JP2017166270A - 建物 - Google Patents

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Risaki Saito
利咲 齋藤
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【課題】外観の意匠性を向上させること。【解決手段】建物(1)は、複数階分の高さを有し、複数の外側面部(11,13,…)によって輪郭が定められた建物本体(10)と、複数の外側面部のうち正面側に位置する外側面部(11)を、正面視において第1領域(15)と第2領域(16)とに横幅方向に分断するように、正面側の外側面部(11)よりも手前側に突出し、かつ、正面側の外側面部(11)の下端から上端まで上方に延びる袖壁(20)とを備える。第1領域(15)は、略平坦な外観形状を呈し、第2領域(16)は、上下方向に互いに間隔をあけて位置する複数の庇部(31)が設けられることにより形成される、凹凸状の外観形状を呈する。【選択図】図1

Description

本発明は、複数階建ての建物に関し、特に、住居用建物に関する。
従来から、外観の意匠性を高めるために、次のような住居用建物が提案されている。特開2014−201960号公報(特許文献1)では、鉄骨造の軸組架構を有する箱状の建物本体と、建物本体の外周構面から外側に持ち出された持ち出し部とを備えた複数階建ての建物において、持ち出し部の帳壁と外周構面の帳壁とを連続的に配置することが開示されている。連続的に配置された帳壁は、外周構面の下端高さから上端高さにまで延びている。また、特許文献1には、2階〜3階の正面の外観形状を左右で異ならせた建物も開示されている。
特開2014−201960号公報
特許文献1の建物では、持ち出し帳壁が、建物本体の側部に設けられているだけである。したがって、持ち出し帳壁は外観の意匠性の向上にそれほど寄与していない。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、外観の意匠性を向上させることのできる建物を提供することである。
この発明のある局面に従う建物は、建物本体と、袖壁とを備える。建物本体は、複数階分の高さを有し、複数の外側面部によって輪郭が定められている。袖壁は、複数の外側面部のうち正面側に位置する外側面部を、正面視において第1領域と第2領域とに横幅方向に分断するように、正面側の外側面部よりも手前側に突出し、かつ、正面側の外側面部の下端から上端まで上方に延びている。第1領域は、略平坦な外観形状を呈し、第2領域は、上下方向に互いに間隔をあけて位置する複数の庇部が設けられることにより形成される、凹凸状の外観形状を呈する。
好ましくは、第2領域は、上下方向に隣り合う庇部間に位置する窓を含む。窓は、袖壁の側面に隣接または近接した位置に配置されている。
好ましくは、上下方向に隣り合う庇部間には、バルコニーが形成され、バルコニーの側面が、袖壁の側面によって規定されている。
好ましくは、第1領域の一部は、袖壁の側面に交差する格子部材によって構成されており、格子部材の奥に、袖壁の側面に面するバルコニーが配置されている。
第1領域は、袖壁の側面に接して横幅方向に延びる帯材によって、上方階部分と下方階部分とに区分されていてもよい。下方階部分は、袖壁から離れて位置し、地面から帯材まで延びる立壁と、袖壁と立壁との間に位置し、立壁よりも奥に位置する後退壁部とを含む。
上方階部分の高さ寸法は、下方階部分の高さ寸法よりも大きいことが望ましい。
後退壁部に、建物本体の内部へと繋がる玄関扉が設けられていることが望ましい。
帯材および立壁の色調は、袖壁の色調と同じであり、かつ、庇部および他の外壁面の色調と異なっていることが望ましい。
あるいは、袖壁と庇部とは、色調および素材の少なくともいずれか一方が異なっていることが望ましい。
本発明によれば、外観の意匠性を向上させることができる。
本発明の実施の形態に係る住居用建物の正面側の外観を示す図である。 本発明の実施の形態における建物本体の輪郭形状を模式的に示す平面図である。 本発明の実施の形態に係る住居用建物の各階の構成例、および、正面側の外側面部の基準面と他の面との位置関係を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態に係る住居用建物の3階部分の一部の構成を模式的に示す平面図である。 本発明の実施の形態に係る住居用建物の正目側に表れる要素の色分け例を模式的に示す正面図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
(概要について)
はじめに、図1および図2を参照して、本実施の形態に係る建物1の概要について説明する。建物1は、複数階建ての住居用建物であり、一例として、賃貸併用二世帯住宅を意図した建物である。
建物1は、複数階分の高さ、たとえば5階分の高さを有する建物本体10を備えている。図2に示されるように、建物本体10は、複数の外側面部11〜14によって輪郭が定められている。本実施の形態では、これらの外側面部11〜14のうち外側面部11が、建物1の正面側に位置していると想定する。外側面部11は、たとえば南向きである。
建物1の正面とは、外観上において象徴的な面(ファサード)を表わし、典型的には屋外の通路に面する。本実施の形態では、外側面部11の1階部分に、たとえば、建物本体10の内部へと繋がる玄関扉64が設けられている。
なお、建物1の説明において、正面側を前方あるいは手前側ともいい、その反対側を奥側あるいは後方という。また、正面から見て右側が横幅方向一方側、左側が横幅方向他方側であるものとして説明する。図2の矢印A1は、建物1の前後方向(奥行方向)のうち前方を示し、矢印A2は建物1の横幅方向を示している。
本実施の形態に係る建物1は、正面側の外観に特徴を有している。すなわち、建物1は、外側面部11よりも手前側に突出する袖壁20を備えている。袖壁20は、外側面部11の下端から上端まで同じ厚みで上方に真直ぐ延びている。つまり、袖壁20は、建物本体10と同様に、5階部の高さを有している。
袖壁20は、外側面部11の略中央位置に配置されている。そのため、正面視において矩形形状の外側面部11が、袖壁20によって、第1領域15と第2領域16とに横幅方向に分断された印象となっている。本実施の形態では、第1領域15が袖壁20の右側に位置し、第2領域16が袖壁20の左側に位置している。
図1に示されるように、第1領域15と第2領域16とは、印象が大きく異なる外観形状を有している。すなわち、第1領域15は、略平坦な外観形状を呈しているのに対し、第2領域16は、凹凸状の外観形状を呈している。第2領域16における凹凸状の外観形状は、上下方向に互いに間隔をあけて位置する複数の庇部31が設けられることにより形成される。
(第1領域の特徴について)
図1および図3を参照して、第1領域15の特徴について説明する。
第1領域15は、帯材41によって、上方階部分42と下方階部分43とに区分されている。帯材41は、袖壁20の一方側の側面(以下「右側面」という)20bに接し、横幅方向に延びている。本実施の形態において、帯材41は、建物本体10の2階と3階との境界部分に設けられている。つまり、上方階部分42は建物1の3階から最上階までの3階分の高さを有し、下方階部分43は建物1の地上階から2階までの2階分の高さを有している。このように、上方階部分42の高さ寸法の方が、下方階部分43の高さ寸法よりも大きい。
帯材41は、袖壁20の表面20aの位置よりも奥であれば、第1領域15の上方階部分42および下方階部分43の表面よりも手前側に若干突出していてもよい。帯材41は、たとえば薄型の庇部材により構成されてもよい。
上方階部分42は、サイディング材などの外装面材を含む外壁部51と、格子部材52とで構成されている。外壁部51と格子部材52とは横幅方向に隣り合っている。外壁部51の横幅寸法の方が、格子部材52の横幅寸法よりも大きいことが望ましい。格子部材52は、たとえば、縦格子と、縦格子を支持する複数の横桟とによって構成されている。
格子部材52は、袖壁20の右側面20bに交差する位置に配置されている。図3に示されるように、3階〜5階の各階において、格子部材52の奥にはバルコニー62が配置されている。バルコニー62は、袖壁20の右側面20bに面しているため、格子部材52によってバルコニー62の側面が覆われている。このように、バルコニー62の格子部材52の存在によって、バルコニー62への通風および採光を可能としながら、バルコニー62の存在を目立たなくすることができる。
外壁部51には、部分的に窓61が設けられている。窓61は、格子部材52から離れた位置に配置されている。具体的には、窓61は、外壁部51の右側端部に設けられている。窓61は、外側面部11に交差する右側の外側面部13に設けられた窓63と一体的に設けられてもよい。窓63は、外側面部13の正面方向端部に設けられており、窓61と窓63とによって、建物本体10のコーナー窓が形成されている。
格子部材52は、縦格子の前面が、外壁部51の表面(以下「外壁面」ともいう)と略同一平面上に位置するように配置されている。そのため、上方階部分42の表面の形状は、全体として、大きな凹凸のないフラット形状(平坦状)である。この上方階部分42の表面が、外側面部11の基準面110である。図3には、前後方向における基準面110の位置が想像線にて示されている。なお、格子部材52は、取付け関係等により、外壁部51の表面よりも正面方向に多少出っ張った位置に配置されていてもよいし、その逆であってもよい。
下方階部分43は、地面から帯材41まで延びる立壁53と、立壁53よりも奥に位置する後退壁部54とを含む。立壁53は、袖壁20から離れて位置している。後退壁部54は、袖壁20と立壁との間に位置している。なお、地面は、建物1のグランドレベルよりも嵩上げされたコンクリートの上面であってもよい。
立壁53の横幅寸法は、後退壁部54の横幅寸法よりも小さいが、後退壁部54の横幅寸法と大きく変わらないことが望ましい。立壁53と後退壁部54との段差よりも、それぞれの面のフラット感の方が印象的となるからである。
立壁53の表面(正面側の面)は、上方階部分42の表面、すなわち基準面110と略同一平面上に位置しており、これらの面は略面一である。これに対し、後退壁部54の表面は、基準面110から50cm以上後方に位置している。つまり、基準面110から後退壁部54までの後退寸法L1(図3)は、たとえば50cm以上であり、望ましくは90cm以上である。
後退壁部54の1階部分には、建物本体10の玄関扉64が設けられている。後退壁部54の2階部分には、窓65が設けられている。なお、立壁53は、内部に柱などを有する支持体であってもよい。このような場合、図3に示すように、立壁53の後方には、後退壁部54と一体的に形成された遮蔽壁部66が配置される。つまり、後退壁部54と遮蔽壁部66とによって、第1領域15の1階および2階の外壁部が構成される。
このように、第1領域15には、基準面110よりも奥に位置する後退壁部54が設けられているが、下方階部分43および上方階部分42ともに、上下方向の凹凸は設けられていない。また、後退壁部54は、下方階部分43にしか配置されておらず、全体が平坦状の上方階部分42が、第1領域15の半分以上を占めている。そのため、第1領域15全体の外観形状は略平坦な印象となっており、落ち着き感が生じている。
(第2領域の特徴について)
図1および図3を参照して、第2領域16の特徴について説明する。
第2領域16は、上下方向に互いに間隔をあけて設けられた4つの庇部31と、庇部31に隣接し、かつ、庇部31よりも奥に位置する複数の外壁部32,33,34とを含む。
4つの庇部31は、それぞれ、1階、2階、3階、および5階(最上階)の天井付近に配置されている。このように、第2領域16は、4階を除き、各階に庇部31を有している。なお、建物本体10の屋根は、典型的には陸屋根であり、最上位置の庇部31は、陸屋根から部分的に突出した軒として構成されていてもよい。
庇部31は、水平方向に延在し、その形状は偏平形状である。具体的には、庇部31は、厚みの大きいスラブ状の大型庇である。各庇部31の厚み寸法(高さ寸法)は、たとえば20cm以上である。なお、全ての庇部31の厚み寸法が同じでなくてもよい。たとえば、1階および最上階の庇部31の厚みの方が、他の庇部31の厚みよりも大きくてもよい。
庇部31の表面(前端面)は、基準面110と略同一平面上に位置しており、庇部31は、袖壁20の他方側の側面(以下「左側面」という)20cに交差している。つまり、庇部31の横幅方向一方端部が袖壁20の左側面20cに当接している。これに対し、庇部31の横幅方向他方端部は自由端となっている。庇部31は、外壁部32,33,34よりも左側方に突出していることが望ましい。なお、庇部31の表面の前後方向位置は、袖壁20の表面20aよりも後方位置であれば、基準面110と同じ位置でなくてもよく、基準面110よりも前方または後方に位置していてもよい。
各外壁部32,33,34は、正面視において矩形形状であり、サイディング材などの外装面材を含む。外壁部32,33,34もまた、袖壁20の左側面20cに交差している。
外壁部32,33,34のうち、地上階に位置する外壁部32は、1階の庇部31の下方に位置している。2階および3階にそれぞれ位置する外壁部33は、いずれも、上下方向に隣り合う庇部31間に配置されている。4階から5階にかけて位置する外壁部34は、3階の庇部31と最上階の庇部31との間に配置されている。外壁部34は、前後方向位置が互いに異なる4階外壁部55と5階外壁部56とで構成されている。
地上階の外壁部32、2階および3階の外壁部33、ならびに4階の外壁部55の表面は、前後方向位置が同じであり、略同一平面上に位置している。5階の外壁部56は、これらの外壁部32,33,55よりも手前に位置しているが、庇部31よりも奥に位置している。また、5階の外壁部56は、これらの外壁部32,33,55よりも左側に若干突出している。図3に示されるように、外壁部32,33,55の表面は、第1領域15の後退壁部54の表面と略同一平面上に位置している。
地上階の外壁部32には、ガレージ104用のシャッター部材71が設けられている。2階および3階の外壁部33、ならびに4階の外壁部55は、それぞれバルコニー73に面しており、これらの外壁部33,55には、それぞれ掃出し窓72が設けられている。本実施の形態では、各バルコニー73の床部が、直下の階の庇部31により形成されている。
各バルコニー73の区画は、庇部31上に設けられた手摺壁73aにより定められているが、バルコニー73の右側方には手摺壁73aがなく、袖壁20の左側面20cによってバルコニー73の一方側の側面(右側面)が規定されている。本実施の形態では、手摺壁73aが、不透光性の壁材ではなく、透光性を有する部材によって構成されている。そのため、外壁部33,55の下半分に手摺壁73aが配置されていても、庇部31の存在を際立たせることができる。
2階〜4階の外壁部33,55において、掃出し窓72は、袖壁20寄りに配置されている。本実施の形態では、掃出し窓72は、袖壁20の左側面20cに隣接または近接した位置に配置されている。
5階の外壁部56には、連窓74が配置されている。連窓74は、横幅方向に沿って同じ高さの複数の窓が連続的に設けられることにより構成されている。連窓74は、5階の床面高さ付近から天井高さ付近まで延びている。また、連窓74は、5階外壁部56の略全幅に亘って配置されている。したがって、5階外壁部56においても、連窓74が、袖壁20の左側面20cに隣接または近接した位置に配置されている。
このように、第2領域16は、袖壁20から、各階の外壁部よりも側方に延びる複数の庇部31を有しているため、第2領域16では上下方向の凹凸が際立っている。また、第2領域16の2階以上の外壁部33,55,56には、袖壁20の左側面20cに隣接または近接する横幅の大きい窓72,74が設けられている。したがって、第1領域15に比べて軽快な印象となっている。
(袖壁について)
図1、図3、および図4を参照して、袖壁20について説明する。図4には、代表的に、建物1の3階部分の構成が示されている。
図4を参照して、袖壁20は、基準面110よりも前方に位置する部分21と、基準面110よりも後方に位置する部分22とを含む。後方の部分22が、紙面右側のバルコニー62と紙面左側のバルコニー73との間に位置している。
基準面110からの袖壁20の突出寸法(前方の部分21の寸法)L2は、たとえば30cm以上であり、望ましくは40cm以上である。また、袖壁20の厚み寸法(横幅方向の寸法)L3は、たとえば15cm以上45cm以下である。ただし、基準面110からの突出寸法L2の方が、厚み寸法L3よりも大きいことが望ましい。これにより、袖壁20が前方に突出している印象が大きくなる。
なお、袖壁20の厚み寸法L3は、1階および最上階の庇部31の厚み寸法(高さ寸法)と略同じであり、2階および3階の庇部31の厚み寸法(高さ寸法)よりも大きい。つまり、庇部31の厚み寸法は、袖壁20の厚み寸法L3以下であることが望ましい。これにより、袖壁20の存在感が増す。
また、袖壁20は、外側面部11よりも上方に突出していることが望ましい。つまり、袖壁20は、建物本体10の屋根よりも上方に突出していることが望ましい。
(各階の内部構成例について)
図3を参照して、建物本体10内部の構成例について説明する。
建物本体10の1階に、玄関扉64が設けられた出入口と通ずるエントランス空間101と、賃貸用の2つの居住空間102,103とが配置されている。建物本体10の2階に、共用の通路空間201と、賃貸用の3つの居住空間202,203,204とが配置されている。建物本体10の3階にも、共用の通路空間301と、賃貸用の3つの居住空間302,303,304とが配置されている。
建物本体10の4階には、共用の通路空間401と、子世帯用の居住空間402と、賃貸用の居住空間403とが配置されている。建物本体10の5階には、共用の通路空間501と、親世帯用の居住空間502とが配置されている。
建物本体10の2階および3階においては、外側面部11に沿って、世帯の異なる2つの居住空間202,203(302,303)が配置されている。横幅方向に隣り合う2つの居住空間202,203のうちの少なくとも一部は、袖壁20の位置を境として区切られている。2階では、袖壁20が、居住空間202,203を仕切る戸境壁81の延長線上に配置され、3階では、袖壁20が、居住空間303と居住空間302のバルコニー62とを仕切る外壁82の延長線上に配置されている。なお、他の階においても、袖壁20は、何らかの仕切り壁の延長線上に配置されている。
一般的に南向きを正面側としている場合、たとえば建物1の2階部分のように、紙面右側の居住空間202の窓65と紙面左側の居住空間203の窓(掃出し窓)72とが、横幅方向に並べられることが多い。本実施の形態では、これらの窓65,72の前方空間(屋外空間またはバルコニーなどの半屋外空間)が袖壁20により分離されるため、互いのプライバシーを確保することができる。
また、異なる世帯の窓65,72を横幅方向に沿って並べる場合、防火区画など法令上の要請から、窓65,72間の間隔を所定距離以上とする必要がある。しかし、本実施の形態では、これらの窓65,77間に位置する外壁に袖壁20が交差して配置されているため、法令上の緩和措置を受けることができる。つまり、袖壁20が無い場合よりも、窓65,72間の間隔を短くすることもできる。
なお、本実施の形態では、居住空間203の窓72はバルコニー73に面しており、このバルコニー73の一方の側面が袖壁20の左側面20cによって規定されている。このことは、3階の居住空間303においても同じである。
3階部分に注目すると、紙面右側の居住空間302のバルコニー62と、紙面左側の居住空間303のバルコニー73とが、袖壁20の両隣に配置されている。このように、異なる世帯のバルコニー62,73が、それらよりも前方に突出する袖壁20によって完全に仕切られるため、居住空間302,303の独立性を高めることができる。つまり、袖壁20は、隣り合う居住空間302,303のバルコニー62,73を仕切る物理的な役目だけでなく、それぞれの世帯(居住者)のプライバシー性の向上という心理的な効果も生じさせることができる。なお、2階部分のように、袖壁20のいずれか一側方にのみバルコニーが設けられる場合であっても、袖壁20の両側方ともにバルコニーが無い場合に比べて、隣り合う二世帯のプライバシー性を向上させることができる。
また、格子部材52の奥に位置する一方のバルコニー62を、袖壁20を向くように配置することができるため、1つの建物1内において、様々なタイプの住戸プランが可能となる。また、4階部分のように、正面の外側面部11側に、一世帯に対応する居住空間402のみが配置されている場合においても、袖壁20を境として、形態の異なるバルコニー62,73を並べることができるため、単調とならず魅力的な住戸プランを提供することができる。
以上説明したように、本実施の形態に係る建物1は、正面側の略中央位置に象徴的な袖壁20を備え、その両側にそれぞれ、略平坦な外観形状を呈する第1領域15と、凹凸状の外観形状を呈する第2領域16とが配置されている。第1領域15は、その上方階部分42および下方階部分43共に、上下方向の凹凸が形成されていない。これに対し、第2領域16は、袖壁20に交差し、外壁部32,33,34よりも前方へ突出する複数の庇部31を有している。つまり、建物1の正面側の外観は、袖壁20を境として、落ち着きのある雰囲気の外観と軽快な雰囲気の外観とが組み合わせられており、スタイリッシュな印象となっている。したがって、本実施の形態に係る建物1は、従来よりも意匠性が向上されている。
また、第1領域15には、袖壁20に交差し、3階分の高さを有する格子部材52が設けられている。これにより、その奥に位置するバルコニー62の存在を目立たなくすることができる。また、この格子部材52が基準面110の一部を構成することで、略平坦な外観形状である第1領域15の単調な印象を軽減することができる。したがって、建物1全体の高級感を増すことができる。
また、建物1の玄関扉64が、第1領域15の下方階部分43の後退壁部54に設けられている。そのため、帯材41を、建物1の玄関前空間100の上部を覆う薄型の庇部材とする場合であっても、基準面110からの帯材41の突出寸法を小さく抑えることができる。したがって、第1領域15全体を平坦な印象とすることができる。また、その結果、大型の庇部31の出っ張りによる第2領域16の凹凸形状を際立たせることができる。
また、第1領域15に一部、後退壁部54が設けられることにより、第1領域15の外観形状を完全に平坦状とするよりも、外観の変化を愉しむことができる。また、後退壁部54は2階分の高さを有しているため、玄関前空間100が吹抜け空間となっている。また、玄関前空間100の左側面は、建物1の中央にそびえ立つ袖壁20の右側面20bにより規定される。これにより、玄関前空間100が開放的で贅沢な雰囲気となっている。
上述のような建物1によれば、観る者に高級感を感じさせることができ、また、居住者にステータス感を与えることができる。
さらに、本実施の形態に係る建物1は、正面側に表れる要素の色調(色彩の強弱および濃淡の調子)を単調とせず、明色系と暗色系の双方を用いている。図5には、建物1の正目側に表れる要素のうち、暗色系の要素にハッチングを付している。すなわち、袖壁20、帯材41、および立壁53が、暗色系(たとえば、黒系、茶系、紺系)であり、庇部31および他の外壁面が明色系(たとえば、白系、黄色系)である。なお、袖壁20、帯材41、および立壁53が、他の要素の色よりも濃い色であれば、明色系と暗色系とに分ける例に限定されない。
このように、袖壁20、帯材41、および立壁53が、他の要素よりも濃い色とされることで、これらの要素が強調される。帯材41が袖壁20から右側方に延び、立壁53が、袖壁20から離れた位置において帯材41から下方に延びているため、色の濃い要素20,41,53の組み合わせにより、椅子の側面形状を連想することもでき、斬新なデザインとなっている。
なお、袖壁20、帯材41、および立壁53はいずれも、外表面全体が暗色系でなくてもよく、少なくとも表面が暗色系であればよい。他の要素も同様に、少なくとも表面が明色系であればよい。また、他の要素のうち、格子部材52、玄関扉64、およびシャッター部材71の表面も、庇部31の表面および外壁面よりも濃い色であってもよい。
あるいは、図5に示すような例に限らず、少なくとも、袖壁20の表面の色調または素材が、それ以外の要素の色調または素材と異なっていればよい。より広くは、袖壁20の表面と庇部31の表面とが、色調および素材の少なくともいずれか一方が異なっていればよい。
以上説明した建物1は、賃貸併用二世帯住宅を意図した建物であることとしたが、単に複数の住戸(居住空間)を有する集合住宅用の建物であってもよいし、一世帯専用の一戸建ての建物であってもよい。後者の場合、上述の居住空間を部屋空間と読み替えればよい。あるいは、ホテルなど、住居用でない建物であってもよい。
また、建物1は、少なくとも複数階建てであれば5階建てに限定されないが、上方階部分42の高さ寸法を下方階部分43の高さ寸法よりも大きくするためには、3階建て以上であることが望ましい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 (住居用)建物、10 建物本体、11〜14 外側面部、15 第1領域、16 第2領域、20 袖壁、31 庇部、32,33,34,55,56 外壁部、41 帯材、42 上方階部分、43 下方階部分、52 格子部材、53 立壁、54 後退壁部、61,63,65,72,74 窓、62,73 バルコニー、64 玄関扉、66 遮蔽壁部、71 シャッター部材、73a 手摺壁、100 玄関前空間、110 基準面。

Claims (9)

  1. 複数階分の高さを有し、複数の外側面部によって輪郭が定められた建物本体と、
    前記複数の外側面部のうち正面側に位置する外側面部を、正面視において第1領域と第2領域とに横幅方向に分断するように、前記正面側の外側面部よりも手前側に突出し、かつ、前記正面側の外側面部の下端から上端まで上方に延びる袖壁とを備え、
    前記第1領域は、略平坦な外観形状を呈し、
    前記第2領域は、上下方向に互いに間隔をあけて位置する複数の庇部が設けられることにより形成される、凹凸状の外観形状を呈する、建物。
  2. 前記第2領域は、上下方向に隣り合う前記庇部間に位置する窓を含み、
    前記窓は、前記袖壁の側面に隣接または近接した位置に配置されている、請求項1に記載の建物。
  3. 上下方向に隣り合う前記庇部間には、バルコニーが形成され、
    前記バルコニーの側面が、前記袖壁の側面によって規定されている、請求項1または2に記載の建物。
  4. 前記第1領域の一部は、前記袖壁の側面に交差する格子部材によって構成されており、
    前記格子部材の奥に、前記袖壁の側面に面するバルコニーが配置されている、請求項1〜3のいずれかに記載の建物。
  5. 前記第1領域は、前記袖壁の側面に接して横幅方向に延びる帯材によって、上方階部分と下方階部分とに区分されており、
    前記下方階部分は、前記袖壁から離れて位置し、地面から前記帯材まで延びる立壁と、前記袖壁と前記立壁との間に位置し、前記立壁よりも奥に位置する後退壁部とを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の建物。
  6. 前記上方階部分の高さ寸法は、前記下方階部分の高さ寸法よりも大きい、請求項5に記載の建物。
  7. 前記後退壁部に、前記建物本体の内部へと繋がる玄関扉が設けられている、請求項5または6に記載の建物。
  8. 前記帯材および前記立壁の色調は、前記袖壁の色調と同じであり、かつ、前記庇部および他の外壁面の色調と異なっている、請求項5〜7のいずれかに記載の建物。
  9. 前記袖壁と前記庇部とは、色調および素材の少なくともいずれか一方が異なっている、請求項1〜7のいずれかに記載の建物。
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