JP2022143932A - 建物 - Google Patents
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Abstract
【課題】屋内の居住者に開放感を与えるとともに、居住者のプライバシーも保護すること。【解決手段】本発明の建物(1)は、上下方向に隣接する上階および下階を含み、上階および下階に亘って設けられた外壁部(30)と、外壁部の室内側に位置し、上階および下階に亘って連続的に設けられた吹き抜け空間(50)と、外壁部の上階部分および下階部分に設けられ、上下方向に連なる連窓(40)と、外壁部の左右方向一端部から屋外方向へ張り出すように設けられ、下階の床レベルから上階の天井レベルまで延びる第1袖壁(11)と、外壁部の下階部分の屋外側に設けられ、下階の床レベルに設けられた第1床と、上下方向高さが1500mm以上である第1腰壁(11)とを含む第1バルコニー(10)とを備え、第1腰壁は、左右方向の一端部が第1袖壁に接続され、左右方向の他端部が外壁部の左右方向途中位置まで延びている。【選択図】図1
Description
新規性喪失の例外適用申請有り
本発明は、建物に関し、特に、複数階建ての建物に関する。
従来から、プライバシーを確保するために、次のような住宅が提案されている。特開2020-117941号公報(特許文献1)では、1階に配置された居室と、居室と屋外とを仕切る外壁部に設けられた窓部と、窓部の屋外側に設けられ、1階の床レベルから天井レベルに亘る高さ寸法を有する壁部に囲まれた中庭とを備える住宅が開示されている。
特許文献1の住宅では、中庭が壁部に囲まれているため、居住者のプライバシーを確保することができる。しかしながら壁部は1階の床レベルから天井レベルに亘って設けられているため閉塞感があり、1階の居室にいる居住者は開放感を十分に得ることができない。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、屋内の居住者に開放感を与えるとともに、居住者のプライバシーも保護できる建物を提供することである。
本発明のある局面に従う建物は、上下方向に隣接する上階および下階を含む建物であって、上階および下階に亘って設けられた外壁部と、外壁部の室内側に位置し、上階および下階に亘って連続的に設けられた吹き抜け空間と、外壁部の上階部分および下階部分に設けられ、上下方向に連なる連窓と、外壁部の左右方向一端部から屋外方向へ張り出すように設けられ、下階の床レベルから上階の天井レベルまで延びる第1袖壁と、外壁部の下階部分の屋外側に設けられ、下階の床レベルに設けられた第1床と、上下方向高さが1500mm以上である第1腰壁とを含む第1バルコニーとを備え、第1腰壁は、左右方向の一端部が第1袖壁に接続され、左右方向の他端部が外壁部の左右方向途中位置まで延びている。
好ましくは、連窓は、吹き抜け空間の下階床レベルから上階天井レベルまで延びている。
好ましくは、連窓は、外壁部の上階部分に設けられた上階窓と、外壁部の下階部分に設けられた下階窓とを備え、上階窓と下階窓との間隔は、800mm以下である。
好ましくは、外壁部の左右方向他端部から屋外方向へ張り出すように設けられ、下階の床レベルから上階の天井レベルまで延びる第2袖壁と、第1バルコニーと第2袖壁との間に設けられ、下階の床レベルに設けられた第2床と、第2腰壁とを含む第2バルコニーをさらに備え、第2腰壁の高さは、第1腰壁の高さよりも低い。
好ましくは、第2腰壁は、透光性を有する材料で形成される。
好ましくは、第2バルコニーの屋外方向への張り出し寸法は、第1バルコニーの屋外方向への張り出し寸法よりも小さい。
好ましくは、吹き抜け空間は、居室空間である。
好ましくは、第1袖壁の屋外方向への張り出し寸法は、910mm以上1820mm以下である。
好ましくは、第1腰壁の高さ寸法は、1500mm以上2000mm以下である。
さらに好ましくは、建物は陸屋根をさらに備える。陸屋根は、上階の天井レベルにおいて、外壁部よりも屋外方向へ張り出すように形成されている。
好ましくは、陸屋根の屋外方向への張り出し寸法は、第1袖壁の張り出し寸法と同じである。
本発明によれば、居住者に開放感を与えつつ、居住者のプライバシーの保護を図ることができる。
本実施の形態に係る建物について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1~4を参照して、本実施の形態に係る建物1について説明する。図1には、建物1の外観斜視図が示されている。以下の説明において、建物1の正面側に設けられた外壁部30を基準にして、外壁部30よりも屋外側を屋外方向、外壁部30よりも屋内側を屋内方向という。なお、建物1の正面側とは、たとえば玄関扉が設けられる側か、屋外の通路に面する側を表している。本実施の形態では、屋外の通路に面する側を正面側としている。
建物1は、たとえば一戸建ての住宅であり、居住空間を形成する建物である。建物1は、複数階建てであり、たとえば3階建ての建物である。
建物1は、屋内空間を取り囲むように配置された外壁3を有している。外壁3は、典型的には、建物1の正面側、裏面側、および左右の側面側において、屋内空間と屋外空間とを仕切るようにそれぞれ配置される4つの外壁部を含む。各外壁部は、平面視において建物1の一辺を構成しており、外壁面の一部が後退または突出させられることによる凹凸を有していてもよい。各外壁部は、建物1の1階から3階に亘って配置されている。
ここで、建物1は、その正面側の外壁部(以下、「正面外壁」という)30の屋内側に位置し、3階および2階に亘って連続的に設けられた吹き抜け空間50を備える。吹き抜け空間50は、居室空間である。本実施の形態では、吹き抜け空間50は3階および2階に亘って設けられることとしたが、複数階に亘って設けられているのであれば、この構成に限定されない。すなわち、たとえば3階から1階に亘って設けられていてもよいし、2階から1階に亘って設けられていてもよい。
建物1は、正面外壁30の上階部分32および下階部分31に設けられ、上下方向に連なる連窓40を備える。本実施の形態の連窓40は、吹き抜け空間50の2階床レベルから3階天井レベルまで延びており、正面外壁30の上階部分32に設けられた上階窓42と、正面外壁30の下階部分31に設けられた下階窓41とを備える。これにより、建物1は居室空間50に複数階に跨る大開口窓を有することになるので、居住者は、屋内から大きく広がる空を見上げることができ、開放感を得ることができる。
上階窓42および下階窓41は、窓枠(サッシ)と、窓枠に嵌め込まれた窓とを含む。窓の種類については特に限定されないが、上階窓42は、すっきりとした外観意匠性にする観点から、たとえばFIX窓(固定窓)であることが好ましい。下階窓41は、後述する第1バルコニー10に出入り可能な構成とする観点から、たとえば引き違い窓であることが好ましい。
上階窓42および下階窓41は、帯状に連ねられて連窓40を構成している。ここで言う「連窓」とは、正面外壁30の上下方向に沿って連続して設けられた複数の窓である。上階窓42および下階窓41は、互いに隣接または近接して配置されている。ここで言う「隣接または近接」とは、窓41,42が上下方向に連なっている印象を得ることのできる範囲内での間隔を開けて設けられることを含み、2階の天井レベル(3階の床レベル)に要する厚みだけ外壁部が設けられていてもよい。以下の説明において、上階窓42および下階窓41との間に位置する正面外壁30を、帯状外壁部33という。
図3を参照して、上階窓42と下階窓41との間隔(すなわち帯状外壁部33の高さ寸法)A1は、800mm以下である。好ましくは、建物の耐震強度を確保する観点から、下限値は480mm以上である。さらに好ましくは、居室空間50により多くの光を取り込ませる観点から、480mm以上600mm以下である。
また、連窓40は、正面外壁30の上階部分32および下階部分31において、左右方向に沿って一列に、互いに隣接または近接して配置された複数の窓からなる構成を有していてもよい。ここでいう「隣接又は近接」とは、複数の上階窓42または複数の下階窓41が各々正面外壁30の左右方向沿って連なっている印象を得ることのできる範囲内での間隔を開けて設けられることを含む。すなわち、各窓の間にサッシのみを介するものや、サッシおよび外壁部を介するものを含む。
なお、本実施の形態の上階窓42および下階窓41は、各階の床レベルから天井レベルまで延びる1枚の窓で構成されることとしたが、各階において、複数の窓が正面外壁30の上下方向に沿って一列に、互いに隣接または近接して配置された構成を有していてもよい。また、連窓40は、上階窓42および下階窓41と区別せずに、上下階に跨る1枚の窓で構成されていてもよい。
建物1は、正面外壁30の左右方向一端部から屋外方向へ張り出すように設けられ、少なくとも2階の床レベルから3階の天井レベルまで延びる第1袖壁11を備える。第1袖壁11は正面外壁30に交差しており、少なくとも連窓40が設けられる階の正面外壁30の左右方向一端部に設けられる。これにより、屋外の通行人から連窓40を介して居室空間50の居住者に向けられる視線を遮ることができ、居住者のプライバシーを保護することができる。
図4を参照して、第1袖壁11の屋外方向への張り出し寸法(すなわち正面外壁30からの第1袖壁11の張り出し寸法)A2は、910mm以上1820mm以下である。また、居住者のプライバシーを保護しつつ閉塞感を解消する観点から、好ましくは1365mm以上1820mm以下である。
建物1は、正面外壁30の2階部分31の屋外側に設けられる第1バルコニー10を備える。第1バルコニー10は、第1床13と、第1腰壁12とを含む。第1腰壁12は、左右方向の一端部が第1袖壁11に接続され、左右方向の他端部が外壁部の左右方向途中位置まで延びている。換言すれば、第1腰壁12は、後述する第2袖壁21から間隔を開けて設けられている。
図3を参照して、第1腰壁12は、上下方向高さ(すなわち第1床13表面からの高さ寸法)A3が1500mm以上であるハイウォール腰壁である。好ましくは、上下方向高さA3は、1500mm以上2000mm以下である。また、プライバシーを保護しつつ居室空間50における開放感を確保する観点から、さらに好ましくは1525mm以上1845mm以下である。上下方向高さA3は、一般的なバルコニーの腰壁の上下方向高さ(高くても1200mm程度)よりも300mm以上高いことを特徴とする構成である。これにより、屋外の通行人から居室空間50の居住者へ向けられる視線を遮ることができ、プライバシーを保護することができる。
第1バルコニー10の第1床13は、2階の床レベルに設けられ、たとえば2階の床レベルと同じ高さレベルに設けられる。ここで言う「同じ高さレベル」は、施工により生じる段差を含む。第1床13と2階の床とを連続的に見せる観点から、下階窓41を取り付けるためのサッシにはフラットサッシを用いることが好ましい。これにより、居室空間50の床と第1床13とがまたぎ段差なく連続的に見えるため、居室空間50の居住者は、居室空間50を屋外にまで拡張しているかのような感覚をもつことができる。本実施の形態では、第1床13の正面外壁30からの突出寸法は、第1袖壁11の張り出し寸法A2と略等しい。すなわち、第1袖壁11は第1バルコニー10の側壁と見做すこともできる。
建物1は、正面外壁30の左右方向他端部側において、屋外方向へ張り出すように設けられる第2バルコニー20をさらに備える。第2バルコニー20は、第2袖壁21と、第2床23と、第2腰壁22とを含む。
図4を参照して、第1バルコニ-10の他端部側と第2袖壁21との間の間隔(すなわち第2腰壁22の左右方向の幅寸法)A4は、910mm以上1820mm以下である。第2バルコニー20の面積を十分に確保する観点から、好ましくは1300mm以上1820mm以下である。
本実施の形態の第2バルコニー20の屋外方向への張り出し寸法A5は、第1バルコニー10の屋外方向への張り出し寸法(すなわち第1袖壁11の張り出し寸法A2)よりも小さい。張り出し寸法A5は、1400mm以下である。プライバシー保護の観点から、好ましくは910mm以上1400mm以下である。
また、第2バルコニー20の張り出し寸法A5と第1バルコニー10の張り出し寸法A2の差分(すなわち、第2バルコニー20に対する第1バルコニー10の張り出し寸法)A6は、455mm以上910mm以下である。これにより、建物1のファサードに凹凸が形成され、立体感のある外観とすることができる。
第2袖壁21は、正面外壁30の左右方向他端部から屋外方向へ張り出すように設けられ、少なくとも2階の床レベルから3階の天井レベルまで延びる。本実施の形態では、第2腰壁22の左右方向他端部は第2袖壁21に接続しており、第2袖壁21は正面外壁30の他端部と交差している。これにより、屋外の通行人から居室空間50の居住者へ向けられる視線を遮ることができる。また、本実施の形態の第2袖壁21の正面外壁30からの突出寸法は、第2バルコニー20の屋外方向への張り出し寸法A5と略等しい。すなわち、第2袖壁21は第2バルコニー20の側壁と見做すこともできる。
第2袖壁21の幅寸法A7は、910mm以上1820mm以下である。このうち一部(すなわち寸法A7から寸法A5を差し引いた分)は、建物1の左側面側の外壁部の一部としての役割も担う。これにより、第2袖壁21は、居住空間を形成する役割と袖壁として居住者のプライバシーを保護する役割の両方を担うことができる。
第2腰壁22の高さは、第1腰壁12の高さよりも低い。図3を参照して、第2腰壁22の上下方向高さ(すなわち第2床23表面からの高さ寸法)A8は、1000mm以上1200mm以下である。建物の外観の圧迫感を解消する観点から、好ましくは1100mm以上1150mm以下である。第2腰壁22の高さ寸法A8を第1腰壁12の高さ寸法A3よりも低くすることで、外観の圧迫感を解消でき、高さのある腰壁によって閉鎖的な印象となってしまうことを防止できる。
第2腰壁22は、透光性を有する材料で形成される。具体的には、たとえばアクリル板、擦りガラス、水平ルーバなどである。これにより、建物1を正面側から見た際の圧迫感を解消することができ、外観意匠性を向上することができる。また、図2を参照して、第2腰壁22が透光性を有しているからこそ、居室空間50においても、第2バルコニー20の屋内側に位置する空間へ十分な光を取入れることができる。
第2床23は、2階の床レベルに設けられ、たとえば2階の床レベルと同じ高さレベルに設けられる。また、第2床23は、第1バルコニー10と第2袖壁21との間において、第1床13と同じ高さレベルに設けられる。本実施の形態の第2バルコニー20は、第1バルコニー10の他端部側と隣接して配置されている。この場合、第1バルコニー10の第1床13と第2バルコニー20の第2床23とは、段差なく連続的に連なっており、互いに行き来可能な構成であることが好ましい。
本実施の形態では、第2バルコニー20に面する正面外壁30に、居室空間50へ通じる掃き出し窓43が設けられている。これにより、透光性を有する第2腰壁22からの光をより多く居室空間50へ取り込むことができる。また、掃き出し窓43は、2階の床レベルから天井レベルに亘って設けられることが好ましい。これにより、居室空間50と屋外とが連続的に見えるため、居室空間50の居住者は、より屋外との一体感を得ることができる。
建物1は、3階の天井レベルにおいて、正面外壁30よりも屋外方向へ張り出すように形成されている陸屋根7をさらに備える。陸屋根7は、連窓40の上方位置において屋外方向へ突出しているため、庇の役割を担う。これにより、居室空間50に適度な採光を取入れることができる。
本実施の形態の陸屋根7の正面外壁から屋外方向への張り出し寸法は、第1袖壁11の張り出し寸法A2と略同一である。また、陸屋根7の一端部は第1袖壁11の上端と連結している。これにより、第1袖壁11の屋外側端面と陸屋根7の屋外側端面とを面一状に形成でき、正面視において逆L字形状のインパクトのある外観とすることができる。
また、建物1の凹凸を際立たせる観点から、陸屋根7と、第1袖壁11と、第1腰壁12と、第2腰壁22と、第2袖壁21の色を、正面外壁30の色と異ならせてもよい。この場合、外観の圧迫感を解消する観点から、正面外壁30の色の方が濃色とするのが好ましい。
本実施の形態の建物1は、居室空間50が2階および3階に亘って連続的に設けられた吹き抜け空間50であり、吹き抜け空間50に面する正面外壁30に上下方向に跨る連窓40が設けられている。このような構成のため、図2に示すように、2階部分に上下方向高さが1500mm以上ある第1腰壁12を設けても、居室空間50から空が見えるため、まるで屋外にいるかのようなダイナミックな開放感を得ることができる。また、上下方向高さのある第1腰壁12および正面外壁30から突出した第1袖壁11を備えるため、屋外の通行人から向けられる視線を遮ることができる。すなわち、本実施の形態の建物1によれば、居住者に開放感を与えつつ、居住者のプライバシーの保護を図ることができる。
本実施の形態の建物1は、第2腰壁22が第1腰壁12よりも後退しており、かつ透光性のある部材で構成されている。これにより、屋内側からみた際の閉塞感を解消でき、かつ屋外側からみた際の圧迫感を解消することができる。すなわち、第1腰壁12が、2階部分の左右方向全てに亘って設けられていないからこそ、外観の意匠にアクセントを付加することができ、より外観意匠性を向上することができる。
なお、本実施の形態では、陸屋根7の張り出し寸法が第1袖壁11の張り出し寸法A2と略同じである場合について説明したが、陸屋根7の張り出し寸法は第1袖壁11の張り出し寸法A2よりも小さくてもよい。これにより、居住者が空を見上げた際に、陸屋根7に視界を遮られることなくより多くの空を見ることができるため、居住者はさらに開放感を得ることができる。
なお、本実施の形態では、建物1は陸屋根7が屋外方向へ張り出すように形成されていることとしたが、陸屋根7は屋外方向へ張り出していなくてもよい。この場合、上階窓42の上方位置から屋外方向へ張り出すように形成された軒天(図示せず)を設けてもよい。これにより、軒天は庇の役割を担うことができる。
また、図2に示すように、居室空間50には、連窓40および第2バルコニー20へ通じる掃き出し窓43以外の窓が設けられていてもよい。たとえば、建物1の左側面側にも第3バルコニー60を設け、掃き出し窓44を設けることもできる。これにより、たとえば下階の居室空間50の上階に室が設けられた場合でも、十分な採光性を得ることができる。
また、本実施の形態では、第1腰壁12の上下方向高さA3は1500mm以上であるとしたが、特に吹き抜け空間50が2階から1階に亘って設けられる場合、上下方向高さA3は1600mm以上であることが好ましい。また、プライバシーを保護する観点から、1700mm以上2500mm以下であることがさらに好ましい。この場合であっても、上階窓42から十分に採光を取入れることができるため、プライバシーの保護と屋内空間の開放感とを兼ね備えることができる。
また、本実施の形態では、第1袖壁11の張り出し寸法A2と第2袖壁21の張り出し寸法A5との間で差分を出す観点から、第2バルコニー20の張り出し寸法A5を寸法A2よりも小さくなるように規定した。しかしながら、第1袖壁11の張り出し寸法A2および第2袖壁21の張り出し寸法A5は同じであってもよい。寸法A2および寸法A5は、たとえば1100mm以上1820mm以下である。これにより、居住者のプライバシーを十分に保護することができる。また、この場合であっても、第2バルコニー20の第2腰壁22は、第2袖壁21の屋外側端面よりも寸法A6だけ後退して配置する。これにより、建物1のファサードに凹凸が形成されるため、建物の外観の圧迫感を解消することができる。
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
1 建物、3 外壁、7 陸屋根、10 第1バルコニー、11 第1袖壁、12 第1腰壁、13 第1床、23 第2床、20 第2バルコニー、21 第2袖壁、22 第2腰壁、30 外壁部(正面外壁)、31 外壁部の下階部分、32 外壁部の上階部分、33 帯状外壁部、40 連窓、41 下階窓、42 上階窓、50 吹き抜け空間(居室空間)。
Claims (11)
- 上下方向に隣接する上階および下階を含む建物であって、
前記上階および前記下階に亘って設けられた外壁部と、
前記外壁部の室内側に位置し、前記上階および前記下階に亘って連続的に設けられた吹き抜け空間と、
前記外壁部の上階部分および下階部分に設けられ、上下方向に連なる連窓と、
前記外壁部の左右方向一端部から屋外方向へ張り出すように設けられ、下階の床レベルから上階の天井レベルまで延びる第1袖壁と、
前記外壁部の下階部分の屋外側に設けられ、下階の床レベルに設けられた第1床と、上下方向高さが1500mm以上である第1腰壁とを含む第1バルコニーとを備え、
前記第1腰壁は、左右方向の一端部が前記第1袖壁に接続され、左右方向の他端部が前記外壁部の左右方向途中位置まで延びている、建物。 - 前記連窓は、前記吹き抜け空間の下階床レベルから上階天井レベルまで延びている、請求項1に記載の建物。
- 前記連窓は、前記外壁部の上階部分に設けられた上階窓と、前記外壁部の下階部分に設けられた下階窓とを備え、
前記上階窓と前記下階窓との間隔は、800mm以下である、請求項1または2に記載の建物。 - 前記外壁部の左右方向他端部から屋外方向へ張り出すように設けられ、下階の床レベルから上階の天井レベルまで延びる第2袖壁と、
前記第1バルコニーと前記第2袖壁との間に設けられ、下階の床レベルに設けられた第2床と、第2腰壁とを含む第2バルコニーをさらに備え、
前記第2腰壁の高さは、前記第1腰壁の高さよりも低い、請求項1~3のいずれかに記載の建物。 - 前記第2腰壁は、透光性を有する材料で形成される、請求項4に記載の建物。
- 前記第2バルコニーの屋外方向への張り出し寸法は、前記第1バルコニーの屋外方向への張り出し寸法よりも小さい、請求項4または5に記載の建物。
- 前記吹き抜け空間は、居室空間である、請求項1~6のいずれか1項に記載の建物。
- 前記第1袖壁の屋外方向への張り出し寸法は、910mm以上1820mm以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載の建物。
- 前記第1腰壁の高さ寸法は、1500mm以上2000mm以下である、請求項1~8のいずれか1項に記載の建物。
- 陸屋根をさらに備え、
前記陸屋根は、前記上階の天井レベルにおいて、前記外壁部よりも屋外方向へ張り出すように形成されている、請求項1~9のいずれか1項に記載の建物。 - 前記陸屋根の屋外方向への張り出し寸法は、前記第1袖壁の張り出し寸法と同じである、請求項10に記載の建物。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80 Effective date: 20210319 |
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