JP3317762B2 - ポリボラジン系化合物及びその製造方法、用途 - Google Patents

ポリボラジン系化合物及びその製造方法、用途

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JP3317762B2
JP3317762B2 JP27235193A JP27235193A JP3317762B2 JP 3317762 B2 JP3317762 B2 JP 3317762B2 JP 27235193 A JP27235193 A JP 27235193A JP 27235193 A JP27235193 A JP 27235193A JP 3317762 B2 JP3317762 B2 JP 3317762B2
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリボラジン系化合物及
びその製造方法、用途に係る。このポリマーは窒化硼素
系セラミックス前駆体ポリマーとして有用であり、この
ポリマーを熱分解して得られる窒化硼素系セラミックス
は耐熱性、耐食性、潤滑性および絶縁性等に優れた材料
であり、化学、金属、電気、航空、宇宙、機械、精密、
自動車等の各産業での広範な利用が期待できる。
【0002】
【従来の技術】窒化硼素系セラミックスの前駆体ポリマ
ーの合成方法としては下記の如き方法が公知である。 アルキル基、フェニル基およびメチルアミノ基を持
つボラジン化合物を熱縮合して窒化硼素系セラミックス
前駆体ポリマー(ポリアミノボラジン)を合成する。
〔R.H.Toeniskoetter,F.R.Hall,Inorg.Chem.,2,29(196
3) 〕 B−トリアミノ−N−トリス(トリメチルシリル)
ボラジンを熱縮合して窒化硼素系セラミックス前駆体ポ
リマーを合成する。〔K.J.L.Paciorek,W.Krone-Schmid
t,D.H.Harris,R.H.Kratzer,K.Wynne,J.Am.Chem.Soc.Sym
p.Ser.,360,392(1988) 〕 B−トリアミノボラジンを熱縮合して窒化硼素系セ
ラミックス前駆体ポリマーを合成する。〔林信行、木村
良晴他、第8回無機高分子討論会、12(1989)〕
【0003】
【発明が解決しようとする課題】既存の窒化硼素系セラ
ミックス前駆体ポリマーには以下の傾向がある。すなわ
ち、ポリマーの安定性を高めるために安定な置換基を
導入したものは、その高分子量化に高温を必要とする。
容易に高分子量化するものは安定性が低い。そして、
このいずれも反応の制御が困難である。
【0004】また、既存の窒化硼素系セラミックス前駆
体ポリマーは高価なボラジン化合物を原料とし、これに
置換基を導入する等して高分子量化している。このた
め、製造コストが高い。本発明は、このような従来技術
の問題点を解決した新規な窒化硼素系セラミックス前駆
体ポリマー及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、主として下記一般式で表わされる繰り返
し単位を有し、数平均分子量が300〜100,000
の範囲にあるポリボラジン系化合物を提供する。
【0006】
【化2】
【0007】(式中、Aは繰り返し単位内及び繰り返し
単位間で同じでも異なってもよく、水素原子または−S
iR2 3 4 であるが、R2 ,R3 ,R4 はそれぞれ
独立して水素原子、炭素数1〜20個を有するアルキル
基またはアリール基を表わし、すべてのAが水素原子で
はない。)このポリボラジン系化合物は、後記の如く、
製造が容易であり、かつ製造コストも低いという製造上
の利点を有するほか、セラミックス収率も高く、またポ
リマーの安定性にも優れている。
【0008】このポリマーは、一般的には、ボラジン環
が−NH−を介して結合した線状構造物であるが、硼素
原子に結合している−OR1 が窒素原子に結合している
A又はHあるいは原料のジシラザン化合物(R2 3
4 SiNSiR5 6 7 )と反応してより複雑な構造
や架橋構造を取ることも可能である。なお、窒素原子に
結合しているAのうちシリル基−SiR2 3 4 がこ
のポリマーの有機溶媒に対する溶解性に影響する。この
ポリマーの有機溶媒に対する溶解性は、有機溶媒の種
類、シリル基のR2 ,R3 ,R4 基の種類によって異な
るので一概には言えないが、平均してボラジン環に結合
したAのうち0.1〜3個がシリル基であることが好ま
しい。また、−OR1 基の平均量の範囲は0.01〜
1.0である。
【0009】シリル基−SiR2 3 4 のR2
3 ,R4 は、一般的には、水素原子、炭素数1〜20
個のアルキル基又はアリール基であるが、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、フェニルが好ましい。なお、ポ
リマーの有機溶媒に対する溶解性は、シリル基量が同じ
であれば、R2 ,R3 ,R4 のうち、アルキル基または
アリール基の数(割合)が多い方が、高い。
【0010】すなわち、上記一般式で表わされる繰り返
し単位はいわば平均式的なものである。このポリマーの
分子量は数平均分子量で300〜100,000の範囲
である。分子量が300未満では低分子量であるため、
セラミックス収率が低い、一方100,000を超える
と安定性が低く、容易にゲル化すると考えられる。数平
均分子量300〜10000が好ましい。
【0011】本発明によれば、同様にして、主として一
般式 B(OR1 3 (式中、R1 は同一でも異なってもよく、水素原子、炭
素数1〜20個を有するアルキル基またはアリール基を
表わし、少なくとも1個のR1 は上記のアルキル基また
はアリール基である。)で表わされる硼素アルコキシド
を、NH3 と、一般式 R2 3 4 SiNHSiR5 6 7 (式中、R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6 ,R7 はそれぞ
れ独立に水素原子、炭素数1〜20個を有するアルキル
基またはアリール基を表わし、少なくとも1個のR1
上記アルキル基またはアリール基を表わす。)で表わさ
れるジシラザン化合物の存在下で反応させることを特徴
とするポリボラジン系化合物の製造方法が提供される。
【0012】すなわち、本発明の窒化ホウ素系セラミッ
クス前駆体ポリマーの合成法は、硼素アルコキシドとN
3 を有機ジシラザンの存在下で反応させるものであ
り、この反応は典型的には次のように表わすことができ
る。
【0013】
【化3】
【0014】本発明の合成法は原料としてボラジン化合
物よりも安価な硼素アルコキシドとアンモニアを用い
る。硼素アルコキシドB(OR1 3 のR1 は水素原子
又は炭素原子数1〜20個、好ましくは炭素数1〜6個
のアルキル基もしくはアリール基であるが、少なくとも
1個のR1 はアルキル基またはアリール基である。好ま
しい硼素アルコキシドはB(OMe)3 ,B(OEt)
3 ,B(OPr)3 ,B(OBu)3 ,B(OPh)3
などである。
【0015】有機ジシラザンは硼素アルコキシドとアン
モニアの反応で生成するアルコールと反応してシリルア
ルコールに変換することにより、アルコールが重合反応
を阻害することを防止し、所望の反応を進行させる作用
を有している。すなわち、理論に限定される意図はない
が、例示的に説明すると、硼素アルコキシドとアンモニ
アが反応すると、下記式の如く、硼素アルコキシドの硼
素原子の結合手の1つにアンモニアの窒素原子が結合し
たB−N結合を有する化合物が生成すると共にアルコー
ルを生成する(脱アルコール反応)。
【0016】
【化4】
【0017】この脱アルコール反応生成物がさらにアン
モニアと脱アルコール反応し、さらにこれらの反応生成
物どうしがお互いに反応する。
【0018】
【化5】
【0019】このような反応を繰り返して最終的にボラ
ジン環が生成し、またボラジン環どうしが結合する。こ
れら一連の脱アルコール反応が進行する場合に、先の反
応で生成したアルコールの存在は脱アルコール反応を阻
害するように作用する。しかし、このアルコールが有機
ジシラザンと下記の如く反応してシリルアルコールに変
換されると、脱アルコール反応を阻害しないようなるの
である。
【0020】
【化6】
【0021】この反応で生成したシリルアミンもボラジ
ン結合生成反応に参加し、最終的に、シリル基を有する
ボラジン環を含む前記平均式で表わされるような繰り返
し単位が得られると考えられる。本発明の製法において
有用な有機ジシラザンR2 3 4 SiNHSiR5
6 7 は、Me3 SiNHSiMe3 ,Me2 HSiN
HSiHMe2 ,MeH 2 SiNHSiH2 Me,Et
3 SiNHSiEt3 ,Et2 HSiNHSiHE
2 ,EtH2 SiNHSiH2 Et,Pr3 SiNH
SiPr3 ,Pr2 HSiNHSiHPr2 ,PrH2
SiNHSiH2 Pr,Bu3 SiNHSiBu3 ,B
2 HSiNHSiHBu2 ,BuH2 SiNHSiH
2 Bu,Ph3SiNHSiPh3 ,Ph2 HSiNH
SiHPh2 ,PhH2 SiNHSiH 2 Ph等であ
る。式中、Meはメチル、Etはエチル、Prはプロピ
ル、Buはブチル、Phはフェニルである。
【0022】本発明の製法に用いる硼素アルコキシド、
アンモニア、有機ジシラザンの割合は生成物の置換基の
割合に影響するが広く採用できる。望ましくは、有機ジ
シラザンを硼素アルコキシドの1/10モル以上、より
望ましくは2倍モル以上、またアンモニアを硼素アルコ
キシドの1/10モル以上、より望ましくは等モル以上
とする。先に述べた様に有機ジシラザンは硼素アルコキ
シドとアンモニアの反応により生成するアルコールの吸
収剤として作用すると考えられる。少量の有機ジシラザ
ンの添加でもアルコール吸収の効果はあるが、(化1)
に示すポリマーを得るためには、硼素アルコキシドの2
倍モル以上が好ましい。アンモニアは、ポリマーの主骨
格(N)を形成する原料となる。少量でもポリマーは生
成するが、(化1)に示すポリマーを得るためには硼素
アルコキシドの等モル以上が好ましい。
【0023】反応時に溶媒は存在してもしなくても反応
は進行するが、ピリジン、トリメチルアミン、ジメチル
エチルアミン、ジエチルメチルアミン及びトリエチルア
ミン等のトリアルキルアミン、ピロリン、ジメチルアニ
リン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、及びこれら
の誘導体等の第3級アミン類の化合物、ピロール、3−
ピロリン、ピラゾール、2−ピラゾリン及びこれらの混
合物等などの塩基性溶媒を用いることが取扱い上望まし
い。
【0024】反応温度は一般的には30℃〜300℃、
好ましくは80℃〜200℃である。また、反応雰囲気
は不活性ガス雰囲気が望ましい。また、上記の如く合成
したポリボラジン系化合物は、アルコキシド基−OR1
とアルキルシリル基−SiR2 3 4 の両方を含むの
で、比較的温和な条件(溶媒中、低温下)で高分子量化
することができる。例えば、30〜250℃の温度で加
熱処理すればよい。雰囲気はN2 などの不活性ガスでよ
い。これはOR1と−SiR2 3 4 が反応して新た
にB−N結合を生成して重合(高分子量化、架橋等)す
るためである。しかも、この反応の制御性は高い。
【0025】本発明の合成法によれば、ボラジン化合物
よりも安価な硼素アルコキシドとNH3 を原料として用
いることと、温和な条件で高分子量化が可能なことによ
り、低い製造コストで窒化硼素系セラミックス前駆体ポ
リマーを合成できる。また、熱重合前または熱重合後の
ポリマーはベンゼン、トルエン、キシレン、THF等に
可溶である。
【0026】しかも、熱重合前または熱重合後のポリマ
ーは十分な安定性を持つ。乾燥雰囲気下であれば室温で
長時間保存してもポリマーの物性は変化しない。熱重合
前または熱重合後のポリマーは、いずれも、熱分解する
と窒化硼素や酸化硼素を生成する。熱分解の条件は50
0〜1800℃の温度、NH3 、空気(O2 )、不活性
ガスなどの雰囲気を用いることができ、例えば、150
0℃まで10℃/min で昇温し、1500℃で1時間保
持する。
【0027】こうして、本発明によれば、さらに、上記
の如く合成された熱重合前又は熱重合後のポリボラジン
系化合物を熱分解して窒化硼素を生成する方法も提供さ
れる。
【0028】
【実施例】
実施例1 図1に実験に用いた内容積2LのSUS−316製反応
器およびその他装置の概略図を示す。反応器1内部を乾
燥窒素7で置換した後、乾燥窒素で1kg/cm2Gまで加
圧する。この反応器内に乾燥ピリジン(C5 5 N)8
01.4gを導入する。これに撹拌しながらトリメチル
ボレート(B(OMe)3 )62.5g(0.601mo
l)、つぎにヘキサメチルジシラザン〔((CH3 3
i)2 NH〕290.3g(1.803mol)を加えた。
次にNH3 30.8g(1.812mol)を反応器内に導
入した後、反応器を密閉した。これを160℃で反応さ
せると淡赤色の溶液が得られた。反応終了後、溶媒を減
圧除去すると36.5gの淡赤色の粘性液体が得られ
た。この粘性液体はベンゼン、トルエン、キシレン、T
HFに容易に溶解した。図1において、1は反応器、2
はオイルバス、3はヒータ、4は温調器、5は撹拌器、
6はピリジンタンク、7は窒素ライン、8は硼素アルコ
キシドタンク、9は有機ジシランタンク、10はアンモ
ニアライン、11はベントである。
【0029】生成したポリマーの数平均分子量は、凝固
点降下法(溶媒:乾燥ベンゼン)により測定したところ
750であった。生成物のIRスペクトル(溶媒:乾燥
ベンゼン)を図2に示す。N−H(3350cm-1)、C
3 およびOCH3 (2960及び2850cm-1)、B
−OおよびB−N(1300〜1540cm-1)、Si−
Me(1250cm-1)、B−N〔ボラジン環〕(860
cm-1)の吸収が観測された。生成物の元素組成分析結果
(重量%)はB:17.6;N:24.8;Si:1
4.0;O:7.9;C:28.1;H:7.6であっ
た。このポリマーのベンゼン溶液(50wt%)を窒素雰
囲気下、室温で1カ月間放置したが、分子量、元素組成
に変化は見られなかった。
【0030】これらのことから得られたポリマーの構造
は下記であると認定された。
【0031】
【化7】
【0032】得られたポリマー5.00gを溶媒を除去
した後、NH3 雰囲気中800℃続いて窒素雰囲気中で
1500℃で熱分解したところ、白色の固体1.98g
が得られた。この固体の元素組成分析結果(重量%)は
B:30.5;N:50.2;Si:12.8;O:
6.5;C:0.2であった。 実施例2 実施例1と同様の装置を用いて反応器内部を乾燥窒素で
置換した後、実施例1で得られたポリマー150.5g
を反応器内に導入した。次にこの反応器内に乾燥ピリジ
ン(C5 5 N)1350.0gを導入し、乾燥窒素で
1kg/cm2 Gまで加圧した。これを100℃で反応させ
た。反応終了後、赤褐色のポリマー溶液が得られた。反
応終了後、溶媒を減圧除去すると145.2gの淡赤色
の固体が得られた。この固体はベンゼン、トルエン、キ
シレン、THFに容易に溶解した。
【0033】生成物の数平均分子量は、凝固点降下法
(溶媒:乾燥ベンゼン)により測定したところ2550
であった。生成物のIRスペクトル(溶媒:乾燥ベンゼ
ン)を図3に示す。N−H(3350cm-1)、CH3
よびOCH3 (2960及び2850cm-1)、B−Oお
よびB−N(1300〜1540cm-1)、Si−Me
(1250cm-1)、B−N〔ボラジン環〕(860c
m-1)の吸収が観測された。生成物の元素組成分析結果
(重量%)はB:20.2;N:31.3;Si:1
0.0;O:2.5;C:28.1;H:7.9であっ
た。
【0034】これらのことから得られたポリマーの構造
は下記であると認定された。
【0035】
【化8】
【0036】得られたポリマー5.05gを溶媒を除去
した後、NH3 雰囲気中800℃続いて窒素雰囲気中で
1500℃で熱分解したところ、白色の固体3.15g
が得られた。この固体の元素組成分析結果(重量%)は
B:32.3;N:54.0;Si:9.9;O:3.
5;C:0.3であった。 実施例3 図1に実験に用いた内容積2LのSUS−316製反応
器およびその他装置の概略図を示す。反応器内部を乾燥
窒素で置換した後、乾燥窒素で1kg/cm2 Gまで加圧す
る。この反応器内に乾燥ピリジン(C5 5 N)80
1.4gを導入する。これに撹拌しながらトリエチルボ
レート(B(OEt)3 )87.0g(0.600mo
l)、つぎにヘキサメチルジシラザン〔((CH3 3
i)2 NH〕290.3g(1.803mol)を加えた。
次にNH3 30.8g(1.812mol)を反応器内に導
入した後、反応器を密閉した。これを160℃で反応さ
せると淡赤色の溶液が得られた。反応終了後、溶媒を減
圧除去すると40.5gの淡赤色の粘性液体が得られ
た。この粘性液体はベンゼン、トルエン、キシレン、T
HFに容易に溶解した。
【0037】
【0038】
【0039】生成したポリマーの数平均分子量は、凝固
点降下法(溶媒:乾燥ベンゼン)により測定したところ
650であった。生成物の元素組成分析結果(重量%)
はB:16.9;N:23.4;Si:13.2;O:
8.0;C:30.6;H:7.9であった。このポリ
マーのベンゼン溶液(50wt%)を窒素雰囲気下、室温
で1カ月間放置したが、分子量、元素組成に変化は見ら
れなかった。
【0040】これらのことから得られたポリマーの構造
は下記であると認定された。
【化9】 得られたポリマー5.00gを溶媒を除去した後、NH
3 雰囲気中800℃続いて窒素雰囲気中で1500℃
で熱分解したところ、白色の固体1.88gが得られ
た。この固体の元素組成分析結果(重量%)はB:2
9.8;N:48.6;Si:14.3;O:7.2;
C:0.1であった。
【0041】実施例4 図1に実験に用いた内容積2LのSUS−316製反応
器およびその他装置の概略図を示す。反応器内部を乾燥
窒素で置換した後、乾燥窒素で1kg/cm2 Gまで加圧す
る。この反応器内に乾燥ピリジン(C5 5 N)80
1.4gを導入する。これに撹拌しながらトリメチルボ
レート(B(OMe)3 )62.5g(0.601mo
l)、つぎにテトラメチルジシラザン〔((CH3 2
iH)2 NH〕239.8g(1.803mol)を加え
た。次にNH3 30.8g(1.812mol)を反応器内
に導入した後、反応器を密閉した。これを160℃で反
応させると淡赤色の溶液が得られた。反応終了後、溶媒
を減圧除去すると39.5gの淡赤色の粘性液体が得ら
れた。この粘性液体はベンゼン、トルエン、キシレン、
THFに容易に溶解した。
【0042】生成したポリマーの数平均分子量は、凝固
点降下法(溶媒:乾燥ベンゼン)により測定したところ
990であった。生成物の元素組成分析結果(重量%)
はB:17.1;N:25.0;Si:16.0;O:
6.2;C:28.7;H:7.0であった。このポリ
マーのベンゼン溶液(50wt%)を窒素雰囲気下、室温
で1カ月間放置したが、分子量、元素組成に変化は見ら
れなかった。
【0043】これらのことから得られたポリマーの構造
は下記であると認定された。
【0044】
【化10】
【0045】得られたポリマー5.00gを溶媒を除去
した後、NH3 雰囲気中800℃続いて窒素雰囲気中で
1500℃で熱分解したところ、白色の固体1.87g
が得られた。この固体の元素組成分析結果(重量%)は
B:29.8;N:49.2;Si:13.0;O:
7.9;C:0.1であった。 実施例5 図1に実験に用いた内容積2LのSUS−316製反応
器およびその他装置の概略図を示す。反応器内部を乾燥
窒素で置換した後、乾燥窒素で1kg/cm2 Gまで加圧す
る。この反応器内に乾燥ピリジン(C5 5 N)80
1.4gを導入する。これに撹拌しながらトリメチルボ
レート(B(OMe)3 )62.5g(0.601mo
l)、つぎにヘキサエチルジシラザン〔((C2 5 3
Si)2 NH〕441.8g(1.803mol)を加え
た。次にNH3 30.8g(1.812mol)を反応器内
に導入した後、反応器を密閉した。これを160℃で反
応させると淡赤色の溶液が得られた。反応終了後、溶媒
を減圧除去すると42.6gの淡赤色の粘性液体が得ら
れた。この粘性液体はベンゼン、トルエン、キシレン、
THFに容易に溶解した。
【0046】生成したポリマーの数平均分子量は、凝固
点降下法(溶媒:乾燥ベンゼン)により測定したところ
990であった。生成物の元素組成分析結果(重量%)
はB:16.1;N:23.1;Si:12.9;O:
6.8;C:34.3;H:6.8であった。このポリ
マーのベンゼン溶液(50wt%)を窒素雰囲気下、室温
で1カ月間放置したが、分子量、元素組成に変化は見ら
れなかった。
【0047】これらのことから得られたポリマーの構造
は下記であると認定された。
【0048】
【化11】
【0049】得られたポリマー5.00gを溶媒を除去
した後、NH3 雰囲気中800℃続いて窒素雰囲気中で
1500℃で熱分解したところ、白色の固体1.59g
が得られた。この固体の元素組成分析結果(重量%)は
B:32.2;N:49.8;Si:10.7;O:
7.2;C:0.1であった。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、窒化硼素系セラミック
ス前駆体ポリマーとして有用なポリボラジン系化合物及
びその製造方法が提供される。この合成方法は安価な硼
素アルコキシドとアンモニアを出発原料とし、かつ比較
的温和な条件で高分子量化できるので、製造コストが非
常に低くでき、しかも反応の制御性、生成物の安定性に
も優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の反応装置を示す。
【図2】実施例1の生成物のIRスペクトル図である。
【図3】実施例2の生成物のIRスペクトル図である。
【符号の説明】
1…反応器 7…窒素ライン 8…硼素アルコキシドタンク 9…有機ジシランタンク 10…アンモニアライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中原 浩彦 埼玉県入間郡大井町西鶴ヶ岡1丁目3番 1号 東燃株式会社 総合研究所内 (72)発明者 礒田 武志 埼玉県入間郡大井町西鶴ヶ岡1丁目3番 1号 東燃株式会社 総合研究所内 (56)参考文献 特開 平2−293306(JP,A) 米国特許4581468(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 79/08 CA(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主として下記一般式で表わされる繰り返
    し単位を有し、数平均分子量が300〜100,000
    の範囲にあるポリボラジン系化合物。 【化1】 (式中、 1 は同一でも異なってもよく、水素原子、炭
    素数1〜20個を有するアルキル基またはアリール基を
    表わし、少なくとも1個のR 1 は上記のアルキル基また
    はアリール基であり、Aは繰り返し単位内及び繰り返し
    単位間で同じでも異なってもよく、水素原子または−S
    iR234 であるが、R2 ,R3 ,R4 はそれぞれ
    独立して水素原子、炭素数1〜20個を有するアルキル
    基またはアリール基を表わし、すべてのAが水素原子で
    はない。)
  2. 【請求項2】 主として一般式 B(OR1 3 (式中、R1 は同一でも異なってもよく、水素原子、炭
    素数1〜20個を有するアルキル基またはアリール基を
    表わし、少なくとも1個のR1 は上記のアルキル基また
    はアリール基である。)で表わされる硼素アルコキシド
    を、NH3 と、一般式 R2 3 4 SiNHSiR5 6 7 (式中、R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6 ,R7 はそれぞ
    れ独立に水素原子、炭素数1〜20個を有するアルキル
    基またはアリール基を表わし、少なくとも1個のR1
    上記アルキル基またはアリール基を表わす。)で表わさ
    れるジシラザン化合物の存在下で反応させることを特徴
    とするポリボラジン系化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のポリボラジン系化合物を
    加熱して熱重合して高分子量化することを特徴とする高
    分子量ポリボラジン系化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】 下記式: 【化11】 で表される架橋結合を含む請求項1記載のポリボラジン
    系化合物。
  5. 【請求項5】 請求項1又は4記載のポリボラジン系化
    合物を熱分解することを特徴とする窒化硼素の製造方
    法。
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