600号公報
しかしながら、ボイスコイルのインピーダンスは温度によっても変化する。そのため、例えば低温環境下で駆動装置が使用されると、ボイスコイルのインピーダンスが予め想定していた下限値よりも小さくなってしまうことがあり、依然として発振の可能性がある。これを防止するためには、ボイスコイルのインピーダンスの下限値をより低い値で予め想定しておくことが必要となる。ところが、そうすると通常の温度環境下で駆動装置が使用されているときにも伝達利得を上げることができなくなり、スピーカーのQ値を十分に大きくするだけの負性インピーダンスを発生させることが困難になる。
そこで本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ボイスコイルのインピーダンスを監視して発振の可能性があれば伝達利得を抑制することで、発振を防止できるようにした駆動装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1に、本発明は、共鳴開口を有するキャビネットに配設されて音響を放射するとともに、前記共鳴開口とキャビネットとにより構成されるヘルムホルツ型共鳴器を駆動して前記共鳴開口より共鳴音響を放射させる振動器を駆動する駆動装置であって、入力信号を増幅して前記振動器に供給する増幅手段と、前記振動器に流れる駆動電流に応じた検出信号を出力する電流検出手段と、前記検出信号に基づく信号を前記増幅手段の入力側に正帰還して等価的に負性インピーダンスを発生させて前記振動器の駆動状態を制御する駆動制御手段と、前記振動器のインピーダンスを監視し、前記インピーダンスに基づいて前記増幅手段に正帰還させる信号の伝達利得を調整する調整手段と、を備えることを特徴とする構成である。
この発明によれば、振動器のインピーダンスを監視することによって検出信号に基づく信号を増幅手段に正帰還させる際の伝達利得を調整するため、ボイスコイルのインピーダンスが低下して発振の可能性が生じたときに伝達利得を抑制することができる。
第2に、本発明は、上記第1の構成を有する駆動装置において、前記調整手段は、前記インピーダンスが低下した場合に前記伝達利得を低下させることを特徴とする構成である。
この発明によれば、ボイスコイルのインピーダンスが低下した場合に伝達利得を低下させるため、駆動装置の発振を未然に防止することができる。
第3に、本発明は、上記第1又は第2の構成を有する駆動装置において、前記増幅手段の前段側において前記入力信号に所定周波数のパイロット信号を付加する信号付加手段、更に備え、前記調整手段は、前記検出信号から前記パイロット信号の信号成分を抽出することにより前記インピーダンスを検知することを特徴とする構成である。
この発明によれば、パイロット信号により、ボイスコイルのインピーダンスを直接測定することができるようになる。
第4に、本発明は、上記第3の構成を有する駆動装置において、前記信号付加手段の前段側において前記入力信号の最大振幅に制限を掛けるリミット回路、を更に備えることを特徴とする構成である。
この発明によれば、ボイスコイルのインピーダンスを測定するためのパイロット信号を埋もれさせることなく、振動器へ供給することができるため、検出信号からパイロット信号の信号成分を有効に検知することができるようになる。
第5に、本発明は、上記第1又は第2の構成を有する駆動装置において、前記調整手段は、前記検出信号と前記入力信号の比に基づいて前記インピーダンスを検知することを特徴する構成である。
この発明によれば、検出信号と入力信号の比に基づいてボイスコイルのインピーダンスを間接的に測定することができるようになる。
第6に、本発明は、上記第1乃至第5のいずれかの構成を有する駆動装置において、前記調整手段は、可聴域よりも低い周波数で前記伝達利得を変化させることを特徴とする構成である。
この発明によれば、伝達利得を変化させることに伴って可聴域の雑音が放音されてしまうことを防止することができる。
本発明によれば、ボイスコイルのインピーダンスを監視して伝達利得を調整するため、ボイスコイルのインピーダンスが低下した場合に発振の可能性があれば、伝達利得を抑制することができる。その結果、駆動装置の発振を未然に防止することができるようになる。
スピーカーを駆動する駆動装置の基本構成を示すブロック図である。 第1実施形態における駆動装置の具体的な構成例を示す回路図である 駆動制御部の前段側における各部の信号の概念を示す図である。 信号の周波数成分を示す図である。 第2実施形態における駆動装置の具体的な構成例を示す回路図である。 第2実施形態における伝達利得調整部の具体的な構成例を示す回路図である。
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
(基本構成)
図1は、本発明におけるスピーカー1の駆動装置10の基本構成を示すブロック図である。駆動装置10は、アンプ11と、電流検出部12と、駆動制御部13と、伝達利得調整部14とを備える構成である。アンプ11は、駆動装置10の入力信号Siを増幅してスピーカー1へ供給する増幅手段である。電流検出部12は、スピーカーユニット4に流れる駆動電流IRを検出し、その駆動電流IRに応じた検出信号V1を出力する回路である。駆動制御部13は、電流検出部12から出力される検出信号V1に基づく信号を、アンプ11の入力側に正帰還して等価的に負性インピーダンスを発生させることにより、スピーカー1の駆動状態を制御する回路である。この駆動制御部13は、検出信号V1に伝達利得βを付与して増幅する増幅回路15と、増幅回路15から出力される信号を入力信号Siに加算する加算器16とを備えている。伝達利得調整部14は、駆動制御部13の増幅回路15において付与される伝達利得βを調整することにより、検出信号V1に基づく信号をアンプ11に正帰還させる際の正帰還率を調整する回路である。
スピーカー1は、バスレフ型のスピーカーである。すなわち、スピーカー1は、キャビネット6の前面に穴を空けて振動板2及び変換器3からなるスピーカーユニット4を取り付け、その下方にバスレフポート7を有する共鳴開口として機能する管ポート8を設け、この管ポート8を備えたキャビネット6によりヘルムホルツ共鳴器を形成したものである。変換器3は、インピーダンスR1のボイスコイルを備え、電気エネルギーを機械エネルギーに変換して、振動板2を振動させる振動器として機能する。
駆動装置10は、入力信号Siに応じて、利得Aのアンプ11から出力される駆動信号Voをスピーカーユニット4に与える。電流検出部12は、スピーカーユニット4における変換器3のボイスコイルに流れる駆動電流IRを検出して、駆動電流IRの大きさを示す検出信号V1を出力する。例えば電流検出部12は、ボイスコイルと接地点との間に接続された抵抗Rcに駆動電流IRを流し、抵抗Rcの一端又は両端の電圧を、図示省略のアンプを介して検出することにより、検出信号V1を出力する。駆動制御部13は、その検出信号V1をデジタル信号に変換し、そのデジタル信号の低音域に対して伝達利得調整部14から指示される伝達利得βを付与し、アンプ11に対して正帰還させることでスピーカー1を駆動する。
このような駆動装置10において駆動信号Voと入力信号Siとの関係は、次の式1で表される。
Figure 2017175251
式1において、Aβ>1とすることにより、負性インピーダンスが発生する。例えばボイスコイルのインピーダンスR1が8Ωである場合、6Ω程度の負性インピーダンスを生成すれば、低音を効率よく発音できることが確認されている。ただし、ボイスコイルのインピーダンスR1には、ばらつきがある。このばらつきには、製造時のばらつきだけでなく、温度変化によるばらつきも含まれる。そのため、負性インピーダンスがボイスコイルのインピーダンスR1よりも大きくなってしまうと、駆動装置10が発振する。
これを防止するため、伝達利得調整部14は、ボイスコイルのインピーダンスR1を常時監視して伝達利得βを制御する。すなわち、伝達利得調整部14は、ボイスコイルのインピーダンスR1が低下して発振の可能性が生じたときには、伝達利得βを低下させることによって駆動装置10の発振を防止する。
伝達利得調整部14がボイスコイルのインピーダンスR1を検知する手法としては、ボイスコイルに所定電圧を印加してボイスコイルに流れる電流を測定することにより検知する第1の手法と、電流検出部12から出力される検出信号V1と入力信号Siとの比を算出することによって検知する第2の手法とがある。以下においては、これら第1の手法及び第2の手法のそれぞれを適用した具体的な実施形態について説明する。
(第1実施形態)
まず第1の手法を適用した第1実施形態について説明する。図2は、第1実施形態における駆動装置10の具体的な構成例を示す回路図である。この駆動装置10は、上述したアンプ11、電流検出部12、駆動制御部13及び伝達利得調整部14を備えると共に、更に、信号付加部20と、リミット回路25と、ハイパスフィルタ26とを備えている。また駆動制御部13は、上述した増幅回路15と加算器16の他に、AD変換器17と、バンドパスフィルタ18と、DA変換器19とを備えている。また本実施形態における伝達利得調整部14は、ローパスフィルタ31と、絶対値回路32と、平均化回路33と、制御部34とを備える構成である。
信号付加部20は、アンプ11の前段側において入力信号Siに所定周波数のパイロット信号SPを付加する回路である。パイロット信号SPは、ボイスコイルのインピーダンスR1を測定するための信号である。信号付加部20は、パイロット信号SPを生成して出力するパイロット信号生成部21と、そのパイロット信号SPを入力信号Siに加算する加算器22とを備えており、駆動制御部13の前段側で入力信号Siにパイロット信号SPを加算する。パイロット信号生成部21は、例えば非可聴域である4HzのAC信号をパイロット信号SPとして生成し、そのパイロット信号SPを加算器22へ出力する。
リミット回路25は、入力信号Siの振幅に制限をかける回路である。すなわち、入力信号Siには後段の加算器22においてパイロット信号SPが加算されるため、リミット回路25は、その加算器22の前段側において入力信号Siの最大振幅を予め所定値に制限する。リミット回路25において最大振幅が制限された信号Saは、ハイパスフィルタ26へ出力される。
ハイパスフィルタ26は、信号Saから非可聴域の信号成分を除去するフィルタであり、例えば遅延の少ないIIRフィルタによって構成される。すなわち、信号Saには非可聴域の低周波の信号成分が含まれていることがあるため、ハイパスフィルタ26は、加算器22の前段側において、そのような低周波の信号成分を信号Saから除去する。本実施形態におけるハイパスフィルタ26のカットオフ周波数は、パイロット信号SPの周波数よりも高い周波数であり、例えば20Hz程度に設定される。これにより、信号Saに含まれる20Hz程度以下の信号成分がハイパスフィルタ26によって除去され、パイロット信号SPの周波数域に信号成分を有さない信号Sbが得られる。ハイパスフィルタ26において低周波の信号成分が除去された信号Sbは、加算器22へ出力される。尚、図2では、ハイパスフィルタ26をリミット回路25の後段に配置した例を示しているが、ハイパスフィルタ26はリミット回路25の前段に配置しても構わない。
加算器22は、ハイパスフィルタ26から出力される信号Sbに対してパイロット信号生成部21から出力されるパイロット信号SPを加算し、パイロット信号SPの重畳された信号Scを駆動制御部13へ出力する。
図3は、駆動制御部13の前段側における各部の信号の概念を示す図である。まず図3(a)はパイロット信号生成部21から出力されるパイロット信号SPの一例を示している。パイロット信号SPは、上述のように4HzのAC信号であり、その振幅はVpである。パイロット信号生成部21は、図3(a)に示すようなパイロット信号SPを加算器22に対して常時出力する。
図3(b)は、入力信号Siの一例を示している。図3(b)のような入力信号Siがリミット回路25において振幅制限がかけられると、リミット回路25から出力される信号Saは、図3(c)に示すような信号となる。つまり、リミット回路25から出力される信号Saは、最大振幅が所定値Athに制限された信号となっている。ここで所定値Athは、アンプ11の最大許容入力Amaxに対して、パイロット信号SPの振幅Vpに相当する分の余裕が生じるような値に予め設定されている。そしてリミット回路25は、入力信号Siの振幅が所定値Ath以下のときには入力信号Siをそのまま出力するのに対し、入力信号Siの振幅が所定値Athを超えるときには所定値Athを超える分の信号を除去し、振幅を所定値Athに制限して出力する。これにより、リミット回路25から出力される信号Saの最大振幅は、図3(c)に示すように所定値Athとなり、アンプ11の最大許容入力Amaxに対し、パイロット信号SPの振幅Vp相当分の余裕が生じる。
そしてハイパスフィルタ26によって低周波の信号成分が除去された後、加算器22において信号Sbとパイロット信号SPとが加算されると、加算器22から出力される信号Scは、図3(d)に示すような信号となる。つまり、リミット回路25において入力信号Siの最大振幅が所定値Athに制限されているため、加算器22において信号Sbにパイロット信号SPが加算されても、信号Scの最大振幅は、アンプ11の最大許容入力Amaxを超えない。そのため、アンプ11において駆動信号Voがクリップしてしまうことがなくなるため、ボイスコイルのインピーダンスR1を測定するためのパイロット信号SPは、駆動信号Voに重畳された状態でスピーカーユニット4へ供給される。
入力信号Siにパイロット信号SPが重畳された信号Scは、駆動制御部13のDA変換器19によってアナログ信号に変換され、アンプ11へ供給される。DA変換器19は、例えばΔΣ方式のDA変換器であり、パイロット信号SPが重畳された信号Scを高速DA変換してアンプ11へ出力する。アンプ11は、DA変換器19においてアナログ信号に変換された信号を所定利得Aで増幅することによって駆動信号Voを生成し、その駆動信号Voをスピーカーユニット4へ出力する。この駆動信号Voには、入力信号Siの信号成分だけでなく、パイロット信号SPの信号成分が含まれる。
そして電流検出部12は、変換器3のボイスコイルに流れる駆動電流IRを検出した検出信号V1を駆動制御部13のAD変換器17に対して出力する。この検出信号V1にもパイロット信号SPの信号成分が含まれている。すなわち、図4(a)に示すように検出信号V1には、非可聴域のパイロット信号SPに応じた信号成分と、入力信号Siに応じた可聴域の信号成分とが含まれる。
AD変換器17は、例えばΔΣ方式のAD変換器であり、検出信号V1を高速AD変換してバンドパスフィルタ18へ出力する。バンドパスフィルタ18は、例えばローパスフィルタとハイパスフィルタとが直列に接続されることによって構成されるフィルタであり、AD変換された検出信号V1から正帰還の対象となる低音域の信号を抽出して増幅回路15へ出力する。このとき、バンドパスフィルタ18は、AD変換された検出信号V1からパイロット信号SPの信号成分を除去する。すなわち、バンドパスフィルタ18は、図4(b)に示すように、AD変換された検出信号V1から入力信号Siの低音域に相当する信号成分だけを抽出した信号を増幅回路15へ出力する。
またAD変換器17は、検出信号V1をAD変換したデジタル信号を伝達利得調整部14にも出力する。伝達利得調整部14は、そのデジタル信号を、ローパスフィルタ31、絶対値回路32及び平均化回路33で順次処理することにより、ボイスコイルのインピーダンスR1を測定する。
ローパスフィルタ31は、図4(c)に示すように、AD変換された検出信号V1からパイロット信号SPの信号成分だけを抽出するフィルタである。このパイロット信号SPの信号成分の信号強度VspがボイスコイルのインピーダンスR1に応じた値となる。絶対値回路32は、ローパスフィルタ31から出力される信号が負の信号であるときにそれを反転させることにより、パイロット信号SPの信号成分の絶対値を算出する。そして平均化回路33は、絶対値回路32から出力される信号を平均化することにより、図4(c)に示すパイロット信号SPに対応する信号成分の信号強度Vspを算出する。
制御部34は、そのパイロット信号SPに対応する信号成分の信号強度Vspに応じて増幅回路15の伝達利得βを調整する。すなわち、制御部34は、パイロット信号SPに対応する信号成分の信号強度Vspに基づいてボイスコイルのインピーダンスR1を検出し、そのインピーダンスR1が低下して発振の可能性が生じたときには、増幅回路15における伝達利得βを低下させる。
増幅回路15は、バンドパスフィルタ18から出力される信号に対し、制御部34から指示される伝達利得βを付与して加算器16へ出力することにより、負性インピーダンスを発生させる。ボイスコイルのインピーダンスR1が低下すると、増幅回路15は、制御部34からの指示に基づいて伝達利得βを低下させるので、負性インピーダンスを小さくすることができる。そのため、ボイスコイルのインピーダンスR1が低下した場合であっても、駆動装置10を発振させることなく、スピーカー1を駆動することができるようになる。
制御部34は、ボイスコイルのインピーダンスR1に基づいて増幅回路15の伝達利得βを調整するときには、伝達利得βを段階的に変化させるようにしても良いし、また無段階に変化させるようにしても良い。ただし、増幅回路15の伝達利得βが急激に変化すると、その変化に伴う可聴域の雑音がスピーカー1から放音されてしまう。そのため、制御部34は、増幅回路15の伝達利得βを変化させるときには、可聴域よりも低い周波数で伝達利得βを変化させることにより、可聴域の雑音がスピーカー1から放音されないようにする。
尚、本実施形態では、伝達利得調整部14に絶対値回路32と平均化回路33とを使った手法を説明しているが、これに限られるものではない。例えば、絶対値回路32及び平均化回路33に代えて、自己相関関数を用いることにより、パイロット信号SPに対応する信号成分を抽出するようにしても良い。
(第2実施形態)
次に第2の手法を適用した第2実施形態について説明する。図5は、第2実施形態における駆動装置10の具体的な構成例を示す回路図である。また図6は、第2実施形態における伝達利得調整部14の具体的な構成例を示す回路図である。この駆動装置10は、図5に示すように、上述したアンプ11、電流検出部12、駆動制御部13及び伝達利得調整部14を備えると共に、更にバンドパスフィルタ41を備えている。また駆動制御部13は、第1実施形態と同様に、増幅回路15と加算器16に加え、AD変換器17と、バンドパスフィルタ18と、DA変換器19とを備えている。また本実施形態における伝達利得調整部14は、図6に示すように、絶対値回路43,44と、平均化回路45,46と、演算部47と、制御部48とを備えている。
DA変換器19は、入力信号Siに応じた信号を高速DA変換してアンプ11へ出力する。アンプ11は、DA変換器19においてアナログ信号に変換された信号を所定利得Aで増幅することによって駆動信号Voを生成し、その駆動信号Voをスピーカーユニット4へ出力することにより、スピーカー1を駆動する。電流検出部12は、変換器3のボイスコイルに流れる駆動電流IRを検出した検出信号V1を駆動制御部13のAD変換器17へ出力する。AD変換器17は、検出信号V1を高速AD変換してバンドパスフィルタ18へ出力する。そしてバンドパスフィルタ18は、AD変換された検出信号V1から正帰還の対象となる低音域の信号Sgを抽出し、その低音域の信号Sgを増幅回路15及び伝達利得調整部14へ出力する。
バンドパスフィルタ41は、駆動制御部13のバンドパスフィルタ18と同じ周波数特性を有しており、入力信号Siから、駆動制御部13において正帰還される低音域の信号Sgと同じ周波数帯の信号Sjを抽出する。そしてバンドパスフィルタ41は、入力信号Siから抽出した低音域の信号Sjを伝達利得調整部14へ出力する。
伝達利得調整部14は、図6に示すように、入力信号Siから抽出された信号Sjを絶対値回路43及び平均化回路45で順次処理することにより、入力信号Siに含まれる低音域の信号Sjの信号強度を算出する。また伝達利得調整部14は、検出信号V1から抽出された信号Sgを絶対値回路44及び平均化回路46で順次処理することにより、駆動制御部13において正帰還される低音域の信号Sgの信号強度を算出する。そして演算部47は、それら2つの信号Sj,Sgの信号強度の比(例えば、Sg/Sj)を算出する。
ここで、増幅回路15における伝達利得βを所定の値に設定している状態で、ボイスコイルのインピーダンスR1が低下すると、正帰還による負性インピーダンスがインピーダンスR1に対して大きくなるため、信号Sjに対する信号Sgの割合が高くなる。反対に、ボイスコイルのインピーダンスR1が上昇すると、正帰還による負性インピーダンスがインピーダンスR1に対して小さくなるため、信号Sjに対する信号Sgの割合が低くなる。したがって、演算部47によって算出される2つの信号Sj,Sgの信号強度の比は、ボイスコイルのインピーダンスR1に応じた値となる。
そして伝達利得調整部14の制御部48は、演算部47によって算出される2つの信号Sj,Sgの信号強度の比に応じて増幅回路15の伝達利得βを調整する。すなわち、制御部48は、2つの信号Sj,Sgの信号強度の比に基づいてボイスコイルのインピーダンスR1を検出し、そのインピーダンスR1が低下して発振の可能性が生じたときには、増幅回路15における伝達利得βを低下させるのである。これにより、増幅回路15は、ボイスコイルのインピーダンスR1が低下すると、制御部48からの指示に基づいて伝達利得βを低下させるので、負性インピーダンスを小さくすることができる。そのため、ボイスコイルのインピーダンスR1が低下した場合であっても、駆動装置10を発振させることなく、スピーカー1を駆動することができるようになる。
また制御部48は、第1実施形態と同様に、ボイスコイルのインピーダンスR1に基づいて増幅回路15の伝達利得βを調整するときには、伝達利得βを段階的に変化させるようにしても良いし、また無段階に変化させるようにしても良い。ただし、増幅回路15の伝達利得βが急激に変化すると、その変化に伴う可聴域の雑音がスピーカー1から放音されてしまう。そのため、制御部48は、増幅回路15の伝達利得βを変化させるときには、可聴域よりも低い周波数で伝達利得βを変化させることにより、可聴域の雑音がスピーカー1から放音されないようにする。
(変形例)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述したものに限定されるものではなく、種々の変形が適用可能である。
例えば上記実施形態では、主として、ボイスコイルのインピーダンスR1が低下した場合にそれに追従させて伝達利得βを低下させることにより、駆動装置10の発振を防止することを説明した。しかし、本発明は、ボイスコイルのインピーダンスR1が低下した場合に限られず、ボイスコイルのインピーダンスR1が上昇する場合にも適用可能なものである。すなわち、ボイスコイルのインピーダンスR1が上昇した場合、伝達利得調整部14は、それに追従させて増幅回路15の伝達利得βを上昇させることにより、常に低音を効率良く発音させることができるという利点がある。ただし、増幅回路15の伝達利得βを上昇させるときにも、上述したように、可聴域よりも低い周波数で伝達利得βを変化させることが好ましい。
また上記実施形態では、電流検出部12が駆動電流IRを検出するために、抵抗Rcに駆動電流IRを流し、その抵抗Rcの一端又は両端の電圧を測定する構成例について説明したが、本発明はそのような構成例に限定されるものではない。例えば、電流検出部12は、GMRやホール素子等の磁気センサを用いて駆動電流IRが流れることによる誘導磁場を測定して駆動電流IRを検出するようにしても良いし、またアンプ11の出力トランジスタのオン抵抗を用いて駆動電流IRを検出するようにしても良い。
1…スピーカー、3…変換器(振動器)、6…キャビネット、8…管ポート(共鳴開口)、10…駆動装置、11…アンプ(増幅手段)、12…電流検出部(電流検出手段)、13…駆動制御部(駆動制御手段)、14…伝達利得調整部(調整手段)、20…信号付加部(信号付加手段)、25…リミット回路。

Claims (6)

  1. 共鳴開口を有するキャビネットに配設されて音響を放射するとともに、前記共鳴開口とキャビネットとにより構成されるヘルムホルツ型共鳴器を駆動して前記共鳴開口より共鳴音響を放射させる振動器を駆動する駆動装置であって、
    入力信号を増幅して前記振動器に供給する増幅手段と、
    前記振動器に流れる駆動電流に応じた検出信号を出力する電流検出手段と、
    前記検出信号に基づく信号を前記増幅手段の入力側に正帰還して等価的に負性インピーダンスを発生させて前記振動器の駆動状態を制御する駆動制御手段と、
    前記振動器のインピーダンスを監視し、前記インピーダンスに基づいて前記増幅手段に正帰還させる信号の伝達利得を調整する調整手段と、
    を備えることを特徴とする駆動装置。
  2. 前記調整手段は、前記インピーダンスが低下した場合に前記伝達利得を低下させることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
  3. 前記増幅手段の前段側において前記入力信号に所定周波数のパイロット信号を付加する信号付加手段、を更に備え、
    前記調整手段は、前記検出信号から前記パイロット信号の信号成分を抽出することにより前記インピーダンスを検知することを特徴とする請求項1又は2に記載の駆動装置。
  4. 前記信号付加手段の前段側において前記入力信号の最大振幅に制限を掛けるリミット回路、を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の駆動装置。
  5. 前記調整手段は、前記検出信号と前記入力信号の比に基づいて前記インピーダンスを検知することを特徴する請求項1又は2に記載の駆動装置。
  6. 前記調整手段は、可聴域よりも低い周波数で前記伝達利得を変化させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の駆動装置。
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