JP2017165601A - α−炭化珪素の製造方法 - Google Patents

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賢明 岩瀬
Yoshiaki Iwase
賢明 岩瀬
洋慈 堀江
Youji Horie
洋慈 堀江
岡崎 栄一
Eiichi Okazaki
栄一 岡崎
岩本 雄二
Yuji Iwamoto
雄二 岩本
沢雄 本多
Sawao Honda
沢雄 本多
裕介 大幸
Yusuke Taiko
裕介 大幸
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Abstract

【課題】α−炭化珪素を効率よく製造する方法の提供。【解決手段】式(1)で表される構造を含むポリシラザンを熱分解する方法。[R1、R3、R5及びR7は、各々独立にC1−20のアルキル又はC6−20アリール;R2、R4及びR6は各々独立にH、C1−20のアルキル又はC6−20のアリール;X1〜X4は各々独立に式(2)で表される有機基;p〜sは各々独立に0又は正の整数;p〜rの内少なくとも1つは正の数(R11及びR13は各々独立に不飽和結合を有する炭化水素,R12はC1〜4のアルキル)]【選択図】図1

Description

本発明は、α−炭化珪素を効率よく製造する方法に関する。
炭化珪素は、絶縁破壊電解強度が高いこと等から、パワーデバイスへの応用が期待されている。
従来、炭化珪素の製造方法として、ポリシラザン、ポリ(シリルカルボジイミド)等の含窒素ポリマーを熱分解する方法が知られている(非特許文献1〜3参照)。
炭化珪素は、その結晶構造の違いにより、α型(α−炭化珪素)及びβ型(β−炭化珪素)に大別されるが、ポリマーの熱分解により得られるものは、主にβ型(β−炭化珪素)である(非特許文献3参照)。そこで、α−炭化珪素を得るために、例えば、非特許文献4には、β−炭化珪素を、2000℃を超える高い温度で熱処理する必要があることが記載されている。
日本学術振興会先進セラミックス第124委員会「窒化ケイ素系セラミック新材料 最近の展開」(内田老鶴圃) 162 J.Seits, et al., J.Euro.Ceram.Soc., 16(1996) 885−891 G.Mera, et al., J.Euro.Ceram.Soc., 29(2009) 2873−2883 「ファインセラミックス製造技術」(β−SiCとα−SiCの違い)、[online]、アスザック株式会社、[平成28年1月27日検索]、インターネット<URL: http://www.asuzac-ceramics.jp/technology/tech27.htm>
上記のように、一旦、β−炭化珪素が形成されると、α−炭化珪素を得るために、2000℃を超える高い温度で熱処理する必要があり、効率的ではなかった。そこで、β−炭化珪素を形成させることなく、また、上記のような高い温度で熱処理することなく、直接、α−炭化珪素を形成させる製造方法が求められていた。
本発明者らは、ポリマーを構成する単位1つあたり、2つの炭素−炭素不飽和結合を有するポリシラザンを原料とすることにより、α−炭化珪素が効率よく製造されることを見い出し、本発明を完成するに至った。
1.下記一般式(1)で表される構造を含むポリシラザンを熱分解して、α−炭化珪素を製造する方法。
Figure 2017165601
(式中、R、R、R及びRは、互いに同一又は異なって、炭素原子数1〜20のアルキル基、又は、炭素原子数6〜20のアリール基であり、R、R及びRは、互いに同一又は異なって、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、又は、炭素原子数6〜20のアリール基であり、X、X、X及びXは、互いに同一又は異なって、下記一般式(2)で表される有機基であり、p、q、r及びsは、0又は正の数であり、p、q及びrのうちの少なくとも1つは、正の数である。
Figure 2017165601
(式中、R11及びR13は、互いに同一又は異なって、炭素−炭素不飽和結合を有する炭化水素基であり、R12は、炭素原子数1〜4のアルキル基である。))
2.上記一般式(1)におけるqが正の数である上記1に記載のα−炭化珪素の製造方法。
3.上記一般式(2)におけるR11及びR13がビニル基である上記1又は2に記載のα−炭化珪素の製造方法。
4.上記ポリシラザンの熱分解を、不活性ガス雰囲気下で行う上記1乃至3のいずれか一項に記載のα−炭化珪素の製造方法。
5.上記ポリシラザンの熱分解を、加圧条件下で行う上記1乃至4のいずれか一項に記載のα−炭化珪素の製造方法。
本発明によれば、含窒素ポリマーの熱分解を、2000℃を超える高い温度としなくても、例えば、1800℃で効率よくα−炭化珪素を製造することができる。
実施例1で得られたα−炭化珪素のX線回折像である。 実施例1で得られたα−炭化珪素のラマンスペクトルである。 比較例1で測定されたポリ(N−メチル)ジメチルシラザン(合成例2)のTG/DTA曲線である。 比較例2で測定されたポリ(N−メチル−メチルビニル)シラザン(合成例3)のTG/DTA曲線である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、下記一般式(1)で表される構造を含むポリシラザン(以下、「ポリシラザン原料」という)を熱分解して、α−炭化珪素を製造する方法である。
Figure 2017165601
(式中、R、R、R及びRは、互いに同一又は異なって、炭素原子数1〜20のアルキル基、又は、炭素原子数6〜20のアリール基であり、R、R及びRは、互いに同一又は異なって、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、又は、炭素原子数6〜20のアリール基であり、X、X、X及びXは、互いに同一又は異なって、下記一般式(2)で表される有機基であり、p、q、r及びsは、0又は正の数であり、p、q及びrのうちの少なくとも1つは、正の数である。
Figure 2017165601
(式中、R11及びR13は、互いに同一又は異なって、炭素−炭素不飽和結合を有する炭化水素基であり、R12は、炭素原子数1〜4のアルキル基である。))
上記一般式(1)で示されるように、上記ポリシラザン原料は、下記一般式(11)、(12)、(13)及び(14)で表される構造単位を含む。
Figure 2017165601
(式中、Rは、炭素原子数1〜20のアルキル基、又は、炭素原子数6〜20のアリール基であり、Xは、上記一般式(2)で表される有機基である)
Figure 2017165601
(式中、Rは、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、又は、炭素原子数6〜20のアリール基であり、Rは、炭素原子数1〜20のアルキル基、又は、炭素原子数6〜20のアリール基であり、Xは、上記一般式(2)で表される有機基である)
Figure 2017165601
(式中、Rは、互いに同一又は異なって、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、又は、炭素原子数6〜20のアリール基であり、Rは、炭素原子数1〜20のアルキル基、又は、炭素原子数6〜20のアリール基であり、Xは、上記一般式(2)で表される有機基である)
Figure 2017165601
(式中、Rは、互いに同一又は異なって、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、又は、炭素原子数6〜20のアリール基であり、Rは、炭素原子数1〜20のアルキル基、又は、炭素原子数6〜20のアリール基であり、Xは、上記一般式(2)で表される有機基である)
上記ポリシラザン原料は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、上記一般式(11)〜(14)で表される構造単位以外に、他の構造単位を含んでいてもよい。
上記式(1)、(11)、(12)、(13)及び(14)において、R、R、R及びRは、炭素原子数1〜20のアルキル基、又は、炭素原子数6〜20のアリール基であり、アルキル基の場合、炭素原子数は、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜4である。また、アリール基の場合、炭素原子数は、好ましくは6〜12、より好ましくは6〜8である。
上記ポリシラザン原料が、R、R、R又はRを含む場合、これらは、互いに同一であってよいし、異なってもよい。
、R及びRは、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、又は、炭素原子数6〜20のアリール基であり、アルキル基の場合、炭素原子数は、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜4である。また、アリール基の場合、炭素原子数は、好ましくは6〜12、より好ましくは6〜8である。
上記ポリシラザン原料が、R、R又はRを含む場合、これらは、互いに同一であってよいし、異なってもよい。
上記R〜Rにおけるアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基等が挙げられる。
また、上記R〜Rにおけるアリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、エチルフェニル基、キシリル基等が挙げられる。
上記式(2)において、R11及びR13は、炭素−炭素不飽和結合を有する、炭素原子数が好ましくは2〜10、より好ましくは2〜6の炭化水素基である。この有機基の具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、1−ペンテニル基、3−メチル−1−ブテニル基、フェニルエテニル基、オルトスチリル基、メタスチリル基、パラスチリル基等が挙げられる。これらのうち、α−炭化珪素の形成性の観点から、炭素原子数2〜10の炭化水素基が好ましく、ビニル基が特に好ましい。
12は、炭素原子数1〜4のアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基とすることができるが、これらのうち、メチル基が特に好ましい。
上記ポリシラザン原料が、X、X、X又はXを含む場合、これらは、互いに同一であってよいし、異なってもよい。
本発明において、上記ポリシラザン原料は、上記一般式(11)、(12)及び(13)で表される構造単位の少なくとも1つを含み、上記一般式(14)で表される構造単位を更に含んでもよいポリシラザンである。上記ポリシラザン原料は、好ましくは、上記一般式(12)及び(13)で表される構造単位の少なくとも1つを含み、より好ましくは上記一般式(13)で表される構造単位を含む。
ポリシラザン原料の調製が容易な観点から、上記一般式(1)におけるr/(p+q+r+s)の値は好ましくは0.2〜1.0であり、より好ましくは0.5〜1.0でありさらに好ましくは0.8〜1.0である。また、上記r/(p+q+r+s)の値は、ポリシラザンの末端構造については考慮しない。
上記ポリシラザン原料の数平均分子量は、α−炭化珪素が効率よく製造されることから、好ましくは200〜1000000、より好ましくは500〜800000、更に好ましくは1000〜500000である。この数平均分子量は、テトラヒドロフランを溶離液としたGPC測定により、標準ポリスチレン換算されたものである。
上記ポリシラザン原料を調製する方法は、特に限定されず、下記文献(1)〜(5)に記載に従うものとすることができ、例えば、2つの炭素−炭素不飽和結合を有するシラザン化合物を、アニオン重合に供することにより、合成することができる。
(1)E.Duguet, et al., Macromolecules, 25(1992) 4835
(2)S.Bruzaud, et al., Macromol.Chem.Phys., 197(1996) 2379
(3)S.Bruzaud, et al., Macromol.Chem.Phys., 198(1997) 1873
(4)C.Cazalis, et al., Macromol.Chem.Phys., 198(1997) 3441
(5)S.Bruzaud, et al., J.Organomet.Chem., 561(1998) 77
本発明では、ポリシロキサン原料を熱分解することにより、α−炭化珪素が製造される。熱分解温度は、α−炭化珪素の形成性の観点から、好ましくは1600℃以上、より好ましくは1700℃以上、更に好ましくは1800℃以上である。また、装置上の制限から、熱分解温度の上限値は2500℃である。そして、この熱分解温度における処理時間は、好ましくは1〜600分間、より好ましくは30〜300分間、更に好ましくは60〜120分間である。尚、加熱開始温度(常温)から熱分解温度までの昇温条件は、特に限定されず、昇温を一定速度とする方法、昇温と温度保持とを組み合わせる方法等とすることができる。
上記ポリシラザン原料の熱分解を行う際の雰囲気は、α−炭化珪素の形成性の観点から、不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス等)を主とすることが好ましい。特に好ましい雰囲気は、窒素ガスを含む雰囲気である。また、圧力は、特に限定されないが、α−炭化珪素の形成性の観点から、加圧条件とすることが好ましい。この場合の圧力は、絶対圧として、好ましくは100〜3000kPa、より好ましくは200〜1500kPaである。
本発明によって、α−炭化珪素を、高収率で製造することができる。本発明におけるα−炭化珪素のポリシラザン原料に対する収率は、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。但し、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
1.ポリシラザン原料の調製
下記の実施例及び比較例で用いたポリシラザン原料は、合成例1〜3により得られたものである。
合成例1
ガス導入管、ジムロート、メカニカルスターラー及び温度計を取り付けた、容積1リットルのナス型フラスコ内に、50グラム(0.35mol)のジクロロメチルビニルシランを入れ、更に、500ミリリットルの脱水ジエチルエーテルを加えた。その後、この混合物を撹拌下、−10℃に冷却し、ガス導入管を用いたメチルアミンガスの導入を開始した(流速:250ミリリットル/分)。そして、フラスコ内で生成する塩化アンモニウムの白色固体が溶解したところで、メチルアミンガスの導入を中止し、フラスコ内に、窒素ガスを導入しながら、反応液を室温とした。次いで、この状態で、更に12時間撹拌した。
その後、グラスフィルターを用い、反応液の加圧濾過を行って、濾液を回収した。そして、得られた液体を蒸留することにより、沸点56℃/58mmHgで無色液体のメチルビニルビス(メチルアミノ)シラン35.1グラムを得た。
Figure 2017165601
次に、滴下ロート、三方コック及びメカニカルスターラーを取り付けた、容積500ミリリットルの4つ口フラスコに、20.4グラム(157mmol)のメチルビニルビス(メチルアミノ)シラン及び100ミリリットルのジエチルエーテルを入れ、これらの撹拌下、窒素ガスを導入しながら−10℃に冷却した。そして、この混合物の温度を−10℃で保持しながら、300ミリリットル(315mmol)の2.1M−メチルリチウムジエチルエーテル溶液を滴下し、2時間攪拌した。次いで、更に22.1グラム(157mmol)のジクロロメチルビニルシランを滴下し、全量を添加したところで、反応液を室温とした。
その後、グラスフィルターを用い、窒素雰囲気下で、反応液の加圧濾過を行って、濾液(黄色液体)を回収した。そして、得られた黄色液体を蒸留することにより、沸点75℃/40mmHgで黄色液体のN−メチル−メチルビニルシクロジシラザン18.6グラムを得た。
Figure 2017165601
次に、三方コック及びメカニカルスターラーを取り付けた、容積30ミリリットルの試験管をアルゴンガス雰囲気とした。次いで、この試験管に、水素化カルシウムで乾燥させたTHF20ミリリットル、及び、0.05ミリリットル(0.5mmol)のスチレンを入れた。そして、この混合物を−78℃に冷却し、撹拌下、0.5ミリリットル(0.5mmol)のsec−ブチルリチウムを加えて、スチリルリチウムとした。その後、この反応系を、撹拌下、6ミリリットル(30mmol)のN−メチル−メチルビニルシクロジシラザンを添加した。そして、スチリルリチウムの橙色が消失したことを確認したところで、反応液を室温とし、この状態で、撹拌を継続して、アニオン重合を行った。
12時間撹拌した後、反応液に0.05ミリリットル(0.5mmol)のトリメチルシリルクロリドを添加して、重合を停止した。そして、重合溶液を、大量のメタノール中に投入して、重合体の再沈殿精製を行った。得られた重合体を乾燥し、白色ペースト状のポリ(N−メチル−メチルビニル)シラザン4.9グラムを得た。GPCによるポリスチレン換算のMnは20000、Mwは25000であった。
Figure 2017165601
合成例2
ナス型フラスコ及び4つ口フラスコの両方に仕込むジクロロメチルビニルシランに代えて、ジクロロジメチルシランを用いた以外は、合成例1と同様の操作を行い、白色固体のポリ(N−メチル)ジメチルシラザン3.4グラムを得た。GPCによるポリスチレン換算のMnは6800、Mwは7600であった。
Figure 2017165601
合成例3
ナス型フラスコに仕込むジクロロメチルビニルシランに代えて、ジクロロジメチルシランを用いた以外は、合成例1と同様の操作を行い、白色固体のポリ(N−メチル−トリメチルビニル)ジシラザン3.3グラムを得た。GPCによるポリスチレン換算のMnは26000、Mwは33000であった。
Figure 2017165601
2.α−炭化珪素の製造
実施例1
合成例1で得られたポリ(N−メチル−メチルビニル)シラザン1.2グラムをアルミナ製角灰皿に入れ、これを石英管(内径46mm、長さ1000mm)の中に載置した。そして、この石英管を管状炉の中に載置して、毎分200ミリリットルの窒素気流下、25℃から2時間かけて800℃まで昇温し、その後、1時間に渡って800℃を保持した。この熱処理により、0.6グラムの黒色固体を得た。
次に、上記黒色固体を乳鉢で粉砕し、得られた粉末440ミリグラムを窒化ホウ素製坩堝に入れ、これを、窒化ホウ素製の容器に入れ、更に、黒鉛製の容器に収容した。そして、この黒鉛製容器を富士電波工業社製高温焼成炉「ハイマルチ」(商品名)内に設置し、熱分解を行った。はじめに、25℃から500℃までは真空状態で加熱した。そして、窒素ガスを用いて加圧しながら毎分10℃の速度で昇温し、500℃から1200℃までは196kPa、1600℃までは392kPa、1600℃から1800℃までは980kPaとした。その後、1時間に渡って1800℃を保持した。この熱分解により、337ミリグラムの黒色粉末を得た。ポリアルコキシシラザン原料に対する収率は76%であった。
得られた黒色粉末の元素分析(炭素原子:燃焼赤外線吸収法、酸素原子:不活性ガス中加熱融解赤外線吸収法、窒素原子及び水素原子:不活性ガス中加熱融解熱伝導度法)を行ったところ、ケイ素原子、炭素原子、酸素原子、窒素原子及び水素原子の質量比は、これらの合計を100質量%とした場合に、それぞれ、41.75質量%、39.3質量%、0.38質量%、2.02質量%及び0.046質量%であった。
また、フィリップス社製X線回折装置「X’pert Pro α1」(型式名)を用いて、X線回折像を得た(図1参照)。図1において、回折ピーク(2θ)が34°、35.5°、38°、41°、60°、65.5°及び71.6°に見られたことから、黒色粉末は、α−炭化珪素であることが分かった。更に、日本分光社製ラマン分光分析装置「NRS−3300」(型式名)を用いて、ラマンスペクトルを得た(図2参照)。図2において、α−炭化珪素に由来するピーク(770cm−1)が見られた。
比較例1
合成例2で得られたポリ(N−メチル)ジメチルシラザンのTG/DTA分析(窒素ガス雰囲気下、昇温速度:20℃/分)を行い、TG/DTA曲線を得た(図3参照)。図3から明らかなように、600℃に達する前に、100%の重量減少が発生した。
比較例2
合成例3で得られたポリ(N−メチル−トリメチルビニル)ジシラザンのTG/DTA分析(窒素ガス雰囲気下、昇温速度:20℃/分)を行い、TG/DTA曲線を得た(図4参照)。図4から明らかなように、約600℃において、90%の重量減少が発生した。
本発明により得られるα−炭化珪素は、研磨剤、半導体材料等として好適である。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表される構造を含むポリシラザンを熱分解して、α−炭化珪素を製造する方法。
    Figure 2017165601
    (式中、R、R、R及びRは、互いに同一又は異なって、炭素原子数1〜20のアルキル基、又は、炭素原子数6〜20のアリール基であり、R、R及びRは、互いに同一又は異なって、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、又は、炭素原子数6〜20のアリール基であり、X、X、X及びXは、互いに同一又は異なって、下記一般式(2)で表される有機基であり、p、q、r及びsは、0又は正の数であり、p、q及びrのうちの少なくとも1つは、正の数である。
    Figure 2017165601
    (式中、R11及びR13は、互いに同一又は異なって、炭素−炭素不飽和結合を有する炭化水素基であり、R12は、炭素原子数1〜4のアルキル基である。))
  2. 前記一般式(1)におけるqが正の数である請求項1に記載のα−炭化珪素の製造方法。
  3. 前記一般式(2)におけるR11及びR13がビニル基である請求項1又は2に記載のα−炭化珪素の製造方法。
  4. 前記ポリシラザンの熱分解を、不活性ガス雰囲気下で行う請求項1乃至3のいずれか一項に記載のα−炭化珪素の製造方法。
  5. 前記ポリシラザンの熱分解を、加圧条件下で行う請求項1乃至4のいずれか一項に記載のα−炭化珪素の製造方法。
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