JP2017164945A - 産業用インクジェット印刷機向け塗工紙およびその製造方法 - Google Patents

産業用インクジェット印刷機向け塗工紙およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】色濃度の均一性およびインク吸収性に優れ、インクの裏抜け発生抑制性を有し、給紙搬送性に優れる産業用インクジェット印刷機向け塗工紙を提供する。【解決手段】基紙と、前記基紙上にカチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる少なくとも1種並びにカオリンを含有する塗工層とを有し、前記カオリンの含有量が塗工層中の顔料100質量部に対して30質量部以上80質量部以下であり、前記塗工層を有する側の塗工紙表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さ(Ra)が4.5μm以上7.5μm以下であり、および前記塗工層を有する側の塗工紙表面が1.0平方センチメートルあたり1個以上350個以下の突起部を有する塗工紙。前記突起部は、電子顕微鏡を用いた50倍倍率の拡大観察によって塗工紙表面を撮影した撮影画像において実測される突起部の最大幅長さが10μm以上100μm以下のものである。【選択図】図1

Description

本発明は、商業印刷のための産業用インクジェット印刷機に使用する産業用インクジェット印刷機向け塗工紙に関する。
インクジェット記録方式の技術が急速に進歩し、多数枚の商業印刷物を製造するための産業用または商業用の印刷機に、インクジェット記録方式を使用する産業用インクジェット印刷機が公知である(例えば、特許文献1および2、非特許文献1および2参照)。産業用インクジェット印刷機は、例えば、大日本スクリーン製造社のTruepressJet、ミヤコシ社のMJPシリーズ、コダック社のProsperおよびVERSAMARK、富士フイルム社のJetPress、HP社のWebPressなどの名称で販売されている。
このような産業用インクジェット印刷機は、印刷諸条件に依存するものの一般家庭向けおよびSOHO向けインクジェットプリンター、並びに大判インクジェットプリンターに比べてカラー印刷速度が10倍〜数十倍と速く、印刷速度が15m/分以上、より高速では60m/分を超える。このため、産業用インクジェット印刷機は、一般家庭向けおよびSOHO向けインクジェットプリンターおよび大判インクジェットプリンターと区別される。
産業用インクジェット印刷機は、可変情報を取り扱うことができるためにオンデマンド印刷に適応することができる。印刷業者は、固定情報をグラビア印刷機、オフセット印刷機、活版印刷機、フレキソ印刷機、熱転写印刷機またはトナー印刷機など従来からの印刷機で印刷し、可変情報を産業用インクジェット印刷機で印刷する形態を採用する場合が多い。従来からの印刷機は、特に、印刷画質や製造コストの点からオフセット印刷機の使用が多い。
過度な表面反射を低減し適度な観察表面を持つインクジェット記録方式によって記録を行う被記録媒体であって、中心線平均粗さで0.20μm以下の基材上に少なくとも1層以上の無機顔料および高分子バインダーからなるインク受理層、並びに無機顔料および高分子バインダーからなる表面反射低減層を順次積層してなり、前記表面反射低減層が表面にゲル状突起を散在してなる被記録媒体が公知である(例えば、特許文献3参照)。
特開2011−251231号公報 特開2005−088525号公報 特開2000−190631号公報
徳増路子著「B2判印刷本紙対応インクジェット印刷機」(「印刷雑誌」、印刷学会出版部発行、2010年8月号(Vol.93)、21頁〜24頁) 宮城安利著「オフセット品質のインクジェット印刷機」(「印刷雑誌」、印刷学会出版部発行、2010年8月号(Vol.93)、25頁〜29頁)
産業用インクジェット印刷機に使用されるインクは、色材が顔料である水性顔料インクと色材が染料である水性染料インクとに大別され、水性顔料インクと水性染料インクとはそれぞれ異なる欠点を有する。水性顔料インクでは、印刷速度が速くなるにつれ印刷用紙のインク吸収性に部分的なバラツキが発生すると、印刷部分の色濃度が不均一になる場合がある。この原因は、微細なノズルからインク滴を吐出するというインクジェットの原理から、産業用インクジェット印刷機に使用されるインクはオフセット印刷機など従来からの印刷機のインクに比べて色材含有濃度が低いためである。従って、色濃度の均一性に優れる産業用インクジェット印刷機向け塗工紙が望まれている。水性染料インクでは、印刷速度が速くなるにつれ印刷用紙のインク吸収性が不足すると、印刷部分で色の境界に滲みが発生する場合がある。従って、インク吸収性の良い産業用インクジェット印刷機向け塗工紙が望まれている。
加えて最近、産業用インクジェット印刷機向け塗工紙には、インクの裏抜けの発生を抑えることが要求される。産業用インクジェット印刷機のインクは、オフセット印刷機など従来の印刷機のインクに比べてインクの色材含有濃度が低く且つインク溶媒が多く含まれることから、インクの裏抜けが発生しやすい。「インクの裏抜け」とは、インクが、印刷側の面に止まらず原紙の深部まで到達し、印刷面の裏面側から印刷画像が視認される現象である。商業印刷では両面印刷する場合が多く、インクの裏抜けは、商品として十分な画質を損なう。従って、インクの裏抜け発生抑制性を有する産業用インクジェット印刷機向け塗工紙が望まれている。
また、産業用インクジェット印刷機向け塗工紙には、高い後加工適性が要求されるようになってきた。産業用インクジェット印刷機向け塗工紙の後加工として紙折り処理や封入封緘処理等があり、例えば、ダイレクトメール用広告等を封筒に入れる大きさに折り畳む際に使用する紙折り機が知られている。紙折り機に紙が供給され折り畳まれる際、紙折り機に紙が1枚ずつ給紙される必要があり、通常、シート状の紙束から紙を1枚ずつ分離して搬送する紙送り装置が設けられている。
紙送り装置としては、エア吸引によって1枚ずつ紙を分離して搬送するエア吸引方式と、ゴム等の高摩擦係数の材料と紙との摩擦力を利用し紙を1枚ずつ分離して搬送するフリクション方式が一般的である。エア吸引方式は、フリクション方式と比べて、紙束から1枚ずつ紙を分離する能力に劣る傾向にある。エア吸引方式は、塗工紙を搬送する場合、塗工紙表面によってエア吸引が上手くできないと、紙束から1枚の紙を分離することに失敗(不送り)、複数枚の紙を同時に搬送(重送)または紙を斜め方向に給紙(スキュー)などの搬送トラブルを発生する。フリクション方式は、給紙するためのローラーやベルトと紙との間に十分な摩擦力が生じないと、搬送トラブルを発生する。ローラーやベルトに一般的に使用されるゴム等の材料は使用が進むにつれて劣化し、摩擦力は経時で低下する。このような場合、ローラーやベルトと紙との間で滑りが生じ、搬送トラブルが特に起こりやすい。産業用インクジェット印刷機向け塗工紙には、商業印刷物という生産性の観点から、どちらの方式の紙送り装置を用いても搬送トラブルが発生し難くい優れた給紙搬送性が要求される。
特許文献3に記載された被記録媒体は、表面反射を軽減させるという面質の変化を目的としており、ゲル状突起は均一且つ多く存在する。よって、特許文献3に記載された被記録媒体では、ゲル状突起の有無による面質の変化に影響することなく搬送トラブルを解決することができない。
本発明の課題は、色濃度の均一性およびインク吸収性に優れ、インクの裏抜け発生抑制性を有し、給紙搬送性に優れる産業用インクジェット印刷機向け塗工紙を提供することである。
また本発明の課題は、色濃度の均一性およびインク吸収性に優れ、インクの裏抜け発生抑制性を有し、給紙搬送性に優れる産業用インクジェット印刷機向け塗工紙の製造方法を提供することである。
本発明の上記の課題は、基紙と、前記基紙上にカチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる少なくとも1種並びにカオリンを含有する塗工層とを有し、前記カオリンの含有量が塗工層中の顔料100質量部に対して30質量部以上80質量部以下であり、前記塗工層を有する側の塗工紙表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さ(Ra)が4.5μm以上7.5μm以下であり、および前記塗工層を有する側の塗工紙表面が1.0平方センチメートルあたり1個以上350個以下の下記で規定される突起部を有する産業用インクジェット印刷機向け塗工紙によって解決される。
突起部は、電子顕微鏡を用いた50倍倍率の拡大観察によって塗工紙表面を撮影した撮影画像において実測される突起部の最大幅長さが10μm以上100μm以下のものである。
また課題は、基紙を得る工程、カチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる少なくとも1種並びにカオリンを含有する塗工層塗工液を得る工程、および塗工層塗工液を基紙上に塗工して塗工層を得る工程を有し、前記塗工層におけるカオリンの含有量が塗工層中の顔料100質量部に対して30質量部以上80質量部以下であり、塗工層を有する側の塗工紙表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さ(Ra)が4.5μm以上7.5μm以下および1.0平方センチメートルあたり下記で規定される突起部が1個以上350個以下になる産業用インクジェット印刷機向け塗工紙の製造方法によって解決される。
突起部は、電子顕微鏡を用いた50倍倍率の拡大観察によって塗工紙表面を撮影した撮影画像において実測される突起部の最大幅長さが10μm以上100μm以下であるものである。
本来、突起部は塗工紙の面質に好ましくないが、発明者は、本発明に係る突起部の大きさおよび個数であれば、面質に影響がなく且つエア吸引方式やフリクション方式の給紙搬送性に対して良好に作用することを見出した。
本発明により、色濃度の均一性およびインク吸収性に優れ、インクの裏抜け発生抑制性を有し、給紙搬送性に優れる産業用インクジェット印刷機向け塗工紙を提供することができる。
また、その製造方法を提供することができる。
本発明の産業用インクジェット印刷機向け塗工紙の塗工層を有する側の塗工紙表面を観察した電子顕微鏡写真である。 図1において、一部の、突起部の位置および突起部の最大幅長さを図示した電子顕微鏡写真である。
以下、本発明について詳細に説明する。
産業用インクジェット印刷機が搭載するインク種には、水性染料インクと水性顔料インクとがあるが、本発明において、産業用インクジェット印刷機のインク種についてはいずれでも構わない。
印刷する画像に可変情報と固定情報が存在する場合は、固定情報の一部または全部をグラビア印刷機、オフセット印刷機、活版印刷機、フレキソ印刷機、熱転写印刷機またはトナー印刷機など従来からの印刷機を用いて印刷することが好ましい。特に、製造コストと印刷品質の点でオフセット印刷機が好ましい。従来からの印刷機は、産業用インクジェット印刷機を用いて印刷する前であっても後であっても構わない。
グラビア印刷機は、画像が彫り込まれたロール状の版胴を介してインクを被印刷体に転写する方式の印刷機である。オフセット印刷機は、インクを一度ブランケットに移してから被印刷体に再び転移する間接印刷方式の印刷機である。活版印刷機は、凸版に付与されたインクを被印刷体に押しつけるように圧をかけて印刷する凸版印刷方式の印刷機である。フレキソ印刷機は、柔軟な弾性のある樹脂版を使用する凸版印刷方式の印刷機である。熱転写印刷機は、各色のインクリボンを用いる印刷機であって、熱によってインクリボンから色材を被印刷体に転写する方式の印刷機である。トナー印刷機は、帯電ドラムに付着したトナーを、静電気を利用して被印刷体にトナーを転写させる電子写真方式の印刷機である。
基紙は、LBKP、NBKPなどの化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGPなどの機械パルプ、およびDIPなどの古紙パルプに、炭酸カルシウムなどの填料を加え、サイズ剤、歩留まり剤、カチオン性化合物、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤など必要に応じて各種添加剤を配合した紙料から、酸性、中性、アルカリ性の条件で抄造した紙である。
基紙は、サイズプレス液を用いてサイズプレス処理することができる。サイズプレス液に用いる表面サイズ剤は、製紙分野で従来公知のものであって、例えば、スチレン−アクリル系サイズ剤、オレフィン系サイズ剤、スチレン−マレイン酸系サイズ剤などを挙げることができる。また、サイズプレス液には、表面サイズ剤以外に各種添加剤を含有することができる。
塗工層は、顔料としてカオリンを塗工層中の全顔料固形分100質量部中30質量部以上80質量部以下の範囲で含有する。塗工層のカオリン含有量が塗工層中の全顔料固形分100質量部中30質量部未満である場合、特に、給紙搬送性に劣る。塗工層のカオリン含有量が塗工層中の全顔料固形分100質量部中80質量部を超える場合、色濃度の均一性およびインク吸収性に劣る。
塗工層は、カオリン以外に従来公知の顔料を含有する。従来公知の顔料の例としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン、酸化亜鉛、合成シリカ、サチンホワイト、アルミナおよび水酸化アルミニウムなどの無機顔料、並びに各種有機顔料などを挙げることができる。
塗工層は、カチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる少なくとも1種を含有する。
カチオン性樹脂は、カチオン性ポリマーまたはカチオン性オリゴマーであり、従来公知のものを使用することができる。好ましいカチオン性樹脂は、プロトンが配位しやすく、水に溶解したとき離解してカチオン性を呈する1級〜3級アミンまたは4級アンモニウム塩を含有するポリマーまたはオリゴマーである。カチオン性樹脂の例としては、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン、ポリアミンスルホン、ポリジアルキルアミノエチルメタクリル酸エステル、ポリジアルキルアミノエチルアクリル酸エステル、ポリジアルキルアミノエチルメタクリルアミド、ポリジアルキルアミノエチルアクリルアミド、ポリエポキシアミン、ポリアミドアミン、ジシアンジアミド−ホルマリン縮合物、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等の化合物およびこれらの塩酸塩、さらにポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドおよびジアリルジメチルアンモニウムクロライドとアクリルアミド等との共重合物、ポリジアリルメチルアミン塩酸塩、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物やジエチレントリアミン−エピクロルヒドリン重縮合物等の脂肪族モノアミンまたは脂肪族ポリアミンとエピハロヒドリン化合物との重縮合物を挙げることができるが、これらに限定されない。商業的入手容易性および後記の突起部の形成の理由により、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物が好ましい。本発明において、カチオン性樹脂の平均分子量は特に限定されないが、500以上20,000以下の範囲が好ましい。
水溶性多価陽イオン塩は、金属の多価陽イオンを含む水溶性塩である。好ましい多価陽イオン塩は、金属の多価陽イオンを含み、20℃の水に1質量%以上溶解することができる塩である。金属の多価陽イオンの例としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ニッケル、亜鉛、銅、鉄、コバルト、スズ、マンガンなどの二価陽イオン;アルミニウム、鉄、クロムなどの三価陽イオン;またはチタン、ジルコニウムなどの四価陽イオン;並びにそれらの錯イオンである。金属の多価陽イオンと塩を形成する陰イオンとしては、無機酸および有機酸のいずれでもよく、特に限定されない。無機酸の例としては、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、ホウ酸、フッ化水素酸などを挙げることができる。有機酸の例としては、ギ酸、酢酸、乳酸、クエン酸、シュウ酸、コハク酸、有機スルホン酸などを挙げることができる。
水溶性多価陽イオン塩は、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム等のカルシウム塩が好ましい。この理由は、産業用インクジェット印刷機向け塗工紙の色濃度の均一性とインク吸収性がより良好になり、またインクの裏抜け発生抑制性がより良好になり、さらに後記の突起部の形成が良好になるからである。薬品コストの点から、塩化カルシウムまたは硝酸カルシウムが好ましい。
塗工層は、製紙分野で従来公知のバインダーを適宜含有することができる。バインダーの例としては、酸化デンプン、酵素変性デンプン、燐酸エステル化デンプンおよびカチオン化デンプンまたはこれらデンプンの誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルアルコールおよびシラノール変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール誘導体、カゼインおよびゼラチンまたはそれらの変性物、大豆蛋白、プルラン、アラビアゴム、カラヤゴムおよびアルブミンなどの天然高分子樹脂またはこれらの誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミドおよびポリビニルピロリドンなどのビニルポリマー、アルギン酸ソーダ、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、無水マレイン酸またはその共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体およびアクリロニトリル−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの重合体並びにメタクリル酸塩またはメタクリル酸エステルとブタジエンとの共重合体などのアクリル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体および塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、およびこれら前記各種共重合体のカルボキシル基などの官能基含有単量体による官能基変性共重合体、さらにメラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化合成樹脂、天然ゴムラテックスなどを挙げることができる。
塗工層は、必要に応じて、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、抑泡剤、発泡剤、離型剤、浸透剤、湿潤剤、熱ゲル化剤、印刷適性向上剤、染料定着剤、滑剤、染料、蛍光増白剤または耐水化剤等の製紙分野で通常使用されている従来公知の各種助剤を含有することができる。
本発明の産業用インクジェット印刷機向け塗工紙は、本発明の塗工層を有する側の塗工紙表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さ(Ra)が4.5μm以上7.5μm以下である。算術平均粗さ(Ra)が4.5μm未満の場合、フリクション方式の紙送り装置に対する給紙搬送性が劣る。また、算術平均粗さ(Ra)が4.5μm未満の場合、塗工層の空隙が潰れていることが多く、その結果としてインク吸収性も劣ることがある。算術平均粗さ(Ra)が7.5μmを超える場合、エア吸引方式の紙送り装置に対する給紙搬送性が劣る。
本発明の産業用インクジェット印刷機向け塗工紙は、本発明の塗工層を有する側の塗工紙表面が1.0平方センチメートルあたり1個以上350個以下の下記で規定される突起部を有する。1.0平方センチメートルあたりの突起部の数は、1個以上250個以下が好ましく、1個以上150個以下がより好ましい。
突起部は、電子顕微鏡を用いた50倍倍率の拡大観察によって塗工紙表面を撮影した撮影画像において実測される突起部の最大幅長さが10μm以上100μm以下のものである。
突起部の高さは、0.1μm以下が好ましい。0.1μmを超えると塗工紙表面の面質に影響する。
図1に、本発明の産業用インクジェット印刷機向け塗工紙の塗工層を有する側の塗工紙表面を観察した電子顕微鏡写真を示す。この撮影画像において塗工紙表面が突起部を有することが分かる。図2は、図1に対して突起部および突起部の最大幅長さを図示したものである。突起部の最大幅長さは、図2に示すように、撮影された突起部のそれぞれにおいて幅が最大値となる長さである。
塗工紙表面1.0平方センチメートルあたり、突起部の個数が1個未満の場合はフリクション方式の紙送り装置に対する給紙搬送性が劣り、突起部の個数が350個を超える場合はエア吸引方式の紙送り装置に対する給紙搬送性が劣る。
本発明の好ましい態様において、突起部は、カチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる少なくとも1種とカオリンとの組み合わせによって形成される。
カオリンは、通常、平板状の粒子であって、粒子の平面部分がマイナスにエッジ部分がプラスに帯電しているといわれている。このために、カチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる少なくとも1種とカオリンとの組み合わせによってカチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる少なくとも1種がカオリンの平面部分に吸着して、塗工層塗工液中に分散した微細な凝集塊が生成する。吸着は強固なものではないために、凝集塊は、塗工層塗工液を強く撹拌するあるいは剪断力を与えるなど力を加えることによって崩壊する。微細な凝集塊が生成している塗工層塗工液を塗工および乾燥することによって、微細な凝集塊によって塗工紙表面に突起部が形成される。突起部の数は、塗工層塗工液中の凝集塊の生成度合いによって調整できる。生成度合いは、カオリンの種類や大きさ、カチオン性樹脂の種類によって変わり、また、撹拌の強さによって変わる。
突起部は、カチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる少なくとも1種とカオリンとの組み合わせによって形成される以外に、エンボス加工のような凹凸加工処理によって塗工紙表面に突起部を形成しても給紙搬送性の効果は得られる。しかしながら、エンボス加工によって本発明に係る最大幅長さや個数の突起部を形成することは困難であり、また製造コストの増加になる。
本発明に係る塗工層を有する側の塗工紙表面の算術平均粗さ(Ra)は、塗工紙分野で従来公知の物性であり、基紙のパルプ種、基紙や塗工紙に対するカレンダー処理の有無およびその条件、塗工層の塗工量、塗工層中の顔料の平均粒子径や粒度分布、バインダー量および塗工層塗工液の塗工方法など従来公知の方法によって調整することができる。また、カチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる少なくとも1種の種類や含有量とカオリンの種類や含有量との組み合わせで形成される突起部によって調整することができる。
カレンダー処理装置の例としては、マシンカレンダー、ソフトニップカレンダー、スーパーカレンダー、多段カレンダー、マルチニップカレンダーなどを挙げることができる。
塗工層の塗工量は、本発明に係るRaおよび突起部を満足する範囲であればよく、特に制限されない。色濃度の均一性、インク吸収性、インクの裏抜け発生抑制性および給紙搬送性が概ね均等に良好となることから、乾燥固形分で片面あたり1.0g/m2以上7.0g/m2以下が好ましい。
基紙上に塗工層を設ける方法は、塗工紙分野で従来公知の塗工装置を用いて塗工層塗工液を塗工する方法であって特に限定されない。本発明に係る突起部を満足しやすい点で、塗工層塗工液に対して塗工時に剪断力がかからない塗工装置が好ましく、例えば、エアナイフコーターまたはフィルムサイズプレスが好ましい。本発明の算術平均粗さ(Ra)や突起部を満足する場合は、他の塗工装置を除外しない。他の塗工装置の例としては、カーテンコーター、スライドリップコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ビルブレードコーター、ショートドエルブレードコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、ロールコーターなどを挙げることができる。
基紙上に塗工層を設ける場合、塗工層塗工液を塗工した後、乾燥装置を用いて乾燥することが好ましい。乾燥装置の例としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤー等の熱風乾燥機、赤外線加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した乾燥機等を挙げることができる。
塗工層塗工液は、水を媒体として必要に応じて顔料分散剤を添加し、これに、カオリンおよびその他の顔料を分散し、そこに、必要に応じてバインダーや従来公知の各種助剤を添加し、さらにカチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる少なくとも1種を混合して調製される。本発明の好ましい態様において、突起部は、カチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる少なくとも1種とカオリンとの組み合わせによって形成されるため、塗工層塗工液に微細な凝集塊を生成するように均一に混合した後では強い撹拌等を避ける。
本発明の産業用インクジェット印刷機向け塗工紙の製造方法について説明する。
産業用インクジェット印刷機向け塗工紙の製造方法は、基紙を得る工程、カチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる少なくとも1種並びにカオリンを含有する塗工層塗工液を得る工程、および塗工層塗工液を基紙上に塗工して塗工層を得る工程を有し、塗工層におけるカオリンの含有量が塗工層中の顔料100質量部に対して30質量部以上80質量部以下であり、塗工層を有する側の塗工紙表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さ(Ra)が4.5μm以上7.5μm以下および1.0平方センチメートルあたり突起部が1個以上350個以下になる製造方法、である。
産業用インクジェット印刷機および産業用インクジェット印刷機向け塗工紙は、上記の産業用インクジェット印刷機および産業用インクジェット印刷機向け塗工紙と同じであり、重複する説明は記載を割愛する。
基紙を得る工程は、基紙を製造すること、または製造された基紙を入手することを含む。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその主旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、実施例において示す質量部、質量%は、乾燥固形分あるいは実質成分の値を示す。塗工量は乾燥固形分量を示す。
(色濃度の均一性の評価)
コダック社製産業用インクジェット印刷機Prosper 5000XL Pressを使用し、水性顔料インクにて評価画像を75m/分で、6000m印刷した。ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各単色およびブラックを除く他の3色インクでの2重色(レッド、グリーン、ブルー)の計7色のベタパターンを、3cm×3cm四方で横一列に隙間なく並べて記録するという方法で印刷を行った。印刷部分の各色ベタ部の色濃度の均一性について目視評価によって判定した。本発明において、色濃度の均一性に優れる産業用インクジェット印刷機向け塗工紙は、3〜5の評価である。
5:色濃度が均一である。
4:色によっては濃度が極僅かに不均一である。
3:色濃度が僅かに不均一である。
2:色濃度が部分的に不均一である。
1:印刷部分の全体に、色濃度が不均一である。
(インク吸収性の評価)
ミヤコシ社製産業用インクジェット印刷機MJP20Cを使用し、水性染料インクにて評価画像を150m/分で、6000m印刷した。ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各単色およびブラックを除く他の3色インクによる2重色(レッド、グリーン、ブルー)の計7色のベタパターンを、2cm×2cm四方で横一列に隙間なく並べて記録するという方法で印刷を行った。各色ベタ印刷画像部分および色境界部分の滲みの観点から目視評価によって判定した。本発明において、インク吸収性に優れる産業用インクジェット印刷機向け塗工紙は、3〜5の評価である。
5:色の境界部に滲みがない。
4:色の境界部にほとんど滲みがない。
3:色の境界部に滲みはあるものの、境界部がはっきり識別できる。
2:色の境界部がはっきりせず、隣接する色が境界部を越えて若干移動している。
1:各色の境界がわからず、隣接する色への滲み出しが大きい。
(インクの裏抜け発生抑制性の評価)
HP社製産業用インクジェット印刷機WebPressT−300を用い、水性顔料インクにて評価画像を100m/分で、6000m印刷した。ブラックのベタ印刷パターンを10cm×10cm四方で記録するという方法で印刷を行った。ブラックベタ印刷部の裏面側からJIS P 8148に規定された白色度測定方法を用いて白色度の測定を行い、「印刷のない白色部の白色度(光学%)」−「ブラックベタ印刷部の裏面側の白色度(光学%)」の値を算出して塗工紙のインクの裏抜け発生抑制性を評価した。白色度の測定は、日本電色社製PF−10を用いて、標準板の上にサンプルを一枚乗せ、UVカットの条件で行った。本発明において、インクの裏抜け発生抑制性を有する産業用インクジェット印刷機向け塗工紙は、3〜5の評価である。
5:10光学%未満。
4:10光学%以上、13光学%未満。
3:13光学%以上、16光学%未満。
2:16光学%以上、19光学%未満。
1:19光学%以上。
(給紙搬送性の評価)
フリクション方式の紙送り装置としてサンレイインターナショナル社製F600KEボトムフィーダーを使用し、またエア吸引方式の紙送り装置としてサンレイインターナショナル社製A−FEEDER−TYPE1を使用し、A4サイズにカットした産業用インクジェット印刷機向け塗工紙を10000枚給紙搬送させた。給紙において不送り、重送またはスキューの搬送トラブル回数を数えた。回数により下記の5段階で評価した。本発明において、給紙搬送性に優れる産業用インクジェット印刷機向け塗工紙は、3〜5の評価である。
5:両方式において搬送トラブルは5回未満
4:一方の方式において搬送トラブルが5回未満且つ他方式が5回以上20回未満
3:両方式において搬送トラブルは5回以上20回未満
2:少なくとも一方の方式において搬送トラブルが20回以上50回未満
1:少なくとも一方の方式において搬送トラブルが50回以上
(塗工層を有する側の塗工紙表面の算術平均粗さ(Ra)の測定)
塗工紙表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さ(Ra)は東京精密社製サーフコム1400Dを用いて測定した。
(塗工層を有する側の塗工紙表面の突起部個数の測定)
産業用インクジェット印刷機向け塗工紙の任意の場所を1.0平方センチメートルに切り取り、その表面を日本電子社製走査型電子顕微鏡JSM−6490LAを用いて50倍倍率で観察し、撮影画像から測定される最大幅長さが10μm以上100μm以下である突起部の個数を数えた。この作業を任意の16場所で行い、16場所の平均値を該産業用インクジェット印刷機向け塗工紙の塗工紙表面1.0平方センチメートルあたりの突起部の個数とした。
各実施例および各比較例の産業用インクジェット印刷機向け塗工紙は以下の手順によって作製された。
<基紙の調製>
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム15質量部、両性デンプン0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤0.05質量部を添加した紙料を、長網抄紙機で抄造し、マシンカレンダー処理をして基紙を作製した。最終的に基紙の坪量が80g/m2になるように抄造条件等を調整した。マシンカレンダー処理の条件は、最終的に、所望の算術平均粗さ(Ra)になるよう設定した。
<塗工層塗工液の調製>
塗工層塗工液は下記の内容により調製した。
カオリン 配合部数は表1に記載
その他の顔料 種類および配合部数は表1に記載
ポリビニルアルコール 5質量部
市販ポリアクリル酸系分散剤 0.1質量部
カチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる化合物 10質量部
種類は表1に記載
市販ポリアクリル酸系分散剤を溶解させた水に、カオリンおよび/またはその他の顔料を混合し、撹拌した。その後、撹拌しながら、既に水に溶解させたポリビニルアルコールとカチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる化合物とを添加した。混合後しばらくの間、弱く撹拌して塗工層塗工液を得た。最終的に濃度を40質量%に調整した。ここで、実施例1〜17および比較例1、2、5、6および8の塗工層塗工液は、カオリンと、カチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる化合物とを配合することで凝集塊を有していた。比較例7の塗工層塗工液は、凝集塊が発生しない程度に撹拌した。
表1に略称で示した顔料、カチオン性樹脂は以下の通りである。また水溶性多価陽イオン塩である塩化カルシウム、硝酸カルシウムは一般市販品を用いた。
カオリン:白石カルシウム社製カオファイン90
重質炭酸カルシウム:ファイマテック社製FMT−97
軽質炭酸カルシウム:奥多摩工業社製タマパールTP−123(柱状)
カチオン性樹脂:里田化工社製ジェットフィックス5052(ジメチルアミン−エピクロルヒドリン重縮合物)
<塗工層の作製>
基紙上に、表1に記載の各実施例および各比較例の塗工層塗工液を、表1に記載の塗工装置を用いて片面あたり表1に記載の塗工量となるように片面ずつ両面に塗工した。塗工後、乾燥して、基紙上に塗工層を得た。
<産業用インクジェット印刷機向け塗工紙の作製>
基紙上に塗工層を設けた後、マシンカレンダー処理をして産業用インクジェット印刷機向け塗工紙を得た。マシンカレンダー処理の条件は、所望の算術平均粗さ(Ra)になるよう設定した。
各実施例および各比較例について、各評価結果を表1に示す。
表1から、本発明の産業用インクジェット印刷機向け塗工紙である実施例1〜17は、色濃度の均一性およびインク吸収性に優れ、インクの裏抜け発生抑制性を有し、給紙搬送性に優れることが分かる。一方、本発明に該当しない塗工紙である比較例1〜8は、本発明に係る全ての効果を満足することができないことがと分かる。

Claims (2)

  1. 基紙と、前記基紙上にカチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる少なくとも1種並びにカオリンを含有する塗工層とを有し、前記カオリンの含有量が塗工層中の顔料100質量部に対して30質量部以上80質量部以下であり、前記塗工層を有する側の塗工紙表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さ(Ra)が4.5μm以上7.5μm以下であり、および前記塗工層を有する側の塗工紙表面が1.0平方センチメートルあたり1個以上350個以下の下記で規定される突起部を有する産業用インクジェット印刷機向け塗工紙。
    突起部は、電子顕微鏡を用いた50倍倍率の拡大観察によって塗工紙表面を撮影した撮影画像において実測される突起部の最大幅長さが10μm以上100μm以下のものである。
  2. 基紙を得る工程、カチオン性樹脂および水溶性多価陽イオン塩から選ばれる少なくとも1種並びにカオリンを含有する塗工層塗工液を得る工程、および塗工層塗工液を基紙上に塗工して塗工層を得る工程を有し、前記塗工層におけるカオリンの含有量が塗工層中の顔料100質量部に対して30質量部以上80質量部以下であり、塗工層を有する側の塗工紙表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さ(Ra)が4.5μm以上7.5μm以下および1.0平方センチメートルあたり下記で規定される突起部が1個以上350個以下になる産業用インクジェット印刷機向け塗工紙の製造方法。
    突起部は、電子顕微鏡を用いた50倍倍率の拡大観察によって塗工紙表面を撮影した撮影画像において実測される突起部の最大幅長さが10μm以上100μm以下のものである。
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