JP2841319B2 - 結晶性プロピレン重合体組成物 - Google Patents

結晶性プロピレン重合体組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は結晶性プロピレン重合体の性質改良に関し、
特に高透明で高剛性であり、かつ、成形時にブリード問
題の生じない結晶性プロピレン重合体組成物に関するも
のである。
[従来の技術] 結晶性プロピレン重合体は、優れた成形性、耐熱性、
機械的特性を有すると共に、化学的な安定性を兼ね備え
た汎用樹脂であり、その特徴を利用してシート、フィル
ム、ブロー瓶等の押出し成形体が各種包装材料として使
用されている。
しかしながら、プロピレン重合体は、結晶部分と非晶
部分とで屈折率の差が大きいため、用途分野によっては
透明性が不良となって商品価値を損なう場合があった。
この結晶性プロピレン重合体の透明性を改良する方法
はこれまでいくつか提案されている。例えば芳香族カル
ボン酸、芳香族リン酸金属塩、ソルビトール誘導体(特
公昭55−12460号、特開昭58−129036号公報)などを添
加するとこれらが結晶核の発生剤となって、球晶が小さ
くなり、透明性が改良されることが知られている。しか
し、これらの核剤はプロピレン重合体との相溶性が小さ
く、添加量が多くなるとコスト的な問題のほか、ブリー
ドの発生という問題があり、これらの核剤の添加のみで
結晶性ポリオレフィンの透明性を改良するには限界があ
った。
プロピレンにエチレンやブテンなどのコモノマーをラ
ンダム共重合させることにより、プロピレン重合体の透
明性が向上することも知られているが、この方法では、
プロピレン重合体の特徴である剛性が低下するので、共
重合させるコモノマーの量に制約がある。
また、最近、ビニルシクロアルカン重合体をプロピレ
ン重合体に少量含有させることにより透明性を改善する
試みが提案されているが(特開昭60−139731号公報)、
この方法ではブリードの問題は回避できるが、透明性改
良効果は必ずしも十分ではない。
[発明が解決しようとする課題] 上記のように、従来の核剤においては、十分な透明性
を得ようとすれば、成形時にブリード発生の問題があ
り、ブリードのない添加剤では透明性の改良効果が不十
分であった。本発明の目的は、透明性と剛性とが共に優
れ、かつ、成形時にブリード問題の生じない結晶性プロ
ピレン重合体を開発するにある。
[課題を解決するための手段] かかる観点から本発明者等は、結晶性プロピレン重合
体の押出成形体の透明性及び剛性の改良について鋭意検
討の結果、プロピレン重合体に特定の分岐鎖状α−オレ
フィン重合体と特殊構造を有する有機リン酸塩とを配合
することににより、極めて透明性が高く、かつ、高剛性
であり、しかも、成形時にブリードの発生の問題を生じ
ない高結晶性プロピレン重合体組成物が得られることを
見出して本発明を完成した。
すなわち本発明は、下記のA、B及びCを配合してな
る組成物で、該組成物中の3−メチル−1−ブテン含量
を0.0001〜1重量%、かつC成分含量を0.005〜0.5重量
%とすることを特徴とする透明性及び剛性の優れた結晶
性プロピレン重合体組成物である。
A.メルトフローレートが0.1〜200g/10分の結晶性プロピ
レン重合体 B.3−メチル−1−ブテン含量が0.001〜10重量%でメル
トフローレートが0.1〜200g/10分のプロピレン二元共重
合体 C.下記の一般式で示される有機リン酸塩 (式中、R1は直鎖結合でイオウ又は炭素数1〜4のアル
キリデン基、R2〜R5はそれぞれ水素又は炭素数1〜8の
同種又は異種のアルキル基、Mは一価〜三価の金属原子
であり、nは1〜3の整数を示す。) (1)結晶性プロピレン重合体(A成分) 本発明で使用される上記A成分の結晶性プロピレン重
合体は、プロピレン単独重合体、プロピレンと炭素数2
〜18の他のα−オレフィンとのランダムあるいはブロッ
ク共重合体である。α−オレフィンとしてはエチレン、
ブテン、ペンテン、ヘキセンなどを用いることができ
る。
本発明で用いられるプロピレン重合体は、そのメルト
フローレート(以下、MFRと略称する)が0.1〜200g/10
分、好ましくは0.3〜100g/10分の範囲のものであり、沸
騰n−ヘプタン抽出残分(アイソタクチック・インデッ
クス、以下IIと略称する)が85%以上好ましくは90%以
上の、結晶性を有するプロピレン単独重合体、又はIIが
60%以上、好ましくは85%以上の、結晶性を有する、エ
チレン含量6重量%以下もしくは他のα−オレフィン含
量15重量%以下のプロピレン共重合体、ないしはそれら
の混合物等が好適である。
MFRが上記の範囲を下回るものは成形速度が低下し、
また上回るものは溶融張力が不足して熱成形等の二次加
工時に垂れ易くなり、また、耐衝撃性も低くなるため不
適当である。なかでも押出成形用としては0.3〜30g/10
分、特に0.5〜10g/10分のものが好ましい。
これらのプロピレン重合体は、三塩化チタン或はハロ
ゲン化マグネシウムにチタン化合物を担持させた触媒等
のチタン含有固体触媒とトリエチルアルミニウム、トリ
イソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリ
ド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、エチルアルミ
ニウムセスキクロリド等の有機アルミニウム化合物から
なる触媒系の使用により、通常の公知の重合方法例え
ば、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン等の炭化水素溶媒中
でのスラリー重合、液化プロピレン中でのバルク重合、
あるいはプロピレンガス中での気相重合等により好適に
製造される。また、重合時に重合体のIIを向上させるた
めに、カルボン酸エステルや有機ケイ素化合物等の電子
供与体を添加することもできる。
(2)3−メチル−1−ブテン含有プロピレン二元共重
合体(B成分) B成分として用いられる3−メチル−1−ブテンを含
有するプロピレン二元共重合体は、上記のプロピレン重
合体の製造と同様な触媒を用いて3−メチル−1−ブテ
ン重合体をプロピレン重合体とは別に製造し、後に造
粒、混練等によりブレンドして製造する方法及びプロピ
レン重合触媒を用いて予め3−メチル−1−ブテンを重
合させておき、続いてプロピレンを重合させる方法とが
あるが、好ましくは後者の方法が採用される。
3−メチル−1−ブテンの重合に用いられるプロピレ
ン重合触媒としては、特に引き続きプロピレンを重合さ
せてプロピレン・3−メチル−1−ブテン二元共重合体
とする場合には、ハロゲン化マグネシウム、ハロゲン化
チタン及び電子供与性化合物を必須成分とする固体状チ
タン触媒成分と有機アルミニウム化合物とから形成され
る触媒を用いる方法が好ましい。
上記B成分としてのプロピレン・3−メチル−1−ブ
テン二元共重合体の製造に用いられる固体状チタン触媒
成分に用いられるハロゲン含有マグネシウムとしては、
ジハロゲン化物が好ましく、塩化マグネシウム、臭化マ
グネシウム及びヨウ化マグネシウムを用いることができ
る。特に好ましくは塩化マグネシウムであり、さらに実
質的に無水であることが望ましい。
また、このハロゲン含有マグネシウムは、酸化マグネ
シウム、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、マ
グネシウムのカルボン酸塩、アルコキシマグネシウム、
アリロキシマグネシウム、アルコキシマグネシウムハラ
イド、アリロキシマグネシウムハライド、有機マグネシ
ウム化合物等を電子供与性化合物、ハロシラン、アルコ
キシシラン、シラノール、アルミニウム化合物、ハロゲ
ン化チタン化合物、チタンテトラアルコキシド等で処理
して得られるハロゲン含有マグネシウムであってよい。
ハロゲン含有チタンとしては、三価及び四価のチタン
のハロゲン化合物が代表的である。好ましいチタンのハ
ロゲン化合物は、一般式 Ti(OR)nX4-n (ここでRはC1〜C10の炭化水素残基、Xはハロゲン
である) で示されるような化合物のうち、n=0、1又は2の四
価のハロゲン化チタン化合物である。具体的には、TiCl
4、Ti(OBu)Cl3、Ti(OBu)2Cl2などを例示することが
できるが、特に好ましいのはTiCl4及びTi(OBu)Cl3
のテトラハロゲン化チタンやモノアルコキシトリハロゲ
ン化チタン化合物である。
電子供与性化合物は、通常チーグラー型触媒の変性剤
として用いられるものであって、本発明でも合目的的に
任意のものを選んで使用することができる。
本発明で所謂「内部ドナー」として使用するのに好ま
しい電子供与性化合物は、多価カルボン酸、多価アルコ
ール及びヒドロキシ基置換カルボン酸からなる群より選
ばれる多官能性化合物のエステルと有機ケイ素化合物で
ある。
多官能性化合物のエステルとして好適なものは、たと
えば脂肪族、芳香族のポリカルボン酸エステルであり、
特に好ましいのはエステル基の少なくとも一つが炭素数
2以上のアルキル基であるジカルボン酸のジエステルで
ある。ジカルボン酸エステルとして好ましいものの具体
例としては、フタル酸、マレイン酸、置換マロン酸など
と炭素数2以上のアルコールとのエステルであり、特に
好ましいのは、フタル酸と炭素数4以上のアルコールと
のジエステルである。
有機ケイ素化合物としては、下式で表される有機ケイ
素化合物が用いられる。
R7R8 3-nSi(OR9 ここで、R7は分岐鎖状炭化水素残基、R8及びR9はそれ
ぞれ分岐又は直鎖状炭化水素残基、nは2≦n≦3の数
である。
R7は、ケイ素原子に隣接する炭素原子から分岐してい
るものが好ましい。その場合の分岐基はアルキル基、シ
クロアルキル基又はアリール基(例えばフェニル基又は
メチル置換フェニル基)であることが好ましい。さらに
好ましいR7は、ケイ素原子に隣接する炭素原子、すなわ
ちα−位の炭素原子が2級又は3級の炭素原子であるも
のである。
とりわけ、ケイ素原子に結合している炭素原子から3
個のアルキル基が出た構造を持つものが好ましい。R7
炭素数は、通常3〜20、好ましくは4〜10である。R8
炭素数1〜20、好ましくは4〜10の分岐あるいは直鎖状
の脂肪族炭化水素基であることが普通である。R9は脂肪
族炭化水素基、好ましくは炭素数1〜4の脂肪族炭化水
素基であることが普通である 本発明においては、「内部ドナー」として上記の多官
能性化合物のエステルと有機ケイ素化合物のいずれか一
方、又は両方を組み合わせて用いることが出来る。
また、必要に応じて上記の有機ケイ素化合物を「外部
ドナー」として用いることも出来る。
本発明で使用されるB成分であるプロピレン共重合体
の製造に用いられるアルミニウム化合物は、一般式Al
R′nX3-n(ここで、R′は炭素数1〜12の炭化水素残
基、Xはハロゲン又はアルコキシ基を示し、nは0<n
≦3である)で表わされるものが好適である。
このような有機アルミニウム化合物が、具体的には例
えばトリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアル
ミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブ
チルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、
トリイソヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニ
ウム、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチ
ルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムモ
ノクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、
ジエチルアルミニウムモノエトキサイド等である。勿
論、これらの有機アルミニウム化合物を二種以上併用す
ることもできる。
B成分のプロピレン二元共重合体の重合方法は、一般
に、上記触媒の存在下にあらかじめ3−メチル−1−ブ
テンを重合させ、後でプロピレンを重合させる方法が好
適である。
B成分としての3−メチル−1−ブテン含有プロピレ
ン二元共重合体は、その3−メチル−1−ブテン含量が
0.001〜10重量%で、かつ、MFRが0.1〜200g/10分のもの
が本発明で使用される。
3−メチル−1−ブテン含量が少なすぎると本発明の
効果が奏されず、多すぎるとA成分への分散性が悪化す
るので好ましくない。また、MFRが高過ぎるものは重合
時に触媒活性が低下するので不経済であり、低過ぎると
A成分への分散性が悪化するので好ましくない。
上記B成分の配合割合は本発明組成物中の3−メチル
−1−ブテン含量が0.0001〜1重量%、好ましくは0.00
1〜0.1重量%になるように決めればよい。3−メチル−
1−ブテン含量がこの範囲を下回ると、本発明の目的で
ある透明性、剛性の改良効果が不足し、一方、この範囲
を上回ってもそれ以上の改良効果が期待されないばかり
か経済的に不利である。
(3)有機リン酸塩化合物(C成分) 本発明に用いられるC成分の有機リン酸塩化合物は、
下記の一般式で表わされる化合物である。
式中、R1は直鎖結合でイオウ又は炭素数1〜4のアル
キリデン基、R2〜R5はそれぞれ水素又は炭素数1〜8の
同種又は異種のアルキル基、Mは一価〜三価の金属原子
であり、nは1〜3の整数を示す。
このような化合物の具体例としては、ナトリウム−2,
2′−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ホスフェート、ナトリウム−2,2′−エチリデン−
ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェー
ト、リチウム−2,2′−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t
−ブチルフェニル)ホスフェート、リチウム−2,2′−
エチリデン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)
ホスフェート、ナトリウム−2,2′−エチリデン−ビス
−(4−i−プロピル−6−t−ブチルフェニル)ホス
フェート、リチウム−2,2′−メチレン−ビス−(4−
メチル−6−t−ブチルフェニル)ホスフェート、リチ
ウム−2,2′−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t
−ブチルフェニル)ホスフェート、カルシウム−ビス−
[2,2′−チオビス−(4−メチル−6−t−ブチルフ
ェニル)ホスフェート]、カルシウム−ビス−[2,2−
チオビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)ホ
スフェート]、カルシウム−ビス−[2,2′−チオビス
−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート]、
マグネシウム−ビス−[2,2′−チオビス−(4,6−ジ−
t−ブチルフェニル)ホスフェート]、マグネシウム−
ビス−[2,2′−チオビス−(4−t−オクチルフェニ
ル)ホスフェート]、ナトリウム−2,2′−ブチリデン
−ビス−(4,6−ジ−メチルフェニル)ホスフェート、
ナトリウム−2,2′−ブチリデン−ビス−(4,6−ジ−t
−ブチルフェニル)ホスフェート、ナトリウム−2,2′
−t−オクチルメチレン−ビス−(4,6−ジ−メチルフ
ェニル)ホスフェート、ナトリウム−2,2′−t−オク
チルメチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ホスフェート、カルシウム−ビス−[2,2′−メチ
レン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフ
ェート]、マグネシウム−ビス−[2,2′−メチレン−
ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェー
ト]、バリウム−ビス−[2,2′−メチレン−ビス−
(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート]、ナ
トリウム−2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6
−t−ブチルフェニル)ホスフェート、ナトリウム−2,
2′−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチル
フェニル)ホスフェート、ナトリウム(4,4′−ジメチ
ル−6,6′−ジ−t−ブチル−2,2′−ビフェニル)ホス
フェート、カルシウム−ビス−[(4,4′−ジメチル−
6,6′−ジ−t−ブチル−2,2′−ビフェニル)ホスフェ
ート]、ナトリウム−2,2′−エチリデン−ビス−(4
−s−ブチル−6−t−ブチルフェニル)ホスフェー
ト、ナトリウム−2,2′−メチレン−ビス−(4,6−ジ−
メチルフェニル)ホスフェート、ナトリウム−2,2′−
メチレン−ビス−(4,6−ジ−エチルフェニル)ホスフ
ェート、カリウム−2,2′−エチリデン−ビス−(4,6−
ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート、カルシウム−
ビス−[2,2′−エチリデン−ビス−(4,6−ジ−t−ブ
チルフェニル)ホスフェート]、マグネシウム−ビス−
[2,2′−エチリデン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフ
ェニル)ホスフェート]、バリウム−ビス−[2,2′−
エチリデン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)
ホスフェート、アルミニウム−トリス−[2,2′−メチ
レン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフ
ェート]、アルミニウム−トリス−[2,2′−エチリデ
ン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェ
ート]又はこれらの二種以上の混合物等を例示できる。
特にナトリウム−2,2′−メチレン−ビス−(4,6−ジ−
t−ブチルフェニル)ホスフェートが好ましい。
有機リン酸塩化合物は、本発明の組成物中に通常0.00
5〜0.5重量%、好ましくは0.01〜0.1重量%含有され
る。含有量が上記範囲未満では透明性および剛性の改良
効果が不十分であり、一方、上記範囲を越えると経済的
に不利である 本発明の組成物では、上記必須成分の外に付加的成分
を、本発明の効果を著しく損なわない範囲で更に添加す
ることもできる。それらの付加的成分としては、通常の
ポリオレフィン用に用いられる酸化防止剤、中和剤、紫
外線吸収剤、気泡防止剤、分散剤、帯電防止剤、滑剤、
分子量調整剤(過酸化物)等の各種助剤、ゴム成分、着
色剤等を挙げることができる。
本発明の組成物の配合方法は、添加順序や用いる装置
に特に関係しないが、一般に使用されるヘンシェルミキ
サー、スーパーミキサー、Vブレンダー、タンブラーミ
キサー、リボンブレンダー、バンバリーミキサー、ニー
ダーブレンダー又は押出機のごとき混合機あるいは混練
機を用いて所定時間混合し、通常の押出機にてペレット
状とすることが好ましい。
本発明の組成物は、押出成形、中空成形、フィルム成
形、射出成形、圧縮成形等を経て各種成形体に加工され
る。
[実施例] 以下の実施例においては、次に示す3−メチル−1−
ブテン含有プロピレン二元共重合体をB成分として使用
した。
(3−メチル−1−ブテン含有プロピレン二元共重合体
の製造) 固体触媒成分の調製 温度計及び撹拌棒を付した内容積500mlのガラス製三
ツ口フラスコを窒素置換した後、75mlの精製ヘプタン、
75mlのチタンテトラブトキシド及び10gの無水塩化マグ
ネシウムを加える。フラスコを90℃に昇温し、2時間か
けて塩化マグネシウムを完全に溶解させる。次に、フラ
スコを40℃まで冷却し、メチルハイドロジェンポリシロ
キサン15mlを添加して塩化マグネシウム・チタンテトラ
ブトキシド錯体を析出させる。これを精製ヘプタンで洗
浄した後、四塩化ケイ素8.7mlと塩化フタロイル2.0gを
加え、50℃で2時間保持する。この後精製ヘプタンで洗
浄し、更に四塩化チタン25mlを加えて25℃で2時間保持
する。これを精製ヘプタンで洗浄して固体触媒成分を得
た。
固体触媒成分中のチタン含量は2.7重量%であった。
3−メチル−1−ブテン重合 内容積1の撹拌式オートクレーブに500mlの精製ヘ
プタン、上記で調製した0.8gの固体触媒成分、32gの3
−メチル−1−ブテン、2gのトリイソブチルアルミニウ
ム及び0.6gの第三級ブチルエチルジメトキシシランを導
入し、50℃で3時間反応させた。その後精製ヘプタンで
洗浄して未反応成分を除去した。3−メチル−1−ブテ
ンの重合量を固体触媒1g当たり25gであった。
プロピレン重合 内容積3の撹拌式オートクレーブをプロピレンで充
分置換した後、充分に脱水したn−ヘプタン1.5を導
入して75℃に保ち、更にプロピレンで7kg/cm2Gまで加圧
した。次いでトリエチルアルミニウム0.38g、ジフェニ
ルジメトキシシラン0.16g及び上記の3−メチル−1−
ブテン重合済み触媒成分780mg(固体触媒30mgを含む)
を導入し、気相部水素濃度を0.3容量%に調節しながら7
5℃で3時間重合を行なった。その後、プロピレンをパ
ージし、ブタノール10mlを添加することにより重合を停
止させ、濾過、乾燥を行なって356gのプロピレン共重合
体粉末を得た。このプロピレン共重合体粉末には3−メ
チル−1−ブテンが2100ppm含有されていた。
実施例1〜4 エチレン含量が2.5重量%のエチレン・プロピレンラ
ダム共重合体[MFR:10g/10分(2.16kg荷重、230℃)]1
00重量部に、第1表に示す含有量になるように3−メチ
ル−1−ブテン含有プロピレン重合体及びナトリウム−
2,2′−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ホスフェート(アデカアーガス社製、NA11)を配合
し、更に安定剤として3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシトルエン0.1重量部及びカルシウムステアレート
0.05重量部を加え、ヘンシェルミキサーでブレンドした
後、30mmφ押出機により、230℃で混練してペレットと
した。
得られたペレットを射出成形機(240℃)にかけて試
験片を成形し、曲げ弾性率(JIS K7203)及びヘイズ(J
IS K6714、2mm厚シート)を測定した。測定結果は第1
表に示す。
比較例1〜4 第1表に記載された配合以外は各実施例と同じにし
て、得られた試験片について測定した。結果は第1表に
示す。
比較例5 3−メチル−1−ブテンに代えて32gのブテン−1を
用いた以外は、3−メチル−1−ブテンの場合と同様の
重合を行ない、プロピレン・ブテン−1二元共重合体を
得た。ブテン−1の重合量は固体触媒1g当り30gであっ
た。
この二元共重合体を用いてブテン−1の含有量が0.03
重量%となるようにした他は、実施例3と同様にしてペ
レット化し、成形及び物性測定を行なった。その結果、
ヘイズは64%で、曲げ弾性率は10700kg/cm2であった。
比較例6 3−メチル−1−ブテンに代えて32gのエチレンを用
いた以外は、3−メチル−1−ブテンの場合と同様の重
合を行ない、プロピレン・エチレン二元共重合体を得
た。エチレンの重合量は固体触媒1g当り35gであった。
この二元共重合体を全体のエチレンの含有量が0.03重
量%増加するように配合した他は、実施例3と同様にし
てペレット化し、成形及び物性測定を行なった。その結
果、ヘイズは63%で、曲げ弾性率は10600kg/cm2であっ
た。
[発明の効果] 本発明の結晶性プロピレン重合体組成物は、プロピレ
ン重合体に3−メチル−1−ブテン重合体及び特定構造
の有機リン酸塩化合物を少量配合することにより、意外
にも透明性及び曲げ弾性率が改良され、しかも、従来の
結晶核剤を配合した場合のような押出成形に際してのブ
リードやブツの発生の問題を生じない。
本発明の組成物は、透明性、剛性に優れており、タバ
コ、繊維、食品等の包装材、或は収縮包装材として、ま
た、VTRカセットケース等の用途に好適に用いることが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 23/00 - 23/36

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記のA、B及びCを配合してなる組成物
    で、該組成物中の3−メチル−1−ブテン含量を0.0001
    〜1重量%、かつC成分含量を0.005〜0.5重量%とする
    ことを特徴とする透明性及び剛性の優れた結晶性プロピ
    レン重合体組成物。 A.メルトフローレートが0.1〜200g/10分の結晶性プロピ
    レン重合体 B.3−メチル−1−ブテン含量が0.001〜10重量%でメル
    トフローレートが0.1〜200g/10分のプロピレン二元共重
    合体 C.下記の一般式で示される有機リン酸塩 (式中、R1は直鎖結合でイオウ又は炭素数1〜4のアル
    キリデン基、R2〜R5はそれぞれ水素又は炭素数1〜8の
    同種又は異種のアルキル基、Mは一価〜三価の金属原子
    であり、nは1〜3の整数を示す。)
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