JP2017167171A - 感光性樹脂溶液、パターニング膜の形成方法および含フッ素樹脂膜の微細加工方法 - Google Patents

感光性樹脂溶液、パターニング膜の形成方法および含フッ素樹脂膜の微細加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】含フッ素樹脂膜表面の前処理を行わずに、該含フッ素樹脂膜上に簡便にピンホール等の膜欠陥のない感光性樹脂膜を形成できる感光性樹脂溶液の提供。
【解決手段】含フッ素樹脂を含有する含フッ素樹脂膜上に感光性樹脂膜を形成するための感光性樹脂溶液であって、特定の単量体に由来する単位(a1)および(a2)を有する含フッ素重合体を含有し、溶液中の固形分に対する前記含フッ素重合体の割合が0.001〜20質量%である、感光性樹脂溶液。
【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂溶液、パターニング膜の形成方法および含フッ素樹脂膜の微細加工方法に関する。
有機トランジスタのゲート絶縁膜等として、溶液によるコーティング可能なアモルファスフッ素樹脂(CYTOP(登録商標、旭硝子社製)、Teflon(登録商標)AF(デュポン社製)等)等で形成された含フッ素樹脂膜が用いられている。該含フッ素樹脂膜からなる絶縁膜においては、絶縁膜上に感光性樹脂溶液(フォトレジスト溶液)を塗布して形成した感光性樹脂膜(フォトレジスト)をパターニングし、そのパターニング膜をマスクとして、含フッ素樹脂膜をエッチングして、絶縁膜に直径数μm〜数十μmのホール等を形成する必要がある。
しかし、特にアモルファスフッ素樹脂から形成されてなる含フッ素樹脂膜は高撥液性であるため、市販の感光性樹脂溶液は直接塗布できない。従来は感光性樹脂溶液の塗布前に含フッ素樹脂膜に対して還元剤を用いた前処理等を行って表面を親液化していたが、この方法は含フッ素樹脂膜の表面が荒れる等の問題がある。
含フッ素樹脂膜の表面を親液化する方法として、酸素やアルゴンのプラズマ処理を実施することが知られている(非特許文献1)。しかし、近年では有機半導体素子は全て溶液塗布プロセスでデバイス構築する、いわゆる脱ドライプロセス化が求められているため、親液化するための処理としてプラズマ処理は不適である。
また、含フッ素樹脂膜の表面にシランカップリング剤を塗布して濡れ性を高めることが提案されている(特許文献1)。
また、感光性樹脂溶液にデュポン社製のZonyl FSN(ペルフルオロアルキル基にポリオキシエチレン鎖が付加したノニオン型のフッ素系界面活性剤)を配合し、前処理なしで含フッ素樹脂膜上に感光性樹脂溶液を塗布し、形成された感光性樹脂膜をパターニングした後に含フッ素樹脂膜をエッチングし、感光性樹脂膜を除去することが提案されている(特許文献2)。
特許第5013167号公報 特開平7−321291号公報
Journal of Adhesion Science and Technology Volume 7, No. 5, pp.457-466 (1993)
しかし、特許文献1の方法を採用する場合、カップリング剤による処理の後に感光性樹脂溶液を塗布して感光性樹脂膜を形成し、パターニングにより得られたパターニング膜を介して含フッ素樹脂膜をエッチングし、パターニング膜を除去する必要がある。そのため、工程数が多くなり操作が煩雑である。
また、特許文献2の方法では、濡れ性の改善が不充分であり、含フッ素樹脂膜上に塗り残しやピンホール等の膜欠陥が生じないように一回で感光性樹脂溶液を塗布して均一な感光性樹脂膜を形成することは難しい。
本発明では、含フッ素樹脂膜表面の前処理を行わずに、かつ塗り残しや塗りムラを起こさず、含フッ素樹脂膜上に簡便にピンホール等の膜欠陥のない感光性樹脂膜を形成できる感光性樹脂溶液、該感光性樹脂溶液を用いたパターニング膜の形成方法および含フッ素樹脂膜の微細加工方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の[1]〜[8]の構成を有する感光性樹脂溶液、パターニング膜の形成方法および含フッ素樹脂膜の微細加工方法を提供する。
[1]含フッ素樹脂膜上に感光性樹脂膜を形成するための感光性樹脂溶液であって、
前記溶液が下式(a1)で表される単量体に由来する単位および下式(a2)で表される単量体に由来する単位位を有する含フッ素重合体を含有し、
前記溶液中の固形分中の前記含フッ素重合体の割合が0.001〜20質量%であることを特徴とする感光性樹脂溶液。
Figure 2017167171
(ただし、前記式中、Rは水素原子、メチル基、シアノ基、フェニル基、ベンジル基、フッ素原子、塩素原子またはトリフルオロメチル基であり、Lは下式(L−1)〜(L−8)で表される基のいずれかであり、Rは炭素数1〜20のフルオロアルキル基またはエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜20のフルオロアルキル基である。
また、Rは水素原子、メチル基または塩素原子であり、Rは−(C2pO)−R(ただし、Rは水素原子または−(CH−R(ただし、Rは炭素数1〜8のアルコキシ基、水素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基、ヒドロキシ基またはシアノ基であり、rは1〜25の整数である。)であり、pは1〜10の整数であり、qは1〜100の整数である。)
Figure 2017167171
(ただし、前記式中、a〜kはそれぞれ独立に、1〜8の整数であり、m、n、sおよびtはそれぞれ独立に、0または1である。)
[2]前記含フッ素重合体が、さらに下式(a3)で表される単量体に由来する単位を有する重合体である、[1]の感光性樹脂溶液。
Figure 2017167171
(ただし、前記式中、Rは水素原子、メチル基または塩素原子であり、Rは−R−R(ただし、Rは単結合、炭素数1〜20のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜8のアルコキシ基、水素原子、ヒドロキシ基またはシアノ基である。)である。)
[3]ポジ型感光性である、[1]または[2]の感光性樹脂溶液。
[4]ネガ型感光性である、[1]または[2]の感光性樹脂溶液。
[5]さらにアルカリ可溶性樹脂、感光性化合物および溶媒を含む、[3]または[4]の感光性樹脂溶液。
[6]前記含フッ素樹脂膜が含フッ素環状エーテル樹脂から形成される膜である、[1]〜[5]のいずれかの感光性樹脂溶液。
[7]含フッ素樹脂膜上に、[1]〜[5]のいずれかの感光性樹脂溶液を塗布して感光性樹脂膜を形成し、マスクを介して前記感光性樹脂膜を露光した後、現像によりパターニングしてパターニング膜を形成する、パターニング膜の形成方法。
[8]前記[7]の方法で形成したパターニング膜をマスクとして、含フッ素環状エーテル樹脂から形成される含フッ素樹脂膜をエッチングしてパターニングする、含フッ素樹脂膜の微細加工方法。
本発明の感光性樹脂溶液は、含フッ素樹脂膜表面の前処理を行わずに、かつ塗り残しや塗りムラを起こさず、含フッ素樹脂膜上に簡便にピンホール等の膜欠陥のない感光性樹脂膜を形成できる。
本発明のパターニング膜の形成方法によれば、含フッ素樹脂膜表面の前処理を行わずに、かつ塗り残しや塗りムラを起こさず、含フッ素樹脂膜上に簡便にピンホール等の膜欠陥のない感光性樹脂膜を形成し、簡便にパターニング膜を形成できる。
本発明の含フッ素樹脂膜の微細加工方法によれば、所望のパターンを有する含フッ素樹脂膜が簡便に得られる。
ポジ型感光性樹脂溶液を用いたパターニング膜の形成方法の一例を示す図である。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「含フッ素重合体」とは、分子中にフッ素原子を有する高分子化合物を意味する。
「単位」とは、重合体中に存在して重合体を構成する、単量体に由来する部分を意味する。炭素−炭素不飽和二重結合を有する単量体の付加重合により生じる、該単量体に由来する単位は、該不飽和二重結合が開裂して生じた2価の単位である。また、ある単位の構造を重合体形成後に化学的に変換したものも単位という。なお、以下、場合により、個々の単量体に由来する単位をその単量体名に「単位」を付した名称で呼ぶ。
「感光性樹脂溶液中の固形分」とは、感光性樹脂溶液中に含まれる溶媒以外の不揮発成分(含フッ素重合体、アルカリ可溶性樹脂、感光性化合物、架橋剤等)を意味する。
本明細書においては、式(a1)で表される単量体を単量体(a1)と記す。他の式で表される単量体についても同様に記す。
また、式(L−1)で表される基を基(L−1)と記す。他の式で表される基も同様に記す。
[感光性樹脂溶液]
本発明の感光性樹脂溶液は、ポジ型感光性の感光性樹脂溶液と、ネガ型感光性の感光性樹脂溶液との2種類に分類される。いずれも含フッ素重合体を含有する。
(含フッ素重合体)
含フッ素重合体(以下、「含フッ素重合体(A)」とも記す。)は、単量体(a1)に由来する単位(以下、単位(a1)とも記す。)および単量体(a2)に由来する単位(以下、単位(a2)とも記す。)を有する含フッ素重合体である。
Figure 2017167171
ただし、前記式中、Rは水素原子、メチル基、シアノ基、フェニル基、ベンジル基、フッ素原子、塩素原子またはトリフルオロメチル基であり、Lは下式(L−1)〜(L−8)で表される基のいずれかであり、Rは炭素数1〜20のフルオロアルキル基またはエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜20のフルオロアルキル基である。
また、Rは水素原子、メチル基または塩素原子であり、Rは−(C2pO)−R(ただし、Rは水素原子または−(CH−R(ただし、Rは炭素数1〜8のアルコキシ基、水素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基、ヒドロキシ基またはシアノ基であり、rは1〜25の整数である。)であり、pは1〜10の整数であり、qは1〜100の整数である。
Figure 2017167171
ただし、前記式中、a〜kはそれぞれ独立に、1〜8の整数であり、m、n、sおよびtはそれぞれ独立に、0または1である。
<単位(a1)>
前記式(a1)中、Rは、入手容易の点から、水素原子またはメチル基が好ましい。
は、Lが基(L−1)〜(L−5)および(L−7)の場合、それらの基と結合する炭素原子は必ず1以上のフッ素原子と結合している基である。
は、含フッ素樹脂に対する親和性に優れる点からは、炭素数1〜20のペルフルオロアルキル基が好ましい。環境汚染しにくい点からは、炭素数6以下のペルフルオロアルキル基が好ましい。炭素数4〜6のペルフルオロアルキル基がより好ましく、炭素数4〜6の直鎖のペルフルオロアルキル基が特に好ましい。
が水素原子を1以上含む、炭素数1〜20のフルオロアルキル基である場合、含フッ素樹脂に対する親和性に優れる点から、該フルオロアルキル基の末端は−CFであることが好ましい。
式(L−1)中、aは、含フッ素樹脂に対する親和性に優れる点から、1〜4の整数が好ましく、1または2が特に好ましい。
式(L−3)中、bは、含フッ素樹脂に対する親和性の点から、1〜4の整数が好ましく、1または2が特に好ましい。
cは、含フッ素樹脂に対する親和性の点から、1〜4の整数が好ましく、1または2の整数が特に好ましい。
mは、含フッ素樹脂に対する親和性の点から、1が好ましい。
式(L−4)中、dは、含フッ素樹脂に対する親和性に優れる点から、1〜4の整数が好ましく、1または2が特に好ましい。
式(L−5)中、eは、含フッ素樹脂に対する親和性に優れる点から、1〜4の整数が好ましく、1または2が特に好ましい。
式(L−6)中、fは、含フッ素樹脂に対する親和性に優れる点から、1〜4の整数が好ましく、1または2が特に好ましい。
gは、含フッ素樹脂に対する親和性に優れる点から、1〜3の整数が好ましく、1が特に好ましい。
nは、含フッ素樹脂に対する親和性の点から、1が好ましい。
式(L−7)中、hは、含フッ素樹脂に対する親和性に優れる点から、1〜4の整数が好ましく、1または2がより好ましい。
iは、含フッ素樹脂に対する親和性に優れる点から、1〜3の整数が好ましく、1が特に好ましい。
sは、含フッ素樹脂に対する親和性の点から、1が好ましい。
式(L−8)中、jは、含フッ素樹脂に対する親和性に優れる点から、1〜4の整数が好ましく、1または2が特に好ましい。
kは、含フッ素樹脂に対する親和性に優れる点から、1〜3の整数が好ましく、1が特に好ましい。
tは、含フッ素樹脂に対する親和性の点から、1が好ましい。
Lとしては、含フッ素樹脂に対する親和性の点から、基(L−1)が好ましい。
単量体(a1)の具体例としては、例えば、下記の単量体(a1−1)〜(a1−18)が挙げられる。
Figure 2017167171
Figure 2017167171
単量体(a1)としては、含フッ素樹脂に対する親和性に優れる点から、(a1−1)、(a1−6)、(a1−11)、(a1−15)が好ましく、(a1−11)および(a1−15)が特に好ましい。
単位(a1)は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
<単位(a2)>
式(a2)中、Rは、重合しやすい点から、水素原子またはメチル基が好ましい。
qが2以上の場合、複数存在する(C2pO)の種類が同じであっても異なっていてもよい。異なる場合には、その並び方はランダム、ブロック、交互のいずれであってもよい。pが3以上の場合には、直鎖構造でも分岐構造でもよい。(C2pO)としては(CHO)、(CHCHO)、(CHCHCHO)、(CH(CH)CHO)等が挙げられる。
pは、含フッ素重合体(A)の親油性に優れる点からは、3〜6の整数が好ましく、3または4が特に好ましい。また、親水性に優れる点からは、1または2が好ましい。
qは、原料の入手容易の点から、1〜50の整数が好ましく、1〜30の整数がより好ましく、1〜20の整数が特に好ましい。
rは、原料の入手容易の点から、1〜4の整数が好ましく、1または2が特に好ましい。
は、原料の入手容易の点から、ヒドロキシ基、アルコキシ基が好ましく、ヒドロキシ基が特に好ましい。
単量体(a2)の具体例としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
CH=CH−COO−(CO)−H、
CH=CH−COO−(CO)−H、
CH=CH−COO−(CO)−H、
CH=CH−COO−(CO)−CH
CH=C(CH)−COO−(CO)−H、
CH=C(CH)−COO−(CO)−H、
CH=C(CH)−COO−(CO)−H、
CH=C(CH)−COO−(CO)−CH
CH=CH−COO−(CO)q2−(CO)q3−H、
CH=CH−COO−(CHO)q1−(CO)q2−CH−OH、
CH=CH−COO−(CO)q2−(CO)q3−H、
CH=C(CH)−COO−(CO)q2−(CO)q3−H、
CH=CH−COO−(CO)q2−(CO)q3−CH
CH=C(CH)−COO−(CO)q2−(CO)q3−CH等。
上式においてq1は1〜20の整数であり、q2およびq3はそれぞれ独立に1〜50の整数である。
単位(a2)は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
<単位(a3)>
含フッ素重合体(A)は、単位(a1)および(a2)に加えて、単量体(a3)に由来する単位(以下、単位(a3)とも記す。)を有していてもよい。例えば、単位(a2)が(C2pO)として(CHO)および(CHCHO)のいずれか一方もしくは両方だけを有する場合、含フッ素重合体(A)は単位(a3)を有することが好ましい。
Figure 2017167171
ただし、前記式中、Rは水素原子、メチル基または塩素原子であり、Rは−R−R(ただし、Rは単結合、炭素数1〜20のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜8のアルコキシ基、水素原子、ヒドロキシ基またはシアノ基である。)である。
式(a3)中、Rは、重合しやすい点から、水素原子またはメチル基が好ましい。
が炭素数1〜20のアルキレン基の場合、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。感光性樹脂溶液中の他の成分に対する親和性に優れる(すなわち親油性)点から、炭素数1〜12のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜8のアルキレン基が特に好ましい。アルキレン基はシクロアルキレン基であってもよい。
は入手容易の点から、水素原子が好ましい。
単量体(a3)の具体例としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
CH=CH−COO−(CH−H、
CH=CH−COO−(CH−H、
CH=CH−COO−(CH−H、
CH=CH−COO−(CH16−H、
CH=CH−COO−CHCH(C)CHCHCHCH等。
単位(a3)は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
<単位(a4)>
含フッ素重合体(A)は、前記した単位(a1)〜(a3)に加えて、単量体(a1)〜(a3)以外の他の単量体に由来する単位(a4)を有していてもよい。
単量体(a4)の具体例としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
CH=CH−COO−CH−C
CH=CH−COO−(CO)−C
CH=CH−COO−(CO)−C−C19
単位(a4)は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
<各単位の割合>
含フッ素重合体(A)の全単位に対する単位(a1)の割合は、5〜95モル%が好ましく、10〜90モル%が特に好ましい。単位(a1)の割合が前記下限値以上であれば、含フッ素樹脂に対する親和性に優れ、感光性樹脂溶液を含フッ素樹脂膜上に塗布しやすくなる。単位(a1)の割合が前記上限値以下であれば、感光性樹脂溶液の他の成分に対する親和性に優れ、感光性樹脂溶液の貯蔵安定性に優れる。
含フッ素重合体(A)の全単位に対する単位(a2)の割合は、95〜5モル%が好ましく、90〜10モル%が特に好ましい。単位(a2)の割合が前記下限値以上であれば、感光性樹脂溶液の他の成分に対する親和性に優れ、感光性樹脂溶液の貯蔵安定性に優れる。単位(a2)の割合が前記上限値以下であれば、含フッ素樹脂に対する親和性に優れ、感光性樹脂溶液を含フッ素樹脂膜上に塗布しやすくなる。
含フッ素重合体(A)の全単位中、単位(a1)と単位(a2)との合計の割合は、30〜100質量%が好ましい。
含フッ素重合体(A)が単位(a3)を有する場合、単位(a1)と単位(a2)との合計に対する単位(a3)の割合は、20〜200モル%が好ましく、20〜180モル%が特に好ましい。単位(a3)の割合が前記下限値以上であれば、感光性樹脂溶液の他の成分に対する親和性に優れ、感光性樹脂溶液の貯蔵安定性に優れる。単位(a3)の割合が前記上限値以下であれば、含フッ素樹脂に対する親和性に優れ、感光性樹脂溶液を含フッ素樹脂膜上に塗布しやすくなる。
含フッ素重合体(A)が単位(a4)を有する場合、含フッ素重合体(A)の単位(a1)と単位(a2)との合計に対する単位(a4)の割合は、1〜10モル%が好ましく、1〜5モル%が特に好ましい。
含フッ素重合体(A)の数平均分子量(Mn)は、1,000〜100,000が好ましく、1,000〜50,000が特に好ましい。含フッ素重合体(A)の数平均分子量が前記下限値以上であれば、含フッ素樹脂に対する親和性に優れる。含フッ素重合体(A)の数平均分子量が前記上限値以下であれば、含フッ素重合体(A)が溶媒(D1)に溶解しやすい。
含フッ素重合体(A)の質量平均分子量(Mw)は、1,000〜200,000が好ましく、1,000〜100,000が特に好ましい。含フッ素重合体(A)の質量平均分子量が前記下限値以上であれば、含フッ素樹脂に対する親和性に優れる。含フッ素重合体(A)の質量平均分子量が前記上限値以下であれば、含フッ素重合体(A)が溶媒(D1)に溶解しやすい。
含フッ素重合体(A)の分子量分布(Mw/Mn)は、1〜10が好ましく、1.1〜5が特に好ましい。含フッ素重合体(A)の分子量分布が前記範囲内であれば、含フッ素樹脂膜を形成する含フッ素樹脂に対する親和性に優れる。
<製造方法>
含フッ素重合体(A)は、公知の方法を用いて、重合溶媒中で単量体の重合反応を行うことにより得られる。
重合溶媒としては、特に限定されず、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、アルコール類(メタノール、2−プロピルアルコール等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル類(ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、グリコールエーテル類(エチレングリコール、プロピレングリコール、またはジプロピレングリコールのエチルエーテルまたはメチルエーテル等)およびその誘導体、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類(パークロロエチレン、トリクロロ−1,1,1−エタン、トリクロロトリフルオロエタン、ジクロロペンタフルオロプロパン等)、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ブチロアセトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)等が挙げられる。
含フッ素重合体(A)を得る重合反応における反応液中のすべての単量体の合計濃度は、5〜60質量%が好ましく、10〜40質量%が特に好ましい。
含フッ素重合体(A)を得る重合反応においては、重合開始剤を用いることが好ましい。重合開始剤としては、過酸化物(ベンジルパーオキシド、ラウリルパーオキシド、スクシニルパーオキシド、tert−ブチルパーピバレート等)、アゾ化合物等が挙げられる。
アゾ化合物としては、2,2’−アゾイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2、4−ジメチルバレロニトリル)、1、1’−アゾビス(2シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリル)、1、1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、ジメチルアゾビスイソブチレート、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)が好ましく、2,2’−アゾイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2イル)プロパン]、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)が特に好ましい。
重合開始剤の使用量は、単量体の合計量100質量部に対して0.1〜1.5質量部が好ましい。
含フッ素重合体(A)の重合度(分子量)を調節するために、重合反応において連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤を用いることにより重合溶媒中の単量体の濃度の合計を高められる効果もある。
連鎖移動剤としては、アルキルメルカプタン(tert−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、ステアリルメルカプタン等)、アミノエタンチオール、メルカプトエタノール、3−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸、3,3’−ジチオ−ジプロピオン酸、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、チオグリコール酸n−ブチル、チオグリコール酸メトキシブチル、チオグリコール酸エチル、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、四塩化炭素等が挙げられる。
連鎖移動剤の使用量は、単量体の合計量100質量部に対して0〜2質量部が好ましい。
重合反応における反応温度は、室温から反応液の沸点までの範囲が好ましい。重合開始剤を効率良く使う観点からは重合開始剤の半減期温度以上が好ましく、30〜90℃がより好ましい。
含フッ素重合体(A)としては、合成したものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。
含フッ素重合体(A)の市販品としては、例えば、商品名:サーフロンS−611、S−651、S−386(いずれもAGCセイミケミカル社製)、商品名:メガファックF−556、F−557、F−559、F−560、F−563、F−567、R−40、R−41、R−43(いずれもDIC社製)等が挙げられる。
含フッ素重合体(A)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(ポジ型感光性の感光性樹脂溶液)
本発明のポジ型感光性の感光性樹脂溶液は、含フッ素重合体(A)と、アルカリ可溶性樹脂(B1)と、感光性化合物(C1)と、溶媒(D1)とを含有することが好ましい。また、必要に応じて、フェノール性水酸基含有化合物(E1)、他の成分(F1)を含有してもよい。
<アルカリ可溶性樹脂(B1)>
ポジ型感光性の感光性樹脂溶液のアルカリ可溶性樹脂(B1)としては、アルカリ可溶性ノボラック樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性ノボラック樹脂としては、ポジ型感光性の感光性樹脂溶液に通常用いられる公知のアルカリ可溶性ノボラック樹脂を採用できる。
アルカリ可溶性ノボラック樹脂の具体例としては、例えば、フェノール類とアルデヒド類とを酸性触媒下で反応させて得られるノボラック樹脂が挙げられる。
フェノール類としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
フェノール;
m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール等のクレゾール類;
2,3−キシレノール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、3,4−キシレノール等のキシレノール類;
m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−エチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノール、2,3,5−トリエチルフェノール、4−tert−ブチルフェノール、3−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−5−メチルフェノール等のアルキルフェノール類;
p−メトキシフェノール、m−メトキシフェノール、p−エトキシフェノール、m−エトキシフェノール、p−プロポキシフェノール、m−プロポキシフェノール等のアルコキシフェノール類;
o−イソプロペニルフェノール、p−イソプロペニルフェノール、2−メチル−4−イソプロペニルフェノール、2−エチル−4−イソプロペニルフェノール等のイソプロペニルフェノール類;
フェニルフェノール等のアリールフェノール類;
4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビスフェノールA、レゾルシノール、ヒドロキノン、ピロガロール等のポリヒドロキシフェノール類等。
なかでも、フェノール類としては、m−クレゾール、p−クレゾールが特に好ましい。
フェノール類は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、2種以上を併用することが好ましく、m−クレゾールとp−クレゾールとを併用することが特に好ましい。
アルデヒド類としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、トリメチルアセトアルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド、シクロヘキサンアルデヒド、フルフラール、フリルアクロレイン、ベンズアルデヒド、テレフタルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、α−フェニルプロピルアルデヒド、β−フェニルプロピルアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−メチルベンズアルデヒド、m−メチルベンズアルデヒド、p−メチルベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒド、m−クロロベンズアルデヒド、p−クロロベンズアルデヒド、ケイ皮アルデヒド等。
なかでも、アルデヒド類としては、入手容易の点から、ホルムアルデヒドが好ましい。
アルデヒド類は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
酸性触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、ギ酸、シュウ酸、パラトルエンスルホン酸等が挙げられ、シュウ酸が好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(B1)の質量平均分子量(Mw)は、2,000〜50,000が好ましく、4,000〜30,000が特に好ましい。アルカリ可溶性樹脂(B1)の質量平均分子量が前記範囲内であれば、現像性に優れる。
アルカリ可溶性樹脂(B1)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。アルカリ可溶性樹脂(B1)を2種以上併用すると、感光性樹脂膜の光に対する感度を調整しやすい。
<感光性化合物(C1)>
感光性化合物(C1)としては、ポジ型感光性の感光性樹脂溶液に通常用いられる公知の感光性化合物を採用でき、例えば、ナフトキノンジアジド基含有化合物が挙げられる。
ナフトキノンジアジド基含有化合物としては、安価であり、また高感度のポジ型感光性の感光性樹脂溶液を調製できる点から、下式(1)で表されるフェノール性水酸基含有化合物と、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸化合物とをエステル化反応させて得られる化合物(以下、化合物(C11)と記す。)が好ましい。
Figure 2017167171
1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸化合物としては、例えば、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル化合物、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル化合物等が挙げられる。なかでも、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル化合物が好ましい。
化合物(C11)以外のナフトキノンジアジド基含有化合物としては、例えば、下式(2)で表される化合物(以下、化合物(2)と記す。)および下式(3)で表される化合物(以下、化合物(3)と記す。)のいずれか一方または両方と、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸化合物とをエステル化反応させて得られる化合物が挙げられる。
Figure 2017167171
感光性化合物(C1)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<溶媒(D1)>
溶媒(D1)を含有すると、ポジ型感光性の感光性樹脂溶液の粘度が低くなるため、該感光性樹脂溶液の塗布が簡便になる。そのため、均一なポジ型感光性の感光性樹脂膜を形成しやすくなる。
溶媒(D1)としては、ポジ型感光性の感光性樹脂溶液に通常用いられる公知の溶媒を採用できる。
溶媒(D1)の具体例としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテルおよびエチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールアルキルエーテル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテルおよびジエチレングリコールジブチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類;メチルセロソルブアセテートおよびエチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(PGMEA)およびプロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等のプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンおよびメチルアミルケトン等のケトン類;トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素類;ジオキサン等の環式エーテル類;ならびに2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、オキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチルおよびアセト酢酸エチル等のエステル類等が挙げられる。なかでも、膜厚が均一な感光性樹脂膜を形成しやすい点から、酢酸ブチル、PGMEAが特に好ましい。
溶媒(D1)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<フェノール性水酸基含有化合物(E1)>
ポジ型感光性の感光性樹脂溶液は、感度を向上させる目的で、分子量1,000以下のフェノール性水酸基含有化合物(E1)(以下、化合物(E1)と記す。)を含有することが好ましい。化合物(E1)を用いることで、比較的安価に高感度化を達成できる。また、感光性樹脂膜の表層に現像液に溶解しにくい層が形成されるため、現像時に未露光部分の膜減り量が少なくなる。その結果、現像時間の差から生じる現像ムラの発生が抑えられる。
化合物(E1)の分子量は、1,000以下であり、200〜1,000が好ましい。
化合物(E1)としては、ポジ型感光性の感光性樹脂溶液に通常用いられる公知の分子量1,000以下のフェノール性水酸基含有化合物を採用できる。なかでも、化合物(E1)としては、感度が特に優れる点から、前記した化合物(2)、化合物(3)が好ましい。
化合物(E1)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<他の成分(F1)>
他の成分(F1)としては、例えば、含フッ素重合体(A)以外の界面活性剤、保存安定剤、紫外線吸収剤、密着性向上剤等が挙げられる。
<各成分の割合>
ポジ型感光性の感光性樹脂溶液中の固形分濃度は、5〜50質量%が好ましく、10〜40質量%が特に好ましい。固形分濃度が前記下限値以上であれば、感光性樹脂膜が現像時に剥離しにくい。固形分濃度が前記上限値以下であれば、露光不良が生じにくく、また感光性樹脂膜の膜厚が均一になりやすい。
ポジ型感光性の感光性樹脂溶液中の含フッ素重合体(A)の割合は、感光性樹脂溶液中の固形分(100質量%)中、0.001〜20質量%であり、0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%が特に好ましい。含フッ素重合体(A)の割合が前記下限値以上であれば、含フッ素樹脂膜への塗布性が確保される。含フッ素重合体(A)の割合が前記上限値以下であれば、ピンホール等の膜欠陥が起きることを抑制できる。
前記含フッ素重合体(A)の割合は、アルカリ可溶性樹脂の種類、塗布方法、感光性樹脂膜の目的とする膜厚等によって適宜調整する。
ポジ型感光性の感光性樹脂溶液中のアルカリ可溶性樹脂(B1)の割合は、5〜40質量%が好ましく、10〜35質量%が特に好ましい。アルカリ可溶性樹脂(B1)の割合が前記下限値以上であれば、感光性樹脂膜が現像時に剥離しにくい。アルカリ可溶性樹脂(B1)の割合が前記上限値以下であれば、露光不良が生じにくく、また感光性樹脂膜の膜厚が均一になりやすい。
ポジ型感光性の感光性樹脂溶液中の感光性化合物(C1)の割合は、アルカリ可溶性樹脂(B1)と化合物(E1)の合計100質量部に対して、1〜20質量%が好ましく、5〜15質量%が特に好ましい。感光性化合物(C1)の割合が前記下限値以上であれば、感光性樹脂膜のパターニングが簡便になる。感光性化合物(C1)の割合が前記上限値以下であれば、現像後に残渣物が生じることを抑制しやすい。
ポジ型感光性の感光性樹脂溶液が化合物(E1)を含む場合、ポジ型感光性の感光性樹脂溶液中の化合物(E1)の割合は、化合物(E1)を除く固形分に対して、1〜30質量%が好ましく、5〜25質量%が特に好ましい。
(ネガ型感光性の感光性樹脂溶液)
本発明のネガ型感光性の感光性樹脂溶液は、含フッ素重合体(A)と、アルカリ可溶性樹脂(B2)と、感光性化合物(C2)と、溶媒(D2)とを含有することが好ましい。また、必要に応じて、架橋剤(E2)、他の成分(F2)を含有してもよい。
<アルカリ可溶性樹脂(B2)>
ネガ型感光性の感光性樹脂溶液に含有されるアルカリ可溶性樹脂(B2)としては、1分子内に酸性基とエチレン性二重結合とを有する感光性樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂(B2)がエチレン性二重結合を有することで、ネガ型感光性の感光性樹脂溶液で形成した感光性樹脂膜の露光部は、感光性化合物(C2)である光重合開始剤が発生したラジカルにより重合して硬化する。また、アルカリ可溶性樹脂(B2)が酸性基を有することで、アルカリ現像液を用いて、硬化されていない感光性樹脂膜の未露光部を選択的に除去できる。
エチレン性二重結合を有する基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、アリル基、ビニル基、ビニルオキシ基等の重合性二重結合を有する基、および該基における水素原子の一部または全てが、炭化水素基、好ましくはメチル基で置換された基等が挙げられる。これらの基は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
酸性基としては、例えば、カルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホン酸基、リン酸基等が挙げられる。酸性基は1種であってもよく、2種以上であってもよい。
アルカリ可溶性樹脂(B2)としては、特に限定されないが、酸性基を有する側鎖とエチレン性二重結合を有する側鎖とを有する樹脂(B2−1)、エポキシ樹脂に酸性基とエチレン性二重結合とを導入した樹脂(B2−2)等が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
樹脂(B2−1)は、水酸基、カルボキシ基、エポキシ基等の反応性基を有する単量体と酸性基を有する単量体を共重合して得られる、反応性基を有する側鎖と、酸性基を有する側鎖を有する共重合体と、該反応性基に対して結合し得る官能基とエチレン性二重結合とを有する化合物を溶媒に溶解させて反応させることにより合成できる。
水酸基を有する単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3ーヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキサンジオールモノビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(ヒドロキシメチル)(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
カルボキシ基を有する単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸およびこれらの塩等が挙げられる。なお、これらの単量体は酸性基を有する単量体としても用いられる。
エポキシ基を有する単量体としては、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート等が挙げられる。
反応性基を有する単量体としては、エチレン性二重結合を有する酸無水物、イソシアネート基とエチレン性二重結合を有する化合物、塩化アシル基とエチレン性二重結合を有する化合物等も挙げられる。
エチレン性二重結合を有する酸無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、cis−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、2−ブテン−1−イルサクシニックアンハイドライド等が挙げられる。
イソシアネート基とエチレン性二重結合を有する化合物としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、1,1−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネ−ト等が挙げられる。
塩化アシル基とエチレン性二重結合を有する化合物としては、(メタ)アクリロイルクロライド等が挙げられる。
酸性基を有する単量体としては、前記したカルボキシ基を有する単量体の他に、リン酸基を有する単量体(2−(メタ)アクリロイルオキシエタンリン酸等)等が挙げられる。
前記反応性基を有する単量体と酸性基を有する単量体の共重合は、従来公知の方法で行える。
樹脂(B2−2)は、エポキシ樹脂と、カルボキシ基とエチレン性二重結合を有する化合物とを反応させた後に、多塩基性カルボン酸またはその無水物を反応させることにより合成できる。
具体的には、エポキシ樹脂と、カルボキシル基とエチレン性二重結合を有する化合物とを反応させることにより、エポキシ樹脂にエチレン性二重結合が導入される。次に、エチレン性二重結合が導入されたエポキシ樹脂に多塩基性カルボン酸またはその無水物を反応させることにより、カルボキシ基を導入できる。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂等が挙げられる。
樹脂(B2−2)としては、市販品を使用してもよい。
市販品としては、例えば、商品名:KAYARAD PCR−1069、K−48C、CCR−1105、CCR−1115、CCR−1159H、CCR−1235、TCR−1025、TCR−1064H、TCR−1286H、ZAR−1535H、ZAR−2002H、ZFR−1491H、ZFR−1492H、ZCR−1571H、ZCR−1569H、ZCR−1580H、ZCR−1581H、ZCR−1588H、ZCR−1642H、ZCR−1664H、ZCR−1761H(以上、日本化薬社製)、商品名:EX1010(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂(B2)としては、現像時の感光性樹脂膜の剥離が抑制され、高解像度のパターンを形成しやすい点、ラインの直線性に優れる点、表面が平滑な感光性樹脂膜が得られやすい点から、樹脂(B2−2)が好ましい。
樹脂(B2−2)としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂に酸性基とエチレン性二重結合とを導入した樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂に酸性基とエチレン性二重結合とを導入した樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂に酸性基とエチレン性二重結合とを導入した樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂に酸性基とエチレン性二重結合とを導入した樹脂、またはトリスフェノールメタン型エポキシ樹脂に酸性基とエチレン性二重結合とを導入した樹脂が好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(B2)が1分子内に有するエチレン性二重結合の数は、平均3個以上であることが好ましく、6個以上が特に好ましい。エチレン性二重結合の数が前記下限値以上であれば、露光部分と未露光部分とのアルカリ溶解度に差がつきやすく、より少ない露光量での微細なパターン形成が可能となる。
アルカリ可溶性樹脂(B2)の酸価は、10〜200mgKOH/gが好ましく、30〜150mgKOH/gがより好ましく、50〜100mgKOH/gが特に好ましい。酸価が上記範囲であれば、ネガ型感光性の感光性樹脂溶液の貯蔵安定性および現像性が良好になる。
アルカリ可溶性樹脂(B2)の質量平均分子量(Mw)は、1.5×10〜50×10が好ましく、1.5×10〜30×10が特に好ましい。アルカリ可溶性樹脂(B2)の質量平均分子量が前記範囲内であれば、現像性に優れる。
アルカリ可溶性樹脂(B2)の数平均分子量(Mn)は、500〜20×10が好ましく、1.0×10〜10×10が特に好ましい。アルカリ可溶性樹脂(B2)の数平均分子量が前記範囲内であれば、現像性に優れる。
アルカリ可溶性樹脂(B2)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<感光性化合物(C2)>
ネガ型感光性の感光性樹脂溶液に含有される感光性化合物(C2)としては、光重合開始剤が挙げられる。
光重合開始剤は、ネガ型感光性の感光性樹脂溶液に通常用いられる公知の光重合開始剤を採用でき、光によりラジカルを発生する化合物が好ましい。
光重合開始剤しては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
ベンジル、ジアセチル、メチルフエニルグリオキシレート、9,10−フェナンスレンキノン等のα−ジケトン類;
ベンゾイン等のアシロイン類;
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のアシロインエーテル類;
チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソフロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、チオキサントン−4−スルホン酸等のチオキサントン類;
ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;
アセトフェノン、2−(4−トルエンスルホニルオキシ)−2−フェニルアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、2,2’−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン類;
アントラキノン、2−エチルアントラキノン、カンファーキノン、1,4−ナフトキノン等のキノン類;
2−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(nーブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2ーエチルヘキシル等のアミノ安息香酸類;
フェナシルクロライド、トリハロメチルフェニルスルホン等のハロゲン化合物;
アシルホスフィンオキシド類;
ジ−t−ブチルパーオキサイド等の過酸化物;
1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)−2−(o−ベンゾイルオキシム)、エタノン1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾイル−3−イル]−1−(o−アセチルオキシム)等のオキシムエステル類、
トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソフロパノールアミン、n−ブチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジエチルアミノエチルメタクリレート等の脂肪族アミン類;
2−メルカプトペンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2ーメルカプトベンゾチアゾール、1,4−ブタノールビス(3−メルカプトブチレート)、トリス(2−メルカプトプロパノイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)等のチオール化合物等。
なかでも、ベンゾフェノン類、アミノ安息香酸類、脂肪族アミン類およびチオール化合物は、その他のラジカル開始剤と共に用いると、増感効果を発現することがあり好ましい。
光重合開始剤としては、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(o−ベンゾイルオキシム)、エタノン1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾイル−3−イル]−1−(o−アセチルオキシム)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、または2,4−ジエチルチオキサントンがより好ましい。さらに、これらと前記ベンゾフェノン類との組み合わせが特に好ましい。
光重合開始剤としては、市販品を使用してもよい。
市販品としては、例えば、IRGACURE OXE01(商品名、BASF社製、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)−2−(o−ベンゾイルオキシム)])、IRGACURE OXE02(商品名、BASF社製、エタノン1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(o−アセチルオキシム))、IRGACURE907(商品名、BASF社製、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル−2−モルフォリノプロパン−1−オン)、IRGACURE369(商品名、BASF社製、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン)等が挙げられる。
感光性化合物(C2)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<溶媒(D2)>
溶媒(D2)を含有すると、ネガ型感光性の感光性樹脂溶液の粘度が低くなるため、該感光性樹脂溶液の塗布が簡便になる。そのため、均一なネガ型感光性の感光性樹脂膜を形成しやすくなる。
溶媒(D2)としては、ネガ型感光性の感光性樹脂溶液に通常用いられる公知の溶媒を採用できる。溶媒(D2)としては、ネガ型感光性の感光性樹脂溶液中の他の成分と反応性を有しないものであればよく、例えば、溶媒(D1)で挙げたものと同じものが挙げられる。
溶媒(D2)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<架橋剤(E2)>
ネガ型感光性の感光性樹脂溶液は、ラジカル硬化を促進する任意成分として、架橋剤(E2)を含んでもよい。架橋剤(E2)を使用することにより、露光時におけるアルカリ可溶性樹脂(B2)の硬化性が向上し、隔壁を形成する際の露光量を低減できる。
架橋剤(E2)としては、1分子中に2つ以上のエチレン性二重結合を有し、酸性基を有しない化合物が好ましい。
架橋剤(E2)としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールフロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、ε−カフロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ビス{4−(アリルビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)フェニル}メタン、N,N’−m−キシリレン−ビス(アリルビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド)、ウレタンアクリレート等。
架橋剤(E2)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<他の成分(F2)>
他の成分(F2)としては、例えば、含フッ素重合体(A)以外の界面活性剤、増感剤、熱架橋剤、黒色着色剤、高分子分散剤、分散助剤、シランカップリング剤、微粒子、リン酸化合物、硬化促進剤、増粘剤、可聖剤、消泡剤、レペリング剤、ハジ、キ防止剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
<各成分の割合>
ネガ型感光性の感光性樹脂溶液中の固形分濃度は、10〜50質量%が好ましく、15〜40質量%が特に好ましい。固形分濃度が前記下限値以上であれば、感光性樹脂膜が現像時に剥離しにくい。固形分濃度が前記上限値以下であれば、露光不良が生じにくく、また感光性樹脂膜の膜厚が均一になりやすい。
ネガ型感光性の感光性樹脂溶液中の含フッ素重合体(A)の割合は、感光性樹脂溶液中の固形分(100質量%)中、0.001〜20質量%であり、0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%が特に好ましい。含フッ素重合体(A)の割合が前記下限値以上であれば、含フッ素樹脂膜への塗布性が確保される。含フッ素重合体(A)の割合が前記上限値以下であれば、ピンホール等の膜欠陥が起きることを抑制できる。
前記含フッ素重合体(A)の割合は、アルカリ可溶性樹脂の種類、塗布方法、感光性樹脂膜の目的とする膜厚等によって適宜調整する。
ネガ型感光性の感光性樹脂溶液中のアルカリ可溶性樹脂(B2)の割合は、5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%が特に好ましい。アルカリ可溶性樹脂(B2)の割合が前記下限値以上であれば、感光性樹脂膜が現像時に剥離しにくい。アルカリ可溶性樹脂(B2)の割合が前記上限値以下であれば、露光不良が生じにくく、また感光性樹脂膜の膜厚が均一になりやすい。
ネガ型感光性の感光性樹脂溶液中の感光性化合物(C2)の割合は、感光性樹脂溶液中の固形分に対して、1〜20質量%が好ましく、1〜15質量%が特に好ましい。感光性化合物(C1)の割合が前記下限値以上であれば、感光性樹脂膜のパターニングが簡便になる。感光性化合物(C1)の割合が前記上限値以下であれば、現像後に残渣物が生じることを抑制しやすい。
ネガ型感光性の感光性樹脂溶液では、アルカリ可溶性樹脂(B2)と架橋剤(E2)との合計量が全固形分中の50〜95質量%であり、かつ、架橋剤(E2)の含有量に対するアルカリ可溶性樹脂(B2)の含有量の割合が15〜85質量%であることが好ましい。また、アルカリ可溶性樹脂(B2)と架橋剤(E2)との合計量が全固形分中の60〜92質量%であり、かつ、架橋剤(E2)の含有量に対するアルカリ可溶性樹脂(B2)の含有量の割合が20〜70質量%であることがより好ましい。また、アルカリ可溶性樹脂(B2)と架橋剤(E2)との合計量が全固形分中の65〜90質量%であり、かつ、架橋剤(E2)の含有量に対するアルカリ可溶性樹脂(B2)の含有量の割合が20〜55質量%であることが特に好ましい。
前記範囲であると、ネガ型感光性の感光性樹脂溶液の貯蔵安定性が良好になり、ネガ型感光性の感光性樹脂溶液の含フッ素樹脂膜に対する濡れ性が良好になる。
以上説明した本発明の感光性樹脂溶液にあっては、含フッ素重合体(A)を特定の比率で含有するため、含フッ素樹脂膜の表面を親液化する前処理を行わなくても、含フッ素樹脂膜上に簡便にピンホール等の膜欠陥のない感光性樹脂膜を形成できる。これは、以下のことが要因と考えられる。
含フッ素樹脂膜上に感光性樹脂溶液を塗布した際に、感光性樹脂溶液中の含フッ素重合体(A)が単位(a1)のフッ素原子を有する側鎖を含フッ素樹脂膜表面に向け、かつ単位(a2)の親液性を有する側鎖((C2pO)を有することで親液性を有していると考えている。)をその反対に向けて並ぶ。これにより、含フッ素樹脂膜表面における感光性樹脂溶液が塗布された部分が表面改質されて親液化されるためであると考えられる。
また、本発明の感光性樹脂溶液を用いることで、含フッ素樹脂膜上に感光性樹脂溶液を塗布する際にプラズマ処理等のドライプロセスを経る必要がなくなる。また、感光性樹脂溶液を用いて形成した感光性樹脂膜は、含フッ素樹脂膜との密着性に優れ、パターニング後に含フッ素樹脂膜をウェットエッチングする際にも剥離等の不具合が生じにくい。そのため、有機トランジスタのゲート絶縁膜等に用いられる含フッ素樹脂膜の微細加工において脱ドライプロセス化を実現できる。
また、本発明の感光性樹脂溶液を用いて形成した感光性樹脂膜は、フォトリソグラフィパターニング性にも優れている。
なお、ポジ型感光性の感光性樹脂溶液およびネガ型感光性の感光性樹脂溶液は、上記のものには限定されない。
[含フッ素樹脂]
本発明の感光性樹脂溶液が対象とする含フッ素樹脂膜は、含フッ素樹脂から形成される。該含フッ素樹脂としては、特に限定されず、例えば、含フッ素アクリル樹脂、含フッ素ポリイミド等の縮合系含フッ素樹脂、含フッ素エーテル樹脂、含フッ素環状エーテル樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、全ての水素原子がフッ素原子に置換されたペルフルオロ体でもよく、フッ素原子の少なくとも一部が塩素原子等に置換されたものでもよい。また、これらの樹脂は、トリフロロメタン置換基等を有していてもよい。
本発明の感光性樹脂溶液は、特に撥液性が高い含フッ素環状エーテル樹脂(CYTOP(登録商標、旭硝子社製)、Teflon(登録商標)AF(デュポン社製)等)に対しても、含フッ素樹脂膜表面の前処理を行わずに、含フッ素樹脂膜上に簡便にピンホール等の膜欠陥のない感光性樹脂膜を形成できる。そのため、含フッ素環状エーテル樹脂を含有する含フッ素樹脂膜上に感光性樹脂膜を形成する際に特に有効である。
[パターニング膜の形成方法および含フッ素樹脂膜の微細加工方法]
本発明のパターニング膜の形成方法は、本発明の感光性樹脂溶液を用いてパターニング膜を形成する方法である。以下、本発明のパターニング膜の形成方法を用いた含フッ素樹脂膜の微細加工方法の一例として、ポジ型感光性の感光性樹脂溶液を用いた場合について、図1に基づいて説明する。
例えば、図1(a)のように、基板10上に形成された含フッ素環状エーテル樹脂を含有する含フッ素樹脂膜12上に、ポジ型感光性の感光性樹脂溶液を塗布し、加熱して、図1(b)に示すように、含フッ素樹脂膜12上にポジ型感光性の感光性樹脂膜14を形成する。
感光性樹脂溶液の塗布方法は、公知の方法を採用でき、例えば、スピンコート法が挙げられる。
次いで、図1(c)に示すように、所定のパターンが形成されたマスク16を介して感光性樹脂膜14を露光した後、現像により露光部分を溶解除去してパターニングし、図1(d)に示すように含フッ素樹脂膜12上にパターニング膜18を形成する。
露光に用いる光源としては、ポジ型感光性の感光性樹脂膜をパターニングする際に通常用いられるものを採用できる。
露光方法は、公知の方法を採用できる。
現像に用いる現像液としては、ポジ型感光性の感光性樹脂膜をパターニングする際に通常用いられるものを採用できる。
現像方法は、公知の方法を採用できる。
次いで、図1(d)に示すように、パターニング膜18をマスクとして、含フッ素樹脂膜12におけるパターニング膜18の膜がない部分18aに対応する部分をエッチングし、図1(e)に示すように、含フッ素樹脂膜12に直径数μm〜数十μmのホール12aを形成する。
エッチング方法としては、含フッ素溶媒を用いたウェットエッチングが好ましい。
次いで、パターニング膜18を除去することで、図1(f)に示すように、基板10上に、ホール12aが形成された含フッ素樹脂膜12が得られる。
以上説明した本発明のパターニング膜の形成方法によれば、前処理を行わずに、かつ塗り残しや、塗りムラ、ピンホール等の膜欠陥を起こさずに含フッ素樹脂膜上に簡便に感光性樹脂膜を形成できる。その結果、簡便にパターニング膜を形成できる。
なお、ネガ型感光性の感光性樹脂溶液を用いる場合も、前記した方法と同様にパターニング膜を形成できる。
また、該パターニング膜の形成方法で得られたパターニング膜を用いた含フッ素樹脂膜の微細加工方法によれば、所望のパターンを有する含フッ素樹脂膜が簡便に得られる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。例1〜8、13〜16は実施例であり、例9〜12は比較例である。
[評価方法]
(塗り残しの有無)
各例で形成された感光性樹脂膜を目視にて観察し、以下の基準で判定した。
<判定基準>
○(良好):含フッ素樹脂膜全面に塗布されている。
△(可):液ハジキ等により含フッ素樹脂膜表面に塗布されていない箇所がある。
×(不良):含フッ素樹脂膜表面で感光性樹脂溶液が弾かれ全く塗布されない。
(膜欠陥の有無)
各例で形成された感光性樹脂膜を微分干渉顕微鏡にて観察し、微小な異物等の欠陥の有無を以下の基準で評価した。顕微鏡はOLYMPUS社製BH2−UMAを使用し、レンズはNeo SPlan 5 NICを使用した。
<判定基準>
○(良好):膜欠陥が観察されない。
×(不良):異物やピンホール等の膜欠陥が観察される。
(フォトリソグラフィパターニング性)
フォトリソグラフィーによりパターニングされた感光性樹脂膜の形状を、顕微鏡により450倍の倍率で観察し、そのパターニング性を以下の基準で評価した。顕微鏡はKEYENCE社製VHX DIGITAL MICROSCOPEを使用し、レンズはKEYENCE VH−Z450を使用した。評価は、直径30μmの円柱状孤立ホールパターンの場合と、ライン幅30μm、スペース幅30μmのラインアンドスペースパターンの場合について実施した。
<判定基準>
○(良好):パターンが開口しており、残渣等の欠陥が無い。
×(不良):パターンが開口していない、もしくは残渣等の欠陥がある。
[原料]
含フッ素重合体の製造に用いた原料の略号を以下に示す。
(単量体)
C6FMA:CH=C(CH)COO(CH(CFCF
C6FA:CH=CHCOO(CH(CFCF
2−EHA:2−エチルヘキシルアクリレート(CH=CHCOOCHCH(C)CHCHCHCH)。
PEG9A:ポリエチレングリコールモノアクリレート(EO数平均9)(CH=CHCOO(CO)H)。
OMA:オクチルメタクリレート(CH=C(CH)COO(CHH)。
PEG4.5A:ポリエチレングリコールモノアクリレート(EO数平均4.5)(CH=CHCOO(CO)4.5H)。
PEPEGA:CH=CHCOO(CO)10(CO)20(CO)10H。
[製造例1]
100mL耐圧ガラス瓶に、OMAの15g、PEG4.5Aの35g、V−601(油溶性アゾ重合開始剤、和光純薬社製)の0.41g、m−キシレンヘキサフルオリド(セントラル硝子社製、以下、「m−XHF」と記す。)の31.3gを仕込み、密閉させた後、70℃で16時間加熱した。この反応液にC6FMAの50g、m−XHFの100g、V−601の1.2gを仕込み、密閉させた後、70℃で16時間加熱し、含フッ素重合体(A−1)を得た。含フッ素重合体(A−1)の共重合組成を測定した結果、C6FMA単位(単位(a1)に該当)とPEG4.5A単位(単位(a2)に該当)とOMA単位(単位(a3)に該当)とをモル比36:40:24(質量比50:35:15)で有する含フッ素重合体であることを確認した。
[製造例2]
100mLの耐圧ガラス瓶に、2−EHAの40g、PEG9Aの40g、V−601の0.66g、m−XHFの49.8gを仕込み、密閉させた後、70℃で16時間加熱した。この反応液にC6FAの20g、m−XHFの40g、V−601の0.48gを仕込み、密閉させた後、70℃で16時間加熱し、含フッ素重合体(A−2)を得た。含フッ素重合体(A−2)の共重合組成を測定した結果、C6FA単位(単位(a1)に該当)とPEG9A単位(単位(a2)に該当)と2−EHA単位(単位(a3)に該当)とをモル比14:24:62(質量比20:40:40)で有する含フッ素重合体であることを確認した。分子量の測定を行った結果、含フッ素重合体(A−2)の数平均分子量(Mn)は17,000、質量平均分子量(Mw)は40,000および分子量分布(質量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))は2.3であった。
[製造例3]
100mL耐圧ガラス瓶に、PEPEGAの80g、V−601の0.66g、m−XHFの49.8gを仕込み、密閉させた後、70℃で16時間加熱した。この反応液にC6FAの20g、m−XHFの40g、V−601の0.48gを仕込み、密閉させた後、70℃で16時間加熱し、含フッ素重合体(A−3)を得た。含フッ素重合体(A−3)の共重合組成を測定した結果、C6FA単位(単位(a1)に該当)とPEPEGA単位(単位(a2)に該当)とモル比56:44(質量比20:80)で有する含フッ素重合体であることを確認した。
[例1]
溶液全体に対して、アルカリ可溶性樹脂(B1)としてEP4020G(フェノール樹脂、旭有機材工業社製)の25質量%、感光性化合物(C1)として4NT−300(東洋合成工業社製)の2.5質量%、含フッ素重合体(A)として製造例1で得た含フッ素重合体(A−1)の0.13質量%(感光性樹脂溶液の固形分中、0.5質量%)、溶媒(D1)としてプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(PGMEA)の72.38質量%の割合で配合し、ポジ型感光性の感光性樹脂溶液(固形分濃度27.63質量%。固形分濃度は仕込み量から計算した。)を調製した。
Si基板上に、CYTOP CTL−809M(旭硝子社製)を毎分2,000回転でスピンコートし、160℃のオーブンで1時間加熱し、膜厚1μmの含フッ素樹脂膜を形成した。
該含フッ素樹脂膜上に前記感光性樹脂溶液を毎分1,000回転で30秒間スピンコートし、60℃に加熱したホットプレート上で90秒間加熱して、膜厚3μmのポジ型感光性の感光性樹脂膜を形成した。
塗り残しの有無および膜欠陥の有無を評価した結果を表1に示す。
[例2〜12]
用いる含フッ素重合体(A)の種類と、感光性樹脂溶液の固形分中の含フッ素重合体割合を表1に示すように変更した以外は、例1と同様にしてポジ型感光性の感光性樹脂膜を形成した。なお、含フッ素重合体として使用しているサーフロンS−420、S−242、S−243(AGCセイミケミカル社製)は、含フッ素重合体(A)に該当しない重合体であり、ペルフルオロアルキル基にポリオキシエチレン鎖が付加した構造を有する。
塗り残しの有無および膜欠陥の有無を評価した結果を表1に示す。
Figure 2017167171
[例13]
溶液全体に対して、アルカリ可溶性樹脂(B2)溶液としてKAYARAD ZCR−1761H(日本化薬製。固形分が60質量%、残りの40質量%はPGMEA。)の21.13質量%、架橋剤(E2)としてA−9550(新中村工業製)の12.68質量%、感光性化合物(C2)として光重合開始剤であるIRGACURE907(BASF社製、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン)の1.27質量%、他の成分(F2)として増感剤として4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(東京化成工業社製)の0.38質量%、含フッ素重合体(A)として製造例1で得た含フッ素重合体(A−1)の0.25質量%(感光性樹脂溶液の固形分中、0.9質量%)、溶媒(D2)としてプロピレングリコールメチルエーテル(PGME)の54.3質量%、イソプロピルアルコール(IPA)の5質量%、水の5質量%の割合で配合し、ネガ型感光性の感光性樹脂溶液を調製した。
Si基板上に、CYTOP CTL−809M(旭硝子社製)を毎分2,000回転でスピンコートし、160℃のオーブンで1時間加熱し、膜厚1μmの含フッ素樹脂膜を形成した。
該含フッ素樹脂膜上に前記感光性樹脂溶液を毎分900回転で10秒間スピンコートし、60℃に加熱したホットプレート上で90秒間加熱して、膜厚2.5μmのネガ型感光性の感光性樹脂膜を形成した。
塗り残しの有無および膜欠陥の有無を評価した結果を表2に示す。
[例14]
用いる含フッ素重合体(A)を表2に示すように変更した以外は、例13と同様にしてネガ型の感光性樹脂膜を形成した。
塗り残しの有無および膜欠陥の有無を評価した結果を表2に示す。
Figure 2017167171
表1および2に示すように、含フッ素重合体(A)を特定の比率で含有する感光性樹脂溶液を用いた例1〜8、13〜14では、塗り残しが無く含フッ素樹脂膜の全面に感光性樹脂膜を形成でき、また該感光性樹脂膜に欠陥が無かった。
一方、含フッ素重合体(A)以外の含フッ素重合体を用いた例9〜12では、含フッ素樹脂膜上に感光性樹脂溶液を全く塗布できず、感光性樹脂膜を形成できなかった。
[例15]
例1と同様にして得たポジ型感光性の感光性樹脂溶液を、例1と同様にして形成した含フッ素樹脂膜上に毎分1,000回転で30秒間スピンコートし、60℃に加熱したホットプレート上で90秒間加熱して、膜厚3μmのポジ型感光性の感光性樹脂膜を形成した。
次いで、光源として高圧水銀ランプを使用し、マスク(直径30μmの円柱状孤立ホールパターン)を介して、前記感光性樹脂膜に露光エネルギーが200mJ/cmとなるように露光し、感光性樹脂膜の一部(露光部)をアルカリ可溶化させた。該感光性樹脂膜に対し、現像液(NMD−W、濃度2.38質量%)を用いてパドル現像を60秒間行った後、純水によるリンスを30秒間行ってパターニング膜を得た。その後、現像液および純水を除去するために、毎分2,000回転で30秒間スピンドライを行い、ホットプレートにより100℃で90秒間加熱した。現像により除去されなかった部分の膜厚は2.5μmであった。
また、ライン幅30μm、スペース幅30μmのラインアンドスペースパターンが切れるマスクを用いて同様の方法でパターニング膜を形成した。
フォトリソグラフィパターニング性の評価結果を表3に示す。
[例16]
例13と同様にして得たネガ型感光性の感光性樹脂溶液を、例1と同様にして形成した含フッ素樹脂膜上に毎分900回転で10秒間スピンコートし、60℃に加熱したホットプレート上で90秒間加熱して、膜厚2.5μmのネガ型感光性の感光性樹脂膜を形成した。
次いで、光源として高圧水銀ランプを使用し、マスク(直径30μmの円柱状孤立ホールパターン)を介して、前記感光性樹脂膜に露光エネルギーが400mJ/cmとなるように露光し、感光性樹脂膜の一部(露光部)を硬化させた。該感光性樹脂膜に対し、現像液(NMD−W、濃度2.38質量%)を用いてパドル現像を60秒間行った後、純水によるリンスを30秒間行ってパターニング膜を得た。その後、現像液および純水を除去するために、毎分2,000回転で30秒間スピンドライを行い、ホットプレートにより100℃で90秒間加熱した。現像により除去されなかった部分の膜厚は2μmであった。
フォトリソグラフィパターニング性の評価結果を表3に示す。
Figure 2017167171
表3に示すように、含フッ素重合体(A)を特定の比率で含有する感光性樹脂溶液を用いた例15、16では、円柱状孤立ホールパターンおよびラインアンドスペースパターンのいずれにおいても、フォトリソグラフィパターニング性に優れていた。
本発明の感光性樹脂溶液を利用して得られる含フッ素樹脂膜の用途としては、各種電子素子(半導体素子等)等における、電気的絶縁膜、化学的ないし物理的保護膜、非付着性膜等が挙げられる。具体的には、フレキシブルデバイス用層間絶縁膜、フレキシブルデバイスの保護膜、有機薄膜トランジスタのゲート絶縁膜、酸化物薄膜トランジスタのゲート絶縁膜、キャパシタ絶縁膜、メモリトランジスタのゲート絶縁膜、半導体のパッシベーション、半導体素子の保護膜、高密度実装用多層配線の層間絶縁膜、有機電界発光素子の絶縁層、再配線用絶縁膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜、カラーフィルタ用保護膜、半導体素子等の樹脂ポスト、カラーフィルタ等の隔壁等が挙げられる。
10 基板
12 含フッ素樹脂膜
12a ホール
14 感光性樹脂膜
16 マスク
18 パターニング膜
18a パターニング膜の膜がない部分

Claims (8)

  1. 含フッ素樹脂膜上に感光性樹脂膜を形成するための感光性樹脂溶液であって、
    前記溶液が下式(a1)で表される単量体に由来する単位および下式(a2)で表される単量体に由来する単位を有する含フッ素重合体を含有し、
    前記溶液中の固形分中の前記含フッ素重合体の割合が0.001〜20質量%であることを特徴とする感光性樹脂溶液。
    Figure 2017167171
    (ただし、前記式中、Rは水素原子、メチル基、シアノ基、フェニル基、ベンジル基、フッ素原子、塩素原子またはトリフルオロメチル基であり、Lは下式(L−1)〜(L−8)で表される基のいずれかであり、Rは炭素数1〜20のフルオロアルキル基またはエーテル性酸素原子を有する炭素数1〜20のフルオロアルキル基である。
    また、Rは水素原子、メチル基または塩素原子であり、Rは−(C2pO)−R(ただし、Rは水素原子または−(CH−R(ただし、Rは炭素数1〜8のアルコキシ基、水素原子、フッ素原子、トリフルオロメチル基、ヒドロキシ基またはシアノ基であり、rは1〜25の整数である。)であり、pは1〜10の整数であり、qは1〜100の整数である。)
    Figure 2017167171
    (ただし、前記式中、a〜kはそれぞれ独立に、1〜8の整数であり、m、n、sおよびtはそれぞれ独立に、0または1である。)
  2. 前記含フッ素重合体が、さらに下式(a3)で表される単量体に由来する単位を有する重合体である、請求項1に記載の感光性樹脂溶液。
    Figure 2017167171
    (ただし、前記式中、Rは水素原子、メチル基または塩素原子であり、Rは−R−R(ただし、Rは単結合、炭素数1〜20のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜8のアルコキシ基、水素原子、ヒドロキシ基またはシアノ基である。)である。)
  3. ポジ型感光性である、請求項1または2に記載の感光性樹脂溶液。
  4. ネガ型感光性である、請求項1または2に記載の感光性樹脂溶液。
  5. さらにアルカリ可溶性樹脂、感光性化合物および溶媒を含む、請求項3または4に記載の感光性樹脂溶液。
  6. 前記含フッ素樹脂膜が含フッ素環状エーテル樹脂から形成される膜である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性樹脂溶液。
  7. 含フッ素樹脂膜上に、請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性樹脂溶液を塗布して感光性樹脂膜を形成し、マスクを介して前記感光性樹脂膜を露光した後、現像によりパターニングしてパターニング膜を形成する、パターニング膜の形成方法。
  8. 請求項7に記載の方法で形成したパターニング膜をマスクとして、含フッ素環状エーテル樹脂から形成される含フッ素樹脂膜をエッチングしてパターニングする、含フッ素樹脂膜の微細加工方法。
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