JP2013071963A - 鉛筆外装軸用ポリプロピレン樹脂組成物および鉛筆型化粧品 - Google Patents

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Abstract

【課題】削り性、削りカス飛散防止性および剛性にすぐれるので、鉛筆の外装軸材料、特にペンシル型化粧品の外装軸材料を提供する。
【解決手段】プロピレン系重合体(ア)(ただし、下記(イ)を除く。)100重量部に対し、下記の成分(A)30〜70重量%および成分(B)70〜30重量%を含有するプロピレン系樹脂組成物(イ)10〜60重量部、およびポリメチルメタクリレート樹脂(ウ)を10〜60重量部含有することを特徴とする鉛筆外装軸用ポリプロピレン樹脂組成物による。
成分(A):
以下の物性(a1)〜(a3)を満たすメタロセン触媒を用いて得られたプロピレン重合体。
(a1)DSC法により測定された融解ピーク温度(Tm)が125〜145℃
(a2)エチレン及び炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれるコモノマーの含有量が0〜5重量%
(a3)GPC法により測定された分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4
成分(B):
メタロセン触媒を用いて得られた、エチレン含有量が3〜25重量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体。
【選択図】なし

Description

本発明は、削り性、削りカス飛散防止性および剛性にすぐれた鉛筆外装軸用ポリプロピレン樹脂組成物、これを用いた鉛筆および鉛筆型化粧品に関するものである。
ポリプロピレン樹脂は、その優れた安全衛生性や成形加工性、着色性、力学特性、バリヤー性の特徴を生かし、各種用途に使用されている。一方で、剛性の高さから、削り性が要求される用途には殆ど使用されていなかった。削り性が求められる用途としては、鉛筆やアイペンシルなどが挙げられる。一般にポリプロピレン樹脂は削り性が良くないが、安全衛生面など優れており、ポリプロピレン樹脂で削り性が発現できれば、従来にない鉛筆を提供する事が可能となる。これまで樹脂製の鉛筆としては、樹脂にセルロースを混合させたもの(特許文献1)などがあり、また、現行品の木製は削り粉の飛散があり、木の削りカスの飛散を抑えるもの(特許文献2)など工夫がなされている。
また、アイライナー、眉墨、アイシャドウ、アイブロー、ファンデーション、口紅等の化粧料からなる芯材と木製の外装軸(木軸)からなる鉛筆型化粧品が使用されている。木軸に代わって樹脂製の外装軸を使用することも行われており、特許文献3には、オレフィン系重合体を含む複合樹脂材料を使用することが記載され、オレフィン系重合体とアクリル系重合体との複合材料を用いることが、さらにオレフィン系重合体の例として、ポリプロピレン樹脂(高密度ポリプロピレン、変性ポリプロピレン等のポリプロピレンまたはそれらを主体とする樹脂)、アイオノマー、ポリエチレン(低密度ポリエチレン等)、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン・プロピレン共重合体及びポリブテン−1等が挙げられている。
特許文献3にもあるように、鉛筆型化粧品の樹脂製の外装軸としては、ポリプロピレンのホモポリマーにポリメチルメタアクリレートを配合したものが現在主流として使用されており、ポリプロピレンホモポリマーにポリメチルメタクリレートの脆さを複合化することにより、削り性を得ている。
しかしながら、このようなポリプロピレンホモポリマーでは、硬すぎて使用者が削る際の削り感は必ずしも良好ではなく、しかもその削りカスはバラバラで散らかりやすく高級感に欠ける。そのため、ポリプロピレン樹脂の特徴(着色性や削り片の飛散防止など)を活かしたまま、高度な削り性と剛性に優れた材料の開発が求められている。
特開平6−255296号公報(ミサワホーム、鉛筆) 特開2008−935号公報(三菱鉛筆、鉛筆の塗膜) 特開2003−286128号公報(早川が見繕いました。トキワ)
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、削り性、削りカス飛散防止性、剛性にすぐれた鉛筆外装軸用ポリプロピレン樹脂組成物およびそれを用いて製造した鉛筆および鉛筆型化粧品を提供することにある。
本発明者は、前記課題を解決すべく検討した結果、プロピレン系樹脂に、特定のプロピレン系樹脂組成物を配合することで、削り性、削りカス飛散防止性、剛性に優れた鉛筆外装軸用ポリプロピレン樹脂組成物および鉛筆または鉛筆型化粧品を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の鉛筆外装軸用ポリプロピレン樹脂組成物、鉛筆および鉛筆型化粧品を提供する。
[1]プロピレン系重合体(ア)(ただし、下記(イ)を除く。)100重量部に対し、下記の成分(A)30〜70重量%および成分(B)70〜30重量%を含有するプロピレン系樹脂組成物(イ)10〜60重量部、およびポリメチルメタクリレート樹脂(ウ)を10〜60重量部含有することを特徴とする鉛筆外装軸用ポリプロピレン樹脂組成物。
成分(A):
以下の物性(a1)〜(a3)を満たすメタロセン触媒を用いて得られたプロピレン重合体。
(a1)DSC法により測定された融解ピーク温度(Tm)が125〜145℃
(a2)エチレン及び炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれるコモノマーの含有量が0〜5重量%
(a3)GPC法により測定された分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4
成分(B):
メタロセン触媒を用いて得られた、エチレン含有量が3〜25重量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体。
[2]プロピレン−エチレンブロック共重合体(イ)が、固体粘弾性測定により得られる温度−損失正接曲線において求められるtanδ曲線のピーク値Tgにおいて、0℃以下で単一のピークを持つことを特徴とする上記[1]に記載の鉛筆外装軸用ポリプロピレン樹脂組成物。
[3]上記[1]または[2]に記載の樹脂組成物を外装軸として用いてなる鉛筆。
[4]上記[1]または[2]に記載の樹脂組成物を外装軸として用いてなる鉛筆型化粧品。
本発明の鉛筆外装軸用ポリプロピレン樹脂組成物は、削り性、削りカス飛散防止性、剛性に優れ、これを用いた鉛筆型化粧品は高級感を有するものを提供することができる。
本発明の鉛筆外装軸用ポリプロピレン樹脂組成物は、プロピレン系重合体(ア)(ただし、下記(イ)を除く。)100重量部に対し、下記の成分(A)30〜70重量%および成分(B)70〜30重量%を含有するプロピレン系樹脂組成物(イ)10〜60重量部、およびポリメチルメタクリレート樹脂(ウ)を10〜60重量部含有することを特徴とする。
成分(A):
以下の物性(a1)〜(a3)を満たすメタロセン触媒を用いて得られたプロピレン重合体。
(a1)DSC法により測定された融解ピーク温度(Tm)が125〜145℃
(a2)エチレン及び炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれるコモノマーの含有量が0〜5重量%
(a3)GPC法により測定された分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4
成分(B):
メタロセン触媒を用いて得られた、エチレン含有量が3〜25重量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体。
以下、本発明を詳細に説明する。
[1]ポリプロピレン樹脂組成物の構成成分
(ア)プロピレン系重合体
本発明のポリプロピレン樹脂組成物に用いられるプロピレン系重合体(ア)は、プロピレンの単独重合体が剛性の面で好ましいが、プロピレン−α−オレフィン共重合体、あるいはこれらの混合物であってもよい。プロピレン−α−オレフィン共重合体としては、剛性の点で、JIS K7171に準拠した曲げ弾性率が800MPa以上である方が好ましい。
このようなプロピレン系重合体(ア)としては、JIS K7120(230℃、2.16kg荷重)に準拠したメルトフローレート(MFR)が0.5〜100g/10分の範囲のものが好ましく、1〜50g/10分がより好ましく、2〜30g/10分がさらに好ましい。メルトフローレート(MFR)が0.5g/10分未満では、成形加工性の低下をきたし製品として満足できるものが得られ難くなるおそれがある。また、100g/10分を超えると、機械的物性の低下が懸念される。
プロピレン系重合体(ア)は、チーグラー系触媒でもメタロセン系触媒を用いて製造されたものでもよいが、成形性やポリメチルメタクリレート樹脂の混ざり性の点からチーグラー系触媒によって得られた重合体が好ましい。また、プロピレン系重合体(ア)には、後記するプロピレン系樹脂組成物(イ)は含まれないものとする。
(イ)プロピレン系樹脂組成物
本発明のポリプロピレン樹脂組成物に用いられるプロピレン系樹脂組成物(イ)は、以下の物性(a1)〜(a3)を満たすメタロセン触媒を用いて得られたプロピレン重合体成分(A)30〜70重量%と、メタロセン触媒を用いて得られたエチレン含有量が3〜25重量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B)70〜30重量%を含むプロピレン系樹脂組成物である。
(a1)DSC法により測定された融解ピーク温度(Tm)が125〜145℃
(a2)エチレン及び炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれるコモノマーの含有量が0〜5重量%
(a3)GPC法により測定された分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4
なお、成分(A)と成分(B)の重量%は、両成分の合計100重量%を基準にして定義され、他の成分が存在する場合は外数として計算される。
・プロピレン重合体成分(A)
プロピレン系樹脂組成物(イ)を構成する成分であるプロピレン重合体成分(A)は、DSC法により測定された融解ピーク温度(Tm)が125〜145℃である。Tmがこのような範囲にあることで、削り性や剛性、およびポリメチルメタクリレート樹脂との混ざりが良好であり、125℃を下回ると剛性が悪くなり、145℃を超えると削り性やポリメチルメタクリレート樹脂との混ざりが悪くなる。融解ピーク温度(Tm)は好ましくは130〜145℃であり、より好ましくは130〜140℃である。
また、プロピレン重合体成分(A)は、エチレン及び炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれるコモノマーの含有量が0〜5重量%である。コモノマーの含有量が5重量%を超えると融点が低くなりすぎ、外装軸の耐熱性を悪化させる恐れがある。エチレン含量は4重量%以下が好ましく、3重量%以下が更に好ましい。
コモノマーとしては、エチレンまたは炭素数4以上のα−オレフィンであり、α−オレフィンとしてはブテン、ヘキセン−1、オクテン−1が好ましい。プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体の例としては、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ヘキセン−1共重合体、プロピレン−オクテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ヘキセン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1−オクテン−1共重合体などのような、共単量体を任意に若干量組み合わせた二元または三元共重合体が例示できる。
また、プロピレン重合体成分(A)は、GPC法により測定された分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4である。Mw/Mnがこのような範囲にあることで、成形品のべたつきが少なく削り性が良好であり、1.5を下回ると成形性が悪くなり、4を上回るとべたつきが悪くなる可能性がある。Mw/Mnは好ましくは2〜4であり、より好ましくは2〜3.5重量%である。
ここで、Mw/Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定して得られ、保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレンによる検量線を用いて行う。
・プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B)
プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B)は、プロピレン系樹脂組成物(イ)中でゴム弾性成分の役割を有し、耐衝撃性を付与するために必要な成分である。削り性を保持し且つ剛性の観点から、エチレン含有量は3〜25重量%であり、4重量%以上が好ましく、20重量%以下であることが好ましく、より好ましくは、5重量%以上が好ましく、15重量%以下である。
プロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B)は、さらにコモノマーとして炭素数4以上のα−オレフィンが共重合されていてもよく、その場合のα−オレフィンとしてはブテン、ヘキセン−1、オクテン−1が好ましい。
プロピレン系樹脂組成物(イ)は、メタロセン系触媒を用いて得られた上記プロピレン重合体(成分(A))と、メタロセン系触媒を用いて得られたプロピレン−エチレンランダム共重合体(成分(B))とのブロック共重合体、あるいはこれらの混合物であってもよく、成分(A)と成分(B)を逐次重合法によって得てもよく、また上記要件を満たす成分(A)と成分(B)を混合することによって得られたものでもよい。
なお、ここでいう「ブロック共重合体」は、プロピレン、エチレンがブロック共重合したいわゆるリアルブロック共重合体あるいはグラフト共重合体を含むだけでなく、当ポリオレフィン業界でいうところのブロック共重合体、すなわち、逐次重合(多段重合)により得られるプロピレン・エチレン系樹脂組成物も特に好ましい態様として包含される。
・成分(A)と成分(B)の量比
削り性というのは、切れやすさと柔軟さが必要であり、プロピレン系樹脂組成物(イ)が添加される事で、ポリメチルメタクリレート樹脂(ウ)との混ざり性を向上させ、かつ柔軟性も向上させて、優れた削り性が発現される。
プロピレン系樹脂組成物(イ)は、削り性の観点から、プロピレン−エチレンランダム共重合体(B)は、30重量%以上であり、一方で、剛性の観点から70重量%以下であり、プロピレン重合体(A)は剛性の観点から30重量%以上であり、一方で、削り性の観点から70重量%以下である。好ましい量比(重量比)は、成分(A):成分(B)が、40〜60:60〜40であり、更に好ましくは45〜55:55〜45重量%の範囲である。
本発明で用いられるプロピレン系樹脂組成物(イ)は、JIS K7120(230℃、2.16kg荷重)に準拠したメルトフローレート(MFR)が0.5〜100g/10分の範囲のものであることが好ましく、1〜50g/10分が好ましく、1〜30g/10分がさらに好ましく、特には1〜20g/10分が好ましい。メルトフローレート(MFR)が0.5g/10分未満では、成形加工性の低下をきたし製品として満足できるものが得られ難くなるおそれがある。また、100g/10分を超えると、機械的物性の低下が懸念される。
このようなプロピレン系樹脂組成物(イ)の製造方法としては、特に限定されず、メタロセン系触媒を用いて成分(A)と成分(B)を逐次重合によって得てもよく、またメタロセン系触媒を用いて得られた上記要件を満たす成分(A)と成分(B)を混合してもよい。逐次重合とは、連続する2段以上の多段重合を意味する。
いずれの場合でも、成分(A)(B)を製造するための重合触媒としては、メタロセン触媒を使用する。旧来のチーグラー系触媒では、触媒反応の活性点の種類が複数あるため、重合体の結晶性及び分子量分布が広く、低結晶かつ低分子量成分を多く生成することで、製品のベタツキやブリードアウトが強く見られ、ブリードアウトや外観不良などの問題が発生し易いという欠点を有している。一方、メタロセン触媒は、チーグラー系触媒に比して、触媒活性が高く、生成重合体の分子量分布が狭く、共重合体では組成分布が均一となるなど、重合体(イ)を製造するにはチーグラー系触媒より優れた触媒である。
メタロセン触媒とは、(i)シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期表第4族の遷移金属化合物(いわゆるメタロセン化合物)と、(ii)アルミニウムオキシ化合物、上記遷移金属化合物と反応してカチオンに変換することが可能なイオン性化合物またはルイス酸、固体酸微粒子、およびイオン交換性層状珪酸塩から成る化合物群の中から選ばれる少なくとも一種の助触媒と、必要により、(iii)有機アルミニウム化合物とからなる触媒であり、本発明に係る成分(イ)の重合体の製造が可能である公知の触媒は、いずれも使用できる。
メタロセン化合物は、プロピレンの立体規則性重合が可能な架橋型のメタロセン化合物が好ましく、特に好ましくはプロピレンのアイソ規則性重合が可能なメタロセン化合物であり、例えば、特開平2−131488号公報、特開平2−76887号公報、特開平4−211694号公報、特開平4−300887号公報、特開平5−43616号公報、特開平6−100578号公報、特開平5−209013号公報、特開平6−239914号公報、特開平11−240909号公報、特開平6−184179号公報、特表2003−533550号公報などに開示されたものが挙げられる。
具体的には、好ましい例示として、ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−フェニルインデニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4−(1−ナフチル)−インデニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン[1−(2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)インデニル)][1−(2−i−プロピル−4−(4−t−ブチルフェニル)インデニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−(2−エチル−4−(2−フルオロビフェニリル)−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミレンビス[1−(2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)]ジルコニウムジクロリド、ジメチルゲルミレンビス[1−(2−エチル−4−フェニルインデニル)]ジルコニウムジクロリドなどの珪素あるいはゲルミル基で架橋したインデニル系またはアズレニル系ジルコニウム錯体化合物を挙げることできる。
また、上記において、ジルコニウムをハフニウムに置き換えた化合物も同様に好ましく使用できる。また、2種以上の錯体を使用することもできる。また、クロリドは、他のハロゲン化合物、メチル、ベンジル等の炭化水素基、ジメチルアミド、ジエチルアミド等のアミド基、メトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシド基、ヒドリド基等に置き換えることができる。
これらの内、2位と4位に置換基を有し、珪素あるいはゲルミル基で架橋したビスインデニル基あるいはアズレニル基を配位子とするメタロセン化合物が好ましい。
助触媒については、アルミニウムオキシ化合物としてメチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサンなどが、また、上記遷移金属化合物と反応してカチオンに変換することが可能なイオン性化合物としては、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、トリフェニルカルビルテトラキスペンタフルオロフェニルボレートなどが挙げられる。また、ルイス酸としては、トリスペンタフェニルボレートが、また、固体酸微粒子としては、アルミナ、シリカ−アルミナなどが、さらに、イオン交換性層状珪酸塩としては、2:1型構造を有する珪酸塩、例えば、化学処理をしてもよいモンモリロナイト、ベントナイト、雲母などが挙げられる。
これら化合物が溶媒などに可溶である場合、多孔質の微粒子状無機あるいは有機担体に担持して使用することが可能であり、好ましい。上記助触媒の中で、好ましくはイオン交換性層状珪酸塩である。
有機アルミニウム化合物としては、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムセスキハライド、アルキルアルミニウムジハライド、アルキルアルミニウムハイドライド、有機アルミニウムアルコキサイドなどが挙げられる。
プロピレン系樹脂組成物(イ)を、逐次重合によって製造する場合の製造方法を以下に説明する。
逐次重合法では、前記(a1)〜(a3)を満たすように、第1工程として結晶性のプロピレン重合体成分(A)を製造し、第2工程として第1工程で得られた重合反応混合物の存在下、更に低結晶性或いは非晶性のプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B)を連続して製造されるものである。
重合方法としては、溶液重合、スラリー重合、気相重合、バルク重合が可能である。
第1工程の重合は、結晶性のプロピレン重合体成分(A)の重合であり、通常、スラリー重合または気相重合であり、バルク重合も採用できる。第2工程の重合工程は、第1工程の重合で得られる触媒含有のプロピレン重合体成分(A)の存在下で、エチレン含量の高いプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B)を重合する工程である。第2工程の重合方法には制限はないが、好ましいのは気相重合である。
したがって、連続法を用いて、先ず、プロピレン系重合体成分(A)をバルク法又は気相法にて重合し、引き続きプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B)を気相法にて重合するのが、特に好ましい。
重合温度は、通常0〜150℃であり、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上であり、好ましくは90℃以下、より好ましくは80℃以下である。
重合圧力は、一般に、0kg/cmGより大きく、2,000kg/cmG以下であり、好ましくは5kg/cmG以上、好ましくは60kg/cmG以下である。
また、生成ポリマーの分子量調節剤として、補助的に水素を用いることができる。
第1工程の重合における反応系内のプロピレン/エチレン又はα−オレフィンのモル比が、100/0〜90/10程度にて共重合を行うのが望ましい。第2工程の重合においては、反応系内のプロピレン/エチレンのモル比が、97/3〜70/30程度にて共重合を行うのが望ましい。また、第1工程と第2工程は、それぞれを数段階に分けることもできる。
得られた共重合体のエチレン含量の測定は、プロトン完全デカップリング法による、13C−NMRスペクトルから求めることができる。スペクトルの帰属は、例えば「Macromolecules;17,1950(1984)」などを参考にすることができる。また、予め数種類のエチレン含量が異なる共重合体の標準サンプルを用意し、その13C−NMRスペクトルと赤外吸収スペクトルを測定し、それからエチレン含量を求める検量線を作成しておき、これを用いて換算してもよい。
このような逐次重合により得られた共重合体は、ブロック共重合体と通称されており、連続した重合によって得られてはいるが、実質的には、プロピレン重合体成分(A)とプロピレン−エチレンランダム共重合体成分(B)との組成物である。しかし、逐次重合によって得られたものは、成分(A)、成分(B)をそれぞれ独立した反応器で製造したものを機械的に混合した組成物に比べ、ミクロな相分離構造、或いは共連続構造をとるため、強度や剛性、削り性に優れるので、好ましい。
プロピレン系樹脂組成物(イ)は、相溶性を良好に保ち、良好な柔軟性に維持するために、成分(A)と成分(B)とが相分離していないことが好ましい。相分離の条件は、エチレン含量のみならず、分子量や組成によっても影響を受けるため、固体粘弾性測定(DMA)により得られる温度−損失正接(tanδ)曲線において、tanδ曲線のピークにより特定される。
相分離構造を取る場合には、成分(A)に含まれる非晶部のガラス転移温度と成分(B)に含まれる非晶部のガラス転移温度が各々異なるため、ピークは複数となる。逆に相溶性である場合には、両成分は分子のオーダーで混合しており、両成分のガラス転移温度の中間的な温度に単一のピークを有する。すなわち、相分離構造を取っているかどうかは、固体粘弾性測定における温度−tanδ曲線において判別可能であり、柔軟性を良好にするためには、tanδ曲線が0℃以下に単一のピークを有する。
固体粘弾性測定とは、具体的には、短冊状の試料片に特定周波数の正弦歪みを与え、発生する応力を検知することで行う。ここでは、周波数は1Hzを用い測定温度は−60℃から段階状に昇温し、サンプルが融解して測定不能になるまで行う。また、歪みの大きさは0.1〜0.5%程度が推奨される。得られた応力から、公知の方法によって貯蔵弾性率G’と損失弾性率G”を求め、これの比で定義される損失正接(=損失弾性率/貯蔵弾性率)を温度に対してプロットすると0℃以下の温度領域で鋭いピークを示す。一般に0℃以下でのtanδ曲線のピークは非晶部のガラス転移を観測するものであり、ここでは本ピーク温度をガラス転移温度Tg(℃)として定義する。
また、プロピレン系樹脂組成物(イ)の示差走査熱量計(DSC)により測定された融解ピーク温度(Tm)は、110〜145℃の範囲であることが好ましく、120〜140℃であるのがより好ましい。Tmが110℃未満のものは耐熱性を損なうばかりでなく、溶融されたプロピレン系樹脂の冷却固化速度が遅く、成形性を悪化させる恐れがあるため好ましくなく、145℃を超えると柔軟性が悪くなる恐れがあるため好ましくない。
Tmを調整するには重合反応系へ供給するα−オレフィンの量を制御することにより容易に調整することができる。
ここで、Tmの具体的測定は、示差走査熱量計(DSC)を用い、サンプル量5mgを採り、200℃で5分間保持した後、40℃まで10℃/分の降温速度で結晶化させ、更に10℃/分の昇温速度で融解させたときに描かれる曲線のピーク位置を、融解ピーク温度Tm(℃)とする。
また、プロピレン系樹脂組成物(イ)のゲルパーミエーション(GPC)法により測定された分子量分布(Mw/Mn)は、1.5〜4の範囲であることが好ましく、1.8以上3未満であるのがより好ましい。Mw/Mnが1.5未満のものは現在の重合技術では得難く、4を超えると溶出性が悪くなり製品(ペレット)がべたつく恐れがあるため好ましくない。
プロピレン系樹脂の分子量分布を調整する方法は、好ましくは2種以上のメタロセン触媒成分の併用した触媒系や2種以上のメタロセン錯体を併用した触媒系を用いて重合する、または重合時に2段以上の多段重合を行うことにより制御することができる。逆に分子量分布を狭く調整するためには、プロピレン系樹脂を重合後、有機過酸化物を使用し溶融混練することにより調整することができる。
ここで、分子量分布は、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)の比率(Mw/Mn)で求められ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定して得られ、保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレンによる検量線を用いて行う。
(ウ)ポリメチルメタクリレート
本発明に用いられるポリチルメタクリレート樹脂(ウ)(PMMA)は、メタクリル酸メチルを主体とする樹脂で、メチルメタクリレートの単独重合体、またはメチルメタクリレートとメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アクリロニトリル、無水マレイン酸、スチレンもしくはα−メチルスチレンの何れか1つ以上との共重合体、またはメチルメタクリレート単独重合体と上記共重合体との混合物等を挙げることができる。具体的には市販品を制限なく利用できるが、好ましくは、メルトフローレート(230℃、37.3N荷重)が0.5〜40g/10分、より好ましくは1〜20g/10分、とりわけ好ましくは2〜15g/10分を有するものが好ましい。
市販品としては、例えばクラレ(株)製の「パラペットG」、三菱レイヨン(株)製の「アクリライト」等が挙げられる。
[2]樹脂組成物の各構成成分の組成
本発明の鉛筆外装軸用ポリプロピレン樹脂組成物は、プロピレン系重合体(ア)100重量部に対し、プロピレン系樹脂組成物(イ)10〜60重量部およびポリメチルメタクリレート樹脂(ウ)を10〜60重量部含有する。
プロピレン系樹脂組成物(イ)の含有量を上記範囲とすることで、剛性や削り性、またポリメチルメタクリレート樹脂との混ざり性が優れたものとすることができる。好ましい含有量は15〜50重量部であり、より好ましくは20〜45重量部である。
ポリメチルメタクリレート樹脂(ウ)の含有量を上記範囲とすることで、削り性が優れたものとすることができる。好ましい含有量は15〜50重量部であり、より好ましくは20〜50重量部である。
[3]添加剤
本発明の鉛筆外装軸用ポリプロピレン樹脂組成物には、プロピレン系樹脂の安定剤などとして使用されている各種酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、造核剤、滑剤、中和剤等の添加剤を配合することができる。
具体的には、酸化防止剤としては、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、ジ−ステアリル−ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−フォスフォナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−フォスフォナイト等のリン系酸化防止剤、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)]メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ハイドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ハイドロキシベンジル)イソシアヌレート等のフェノール系酸化防止剤、ジ−ステアリル−ββ’−チオ−ジ−プロピオネート、ジ−ミリスチル−ββ’−チオ−ジ−プロピオネート、ジ−ラウリル−ββ’−チオ−ジ−プロピオネート等のチオ系酸化防止剤等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤等が挙げられる。
光安定剤としては、n−ヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピぺリジル)セバケート、コハク酸ジメチル−2−(4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジル)エタノール縮合物、ポリ{[6−〔(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ〕−1,3,5−トリアジン−2,4ジイル]〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕}、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス〔N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ〕−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物等の光安定剤を挙げることができる。
造核剤の具体的な例としては、市販のもので、メリケン(株)社製ハイパフォームHPN68Lなどのほか、ソルビトール系造核剤、有機リン酸塩系造核剤および芳香族燐酸エステル類、タルクなど既知の造核剤を本発明の効果を大きく阻害しない範囲で添加することができる。
滑剤としては、既知の滑剤であり、例えば、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸ブチルやシリコーンオイルなどが挙げられる。
中和剤の具体例としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの金属脂肪酸塩、ハイドロタルサイト(商品名、協和化学工業(株)製、マグネシウムアルミニウム複合水酸化物塩)、ミズカラック(商品名、水澤化学工業(株)製、リチウムアルミニウム複合水酸化物塩)などが挙げられる。
さらに、その他に、帯電防止剤、脂肪酸金属塩等の分散剤、染料、顔料、ポリエチレン、エラストマー等を本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
[4]樹脂組成物の製造方法
本発明の鉛筆外装軸用ポリプロピレン樹脂組成物は、プロピレン系重合体(ア)、プロピレン系樹脂組成物(イ)およびポリメチルメタクリレート樹脂(ウ)、必要に応じて、添加剤などを、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、リボンブレンダー等に投入して混合した後、通常の単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、プラベンダー、ロール等で190〜260℃の温度範囲で溶融混練することによって得られ、通常はペレット化される。
[5]鉛筆外装軸
本発明の鉛筆外装軸用ポリプロピレン樹脂組成物は、上記ペレット、あるいはペレットを介さずに直接、鉛筆外装軸に成形される。外装軸の成形法は公知の方法で行うことができ、例えば芯材を中心軸として収容可能な細長状中空円筒(六角筒等)体を射出成形法あるいは押出成形法により製造する方法、また、芯材を型内に装填した上での射出成形するなど各種成形法によって成形することにより得られる。
芯材としては、通常の鉛筆の場合は黒鉛と粘土等が配合されたものが使用される。
また、鉛筆型化粧品の場合は、アイシャドウ、アイブロー、アイライナー、眉墨、口紅、ファンデーション、頬紅等の化粧料が芯材として使用され、外装軸をシャープナーあるいはナイフで削るペンシル型の化粧品、特に、アイペンシル(アイライナー、アイカラー、アイシャドウ、アイブロー等)、ペンシル型の口紅(リップカラー)、リップライナー、コンシーラー、ファンデーション、頬紅として好適である。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの記載に限定して解釈されるものではない。
なお、各実施例及び比較例において、原料成分としては以下のものを使用し、各物性測定は以下の方法で行った。
1.測定法
(1)固体粘弾性測定
試料は下記条件により射出成形した厚さ2mmのシートから、10mm幅×18mm長×2mm厚の短冊状に切り出したものを用いた。装置はレオメトリック・サイエンティフィック社製のARESを用いた。周波数は1Hzである。測定温度は−60℃から段階状に昇温し、試料が融解して測定不能になるまで測定を行った。歪みは0.1〜0.5%の範囲で行った。
(試験片の作成)
規格番号:JIS−7152(ISO294−1)
成形機:東洋機械金属社製TU−15射出成形機
成形機設定温度:ホッパ下から 80,80,160,200,200,200℃
金型温度:40℃
射出速度:200mm/s(金型キャビティー内の速度)
射出圧力:800kgf/cm
保持圧力:800kgf/cm
保圧時間:40秒
金型形状:平板(厚さ2mm 幅30mm 長さ90mm)
(2)各成分量の算出
特開2011−98762に記載の方法で、下記のTREF装置を用いて算出した。
[装置]
(TREF部)
TREFカラム:4.3mmφ × 150mmステンレスカラム
カラム充填材:100μm 表面不活性処理ガラスビーズ
加熱方式:アルミヒートブロック
冷却方式:ペルチェ素子(ペルチェ素子の冷却は水冷)
温度分布:±0.5℃
温調器:(株)チノー デジタルプログラム調節計KP1000(バルブオーブン)
加熱方式:空気浴式オーブン
測定時温度:140℃
温度分布:±1℃
バルブ:6方バルブ 4方バルブ
(試料注入部)
注入方式:ループ注入方式
注入量:ループサイズ 0.1ml
注入口加熱方式:アルミヒートブロック
測定時温度:140℃
(検出部)
検出器:波長固定型赤外検出器 FOXBORO社製 MIRAN 1A
検出波長:3.42μm
高温フローセル:LC−IR用ミクロフローセル 光路長1.5mm
窓形状2φ×4mm長丸 合成サファイア窓板
測定時温度:140℃
(ポンプ部)
送液ポンプ:センシュウ科学社製 SSC−3461ポンプ
[測定条件]
溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.5mg/mLのBHTを含む)
試料濃度:5mg/mL
試料注入量:0.1mL
溶媒流速 :1mL/分
(3)エチレン含有量の算出
13C−NMRにより組成を検定したエチレン−プロピレンランダムコポリマーを基準物質として733cm−1の特性吸収体を用いる赤外分光法により、ランダムコポリマー中のエチレン含量を測定した。ペレットをプレス成形により約500ミクロンの厚さのフィルムとしたものを用いた。
(4)tanδ曲線のピーク
固有粘弾性測定により測定した。
(5)MFR:JIS K7210に準じて加熱温度230℃、荷重21.2Nにて測定した。
(6)融解ピーク温度:セイコー社製DSCを用い、サンプル5.0mgを採り、200℃で5分間保持後、40℃まで10℃/分の降温スピードで結晶化させ、さらに10℃/分の昇温スピードで融解させたときの融解ピーク温度を測定した。
(7)分子量分布:前述の方法で測定した。
(8)曲げ弾性率:JIS K7171に準拠して値を測定した。
(9)削り試験
10mm×4mm×9mmの射出試験片を成形し、市販の鉛筆削りで削り、以下の基準で削り性を評価した。
○:通常の力で削れる
△:強い力をかけないと削れない
×:削る事が困難
(10)表面剥離性
120mm×80mm×2mmの射出試験片を成形し、ニチバン製セロテープ(登録商標)18mmを張り、それを勢いよく剥がした後を目視で確認して、以下の基準で削り性を評価した。
○:表面剥離が認められない
△:若干、表面剥離が認められる
×:表面剥離が著しい
2.使用材料
(1)プロピレン系重合体(ア)
・プロピレン単独重合体
日本ポリプロ社製、商品名「ノバテックMA3」
チーグラナッタ触媒使用、MFR:10g/10分
以下、「MA3」と称す。
(2)プロピレン−エチレンブロック共重合体(イ)
・以下の製造例により、(イ)の要件を満たすプロピレン−エチレンブロック共重合体(PP−1)を製造した。
〔製造例(PP−1の製造)〕
予備重合触媒の調製(イオン交換性層状珪酸塩の化学処理)
10リットルの撹拌翼の付いたガラス製セパラブルフラスコに、蒸留水3.75リットル、続いて濃硫酸(96%)2.5kgをゆっくりと添加した。50℃で、さらにモンモリロナイト(水澤化学社製商品名ベンクレイSL、平均粒径:25μm、粒度分布:10〜60μm)を1kg分散させ、90℃に昇温し、6.5時間その温度を維持した。50℃まで冷却後、このスラリーを減圧濾過し、ケーキを回収した。このケーキに蒸留水を7リットル加え再スラリー化後、濾過した。この洗浄操作を、洗浄液(濾液)のpHが、3.5を越えるまで実施した。回収したケーキを窒素雰囲気下110℃で終夜乾燥した。乾燥後の重量は707gであった。
(イオン交換性層状珪酸塩の乾燥)
先に化学処理した珪酸塩は、キルン乾燥機により乾燥を実施した。仕様、乾燥条件は以下の通りである。
回転筒:円筒状 内径50mm 加温帯550mm(電気炉)
かき上げ翼付き回転数:2rpm
傾斜角:20/520
珪酸塩の供給速度:2.5g/分
ガス流速:窒素 96リットル/時間
向流乾燥温度:200℃(粉体温度)
(触媒の調製)
撹拌及び温度制御装置を有する内容積16リットルのオートクレーブを窒素で充分置換した。ここに、該珪酸塩200gを導入し、混合ヘプタン1,160ml、さらにトリエチルアルミニウムのヘプタン溶液(0.60M)840mlを加え、室温で攪拌した。1時間後、混合ヘプタンにて洗浄し、珪酸塩スラリーを2,000mlに調製した。次に、先に調製した珪酸塩スラリーにトリイソブチルアルミニウム(TIBA)のヘプタン溶液(0.71ML)9.6mlを添加し、25℃で1時間反応させた。平行して、(r)−ジクロロ[1,1´−ジメチルシリレンビス{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウム2,180mg(0.3mM)と混合ヘプタン870mlに、トリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(0.71M)33.1mlを加えて、室温にて1時間反応させた混合物を、珪酸塩スラリーに加え、1時間攪拌後、混合ヘプタンを追加して5,000mlに調製した。
(予備重合/洗浄)
続いて、槽内温度を40℃昇温し、温度が安定したところでプロピレンを100g/時間の速度で供給し、温度を維持した。4時間後プロピレンの供給を停止し、さらに2時間維持した。
予備重合終了後、残モノマーをパージし、撹拌を停止させ約10分間静置後、上澄みを2,400mlデカントした。続いてトリイソブチルアルミニウム(0.71ML)のヘプタン溶液9.5ml、さらに混合ヘプタンを5600ml添加し、40℃で30分間撹拌し、10分間静置した後に、上澄みを5600ml除いた。さらにこの操作を3回繰り返した。最後の上澄み液の成分分析を実施したところ有機アルミニウム成分の濃度は、1.23mモル/リットル、Zr濃度は8.6×10−6g/Lであり、仕込み量に対する上澄み液中の存在量は0.016%であった。続いて、トリイソブチルアルミニウム(0.71ML)のヘプタン溶液を170ml添加した後に、45℃で減圧乾燥を実施した。触媒1g当たりポリプロピレンを2.0g含む予備重合触媒が得られた。
この予備重合触媒を用いて、以下の手順に従ってプロピレン−エチレンブロック共重合体の製造を行った。
(第一工程)
第一工程では、内容積0.4mの攪拌装置付き液相重合層を用いてプロピレン−エチレンランダム共重合を実施した。液化プロピレンと液化エチレン、トリイソブチルアルミニウムをそれぞれ90kg/時、2.2kg/時、21.2g/時で連続的に供給した。水素供給量は第一工程のMFRが目標の値となるように調節した。さらに、上記の予備重合触媒を、触媒として(予備重合ポリマーの重量は除く)、5.4g/時となるように供給した。また、重合温度が65℃となるように重合槽を冷却した。
第一工程で得られたプロピレン−エチレンランダム共重合を分析したところ、BD(嵩密度)は0.46g/cc、MFRは2.0g/10分、エチレン含有量は1.5重量%であった。
(第二工程)
第二工程では、内容積0.5m3の攪拌式気相重合槽を用いてプロピレン−エチレンランダム共重合を実施した。第一工程の液相重合槽より重合体粒子を含んだスラリーを連続的に抜き出し、液化プロピレンをフラッシングした後、窒素で昇圧して気相重合槽へ連続的に供給した。重合槽は温度が80℃、プロピレンとエチレンと水素の分圧の合計が1.5MPaとなるように制御した。その際にプロピレンとエチレンと水素の分圧の合計に占めるプロピレンとエチレン及び水素の濃度は、それぞれ73.99vol%、26.00vol%、150volppmとなるように制御した。さらに、活性抑制剤としてエタノールを気相重合槽に供給した。エタノールの供給量は、気相重合槽に供給される重合体粒子に随伴して供給されるTIBA中のアルミニウムに対して、0.3mol/molとなるようにした。
こうして得られたプロピレン−エチレンブロック共重合体を分析したところ、活性は11.2kg/g−触媒、BDは0.41g/cc、MFRは4.0g/10分、エチレン含有量は6.2重量%のPP−1を得た。
また、PP−1は、成分(A)のエチレン含量1.3重量%、組成比50重量%、成分(B)のエチレン含量11.0重量%、組成比50重量%、tanδ曲線が−12.3℃に単一のピークを有するものであった。製造条件と結果を表1に纏めた。
Figure 2013071963
・成分(A):
成分(A)相当品として、以下のプロピレン−エチレンランダム共重合体を使用した。
日本ポリプロ社製、商品名「WFW4」
メタロセン触媒使用、MFR:7g/10分
Tm:135℃、エチレン量:2重量%、Mw/Mn:2.3
以下、「WFW4」と称す。
・成分(B):
成分(B)相当品として、以下のプロピレン−エチレンランダム共重合体を使用した。
エクソンモービル社製、商品名「VM3000/Vistamaxx3000」
メタロセン触媒使用、MFR:8g/10分、エチレン量:11重量%
以下、「VM3000」と称す。
(3)ポリメチルメタクリレート樹脂(ウ)
・クラレ(株)製商品名「パラペットG」
ISO 1133に準拠し、温度230℃、荷重37.3NでのMFR:8g/10分
以下、「PMMA」と称す。
(4)エラストマー
JSR社製商品名「ダイナロン1320P」
水添ジエン系ポリマー、MFR(230℃、2.16kg荷重):3.5g/10分、スチレン含有量:10%
以下、「1320P」と称す。
(5)酸化防止剤
(i)ヒンダードフェノール系酸化防止剤:
テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシルフェニル)プロピオネート]メタン
チバ社製、商品名「イルガノックス1010」
以下、「IR1010」と称す。
(ii)リン系酸化防止剤:
トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェノール)フォスファイト
チバ社製、商品名「イルガフォス168」
以下、「IF168」と称す。
(6)中和剤
ステアリン酸カルシウム
以下、「CAST」と称す。
(実施例1〜5、比較例1、2)
下記表2に記載の各成分を表2に記載の配合割合(重量部)で準備し、スーパーミキサーでドライブレンドした後、35ミリ径の2軸押出機を用いて溶融混練した。ダイ出口部温度230℃でダイから押し出しペレット化した。得られたペレットを射出成形機により、樹脂温度230℃、射出圧力600kg/cm及び金型温度40℃で射出成形し、試験片を作成した。得られた試験片を用い、物性を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2013071963
表2より、実施例1〜5は、適度な硬さで、削り性が優れた材料であることが判る。一方、比較例1と2は、成分(イ)が添加されておらず、削り性がなく、ペンシルの軸材として使用できない事が判る。
本発明のプロピレン樹脂組成物は、削り性、削りカス飛散防止性および剛性にすぐれるので、鉛筆の外装軸材料、特にペンシル型化粧品の外装軸として有用であり、産業上の利用性は非常に高いものがある。
特開平6−255296号公報 特開2008−935号公報 特開2003−286128号公報

Claims (4)

  1. プロピレン系重合体(ア)(ただし、下記(イ)を除く。)100重量部に対し、下記の成分(A)30〜70重量%および成分(B)70〜30重量%を含有するプロピレン系樹脂組成物(イ)10〜60重量部、およびポリメチルメタクリレート樹脂(ウ)を10〜60重量部含有することを特徴とする鉛筆外装軸用ポリプロピレン樹脂組成物。
    成分(A):
    以下の物性(a1)〜(a3)を満たすメタロセン触媒を用いて得られたプロピレン重合体。
    (a1)DSC法により測定された融解ピーク温度(Tm)が125〜145℃
    (a2)エチレン及び炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれるコモノマーの含有量が0〜5重量%
    (a3)GPC法により測定された分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4
    成分(B):
    メタロセン触媒を用いて得られた、エチレン含有量が3〜25重量%のプロピレン−エチレンランダム共重合体。
  2. プロピレン−エチレンブロック共重合体(イ)が、固体粘弾性測定により得られる温度−損失正接曲線において求められるtanδ曲線のピーク値Tgにおいて、0℃以下で単一のピークを持つことを特徴とする請求項1記載の鉛筆外装軸用ポリプロピレン樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の樹脂組成物を外装軸として用いてなる鉛筆。
  4. 請求項1または2に記載の樹脂組成物を外装軸として用いてなる鉛筆型化粧品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104403208A (zh) * 2014-12-14 2015-03-11 胡运冲 一种抗压ppr管材及其制备方法

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