JP7400456B2 - 発音装置 - Google Patents

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Description

本発明は、発音装置に関するものである。
従来より、車両に搭載されスピーカから車両の周囲に向けて音を発出させる装置がある。例えば、特許文献1には、スピーカから接近通報音を発生させることによって車両の周囲に車両の接近を通報する車両接近通報装置が記載されている。この装置は、スピーカの温度を推定し、推定した温度に基づいて接近通報音の音圧レベルを補正することによりスピーカから発出させる接近通報音の音圧の温度補正を行うようにしている。
特開2017-95060号公報
このような装置において、周囲の騒音を収集する専用のマイクロフォンを備え、このマイクロフォンを用いて周囲の騒音レベルを推定し、この騒音レベルに応じてスピーカから発出させる音の音量を調整するといったことが考えられる。
例えば、周囲の騒音レベルが小さいときにはスピーカから出力させる音の音量を小さくし、周囲の騒音レベルが大きいときにはスピーカから出力させる音の音量を大きくする。これにより、周囲の状況に適した音量の音を出力することが可能となる。
しかし、このような周囲の騒音を収集する専用のマイクロフォンを備えた構成では、マイクロフォンが必要となるためコストが高くなってしまうといった問題がある。また、マイクロフォンを設置するスペースが必要となるため製品の体格が大型化してしまうといった問題もある。
そこで、本発明者らは、スピーカは音声を出力する発音機能だけでなくマイクロフォンとして機能させることができる点に着目し、スピーカをマイクロフォンとして機能させて周囲の騒音を収集することを考えた。
しかし、発音するためのスピーカをマイクロフォンとして機能させた場合、スピーカから出力される起電力信号の周波数特性が良くないことが分かった。例えば、スピーカから出力される起電力信号のピーク周波数が大きく、更に、起電力信号のピーク周波数が変化してしまうことが分かった。これは、スピーカの温度変化によってボイスコイルのインピーダンスのピーク周波数が変化するためと考えられる。
このように、スピーカから出力される起電力信号のピーク周波数が変化すると、周囲の音の騒音レベルの推定精度が低下してしまう。
本発明は上記点に鑑みたもので、スピーカの温度変化による騒音レベルの推定精度の低下を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、発音する発音機能と、収集した音に応じた起電力信号を出力する集音機能と、を有する発音体(3)から報知音を発音させる発音装置であって、発音体から出力される起電力信号のピーク周波数に対応する特定の阻止帯域を減衰させるフィルタ(251)と、フィルタを通過した起電力信号に基づいて発音体により収集された音の騒音レベルを推定する騒音レベル推定部(253)と、騒音レベル推定部により推定された音の騒音レベルに応じて発音体から発音する報知音の音量を調整する音量調整部(21、27)と、発音体の温度である発音体温度を推定する温度推定部(26)と、温度推定部により推定された発音体温度を用いてフィルタの特定の阻止帯域を変化させる帯域制御部(254)と、を備えている。発音体は、ボイスコイルの振動が振動板に伝わることによって音波を放射する動電型スピーカで構成され、発音体温度の上昇に伴って起電力信号のピーク周波数が小さくなる周波数特性を有している。そして、帯域制御部は、発音体温度の上昇に伴って特定の阻止帯域の中心周波数が小さくなるようにフィルタの特定の阻止帯域を変化させる。
このような構成によれば、温度推定部により発音体の温度である発音体温度が推定され、この温度推定部により推定された発音体温度を用いてフィルタの特定の阻止帯域が変化するので、スピーカの温度変化による騒音レベルの推定精度の低下を抑制することができる。
また、請求項2に係る発明は、帯域制御部は、温度推定部により推定された発音体温度に基づいて起電力信号のピーク周波数を特定し、該起電力信号のピーク周波数に対応させるようフィルタの特定の阻止帯域を変化させる。
このように、発音体温度に基づいて起電力信号のピーク周波数を特定し、該起電力信号のピーク周波数に対応させるようフィルタの特定の阻止帯域を変化させることもできる。
また、請求項3に係る発明は、所定温度における発音体から出力される起電力信号のピーク周波数を個別に測定した周波数データを記憶する記憶部(255)を備え、帯域制御部は、記憶部に記憶された周波数データを用いて、発音体の個別ばらつきを補正するようフィルタの特定の阻止帯域を変化させる。
したがって、発音体の個別ばらつきによる騒音レベルの推定精度の低下を抑制することができる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態の発音装置の全体構成を示した図である。 スピーカをマイクロフォンとして機能させたときの起電力信号のピーク周波数と温度の関係を示した図である。 スピーカをマイクロフォンとして機能させたときの起電力信号の周波数特性を表している。 フィルタの周波数特性を表した図である。 フィルタを通過した起電力信号の周波数特性を表した図である。 帯域制御部254のフローチャートである。 温度変化により起電力信号のピーク周波数とフィルタの阻止帯域が変化する様子を表した図である。 音量調整部による音量調整処理のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る発音装置について図1~図8を用いて説明する。本発音装置2は、車両に搭載され車両の周囲に対して報知音を発音する。本発音装置2は、発音する発音機能と、収集した音に応じた起電力信号を出力する集音機能と、を有するスピーカ3から報知音を発音する。報知音としては、例えば、車両のドアの施錠または解錠が行われた際に出力するロック報知音や車両のドアが半ドア状態であることをユーザに知らせる半ドア報知音等が挙げられる。本実施形態のスピーカ3は、車両のエンジンルーム内等、外気に晒される部位に設けられている。
発音装置2は、ECUにより構成されている。発音装置2には、車速センサ10、液温センサ11、外気温センサ12、エンジンECU13およびスピーカ3が接続されている。
車速センサ10は、車両の車速検知信号を出力し、発音装置2に対して入力する。液温センサ11は、ラジエータ水の温度を示す水温検知信号もしくはエンジンオイルの油温を示す油温検知信号を出力し、発音装置2に対して入力する。液温センサ11は、ラジエータ水の温度もしくはエンジンオイルの温度のいずれかを検出する1つの温度センサであっても良いし、それぞれ別々に検知結果を発音装置2に伝える2つの温度センサであっても良い。外気温センサ12は、車室外の外気温を示す外気温検知信号を出力し、発音装置2に対して入力する。エンジンECU13は、エンジン制御に用いられる種々の物理量の値などを扱っており、その中からエンジン作動時間に関する情報を発音装置2に対して入力する。
各センサ10~12の検知信号やエンジンECU13からの情報は、例えば車内LANなどを通じて発音装置2に対して入力されるようになっている。また、ここでは各センサ10~12の検知信号がそのまま発音装置2に対して入力される形態を示しているが、車両に備えられている他の電子制御装置(以下、ECUという)において扱われている車速情報や温度情報を発音装置2に対して入力するようにしても良い。
例えば、メータ制御用のECUにおいて、車速センサ10の車速検知信号を入力して車速を取得していることから、その車速情報を発音装置2に対して入力するようにしても良い。また、エンジンECU13において、液温センサ11の検知信号に基づいてラジエータ水やエンジンオイルの温度を取得していることから、それらの温度情報を発音装置2に対して入力するようにしても良い。また、車両用空調装置のエアコン制御用のECUにおいて、外気温センサ12の検知信号に基づいて外気温を取得していることから、その外気温情報を発音装置2に対して入力するようにしても良い。
スピーカ3は、発音装置2のAMP231から入力される音声信号に応じた周波数、音圧レベルで報知音の発音を行うものである。スピーカ3は、発音体に相当する。
また、スピーカ3は、発音する発音機能とマイクロフォンとしての集音機能を有している。スピーカ3は、周囲の音を収集し、収集した音に応じた起電力信号を出力する。
スピーカ3は、例えば、磁界を形成するための磁石と、磁界に配置され音声電流が流れたときに振動するボイスコイルと、振動板と、を有し、ボイスコイルの振動が振動板に伝わることによって音波を放射する動電型スピーカによって構成することができる。
発音装置2は、マイコン20、パワーアンプ(以下、AMPという)231、232および切替部24を有している。
切替部24は、発音装置2からの切替信号に応じてスピーカ3の接続先を切り替える。スピーカ3を発音体として機能させる場合、切替部24は、スピーカ3の接続先をAMP231の出力端子に接続する。この際、発音装置2からの音声信号に応じたスピーカ電流がAMP231からスピーカ3に流れる。スピーカ3が発音する音圧は、AMP231から供給されるスピーカ電流の大きさによって決まる。
また、スピーカ3をマイクロフォンとして機能させる場合、切替部24は、スピーカ3の接続先をAMP232の入力端子に接続する。この際、AMP232は、スピーカ3によって収集された音に応じた起電力信号を増幅し、この起電力信号を発音装置2に入力する。
マイコン20は、CPU、I/O等を備えたコンピュータとして構成されている。マイコン20は、メモリ部22、発音制御部21、DAコンバータ281、ADコンバータ282、騒音推定処理部25、温度推定部26および出力音量判定部27を有している。なお、発音制御部21、騒音推定処理部25、温度推定部26および出力音量判定部27は、マイコン20が実施する機能ブロックを表している。また、発音制御部21および出力音量判定部27は、音量調整部に相当する。
メモリ部22は、報知音の音源データや各種制御プログラムなどを記憶するものである。メモリ部22には、例えば、PCMデータなどの報知音データなどが記憶されている。また、メモリ部22には、マイコン20が実行するプログラムなども記憶されている。
発音制御部21は、メモリ部22に記憶された報知音データを読み出して、その報知音を出力するための報知音電圧波形信号を生成する。
DAコンバータ281は、発音制御部21からのデジタルの報知音電圧波形信号をアナログ信号に変換する。DAコンバータ281によりアナログ信号に変換された報知音電圧波形信号は、AMP231の入力端子に入力される。
ADコンバータ282は、AMP232から入力されるアナログの起電力信号をデジタル信号に変換する。ADコンバータ282によりデジタル信号に変換された起電力信号は騒音推定処理部25に入力される。
騒音推定処理部25は、フィルタ251、積分処理部252、騒音レベル推定部253、帯域制御部254およびメモリ部255を有している。
フィルタ251は、デジタルフィルタにより構成されている。フィルタ251は、特定の周波数帯域(阻止帯域)を低いレベルに減衰させるピーキングフィルタにより構成されている。なお、ピーキングフィルタは、Q値が高く、阻止帯域が狭いという性質を有している。
フィルタ251には、ADコンバータ282を介してスピーカ3からの起電力信号が入力される。
積分処理部252は、フィルタ251を通過した起電力信号を積分する。積分処理部252は、ローパスフィルタによって構成されている。積分処理部252を通過した信号は高周波成分が除去された滑らかな波形となる。
騒音レベル推定部253は、積分処理部252を介して入力される起電力信号の振幅の大きさに基づいてスピーカ3で収音された音の騒音レベルを推定する。騒音レベル推定部253は、例えば、スピーカ3で収音された音の騒音レベルを大、中、小の3段階で判定する。具体的には、騒音レベルが第1閾値以上の場合に騒音レベルが大であると判定し、騒音レベルが第1閾値より小さい第2閾値以上の場合に騒音レベルが中であると判定し、騒音レベルが第2閾値未満の場合に騒音レベルが小であると判定する。そして、判定した騒音レベルを示す信号を出力音量判定部27に通知する。
出力音量判定部27は、騒音レベル推定部253から通知される騒音レベルに基づいてスピーカ3から発音させる報知音の音量を判定する。出力音量判定部27は、騒音レベル推定部253から通知される騒音レベルが大きいほど、スピーカ3から発音させる報知音の音量を大きくするよう報知音の音量レベルを判定し、この音量レベルを発音制御部21に通知する。
発音制御部21は、出力音量判定部27から通知された音量レベルに応じた報知音電圧波形信号をDAコンバータ281に出力する。発音制御部21は、騒音レベルが高いほど、スピーカ3から発音させる報知音の音量が大きくなるように報知音電圧波形信号を生成する。
温度推定部26は、各センサ10~12の検知信号やエンジンECU13からの情報等に基づいてスピーカ3の温度である発音体温度を推定し、この発音体温度を帯域制御部254に通知する。
温度推定部26に入力される各種情報は、スピーカ温度の変化の外部要因となる情報である。すなわち、車速が大きくなると、スピーカ3への風当たりが強くなり、スピーカ温度低下が生じ得る。また、ラジエータの温度やエンジン温度など、スピーカ3の周囲に存在している部材の温度の影響によってスピーカ温度が変動し得る。同様に、外気温の影響によってもスピーカ温度が変動し得る。また、エンジン作動時間が長いとエンジンからの熱によりスピーカ温度上昇が生じ得る。
温度推定部26は、各センサ10~12の検知信号やエンジンECU13からの情報に基づいてスピーカ3の外部要因を加味した発音体温度の推定を行う。
帯域制御部254は、温度推定部26から通知される発音体温度に基づいてフィルタ251のフィルタ特性を調整する。具体的には、帯域制御部254は、所望の周波数特性が得られるようフィルタ251のパラメータの設定を行う。
フィルタ251は、阻止帯域の中心周波数、阻止帯域の減衰量、Q値等をパラメータとして設定可能となっている。これらのパラメータを変更することで、阻止帯域の中心周波数、阻止帯域の減衰量、Q値等を変更可能となっている。
メモリ部255には、所定温度におけるスピーカ3から出力される起電力信号のピーク周波数を個別に測定した周波数データが記憶されている。メモリ部255は、記憶部に相当する。
帯域制御部254は、メモリ部255に記憶された周波数データを用いてスピーカ3のの個別ばらつきを補正するようフィルタ251の特定の阻止帯域を変化させる。
次に、スピーカ3をマイクロフォンとして機能させたときの起電力信号のピーク周波数の温度特性について説明する。
スピーカ3をマイクロフォンとして機能させたときの起電力信号のピーク周波数と温度の関係を図2に示す。図2の横軸は、温度となっており、図2の縦軸は、起電力信号のピーク周波数f0の変動量となっている。なお、図2の縦軸は、スピーカ3の温度が25℃のときの起電力信号のピーク周波数f0が基準となっている。
図2の例では、スピーカ3の温度の上昇に伴って、起電力信号のピーク周波数f0が低くなっている。また、温度変化が大きいほど、起電力信号のピーク周波数f0の変動量も大きくなっている。
このように、スピーカ3をマイクロフォンとして機能させたときの起電力信号のピーク周波数は、スピーカ3の温度によって変化する。
なお、起電力信号のピーク周波数f0の変動量は、直線的に変化している。したがって、起電力信号のピーク周波数f0を、温度の一次関数とみなして算出することが可能である。
なお、発音体温度をT、傾きをA、切片をBとすると、以下の数式1のように表すことができる。
(数)
f0=AT+B・・・数式1
なお、この数式1は、マイコン20のメモリ部22に記憶されている。
図3は、スピーカ3をマイクロフォンとして機能させたときの起電力信号の周波数特性を表している。ピーク周波数f0における起電力信号の電圧の振幅が突出している。
本発音装置2は、スピーカ3をマイクロフォンとして機能させたときの起電力信号のピーク周波数f0に対応する特定の阻止帯域をフィルタ251で減衰させる。
図4は、フィルタ251の周波数特性を表している。フィルタ251は、起電力信号のピーク周波数f0に対応する特定の阻止帯域で大きく減衰している。
図5は、フィルタ251を通過した起電力信号の周波数特性を表している。フィルタ251を通過することにより起電力信号のピーク周波数f0の帯域が減衰してフラットな周波数特性となる。
しかしながら、フィルタ251は、Q値が高く、阻止帯域が狭いという性質を有している。このため、スピーカ3の温度変化により起電力信号のピーク周波数f0が変動すると起電力信号のピーク周波数f0を十分に減衰できなくなる場合がある。この場合、雑音レベルの推定精度が低下してしまう。
そこで、帯域制御部254は、スピーカ3の温度である発音体温度を特定し、この発音体温度を用いてフィルタ251の周波数特性を変化させる処理を実施する。
次に、この帯域制御部254の処理について、図6を参照して説明する。帯域制御部254は、周期的に図6に示す処理を実施する。
まず、帯域制御部254は、S100にて、スピーカ3の個別ばらつき量を特定する。具体的には、帯域制御部254は、メモリ部255に記憶された周波数データを用いて、スピーカ3の個別ばらつき量を特定する。
例えば、25℃における起電力信号のピーク周波数がメモリ部255に記憶されている場合、メモリ部22に記憶された数式1を用いて25℃における起電力信号のピーク周波数f0を算出する。
次に、メモリ部255に記憶された25℃におけるピーク周波数と数式1の一次関数を用いて算出した25℃におけるピーク周波数f0の差分をスピーカ3の個別ばらつき量として算出する。
さらに、メモリ部255に記憶された25℃におけるピーク周波数を数式1の切片Bに加算するように数式1の一次関数を補正する。
例えば、メモリ部255に記憶された25℃におけるピーク周波数が一次関数を用いて特定した25℃における起電力信号のピーク周波数f0よりも10ヘルツ高い場合には、数式1の切片Bに10ヘルツを加算するように数式1の一次関数を補正する。
また、メモリ部255に記憶された25℃におけるピーク周波数が一次関数を用いて特定した25℃における起電力信号のピーク周波数f0よりも10ヘルツ低い場合には、数式1の切片Bから10ヘルツを減算するように数式1の一次関数を補正する。
次に、帯域制御部254は、S102にて、発音体温度を特定する。帯域制御部254は、温度推定部26から通知される発音体温度に基づいて発音体温度を特定する。
次に、帯域制御部254は、S104にて、起電力信号のピーク周波数f0を特定する。具体的には、S102にて特定した発音体温度を用いて起電力信号のピーク周波数f0を、温度の一次関数とみなして算出する。ここでは、S100にて補正した数式を用いて起電力信号のピーク周波数f0を特定する。
次に、帯域制御部254は、S106にて、フィルタ251の周波数帯域を制御する。具体的には、帯域制御部254は、フィルタ251の阻止帯域が、S104にて補正された起電力信号のピーク周波数に対応するようフィルタ251の各パラメータを設定し、本処理を終了する。これにより、フィルタ251の阻止帯域が、起電力信号のピーク周波数に対応する。
図7中の(a)には、起電力信号の常温(例えば、25℃)のときのピーク周波数f1、起電力信号の高温(例えば、60℃)のときのピーク周波数f2、起電力信号の低温(例えば、-10℃)のときのピーク周波数f3が示されている。
帯域制御部254は、図7(b)に示すように、発音体温度に基づいてフィルタ251の周波数帯域を変化させる。
図7中の(b)には、常温のときのフィルタ251の阻止帯域C1、高温のときのフィルタ251の阻止帯域C2、低温のときのフィルタ251の阻止帯域C3が示されている。
そして、常温のときのフィルタ251の阻止帯域C1は、起電力信号の常温のときのピーク周波数f1を含んでおり、ピーク周波数f1に対応している。また、高温のときのフィルタ251の阻止帯域C2は、起電力信号の高温のときのピーク周波数f2を含んでおり、ピーク周波数f2に対応している。また、低温のときのフィルタ251の阻止帯域C3は、起電力信号の低温のときのピーク周波数f3を含んでおり、ピーク周波数f3に対応している。
スピーカ3の温度が変化しても、フィルタ251の阻止帯域が起電力信号のピーク周波数に追従するように変化して、起電力信号のピーク周波数が減衰されるので、図7(c)に示すようなフラットな周波数特性となる。
次に、出力音量判定部27および発音制御部21によって構成される音量調整部による音量調整処理について図8を参照して説明する。音量調整部は、騒音レベル推定部により推定された音の騒音レベルに応じてスピーカ3発音体から発音する報知音の音量を調整する。音量調整部は、図8に示す処理を周期的に実施する。
まず、音量調整部は、S200にて、騒音レベル推定部253により推定された騒音レベルが大であるか否かを判定する。また、音量調整部は、騒音レベル推定部253により推定された騒音レベルが大でないと判定した場合、S204にて、騒音レベル推定部253により推定された騒音レベルが中であるか否かを判定する。また、音量調整部は、騒音レベル推定部253により推定された騒音レベルが中でないと判定した場合、騒音レベルが小と判定する。
ここで、騒音レベル推定部253により推定された騒音レベルが大となっている場合、音量調整部は、S202にて、スピーカ3から発音される報知音の音量が大となるよう報知音電圧波形信号を生成し、本処理を終了する。
また、騒音レベル推定部253により推定された騒音レベルが中となっている場合、音量調整部は、S206にて、スピーカ3から発音される報知音の音量が中となるよう報知音電圧波形信号を生成し、本処理を終了する。
また、騒音レベル推定部253により推定された騒音レベルが小となっている場合、音量調整部は、S210にて、スピーカ3から発音される報知音の音量が小となるよう報知音電圧波形信号を生成し、本処理を終了する。
このようにして、例えば、騒音レベルの大きな幹線道路沿いでは報知音の音量を大きくし、騒音レベルの小さな静かな夜間には報知音の音量を小さくする。
以上、説明したように、本発音装置は、発音する発音機能と、収集した音に応じた起電力信号を出力する集音機能と、を有するスピーカ3から報知音を発音させる装置である。本発音装置は、スピーカ3から出力される起電力信号のピーク周波数に対応する特定の阻止帯域を減衰させるフィルタ251を備えている。また、フィルタ251を通過した起電力信号に基づいてスピーカ3により収集された音の騒音レベルを推定する騒音レベル推定部253を備えている。また、騒音レベル推定部253により推定された音の騒音レベルに応じてスピーカ3から発音する報知音の音量を調整する音量調整部21、27と、スピーカ3の温度である発音体温度を推定する温度推定部26と、を備えている。また、温度推定部26により推定された発音体温度を用いてフィルタ251の特定の阻止帯域を変化させる帯域制御部254を備えている。
このような構成によれば、温度推定部26により発音体の温度である発音体温度が推定され、この温度推定部26により推定された発音体温度を用いてフィルタの特定の阻止帯域が変化するので、スピーカの温度変化による騒音レベルの推定精度の低下を抑制することができる。
また、帯域制御部254は、温度推定部26により推定された発音体温度に基づいて起電力信号のピーク周波数を特定し、該起電力信号のピーク周波数に対応させるようフィルタの特定の阻止帯域を変化させる。
このように、発音体温度に基づいて起電力信号のピーク周波数を特定し、該起電力信号のピーク周波数に対応させるようフィルタの特定の阻止帯域を変化させることもできる。
また、本発音装置は、所定温度における発音体から出力される起電力信号のピーク周波数を個別に測定した周波数データを記憶するメモリ部255を備えている。そして、帯域制御部は、メモリ部255に記憶された周波数データを用いて、スピーカ3の個別ばらつきを補正するようフィルタの特定の阻止帯域を変化させる
したがって、発音体の個別ばらつきによる騒音レベルの推定精度の低下を抑制することができる。
(他の実施形態)
(1)上記実施形態では、本発音装置2は、車両の周囲に対して施錠報知音や半ドア報知音を出力する例を示したが、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車の接近を通知する通報音を発出する車両接近通報装置として構成することもできる。
(2)上記実施形態では、本発音装置2を車両に搭載した例を示したが、車両に搭載されるものに限定されるものではない。
(3)スピーカ3の温度を推定したが、例えば、スピーカ3の温度を検出する温度センサを設け、この温度センサを用いてスピーカ3の温度を検出するようにしてもよい。
(4)上記実施形態の騒音レベル推定部253は、積分処理部252を介して入力される起電力信号の振幅の大きさに基づいてスピーカ3で収音された音の騒音レベルを大、中、小の3段階で判定するようにした。これに対し、騒音レベルを2段階で判定するようにしてもよく、また、騒音レベルを4段階以上で判定してもよい。
(5)上記実施形態の帯域制御部254は、メモリ部255に記憶された周波数データを用いて、温度推定部26により推定された発音体温度に基づいて特定した起電力信号のピーク周波数を補正するようにした。しかし、必ずしもこのような補正を行う必要はない。
(6)上記実施形態の帯域制御部254は、温度推定部26により推定された発音体温度に基づいて起電力信号のピーク周波数を特定し、該起電力信号のピーク周波数に対応させるようフィルタ251の特定の阻止帯域を変化させるようにした。
これに対し、起電力信号のピーク周波数を特定することなく、フィルタ251の特定の阻止帯域を変化させるようにしてもよい。
(7)上記実施形態では、ピーキングフィルタによりフィルタ251を構成したが、ピーキングフィルタに限定されるものではなく、例えば、バンドストップフィルタ、ノッチフィルタ等のフィルタによりフィルタ251を構成してもよい。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
2 発音装置
3 スピーカ
10 車速センサ
11 液温センサ
12 外気温センサ
13 エンジンECU
20 マイコン
21 発音制御部
22 メモリ部
24 切替部
25 騒音推定処理部
26 温度推定部
27 出力音量判定部
251 フィルタ
252 積分処理部
253 騒音レベル推定部
254 帯域制御部
255 メモリ部

Claims (3)

  1. 発音する発音機能と、収集した音に応じた起電力信号を出力する集音機能と、を有する発音体(3)から報知音を発音させる発音装置であって、
    前記発音体から出力される前記起電力信号のピーク周波数に対応する特定の阻止帯域を減衰させるフィルタ(251)と、
    前記フィルタを通過した前記起電力信号に基づいて前記発音体により収集された前記音の騒音レベルを推定する騒音レベル推定部(253)と、
    前記騒音レベル推定部により推定された前記音の騒音レベルに応じて前記発音体から発音する前記報知音の音量を調整する音量調整部(21、27)と、
    前記発音体の温度である発音体温度を推定する温度推定部(26)と、
    前記温度推定部により推定された前記発音体温度を用いて前記フィルタの前記特定の阻止帯域を変化させる帯域制御部(254)と、を備え
    前記発音体は、ボイスコイルの振動が振動板に伝わることによって音波を放射する動電型スピーカで構成され、前記発音体温度の上昇に伴って前記起電力信号のピーク周波数が小さくなる周波数特性を有しており、
    前記帯域制御部は、前記発音体温度の上昇に伴って前記特定の阻止帯域の中心周波数が小さくなるように前記フィルタの前記特定の阻止帯域を変化させる、発音装置。
  2. 前記帯域制御部は、前記温度推定部により推定された前記発音体温度に基づいて前記起電力信号のピーク周波数を特定し、該起電力信号のピーク周波数に対応させるよう前記フィルタの前記特定の阻止帯域を変化させる請求項1に記載の発音装置。
  3. 所定温度における前記発音体から出力される前記起電力信号のピーク周波数を個別に測定した周波数データを記憶する記憶部(255)を備え、
    前記帯域制御部は、前記記憶部に記憶された前記周波数データを用いて、前記発音体の個別ばらつきを補正するよう前記フィルタの前記特定の阻止帯域を変化させる請求項2に記載の発音装置。
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