JP2017165602A - 酸窒化珪素結晶の製造方法 - Google Patents

酸窒化珪素結晶の製造方法 Download PDF

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賢明 岩瀬
Yoshiaki Iwase
賢明 岩瀬
洋慈 堀江
Youji Horie
洋慈 堀江
岡崎 栄一
Eiichi Okazaki
栄一 岡崎
岩本 雄二
Yuji Iwamoto
雄二 岩本
沢雄 本多
Sawao Honda
沢雄 本多
裕介 大幸
Yusuke Taiko
裕介 大幸
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Abstract

【課題】酸窒化珪素結晶を効率よく製造する方法の提供。【解決手段】本発明は、下記一般式(1)で表される構造単位を含むポリアルコキシシラザンを熱分解して、酸窒化珪素結晶を製造する方法である。【化1】(式中、R1は炭化水素基である。)【選択図】なし

Description

本発明は、酸窒化珪素結晶を効率よく製造する方法に関する。
酸窒化珪素は、耐熱性及び機械的特性に加えて耐酸化性に優れることから、エンジンノズル、タービンブレード等への適用が期待されるセラミック材料である。
一般に、酸窒化珪素は、金属珪素、二酸化珪素及び金属触媒を混合し、高温下で窒化焼成することにより製造されるが、これにより得られる酸窒化珪素は、金属触媒等の不純物を含むものであった。金属不純物が混入した場合、セラミック製品の特性や耐久性等への影響が懸念される。また、非特許文献1及び2には、ポリシロキサン及びポリシラザンからなるハイブリッドポリマーや、ポリシリルオキシカルボジイミド等の有機珪素化合物の加熱処理により酸窒化珪素を得る方法も報告されているが、アンモニア、酸素等の雰囲気下で高温加熱する必要があり、安全性や設備上の制約があり、また、得られる酸窒化珪素の収率も十分なものではない。
Y.Yu, T.Mah, in "Better Ceramics Through Chemistry II", Material Research Society (USA) Simposium Proceedings, edited by C.J.Brinker,D.E.Clark and D.R.Ulrich (Materials Research Society,Pittsburgh, PA, 1986) 559−564 H.Cheng et al., J. European Ceramic Society, 33(2013) 2181−2189
本発明の課題は、金属触媒等に由来する不純物を含まず、安全性や設備上の制約の少ない酸窒化珪素結晶を効率よく製造する方法を提供することである。
本発明者らは、アルコキシ基を有するポリシラザンを原料とすることにより、酸窒化珪素結晶が効率よく製造されることを見い出し、本発明を完成するに至った。
1.下記一般式(1)で表される構造単位を含むポリアルコキシシラザン(以下、「ポリアルコキシシラザン原料」という)を熱分解して、酸窒化珪素結晶を製造する方法。
Figure 2017165602
(式中、Rは炭化水素基である。)
2.上記一般式(1)におけるRが、炭素原子数1〜8の、直鎖状、分岐状若しくは環状の飽和炭化水素基、又は、炭素原子数が2〜6である、直鎖状若しくは分岐状の不飽和炭化水素基である上記1に記載の酸窒化珪素結晶の製造方法。
3.上記ポリアルコキシシラザンの熱分解を、不活性ガス雰囲気下で行う上記1又は2に記載の酸窒化珪素結晶の製造方法。
4.上記ポリアルコキシシラザンの熱分解を、加圧条件下で行う上記1乃至3のいずれか一項に記載の酸窒化珪素結晶の製造方法。
本発明によれば、特定のポリアルコキシシラザンを製造原料とするため、効率よく酸窒化珪素結晶を製造することができる。
実施例1で得られた熱分解生成物のX線回折像である。 実施例2で得られた熱分解生成物のX線回折像である。 実施例3で得られた熱分解生成物のX線回折像である。 実施例4で得られた熱分解生成物のX線回折像である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における酸窒化珪素結晶の製造方法は、下記一般式(1)で表される構造単位(以下、「構造単位(a1)」という)を含むポリアルコキシシラザン原料を熱分解することを特徴とする。
Figure 2017165602
(式中、Rは炭化水素基である。)
上記構造単位(a1)におけるRは、炭化水素基であり、炭素原子数が好ましくは1〜12、より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜4の炭化水素基である。尚、この炭化水素基は、飽和炭化水素基及び不飽和炭化水素基のいずれでもよい。
が飽和炭化水素基の場合、直鎖状、分岐状及び環状のいずれの構造を含んでもよい。また、その炭素原子数は好ましくは1〜12、より好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜4である。
上記飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基等のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロプロピルエチル基、シクロペンチルエチル基、シクロヘキシルエチル基、シクロヘプチルエチル基、シクロプロピルプロピル基、シクロペンチルプロピル基等のシクロアルキル基が挙げられる。
が不飽和炭化水素基の場合、直鎖状、分岐状及び環状のいずれの構造を含んでもよい。また、その炭素原子数は好ましくは2〜8、より好ましくは2〜6、更に好ましくは2〜4である。
上記不飽和炭化水素基としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、ペンテニル基、3−メチル−1−ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基等が挙げられる。
上記ポリアルコキシシラザン原料は、構造単位(a1)を1種のみ含んでよいし、2種以上含んでもよい。上記ポリアルコキシシラザン原料に含まれる構造単位(a1)の含有割合の下限は、上記ポリアルコキシシラザン原料に対して、好ましくは20質量%、より好ましくは50質量%、更に好ましくは80質量%である。上記ポリアルコキシシラザン原料は、構造単位(a1)のみからなることが特に好ましい。
上記ポリアルコキシシラザン原料は、上記構造単位(a1)以外に、下記一般式(2)で表される構造単位(以下、「構造単位(a2)」という)、下記一般式(3)で表される構造単位(以下、「構造単位(a3)」という)、下記一般式(4)で表される構造単位(以下、「構造単位(a4)」という)、下記一般式(5)で表される構造単位(以下、「構造単位(a5)」という)等の他の構造単位を含んでもよい。他の構造単位は、以下に示され、これらの構造単位がシラザン結合により形成されたポリアルコキシシラザンとすることができる。
Figure 2017165602
(式中、Rは炭化水素基であり、Rは炭化水素基であり、Rは、水素原子又は炭化水素基であり、mは1〜3の整数である。)
上記一般式(2)で表される構造単位(a2)において、Rは、炭化水素基であり、炭素原子数が好ましくは1〜12、より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜4の炭化水素基である。尚、この炭化水素基は、上記構造単位(a1)に含まれるRと同じの又は異なる炭化水素基とすることができる。
上記一般式(4)で表される構造単位(以下、「構造単位(a4)」という)において、Rは、炭化水素基であり、炭素原子数が好ましくは1〜12、より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜4の炭化水素基である。尚、この炭化水素基は、上記構造単位(a1)に含まれるRと同じの又は異なる炭化水素基とすることができる。
上記一般式(5)で表される構造単位(以下、「構造単位(a5)」という)において、Rは、水素原子又は炭化水素基であり、炭化水素基の場合、上記構造単位(a1)に含まれるRと同じの又は異なる炭化水素基とすることができる。
上記ポリアルコキシシラザン原料は、好ましくは、下記一般式(6)で表されるポリアルコキシシラザンである。尚、各構造単位の縮合形態は、下記式の記載順の通りでなくてもよい。
Figure 2017165602
(式中、Rは炭化水素基であり、Rは、互いに同一又は異なって、炭化水素基であり、Rは、互いに同一又は異なって、炭化水素基である。aは0又は正の数であり、bは正の数であり、cは0又は正の数であり、dは0又は正の数である。)
酸窒化珪素結晶を効率よく形成させる観点から、上記一般式(6)においてb/(a+b+c+d)の値は、好ましくは0.2〜1.0であり、より好ましくは0.5〜1.0であり、更に好ましくは0.8〜1.0である。
上記一般式(6)で表されるポリアルコキシシラザンとしては、Rは、炭素原子数が好ましくは1〜12の飽和炭化水素基であり、Rは、炭素原子数が好ましくは1〜12の飽和炭化水素基であり、Rは、炭素原子数が好ましくは1〜12の飽和炭化水素基であるポリアルコキシシラザンが好ましい。
上記ポリアルコキシシラザン原料を調製する方法は、後述される。
本発明では、ポリアルコキシシラザン原料を熱分解することにより、酸窒化珪素結晶が製造される。熱分解温度は、酸窒化珪素結晶の形成性の観点から、好ましくは1400℃〜2200℃、より好ましくは1600℃〜2000℃、更に好ましくは1700℃〜2000℃である。そして、この熱分解温度における処理時間は、好ましくは1〜600分間、より好ましくは30〜300分間、更に好ましくは60〜120分間である。尚、加熱開始温度(常温)から熱分解温度までの昇温条件は、特に限定されず、昇温を一定速度とする方法、昇温と温度保持とを組み合わせる方法等とすることができる。
上記ポリアルコキシシラザン原料の熱分解を行う際の雰囲気は、酸窒化珪素の形成性の観点から、不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス等)を主とすることが好ましい。特に好ましい雰囲気は、窒素ガスを含む雰囲気である。また、圧力は、特に限定されないが、酸窒化珪素の形成性の観点から、加圧条件とすることが好ましい。この場合の圧力は、絶対圧として好ましくは100〜3000kPa、より好ましくは200〜1500kPaである。
本発明により、珪素原子、窒素原子及び酸素原子からなり、SiOで表される、酸窒化珪素の結晶を得ることができる。具体的には、熱分解生成物は、酸窒化珪素結晶と、シリカ(SiO)とを含むセラミック組成物である。このセラミック組成物に含まれる酸窒化珪素結晶の割合は、好ましくは20〜60質量%、より好ましくは30〜60質量%、更に好ましくは40〜60質量%である。
本発明によって、酸窒化珪素結晶を、高収率で製造することができる。本発明における酸窒化珪素結晶のポリアルコキシシラザン原料に対する収率は、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上である。
ここで、上記ポリアルコキシシラザン原料の調製方法について、説明する。上記構造単位(a1)を含むポリアルコキシシラザンは、下記一般式(11)で表される有機珪素化合物を含む原料をアンモノリシス重縮合反応に供することにより、得ることができる。
Figure 2017165602
(式中、R11は炭化水素基であり、Xはハロゲン原子である。)
上記一般式(11)において、R11は炭化水素基であり、炭素原子数が好ましくは1〜12、より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜4の炭化水素基である。尚、この炭化水素基は、上記構造単位(a1)に含まれるRと同じの又は異なる炭化水素基とすることができる。
また、Xはハロゲン原子であり、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子とすることができる。これらのうち、塩素原子及び臭素原子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。尚、複数のXは、互いに同一であってよいし、異なってもよい。
上記一般式(11)で表される有機珪素化合物としては、メトキシトリクロロシラン、エトキシトリクロロシラン、n−プロポキシトリクロロシラン、イソプロポキシトリクロロシラン、n−ブトキシトリクロロシラン、sec−ブトキシトリクロロシラン、tert−ブトキシトリクロロシラン、n−ペンチルオキシトリクロロシラン、n−ヘキシルオキシトリクロロシラン、n−ヘプチルオキシトリクロロシラン、2−エチルヘキシルオキシトリクロロシラン、n−オクチルオキシトリクロロシラン、n−ノニルオキシトリクロロシラン、n−デシルオキシトリクロロシラン、シクロヘキシルオキシトリクロロシラン等が挙げられる。
上記ポリアルコキシシラザンが、他の構造単位を含む場合、下記一般式(12)、(13)、(14)又は(15)で表される有機珪素化合物を用いることができる。
Figure 2017165602
(式中、R12は炭化水素基であり、R13は炭化水素基であり、R14は水素原子又は炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、Xはハロゲン原子であり、Xはハロゲン原子であり、Xはハロゲン原子であり、mは1〜3の整数である。)
上記一般式(12)で表される有機珪素化合物において、R12は炭化水素基であり、炭素原子数が好ましくは1〜12、より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜4の炭化水素基である。尚、この炭化水素基は、上記構造単位(a1)に含まれるRと同じの又は異なる炭化水素基とすることができる。尚、複数のR12は、互いに同一であってよいし、異なってもよい。
また、Xはハロゲン原子であり、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子とすることができる。これらのうち、塩素原子及び臭素原子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。尚、複数のXは、互いに同一であってよいし、異なってもよい。
上記一般式(12)で表される有機珪素化合物としては、ジメトキシジクロロシラン、ジエトキシジクロロシラン、ジ−n−プロポキシジクロロシラン、ジイソプロポキシジクロロシラン、ジ−n−ブトキシジクロロシラン、ジ−sec−ブトキシジクロロシラン、ジ−tert−ブトキシジクロロシラン、ジ−n−ペンチルオキシジクロロシラン、ジ−n−ヘキシルオキシジクロロシラン、ジ−n−ヘプチルオキシジクロロシラン、ジ−2−エチルヘキシルオキシジクロロシラン、ジ−n−オクチルオキシジクロロシラン、ジ−n−ノニルオキシジクロロシラン、ジ−n−デシルオキシジクロロシラン、ジシクロヘキシルオキシジクロロシラン等が挙げられる。
上記一般式(13)で表される有機珪素化合物において、Xはハロゲン原子であり、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子とすることができる。これらのうち、塩素原子及び臭素原子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。尚、複数のXは、互いに同一であってよいし、異なってもよい。
上記一般式(14)で表される有機珪素化合物において、R13は炭化水素基であり、炭素原子数が好ましくは1〜12、より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜4の炭化水素基である。尚、この炭化水素基は、上記構造単位(a1)に含まれるRと同じの又は異なる炭化水素基とすることができる。尚、複数のR13は、互いに同一であってよいし、異なってもよい。
また、Xはハロゲン原子であり、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子とすることができる。これらのうち、塩素原子及び臭素原子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。
上記一般式(14)で表される有機珪素化合物としては、トリメトキシクロロシラン、トリエトキシクロロシラン、トリ−n−プロポキシクロロシラン、トリイソプロポキシクロロシラン、トリ−n−ブトキシクロロシラン、トリ−sec−ブトキシクロロシラン、トリ−t−ブトキシクロロシラン、トリ−n−ペンチルオキシクロロシラン、トリ−n−ヘキシルオキシクロロシラン、トリ−n−ヘプチルオキシクロロシラン、トリ−2−エチルヘキシルオキシクロロシラン、トリ−n−オクチルオキシクロロシラン、トリ−n−ノニルオキシクロロシラン、トリ−n−デシルオキシクロロシラン、トリシクロヘキシルオキシクロロシラン等が挙げられる。
上記一般式(15)で表される有機珪素化合物において、R14は、水素原子又は炭化水素基であり、炭化水素基の場合、炭素原子数が好ましくは1〜12、より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜4の炭化水素基である。尚、この炭化水素基は、上記構造単位(a1)に含まれるRと同じの又は異なる炭化水素基とすることができる。尚、複数のR14は、互いに同一であってよいし、異なってもよい。
また、Xはハロゲン原子であり、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子とすることができる。これらのうち、塩素原子及び臭素原子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。尚、複数のXは、互いに同一であってよいし、異なってもよい。
上記一般式(15)におけるmが1のときの有機珪素化合物としては、トリハロゲン化シラン化合物、アルキルトリクロロシラン化合物等が挙げられる。トリハロゲン化シラン化合物としては、トリクロロシラン、トリブロモシラン、トリヨードシラン等が挙げられる。アルキルトリクロロシラン化合物としては、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、n−プロピルトリクロロシラン、イソプロピルトリクロロシラン、n−ブチルトリクロロシラン、sec−ブチルトリクロロシラン、tert−ブチルトリクロロシラン、n−ペンチルトリクロロシラン、n−ヘキシルトリクロロシラン、n−ヘプチルトリクロロシラン、2−エチルヘキシルトリクロロシラン、n−オクチルトリクロロシラン、n−ノニルトリクロロシラン、n−デシルトリクロロシラン、シクロヘキシルトリクロロシラン等が挙げられる。
また、上記一般式(15)におけるmが2のときのハロゲン化シラン化合物としては、ジクロロシラン、アルキルジクロロシラン化合物、ジアルキルジクロロシラン化合物等が挙げられる。アルキルジクロロシラン化合物としては、メチルジクロロシラン、エチルジクロロシラン、n−プロピルジクロロシラン、イソプロピルジクロロシラン、n−ブチルジクロロシラン、sec−ブチルジクロロシラン、tert−ブチルジクロロシラン、n−ペンチルジクロロシラン、n−ヘキシルジクロロシラン、n−ヘプチルジクロロシラン、2−エチルヘキシルジクロロシラン、n−オクチルジクロロシラン、n−ノニルジクロロシラン、n−デシルジクロロシラン、シクロヘキシルジクロロシラン等が挙げられる。ジアルキルジクロロシラン化合物としては、ジメチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、ジ−n−プロピルジクロロシラン、ジ−イソプロピルジクロロシラン、ジ−n−ブチルジクロロシラン、ジ−sec−ブチルジクロロシラン、ジ−tert−ブチルジクロロシラン、ジ−n−ペンチルジクロロシラン、ジ−n−ヘキシルジクロロシラン、ジ−n−ヘプチルジクロロシラン、ジ−2−エチルヘキシルジクロロシラン、ジ−n−オクチルジクロロシラン、ジ−n−ノニルジクロロシラン、ジ−n−デシルジクロロシラン、ジシクロヘキシルジクロロシラン等が挙げられる。
上記一般式(15)におけるmが3のときのハロゲン化シラン化合物としては、モノクロロシラン、ジアルキルクロロシラン化合物、トリアルキルクロロシラン化合物等が挙げられる。ジアルキルクロロシラン化合物としては、ジメチルクロロシラン、ジエチルクロロシラン、ジ−n−プロピルクロロシラン、ジ−イソプロピルクロロシラン、ジ−n−ブチルクロロシラン、ジ−sec−ブチルクロロシラン、ジ−tert−ブチルクロロシラン、ジ−n−ペンチルクロロシラン、ジ−n−ヘキシルクロロシラン、ジ−n−ヘプチルクロロシラン、ジ−2−エチルヘキシルクロロシラン、ジ−n−オクチルクロロシラン、ジ−n−ノニルクロロシラン、ジ−n−デシルクロロシラン、ジシクロヘキシルクロロシラン等が挙げられる。トリアルキルクロロシラン化合物としては、トリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、トリ−n−プロピルクロロシラン、トリ−イソプロピルクロロシラン、トリ−n−ブチルクロロシラン、トリ−sec−ブチルクロロシラン、トリ−tert−ブチルクロロシラン、トリ−n−ペンチルクロロシラン、トリ−n−ヘキシルクロロシラン、トリ−n−ヘプチルクロロシラン、トリ−2−エチルヘキシルクロロシラン、トリ−n−オクチルクロロシラン、トリ−n−ノニルクロロシラン、トリ−n−デシルクロロシラン、トリシクロヘキシルクロロシラン、ジメチルエチルクロロシラン、ジメチル−n−プロピルクロロシラン、ジメチルイソプロピルクロロシラン、ジメチル−n−ブチルクロロシラン、ジメチル−sec−ブチルクロロシラン、ジメチル−tert−ブチルクロロシラン、ジメチル−n−ペンチルクロロシラン、ジメチル−n−ヘキシルクロロシラン、ジメチル−n−ヘプチルクロロシラン、ジメチル−2−エチルヘキシルクロロシラン、ジメチル−n−オクチルクロロシラン、ジメチル−n−ノニルクロロシラン、ジメチル−n−デシルクロロシラン、ジメチルシクロヘキシルクロロシラン、メチルジエチルクロロシラン、ジエチル−n−プロピルクロロシラン、ジエチルイソプロピルクロロシラン、ジエチル−n−ブチルクロロシラン、ジエチル−sec−ブチルクロロシラン、ジエチル−tert−ブチルクロロシラン、ジエチル−n−ペンチルクロロシラン、ジエチル−n−ヘキシルクロロシラン、ジエチル−n−ヘプチルクロロシラン、ジエチル−2−エチルヘキシルクロロシラン、ジエチル−n−オクチルクロロシラン、ジエチル−n−ノニルクロロシラン、ジエチル−n−デシルクロロシラン、ジエチルシクロヘキシルクロロシラン、メチルジ−tert−ブチルクロロシラン、エチルジ−tert−ブチルクロロシラン、イソプロピルジ−tert−ブチルクロロシラン、ジ−tert−ブチル−n−ペンチルクロロシラン、ジ−tert−ブチル−n−ヘキシルクロロシラン、ジ−tert−ブチル−n−ヘプチルクロロシラン、ジ−tert−ブチル−2−エチルヘキシルクロロシラン、ジ−tert−ブチル−n−オクチルクロロシラン、ジ−tert−ブチル−n−ノニルクロロシラン、ジ−tert−ブチル−n−デシルクロロシラン、ジ−tert−ブチルシクロヘキシルクロロシラン等が挙げられる。
上記の有機珪素化合物を含む原料をアンモノリシス重縮合反応に供してポリアルコキシシラザンを調製する場合、アンモニア及び反応溶媒が使用される。アンモニアの使用量は、有機珪素化合物に含まれるハロゲン原子1当量に対して、好ましくは1当量以上、より好ましくは2当量以上である。
反応溶媒としては、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン(モノグライム)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)等のエーテル類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族又は脂環族炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、ジメチルスルホキシド等を用いることが好ましい。尚、これらの反応溶媒は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、重縮合反応の促進及び副生する無機塩類の除去を容易にすること等を目的として、反応系に、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1−メチルピペリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、テトラメチルエチレンジアミン、ピリジン、2,2’−ビピリジン、1,10−フェナントロリン等の助剤を用いることができる。
上記アンモノリシス重縮合反応における反応温度は、反応系のゲル化が抑制されることから、好ましくは−100℃〜−50℃である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。但し、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
1.ポリアルコキシシラザン原料の調製
合成例1
三方コック、撹拌子、滴下漏斗及びガス排気管を取り付けた、容積1リットルの4つ口フラスコ内を窒素ガスでパージ(流速:50ミリリットル/分)した。次いで、水浴中、このフラスコに500グラム(2.94mol)の四塩化珪素を入れて、これを撹拌下、窒素ガスを流しながら、滴下漏斗を用いて226ミリリットル(2.94mol)の2−プロパノールを添加した。そして、窒素ガスを流しながら、この反応系を1時間撹拌した後、蒸留を行って、無色液体のトリクロロイソプロポキシシラン(ClSiOiPr)77.3グラムを得た。
次に、ガス導入管、ジムロート、温度計及び三方コックを取り付けた、容積500ミリリットルの4つ口フラスコに、26.1グラム(0.135mol)のトリクロロイソプロポキシシラン及び250ミリリットルのTHFを入れた。その後、この混合物を冷却して−78℃とし、反応系を撹拌しながら、ガス導入管を用いてアンモニアガスを流速500ミリリットル/分でフラスコ内に導入した。合計導入量が30リットルとなったところで、このまま−78℃で更に1時間攪拌した。そして、反応系を室温とし、12時間撹拌した。
その後、グラスフィルターを用い、窒素雰囲気下で、反応液の加圧濾過を行って、塩化アンモニウムを濾別した。そして、減圧条件下、濾液から媒体を除去することにより、無色固体のイソプロポキシシルセスキアザン〔iPrOSi(NH)3/213.6グラムを得た。
合成例2
226ミリリットル(2.94mol)の2−プロパノールに代えて、371ミリリットル(2.94mol)の2−ヘキサノールを用いた以外は、合成例1と同様の操作を行い、無色固体の2−ヘキシルオキシシルセスキアザン〔sec−HexOSi(NH)3/2を得た。
合成例3
226ミリリットル(2.94mol)の2−プロパノールに代えて、172ミリリットル(2.94mol)のエタノールを用いた以外は、合成例1と同様の操作を行い、無色固体のエトキシシルセスキアザン〔EtOSi(NH)3/2を得た。
2.酸窒化珪素結晶の製造
実施例1
合成例1で得られたイソプロポキシシルセスキアザン1.3グラムをアルミナ製角灰皿に入れ、これを石英管(内径46mm、長さ1000mm)の中に載置した。そして、この石英管を管状炉の中に載置して、毎分200ミリリットルの窒素気流下、25℃から2時間かけて800℃まで昇温し、その後、1時間に渡って800℃を保持した。この熱処理により、0.68グラムの白色固体を得た。
次に、上記白色固体を乳鉢で粉砕し、得られた粉末415ミリグラムを窒化ホウ素製坩堝に入れ、これを、窒化ホウ素製の容器に入れ、更に、黒鉛製の容器に収容した。そして、この黒鉛製容器を富士電波工業社製高温焼成炉「ハイマルチ」(商品名)内に設置し、熱分解を行った。はじめに、25℃から500℃までは真空状態で加熱した。そして、窒素ガスを用いて加圧しながら毎分10℃の速度で昇温し、500℃から1200℃までは196kPa、1600℃までは392kPa、1600℃から1800℃までは980kPaとした。その後、1時間に渡って1800℃を保持した。この熱分解により、365ミリグラムの白色粉末を得た。ポリアルコキシシラザン原料に対する収率は46%であった。
得られた白色粉末の元素分析を行ったところ、珪素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子及び水素原子の質量比は、これらの合計を100質量%とした場合に、それぞれ、57.3質量%、0質量%、12.0質量%、30.7質量%及び0質量%であった。
また、フィリップス社製X線回折装置「X’pert Pro α1」(型式名)を用いて得られた回折像(図1)により、白色粉末は、酸窒化珪素の回折パターンを有することが分かった。
実施例2
イソプロポキシシルセスキアザン1.3グラムに代えて、合成例2で得られた2−ヘキシルオキシシルセスキアザン1.4グラムを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、1800℃の熱分解により、237ミリグラムの白色粉末を得た。ポリアルコキシシラザン原料に対する収率は26%であった。
得られた白色粉末の元素分析を行ったところ、珪素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子及び水素原子の質量比は、これらの合計を100質量%とした場合に、それぞれ、54.5質量%、0質量%、13.6質量%、31.8質量%及び0質量%であった。
また、X線回折により、図2に示す回折像が得られ、白色粉末は、酸窒化珪素の回折パターンを有することが分かった。
実施例3
イソプロポキシシルセスキアザンに代えて、合成例3で得られたエトキシシルセスキアザンを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、1800℃の熱分解により、灰白色粉末を得た。ポリアルコキシシラザン原料に対する収率は49%であった。
得られた灰白色粉末の元素分析を行ったところ、珪素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子及び水素原子の質量比は、これらの合計を100質量%とした場合に、それぞれ、56.1質量%、0質量%、10.5質量%、33.3質量%及び0質量%であった。
また、X線回折により、図3に示す回折像が得られ、灰白色粉末は、酸窒化珪素の回折パターンを有することが分かった。
実施例4
イソプロポキシシルセスキアザンに代えて、合成例3で得られたエトキシシルセスキアザンを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、熱分解の際に、25℃から500℃まで真空状態で加熱した後、窒素ガスを用いて加圧しながら毎分10℃の速度で昇温して、500℃から1200℃までは196kPa、1600℃までは392kPaとし、更に、1時間に渡って1600℃を保持した。この熱分解により、灰色粉末を得た。ポリアルコキシシラザン原料に対する収率は52%であった。
得られた灰色粉末の元素分析を行ったところ、珪素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子及び水素原子の質量比は、これらの合計を100質量%とした場合に、それぞれ、50.7質量%、0.1質量%、11.1質量%、38.1質量%及び0質量%であった。
また、X線回折により、図4に示す回折像が得られ、灰色粉末は、酸窒化珪素の回折パターンを有することが分かった。
本発明により得られる酸窒化珪素結晶は、自動車用エンジン部品、タービンブレード、ベアリング等の原料として好適である。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表される構造単位を含むポリアルコキシシラザンを熱分解して、酸窒化珪素結晶を製造する方法。
    Figure 2017165602
    (式中、Rは炭化水素基である。)
  2. 前記一般式(1)におけるRが、炭素原子数が1〜8である、直鎖状、分岐状若しくは環状の飽和炭化水素基、又は、炭素原子数が2〜6である、直鎖状若しくは分岐状の不飽和炭化水素基である請求項1に記載の酸窒化珪素結晶の製造方法。
  3. 前記ポリアルコキシシラザンの熱分解を、不活性ガス雰囲気下で行う請求項1又は2に記載の酸窒化珪素結晶の製造方法。
  4. 前記ポリアルコキシシラザンの熱分解を、加圧条件下で行う請求項1乃至3のいずれか一項に記載の酸窒化珪素結晶の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018079744A1 (ja) * 2016-10-27 2018-05-03 東亞合成株式会社 酸窒化ケイ素系材料及びその製造方法

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