JP2020182831A - マニュキュア容器 - Google Patents

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昌和 鈴木
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昌和 鈴木
初枝 田部
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初枝 田部
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Kose Corp
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Abstract

【課題】耐薬品性、成形加工性、バリヤー性、長期熱安定性、物性バランス、耐変色性にすぐれたポリプロピレン樹脂組成物を用いたマニュキュア容器を提供する。【解決手段】容器体1と、先端に塗布体6が設けられた軸体3を有する蓋体2で構成されるマニュキュア容器において、該マニキュア容器の少なくとも一部が特定のMFR、曲げ弾性率、リン系酸化防止剤の配合量及びヒンダードアミン系光安定剤の配合量を有するポリプロピレン樹脂組成物であって、ヒンダードフェノールを実質的に配合していないポリプロピレン樹脂組成物からなるマニュキュア容器である。【選択図】図1

Description

本発明は、耐薬品性、成形加工性、バリヤー性、長期熱安定性、物性バランス、耐変色性にすぐれたポリプロピレン樹脂組成物を用いたマニュキュア容器に関するものである。
プロピレン系重合体は、その優れた安全衛生性や成形加工性、着色性、力学特性、耐薬品性、バリヤー性の特徴を生かし、各種用途に使用されており、特に安全衛生性、耐薬品性、水蒸気バリヤー性の点で化粧品容器材料にも用いられている。化粧品分野は、メイクアップ、スキンケア、ヘアケアなどがあるが、メイクアップ用途の1つとしてマニュキュアが挙げられる。マニュキュアの蓋などの容器材料として、ポリプロピレン等が用いられているが、内容液の揮発成分と反応して変色してしまう課題がある。そのため、変色を判らない様に黒などの濃い色で蓋等を着色して用いられているのが現状である。一方、化粧品容器は、高意匠性・高外観性が求められ、デザインとして淡い色や透明感のあるものも要望がある。
また、変色に対しては、特許文献2にて検討されているが、フェノール系酸化防止剤を用いないと長期熱安定性が得られない課題があった。
特開2003−175961号公報 特開2003−230427号公報
本発明の目的は、上記問題点に鑑みマニュキュア容器に関し、詳しくは、耐薬品性、成形加工性、バリヤー性、長期熱安定性、物性バランス、耐変色性にすぐれたポリプロピレン樹脂組成物を用いたマニュキュア容器を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究の結果、プロピレン系重合体を基材とした特定の特性を満たすポリプロピレン樹脂組成物であって、特定の酸化防止剤及び光安定剤を特定の配合量で配合してなるポリプロピレン樹脂組成物は、マニュキュア容器に用いても変色しない優れた材料で、かつ、耐薬品性、成形加工性、バリヤー性、長期熱安定性、更には優れた物性バランスを有するポリプロピレン樹脂組成物を用いたマニュキュア容器として好適であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のポリプロピレン樹脂組成物を用いたマニュキュア容器を提供するもので、特に、耐変色性にすぐれたポリプロピレン樹脂組成物を用いたマニュキュア容器を提供するものである。
[1]
容器体と、先端に塗布体が設けられた軸体を有する蓋体で構成されるマニュキュア容器において、該マニキュア容器の少なくとも一部がヒンダードフェノールを実質的に配合していない下記の(i)〜(iv)の特性を満たすポリプロピレン樹脂組成物からなるマニュキュア容器。
(i)JIS K7210:1999の附属書A表1、条件Mに準拠して、試験温度230℃、公称荷重2.16kgにて測定したMFRが0.5〜120g/10分であること。
(ii)JIS K7171に準拠した曲げ弾性率が150MPa以上であること。
(iii)ポリプロピレン樹脂100重量部に対して、リン系酸化防止剤を0.001〜0.5重量部配合してなること。
(iv)ポリプロピレン樹脂100重量部に対して、ヒンダードアミン系光安定剤を0.01〜0.5重量部配合してなること。
[2]
ポリプロピレン樹脂組成物が下記の特性(v)を満たす[1]に記載のマニュキュア容器。
(v)ポリプロピレン樹脂がプロピレン単独重合体又はプロピレンと含有量が15重量%以下のα−オレフィンとからなるプロピレン系共重合体であること。
[3]
ポリプロピレン樹脂組成物がJIS K7136に準拠して測定した肉厚1mmのヘイズが50%以下である[1]又は[2]に記載のマニュキュア容器。
[4]
ポリプロピレン樹脂組成物が、さらに、ポリプロピレン樹脂100重量部に対して、下記式(1)で表される造核剤(a)0.10〜0.50重量部、下記式(2)で表される造核剤(b)0.01〜0.30重量部及び下記式(3)で表される造核剤(c)0.005〜0.04重量部からなる群から選択される少なくとも1種の造核剤を配合してなる[1]〜[3]のいずれか1項に記載のマニュキュア容器。
(式中、nは、0〜2の整数であり、R〜Rは、それぞれ独立して、同一又は異なって、水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル、炭素数2〜20のアルケニル、炭素数1〜20のアルコキシ、炭素数1〜20のアルコキシカルボニル又はフェニルであり、Rは、炭素数1〜20のアルキルである。)
(式中、Rは、直接結合、硫黄、炭素数1〜9のアルキレン又は炭素数2〜9のアルキリデンであり、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ水素、炭素数1〜8のアルキル又は炭素数7〜9のアルキルアリールであり、MはLi、Na、K、Mg、Ca、Zn、Al−OH又はAlであり、nはMの価数である。なお、MがAlOHの場合はn=2、MがAlの場合はn=3である)

(式中、R、R及びRは、互いに独立して、未置換の又は置換された炭化水素基である。)
[5]
マニュキュアの成分にニトロセルロースを含む[1]〜[4]のいずれか1項に記載のマニュキュア容器。
本発明のマニュキュア容器は、マニュキュア容器材料に求められる特性、すなわち、製品形状を保持するために必要な強度(剛性)、店頭に長期陳列されても劣化やブリードなどの問題が生じない長期熱安定性、化粧品溶液を保持するためのバリヤー性や耐薬品性、射出成形できる成形加工性、変色しない優れた高外観性や場合によっては透明性を有するマニュキュア容器として有用である。
マニュキュア容器の一例の部分断面図である。 実施例において(キ)目視による外観評価のために行われたシートによる試験の概要図である。 実施例においてプロピレン−エチレン共重合体の製造の説明に用いたフローシートである。 実施例において(キ)目視による外観評価のために行われた蓋による試験の写真である(比較例1)。 試験期間中室温にて保管されていた実施例1のシート(標準品)の写真である。 実施例1のシートによる試験後のシートの写真である。 試験期間中室温にて保管されていた実施例1の蓋(標準品)の写真である。 実施例1の蓋による試験後の蓋の写真である。 試験期間中室温にて保管されていた実施例2のシート(標準品)の写真である。 実施例2のシートによる試験後のシートの写真である。 試験期間中室温にて保管されていた実施例3のシート(標準品)の写真である。 実施例3のシートによる試験後のシートの写真である。 試験期間中室温にて保管されていた実施例3の蓋(標準品)の写真である。 実施例3の蓋による試験後の蓋の写真である。 試験期間中室温にて保管されていた比較例1のシート(標準品)の写真である。 比較例1のシートによる試験後のシートの写真である。 試験期間中室温にて保管されていた比較例1の蓋(標準品)の写真である。 比較例1の蓋による試験後の蓋の写真である。
本発明のマニュキュア容器は、マニュキュア容器材料に求められる特性、すなわち、製品形状を保持するために必要な強度(剛性)、店頭に長期陳列されても劣化やブリードなどの問題が生じない長期熱安定性、化粧品溶液を保持するためのバリヤー性や耐薬品性、射出成形やブロー成形などができる成形加工性、変色しない優れた高外観性や場合によっては透明性を有することを特徴とする。
以下、本発明のマニュキュア容器について、詳細に説明する。
[1]マニュキュア容器のポリプロピレン樹脂組成物
(1)ポリプロピレン樹脂組成物に用いられるポリプロピレン樹脂
本発明のマニュキュア容器に用いられるポリプロピレン樹脂組成物は、ポリプロピレン樹脂を主成分としており、ここで、ポリプロピレン樹脂は、プロピレン系重合体からなり、プロピレン単独重合体又はプロピレンと含有量が15重量%以下のα−オレフィンとからなるプロピレン系共重合体であることが好ましく、また、これらの混合物であってもよい。
プロピレン系重合体は、剛性の観点では単独重合体が望ましく、発色性に関連する透明性の観点ではプロピレンとα−オレフィンとからなるランダム共重合体が望ましく、製品落下等の割れに対する耐衝撃性の点ではブロック共重合体が望ましい。共重合に用いられるα−オレフィンは、プロピレンを除く炭素数2〜20のα−オレフィンがあげられ、例えばエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等を例示できる。プロピレンと共重合されるα−オレフィンは一種類でも二種類以上用いてもよい。このうちエチレン、1−ブテンが好適である。より好ましくはエチレンが好適である。
ここで、より好ましいα−オレフィンであるエチレンとからなるプロピレン系共重合体の場合、プロピレン及びエチレンの含有量は、後述の実施例に記載の測定方法、すなわち13C−NMR法により組成を検定した基準物質を用いて、赤外分光法により作成した検量線に基づき赤外分光法によって計測される値である。
プロピレン系重合体の具体的な例としては、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−ブテン−1−オクテン共重合体などが例示できる。
また、これらプロピレン系重合体は、二種以上混合して使用してもよい。
製品剛性の観点から、プロピレン系重合体のα−オレフィンの含有量は15重量%以下が好ましいが、プロピレン系重合体がランダム共重合体の場合、α−オレフィンの含有量が7重量%以下、更に5重量%以下であるとより好ましい。ランダム共重合体は、多段重合体でもよく、例えば、2段重合体の場合、1段目の重合体は、プロピレン単独重合体または5重量%以下のα−オレフィンとからなるランダム共重合体で、2段目の重合体は、α−オレフィンが20重量%以下のα−オレフィンとからなるランダム共重合体が好ましい。
また、プロピレン系重合体がブロック共重合体の場合、製品剛性の観点から、α−オレフィンの含有量が10重量%以下であるとより好ましい。ブロック共重合体の場合は、多段重合体であり、例えば、2段重合体の場合、1段目の重合体は、プロピレン単独重合体または2重量%以下のα−オレフィンとからなるランダム共重合体で、2段目の重合体は、α−オレフィンが20重量%から80重量%α−オレフィンとからなるランダム共重合体が好ましい。
(2)JIS K7210に準拠したメルトフローレート(MFR)
本発明で用いられるポリプロピレン樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)は、JIS K7210:1999の附属書A表1、条件Mに準拠して、試験温度230℃、公称荷重2.16kgにて測定したMFRで、0.5〜120g/10分の範囲のものであり、3〜90g/10分が好ましく、6〜60g/10分がより好ましい。メルトフローレート(MFR)が0.5g/10分以上であると、成形加工性が向上し、製品として満足できるものが得られる。また、120g/10分以下であると、機械的強度の向上や十分な混練による外観の向上がもたらされ製品として満足できるものが得られる。
ポリプロピレン樹脂組成物に配合されるプロピレン系重合体のメルトフローレート(MFR)も、適量の酸化防止剤をブレンドして、JIS K7210:1999の附属書A表1、条件Mに準拠し、試験温度230℃、公称荷重2.16kgにて測定できる。プロピレン系重合体のMFRの範囲も0.5〜120g/10分の範囲が好ましい。
メルトフローレート(MFR)は、プロピレン系重合体を製造する際の重合条件である温度や圧力を調節したり、水素等の連鎖移動剤を重合時に添加する方法における水素添加量の制御により、容易に調整を行なうことができる。
(3)プロピレン系重合体の製造方法
プロピレン系重合体の製造方法としては、メタロセン触媒又はチーグラー触媒を用いる製造方法であればよいが、耐ブリード性を得るにはメタロセン触媒を用いる方が好ましい。チーグラー触媒を用いる場合は、特にα−オレフィン量が多く、MFRが高いランダム共重合体になるとブリードの懸念が生じる。
チーグラー触媒の一例としては、三塩化チタン、四塩化チタン、トリクロルエトキシチタン等のハロゲン化チタン化合物、前記ハロゲン化チタン化合物とハロゲン化マグネシウムに代表されるマグネシウム化合物との接触物等の遷移金属成分とアルキルアルミニウム化合物又はそれらのハロゲン化物、水素化物、アルコキシド等の有機金属成分との2成分系触媒、さらにそれらの成分に窒素、炭素、リン、硫黄、酸素、ケイ素等を含む電子供与性化合物を加えた3成分系触媒が挙げられる。
メタロセン触媒としては(r)−ジクロル[1,1’−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロルフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム等が挙げられるが具体的には、(i)シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期表第4族の遷移金属化合物(いわゆるメタロセン化合物)と、(ii)メタロセン化合物と反応して安定なイオン状態に活性化し得る助触媒と、必要により、(iii)有機アルミニウム化合物とからなる触媒であり、公知の触媒はいずれも使用できる。メタロセン化合物は、好ましくはプロピレンの立体規則性重合が可能な架橋型のメタロセン化合物であり、より好ましくはプロピレンのアイソ規則性重合が可能な架橋型のメタロセン化合物である。
メタロセン化合物(i)としては、例えば、特開昭60−35007号、特開昭61−130314号、特開昭63−295607号、特開平1−275609号、特開平2−41303号、特開平2−131488号、特開平2−76887号、特開平3−163088号、特開平4−300887号、特開平4−211694号、特開平5−43616号、特開平5−209013号、特開平6−239914号、特表平7−504934号、特開平8−85708号の各公報に開示されている。
プロピレン系重合体を製造するための重合方法としては、上記触媒の存在下に、不活性溶媒を用いたスラリー重合法、溶液重合法、実質的に溶媒を用いない気相重合法、重合モノマーを溶媒とするバルク重合法等が挙げられる。
例えば、スラリー重合法の場合には、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水素中で行うことができる。バルク重合法の場合には、液状の重合モノマー中で行うことができる。重合温度は、通常−80〜150℃であり、好ましくは40〜120℃である。重合圧力は、1〜60気圧(0.10〜6.08MPa)が好ましく、また得られるプロピレン系重合体の分子量の調節は、水素又は他の公知の分子量調整剤で行うことができる。重合は連続式又はバッチ式反応で行い、その条件は通常用いられている条件でよい。さらに重合反応は一段で行ってもよく、多段で行ってもよい。
(4)JIS K7171に準拠した曲げ弾性率
本発明で用いられるポリプロピレン樹脂組成物は、JIS K7171に準拠した曲げ弾性率が150MPa以上の範囲のものであり、800MPa以上が好ましく、より好ましくは1100MPa以上で、1500MPa以上がさらに好ましい。曲げ弾性率が150MPa以上であると、成形しやすく、マニュキュア容器に必要な製品剛性が得られる。
曲げ弾性率は、ポリプロピレン樹脂組成物に配合されるプロピレン系重合体のα−オレフィン含有量などで調整を行なうことができる。α−オレフィン含有量を少なくすることで曲げ弾性率を高くすることができる。
(5)JIS K7136に準拠したヘイズ
本発明で用いられるポリプロピレン樹脂組成物は、発色性に関連する透明性の観点では、JIS K7136に準拠して測定した肉厚1mmのヘイズが50%以下の範囲のものが好ましく、更に40%以下の範囲のものが好ましく、より好ましくは30%以下である。
ヘイズは、ポリプロピレン樹脂組成物に配合されるプロピレン系重合体のα−オレフィン含有量や造核剤などで調整を行なうことができる。α−オレフィン含有量を多くすることや造核剤を配合することでヘイズを低くすることができる。
(6)リン系酸化防止剤
本発明で用いられるポリプロピレン樹脂組成物は、ポリプロピレン樹脂100重量部に対して、リン系酸化防止剤を0.001〜0.5重量部配合してなるものであり、該リン系酸化防止剤の配合量は、好ましくは、0.01〜0.20重量部で、更に好ましくは、0.02〜0.14重量部である。リン系酸化防止剤の配合量が0.001重量部以上では、加工時の熱安定性が十分に発揮され、0.5重量部以下であれば変色や焼け発生を抑えることができる。また、リン系酸化防止剤の配合量が0.5重量部以下であれば、加工時の熱安定性についての費用対効果(コスト・パフォーマンス)の点から有利である。
リン系酸化防止剤の具体的な例としては、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、ジ−ステアリル−ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、ビス(2,4−ジキュミルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−フォスフォナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−フォスフォナイト等を挙げることができる。これらリン系酸化防止剤のうち、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト(BASF社製 商品名:Irgafos168)は、加工安定剤としての性能、添加剤自身の耐加水分解性、焼け、変色の観点から特に好ましい。
(7)ヒンダードアミン系光安定剤
本発明で用いられるポリプロピレン樹脂組成物は、ポリプロピレン樹脂100重量部に対して、ヒンダードアミン系光安定剤を0.01〜0.5重量部配合してなるものであり、該ヒンダードアミン系光安定剤の配合量は、好ましくは、0.02〜0.20重量部で、より好ましくは、0.03〜0.15重量部である。ヒンダードアミン系光安定剤が0.01重量部以上であれば、長期熱安定性が十分に発揮され、0.5重量部以下であればブリードの発生を防止することができる。また、ヒンダードアミン系光安定剤の配合量が0.5重量部以下であれば、長期熱安定性についての費用対効果(コスト・パフォーマンス)の点から有利である。ヒンダードアミン系光安定剤の代表例としてはビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ポリ{[6−〔(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ〕−1,3,5−トリアジン−2,4ジイル]〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕}、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス〔N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ〕−6−クロル−1,3,5−トリアジン縮合物、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物等を挙げることができる。このうち、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物(BASF社製 商品名:チヌビン622)に代表される高分子量タイプを配合することはブリード防止の観点から好ましい。
(8)ヒンダードフェノール
本発明で用いられるポリプロピレン樹脂組成物は、ヒンダードフェノールを実質的に配合していない。具体的にはヒンダードフェノールの配合量としては、ポリプロピレン樹脂100重量部に対して0.001重量部未満である必要があり、好ましくは0.0005重量部未満、より好ましくは0重量部である。ヒンダードフェノールは、マニュキュアに含まれる成分、揮発したニトロセルロースに含まれる成分との反応により変色を起こす恐れがある。ニトロセルロースに含まれる揮発成分との反応により変色を起こす恐れがある。ここで、ヒンダードフェノールは、ポリプロピレン樹脂に用いるフェノール系酸化防止剤を挙げることができ、具体例としては、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキスピロ[5,5]ウンデカン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビス(n−オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート等が挙げられる。
(9)造核剤
本発明で用いられるポリプロピレン樹脂組成物は、ポリプロピレン樹脂100重量部に対して、下記式(1)で表される造核剤(a)0.10〜0.50重量部、下記式(2)で表される造核剤(b)0.01〜0.30重量部及び下記式(3)で表される造核剤(c)0.005〜0.04重量部からなる群から選択される少なくとも1種の造核剤を配合してなることが好ましい。
(式中、nは、0〜2の整数であり、R〜Rは、それぞれ独立して、同一又は異なって、水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル、炭素数2〜20のアルケニル、炭素数1〜20のアルコキシ、炭素数1〜20のアルコキシカルボニル又はフェニルであり、Rは、炭素数1〜20のアルキルである。)
式(1)のような造核剤のうち、市販品として入手できる代表的なものは、ミラッドNX8000J(ミリケン・アンド・カンパニー社製)などが挙げられる。その化学構造式は、下記式(1−1)のとおりである。この造核剤の分子量は484である。この物質は、熱的・化学的にきわめて安定であるため、成形温度においてもほとんど熱分解しないという非常に優れた特徴があるため、分解物が成形品の表面にブリードアウトして外観を悪化させるという問題が生じないため、非常に好ましい。
本発明で用いられるポリプロピレン樹脂組成物に配合される造核剤(a)の配合量は、ポリプロピレン樹脂100重量部に対して、好ましくは0.10〜0.50重量部、より好ましくは0.10〜0.40重量部、更に好ましくは0.20〜0.35重量部の範囲である。造核剤(a)の配合量が0.10重量部以上であると剛性や透明性の発現が期待でき、0.50重量部以下であると、成形品表面へのブリードの懸念が少なくなり、剛性や透明性についての費用対効果(コスト・パフォーマンス)及び溶出性の点から有利である。
(式中、Rは、直接結合、硫黄、炭素数1〜9のアルキレン又は炭素数2〜9のアルキリデンであり、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ水素、炭素数1〜8のアルキル又は炭素数7〜9のアルキルアリールであり、MはLi、Na、K、Mg、Ca、Zn、Al−OH又はAlであり、nはMの価数である。なお、MがAlOHの場合はn=2、MがAlの場合はn=3である)
具体的には、式(2)で示される化合物として、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジメチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジメチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジエチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジエチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4−i−プロピル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4−i−プロピル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]等が挙げられ、これらの2種以上の混合物を例示することができる。なお、これらは、有機アルカリ金属塩と併用させることが効果的である。
また、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−ブチリデン−ビス(4,6−ジメチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−ブチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−t−オクチルメチレン−ビス(4,6−メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−t−オクチルメチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム(4,4’−ジメチル−6,6’−ジ−t−ブチル−2,2’−ビフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−エチリデン−ビス(4−s−ブチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−エチルフェニル)フォスフェート等も式(2)で示される化合物として挙げられる。これらのうち特に、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェートが好ましい。
この様な造核剤としては、市販のものを用いることができる。具体的には、(株)ADEKA製 商品名:「アデカスタブNA−11」を挙げることができる。
また、カリウム−2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、マグネシウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ジンク−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、アルミニウム−トリス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、カルシウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、カルシウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、カルシウム−ビス[2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、カルシウム−ビス[2,2’−チオビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、カルシウム−ビス[2,2’−チオビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、マグネシウム−ビス[2,2’−チオビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、マグネシウム−ビス[2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェニル)フォスフェート]、カルシウム−ビス[(4,4’−ジメチル−6,6’−ジ−t−ブチル−2,2’−ビフェニル)フォスフェート]、マグネシウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、アルミニウム−トリス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、リチウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2,2’−メチレン−ビス(4−キュミル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−エチリデン−ビス(4−i−プロピル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート等も式(2)で示される化合物として挙げられる。これらのうち特に、リチウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェートが好ましい。
この様な造核剤としては、市販のものを用いることができる。具体的には、(株)ADEKA製 商品名:「アデカスタブNA−71」を挙げることができる。
本発明で用いられるプロピレン樹脂組成物に配合される造核剤(b)の配合量は、ポリプロピレン樹脂100重量部に対して、好ましくは0.01〜0.30重量部、より好ましくは0.05〜0.20重量部、更に好ましくは0.08〜0.15重量部の範囲である。造核剤(b)の配合量が0.01重量部以上であると剛性や透明性の発現が期待でき、0.30重量部以下であると、成形品表面へのブリードの懸念が少なくなり、剛性や透明性についての費用対効果(コスト・パフォーマンス)及び溶出性の点から有利である。
(式中、R、R及びRは、互いに独立して、未置換の又は置換された炭化水素基である。)
この未置換の又は置換された炭化水素基を有する化合物とは、具体的に下記に示す各種化合物が例示される。本発明に用いられる造核剤(c)は、基本的には上記式(3)の化合物の形態を有すれば適正に達成できる性能を有する。未置換の又は置換された炭化水素基を有する各種化合物は、本発明に用いられる式(3)で表される化合物を合成する際にいかなる反応成分を選定するかによるものであり、式(3)の化合物の反応収率に若干影響するが、造核剤(c)としては同等に作用するものであり、以下のものが具体的に例示できる。
、R及びRの少なくとも1つが、枝分かれした炭素原子数3〜20のアルキル、又は、未置換の又は1つ以上の炭素原子数1〜20のアルキルによって置換された炭素原子数3〜12のシクロアルキルで表わされる式(3)の化合物が好ましい。
また、R、R及びRが、互いに独立して、未置換又は1つ以上の1−メチルエチル、2−メチルプロピル、1−メチルプロピル、第三ブチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、第三ブチルメチル、シクロプロピル、3−メチルシクロプロピル、2,2,3,3−テトラメチルシクロプロピル、シクロペンチル、シクロペンチルメチル、2−シクロペンチルエチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキシルエチル、4−第三ブチルシクロヘキシル、(4−メチルシクロヘキシル)メチル、下記式(3−1)〜(3−3)で示される環状炭化水素基、α−シクロヘキシルベンジル、3−メチルベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、4−ビフェニルメチル、2−ナフチルメチル、m−トリル、m−メトキシフェニル、p−トリル、4−エチルフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−第三ブチルフェニル、2,3−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、3,5−ジ−第三ブチルフェニル又は2,4,6−トリメチルフェニルで表わされる式(3)の化合物がより好ましい。
具体的には、式(3)で示される化合物として、1,3,5−トリス[2,2−ジメチルプロピオニルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[シクロヘキシルカルボニルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[4−メチルベンゾイルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[3,4−ジメチルベンゾイルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[3,5−ジメチルベンゾイルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[シクロペンタンカルボニルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[1−アダマンタンカルボニルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[2−メチルプロピオニルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[3,3−ジメチルブチリルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[2−エチルブチリルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[2,2−ジメチルブチリルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[2−シクロヘキシル−アセチルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[3−シクロヘキシル−プロピオニルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[4−シクロヘキシル−ブチリルアミノ]ベンゼン、1,3,5−トリス[5−シクロヘキシル−バレロイルアミノ]ベンゼン、1−イソブチリルアミノ−3,5−ビス[ピバロイルアミノ]ベンゼン、2,2−ジメチルブチリルアミノ−3,5−ビス[ピバロイルアミノ]ベンゼン、3,3−ジメチルブチリルアミノ−3,5−ビス[ピバロイルアミノ]ベンゼン、1,3−ビス[イソブチリルアミノ]−5−ピバロイルアミノベンゼン、1,3−ビス[イソブチリルアミノ]−5−(2,2−ジメチル−ブチリル)アミノベンゼン、1,3−ビス[イソブチリルアミノ]−5−(3,3−ジメチル−ブチリル)アミノベンゼン、1,3−ビス[2,2−ジメチルブチリルアミノ]−5−ピバロイルアミノベンゼン、1,3−ビス[2,2−ジメチルブチリルアミノ]−5−イソブチリルアミノベンゼン、1,3−ビス[2,2−ジメチルブチリルアミノ]−5−(3,3−ジメチルブチリル)−アミノベンゼン、1,3−ビス[3,3−ジメチルブチリルアミノ]−5−ピバロイルアミノ−ベンゼン、1,3−ビス[3,3−ジメチルブチリルアミノ]−5−イソブチリル−アミノベンゼン、1,3−ビス[3,3−ジメチルブチリルアミノ]−5−(2,2−ジメチル−ブチリルアミノ)アミノベンゼン又は1,3,5−トリス[3−(トリメチルシリル)プロピオニルアミノ]ベンゼンを挙げることができる。
このような化合物は、例えば、特表2006−518402号公報に記載の方法等によって製造することができる。
これらのうち、R、R及びRが、同一の基である式(3)の化合物が好ましい。なかでも、R、R及びRが第三ブチルで表わされる式(3)の化合物、すなわち、1,3,5−トリス[2,2−ジメチルプロピオニルアミノ]ベンゼンが特に好ましい。
この様な造核剤(c)としては、市販のものを用いることができる。具体的には、BASFジャパン(株)製 商品名:「イルガクリアXT−386」を挙げることができる。
本発明で用いられるポリプロピレン樹脂組成物に配合される造核剤(c)の配合量は、ポリプロピレン樹脂100重量部に対して、好ましくは0.005〜0.04重量部、より好ましくは0.01〜0.02重量部の範囲である。造核剤(c)の含有量が0.005重量部以上であると剛性や透明性の発現が期待でき、0.04重量部以下であると、剛性や透明性についての費用対効果(コスト・パフォーマンス)の点から有利である。
造核剤(a)、造核剤(b)及び造核剤(c)からなる群から選択される少なくとも1種の造核剤を用いることにより、透明性がよくなると共に、白濁感が少なくなることで、発色性が向上し、高外観のマニュキュア容器にすることができる。
(10)その他の添加剤
本発明で用いられるポリプロピレン樹脂組成物においては、ヒンダードフェノールを除き、プロピレン系重合体の安定剤などとして使用されている各種酸化防止剤や中和剤などの添加剤を配合することができる。
具体的には、チオ系酸化防止剤としては、ジ−ステアリル−β,β’−チオ−ジ−プロピオネート、ジ−ミリスチル−β,β’−チオ−ジ−プロピオネート、ジ−ラウリル−β,β’−チオ−ジ−プロピオネート等のチオ系酸化防止剤等が挙げられる。
また、さらに、耐NOxガス変色性が良好な下記式(4)の様なアミン系酸化防止剤を挙げることができる。
中和剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、ハイドロタルサイト(商品名:DHT−4A、協和化学工業(株)製のマグネシウムアルミニウム複合水酸化物塩)、ミズカラック(商品名、水澤化学工業(株)製のリチウムアルミニウム複合水酸化物塩)などが挙げられるが、ステアリン酸カルシウムが経済的であり、成形性向上にも寄与し、最も好ましい。
さらに、その他に、既知の各種添加剤、例えば、滑剤、脂肪酸金属塩等の分散剤、染料、顔料等を本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
なお、本発明で用いられるポリプロピレン樹脂組成物の性質、機能などの特性を損なわない範囲で、プロピレン系重合体以外の他の重合体、例えば、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリレート共重合体、アクリレート重合体のような単独重合体、又は二元若しくは三元共重合体をポリプロピレン樹脂100重量部に対して、0〜30重量部任意に添加することもできる。同様に、天然ゴム、ブチルゴム、ジエン系ゴム、EPM、EPDM、EBM、EHM、EOM、PBMのような、エラストマーをブレンドすることも可能である。さらに、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、石膏、マイカのような汎用の無機フィラーを併用することも可能である。
[2]マニュキュア容器に用いるポリプロピレン樹脂組成物の製造方法
本発明のマニュキュア容器に用いるポリプロピレン樹脂組成物は、ポリプロピレン樹脂にリン系酸化防止剤及びヒンダードアミン系光安定剤、並びに、必要に応じて他の添加剤の各所定量を、ヘンシェルミキサー(商品名)、スーパーミキサー、リボンブレンダー等に投入して混合した後、通常の単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ブラベンダー、ロール等で190〜260℃の温度範囲で溶融混練することにより得ることができる。
[3]成形品
本発明のマニュキュア容器において、成形品は、上記[1]で説明したポリプロピレン樹脂組成物を公知の方法である射出成形法や押出成形法、ブロー成形法によって成形することにより得られる。
本発明のマニュキュア容器の成形品としては、蓋、容器、その他の部品などを挙げることができるが、少なくとも蓋体の一部である蓋を上記[1]で説明したポリプロピレン樹脂組成物で成形することが好ましい。
本発明のマニュキュア容器は、容器(本)体と、先端に塗布体が設けられた軸体を有する蓋体で構成されるマニュキュア容器であり、上記成形部品を組み合わせて構成される。図1は、本発明のマニュキュア容器の一例の断面図である。図示例のマニュキュア容器は、マニュキュアを収容する容器本体1と、容器本体1を開閉するために着脱自在に装着された蓋体2とを備えるものである。図示例のマニュキュア容器において、蓋体2は、軸体3と蓋4とを備える。ここで、軸体3は、軸体3の中央部を構成し、蓋4の内側から容器本体1の内部に延びる軸7と、蓋4側の端部には、軸体3を蓋4に固定するように構成された固定部5と、容器本体1の内部側の端部には、容器本体1に収容されるマニュキュアを爪に塗布するために構成された塗布体6とを備える。塗布体6には筆が使用されている。本発明のマニュキュア容器は、該マニキュア容器の少なくとも一部が上記[1]で説明したポリプロピレン樹脂組成物からなるものであるが、上記したように、少なくとも蓋体2の一部である蓋4が、上記[1]で説明したポリプロピレン樹脂組成物で成形された成形部品であることが好ましい。
本発明のマニュキュア容器において、上記[1]で説明したポリプロピレン樹脂組成物で成形された成形部品以外の部品を用いる場合、例えば、図1に示すマニュキュア容器においては、蓋体2のうち、固定部5には低密度ポリエチレン等を用いることができ、塗布体6にはナイロンの筆やチップ等を用いることができ、軸7には低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等を用いることができ、容器本体1にはガラス、ポリエチレンナフタレート、ナイロン等を用いることができる。
本発明のマニュキュア容器は、容器体に収容されるマニュキュアが、マニュキュアを構成する成分(マニュキュア成分)としてニトロセルロースを含む場合に好適である。上記[1]で説明したポリプロピレン樹脂組成物は、ヒンダードフェノールを実質的に配合していないことから、マニュキュアに含まれる揮発分、特にはニトロセルロースに含まれる揮発分との反応による変色を抑えることができる。
なお、下記表1にマニュキュア成分にニトロセルロースを含むマニュキュアの一例を示すが、本発明のマニュキュア容器に収容されるマニュキュアは下記に限定されるものではない。
以下、本発明を実施例及び比較例を挙げて、詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例で限定されるものではない。
なお、各実施例及び比較例において用いた物性測定法、並びにプロピレン系重合体、ポリプロピレン樹脂組成物は、以下のとおりである。
1.測定方法
(ア)エチレン含有量
13C−NMR法により組成を検定したエチレン−プロピレンランダムコポリマーを基準物質として733cm−1の特性吸収帯を用いる赤外分光法により、ランダムコポリマー中のエチレン含有量を測定した(検量線作成)。作成した検量線に基づき、プロピレン系重合体の試料をプレス成形法により約500μmの厚さのフィルムとしたものを用いて、赤外分光法によりエチレン含有量を測定した。
ここで、検量線作成用の基準物質のプロピレン及びエチレンの含有量は、下記の条件の13C−NMR法によって計測される値である。13C−NMR法のスペクトルの解析は特開2006−307120号公報に記載の解析方法に従って行い、プロピレン及びエチレンの含有量を算出した。
装置:日本電子(株)製 JEOL−GSX270
濃度:300mg/2mL
溶媒:オルソジクロルベンゼン
(イ)MFR
JIS K7210:1999の附属書A表1、条件Mに準拠して、試験温度230℃、公称荷重2.16kgにて測定した。
(ウ)曲げ弾性率
JIS K7171に準拠して23℃で測定した。
(エ)シャルピー衝撃強度
JIS K7111に準拠して23℃で測定した。
(オ)ヘイズ
厚さ1mmのシート片を用いて、JIS K7136に準拠して測定した。
(カ)オーブンライフ
厚さ0.5mmのシート片を130℃のオーブンに入れ、劣化までの時間を目視で確認した。
(キ)目視による外観評価
・シートによる試験
厚さ1mm(1mm×20mm×80mm)のシート片と、化粧品用ニトロセルロース原料が適量入った5ml容量の開放容器を200mlビーカーに入れ、市販の食品用ラップ3枚を重ねて封をし、50℃で1週間ほど静置した後、各シート片を取り出し、標準品(試験期間中室温にて保管)と比較して、変色とブリードに関して目視確認を行った。判定評価は下記の通りである。図2は、シートによる試験の概要図である。
尚、標準品とは、試験品(後述の試験片)の色変化とブリードを観察するために基準とするもので、ここでは化粧用ニトロセルロースにさらされていない状態で保管しているものである。
◎:非常に良好(全く変化なし。)
○:良好(標準品と比べると少し変化があるが、単独では殆ど気にならない。)
×:不良(変化があり、標準品との差がはっきりわかる。)
・蓋による試験
マニュキュア用ガラス瓶に表1に示したマニキュアの一例をサンプルとして充填し、各材料にて成形したマニュキュア用軸つき蓋を締め、50℃で保管し、標準品(試験期間中室温にて保管)と比較して、5週間後の蓋の変色に関して目視確認を行った。判定評価は下記の通りである。図4は、比較例1について蓋による試験を行った後(保管してから5週間後)の蓋の写真である。
尚、標準品とは、試験品(後述の試験片)の色変化を観察するために基準とするもので、ここではマニキュアを充填していない状態で保管しているものである。
◎:非常に良好(全く変化なし。)
○:良好(標準品と比べると少し変化があるが、単独では殆ど気にならない。)
×:不良(変化があり、標準品との差がはっきりわかる。)
2.添加剤、樹脂
2−1.添加剤
(IF168)リン系酸化防止剤。トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト。BASFジャパン(株)製 商品名:「Irgafos168」
(TNV622)ヒンダードアミン系光(紫外線)安定剤(耐候剤)。琥珀酸ジメチル2−(4−ヒドロキシ−2、2,6,6−テトラメチルピペリジン)エタノール縮合物。BASFジャパン(株)製 商品名:「TINUVIN622LD」
(IR1010)フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール)。テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン。BASFジャパン(株)製 商品名:「IRGANOX 1010」
(CAST)ステアリン酸カルシウム。日油(株)製
(DHT4A)ハイドロタルサイト。協和化学工業(株)製。商品名:「DHT−4A」
(NA11)造核剤(b)相当。ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート。(株)ADEKA製 商品名:「アデカスタブNA−11」
(NX8000J)造核剤(a)相当。1,2,3−トリデオキシ−4,6:5,7−O−ビス[(4−プロピルフェニル)メチレン]ノニトール。ミリケン・アンド・カンパニー社製 商品名:「ミラッドNX8000J」
(XT386)造核剤(c)相当。1,3,5−トリス[2,2−ジメチルプロピオニルアミノ]ベンゼン。BASFジャパン(株)製 商品名:「イルガクリアXT−386」
(OA)滑剤。オレイン酸アマイド。日本化成(株)製 商品名:「ダイヤミッドO−200」
(PHA25B)2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン。日油(株)製 商品名:「パーヘキサ25B」
2−2.樹脂
(I)製造例1(PP1の製造)
<固体触媒成分の製造>
十分に窒素置換した内容積50リットル(L)の攪拌機付槽に、脱水及び脱酸素したn−ヘプタン20Lを導入し、次いで塩化マグネシウム(MgCl)を10モル、テトラブトキシチタン〔Ti(O−n−C〕を20モル導入し、95℃で2時間反応させた。反応終了後、40℃に温度を下げ、メチルヒドロポリシロキサン〔動粘度:20センチストークス(cSt)=2×10−5/sのもの〕を12L導入し、3時間反応させた。生成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄した。
続いて、前記攪拌機付槽を用いて該槽に、上記と同様に精製したn−ヘプタンを5L導入し、上記で合成した固体成分をMg原子換算で3モル導入した。次いでn−ヘプタン2.5Lにテトラクロルシラン(SiCl)5モルを混合して30℃、30分間でフラスコへ導入し、70℃で3時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。
次に、前記攪拌機付槽へn−ヘプタン2.5L導入し、フタル酸クロリド0.3モルを混合して、70℃、30分間で導入し、90℃で1時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。続いて、テトラクロルチタン(TiCl)を2L導入して110℃で3時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄して固体触媒成分(a)を製造するための固体成分(a1)を得た。分析したところ、この固体成分のチタン含有量は、2.0重量%であった。
その後、窒素置換した前記攪拌機付槽にn−ヘプタンを8L、上記で合成した固体成分(a1)を400g導入し、成分(a2)としてSiClを0.6L導入して、90℃で2時間反応させた。反応終了後、さらに成分(a3)としてビニルトリメチルシラン〔(CH=CH)Si(CH〕を0.54モル、成分(a4)としてt−ブチルメチルジメトキシシラン〔(t−C)(CH)Si(OCH〕0.27モル及び成分(a5)としてトリエチルアルミニウム〔Al(C〕1.5モルを順次導入して、30℃で2時間接触させた。
接触終了後、n−ヘプタンで十分に洗浄し、塩化マグネシウムを主体とする固体触媒成分(a)390gを得た。分析したところ、この固体触媒成分(a)のチタン含有量は、1.8重量%であった。
<プロピレン単独重合体の製造>
内容積230Lの流動床式反応器を連続反応装置として用いて重合を行った。反応器が、重合温度85℃、プロピレン分圧1.8MPa(絶対圧)、分子量制御剤としての水素を、水素/プロピレンのモル比で0.010となるように、連続的に供給した。さらに、トリエチルアルミニウムを5.25g/時間、固体触媒成分(a)として上記記載の触媒をポリマー重合速度が20kg/時間になるように供給し、プロピレン単独重合体を製造した。
反応器で重合したパウダーは、反応器内のパウダー保有量を60kgとなるように連続的にベッセルに抜き出した。水分を含んだ窒素ガスを供給して反応を停止させ、プロピレン単独重合体を得た。
このプロピレン単独重合体のMFRは11g/10分であった。これをPP1とした。
(II)製造例2(PP2の製造)
<固体チタン触媒成分の製造>
無水塩化マグネシウム700gに、デカン3.7L及び2−エチルヘキシルアルコール3.5Lを130℃で2時間加熱反応を行い均一溶液とした後、この溶液中に無水フタル酸165gを添加し、130℃にてさらに1時間攪拌混合を行い、無水フタル酸を該均一溶液に溶解させる。このようにして得られた均一溶液を室温まで冷却した後、−20℃に保たれた四塩化チタン中に1時間に亘って全量滴下装入する。装入終了後、この混合液の温度を4時間かけて110℃に昇温し、110℃に達したところでジイソブチルフタレート0.4Lを添加し、これより2時間同温度にて攪拌下で保持する。2時間の反応終了後、熱濾過にて固体部を採取し、110℃デカン及びヘキサンにて、洗液中に遊離チタン化合物が検出されなくなるまで十分に洗浄をする。以上の製造方法にて合成されたチタン触媒成分をドライヤーにて乾燥した。分析したところ、このようにして得られたチタン触媒成分の組成(主成分)は、チタン2.3重量%、塩素58.0重量%、マグネシウム18.0重量%及びジイソブチルフタレート14.0重量%であった。
<予備重合されたチタン触媒成分>
窒素置換された400mlのガラス製反応器に精製ヘキサン200mlを入れ、トリエチルアルミニウム20ミリモル、ジシクロペンチルジメトキシシラン4ミリモル及び前記チタン触媒成分をチタン原子換算で2ミリモル投入した後、5.9Nl/時間の速度でプロピレンを1時間供給し、Ti触媒成分1g当たり、2.8gのプロピレンを重合させた。
この予備重合終了後、濾過にて液相部を除去し、分離した固体部(予備重合触媒)をデカンに再び分散させた。
<プロピレン−エチレン共重合体の製造>
内容積200リットルの撹拌式オートクレーブ内をプロピレンで十分に置換した後、液化プロピレン45kgを導入した。これにエチレン0.44kg、トリエチルアルミニウム・n−ヘプタン溶液500ml(トリエチルアルミニウムの濃度は50g/l)、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン1.9gを加え、内部温度を30℃に維持した。次いで、水素300L(標準状態の体積として)、上記予備重合触媒3.8gをアルゴンで圧入して重合を開始すると同時に、40分を掛けて70℃に昇温した。重合温度を70℃に維持し1.0時間が経過後、エタノール100mlを添加して反応を停止、残ガスをパージした。得られた重合体の固体触媒1g当たりの収量は27kg、MFRは30.0g/10分、エチレン含有量は2.3重量%であった。これをPP2とした。
(III)製造例3(PP3の製造)
<固体チタン触媒成分の製造>
撹拌装置を備えた容量10Lのオートクレーブを十分に窒素で置換し、精製したトルエン2Lを導入した。ここに、室温で、Mg(OEt)を200g、TiClを1L添加した。温度を90℃に上げて、フタル酸ジ−n−ブチルを50ml導入した。その後、温度を110℃に上げて3時間反応を行った。反応生成物を精製したトルエンで十分に洗浄した。次いで、精製したトルエンを導入して全体の液量を2Lに調整した。室温でTiClを1L添加し、温度を110℃に上げて2時間反応を行った。反応生成物を精製したトルエンで十分に洗浄した。次いで、精製したトルエンを導入して全体の液量を2Lに調整した。室温でTiClを1L添加し、温度を110℃に上げて2時間反応を行った。反応生成物を精製したトルエンで十分に洗浄した。更に、精製したn−ヘプタンを用いて、トルエンをn−ヘプタンで置換し、固体成分のスラリーを得た。このスラリーの一部をサンプリングし分析したところ、固体成分のTi含有量は2.7重量%であった。
次に、撹拌装置を備えた容量20Lのオートクレーブを十分に窒素で置換し、上記固体成分のスラリーを固体成分として100g導入した。精製したn−ヘプタンを導入して、固体成分の濃度が25g/Lとなる様に調整した。SiClを50ml加え、90℃で1時間反応を行った。反応生成物を精製したn−ヘプタンで十分に洗浄した。
その後、精製したn−ヘプタンを導入して液レベルを4Lに調整した。ここに、ジメチルジビニルシランを30ml、(i−Pr)Si(OMe)を30ml、EtAlのn−ヘプタン希釈液をEtAlとして80g添加し、40℃で2時間反応を行った。反応生成物を精製したn−ヘプタンで十分に洗浄し、得られたスラリーの一部をサンプリングして乾燥、分析したところ、固体成分にはTiが1.2重量%、(i−Pr)Si(OMe)が8.8重量%含まれていた。
更に、上記で得られた固体成分を用いて、以下の手順により予備重合を行った。上記のスラリーに精製したn−ヘプタンを導入して、固体成分の濃度が20g/Lとなる様に調整した。次にスラリーを10℃に冷却した後、EtAlのn−ヘプタン希釈液をEtAlとして10g添加し、280gのプロピレンを4時間かけて供給した。プロピレンの供給が終わった後、更に30分間反応を継続した。次いで、気相部を窒素で十分に置換し、反応生成物を精製したn−ヘプタンで十分に洗浄した。得られたスラリーをオートクレーブから抜き出し、真空乾燥を行って固体触媒成分(c)を得た。この固体触媒成分は、固体成分1gあたり2.5gのポリプロピレンを含んでいた。また、分析したところ、この固体触媒成分(c)のポリプロピレンを除いた部分には、Tiが1.0重量%、(i−Pr)Si(OMe)が8.2重量%含まれていた。
<プロピレン−エチレン共重合体の製造>
図3に示したフローシートを用いてプロピレン−エチレン共重合体の製造について説明する。2台の重合槽を用いる気相重合反応器を用いた。2台の重合器1及び10は、内径D:2100mm、長さL:11000mm、内容積:40m3の攪拌機を備えた連続式横型気相重合器(長さ/直径=5.2)である。
重合器1内を窒素で十分に置換後、粒径500μm以下の重合体粒子を除去したポリプロピレン粉末を仕込み、固体触媒成分(c)として120g/時間、またトリエチルアルミニウムの15wt%ヘキサン溶液を触媒成分(c)中のTi原子1モルに対し、モル比が350となるように連続的に供給した。また、重合器1内の水素濃度のプロピレン濃度に対する比が0.095となるように水素を、エチレン濃度のプロピレン濃度に対する比が0.020となるようにエチレンを、重合器1内の圧力が2.10MPa、温度が61℃を保つようにプロピレンモノマーをそれぞれ重合器1内に供給した。反応熱は、原料混合ガス供給配管3から供給する原料液化プロピレンの気化熱により除去した。重合器1から排出される未反応ガスは、未反応ガス抜出配管4を通り反応器系外に抜出、冷却・凝縮させてリサイクルガス配管2を通して重合器1に還流した。
重合器1内で生成したプロピレン−エチレン共重合体(1段目)は、重合体の保有レベルが反応容積の45容量%となるように重合体抜出配管5を通して重合器1から連続的に抜出、第2重合工程の重合器10に供給した。
重合器10内に、第1重合工程からの重合体、また、重合器10内の水素濃度のプロピレン濃度に対する比が0.021となるように水素を、エチレン濃度のプロピレン濃度に対する比が0.068となるようにエチレンを、重合器10内の圧力が2.05MPa、温度が70℃を保つようにプロピレンモノマーをそれぞれ重合器10内に供給した。またプロピレン−エチレン共重合体(2段目)の重合量を調整するための重合活性抑制剤を重合活性抑制剤添加用配管11より供給した。反応熱は原料混合ガス供給配管6から供給される原料液化プロピレンの気化熱で除去した。重合器10から排出される未反応ガスは、未反応ガス抜出配管8を通して反応器系外に抜出、冷却・凝縮させて、リサイクルガス配管7を通して重合器10に還流させた。第2重合工程で生成したプロピレン系重合体は、重合体の保有レベルが反応容積の50容量%となるように重合体抜出配管9を通して重合器10から連続的に抜き出した。抜き出したパウダーは、ガス回収機12でガス類を分離し、パウダー部は回収系に抜出、造粒系で造粒した。
プロピレン系重合体の生産レートは、9.6T/時間、重合器1内の平均滞留時間は1.9時間、重合器10内の平均滞留時間は1.3時間であった。生産レートを固体触媒成分(c)の供給速度で割った値として触媒効率を求めたところ、88900g−PP/g−触媒であった。
また得られたプロピレン系重合体を分析したところ、MFRは38.9g/10分、エチレン含有量は5.0wt%であった。PP成分(1段目)は、MFRは71.9g/10分、エチレン含有量は2.5wt%であった。PP成分(2段目)についてのインデックスを計算したところ、MFR=8.0g/10分、エチレン含有量は11.3wt%であった。
ここで、PP成分(2段目)のMFRは、PP成分(1段目)のMFRとプロピレン重合体のMFRと、PP成分(1段目)と(2段目)の重量比から粘度の対数加成則と呼ばれる経験式に従って算出した。また、エチレン含有量は、PP成分(1段目)のエチレン含有量とプロピレン重合体のエチレン含有量と、PP成分(1段目)と(2段目)の重量比から算出した。ここで、PP成分(1段目)と(2段目)の重量比は、重合槽に供給する液化プロピレン量から各段の生産量を算出し、PP成分(2段目)の生産量は全体の重量に対し28%であった。
これをPP3とした。
2−3.実施例と比較例
プロピレン系重合体としてのPP1〜PP3に添加剤を表2、3に記載の配合割合(重量部)で準備し、スーパーミキサーでドライブレンドした後、東芝機械(株)製TEM−35B二軸押出機を用いて、ダイ出口部温度220℃で溶融混練し、ペレット化した。得られたポリプロピレン樹脂組成物のペレットを東芝機械(株)製EC100SX射出成形機により、樹脂温度200℃及び金型温度40℃で射出成形し、試験片(シート片)を作製した。また、東芝機械(株)製EC220C−6A射出成形機により、得られたポリプロピレン樹脂組成物のペレットから同様に射出成形して蓋を作製し、これに市販の塗布体(筆)つき軸を嵌合させ、試験片(軸つき蓋)を用意した。得られたペレット又は試験片を、それぞれ用いて、前記各物性を測定した。それらの評価結果を表2、3に示す。
上記(キ)目視による外観評価については、シートによる試験後のシートの写真及び蓋による試験前後の蓋の写真を図5〜図18に示す。
図5は、試験期間中室温にて保管されていた実施例1のシート(標準品)の写真であり、図6は、実施例1のシートによる試験後のシートの写真であり、図7は、試験期間中室温にて保管されていた実施例1の蓋(標準品)の写真であり、図8は、実施例1の蓋による試験後の蓋の写真である。
図9は、試験期間中室温にて保管されていた実施例2のシート(標準品)の写真であり、図10は、実施例2のシートによる試験後のシートの写真である。なお、実施例2は、蓋による試験を行っていない。
図11は、試験期間中室温にて保管されていた実施例3のシート(標準品)の写真であり、図12は、実施例3のシートによる試験後のシートの写真であり、図13は、試験期間中室温にて保管されていた実施例3の蓋(標準品)の写真であり、図14は、実施例3の蓋による試験後の蓋の写真である。
図15は、試験期間中室温にて保管されていた比較例1のシート(標準品)の写真であり、図16は、比較例1のシートによる試験後のシートの写真であり、図17は、試験期間中室温にて保管されていた比較例1の蓋(標準品)の写真であり、図18は、比較例1の蓋による試験後の蓋の写真である。
蓋による試験では、1週間毎に蓋の変色を確認したが、比較例1では、50℃にて保管を開始してから1週間後に黄変が確認された。
表2より、実施例1〜3は、マニュキュア液に含まれるニトロセルロースの揮発分が存在する雰囲気下でも、著しい変色は認められないことが確認できる。一方、比較例1は、マニュキュア液に含まれるニトロセルロースの揮発分が存在する雰囲気下において著しく黄色く変色することを確認でき、ブリードも認められた。なお、実施例2は、僅かに黄色く変色しているが、リン系酸化防止剤が若干、多めであったためである。また、実施例3は、僅かにブリードが認められるが、PP3のチーグラー触媒によるエチレン含有量が多く、MFRが高い2段目重合体成分に由来するものである。なお、実施例1に配合している過酸化物は分子量調整剤(減成剤)としての役割を果たしており、MFRが11g/10分のプロピレン系重合体を17g/10分にすることができる。
一般的にポリプロピレンは、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール)を配合されることによって、長期熱安定性(オーブンライフ)が付与されるが、マニュキュア液の揮発成分とフェノール系酸化防止剤とが反応してフェノール系酸化防止剤が変色してしまうため、黒等の変色を隠せる色でのみマニュキュア容器に使用することができない。
実施例2と比較例1のオーブンライフ試験結果より、本発明は、フェノール系酸化防止剤を使用しなくとも、従来のフェノール系酸化防止剤を使用したポリプロピレンと同様の長期熱安定性を得られることが確認できる。更に、表3より、比較例2は酸化防止剤としてリン系酸化防止剤のみでオーブンライフが50h、比較例3は酸化防止剤としてヒンダードアミン系光(紫外線)安定剤のみでオーブンライフが230h、比較例4は酸化防止剤を未添加でオーブンライフが42hである。比較例2〜4は本発明の実施例4に比べオーブンライフが劣る事が判り、比較例2と比較例3の酸化防止剤をあわせた配合が実施例4となるが、実施例4のオーブンライフの時間は、比較例2と3をあわせたオーブンライフの時間より長く、相乗効果が得られている事が判る。なお、130℃のオーブンライフ試験の時間は、アレニウスの式にて室温下での長期熱安定性を推測することができる。
本発明は、耐薬品性、成形加工性、バリヤー性、長期熱安定性、物性バランス、特に耐変色性にすぐれたポリプロピレン樹脂組成物を用いたマニュキュア容器に供することができる。
図1
1.容器本体
2.蓋体
3.軸体
4.蓋
5.固定部
6.塗布体(筆)
7.軸
図2
1.200ml ビーカー
2.ニトロセルロース入り容器
3.シート
4.ラップ
図3
1.重合器(第1重合工程)
2.リサイクルガス配管
3.原料混合ガス供給配管
4.未反応ガス抜出配管
5.重合体抜出配管
6.原料混合ガス供給配管
7.リサイクルガス配管
8.未反応ガス抜出配管
9.重合体抜出配管
10.重合器(第2重合工程)
11.重合活性抑制剤添加用配管
12.ガス回収機

Claims (5)

  1. 容器体と、先端に塗布体が設けられた軸体を有する蓋体で構成されるマニュキュア容器において、該マニキュア容器の少なくとも一部がヒンダードフェノールを実質的に配合していない下記の(i)〜(iv)の特性を満たすポリプロピレン樹脂組成物からなるマニュキュア容器。
    (i)JIS K7210:1999の附属書A表1、条件Mに準拠して、試験温度230℃、公称荷重2.16kgにて測定したMFRが0.5〜120g/10分であること。
    (ii)JIS K7171に準拠した曲げ弾性率が150MPa以上であること。
    (iii)ポリプロピレン樹脂100重量部に対して、リン系酸化防止剤を0.001〜0.5重量部配合してなること。
    (iv)ポリプロピレン樹脂100重量部に対して、ヒンダードアミン系光安定剤を0.01〜0.5重量部配合してなること。
  2. ポリプロピレン樹脂組成物が下記の特性(v)を満たす請求項1に記載のマニュキュア容器。
    (v)ポリプロピレン樹脂がプロピレン単独重合体又はプロピレンと含有量が15重量%以下のα−オレフィンとからなるプロピレン系共重合体であること。
  3. ポリプロピレン樹脂組成物がJIS K7136に準拠して測定した肉厚1mmのヘイズが50%以下である請求項1又は2に記載のマニュキュア容器。
  4. ポリプロピレン樹脂組成物が、さらに、ポリプロピレン樹脂100重量部に対して、下記式(1)で表される造核剤(a)0.10〜0.50重量部、下記式(2)で表される造核剤(b)0.01〜0.30重量部及び下記式(3)で表される造核剤(c)0.005〜0.04重量部からなる群から選択される少なくとも1種の造核剤を配合してなる請求項1〜3のいずれか1項に記載のマニュキュア容器。
    (式中、nは、0〜2の整数であり、R〜Rは、それぞれ独立して、同一又は異なって、水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル、炭素数2〜20のアルケニル、炭素数1〜20のアルコキシ、炭素数1〜20のアルコキシカルボニル又はフェニルであり、Rは、炭素数1〜20のアルキルである。)
    (式中、Rは、直接結合、硫黄、炭素数1〜9のアルキレン又は炭素数2〜9のアルキリデンであり、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ水素、炭素数1〜8のアルキル又は炭素数7〜9のアルキルアリールであり、MはLi、Na、K、Mg、Ca、Zn、Al−OH又はAlであり、nはMの価数である。なお、MがAlOHの場合はn=2、MがAlの場合はn=3である)
    (式中、R、R及びRは、互いに独立して、未置換の又は置換された炭化水素基である。)
  5. マニュキュアの成分にニトロセルロースを含む請求項1〜4のいずれか1項に記載のマニュキュア容器。
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