JP2004002733A - コーティング用組成物 - Google Patents

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JP2004002733A JP2003077846A JP2003077846A JP2004002733A JP 2004002733 A JP2004002733 A JP 2004002733A JP 2003077846 A JP2003077846 A JP 2003077846A JP 2003077846 A JP2003077846 A JP 2003077846A JP 2004002733 A JP2004002733 A JP 2004002733A
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Jiro Matsuo
松尾 二郎
Satoshi Takano
高野 聖史
Koji Kinoshita
木下 宏司
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

【課題】塗工膜の均一性を保持しながら、基板の全面を塗布するのに必要なコーティング組成物の添加量を低減できるコーティング組成物を提供すること。
【解決手段】フッ素系界面活性剤と感光性樹脂と有機溶剤とを必須成分として含有するコーティング用組成物であって、フッ素界面活性剤として、フッ素原子含有率が0.1〜3重量%のフッ素化アルキル基含有ビニル系重合体(I)からなるフッ素界面活性剤を、フッ素系界面活性剤と光硬化性樹脂の合計100重量%に対して0.25〜2.0重量%含有するコーティング用組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コーティング用組成物に関し、さらに詳しくは、高度な均質性の求められるコーティング分野、例えば精密塗工が要求され、スピンコーティング、スプレーコーティングの様な高速、高剪断力のかかる塗工方法を必要とするコーティング分野に好適に使用できるコーティング用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より各種コーティング分野において、得られる塗膜の均質性及び平滑性を向上させる目的で、炭化水素系、シリコーン系、フッ素系等の様々なレベリング剤と称される界面活性剤が使用されている。その中でもフッ素系界面活性剤は、その表面張力低下能が高いこと、塗工後の汚染が少ないことから幅広く用いられている。しかしながら、例えば、スピンコーティングの分野において、界面活性剤を添加したコーティング用組成物が均一に塗布された塗膜を得るためには、塗布したい基板の表面積に対して多くのコーティング用組成物を使用する必要があり、そのため、コーティング用組成物のロスが多く、コストがかかるという欠点を有している。
【0003】
上記欠点を克服し、コーティング用組成物の使用量の低減と塗膜の均一性とを両立できるコーティング用組成物として、本発明者らは、フッ素原子濃度15質量%以上の界面活性剤とフッ素原子濃度10質量%未満の親水性構造を有する界面活性剤とを併用したフッ素系界面活性剤組成物を含有するコーティング用組成物を提供した(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、この組成物によっても、塗膜の均一性の保持とコーティング用組成物の使用量低減の両水準において、昨今の当業者からの要求水準を満足するものではなかった。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−102727号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、塗膜の均一性を保持しながら、基板の全面を塗布するのに必要なコーティング用組成物の使用量を低減できるコーティング用組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、次の知見を見出した。
従来のフッ素化アルキル基を有するビニル系重合体に比べてフッ素原子の含有率が0.1〜5質量%と小さいフッ素化アルキル基を有するビニル系重合体からなるフッ素系界面活性剤を、該フッ素化アルキル基を有するビニル系重合体と感光性樹脂の合計質量に対して0.25〜2.0質量%と従来よりも高い含有割合で含有するコーティング用組成物は、少量のコーティング用組成物で基板の全面に塗布できると同時に、塗膜の均一性も保持できる。
本発明は、上記知見に基づき完成された。
【0007】
すなわち、本発明は、フッ素化アルキル基を有するビニル系単量体(A)を含有する単量体組成物を重合して得られるビニル系重合体(I)からなるフッ素系界面活性剤、感光性樹脂及び有機溶剤を含有するコーティング用組成物において、
(1)前記ビニル系重合体(I)がフッ素原子を0.1〜5質量%含有する重合体であること、
かつ、
(2)前記ビニル系重合体(I)及び前記感光性樹脂の合計質量に対する前記ビニル系重合体(I)の割合が0.25〜2.0質量%であること
を特徴とするコーティング用組成物を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明で使用するビニル重合体(I)は、フッ素化アルキル基を有するビニル系単量体(A)を含有し、かつ、得られる重合体がフッ素原子を0.1〜5質量%含有するように配合された単量体組成物を重合することにより得られる重合体であれば良い。
【0009】
フッ素化アルキル基を有するビニル系単量体(A)には特に制限はないが、原料の入手が容易で、重合性が良好であることから、フッ素化アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、具体的には下記一般式(1)で表わされるフッ素化(メタ)アクリル酸エステルや、一般式(2)で表わされる一分子中に複数個のパーフルオロアルキル基を有するフッ素化(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
【0010】
【化1】
Figure 2004002733
【0011】
[前記一般式(1)において、Rは水素原子、メチル基、塩素原子又はフッ素原子を表わし、Xは後記する2価の連結基を表わし、aは0又は1を表わし、Rは炭素原子数1〜20のパーフルオロアルキル基又は炭素原子数1〜20の部分フッ素化アルキル基を表わし、これらは、直鎖状又は分岐状であってもよい。また、Rは前記パーフルオロアルキル基又は前記部分フッ素化アルキル基中のメチレン基又はフルオロメチレン基が酸素原子に置換した基、例えば、−(OCFCFCF(CF等でも良い。さらに、前記一般式(2)において、mは1〜14の整数を表わす。]
【0012】
前記一般式(1)におけるXとしては、例えば、以下に示す連結基が挙げられる。
【0013】
【化2】
Figure 2004002733
【0014】
(前記一般式(3)〜(6)におけるnは、各々独立的に1〜10の整数を表わす。また、前記一般式(5)及び(6)におけるRは、各々独立的に水素原子又は炭素原子数1〜6の直鎖状アルキル基あるいは分岐状アルキル基を表わす。)
【0015】
前記一般式(1)で表わされる化合物の具体例としては、下記構造式(13)〜(17)で表わされる化合物等が挙げられ、前記一般式(2)で表わされる化合物の具体例としては、下記構造式(18)〜(20)で表わされる化合物等が挙げられる。
【0016】
【化3】
Figure 2004002733
【0017】
【化4】
Figure 2004002733
【0018】
フッ素化アルキル基を有するビニル系単量体(A)は、1種類だけを用いても構わないし、2種類以上を同時に用いても構わない。
【0019】
本発明のコーティング用組成物は、フッ素原子含有率0.1〜5質量%のビニル系重合体(I)を、該ビニル系重合体(I)及び感光性樹脂の合計質量に対して0.25〜2.0質量%となる割合で含有することが必要である。ビニル系重合体(I)中のフッ素原子含有率が0.1質量%未満であると、コーティング用組成物の表面張力を十分に低下させることができない。ビニル系重合体(I)中のフッ素原子含有率が5質量%を超えると、目的とするコーティング用組成物の使用量の低減化ができない。また、ビニル系重合体(I)の含有割合が0.25質量%未満であると、コーティング用組成物中のフッ素原子含有率が少ないため、均一な塗膜を得ることができない。ビニル系重合体(I)の含有割合が2.0質量%を超えると、コーティング用組成物中のフッ素原子含有率が多いため、コーティング後の加工性と本発明のコーティング用組成物を含有するコーティング剤の消泡性が良くない。
【0020】
前記ビニル系重合体(I)におけるフッ素原子含有率は、コーティング時における基材に対する濡れ性及び塗膜の均質性を良好とするために、0.5〜4質量%が好ましく、1〜3質量%がより好ましい。
【0021】
また、本発明のコーティング用組成物は、フッ素系界面活性剤を、フッ素系界面活性剤と感光性樹脂の合計100質量%に対して、0.25〜1.0質量%含有することにより、より均一な塗膜が得られるので好ましい。
【0022】
本発明で用いるビニル系重合体(I)を製造する際には、重合の際にビニル系重合体(I)のフッ素原子含有率を0.1〜5質量%の範囲に調製しやすいこと、コーティング用組成物中の各種配合物に対する相溶性が良好なビニル系重合体が得られること、及び、レベリング性や均一塗布性等の種々の性能を付与できることから、(1)フッ素化アルキル基を有するビニル系単量体(A)及び(2)親水性構造単位を有するビニル系単量体(B)を必須とし、必要に応じて、レベリング性や均一塗布性等の種々の性能を有する単量体を含有する単量体組成物を重合させることが好ましい。
【0023】
レベリング性や均一塗布性等の種々の性能を有する単量体としては、例えば、分岐状脂肪族炭化水素基を有するビニル系単量体(C1)、前記シリコーン鎖を有するビニル系単量体(C2)、などが挙げられる。
【0024】
ビニル系重合体(I)の中でも、(1)フッ素化アルキル基を有するビニル系単量体(A)、(2)親水性構造単位を有するビニル系単量体(B)及び(3)分岐状脂肪族炭化水素基を有するビニル系単量体(C1)とシリコーン鎖を有するビニル系単量体(C2)から選ばれる1種以上のビニル系単量体を含有する単量体組成物を重合して得られるビニル系重合体は、得られるコーティング用組成物の起泡性を抑制でき、リコート性、現像性、均一塗布性等が向上するので好ましい。
【0025】
更に、コーティング用組成物の塗工膜の均一性、コーティング性を保持し、基板の全面を塗布するのに必要なコーティング用組成物の量を低減し得るコーティング用組成物を提供するために、ビニル系重合体(I)は、(1)前記フッ素化アルキル基を有するビニル系単量体(A)0.2〜5質量%、(2)前記親水性構造単位を有するビニル系単量体(B)10〜80質量%及び(3)前記分岐状脂肪族炭化水素基を有するビニル系単量体(C1)と前記シリコーン鎖を有するビニル系単量体(C2)との合計5〜50質量%を含有する単量体組成物を重合して得られるビニル系重合体が好ましい。また、(1)前記フッ素化アルキル基を有するビニル系単量体(A)1〜5質量%、(2)前記親水性構造単位を有するビニル系単量体(B)30〜80質量%及び(3)前記分岐状脂肪族炭化水素基を有するビニル系単量体(C1)と前記シリコーン鎖を有するビニル系単量体(C2)との合計15〜5質量%を含有する単量体組成物を重合して得られるビニル系重合体がより好ましい。さらに、(1)前記フッ素化アルキル基を有するビニル系単量体(A)3〜5質量%、(2)前記親水性構造単位を有するビニル系単量体(B)40〜75質量%及び(3)前記分岐状脂肪族炭化水素基を有するビニル系単量体(C1)と前記シリコーン鎖を有するビニル系単量体(C2)との合計30〜45質量%を含有する単量体組成物を重合して得られるビニル系重合体が特に好ましい。
【0026】
親水性構造単位を有するビニル系単量体(B)の親水性構造単位としては、例えば、ポリオキシアルキレン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホニル基、燐酸基、アミノ基、アミド基、イソシアネート基、グリシジル基、アンモニウム塩、各種金属塩等が挙げられ、これらの中でもポリオキシアルキレン基が好ましい。
【0027】
前記ポリオキシアルキレン基としては、ポリオキシエチレン基及び/又はポリオキシプロピレン基が好適であり,その重合度は2〜100が好ましく、2〜50がより好ましく、5〜30が特に好ましい。
【0028】
また、ビニル系単量体(B)としては、原料の入手が容易で重合反応性が良好なことから(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。
【0029】
親水性構造単位を有するビニル系単量体(B)としては、例えば、重合度2〜100のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル、重合度2〜100のポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体のモノ(メタ)アクリル酸エステル、これらの末端の水酸基の水素原子が炭素原子数1〜6のアルキル基で置換された構造を有する化合物の如き、親水性構造単位と1分子中に1個のビニル基を有するビニル系単量体(B−1)が挙げられる。
【0030】
親水性構造単位と1分子中に1個のビニル基を有するビニル系単量体(B−1)の市販品としては、例えば、新中村化学工業(株)製の商品名「NKエステルM−20G」、「NKエステルM−40G」、「NKエステルM−90G」、「NKエステルM−230G」、「NKエステルAM−90G」、「NKエステルAMP−10G」、「NKエステルAMP−20G」、「NKエステルAMP−60G」、日本油脂(株)製の商品名「ブレンマーPE−90」、「ブレンマーPE−200」、「ブレンマーPE−350」、「ブレンマーPME−100」、「ブレンマーPME−200」、「ブレンマーPME−400」、「ブレンマーPME−4000」、「ブレンマーPP−1000」、「ブレンマーPP−500」、「ブレンマーPP−800」、「ブレンマー70PEP−350B」、「ブレンマー55PET−800」、「ブレンマー50POEP−800B」、「ブレンマーNKH−5050」、「ブレンマーAP−400」、「ブレンマーAE−350」等が挙げられる。
【0031】
親水性構造単位と1分子中に1個のビニル基を有するビニル系単量体(B−11)は、1種類だけを用いても構わないし、2種類以上を同時に用いても構わない。
【0032】
また、親水性構造単位を有するビニル系単量体(B)として、上記した親水性構造単位と1分子中に1個のビニル基を有するビニル系単量体(B−1)に加えて、親水性構造単位及び1分子中に2個以上のビニル基を有するビニル系単量体(B−2)を併用することもできる。そのような併用可能なビニル系単量体(B−2)としては、例えば、重合度2〜100のポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステル、重合度2〜100のポリプロピレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステル、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体のジ(メタ)アクリル酸エステル、これらの単量体の末端の水酸基の水素原子が炭素原子数1〜6のアルキル基で置換された構造を有する化合物、トリメチロールプロパンのエチレンオキシド変性物のジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのエチレンオキシド変性物のトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンのエチレンオキシド変性物のジ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンのエチレンオキシド変性物のトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンのエチレンオキシド変性物のテトラ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシド変性物のジアクリレート、等が挙げられる。
【0033】
フッ素化アルキル基を有するビニル系単量体(A)と、親水性構造単位及び1分子中に1個のビニル基を有するビニル系単量体(B−1)と、親水性構造単位及び1分子中に2個以上のビニル基を有するビニル系単量体(B−2)とを含有する単量体組成物を重合して得られるビニル系重合体(I)は、コーティング用組成物に用いた場合に、コーティング用組成物の起泡の抑制が特に良好となる効果を奏する。ただし、この親水性構造単位及び1分子中に2個以上のビニル基を有するビニル系単量体(B−2)を使用する場合の使用量は、ビニル系重合体(I)がゲル化しない範囲に抑える必要がある。
【0034】
親水性構造単位及び1分子中に2個以上のビニル基を有するビニル系単量体(B−2)の市販品としては、例えば、新中村化学工業(株)製の商品名「NKエステル2G」、「NKエステル3G」、「NKエステル4G」、「NKエステル9G」、「NKエステル14G」、「NKエステル23G」、「NKエステルA−200」、「NKエステルA−400」、「NKエステルA−600」、「NKエステルA−HD」、「NKエステルA−NPG」、「NKエステルAPG−200」、「NKエステルAPG−400」、「NKエステルAPG−700」、日本油脂(株)製の商品名「ブレンマーPDE−100」、「ブレンマーPDE−150」、「ブレンマーPDE−200」、「ブレンマーPDE−400」、「ブレンマーPDE−600」、「ブレンマーADE−200」、「ブレンマーADE−400」等が挙げられる。
【0035】
フッ素化アルキル基を有するビニル系単量体(A)と、親水性構造単位を有するビニル系単量体(B)と、分岐状脂肪族炭化水素基を有するビニル系単量体(C1)とを含有する単量体組成物を重合して得られるビニル系重合体(I)は、コーティング用組成物に用いた場合に、コーティング用組成物の起泡の抑制とレベリング性が特に良好となる効果を奏する。
【0036】
分岐状脂肪族炭化水素基を有するビニル系単量体(C1)の具体例としては、例えば、以下の構造式(21)〜(31)で示される化合物等が挙げられる。
【0037】
【化5】
Figure 2004002733
【0038】
【化6】
Figure 2004002733
【0039】
分岐状脂肪族炭化水素基を有するビニル系単量体(C1)は、1種類だけを用いても構わないし、2種類以上を同時に用いても構わない。また、分岐状脂肪族炭化水素基としては、シクロヘキシル基等の脂環式炭化水素基も含まれる。
【0040】
フッ素化アルキル基を有するビニル系単量体(A)と、親水性構造単位を有するビニル系単量体(B)と、シリコーン鎖を有するビニル系単量体(C2)とを含有する単量体組成物を重合して得られるビニル系重合体(I)を含有するコーティング用組成物は、コーティング性が良好である。
【0041】
シリコーン鎖を有するビニル系単量体(C2)としては、1分子中にシリコーン鎖とビニル基とを有する化合物であれば特に制限はないが、原料が入手し易いこと、重合反応性が良好なことから(メタ)アクリロイル基を有するものが適している。シリコーン鎖を有するビニル系単量体(C2)としては、例えば、下記一般式(32)で示される化合物、チッソ株式会社製の商品名「サイラプレーンFP2231」、「サイラプレーンFP2241」、「サイラプレーンFP2242」、「サイラプレーンFM0711」、「サイラプレーンFM0721」等が挙げられる。
【0042】
【化7】
Figure 2004002733
【0043】
[上記一般式(32)において、Rは水素原子、塩素原子、フッ素原子又はメチル基を表わし、R及びRは、各々独立的に、炭素原子数1〜20のアルキル基、フェニル基又は下記一般式(33)で表わされる基を表わし、R、R及びRは、各々独立的に、炭素原子数1〜20のアルキル基又はフェニル基を表わし、Xは、−CHCH(OH)CHOCO−、−(CHNHCHCH(OH)CHOCO−、−(CHOCO−、−(CH−O−(CHOCO−、−OCHCH−(OH)CHOCO−及び−(CHC(CFOCO−からなる群から選ばれる2価の連結基を表わし、yは0〜100の整数を表わし、m及びnは、各々独立的に、2〜6の整数を表わし、xは0又は1を表わす。]
【0044】
【化8】
Figure 2004002733
【0045】
(一般式(33)において、R、R及びRは、各々独立的に、炭素原子数1〜20のアルキル基又はフェニル基を表わし、zは0〜3の整数を表わす。)
【0046】
前記一般式(32)で表わされる化合物の具体例としては、以下の構造式(34)〜(38)で表わされる化合物等が挙げられる。
【0047】
【化9】
Figure 2004002733
【0048】
シリコーン鎖を有するビニル系単量体(C2)は、1種類だけを用いても構わないし、2種類以上を同時に用いても構わない。
【0049】
また、フッ素化アルキル基を有するビニル系単量体(A)と、前記親水性構造単位を有するビニル系単量体(B)と、前記分岐状脂肪族炭化水素基を有するビニル系単量体(C1)及び前記シリコーン鎖を有するビニル系単量体(C2)からなる群から選ばれるビニル系単量体を含有する単量体組成物を重合して本発明で使用するビニル系重合体(I)を製造する際に、前記単量体組成物に、前記したビニル系単量体以外のビニル系単量体を本発明の組成物の効果を逸脱しない範囲で含有させることもできる。
【0050】
本発明のコーティング用組成物を塗布すると、塗膜表面にはフッ素系界面活性剤が偏在するため、表面疎水性が高くなる。表面が疎水性であると、塗膜の加工や塗膜の洗浄等の処理が困難であるので、塗膜の処理がし易いように、ビニル系重合体(I)は水溶性が高い方が好ましい。その為、ビニル系重合体(I)は、0.05〜2.0質量%の濃度範囲の全域において、20℃で水に溶解するものが好ましい。
【0051】
ビニル系重合体(I)の製造方法には何ら制限はなく、例えば、ラジカル重合法、カチオン重合法、アニオン重合法等の重合機構に基づき、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法等によって、ビニル系重合体(I)を製造することができる。
【0052】
また、ビニル系重合体(I)の構造についても特に制限はなく、前記重合機構に基づいたランダム、交互、ブロック共重合体、各種リビング重合法或いは高分子反応を応用し分子量分布を制御したブロック、グラフト、スター型重合体等を自由に選択可能である。更に、このような重合体を得た後に、各種高分子反応、放射線、電子線紫外線等のエネルギー線を応用した方法等により重合体を変性することも可能である。
【0053】
前記した製造方法の中でも、工業的にはラジカル重合法が簡便であり好ましい。この場合、重合開始剤としては、種々のものを使用することができ、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ジアシル等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、フェニルアゾトリフェニルメタン等のアゾ化合物、マンガンアセチルアセテート〔Mn(acac)〕等の金属キレート化合物等が挙げられる。また、必要に応じて、ラウリルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、エチルチオグリコール酸、オクチルチオグリコール酸等の連鎖移動剤や、更にγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のカップリング基を有するチオール化合物を連鎖移動剤を併用することも可能である。
【0054】
また、光増感剤や光開始剤の存在下での光重合、あるいは放射線や熱をエネルギー源とする重合によってもビニル系重合体(I)を得ることができる。
【0055】
重合は、溶剤の存在下又は非存在下のいずれでも実施できるが、作業性が良好となることから溶剤存在下の重合が好ましい。溶剤としては、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、iso−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のエステル類;2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−オキシプロピオン酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル等のモノカルボン酸エステル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等の極性溶剤;メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール、エチルセロソルブアセテート等のエーテル類;プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコール類及びそのエステル類;トリクロルエタン、クロロホルム等のハロゲン系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族類;パーフルオルオクタン、パーフロロトリ−n−ブチルアミン等のフッ素化イナートリキッド類等が挙げられる。
【0056】
本発明のコーティング用組成物に使用するビニル系重合体(I)は、1種類だけを使用することも、2種類以上を同時に使用することもできる。
【0057】
本発明で用いる感光性樹脂は、紫外線、遠赤外線、エキシマレーザー光、X線、電子線、イオン線、分子線、ガンマ線などの活性光線を照射することにより、溶解性、特にアルカリ水溶液に対する溶解性が著しく変化する感光性を有する物質を含有する樹脂あるいは前記した感光性を有する樹脂である。特に、フォトリソグラフィーに使用される感光性樹脂は、フォトレジストといわれるものであり、ポジ型フォトレジストと、ネガ型フォトレジストに大別される。本発明の組成物には、上記したいずれのものも使用することができる。
【0058】
ポジ型フォトレジストとしては、公知の材料を特に制限なく使用することができる。そのようなポジ型フォトレジストとしては、例えば、キノンジアジド系化合物とクレゾール樹脂との混合物、o−ニトロベンジルエステル類とアルカリ可溶性樹脂との混合物、ジヒドロピリジン類とノボラック樹脂との混合物、2−ジアゾ−1,3−ジケト類、ポリ(4−ホルミロキシスチレン)、光酸発生剤と酸分解性樹脂との組合せから成る2成分系増幅型ポジ型フォトレジスト、光酸発生剤と酸分解性溶解阻止剤とアルカリ可溶性樹脂とから構成される3成分系増幅型ポジ型フォトレジスト、などが挙げられる。
【0059】
ネガ型フォトレジストとしては、公知の材料を特に制限なく使用することができる。そのようなネガ型フォトレジストとしては、例えば、1分子中に2個以上の光重合性官能基を有するモノマー又はオリゴマー、光重合開始剤、必要に応じて、1分子中に1個以上の光重合性官能基を有するモノマー又はオリゴマー、バインダー樹脂、熱重合禁止剤などの添加剤から構成される光重合型フォトレジスト、ポリケイ皮酸ビニル、ポリシンナミリデン酢酸ビニル、重クロム酸塩と水溶性ポリマーとの混合物に代表される化学架橋型フォトレジスト、化学増幅型ネガ型フォトレジスト、などが挙げられる。
【0060】
本発明で用いる有機溶剤は、各種のものを何等制限無く使用することが可能である。従来、フォトレジスト剤をシリコンウエハーに塗布する際、塗布性の向上、ストリエーション(striation=すじあと)の発生防止、現像性の向上のために、特開昭62−36657号公報、特開平4−340549号公報、特開平5−113666号公報等に記載されている様に、様々な溶剤組成が提案されているが、本発明のコーティング用組成物は、この様なやっかいな溶剤調整をしなくても、少量の使用量で、塗布性の向上、ストリエーションの発生防止、液中パーティクルの発生防止、泡の抱き込みの低減化等による塗膜の均一性の保持と、現像時の現像液の塗れ性向上に伴う現像性の向上が可能となる。また近年、人体への安全性の観点から、従来フォトレジスト剤に使用されてきたエチルセロソルブアセテート等の様な溶剤から、乳酸エチル等の安全性の高い溶剤が使用される様になってきた。これらの安全性の高い溶剤に適した界面活性剤を種々選択して塗布性の向上やストリェーションの発生が防止できるようコーティング用組成物とする必要があり、よりきめ細かな検討が必要であるという問題があったが、本発明のコーティング用組成物はこの様な問題点も払拭できるという利点がある。それ故、本発明に係るフォトレジスト組成物においては、従来にもまして広範囲な溶剤を選択することが可能である。
【0061】
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、シクロヘプタノン、2−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン、ブチロラクトン等のケトン類;メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ペンタノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール等のアルコール類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル等のアルコールエーテル類;蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のエステル類;2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−オキシプロピオン酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル等のモノカルボン酸エステル類;セロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート等のセロソルブエステル類;プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコール類;ジエチレルグリコールモノメチルエーテル、ジエチレルグリコールモノエチルエーテル、ジエチレルグリコールジメチルエーテル、ジエチレルグリコールジエチルエーテル、ジエチレルグリコールメチルエチルエーテル等のジエチレングリコール類;トリクロロエチレン、フロン溶剤、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)等のハロゲン化炭化水素類;パーフロロオクタン等の全フッ素化溶剤類;トルエン、キシレン等の芳香族類;ジメチルアセチアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の極性溶剤類;成書「溶剤ポケットハンドブック」(有機合成化学協会編、オーム社)に記載されている有機溶剤等を使用することが可能である。本発明で使用する有機溶剤としては、単独で用いても良いし、2種以上を混合して使用することも可能である。
【0062】
有機溶剤の配合割合は、本発明のコーティング用組成物を基板に塗布する際の必要膜厚と塗布条件に応じて適宜調整が可能であるが、一般的には感光性樹脂100質量部に対して10〜10,000質量部であり、好ましくは50〜2,000質量部である。
【0063】
更に本発明のコーティング用組成物は、必要に応じてフッ素原子含有率が0.1〜5質量%のビニル系重合体(I)からなるフッ素系界面活性剤以外の界面活性剤、保存安定剤、顔料、染料、蛍光剤、発色剤、可塑剤、増粘剤、チクソ剤、樹脂溶解抑制剤、シランカップリング剤等の密着性強化剤等を添加することが可能である。
【0064】
本発明のコーティング用組成物は、塗料やフィルム等の分野で用いることが可能であるが、中でも、フォトレジスト分野での利用が特に好ましい。
【0065】
本発明のコーティング用組成物は、スピンコーティング、ロールコーティング、ディップコーティング、スプレーコーティング、プレードコーティング、カーテンコーティング、グラビアコーティング等、種々の塗布方法を広く使用することができるが、特にスピンコーティングが好ましい。塗布前には種々のフィルターによる濾過を行うことも可能である。
【0066】
【実施例】
以下に本発明に係る具体的な合成例、実施例、比較例を挙げ、本発明をより詳細に説明する。以下の例において、「部」及び「%」は、断りのない限り質量基準である。
【0067】
合成例1〔ビニル系重合体(I)の合成〕
撹拌装置、コンデンサー及び温度計を備えたガラスフラスコに、パーフルオロオクチルエチルアクリレート5部、重合度22のエチレンオキシドと重合度22のプロピレンオキシドとの共重合体を側鎖に有するモノアクリレート15部、重合度23のエチレンオキシドを側鎖に有するモノメタクリレート55部、メチルメタクリレート5部、イソステアリルアクリレート15部、2―エチルヘキシルアクリレート5部及びイソプロピルアルコール(以下、IPAと略す。)430部を仕込み、窒素ガス気流中、還流下で、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBNと略す。)1部と、連鎖移動剤としてラウリルメルカプタン10部を添加した後、75℃にて3時間還流した後、AIBN0.5部を加えて、さらに5時間保持して重合を完成させた。重合後、70℃のエバポレーターにて脱溶剤し、次いで熱風乾燥機にて乾燥させることにより固形分濃度98%のフッ素化アルキル基を有するビニル系重合体を得た。これを重合体(I−1)と言う。
【0068】
合成例2(同上)
パーフルオロオクチルエチルアクリレート5部と重合度23のエチレンオキシドを側鎖に有するモノメタクリレート55部に代えて、パーフルオロオクチルエチルアクリレート3部と重合度23のエチレンオキシドを側鎖に有するモノメタクリレート57部を用いた以外は、合成例1と同様にして、固形分濃度98%のフッ素化アルキル基を有するビニル系重合体を得た。これを重合体(I−2)と言う。
【0069】
合成例3(同上)
パーフルオロオクチルエチルアクリレート5部と重合度23のエチレンオキシドを側鎖に有するモノメタクリレート55部に代えて、パーフルオロオクチルエチルアクリレート10部と重合度23のエチレンオキシドを側鎖に有するモノメタクリレート50部を用いた以外は、合成例1と同様にして、固形分濃度98%のフッ素化アルキル基を有するビニル系重合体を得た。これを重合体(I−3)と言う。
【0070】
合成例4(同上)
撹拌装置、コンデンサー及び温度計を備えたガラスフラスコに、パーフルオロオクチルエチルアクリレート18部、3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン12部、重合度22のエチレンオキシドと重合度22のプロピレンオキシドとの共重合体を側鎖に有するモノアクリレート58部、テトラエチレングリコールの両末端がメタクリレート化された化合物4部、メチルメタクリレート8部及びIPAを350部を仕込み、窒素ガス気流中、還流下で、重合開始剤としてAIBNを1部と、連鎖移動剤としてラウリルメルカプタン10部を添加した後、75℃にて3時間還流した後、AIBNを0.5部加えてさらに5時間保持して重合を完成させた。重合後、70℃のエバポレーターにて脱溶剤し、次いで熱風乾燥機にて乾燥させることにより固形分濃度98%のフッ素化アルキル基を有するビニル系重合体を得た。これを重合体(I−4)と言う。
【0071】
合成例1〜4で得た重合体(I−1)〜(I−4)の溶解性を以下に示す方法で評価した。評価結果をフッ素原子含有率と共に表1に示した。
【0072】
(溶解性の評価方法)
重合体(I−1)〜(I−4)を、20℃の水にそれぞれ0.05質量%、2.0質量%の濃度で加えた水溶液の外観を観察した。
○:0.05質量%、2.0質量%いずれも透明な水溶液が得られる。
△:0.05質量%、2.0質量%の一方又は両方で水溶液が白濁するが沈殿は認められない。
×:0.05質量%、2.0質量%の一方又は両方で沈殿が発生する。
【0073】
【表1】
Figure 2004002733
【0074】
実施例1〜4及び比較例1〜6
2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンとo−ナフトキシジアジド−5−スルホニルクロライドとの縮合物27部とクレゾールノボラック型フェノール樹脂100部とをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート300部に溶解した感光性樹脂溶液を調製し、これに合成例1〜4で得たビニル系重合体(I−1)〜(I−4)の各々を、ビニル系重合体と感光性樹脂の合計に対してビニル系重合体の含有割合が表2に示す濃度となるように添加し、膜孔径が0.1μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製フィルターで精密濾過してフォトレジスト用のコーティング用組成物1〜4及び比較対照用のフォトレジスト用のコーティング用組成物1′〜6′を調製した。これらのフォトレジスト用のコーティング用組成物を用いて、ストリエーション(striation=すじあと)の有無と全面塗布性を、以下に示す評価方法により評価した。評価結果を表2にまとめて示した。
【0075】
(ストリエーションの有無の評価方法)
フォトレジスト用のコーティング用組成物を直径5インチのシリコンウエハー上に1ml滴下し、回転数を3秒間かけて0rpmから800rpmへ上昇させ、次に800rpmで10秒間保持し、その後0.1秒かけて1,500rpmに上昇させ、1500rpmで10秒間保持し、その後3秒間かけて1500rpmから0rpmに回転数を落としてスピンコーティングした後、100℃のホットプレート上にて90秒間加熱して溶媒を除去し、レジスト膜を有するシリコンウエハーを得た。レジスト膜表面を光学顕微鏡で100倍に拡大して10視野を観察し、ストリエーションの発生状況を観察し、以下の基準に従ってレジスト膜上のストリエーションの有無を評価した。
○:ストリエーションの発生が全ての視野において認められないもの。
×:ストリエーションの発生が1視野でも認められるもの。
【0076】
(全面塗布性の評価方法)
ストリエーション有無の評価方法と同様に、シリコンウエハー上にレジスト膜を作成し、レジスト膜がシリコンウエハー全面に塗布できているかどうかを目視観察し、以下の基準に従って評価した。
○:全面塗布できるもの。
×:全面塗布できないもの。
【0077】
【表2】
Figure 2004002733
【0078】
表2に示した結果から、比較例1〜2の各コーティング用組成物は、フッ素化アルキル基を有するビニル系単量体を含有する単量体組成物を重合して得られるビニル系重合体(I)のコーティング用組成物中の割合が0.25質量%を下回っているので、ストリエーションが発生し、塗膜の均一性に劣っているのに対し、各実施例のコーティング用組成物は、ストリエーションの発生がなく、塗膜の均一性に優れていることが理解できる。
【0079】
また、比較例5及び6の各コーティング用組成物は、ビニル系重合体(I)のコーティング用組成物中の割合が0.5質量%であり、実施例2及び3の各コーティング用組成物と同じ割合であるが、ビニル系重合体(I)中のフッ素原子の割合が5質量%を上回っているので、シリコンウエハー全面に塗布できないのに対し、各実施例のコーティング用組成物は、シリコンウエハー全面に均一に塗布できることが理解できる。比較例5及び6の各コーティング用組成物を用いてシリコンウエハー全面に塗布するには、コーティング用組成物の使用量を増量するなどの対策が必要であり、比較例5及び6の各コーティング用組成物は塗布性に劣っていることが明らかである。
【0080】
【発明の効果】
本発明のコーティング用組成物は、コーティング用組成物の使用量の低減と塗膜の均一性の保持が両立できるので、フォトレジストスピンコーティング等の種々のコーティング法に好適に使用できる。

Claims (8)

  1. フッ素化アルキル基を有するビニル系単量体(A)を含有する単量体組成物を重合して得られるビニル系重合体(I)からなるフッ素系界面活性剤、感光性樹脂及び有機溶剤を含有するコーティング用組成物において、
    (1)前記ビニル系重合体(I)がフッ素原子を0.1〜5質量%含有する重合体であること、
    かつ、
    (2)前記ビニル系重合体(I)及び前記感光性樹脂の合計質量に対する前記ビニル系重合体(I)の割合が0.25〜2.0質量%であること
    を特徴とするコーティング用組成物。
  2. 前記ビニル系重合体(I)が、0.05〜2.0質量%の濃度範囲の全域において、20℃で水に溶解するものである請求項1記載のコーティング用組成物。
  3. 前記ビニル系重合体(I)がフッ素原子を0.5〜4質量%含有する重合体であり、かつ、フッ素系界面活性剤と感光性樹脂の合計質量に対する該重合体(I)の割合が0.25〜1.0質量%である請求項1又は2記載のコーティング用組成物。
  4. 前記ビニル系重合体(I)が、
    (1)フッ素化アルキル基を有するビニル系単量体(A)、
    (2)親水性構造単位を有するビニル系単量体(B)、及び
    (3)分岐状脂肪族炭化水素基を有するビニル系単量体(C1)とシリコーン鎖を
    有するビニル系単量体(C2)から選ばれる1種以上のビニル系単量体
    を含有する単量体組成物を重合して得られるビニル系重合体である請求項3記載のコーティング用組成物。
  5. 前記ビニル系重合体(I)が、
    (1)フッ素化アルキル基を有するビニル系単量体(A)0.2〜5質量%、
    (2)親水性構造単位を有するビニル系単量体(B)10〜80質量%、及び
    (3)分岐状脂肪族炭化水素基を有するビニル系単量体(C1)とシリコーン鎖を
    有するビニル系単量体(C2)との合計5〜50質量%
    を含有する単量体組成物を重合して得られるビニル系重合体である請求項4記載のコーティング用組成物。
  6. 前記親水性構造単位を有するビニル系単量体(B)がポリオキシアルキレン基を有するビニル系単量体である請求項5記載のコーティング用組成物。
  7. スピンコーティング用組成物である請求項1〜6のいずれか1項記載のコーティング用組成物。
  8. フォトレジストスピンコーティング用組成物である請求項1〜6のいずれか1項記載のコーティング用組成物。
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