JP2017171884A - プロピレン系樹脂組成物及び成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】揮発性成分含有量が極めて少なく、電子機器部品等の搬送の際にも性能低下を起こさず、防塵性及び透明性に優れ、生産性の高いプロピレン系樹脂組成物及び成形品を提供することであり、特に電子機器部品搬送用成形品を提供する。【解決手段】メルトフローレートが2〜100g/10分の範囲であるプロピレン系重合体100重量部、分子中に式(1)の原子団1個とC5〜28の直鎖型炭化水素基を有する化合物の少なくとも1種と、塩基性窒素原子団1個と炭素数5〜28の直鎖型炭化水素基を有する塩基性有機化合物の少なくとも1種とからなるドナー・アクセプター系帯電防止剤(A)を0.01〜3重量部及び造核剤を含有するプロピレン系樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、特に電子機器部品搬送部材用に適したプロピレン系樹脂組成物及びその成形品に関し、詳しくは、搬送の際にも性能低下を起こさずにクリーン性に優れ、かつ成形品の防塵性及び透明性に優れる電子機器部品搬送用成形品を与えるプロピレン系樹脂組成物に関する。
プロピレン系樹脂は、耐熱性、成形性、透明性、耐薬品性に優れるという特徴により、各種工業材料、各種容器、日用品、フィルム及び繊維など様々な用途に幅広く使用されている。
電子機器には、シリコンウエハー、ハードディスク、ディスク基板、ICチップ、光記憶用ディスク、LCD用高機能基板ガラス、LCDカラーフィルター、ハードディスク磁気ヘッド素子、レチクル、CCD素子等々の各種部品が使用されている。電子機器の組み立てにおいては、これら部品を組み立てラインに供するため、これら部品を運搬、移送、保管する必要性があり、そのための搬送用ケースが用いられる。従来、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂の搬送用ケースがこの目的のため用いられてきた。
近年、電子機器部品は、その微細化、高性能化、高容量化にともない、製造環境、保管、移動中に発生、接触する汚染物質が、電子機器製品の歩留まり、品質、信頼性に大きな影響を及ぼすようになってきた。樹脂が含有する低分子量成分や残留物質に由来する揮発成分は、加工時の発煙、異臭等の発生原因になるばかりか、加工後でも臭気、色相に悪影響を与えることがある。電子機器部品の微細化・高密度化・高集積化が進むにつれて、より高度な清浄空間が必要になる。
また、電子機器部品の微細化が進むにつれ、微細な埃の付着が問題となってきている。帯電防止剤を樹脂に添加することにより、埃の付着は改善できるものの、帯電防止剤の添加は、帯電防止剤に由来する揮発成分の発生や、表面の汚染が問題となるため実現されていなかった。
前記帯電防止剤としては、導電剤であるカーボンブラックや、界面活性剤であるグリセリルモノステアレート、アルコール、アルキルアミン等の低分子量型帯電防止剤が知られている。しかしながらこのような低分子量型帯電防止剤を用いたトレイは、帯電防止剤がブリードすることによって帯電防止性能を発現するため、ブリードした帯電防止剤によって電子部品が汚染されてしまうという問題や、帯電防止性能を長期間維持できないという問題があった。
さらに、実用化の点で重要な課題は、電子機器部品の搬送の際、中を確認できる様な透明性が求められてきていることである。例えば、搬送用ケースの中のバーコードをスキャンできるレベルに到達することが非常に大切であり、基板収納容器の内部のウェハーの整列状態が目視で確認できることが求められている(例えば、特許文献1参照)。また、透明性と帯電防止性を両立させた材料は、レチクルケースの部材などにも活用できる(例えば、特許文献2参照)。
また、搬送用ケースの帯電防止剤としては、ポリマー型帯電防止剤が一般的である(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、特許文献3の実施例に記載された射出成形体の透明性(ヘイズ)は搬送用ケースとしては不十分であった。特許文献3には、他の付加的任意成分として造核剤を配合することは記載されておらず、プロピレン系樹脂材料の透明性のさらなる改善に関しては検討されていない。なお、この用途向けの帯電防止剤に関しては、特許文献4、5に記載の様な優れた技術が公開されているが、ポリプロピレンの透明性や揮発性に関しては検討されていない。
そして、また重要な特性としては、搬送用ケースに収納された上記部品に、性能上の不具合が発生する事である。例えば、記憶ディスクに有機物や酸性ガスが付着することからくる記憶ディスクの動作不良等の不具合があげられる(例えば、非特許文献1参照。)。この改良のためには搬送用ケースの樹脂材料から発生する有機物汚染ガスや水分の発生を抑えることにより、製品の歩留まり、貯蔵、移動中における品質の低下を防止し、信頼性を向上させることが期待される。
ポリプロピレン系樹脂に係わるこのような問題を解決するために、重合後に低分子量成分を洗浄除去する方法(例えば、特許文献6、7参照。)や、塊状重合後の液相部分を分離除去する方法(例えば、特許文献8、9参照。)が提案されている。いずれの方法を用いても、得られた樹脂中のオリゴマー成分量やこれに由来する揮発成分量は、十分といえるレベルではなく、品質の優れたプロピレン系樹脂の出現が望まれていた。
特開2014−110350号公報 特開2007−329439号公報 特許第5681419号公報 特開2011−079918号公報 特許第5734491号公報 特公昭53−4107号公報 特公昭58−41283号公報 特開平10−17612号公報 特開平10−17613号公報
超クリーン化技術 東レリサーチセンター(2005年7月)
本発明の目的は、かかる従来技術の状況において、揮発性成分含有量が極めて少なく、電子機器部品等の搬送の際にも性能低下を起こさず、防塵性及び透明性に優れ、生産性の高いプロピレン系樹脂組成物及び成形品を提供することであり、特に電子機器部品搬送用成形品を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を行い、特定のポリプロピレン系樹脂に特定の帯電防止剤と造核剤を所定の割合で含有させることにより、これを用いた搬送用成形品は、揮発性成分含有量が構成される材料配合から予測される量に対し極めて少なく、電子機器部品の搬送の際にも性能低下を起こさず、防塵性及び透明性に優れる事を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のプロピレン系樹脂組成物及び成形品を提供するもので、特に、電子機器部品搬送部材用に適したプロピレン系樹脂組成物並びに成形品として電子機器部品搬送用成形品及び半導体関連部品搬送ケースを提供するものである。
[1]JIS K7210(230℃、2.16kg荷重)に準拠したメルトフローレート(以下、MFRと略称することがある。)が2〜100g/10分の範囲であるプロピレン系重合体(a)100重量部に対して、分子中に下記式(1)にて表される原子団1個と炭素数5〜28の直鎖型炭化水素基を最小限1個有する半極性有機化合物の少なくとも1種と、分子中に塩基性窒素原子団1個と炭素数5〜28の直鎖型炭化水素基を最小限1個有する塩基性有機化合物の少なくとも1種とからなるドナー・アクセプター系帯電防止剤(A)を0.01〜3重量部及び造核剤を0.001〜0.4重量部含有してなることを特徴とするプロピレン系樹脂組成物。
Figure 2017171884
[2]ドナー・アクセプター系帯電防止剤(A)が下記式(2)で示される化合物又は式(3)で示される化合物である[1]に記載のプロピレン系樹脂組成物。
Figure 2017171884
(式中、R及びRは、それぞれ独立して、RCO−OCH−又はHOCH−で、かつ少なくとも一方がRCO−OCH−であり、R及びRは、それぞれ独立して、CH−、C−、HOCH−、HOC−又はHOCHCH(CH)−であり、Rは、−C−又は−C−であり、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数11〜21のアルキルである。)
Figure 2017171884
(式中、R及びRは、それぞれ独立して、RCO−OCH−又はHOCH−で、かつ少なくとも一方がRCO−OCH−であり、R及びRは、それぞれ独立して、CH−、C−、HOCH−、HOC−又はHOCHCH(CH)−であり、Rは、−C−又は−C−であり、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数11〜21のアルキルである。)
[3]造核剤が、プロピレン系重合体(a)100重量部に対して、下記式(4)で示される造核剤(A)0.001〜0.05重量部、下記式(5)で示される造核剤(B)0.01〜0.20重量部、下記式(6)で示される造核剤(C)0.01〜0.20重量部、下記式(7)で示される造核剤(D)0.10〜0.40重量部、下記式(8)で示される造核剤(E)0.10〜0.40重量部からなる群から選択される少なくとも1種の造核剤である[1]又は[2]に記載のプロピレン系樹脂組成物。
Figure 2017171884
(式中、R、R及びRは、互いに独立して、未置換の又は置換された炭化水素基を表す。)
Figure 2017171884
(式中、Rは、直接結合、硫黄、炭素数1〜9のアルキレン又は炭素数2〜9のアルキリデンであり、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ水素、炭素数1〜8のアルキル又は炭素数7〜9のアルキルアリールであり、MはLi、Na、K、Mg、Ca、Zn又はAlであり、nはMの価数である。)
Figure 2017171884
(式中、Rは、水素又は炭素数1〜4のアルキルを示し、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ水素又は炭素数1〜12のアルキルを示し、Mは、周期表第3族又は第4族の金属を示し、Xは、Mが周期表第3族の金属を示す場合には、HO−を示し、Mが周期表第4族の金属を示す場合には、O=又は(HO)−を示す。)
Figure 2017171884
(式中、nは、0〜2の整数であり、R〜Rは、それぞれ独立して、同一又は異なって、水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル、炭素数2〜20のアルケニル、炭素数1〜20のアルコキシ、炭素数1〜20のアルコキシカルボニル又はフェニルであり、Rは、炭素数1〜20のアルキルである。)
Figure 2017171884
(式中、m及びnは、独立して1〜5の整数を表し、R及びRは、各々独立して、同一又は異なって、水素、炭素数1〜18のアルキル、炭素数1〜18のアルコキシ又はハロゲンを表す。)
[4]JIS K7136に準拠して測定される肉厚1mmのヘイズが30%未満である[1]〜[3]のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物。
[5]揮発性成分含有量が30重量ppm以下である[1]〜[4]のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物。
[6]電子機器部品搬送部材用である[1]〜[5]のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物。
[7][1]〜[6]のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物を用いて得られた成形品。
[8][1]〜[6]のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物を用いて得られた電子機器部品搬送用成形品。
本発明のプロピレン系樹脂組成物を用いて製造した成形品、特に電子機器部品搬送用成形品は、従来の搬送ケースと比べ揮発性成分含有量が、構成される材料配合から予測される量に対し極めて少なく、電子機器部品の搬送の際にも性能低下を起こさず、防塵性及び透明性に優れる性能を満足するため有用である。特に、半導体関連部品搬送ケースとして非常に有用である。
図1は、ポリマー型帯電防止剤である三洋化成工業社製商品名「ペレクトロンUC」のIRチャートの図である。
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、JIS K7210(230℃、2.16kg荷重)に準拠したメルトフローレートが2〜100g/10分の範囲であるプロピレン系重合体(a)100重量部に対して、ドナー・アクセプター系帯電防止剤(A)を0.01〜3重量部及び造核剤を0.001〜0.4重量部含有してなり、防塵性と透明性が優れることを特徴とする。
以下、本発明のプロピレン系樹脂組成物及び成形品について、詳細に説明する。
[1] プロピレン系樹脂組成物を構成する成分
(1) プロピレン系重合体(a)
(i)プロピレン系重合体(a)のメルトフローレート(MFR)
本発明で用いられるプロピレン系重合体(a)は、JIS K7210(230℃、2.16kg荷重)に準拠したメルトフローレート(MFR)が2〜100g/10分の範囲のものであり、5〜60g/10分が好ましく、10〜40g/10分がさらに好ましい。メルトフローレート(MFR)が2g/10分以上では、成形加工性の向上をもたらし製品として満足できるものが得られる。また、100g/10分以下であると、機械的強度の向上がもたらされる。
メルトフローレート(MFR)は、プロピレン系重合体(a)の重合条件である温度や圧力を調節したり、水素等の連鎖移動剤を重合時に添加する方法における水素添加量の制御により、容易に調整を行なうことができる。
(ii)プロピレン系重合体(a)のα−オレフィン含有量
本発明のプロピレン系樹脂組成物に用いられるプロピレン系重合体(a)は、好ましくはプロピレン単独重合体、プロピレンと含有量が1重量%未満のα−オレフィンとからなるプロピレン系共重合体又はこれらの混合物である。
プロピレン系重合体(a)は、剛性の観点では単独重合体が望ましく、透明性の観点ではプロピレンとα−オレフィンとからなるランダム共重合体が望ましい。共重合に用いられるα−オレフィンは、プロピレンを除く炭素数2〜20のα−オレフィンがあげられ、例えばエチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等を例示できる。プロピレンと共重合されるα−オレフィンは一種類でも二種類以上用いてもよい。このうちエチレン、ブテン−1が好適である。より好ましくはエチレンが好適である。また、これらプロピレン系重合体は、二種以上混合して使用してもよい。また、α−オレフィンの含有量が1重量%未満であると剛性の観点から好ましい。
プロピレン系共重合体の具体的な例としては、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ヘキセン−1共重合体、プロピレン−オクテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ヘキセン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1−オクテン−1共重合体などのような、共単量体を任意に若干量組み合わせた二元又は三元共重合体が例示できる。
プロピレン系重合体(a)に用いられるα−オレフィン含有量は、好ましくは1重量%未満であり、0.5重量%未満がより好ましい。α−オレフィンの含有量が1重量%未満であると、剛性が向上し、容器を積み重ねた際に変形を起こす恐れがない。
ここで、プロピレン及びα−オレフィンの含有量は、下記の条件の13C−NMR法によって計測される値である。
装置:日本電子社製 JEOL−GSX270
濃度:300mg/2mL
溶媒:オルソジクロロベンゼン
(iii)プロピレン系重合体(a)の立体規則性
本発明で用いられるプロピレン系重合体(a)がプロピレン単独重合体の場合は、アイソタクチックペンタッド分率は0.90以上が好ましく、より好ましくは0.94〜0.98である。アイソタクチックペンタッド分率が0.90以上であると、剛性が満足できる。
ここで、アイソタクチックペンタッド分率は、13C−NMRを用いたプロトンデカップリング法で測定する値である。
(iv)プロピレン系重合体(a)の触媒
本発明に用いるプロピレン系重合体(a)は、用いる触媒としては、特に限定されないが、立体規則性触媒を使用する方が好ましい。立体規則性触媒としては、チーグラー触媒やメタロセン触媒などが挙げられる。好ましくは、低揮発性が期待できるメタロセン触媒を用いた方がより好ましい。
チーグラー触媒としては、三塩化チタン、四塩化チタン、トリクロロエトキシチタン等のハロゲン化チタン化合物、前記ハロゲン化チタン化合物とハロゲン化マグネシウムに代表されるマグネシウム化合物との接触物等の遷移金属成分とアルキルアルミニウム化合物又はそれらのハロゲン化物、水素化物、アルコキシド等の有機金属成分との2成分系触媒、更にそれらの成分に窒素、炭素、リン、硫黄、酸素、ケイ素等を含む電子供与性化合物を加えた3成分系触媒が挙げられる。
メタロセン触媒としては、担持型のものが好ましい。
担持型メタロセン触媒の特に好ましい例としては、担体が助触媒の機能を兼ねたイオン交換性層状ケイ酸塩が挙げられる。具体的には、以下に述べる成分[A]、成分[B]及び必要に応じて添加される成分[C]を組み合わせて得られる。
・成分[A]メタロセン錯体
共役五員環配位子を少なくとも一個有する周期表第4〜6族の遷移金属化合物
・成分[B]助触媒
イオン交換性層状ケイ酸塩
・成分[C]有機アルミニウム化合物
・成分[A]メタロセン錯体
上記の成分[A]としては、具体的には、次の式[I]で表される化合物を使用することができる。
Q(C4−a )(C4−b )MXY ・・・[I]
式[I]において、Qは、二つの共役五員環配位子を架橋する結合性基を表す。
Mは、周期表第4〜6族遷移金属を表し、中でもチタン、ジルコニウム、ハフニウムが好ましい。
X及びYは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン基、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基、炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基、炭素数1〜20のリン含有炭化水素基又は炭素数1〜20の珪素含有炭化水素基を示す。
及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、珪素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基又はホウ素含有炭化水素基を示す。また、隣接する2個のR又は2個のRがそれぞれ結合してC〜C10環を形成していてもよい。特には、6員環、7員環を形成して、上記共役五員環と共に、インデン環、アズレン環を形成することが好ましい。
a及びbは、0≦a≦4、0≦b≦4を満足する整数である。
2個の共役五員環配位子の間を架橋する結合性基Qは、例として、アルキレン基、アルキリデン基、シリレン基、ゲルミレン基等が挙げられる。これらは水素原子がアルキル基、ハロゲン等で置換されたものであってもよい。特には、シリレン基が好ましい。
メタロセン錯体として、具体的には次の化合物を好ましく挙げることができる。
(1)メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド
(2)メチレン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド
(3)イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド
(4)エチレン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジメチルペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド
(5)メチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド
(6)エチレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド
(7)エチレン1,2−ビス(4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド
(8)エチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド
(9)ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド
(10)ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド
(11)ジメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド
(12)ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド
(13)ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロリド
(14)メチルフェニルシリレンビス[1−(2−メチル−4,5−ベンゾ(インデニル)]ジルコニウムジクロリド
(15)ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)]ジルコニウムジクロリド
(16)ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド
(17)ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド
(18)ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド
(19)ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−ナフチル−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド
(20)ジフェニルシリレンビス[1−(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド
(21)ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4−(フェニルインデニル))]ジルコニウムジクロリド
(22)ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−(フェニルインデニル))]ジルコニウムジクロリド
(23)ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−ナフチル−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド
(24)ジメチルゲルミレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド
(25)ジメチルゲルミレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド
また、チタニウム化合物、ハフニウム化合物などの他の第4、5、6族遷移金属化合物についても上記と同様の化合物が好ましく挙げられる。本発明の触媒成分及び触媒については、これらの化合物を併用してもよい。
・成分[B]助触媒(イオン交換性層状ケイ酸塩)
イオン交換性層状ケイ酸塩は、天然産のものに限らず、人工合成物であってもよい。イオン交換性層状ケイ酸塩として粘土化合物を使用することができ、粘土化合物の具体例としては、例えば、白水春雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(1995年)に記載されている次のような層状珪酸塩が挙げられる。
(ア)1:1型構造が主要な構成層であるディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイト、メタハロイサイト、ハロイサイト等のカオリン族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族
(イ)2:1型構造が主要な構成層であるモンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト等のスメクタイト族、バーミキュライト等のバーミキュライト族、雲母、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母族、アタパルジャイト、セピオライト、パリゴルスカイト、ベントナイト、パイロフィライト、タルク、緑泥石群
本発明で使用する珪酸塩は、上記(ア)、(イ)の混合層を形成した層状珪酸塩であってもよい。
本発明においては、主成分の珪酸塩が2:1型構造を有する珪酸塩であることが好ましく、スメクタイト族であることが更に好ましく、モンモリロナイトであることが特に好ましい。
これら珪酸塩を酸、塩、アルカリ、酸化剤、還元剤、有機溶剤などで化学処理することにより活性向上を図ることができる。
酸処理は、イオン交換性層状珪酸塩粒子の表面の不純物を除く、又は層間陽イオンの交換を行うほか、結晶構造のAl、Fe、Mg等の陽イオンの一部又は全部を溶出させることができる。
酸処理で用いられる酸としては、塩酸、硝酸、硫酸などが挙げられるが、好ましくは無機酸、特に好ましくは硫酸である。
酸処理条件に特に制限はないが、好ましくは5〜50重量%の酸の水溶液を60〜100℃の温度で1〜24時間反応させるような条件であり、その途中で酸の濃度を変化させてもよい。酸処理した後、通常洗浄が行われる。洗浄とは処理系内に含まれる酸をイオン交換性層状珪酸塩から分離除去する操作である。
塩類処理で用いられる塩類としては、特定の陽イオンを含有するものを選択して使用することが好ましい。陽イオンの種類については1から4価の金属陽イオンが好ましく、特にLi、Ni、Zn、Hfの陽イオンが好ましい。
具体的な塩類としては、次のものを例示することができる。
陽イオンがLiのものとしては、LiCl、LiBr、LiSO、Li(PO)、Li(ClO)、Li(C)、LiNO、Li(OOCCH)、Li(C)等を挙げることができる。
陽イオンがNiのものとしては、NiCO、Ni(NO、NiC、Ni(ClO、NiSO、NiCl、NiBr等を挙げることができる。
陽イオンがZnのものとしては、Zn(OOCH、Zn(CHCOCHCOCH、ZnCO、Zn(NO、Zn(ClO、Zn(PO、ZnSO、ZnF、ZnCl、ZnBr、ZnI等を挙げることができる。
陽イオンがHfのものとしては、Hf(OOCCH、Hf(CO、Hf(NO、Hf(SO、HfOCl、HfF、HfCl、HfBr、HfI等を挙げることができる。
化学処理後は、乾燥を行うが、一般的には、乾燥温度は100〜800℃で実施可能であり、構造破壊を生じるような高温条件(加熱時間にもよるが、例えば800℃以上)は好ましくない。構造破壊されなくとも乾燥温度により特性が変化するために、用途に応じて乾燥温度を変えることが好ましい。乾燥時間は、通常1分〜24時間、好ましくは5分〜4時間であり、雰囲気は乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、又は減圧下である。乾燥方法に関しては特に限定されず各種方法で実施可能である。
・成分[C]有機アルミニウム化合物
成分[C]の有機アルミニウム化合物は、必要に応じて任意的に使用される成分であり、下記式[II]で示される化合物が最適である。
(AlR 3−p・・・[II]
式[II]中、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基を示し、Xは、ハロゲン、水素、アルコキシ基、アミノ基を示す。pは1〜3の整数、qは1〜2の整数である。
としては、アルキル基が好ましく、またXは、それがアルコキシ基の場合には炭素数1〜8のアルコキシ基が、アミノ基の場合には炭素数1〜8のアミノ基が好ましい。
これらのうち、好ましくは、p=3、q=1のトリアルキルアルミニウム及びp=2、q=1のジアルキルアルミニウムヒドリドである。さらに好ましくは、Rが炭素数1〜8であるトリアルキルアルミニウムである。
有機アルミニウム化合物は、単独又は複数種混合して、又は併用して使用することができる。また、有機アルミニウム化合物は、触媒調製時だけでなく、予備重合又は本重合時にも添加して使用することができる。
(v)プロピレン系重合体(a)の製造方法
プロピレン系重合体(a)の製造方法としては、特に限定されないが、上記立体規則性触媒を使用する重合方法が好ましい。立体規則性触媒としては、チーグラー触媒やメタロセン触媒などが挙げられる。チーグラー触媒を使用してプロピレンを単独重合又はプロピレンとα−オレフィンとを共重合することによってチーグラー系プロピレン系重合体を製造することができる。メタロセン触媒を使用してプロピレンを単独重合又はプロピレンとα−オレフィンとを共重合することによってメタロセン系プロピレン系重合体を製造することができる。メタロセン触媒を使用した方が低揮発性のプロピレン系重合体が得られるのでより好ましい。
プロピレン系重合体(a)の製造方法としては、上記触媒の存在下に、不活性溶媒を用いたスラリー重合法、溶液重合法、実質的に溶媒を用いない気相重合法、重合モノマーを溶媒とするバルク重合法等の重合方法が挙げられる。
例えば、スラリー重合法の場合には、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水素又は液状モノマー中で行うことができる。重合温度は、通常−80〜150℃であり、好ましくは40〜120℃である。重合圧力は、1〜60気圧(0.10〜6.08MPa)が好ましく、また得られるプロピレン系重合体(a)の分子量の調節は、水素若しくは他の公知の分子量調整剤で行うことができる。重合は連続式又はバッチ式反応で行い、その条件は通常用いられている条件でよい。さらに重合反応は一段で行ってもよく、多段で行ってもよい。
メタロセン触媒を用いる場合は、本重合が行われる前に予備重合処理することが望ましい。予備重合に供されるモノマーとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン等のα−オレフィン、1,3−ブタジエン等のジエン化合物、スチレン、ジビニルベンゼン等のビニル化合物を用いることができる。
この予備重合は、不活性溶媒中で穏和な条件で行うことが好ましく、固体触媒(成分[A]と成分[B]の合計)1gあたり、0.01〜1,000g、好ましくは0.1〜100gの重合体が生成するように行うことが望ましい。
重合反応は、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、シクロヘキサン等の不活性炭化水素や液化α−オレフィン等の溶媒存在下、又は不存在下に行われる。本発明においては、固体触媒(固体触媒を予備重合処理した場合は、予備重合で生成した重合体を含まない。)当たりのポリマー生成量をできるだけ大きくすることが望ましい。ポリマー生成量を大きくするために、重合温度、重合圧力はいずれも高めに設定することが望ましい。
通常、重合温度は60〜90℃、重合圧力は1.5〜4MPa程度から選択される。特に、バルク重合法の場合、重合温度は60〜80℃で、重合圧力は温度と相関して2.5〜4MPa程度から選択することが好ましい。一方、気相重合法の場合は、重合温度は70〜90℃で、1.5〜4MPa程度から選択することが好ましい。
さらに、固体触媒の滞留時間を長くすることによっても、固体触媒当たりのポリマー生産量を上げることが可能であるが、あまり長くし過ぎると生産性に影響を与える。好ましい滞留時間は、1〜8時間、さらに好ましくは1〜6時間である。担体を含めた固体触媒1gあたりのポリマー生産量は20kg以上、好ましくは25kg以上、さらに好ましくは30kg以上となるように、重合条件を設定することが望ましい。
また、重合系内に分子量調節剤として水素を存在させてもよい。更に、重合温度、分子量調節剤の濃度等を変えて多段階で重合させてもよい。
本発明においては、重合終了後、得られたプロピレン系重合体(a)を、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの不活性飽和炭化水素溶剤や液状α−オレフィンなどを用いて、さらに好ましくは炭素数3又は4の不活性炭化水素溶剤や液状α−オレフィンを用いて、洗浄を行うことが好ましい。
洗浄方法としては、特に制限はなく、撹拌槽での接触処理後上澄みのデカンテーション、向流洗浄、サイクロンによる洗浄液との分離など、公知の方法を用いることができる。
また、洗浄前又は洗浄と同時に、失活剤を添加してもよい。失活剤に関しては、特に制限はなく、水、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類など、又はこれらの混合物を用いることができる。
(vi)プロピレン系重合体(a)の分子量分布(Mw/Mn)及び重量平均分子量(Mw)
本発明に用いるプロピレン系重合体(a)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により得られる分子量分布〔重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)〕は1.5〜4.0が好ましい。
分子量分布の下限は好ましくは2.0以上、より好ましくは2.5以上であり、上限は好ましくは3.8以下、より好ましくは3.5以下である。
分子量分布の下限が一定以上であると、プロピレン系重合体(a)の製造や精製の条件範囲が広がるため生産効率が向上し好ましい。また、上限が一定以下であると、分子鎖の長さが非常に揃っていることを示し、揮発性成分の発生の原因になると考えられる未反応モノマー、ダイマー、低分子量化合物、非晶質成分、オリゴマーなどの、比較的低分子量の成分の含有量が少なくなるため好ましい。
また、本発明に用いるプロピレン系重合体(a)の重量平均分子量(Mw)は、10万〜60万の範囲であることが好ましい。重量平均分子量Mwが60万以下であると成形が容易になる。一方、重量平均分子量Mwが10万以上では、低結晶成分が減少し、金型汚染、ブリードアウト、溶媒溶出等を抑制する上、成形品の耐衝撃性が向上するため、実用的である。
(vii)プロピレン系重合体(a)の平均溶出温度(T50)及び溶出分散度(σ)
メタロセン触媒を用いる場合は、本発明に用いるプロピレン系重合体(a)の平均溶出温度(T50)は90〜105℃が好ましく、溶出分散度(σ)は9℃以下が好ましい。
ここで、平均溶出温度は、o−ジクロロベンゼンを溶媒とする温度上昇溶離分別法による重合体の溶出曲線に基づく値であり、溶出重合体の積算質量が50質量%となるときの温度を表す。溶出分散度は、温度上昇溶離分別法による溶出量が溶出温度に対して正規確率分布に従うと仮定し、質量積算溶出量I(t)が下記の数式(1)で表されると定義した際のσの値である。
Figure 2017171884
溶出分散度は具体的には、σ=T50−T15.9である。なお、T15.9は積算質量が15.9質量%となるときの温度を示す。
平均溶出温度が90〜105℃であることにより、成形品を電子機器部品搬送用成形品とした場合、プロピレン系重合体(a)の分子量及び融点を成形のために適切なものとすることができ、寸法精度を向上させることができる。平均溶出温度が90℃以上のときにはプロピレン系重合体(a)の分子量及び融点が低くなり過ぎることはなく、電子機器部品搬送用成形品の寸法精度が良好となり、105℃以下のときにはプロピレン系樹脂の分子量及び融点が高くなり過ぎることはなく好ましい。
また、溶出分散度(σ)が9℃以下であることにより、温度上昇に伴う成分の溶出を抑えることができると共に、寸法精度を高めることができる。溶出分散度(σ)はより好ましくは7℃以下、更に好ましくは6℃以下である。
(2) ドナー・アクセプター系帯電防止剤(A)
分子中に下記式(1)にて表される原子団1個と炭素数5〜28の直鎖型炭化水素基を最小限1個有する半極性有機化合物(以下、半極性有機化合物と称する)の少なくても1種と、分子中に塩基性窒素原子団1個と炭素数5〜28の直鎖型炭化水素基を最小限1個有する塩基性有機化合物(以下、塩基性有機化合物と称する)の少なくとも1種とを均一混合させた組成物よりなることを特徴とするドナー・アクセプター系帯電防止剤である。
Figure 2017171884
これは従来から用いられている帯電防止剤とは異なりドナー化合物、アクセプター化合物共に最小限1個の直鎖型炭化水素基を有するものの組み合わせを以ってポリプロピレン高分子マトリックスと多重的にファンデルワールス力を作用させて、帯電防止効能を担うクーロン力発現部分を長期に安定存在させるものである。電子伝導を基礎としたドナー・アクセプターハイブリッド形式の化合物は古くから知られているが、それらは本発明に用いるドナー・アクセプター系帯電防止剤とは機構も構造も全く異なっている。
そして、本発明において好ましく用いられる半極性有機化合物とは、隣接ヒドロキシ基を残存している状態の多価アルコールと直鎖型脂肪酸との間のエステルの残存している隣接ヒドロキシ基に対してホウ酸若しくは低級アルコールのホウ酸エステルを反応させるか、隣接ヒドロキシ基を有する直鎖型炭化水素化合物に対して、ホウ酸若しくは低級アルコールのホウ酸エステルを反応させるか、又は、隣接ヒドロキシ基を有する3価以上の多価アルコールとホウ酸若しくは低級アルコールのホウ酸エステルを反応させた後に残存しているヒドロキシ基に対して、直鎖型脂肪酸を反応させることにより得られるものであり、この反応で得られたものはファンデルワールス力の強い固体である点に特徴を有している。
本発明における半極性有機化合物(ホウ酸エステル形錯体)に用いる多価アルコール又は多価アルコールの脂肪酸部分エステルの好ましい例としては、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリンなどのポリグリセリン、炭素数14〜24の1,2−アルカンジオール、ソルビトール、ソルビタン、ショ糖、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトールなどのポリペンタエリスリトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ポリオキシエチレングリセリン、ポリオキシエチレンソルビタンなどの多価アルコール、グリセリン高級脂肪酸モノエステル、ジグリセリン高級脂肪酸モノエステル、トリグリセリン高級脂肪酸モノエステル、テトラグリセリン高級脂肪酸モノエステルなどのポリグリセリン高級脂肪酸モノエステル、ソルビトール高級脂肪酸モノエステル、ソルビタン高級脂肪酸モノエステル、ショ糖高級脂肪酸モノエステル、ペンタエリスリトール高級脂肪酸モノ若しくはジエステル、ジペンタエリスリトール高級脂肪酸モノ若しくはジエステル、トリペンタエリスリトール高級脂肪酸モノ若しくはジエステルなどのポリペンタエリスリトール高級脂肪酸モノ若しくはジエステル、トリメチロールエタン高級脂肪酸モノエステル、トリメチロールプロパン高級脂肪酸モノエステル、ポリオキシエチレングリセリン高級脂肪酸モノエステル、ポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸モノエステルなどの多価アルコールの高級脂肪酸部分エステル(高級脂肪酸としてはヘキサン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸、オレイン酸、エルカ酸など)を例示できる。特にグリセリン高級脂肪酸モノエステル、ペンタエリスリトール高級脂肪酸モノ若しくはジエステルが好ましい。
また、本発明において好ましく用いられる塩基性有機化合物は、直鎖型炭化水素基を最小限1個有するN−アルキル置換一級、二級及び三級アミンそのままか、直鎖型炭化水素基を最小限1個有する一級及び二級アミンに対してエチレンオキシドを付加して、N−ヒドロキシエチル置換基を結合させたものか、さらに、その末端ヒドロキシ基に対して直鎖型脂肪酸を反応させたものか、若しくは、アンモニアと直鎖型炭化水素のエポキシ化物とを反応させてつくられる直鎖型2−ヒドロキシ脂肪族アミンそのままか、又は、一級及び二級の直鎖型2−ヒドロキシ脂肪族アミンに対してエチレンオキシドを付加して、N−ヒドロキシエチル置換基を結合させたものか、若しくは、ポリアルキレンポリアミン中のアミノ基を1個残存させるようなモル比で、ポリアルキレンポリアミンと直鎖型脂肪酸を反応させて、他のアミノ基を全て脂肪酸アミド化したもの等であり、特色としては、前記半極性有機化合物と同様に、ファンデルワールス力の強い固体である。
本発明における塩基性有機化合物(脂肪族アミン)の好ましい例としては、オクチルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、パルミチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ココアミン、タロウアミン、ソイアミン、N,N−ジココアミン、N,N−ジタロウアミン、N,N−ジソイアミン、N−ラウリル−N,N−ジメチルアミン、N−ミリスチル−N,N−ジメチルアミン、N−パルミチル−N,N−ジメチルアミン、N−ステアリル−N,N−ジメチルアミン、N−ココ−N,N−ジメチルアミン、N−タロウ−N,N−ジメチルアミン、N−ソイ−N,N−ジメチルアミン、N−メチル−N,N−ジタロウアミン、N−メチル−N,N−ジココアミン、N−オレイル−1,3−ジアミノプロパン、N−タロウ−1,3−ジアミノプロパン、ヘキサメチレンジアミン、N−ラウリル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド、N−パルミチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド、N−ステアリル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド、N−ドコシル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド、N−ココ−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド、N−タロウ−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド、N−ソイ−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド、N−ラウリル−N,N−ジメチル−N−ベンジルアンモニウムクロリド、N−ミリスチル−N,N−ジメチル−N−ベンジルアンモニウムクロリド、N−ステアリル−N,N−ジメチル−N−ベンジルアンモニウムクロリド、N−ココ−N,N−ジメチル−N−ベンジルアンモニウムクロリド、N,N−ジオレイル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ジココ−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ジタロウ−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ジソイ−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N−ラウリル−N−メチルアンモニウムクロリド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N−ステアリル−N−メチルアンモニウムクロリド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N−オレイル−N−メチルアンモニウムクロリド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N−ココ−N−メチルアンモニウムクロリド、N,N−ビス(ポリオキシエチレン)−N−ラウリル−N−メチルアンモニウムクロリド、N,N−ビス(ポリオキシエチレン)−N−ステアリル−N−メチルアンモニウムクロリド、N,N−ビス(ポリオキシエチレン)−N−オレイル−N−メチルアンモニウムクロリド、N,N−ビス(ポリオキシエチルン)−N−ココ−N−メチルアンモニウムクロリド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ラウリルアミノベタイン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)トリデシルアミノベタイン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ミリスチルアミノベタイン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ペンタデシルアミノベタイン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)パルミチルアミノベタイン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ステアリルアミノベタイン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)オレイルアミノベタイン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ドコシルアミノベタイン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)オクタコシルアミノベタイン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ココアミノベタイン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)タロウアミノベタイン、
ヘキサメチレンテトラミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ラウリルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)トリデシルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ミリスチルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ペンタデシルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)パルミチルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ステアリルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)オレイルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ドコシルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)オクタコシルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ココアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)タロウアミン、N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)ラウリルアミン、N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)トリデシルアミン、N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)ミリスチルアミン、N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)ペンタデシルアミン、N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)パルミチルアミン、N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)ステアリルアミン、N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)オレイルアミン、N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)ドコシルアミン、N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)オクタコシルアミン、N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)ココアミン、N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)タロウアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ラウリルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)トリデシルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ミリスチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ペンタデシルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)パルミチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ステアリルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)オレイルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ドコシルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)オクタコシルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ココアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)タロウアミンなどのN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)脂肪族アミン、該N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)脂肪族アミンとラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸、エルカ酸などの脂肪酸とのモノ若しくはジエステル、ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンステアリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンオレイルアミノエーテル、ポリオキシエチレンココアミノエーテル、ポリオキシエチレンタロウアミノエーテルなどのポリオキシエチレン脂肪族アミノエーテル、該ポリオキシエチレン脂肪族アミノエーテルと前記脂肪酸とのモノ若しくはジエステル、
N−(ラウロイルオキシエチル)−N−(ステアロイルオキシエトキシエチル)ステアリルアミン、N,N,N’,N’−テトラ(2−ヒドロキシエチル)−1,6−ジアミノヘキサン、N−ラウリル−N,N’,N’−トリス(2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジアミノプロパン、N−ステアリル−N,N’,N’−トリス(2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジアミノプロパン、N−ココ−N,N’,N’−トリス(2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジアミノプロパン、N−タロウ−N,N’,N’−トリス(2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジアミノプロパン、N,N−ジココ−N’,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジアミノプロパン、N,N−ジタロウ−N’,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジアミノプロパン、N−ココ−N,N’,N’−トリス(2−ヒドロキシエチル)−1,6−ジアミノヘキサン、N−タロウ−N,N’,N’−トリス(2−ヒドロキシエチル)−1,6−ジアミノヘキサン、N,N−ジココ−N’,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)−1,6−ジアミノヘキサン、N,N−ジタロウ−N’,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)−1,6−ジアミノヘキサン、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシラウリルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシミリスチルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシパルミチルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシステアリルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシラウリルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシミリスチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシパルミチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−ヒドロキシステアリルアミン、2,2’−ビス(ラウリン酸アミド)ジエチルアミン、2,2’−ビス(ミリスチン酸アミド)ジエチルアミン、2,2’−ビス(パルミチン酸アミド)ジエチルアミン、2,2’−ビス(ステアリン酸アミド)ジエチルアミン、N−(2−(ラウリン酸アミド))エチル−N−(2’−(ステアリン酸アミド))エチルアミン、N−(2−(ミリスチン酸アミド))エチル−N−(2’−(ステアリン酸アミド))エチルアミン、N−(3−(ラウリン酸アミド))プロピル−N,N−ジメチルアミン、N−(3−(ミリスチン酸アミド))プロピル−N,N−ジメチルアミン、N−(3−(パルミチン酸アミド))プロピル−N,N−ジメチルアミン、N−(3−(ステアリン酸アミド))プロピル−N,N−ジメチルアミン、N−(3−(ラウロイルオキシ))プロピル−N,N−ジメチルアミン、N−(3−(ミリストイルオキシ))プロピル−N,N−ジメチルアミン、N−(3−(パルミトイルオキシ))プロピル−N,N−ジメチルアミン、N−(3−(ステアロイルオキシ))プロピル−N,N−ジメチルアミン、N,N−ビス(3−(ラウリン酸アミド)プロピル)メチルアミン、N,N−ビス(3−(ミリスチン酸アミド)プロピル)メチルアミン、N,N−ビス(3−(パルミチン酸アミド)プロピル)メチルアミン、N,N−ビス(3−(ステアリン酸アミド)プロピル)メチルアミンなどを例示できる。
本発明におけるドナー・アクセプター系帯電防止剤(A)の一例として、式(9)〜式(16)に示す。
Figure 2017171884
Figure 2017171884
Figure 2017171884
Figure 2017171884
Figure 2017171884
Figure 2017171884
Figure 2017171884
Figure 2017171884
例として挙げた上記式(9)〜(16)は、上段の半極性有機ホウ素化合物部分をドナー成分とし、下段の三級アミン部分をアクセプター成分とし、両者をモル比約1:1で反応させたドナー・アクセプター系帯電防止剤であり、前記ドナー成分の、「δ+」は分子内の共有結合中に極性が存在していることを示し、(+)は酸素原子の電子供与性が強くなっていることを示し、(−)はホウ素原子の電子吸引性が強くなっていることを示し、「→」は電子が引き付けられる経路を示し、「−−−」は原子間結合力が弱められた状態を示す。
ドナー・アクセプター系帯電防止剤(A)は、プロピレン系重合体(a)と混合する前に、予めドナー成分とアクセプター成分をモル比約1:1で混合溶融して反応させることにより作製しておく事が好ましい。予め反応させることなく、プロピレン系重合体(a)にドナー成分とアクセプター成分を別々に混合しただけでは、混合物中で両成分が反応する機会は非常に少ないため、前記分子化合物がほとんど形成されず、本発明の効果を得られにくくなる。また、両成分の混合モル比は1:1に近いほど好ましく、混合モル比の範囲は1:0.8〜:1:1.25程度であれば、分子化合物が十分に形成されるので、本発明の効果が得られやすくなり好ましい。
プロピレン系重合体(a)100重量部に対して、ドナー・アクセプター系帯電防止剤(A)の含有量は、0.01〜3重量部である。0.01重量部以上であると十分な帯電防止効果が得られ、3重量部以下であると、成形品表面付近に存在するボロン成分の懸念がない。特に半導体関連の部材に使用する場合、ボロンやリンはドープ剤として用いられる成分であり、この成分が成形品の表面付近に存在する事は好ましくない。
ドナー・アクセプター系帯電防止剤(A)の含有量の下限は、好ましくは0.1重量部、より好ましくは0.3重量部、更に好ましくは0.5重量部以上である。また、ドナー・アクセプター系帯電防止剤(A)の含有量の上限は好ましくは2重量部、より好ましくは1重量部、更に好ましくは0.8重量部である。
この様なドナー・アクセプター系帯電防止剤(A)としては、市販のものを用いることができる。具体的には、(株)ボロン研究所製商品名:ビオミセルBN−105(mC4281B+nC2348ON、製品安全データシート参照)やビオミセルBN−77(mC4281B+nC2347N、製品安全データシート参照)を挙げることができる。
(3)造核剤
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、プロピレン系重合体(a)100重量部に対して、造核剤を0.001〜0.4重量部含有する。造核剤の含有量が0.001重量部以上であると透明性の発現が期待でき、0.4重量部以下であると、成形品表面へのブリードの懸念がない。
造核剤を用いることにより、透明性が向上でき、プロピレン系樹脂の結晶が緻密に生成され、電子機器部品搬送用成形品が含有する揮発性成分が成形品の外部へ漏れ出ることを抑制できるとともに、プロピレン系樹脂の結晶化を促進することで生産性を向上することが出来る。さらに、電子機器部品搬送用成形品にはリブ部等、他の部分よりも肉厚の厚い部分があり、薄肉部と比べて冷却が遅れ成形品内部にボイドが発生しやすいものであるが、造核剤の含有により、ボイドの発生を大きく抑制することができる。
本発明で用いる造核剤として、好ましくは、プロピレン系重合体(a)100重量部に対して、下記式(4)で示される造核剤(A)0.001〜0.05重量部、下記式(5)で示される造核剤(B)0.01〜0.20重量部、下記式(6)で示される造核剤(C)0.01〜0.20重量部、下記式(7)で示される造核剤(D)0.10〜0.40重量部、下記式(8)で示される造核剤(E)0.10〜0.40重量部からなる群から選択される少なくとも1種の造核剤である。
Figure 2017171884
(式中、R、R及びRは、互いに独立して、未置換の又は置換された炭化水素基を表す。)
この未置換の又は置換された炭化水素基を有する化合物とは、具体的に下記に示す各種化合物が例示される。本発明に用いられる造核剤は、基本的には上記式(4)の化合物の形態を有すれば適正に達成できる性能を有する。未置換の又は置換された炭化水素基を有する各種化合物は、本発明に用いられる式(4)で表される化合物を合成する際にいかなる反応成分を選定するかによるものであり、式(4)の化合物の反応収率に若干影響するが、造核剤としては同等に作用するものであり、以下のものが具体的に例示できる。
、R及びRの少なくとも1つが、枝分かれした炭素原子数3〜20のアルキル基、又は、未置換の又は1つ以上の炭素原子数1〜20のアルキル基によって置換された炭素原子数3〜12のシクロアルキル基で表わされる式(4)の化合物が好ましい。
また、R、R及びRが、互いに独立して、未置換又は1つ以上の1−メチルエチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、第三ブチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、第三ブチルメチル基、シクロプロピル基、3−メチルシクロプロピル基、2,2,3,3−テトラメチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、2−シクロペンチルエチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、2−シクロヘキシルエチル基、4−第三ブチルシクロヘキシル基、(4−メチルシクロヘキシル)メチル基、下記式(4−1)〜(4−3)で示される官能基、α−シクロヘキシルベンジル基、3−メチルベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基、4−ビフェニルメチル基、2−ナフチルメチル基、m−トリル基、m−メトキシフェニル基、p−トリル基、4−エチルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−第三ブチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3,5−ジ−第三ブチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基又は3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル基で表わされる式(4)の化合物がより好ましい。
Figure 2017171884
Figure 2017171884
Figure 2017171884
具体的には、式(4)で示される化合物として、1,3,5−トリス[2,2−ジメチルプロピオニルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[シクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[4−メチルベンゾイルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[3,4−ジメチルベンゾイルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[3,5−ジメチルベンゾイルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[シクロペンタンカルボニルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[1−アダマンタンカルボニルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[2−メチルプロピオニルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[3,3−ジメチルブチリルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[2−エチルブチリルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[2,2−ジメチルブチリルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[2−シクロヘキシル−アセチルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[3−シクロヘキシル−プロピオニルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[4−シクロヘキシル−ブチリルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[5−シクロヘキシル−バレロイルアミノ]ベンゼン、1−イソブチリルアミノ−3,5−ビス[ピバロイルアミノ]ベンゼン、2,2−ジメチルブチリルアミノ−3,5−ビス[ピバロイルアミノ]ベンゼン、3,3−ジメチルブチリルアミノ−3,5−ビス[ピバロイルアミノ]ベンゼン、1,3−ビス[イソブチリルアミノ]−5−ピバロイルアミノベンゼン、1,3−ビス[イソブチリルアミノ]−5−(2,2−ジメチル−ブチリル)アミノベンゼン、1,3−ビス[イソブチリルアミノ]−5−(3,3−ジメチル−ブチリル)アミノベンゼン、1,3−ビス[2,2−ジメチルブチリルアミノ]−5−ピバロイルアミノベンゼン、1,3−ビス[2,2−ジメチルブチリルアミノ]−5−イソブチリルアミノベンゼン、1,3−ビス[2,2−ジメチルブチリルアミノ]−5−(3,3−ジメチルブチリル)−アミノベンゼン、1,3−ビス[3,3−ジメチルブチリルアミノ]−5−ピバロイルアミノ−ベンゼン、1,3−ビス[3,3−ジメチルブチリルアミノ]−5−イソブチリル−アミノベンゼン、1,3−ビス[3,3−ジメチルブチリルアミノ]−5−(2,2−ジメチル−ブチリルアミノ)アミノベンゼン又は、1,3,5−トリス[3−(トリメチルシリル)プロピオニルアミノ]ベンゼンを挙げることができる。
このような化合物は、例えば、公表特許2006−518402号公報に記載の方法等によって製造することができる。
これらのうち、R、R及びRが、同一の基である式(4)の化合物が好ましい。なかでも、R、R及びRが第三ブチル基で表わされる式(4)の化合物、すなわち、1,3,5−トリス[2,2−ジメチルプロピオニルアミノ]ベンゼンが特に好ましい。
この様な造核剤(A)としては、市販のものを用いることができる。具体的には、BASFジャパン(株)製 商品名「イルガクリアXT−386」を挙げることができる。
造核剤(A)の含有量が0.001重量部以上であるとポリプロピレンの結晶を緻密に生成でき、揮発性成分含有量が増加するのやボイドが発生するのを抑制できるので好ましく、また透明性を向上させることができる。造核剤(A)の含有量が本発明で規定する上限値以下であると、造核剤に由来する揮発性成分の発生が抑制され、さらに製造費用が抑制されるため好適である。
造核剤(A)の含有量の下限は、好ましくは0.005重量部、より好ましくは0.010重量部、更に好ましくは0.012重量部以上である。また、造核剤(A)の含有量の上限は好ましくは0.040重量部、より好ましくは0.030重量部、更に好ましくは0.020重量部である。
Figure 2017171884
(式中、Rは、直接結合、硫黄、炭素数1〜9のアルキレン又は炭素数2〜9のアルキリデンであり、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ水素、炭素数1〜8のアルキル又は炭素数7〜9のアルキルアリールであり、MはLi、Na、K、Mg、Ca、Zn又はAlであり、nはMの価数である。)
式(5)で表される有機リン酸金属塩化合物の具体例としては、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4−キュミル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2,2’−メチレン−ビス(4−キュミル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−エチリデン−ビス(4−i−プロピル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−ブチリデン−ビス(4,6−ジ−メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−ブチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−t−オクチルメチレン−ビス(4,6−ジ−メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−t−オクチルメチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム(4,4’−ジメチル−6,6’−ジ−t−ブチル−2,2’−ビフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−エチリデン−ビス(4−s−ブチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−エチルフェニル)フォスフェート、カリウム−2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、マグネシウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ジンク−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、アルミニウム−トリス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、カルシウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、カルシウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、カルシウム−ビス[2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、カルシウム−ビス[2,2’−チオビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、カルシウム−ビス[2,2’−チオビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、マグネシウム−ビス[2,2’−チオビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、マグネシウム−ビス[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェニル)フォスフェート]、カルシウム−ビス[(4,4’−ジメチル−6,6’−ジ−t−ブチル−2,2’−ビフェニル)フォスフェート]、マグネシウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、アルミニウム−トリス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]及びこれらの2種以上の混合物を例示することができる。これらのうち特に、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェートが好ましい。
この様な造核剤(B)としては、市販のものを用いることができる。具体的には、(株)ADEKA製、商品名:アデカスタブNA−11を挙げることができる。
造核剤(B)の含有量が0.01重量部以上であるとポリプロピレンの結晶を緻密に生成でき、揮発性成分含有量が増加するのやボイドが発生するのを抑制できるので好ましく、また透明性を向上させることができる。造核剤(B)の含有量が本発明で規定する上限値以下であると、造核剤に由来する揮発性成分の発生や金属・イオン成分が抑制され、さらに製造費用が抑制されるため好適である。
造核剤(B)の含有量の下限は、好ましくは0.02重量部、より好ましくは0.05重量部、更に好ましくは0.08重量部以上である。また、造核剤(B)の含有量の上限は好ましくは0.15重量部、より好ましくは0.12重量部、更に好ましくは0.10重量部である。
Figure 2017171884
(式中、Rは、水素又は炭素数1〜4のアルキルを示し、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ水素又は炭素数1〜12のアルキルを示し、Mは、周期表第3族又は第4族の金属を示し、Xは、Mが周期表第3族の金属を示す場合には、HO−を示し、Mが周期表第4族の金属を示す場合には、O=又は(HO)−を示す。)
式(6)で示される造核剤(C)の具体例としては、例えば、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジメチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジメチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジエチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジエチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4−i−プロピル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4−i−プロピル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]等が挙げられ、好ましくは、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]及びこれらの2種以上の混合物を例示することができる。
式(6)で示される造核剤(C)は、有機アルカリ金属塩と併用させることが効果的である。該有機アルカリ金属塩とは、アルカリ金属カルボン酸塩、アルカリ金属β−ジケトナート及びアルカリ金属β−ケト酢酸エステル塩からなる群より選択される少なくとも一種の有機アルカリ金属塩を示すことができる。該有機アルカリ金属塩を構成するアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
上記アルカリ金属カルボン酸塩を構成するカルボン酸としては、例えば酢酸、プロピオン酸、アクリル酸、オクチル酸、イソオクチル酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸、メリシン酸、β−ドデシルメルカプト酢酸、β−ドデシルメルカプトプロピオン酸、β−N−ラウリルアミノプロピオン酸、β−N−メチル−ラウロイルアミノプロピオン酸等の脂肪族モノカルボン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸、クエン酸、ブタントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸等の脂肪族多価カルボン酸、ナフテン酸、シクロペンタンカルボン酸、1−メチルシクロペンタンカルボン酸、2−メチルシクロペンタンカルボン酸、シクロペンテンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、1−メチルシクロヘキサンカルボン酸、4−メチルシクロヘキサンカルボン酸、3,5−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸、4−ブチルシクロヘキサンカルボン酸、4−オクチルシクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキセンカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸等の脂環式モノ又はポリカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、キシリル酸、エチル安息香酸、4−t−ブチル安息香酸、サリチル酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族モノ又はポリカルボン酸等が挙げられる。
上記アルカリ金属β−ジケトナートを構成するβ−ジケトン化合物としては、例えば、アセチルアセトン、ピバロイルアセトン、パルミトイルアセトン、ベンゾイルアセトン、ピバロイルベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタン等が挙げられる。
また、上記アルカリ金属β−ケト酢酸エステル塩を構成するβ−ケト酢酸エステルとしては、例えば、アセト酢酸エチル、アセト酢酸オクチル、アセト酢酸ラウリル、アセト酢酸ステアリル、ベンゾイル酢酸エチル、ベンゾイル酢酸ラウリル等が挙げられる。
該有機アルカリ金属塩の成分であるアルカリ金属カルボン酸塩、アルカリ金属β−ジケトナート又はアルカリ金属β−ケト酢酸エステル塩は、各々上記アルカリ金属とカルボン酸、β−ジケトン化合物又はβ−ケト酢酸エステルとの塩であり、従来周知の方法で製造することができる。また、これら各アルカリ金属塩化合物の中でも、アルカリ金属の脂肪族モノカルボン酸塩、特に、リチウムの脂肪族カルボン酸塩が好ましく、とりわけ炭素数8〜20の脂肪族モノカルボン酸塩が好ましい。
この様な造核剤(C)及び有機アルカリ金属塩からなる複合型造核剤としては、市販のものを用いることができる。具体的には、(株)ADEKA製、商品名:アデカスタブNA−21を挙げることができる。
造核剤(C)の含有量が0.01重量部以上であるとポリプロピレンの結晶を緻密に生成でき、揮発性成分含有量が増加するのやボイドが発生するのを抑制できるので好ましく、また透明性を向上させることができる。造核剤(C)の含有量が本発明で規定する上限値以下であると、造核剤に由来する揮発性成分の発生や金属・イオン成分が抑制され、さらに製造費用が抑制されるため好適である。
造核剤(C)の含有量の下限は、好ましくは0.02重量部、より好ましくは0.05重量部、更に好ましくは0.08重量部以上である。また、造核剤(C)の含有量の上限は好ましくは0.15重量部、より好ましくは0.12重量部、更に好ましくは0.10重量部である。
Figure 2017171884
(式中、nは、0〜2の整数であり、R〜Rは、それぞれ独立して、同一又は異なって、水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル、炭素数2〜20のアルケニル、炭素数1〜20のアルコキシ、炭素数1〜20のアルコキシカルボニル又はフェニルであり、Rは、炭素数1〜20のアルキルである。)
式(7)のような造核剤(D)のうち、市販品として入手できる代表的なものは、ミラッドNX8000J(ミリケン・アンド・カンパニー社製)などが挙げられる。その化学構造式は、下記式(17)のとおりである。この透明化核剤の分子量は484である。この物質は、熱的・化学的にきわめて安定であるため、成形温度においてもほとんど熱分解しないという非常に優れた特徴があるため、分解物が成形品の表面にブリードアウトして外観を悪化させるという問題が生じないため、非常に好ましい。
造核剤(D)の含有量が0.10重量部以上であるとポリプロピレンの結晶を緻密に生成でき、揮発性成分含有量が増加するのやボイドが発生するのを抑制できるので好ましく、また透明性を向上させることができる。造核剤(D)の含有量が本発明で規定する上限値以下であると、造核剤に由来する揮発性成分の発生が抑制され、さらに製造費用が抑制されるため好適である。
造核剤(D)の含有量の下限は、好ましくは0.15重量部、より好ましくは0.17重量部、更に好ましくは0.20重量部以上である。また、造核剤(D)の含有量の上限は好ましくは0.35重量部、より好ましくは0.30重量部、更に好ましくは0.25重量部である。
Figure 2017171884
Figure 2017171884
(式中、m及びnは、独立して1〜5の整数を表し、R及びRは、各々独立して、同一又は異なって、水素、炭素数1〜18のアルキル、炭素数1〜18のアルコキシ又はハロゲンを表す。)
一般式(8)で表される造核剤(E)としては、1・3,2・4−ジベンジリデンソルビトール、1・3−ベンジリデン−2・4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1・3−ベンジリデン−2・4−p−エチルベンジリデンソルビトール、1・3−p−メチルベンジリデン−2・4−ベンジリデンソルビトール、1・3−p−エチルベンジリデン−2・4−ベンジリデンソルビトール、1・3−p−メチルベンジリデン−2・4−p−エチルベンジリデンソルビトール、1・3−p−エチルベンジリデン−2・4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−n−プロピルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−i−プロピルベンジリデンソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−n−ブチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−s−ブチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−t−ブチルベンジリデン)ソルビトール、1・3−(2,4−ジメチルベンジリデン)−2・4−ベンジリデンソルビトール、1・3−ベンジリデン−2・4−(2,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ビス(2,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ビス(3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−メトキシベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−エトキシベンジリデン)ソルビトール、1・3−ベンジリデン−2・4−p−クロルベンジリデンソルビトール、1・3−p−クロルベンジリデン−2・4−ベンジリデンソルビトール、1・3−p−クロルベンジリデン−2・4−p−メチルべンジリデンソルビトール、1・3−p−クロルベンジリデン−2・4−p−エチルベンジリデンソルビトール、1・3−p−メチルベンジリデン−2・4−p−クロルベンジリデンソルビトール、1・3−p−エチルベンジリデン−2・4−p−クロルベンジリデンソルビトール、1・3,2・4−ビス(p−クロルベンジリデン)ソルビトールなどのソルビトール系造核剤を挙げることができる。これらは、2種以上の混合物として用いてもよい。
造核剤(E)としては、市販のものを用いることができる。具体的には、新日本理化(株)製ゲルオールMDやミリケン社製のミラッド3988を挙げることができる。
造核剤(E)の含有量が0.10重量部以上であるとポリプロピレンの結晶を緻密に生成でき、揮発性成分含有量が増加するのやボイドが発生するのを抑制できるので好ましく、また透明性を向上させることができる。造核剤(E)の含有量が本発明で規定する上限値以下であると、造核剤に由来する揮発性成分の発生が抑制され、さらに製造費用が抑制されるため好適である。
造核剤(E)の含有量の下限は、好ましくは0.15重量部、より好ましくは0.17重量部、更に好ましくは0.20重量部以上である。また、造核剤(E)の含有量の上限は好ましくは0.35重量部、より好ましくは0.30重量部、更に好ましくは0.25重量部である。
(3) その他添加剤
本発明のプロピレン系樹脂組成物においては、上述した成分に加えて、プロピレン系重合体の安定剤などとして使用されている各種酸化防止剤や、紫外線吸収剤、光安定剤、中和剤等の添加剤を配合することができる。
具体的には、酸化防止剤としては、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、ジ−ステアリル−ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−フォスフォナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−フォスフォナイト等のリン系酸化防止剤、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)]メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ハイドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ハイドロキシベンジル)イソシアヌレート等のフェノール系酸化防止剤、ジ−ステアリル−β,β’−チオ−ジ−プロピオネート、ジ−ミリスチル−β,β’−チオ−ジ−プロピオネート、ジ−ラウリル−β,β’−チオ−ジ−プロピオネート等のチオ系酸化防止剤等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤等が挙げられる。
光安定剤としては、n−ヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピぺリジル)セバケート、コハク酸ジメチル−2−(4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジル)エタノール縮合物、ポリ{[6−〔(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ〕−1,3,5−トリアジン−2,4ジイル]〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕}、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス〔N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ〕−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物等の光安定剤を挙げることができる。
さらに、耐NOxガス変色性が良好な下記式(18)や下記式(19)で表されるアミン系酸化防止剤、5,7−ジ−t−ブチル−3−(3,4−ジ−メチル−フェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オン等のラクトン系酸化防止剤、下記式(20)等のビタミンE系酸化防止剤を挙げることができる。
Figure 2017171884
Figure 2017171884
Figure 2017171884
中和剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの金属脂肪酸塩、ハイドロタルサイト(商品名:DHT−4A、協和化学工業(株)製の下記式(21)で表されるマグネシウムアルミニウム複合水酸化物塩)、ミズカラック(商品名、水澤化学工業(株)製の下記式(22)で表されるリチウムアルミニウム複合水酸化物塩)などが挙げられる。
Mg1−xAl(OH)(COx/2・mHO …(21)
[式中、xは、0<x≦0.5であり、mは3以下の数である。]
[AlLi(OH)X・mHO …(22)
[式中、Xは、無機又は有機のアニオンであり、nはアニオン(X)の価数であり、mは3以下である。]
さらに、その他に、既知の各種添加剤、例えば、滑剤、脂肪酸金属塩等の分散剤、染料、顔料等を本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
本発明のプロピレン系樹脂組成物の性質、機能、透明性などの特性を損なわない範囲で、プロピレン系重合体(a)以外の他の重合体、例えば、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリレート共重合体、アクリレート重合体、のような一元、二元、三元共重合体を、プロピレン系重合体(a)100重量部に対して、1〜30重量部を任意に添加することができる。同様に、天然ゴム、ブチルゴム、ジエン系ゴム、EPR、EPDMのような、エラストマーをブレンドすることも可能である。さらに、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、石膏、マイカ、のような汎用の無機フィラーを併用することも可能である。
[2] プロピレン系樹脂組成物の特性
(1)ヘイズ
本発明のプロピレン系樹脂組成物のヘイズは、JIS K7152−3に準拠して成形したタイプD1試験片(60×60×1mm)を用いて、JIS K7136に準拠して測定した。この値が小さいほど透明であることを意味する。30%未満が好ましく、より好ましくは25%以下、更に好ましくは20%以下である。ヘイズが30%未満で透明性が良好であると内容物の確認やバーコード等の読み取りが容易となり好ましい。
(2)揮発性成分含有量
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、揮発性成分含有量が好ましくは30重量ppm以下であり、より好ましくは15重量ppm以下、さらに好ましくは10重量ppm以下である。揮発性成分含有量が前記上限以下であることにより、プロピレン系樹脂組成物を成形し集積度や加工精度が高い電子機器部品搬送用成形品とした際、揮発性成分の電子機器部品への付着による汚染を抑制し、部品性能の不具合発生頻度を減少させることが可能となる。
[3]プロピレン系樹脂組成物の製造方法
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、プロピレン系重合体(a)、ドナー・アクセプター系帯電防止剤(A)及び造核剤、並びに、必要に応じて他の添加剤の各所定量を、ヘンシェルミキサー(商品名)、スーパーミキサー、リボンブレンダー等に投入して混合した後、通常の単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、プラベンダー、ロール等で190〜260℃の温度範囲で溶融混練することにより得ることができる。
[4]成形品
本発明のプロピレン系樹脂組成物を用いた成形品、特に電子機器部品搬送用成形品、電子機器部品搬送ケース及び半導体関連部品搬送ケースを製造するには、プロピレン系樹脂組成物を、射出成形法等により所望形状の成形品及びケースに成形する方法が一般的である。搬送ケースとは、各種マガジン、トレイ、ボックス、容器等で保存目的も含めたケースである。
なお、ここで電子機器部品とは、特に限定されないが、例えば、シリコンウエハー、ハードディスク、マイクロプロセッサー、発光ダイオード、サファイアウエハ、ディスク基板、ICチップ、光磁気ディスク(MO)、DVD、BD、各種メモリー、LCD用高機能基板ガラス、LCDカラーフィルター、ハードディスク用磁気抵抗ヘッド、CCD、CCDデバイス、レチクル、光学機器半導体部品等の各種電子機器用の部品をいう。ここで半導体関連部品とは、特に限定されないが、例えば、シリコンウエハー、マイクロプロセッサー、発光ダイオード、各種メモリー等の各種半導体関連の部品をいう。
射出成形法としては、公知の成形法が挙げられ、例えば、一般的な射出成形法、射出発泡成形法、超臨界射出発泡成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、ガスアシスト射出成形法、サンドイッチ成形法、サンドイッチ発泡成形法、インサート・アウトサート成形法等の方法が挙げられる。
以下、本発明を実施例及び比較例を挙げて、詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例で限定されるものではない。
なお、以下の実施例、比較例において、プロピレン系重合体(a)及びプロピレン系樹脂組成物の物性測定は下記の方法に従ったものである。
<1.測定の方法>
(1)物性評価用射出成形試験片の準備
樹脂ペレットを、射出成形機を用いて射出成形法(樹脂温度220℃)で各物性評価用の試験片を作成し、得られた試験片を射出成形後に室温23±5℃、相対湿度50±5%に調節された恒温室で72時間状態調整して物性評価用射出成形試験片を準備した。
(2)メルトフローレート(MFR):
JIS K7210(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定した。
(3)エチレン含有量の算出
13C−NMRにより組成を検定したエチレン・プロピレンランダムコポリマーを基準物質として733cm−1の特性吸収帯を用いる赤外分光法により、ランダムコポリマー中のエチレン含有量を測定した。ペレットをプレス成形により約500μmの厚さのフィルムとしたものを用いた。
(4)分子量及び分子量分布の測定:
プロピレン系重合体(a)の分子量分布Mw/Mnは、重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnをゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定し、算出した。測定条件は以下の通りである。
装置:WATERS社製GPC(ALC/GPC 150C)
検出器:FOXBORO社製MIRAN 1A IR検出器(測定波長:3.42μm)
カラム:昭和電工社製AD806M/S(3本直列)
移動相溶媒:ο−ジクロロベンゼン
測定温度:140℃
流速:1.0ml/分
注入量:0.2ml
(5)融解ピーク温度(融点)(Tm、単位:℃):
示差走査熱量計(DSC)を用い、サンプル量5.0mgを採り、一旦200℃まで温度を上げて、熱履歴を消去した後、200℃で5分間保持した後、10℃/分の降温速度で40℃まで温度を降下させて結晶化させ、再び昇温速度10℃/分にて測定して融解させた際の、吸熱ピークトップの温度を融解ピーク温度(融点)(Tm)とした。
(6)ヘイズ値
厚さ1mmのシート片を用いて、JIS K7136に準拠して測定した。
(7)3分間減衰率
シシド静電気株式会社製スタチックオネストメーター(TYPE H−0110)を用い、印加電圧は10kV、印加時間は120sとし、減衰時間180s後の減衰率(%)を測定した。減衰率0%は帯電防止性能が無く、減衰率100%は帯電防止性能が優れている事を表す。なお、試験片は厚さ1mmのシート片を用いており、試験片を成形してから7日後に測定した。
(8)曲げ弾性率
JIS K7171に準拠して測定した。
(9)揮発性成分含有量の測定
プロピレン系樹脂組成物中から発生する揮発性成分含有量(炭素数30以下のオリゴマー量)は、ダイナミックヘッドスペース(DHS)−GC/MSによって測定をした。揮発性成分含有量は、プロピレン系樹脂組成物に対する揮発性成分含有量の割合(単位:重量ppm)である。以下に測定法を示す。
(I)測定及び評価概要
プロピレン系樹脂組成物のペレット試料を100℃に加熱し、そこで発生する揮発性成分を−150℃で捕集した後、ガスクロマトグラフ(GC)/マススペクトロメーター(MS)で各揮発性成分の分離・検出及び同定を行った。検量線は、炭素数10〜32まで炭素数2毎の脂肪族直鎖炭化水素を、n−ヘプタン溶媒で濃度1000μg/mlの標準混合溶液とし、試料と同条件で測定を行ってガスクロマトグラム/質量分析法で測定し作成した。定量はn−エイコサンを標準とした値で計算した。
(II)装置及び測定方法
(i)加熱追出し(ダイナミックヘッドスペース)装置:
プロピレン系樹脂組成物のペレット試料を約50mg精秤して、加熱追出し管(GERSTEL社製TDS管)に充填をし、その両端に約10mgの石英ウール(GL Sciences社製、Cat.No.3001−12404)を詰めた。先のTDS管を40℃の加熱抽出装置(GERSTEL社製 TDS−A)に装入した後、管内をヘリウムで置換し、60℃/分の速度で100℃まで昇温し、100℃で30分間加熱した。この加熱期間中、TENAXを充填したGC注入口(GERSTEL社製 CIS4)を−150℃に冷却することにより、試料より発生した揮発性成分を捕集した。捕集した成分は、捕集部分を320℃まで急速に加熱することにより、気化させてGCカラムに導入した。
(ii)ガスクロマトグラフ(GC):
アジレント社製 HP6890
カラム:DB−5ms
カラムの昇温条件:40℃×5min〜10℃/min〜300℃×15min
(iii)マススペクトロメーター(MS):
アジレント社製 Mass Sensitive Detector 5973N
測定成分のイオン化には、電子衝撃(EI)法を用いた。
(10)ヌメリ評価
成形してから1週間後の試験片の表面を手で触りヌメリの有無を確認する。
<2. 樹脂、添加剤>
2−1.プロピレン系重合体(a)の製造
(1)製造例1
(i)触媒の調製
以下の操作は、不活性ガス下、脱酸素、脱水処理された溶媒、モノマーを使用して実施した。
(a)イオン交換性層状珪酸塩の化学処理
酸処理: セパラブルフラスコに蒸留水1130g、96%硫酸750gを加え、内温を90℃に保ち、そこに平均粒径25μmの造粒スメクタイト(水澤化学工業(株)製商品名「ベンクレイSL」)300gを添加し、5時間反応させた。
洗浄: 1時間で室温まで冷却し、蒸留水でpH=3.69まで洗浄した。このときの洗浄倍率は1/10,000以下であった。この段階の固体を一部乾燥させて、酸処理による溶出率を求めたところ33.5%であった。
塩類処理: 硫酸リチウム1水和物211gを蒸留水521gに溶かし、さらに上記酸処理で得られた固体100g(乾燥重量)を加え、室温で120分間撹拌した。このスラリーを濾過し、得られた固体に蒸留水3000gを加え、5分間室温で撹拌した。更に、このスラリーを濾過した。得られた固体に蒸留水2500gを加え、5分間撹拌後再び濾過した。この操作をさらに4回繰り返した。得られた固体を窒素気流下130℃で2日間予備乾燥後、53μm以上の粗大粒子を除去し、さらに200℃で2時間減圧乾燥することにより、化学処理スメクタイトを得た。
(b)珪酸塩の活性化処理
上記の化学処理スメクタイト200gを、内容積3Lの攪拌翼のついたガラス製反応器に導入し、ノルマルヘプタン750ml、さらに、トリノルマルオクチルアルミニウムのヘプタン溶液(500mmol)を加え、室温で攪拌した。1時間後、ノルマルヘプタンにて洗浄(残液率1%未満)し、スラリー量を2000mLに調整した。
(c)予備重合触媒の調製
次に、(r)−ジメチルシリレンビス[2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル]ジルコニウムジクロリド3mmolのトルエンスラリー870mLとトリイソブチルアルミニウム(15mmol)のヘプタン溶液42.6mLを、あらかじめ室温にて1時間反応させておいた混合液を、上記の化学処理スメクタイトスラリーに加え、1時間攪拌しスメクタイト/錯体スラリーを調製した。続いて、窒素で十分置換を行った内容積10Lの攪拌式オートクレーブに、ノルマルヘプタン2.1Lを導入し、40℃に保持した。そこに、先に調製したスメクタイト/錯体スラリーを導入した。温度が40℃に安定したところで、プロピレンを100g/時間の速度で供給し、その温度を維持した。4時間後、プロピレンの供給を停止し、さらに2時間維持した。回収した予備重合触媒スラリーから、上澄みを約3L除き、トリイソブチルアルミニウム(30mmol)のヘプタン溶液を170mL添加し、10分間撹拌した後に、40℃にて減圧下熱処理した。この操作により触媒1g当たりポリプロピレン2.30gを含む予備重合触媒が得られた。
(ii)プロピレン系重合体(a)の製造
内容積270Lの攪拌装置付き液相重合槽、内容積400Lの失活槽、スラリー循環ポンプ、循環ライン液力分級器、濃縮器、向流ポンプ及び洗浄液受け槽からなる失活洗浄システム、二重管式熱交換器と流動フラッシュ槽からなる高圧脱ガスシステム、さらに低圧脱ガス槽及び乾燥器などを含む後処理系を組み込んだプロセスにより、プロピレン−エチレン共重合体の連続製造を実施した。
上記で調製した予備重合触媒を流動パラフィン(東燃社製商品名「ホワイトレックス335」)に濃度15重量%で分散させて、触媒成分として0.35g/hrで液相重合槽に導入した。さらに、この重合槽に液状プロピレンを40kg/hr、エチレンを0.4kg/hr、水素を0.25g/hr、トリイソブチルアルミニウムを18g/hrで連続的に供給し、内温を70℃に保持し、重合を行った。液相重合槽から重合体と液状プロピレンの混合スラリーを重合体として12.0kg/hrとなるように失活洗浄槽に抜き出した。このとき重合槽の触媒の平均滞留時間は、1.3時間であった。失活洗浄槽には、失活剤としてエタノールを21.0g/hrで供給した。さらに液状プロピレンを40kg/hr供給し、ジャケットによる加熱で内温を50℃に保った。重合体は分級器の下部から高圧脱ガス槽へ抜き出し、さらに低圧脱ガス槽を経て、乾燥器で乾燥を行った。乾燥器の内温80℃、滞留時間が1時間となるように調整し、さらに室温の乾燥窒素をパウダーの流れの向流方向に12m/hrの流量で流した。乾燥後の重合体は、ホッパーから取り出した。
一方、分級器、濃縮器を経て、重合体と分離された液状プロピレンは、40kg/hrで洗浄液受け槽に抜き出した。得られた重合体(PP−1)の固体触媒1g当たりの収量は34.3kg、エチレン含有量=0.75wt%、MFR=30.6g/10分、分子量分布(Mw/Mn)2.8、Tm=141.7℃であった。
2−2.プロピレン系重合体(a)
(PP−1)製造例1で重合して得られたプロピレン系樹脂
2−3.帯電防止剤
2−3−1
ドナー・アクセプター系帯電防止剤(A)
(T−1)(株)ボロン研究所製商品名「ビオミセルBN−105」
2−3−2
ポリマー型帯電防止剤
ポリエーテル/ポリオレフィンブロック共重合体
(T−2)三洋化成工業社製商品名「ペレクトロンUC」
IRチャート:図1参照。
2−3−3
帯電防止剤 グリセリンモノステアレート
(T−3)花王(株)製商品名「エレクトロストリッパー TS−5」
2−4.造核剤(N)
(N−1)1,3,5−トリス[2,2−ジメチルプロピオニルアミノ]ベンゼン。BASFジャパン(株)製 商品名「イルガクリアXT−386」
(N−2)ヒドロキシアルミニウムビス(2,4,8,10−テトラ−トランス−ブチル−6−ヒドロキシ−12−ジベンゾ[d,g][1.3.2]ジオキサフォスフォシン−6−オキサイド(式(1)で表される化合物(Rが水素原子、R及びRがtert−ブチル基、Mがアルミニウム、Xが水酸基である。))を主成分とした混合物からなる複合型造核剤 (株)ADEKA製 商品名「アデカスタブNA−21」
(N−3)リン酸2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリ
ウム。 (株)ADEKA製 商品名「アデカスタブNA−11」
(N−4)1,2,3−トリデオキシ−4,6:5,7−ビス−[(4−プロピルフェニル)メチレン]−ノニトール。 ミリケン・アンド・カンパニー社製 商品名「ミラッドNX8000J」
(N−5)1・3,2・4−ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール。 新日本理化(株)製 商品名「ゲルオールMD」
(N−6)1・3,2・4‐ビス(3,4‐ジメチルベンジリデン)ソルビトール。 ミリケン・アンド・カンパニー社製 商品名「ミラッド3988」
2−5.その他添加剤(A)
(A−1)ヒンダードフェノール系酸化防止剤「IR1010」:テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシルフェニル)プロピオネート]メタン BASFジャパン(株)製商品名「IRGANOX1010」
<3.実施例1〜6、比較例1〜6>
重合体及び添加剤を表1に記載の配合割合(重量部)で準備し、スーパーミキサーでドライブレンドした後、東芝機械(株)製TEM−35B二軸押出機を用いて、ダイ出口部温度220℃で溶融混練し、ペレット化した。得られたペレットを用いて、物性を測定した。それらの評価結果を表1に示す。
Figure 2017171884
表1より明らかなように、実施例1〜6は、本発明にかかわるプロピレン系重合体(a)、ドナー・アクセプター系帯電防止剤(A)及び造核剤を規定量含有したもので、帯電防止性能に優れ、剛性と透明性が良好で、成形品表面のヌメリがなく、揮発性成分が少ないことが判る。造核剤による透明性の改良の程度は、異なっており、予想のし難いものである。NA−21の様にBN−105を含有していてもあまり影響を受けない造核剤もあれば、XT−386、NA−11及びNX−8000JはBN−105併用による透明性の改良の程度であるヘイズの差(Δヘイズ=[BN−105併用系のヘイズ]−[造核剤単独系のヘイズ])が3〜5であり、帯電防止剤の含有により若干透明性低下の影響を受けることが判る。また、ゲルオールMD及びミラッド3988においては、帯電防止剤無添加では造核剤含有による透明性の向上は得られない一方で、BN−105と組み合わせることにより透明性を改良することができる。比較例1は帯電防止剤と造核剤を含有していない為、透明性が悪く、帯電防止性能が認められない。比較例2は、本発明にかかわるドナー・アクセプター系帯電防止剤(A)を含有するが、造核剤が未添加の為、透明性が悪く、また剛性も比較例1よりも劣る。比較例4と5は、成形品表面に帯電防止剤がブリードする事が好まれない用途、例えば、電子機器部品搬送用成形品で使用されるポリマー型帯電防止剤を添加したものであるが、剛性が比較例1よりも劣る。一般的には造核剤を添加する事で透明性が向上するが、この結果の様に造核剤を添加しても、透明性の向上が認められない組成もある。比較例3は、一般的な帯電防止剤を添加したもので、帯電防止性能もドナー・アクセプター系帯電防止剤(A)より劣るうえ、表面にヌメリがあり、電子機器部品搬送用成形品の様なクリーン性が求められる用途には適さない。
なお、実施例1〜6と比較例1と3のMFRを比較すると、PP−1のMFRは30.6g/10minであり、比較例1と3は、造粒時の影響によりMFRの上昇が認められるが、ドナー・アクセプター系帯電防止剤(A)のBN−105が添加されている実施例の方は酸化防止剤を増量したかの様にMFRの上昇が殆ど認められない。MFRの上昇はアウトガスの増加につながるが、ドナー・アクセプター系帯電防止剤(A)のBN−105の添加によりアウトガスの増加の抑制も期待できる。
本発明のプロピレン系樹脂組成物及び成形品、特に電子機器部品搬送部材用プロピレン系樹脂組成物及び電子機器部品搬送用成形品は、搬送の際にも性能低下を起こさずにクリーン性に優れ、かつケースの防塵性に優れ、更に透明性に優れる電子機器部品搬送用部材を得るのに有用であることが判り、特に電子機器部品搬送用成形品に好適である。

Claims (8)

  1. JIS K7210(230℃、2.16kg荷重)に準拠したメルトフローレートが2〜100g/10分の範囲であるプロピレン系重合体(a)100重量部に対して、分子中に下記式(1)にて表される原子団1個と炭素数5〜28の直鎖型炭化水素基を最小限1個有する半極性有機化合物の少なくとも1種と、分子中に塩基性窒素原子団1個と炭素数5〜28の直鎖型炭化水素基を最小限1個有する塩基性有機化合物の少なくとも1種とからなるドナー・アクセプター系帯電防止剤(A)を0.01〜3重量部及び造核剤を0.001〜0.4重量部含有してなることを特徴とするプロピレン系樹脂組成物。
    Figure 2017171884
  2. ドナー・アクセプター系帯電防止剤(A)が下記式(2)で示される化合物又は式(3)で示される化合物である請求項1に記載のプロピレン系樹脂組成物。
    Figure 2017171884
    (式中、R及びRは、それぞれ独立して、RCO−OCH−又はHOCH−で、かつ少なくとも一方がRCO−OCH−であり、R及びRは、それぞれ独立して、CH−、C−、HOCH−、HOC−又はHOCHCH(CH)−であり、Rは、−C−又は−C−であり、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数11〜21のアルキルである。)
    Figure 2017171884
    (式中、R及びRは、それぞれ独立して、RCO−OCH−又はHOCH−で、かつ少なくとも一方がRCO−OCH−であり、R及びRは、それぞれ独立して、CH−、C−、HOCH−、HOC−又はHOCHCH(CH)−であり、Rは、−C−又は−C−であり、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数11〜21のアルキルである。)
  3. 造核剤が、プロピレン系重合体(a)100重量部に対して、下記式(4)で示される造核剤(A)0.001〜0.05重量部、下記式(5)で示される造核剤(B)0.01〜0.20重量部、下記式(6)で示される造核剤(C)0.01〜0.20重量部、下記式(7)で示される造核剤(D)0.10〜0.40重量部、下記式(8)で示される造核剤(E)0.10〜0.40重量部からなる群から選択される少なくとも1種の造核剤である請求項1又は2に記載のプロピレン系樹脂組成物。
    Figure 2017171884
    (式中、R、R及びRは、互いに独立して、未置換の又は置換された炭化水素基を表す。)
    Figure 2017171884
    (式中、Rは、直接結合、硫黄、炭素数1〜9のアルキレン又は炭素数2〜9のアルキリデンであり、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ水素、炭素数1〜8のアルキル又は炭素数7〜9のアルキルアリールであり、MはLi、Na、K、Mg、Ca、Zn又はAlであり、nはMの価数である。)
    Figure 2017171884
    (式中、Rは、水素又は炭素数1〜4のアルキルを示し、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ水素又は炭素数1〜12のアルキルを示し、Mは、周期表第3族又は第4族の金属を示し、Xは、Mが周期表第3族の金属を示す場合には、HO−を示し、Mが周期表第4族の金属を示す場合には、O=又は(HO)−を示す。)
    Figure 2017171884
    (式中、nは、0〜2の整数であり、R〜Rは、それぞれ独立して、同一又は異なって、水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル、炭素数2〜20のアルケニル、炭素数1〜20のアルコキシ、炭素数1〜20のアルコキシカルボニル又はフェニルであり、Rは、炭素数1〜20のアルキルである。)
    Figure 2017171884
    (式中、m及びnは、独立して1〜5の整数を表し、R及びRは、各々独立して、同一又は異なって、水素、炭素数1〜18のアルキル、炭素数1〜18のアルコキシ又はハロゲンを表す。)
  4. JIS K7136に準拠して測定される肉厚1mmのヘイズが30%未満である請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物。
  5. 揮発性成分含有量が30重量ppm以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物。
  6. 電子機器部品搬送部材用である請求項1〜5のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物を用いて得られた成形品。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物を用いて得られた電子機器部品搬送用成形品。
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