JP2017160441A - ガス精製装置およびガス精製方法 - Google Patents
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Abstract
Description
ことのできるガス精製装置、およびガス精製方法に関する。
をメタノールやアンモニアといった付加価値の高いエネルギー媒体へと変換するためには
、石炭をガス化する技術やガス化したものを精製する技術など、高度な技術が用いられる
。
ボニル(COS)や硫化水素(H2S)といった硫黄化合物が含まれることとなる。これ
らの硫黄化合物を除去せずに、ガス化したガスを燃焼すると、硫黄酸化物として大気に排
出されて酸性雨等の環境破壊の原因となる。このような硫黄化合物の除去方法として、H
2Sについてはアミン系水溶液で除去する湿式ガス精製プロセスが実用化されているもの
の、アミン系水溶液ではCOSを除去することはできない。
解し、アミン系水溶液で除去できるH2Sに転換する触媒反応プロセスが提案されている
(例えば、特許文献1)。
より高い分解率でCOSを分解することができる。例えば、特許文献2に記載されたガス
精製装置では、ガス化炉から排出されるガス化ガスは、水洗浄塔を介してCOS転化器へ
導入されてCOSが分解され、その後、吸収塔へ送られてH2Sが除去される。水洗浄塔
では、ガス化ガス中の不純物が回収されると共に、ガス化ガス中のH2O濃度が高くなる
ため、COS転化器においてCOSが分解されやすくなる。ただし、ガス化炉にて加熱さ
れたガス化ガスは、水洗浄塔で水洗浄するために冷却する必要があり、その後、冷却され
たガス化ガスをCOSの分解に適した温度へ再度加熱する必要がある。このように、ガス
精製装置としては、ガス化ガスの加熱と冷却を繰り返すため、設備構成が複雑となるのみ
ならず、熱効率に劣るプロセス構成となってしまう。
ス化ガスは、COS処理装置へ導入されてCOSが分解された後に水洗浄塔へ送られる装
置構成となっている。ガス化炉にて加熱されたガス化ガスは、熱交換器によりCOSの分
解に適した温度へ冷却され、COSの分解後は熱交換器により水洗浄に適した温度へ更に
冷却される。このようにガス精製装置としては、ガス化ガスの加熱と冷却を繰り返すこと
がなく、熱効率に優れるプロセス構成となる。ただし、ガス化炉から排出されたガス化ガ
スは、H2O濃度が調整されることなくCOS処理装置へ導入されることから、ガス化ガ
ス中のH2O濃度は、ガス化炉のガス化条件に依存する。そのため、常に高い分解率でC
OSを分解することは、困難である。
ことができるガス精製装置、およびガス精製方法を提供することを目的とする。
を向上させるべく、種々の検討を行った。そうしたところ、COSを加水分解する前にガ
スのH2O濃度を調整すれば、熱効率を低下させることなく、高い分解率でCOSを分解
することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
くとも含むガスを精製するガス精製装置であって、COS転換触媒を備え、前記ガス中の
COSを加水分解により分解処理するCOS処理装置と、前記COS処理装置へ導入する
前記ガスのH2O濃度を調整するH2O調整手段とを少なくとも備えるガス精製装置、で
ある。
も含むガスを精製するガス精製方法であって、前記ガスのH2O濃度を調整するH2O調
整工程と、H2O濃度を調整した前記ガス中のCOSを、COS転換触媒を用いて加水分
解することにより分解処理するCOS処理工程とを少なくとも含むガス精製方法、である
。
できる。
まず、本発明のガス精製装置は、COS、H2O、CO2、およびH2Sを少なくとも
含むガスを精製する装置である。このような化合物を含むガスとしては、石炭や石油、バ
イオマス等をガス化したガスが挙げられる。本発明の精製対象となるガスは、上記の化合
物の他、CO、N2、HCl、O2等を含む場合がある。
COS処理装置は、COS転換触媒を備え、精製対象となるガス中のCOSを加水分解に
より分解処理する装置である。COS処理装置としては、リアクタ内部にCOS転換触媒
を装填したものや、O2除去触媒とCOS転換触媒を組み合わせてリアクタ内部に装填し
たもの、O2除去機能を兼ね備えるCOS転換触媒をリアクタ内部に装填したもの、を用
いることができる。また、COS転換触媒としては、一般的にチタニア、クロム、アルミ
ナを含む触媒を用いることができる。
2O濃度を調整する手段である。COS転換触媒によりCOSを加水分解する前に、精製
対象となるガスのH2O濃度を調整することにより、高い分解率でCOSを分解すること
ができる。
S、H2Oの分圧をPH2O、CO2の分圧をPCO2、およびH2Sの分圧をPH2S
とするとき、下記式(1)で示される圧平衡定数KPが1≦KP≦20となるようにH2
O濃度を調整する手段であることが好ましい。
分解が進みやすくなることから、高い分解率でCOSを分解することができる。KPが1
0以下であれば、より速やかにCOSを分解することができる。COSは、KPが1の場
合においても良好に分解することができるものの、KPが1を下回ると、平衡上COSの
加水分解に不利となるため、COSの加水分解が進み難くなる。
することによっても理論上は変動させることができる。しかしながら、COS、CO2、
およびH2Sは、ガス化する原材料やガス化条件等によってこれらの割合が固定される。
そのため、これらの割合を変動させるためには、例えばガス化後のガスへ、COS、CO
2、またはH2Sを個々に混入させる方法をとることとなる。しかしながら、COSやH
2Sは回収対象となる化合物であり、増量させることは好ましくない。また、圧平衡定数
を調整するためだけにCO2を混入させることは、CO2の購入コストや別途設備を設置
する必要がある等の理由により、効率的ではない。COS、H2O、CO2、およびH2
Sの中では、H2Oであれば、その量を例えば石炭等の原材料の乾燥処理条件により調整
することが容易であり、また、ガス化後のガスに混入することで調整することが容易であ
る。そのため、本発明において、圧平衡定数を変動させるためには、H2Oを調整するこ
とが、最も有効な手段である。
装置とをさらに備えることができる。水洗浄装置は、COS処理装置から排出されたガス
を水洗浄する装置であり、水洗浄により水溶性のハロゲン化合物、アンモニア、有機物、
微量金属等の不純物を除去する。水洗浄装置は、ガス精製装置において好ましくは直列に
複数備えていることが好ましい。1つの水洗浄装置では不純物を全て除去することが困難
であるところ、複数の水洗浄装置を備えて不純物を除去することにより、ガスの純度を高
めることができる。水洗浄装置を複数備える場合、これらの水洗浄装置は、同じ形状のも
のを使用することができる。
ガスから除去した不純物を含む排水を廃棄できるように処理する。具体的には、アンモニ
アストリッピング塔や凝集沈殿装置といった装置構成により、不純物を処理する。1つの
水洗浄装置から排出される排水を、1つの排水処理装置により処理することが可能である
。また、複数の水洗浄装置から排出される排水を、1つの排水処理装置により処理するこ
ともできる。さらには、少なくとも1つ以上の水洗浄装置から排出される排水を、複数の
排水処理装置により処理することもできる。
調整手段は、排水処理装置の水をCOS処理装置へ導入するガスへ混入する手段とするこ
とができる。例えば、COS処理装置へガスを導入する導入ラインに、排水処理装置から
水を供給する供給ラインを接続し、さらにガスの組成に応じて水の供給量を制御する制御
手段を設ければ、排水処理装置の水をガスへ混入することにより、H2Oを調整すること
ができる。かかる手段によれば、ガス精製装置の外部からH2Oを導入することなく、ガ
スの精製過程で使用する水を循環させて繰り返し使用することが可能であり、ガス精製装
置の設備構成を簡素化することができる。
水を処理する排水処理装置の水をガスへ混入することが好ましい。精製対象となるガス中
には、不純物としてハロゲン化合物が含まれる場合があり、このハロゲン化合物がCOS
転換触媒の寿命を縮める要因の1つとなり得る。ガス中のハロゲン化合物に、さらに排水
中に含まれるハロゲン化合物が加わると、COS転換触媒の寿命をより縮めてしまうこと
となる。より不純物の少ない排水を処理する排水処理装置の水をガスへ混入することによ
り、COS転換触媒への影響を最小限に留めることができる。
るガスへ混入する手段とすることができる。例えば、COS処理装置へガスを導入する導
入ラインに、水蒸気供給手段から水蒸気を供給する供給ラインを接続し、さらにガスの組
成に応じて水の供給量を制御する制御手段を設ければ、水蒸気をガスへ混入することによ
り、H2Oを調整することができる。水蒸気供給手段としては、ボイラー、蒸気タービン
からの抽気等が挙げられる。水蒸気供給手段がガス精製装置を構成する手段である場合に
は、ガス精製装置の外部からH2Oを導入することなく、ガス精製装置の設備構成を簡素
化することができる。かかる水蒸気をCOS処理装置へ導入するガスへ混入する手段は、
上記した排水処理装置の水をCOS処理装置へ導入するガスへ混入する手段と併用するこ
とができる。
石炭乾燥装置は、石炭の水分を除去することにより石炭を乾燥する装置であり、例えば高
温排ガス加熱方式、回転ドライヤー式、蒸気流動層式、およびメカニカルプレス式等の石
炭乾燥機を使用することができる。精製対象となるガスの原材料として石炭を使用する場
合、石炭に過剰な水分が含まれていると、ガス化効率が低下してしまう。そこで、石炭を
ガス化するにあたり、ガス化効率が低下しないように石炭の水分を所定量とするべく、石
炭乾燥装置を使用する。石炭の乾燥には、ガスの精製過程で生じる排ガスの熱を利用する
ことが可能であり、また、ガス精製装置の外部から石炭乾燥装置へ熱を導入して石炭を乾
燥することもできる。
燥した石炭と、ガス化剤として酸素、空気、酸素富化された空気が投入され、熱分解によ
りガス化ガスが取り出される。
整手段は、石炭乾燥装置で石炭の水分量を調整する手段とすることができる。例えば、ガ
ス化炉内にてガス化ガス中の水分を測定する測定手段を設け、さらに、水分量に応じて石
炭乾燥装置へ導入する熱量や石炭の乾燥時間を調整する調整手段を設ければ、ガス化前の
石炭の水分量を制御することにより、H2Oを調整することができる。なお、石炭の水分
量を制御するにあたり、ガス化効率を考慮することが重要である。かかる手段によれば、
ガス化ガス中のCOS濃度が急激に高くなった場合の非定常時の対応として、追加設備を
設置することなく、既存の石炭乾燥装置やガス化炉を用いてH2Oを調整することができ
る。
入するガスへ混入する手段や、上記した排水処理装置の水をCOS処理装置へ導入するガ
スへ混入する手段と併用することができる。
スの温度を調整する熱交換器、ガス中のH2Sを回収するH2S吸収塔、およびH2Sを
吸収した吸収液を再生する吸収液再生塔といった装置等を備えることができる。
調整することができる。ガスへ水分を混入することによりガスが適度に冷却されるため、
ガス化炉から排出される高温のガスを、加水分解に好適な温度へ冷却する熱交換器の負担
が軽減される結果、熱交換器を小型化することができる。そして、ガスのH2O濃度を調
整したことにより、加水分解が進みやすくなる結果、COS転換触媒の量を減らすことが
可能であり、COS処理装置を小型化することができる。さらに、ガスのH2O濃度をガ
ス化後に調整することができるため、従来使用されてきた原材料のみならず、硫黄分の多
い原材料や水分量の少ない原材料を使用することができる。
本発明のガス精製方法は、COS、H2O、CO2、およびH2Sを少なくとも含むガ
スを精製する方法であり、H2O調整工程と、COS処理工程とを少なくとも含む。H2
O調整工程は、ガスのH2O濃度を調整する工程である。高い分解率でCOSを分解する
ため、精製対象となるガスのH2O濃度を予め調整する準備工程である。
OS転換触媒を用いて加水分解することにより分解処理する工程である。COSの加水分
解反応は触媒反応であり、触媒の使用条件に適合した温度条件に調整する必要がある。そ
こで、ガスのH2O濃度を調整した後やH2O濃度の調整と同時にガスの温度をCOSの
加水分解に適した200℃〜400℃に調整することが好ましい。
S、H2Oの分圧をPH2O、CO2の分圧をPCO2、およびH2Sの分圧をPH2S
とするとき、下記式(1)で示される圧平衡定数KPが1≦KP≦20となるようにH2
O濃度を調整する工程であることが好ましい。圧平衡定数を変動させるためには、変動の
容易性から、H2Oを調整することが、最も有効な手段である。
工程とをさらに含むことができる。水洗浄工程は、COSを分解処理したガスを水洗浄す
る工程であり、水洗浄により水溶性のハロゲン化合物、アンモニア、有機物、微量金属等
の不純物を除去する。水洗浄工程は、1回のみの水洗浄であってもよいが、ガスの精製純
度を高めるべく、複数回の水洗浄としてもよい。
りガスから除去した不純物を含む排水を廃棄できるように処理する。具体的には、ハロゲ
ン化合物、アンモニア、有機物、微量金属等の不純物を、アンモニアストリッピングや凝
集沈殿により処理する。特に、アンモニアは十分に処理する必要があり、排水処理装置を
複数設けるなどにより、アンモニアストリッピング処理を複数回実施する場合がある。
調整工程は、排水処理工程により処理された水をCOS処理工程前にガスへ混入する工程
とすることができる。
へ混入する工程とすることができる。かかる水蒸気をCOS処理工程前にガスへ混入する
工程は、上記した排水処理工程により処理された水をCOS処理工程前にガスへ混入する
工程と併用することができる。
石炭乾燥工程は、石炭の水分を除去することにより石炭を乾燥する工程である。精製対象
となるガスの原材料として石炭を使用する場合、ガス化効率が低下しないように石炭の水
分を所定量とするために行う工程である。
素富化された空気を使用し、ガス化剤の雰囲気下にて石炭を熱分解することにより、ガス
化する。
整工程は、石炭乾燥工程で石炭の水分量を調整する工程とすることができる。例えば、ガ
ス化炉出口にてガス化ガス中の水分を測定する測定手段を設け、さらに、水分量に応じて
石炭乾燥装置へ導入する熱量や石炭の乾燥時間を調整する調整手段を設ければ、ガス化前
の石炭の水分量を制御することにより、H2Oを調整することができる。
ガスへ混入する工程や、上記した排水処理工程により処理された水をCOS処理工程前に
ガスへ混入する工程と併用することができる。
スの温度を調整する温度調整工程、ガス中のH2Sを回収するH2S回収工程、およびH
2Sを吸収した吸収液を再生する吸収液再生工程といった工程等を備えることができる。
型化することや、COS転換触媒の触媒量を減らすこと、およびCOS処理装置を小型化
することができる。また、ガスのH2O濃度をガス化後に調整することができるため、従
来使用されてきた原材料のみならず、硫黄分の多い原材料や水分量の少ない原材料を使用
することができる。
参照して説明する。この場合において、本発明は図面の実施形態に限定されるものではな
い。
ス化剤3の存在下にてガス化炉4でガス化する。石炭をガス化したガスには、COS、H
2O、CO2、およびH2Sが少なくとも含まれており、ハロゲン化合物等の不純物も含
有している。得られたガスは、ガス中のCOSをCOS処理装置5でH2Sに変換し、水
洗浄塔6aで不純物を除去後、H2S吸収塔7でガス中のH2Sを回収して精製する。精
製後のガスは、メタノールやアンモニア等の化成品合成8、もしくはガスタービンあるい
は蒸気タービンに導入して発電装置9により発電を行う。排水処理装置10aは、水洗浄
塔6から排出される排水を処理する。処理後の排水の一部は、ガス化炉4からCOS処理
装置5へガスを導入する導入ライン11に、供給ライン12aを介して排水処理装置10
から排水を供給することで、COS処理装置5へ導入される前のガスのH2Oを調整する
。
イン12bを追加したガス精製プロセス1−2の概略図である。排水中のハロゲン化合物
が与えるCOS転換触媒への影響を考慮して、排水処理装置10aの排水は放流し、CO
S処理装置5へ導入される前のガスへ、より不純物の少ない排水処理装置10bの排水を
導入する。
このプロセスでは、ボイラー13から供給ライン14を介して、導入ライン11に水蒸気
を供給することで、COS処理装置5へ導入される前のガスのH2Oを調整する。また、
蒸気タービン15から蒸気を抽気し、Aで示すルートによりガスのH2Oを調整すること
や、排水回収ボイラー16へ給水する水の一部をBで示すルートにより供給して、ガスの
H2Oを調整することも可能である。
は、石炭乾燥装置17で水分を除去して乾燥した後、ガス化炉4へ導入される。石炭の乾
燥は、乾燥用排ガス18から導入される排ガスの熱を利用する。このガス精製プロセス1
−4では、排ガスの温度や供給量、石炭の乾燥時間等を制御することにより、水分の一部
を系外へ排出すると共に、水分量を保持した石炭2をガス化炉へ導入し、ガスのH2Oを
調整する。
略図である。排水処理装置からの排水の導入や、ボイラーからの水蒸気の導入、および石
炭の乾燥を制御することによる水分の導入は、個々に制御することが可能であり、ガスの
精製の状況に応じて、適宜ガスのH2Oを調整する。
のガス精製プロセス1−2の概略図に対応するガス精製装置である。ガス化炉4、集塵装
置21、熱交換器22、および23、COS処理装置5、水洗浄塔6a、および6b、排
水処理装置10a、および10b、H2S吸収塔7、および吸収液再生塔24を基本構成
とする。
する。石炭をガス化したガスには、COS、H2O、CO2、およびH2Sが少なくとも
含まれており、ハロゲン化合物等の不純物やダストを含有している。得られたガスは、ま
ず集塵装置21によりダストを除去し、熱交換器22でCOSの加水分解に適した200
℃〜400℃の温度に冷却される。次に、ガス中のCOSをCOS処理装置5でH2Sに
変換し、熱交換器23で熱回収を行ってから、水洗浄塔6a、6bで不純物を除去後、H
2S吸収塔7でガス中のH2Sを回収して精製する。精製後のガスは、低温であり、発電
装置9へ導入される際に、熱交換器22、23を経由することにより、集塵装置19また
はCOS処理装置5から排出されたガスの冷却に用いられながら熱回収される。H2S吸
収塔7でH2Sを吸収した液は、吸収液再生塔24で高濃度となったH2S25と分離す
ることにより再生されて、H2S吸収塔7へ送られる。排水処理装置10a、10bは、
水洗浄塔6a、6bから排出される排水を処理する。処理後の排水の一部は、集塵装置2
1からCOS処理装置5へガスを導入する導入ライン11に、供給ライン12を介して排
水処理装置10bから排水を供給することで、COS処理装置5へ導入される前のガスの
H2Oを調整する。排水の供給は、供給ライン12からの排水が混入される前後の、導入
ライン11を通過する水分量を測定器26により測定し、水分量に応じて制御弁27を開
閉することにより調整する。測定器26は、ガス中の水分量のほか、COS、CO2、お
よびH2Sの含有量を測定することができる。測定器26の測定値から、ガス中のCOS
の分圧(PCOS)、H2Oの分圧(PH2O)、CO2の分圧(PCO2)およびH2
Sの分圧(PH2S)から算出される圧平衡定数(KP)が1≦KP≦20となるように
、H2O濃度を調整することができる。排水は、ガスの温度により気化させることができ
る。また、排水を予め気化させた後、ガスへ混入させることも可能である。
式ガス化炉、および噴流式ガス化炉等を使用することかできる。そして、集塵装置として
は、サイクロン、ろ過式等の集塵装置を使用することができる。また、熱交換器としては
、シェルアンドチューブ式熱交換器等を使用することができる。
内部にCOS転換触媒が装填されている装置を用いることができる。COS転換触媒は、
例えばハニカム形状のほかペレット形状の触媒を使用することが可能であり、ガスが触媒
を通過する際にCOSがH2Sへ転換される。
部に溜まった洗浄水を、循環ポンプにより循環して供給する構成の水洗浄塔とすることが
できる。
構成の排水処理装置とすることができる。アンモニアストリッピング塔は、排水中に含ま
れる高濃度のアンモニアをスチームまたは空気を吹き込んで気相に放散することにより除
去する装置である。アンモニアストリッピング塔内は、例えば多孔板とダウンカマーより
構成され、排水はダウンカマーを通って上段より下段に流下する。一方、蒸気は多孔板の
孔を下段より上段に流れ、多孔板上に堰き止められた液中を上昇する。このとき、排水と
蒸気が接触し、排水中の溶解アンモニアが蒸気側に移行する。放散したアンモニアは、例
えば触媒を充填した触媒反応塔を通して酸化分解され、無害な窒素として大気に放散され
る。一方、凝集沈殿装置は、例えば凝集槽と沈殿槽から構成される。凝集槽内では、排水
と硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム等の凝集剤とを混合して不純物を凝集し、フ
ロック化する。そして、沈殿槽では、フロックを沈殿して沈殿凝集物と処理水に分離する
。これらのアンモニアストリッピング塔や凝集沈殿装置により、排水を処理する。
なるアミン化合物吸収液を供給すると共に、下部に溜まった吸収液を、循環ポンプにより
循環して供給する構成のH2S吸収塔とすることができる。
却して、H2Sとアミン化合物吸収液に分離し、その後、ポンプによりこのアミン化合物
吸収液をH2S吸収塔へ送る構成の吸収液再生塔とすることができる。
ことにより、ガスが適度に冷却される。よって、ガス化炉から排出される高温のガスを冷
却する熱交換器20の負担が軽減される結果、熱交換器20を小型化することができる。
そして、ガスのH2O濃度を調整したことにより、加水分解が進みやすくなる結果、CO
S転換触媒26の触媒量を減らすことが可能であり、COS処理装置5を小型化すること
ができる。さらに、ガスのH2O濃度をガス化後に調整することができるため、従来使用
されてきた石炭2のみならず、硫黄分の多い石炭や水分量の少ない石炭を使用することが
できる。
ることにより、熱効率を低下させることなく、COSの分解処理を促進することができる
ため、産業上有用である。
1−2 ガス精製プロセス
1−3 ガス精製プロセス
1−4 ガス精製プロセス
1−5 ガス精製プロセス
2 石炭
3 ガス化剤
4 ガス化炉
5 COS処理装置
6a、6b 水洗浄塔
7 H2S吸収塔
8 化成品合成
9 発電装置
10a、10b 排水処理装置
11 導入ライン
12a、12b 供給ライン
13 ボイラー
14 供給ライン
15 蒸気タービン
16 排水回収ボイラー
17 石炭乾燥装置
18 乾燥用排ガス
19 水蒸気
20 ガス精製装置
21 集塵装置
22 熱交換器
23 熱交換器
24 吸収液再生塔
25 高濃度H2S
26 測定器
27 制御弁
28 COS転換触媒
Claims (10)
- COS、H2O、CO2、およびH2Sを少なくとも含むガスを精製するガス精製装置
であって、
COS転換触媒を備え、前記ガス中のCOSを加水・BR>ェ解により分解処理するCOS処理
装置と、
前記COS処理装置へ導入する前記ガスのH2O濃度を調整するH2O調整手段と
を少なくとも備えるガス精製装置。 - 前記COS処理装置から排出されたガスを水洗浄する少なくとも1つの水洗浄装置と、
前記水洗浄装置から排出される排水を処理する少なくとも1つの排水処理装置と
をさらに備え、
前記H2O調整手段は、前記排水処理装置の水を前記COS処理装置へ導入する前記ガ
スへ混入する手段である請求項1または請求項2記載のガス精製装置。 - 前記H2O調整手段は、水蒸気を前記COS処理装置へ導入する前記ガスへ混入する手
段である請求項1〜請求項3のいずれかに記載のガス精製装置。 - 石炭の水分を除去することにより石炭を乾燥する石炭乾燥装置と、
乾燥した前記石炭をガス化するガス化炉と
をさらに備え、
前記H2O調整手段は、前記石炭乾燥装置で前記石炭の水分量を調整する手段である請
求項1〜請求項4のいずれかに記載のガス精製装置。 - COS、H2O、CO2、およびH2Sを少なくとも含むガスを精製するガス精製方法
であって、
前記ガスのH2O濃度を調整するH2O調整工程と、
H2O濃度を調整した前記ガス中のCOSを、COS転換触媒を用いて加水分解するこ
とにより分解処理するCOS処理工程と
を少なくとも含むガス精製方法。 - COSを分解処理したガスを水洗浄する少なくとも1つの水洗浄工程と、
前記水洗浄工程により排出される排水を処理する少なくとも1つの排水処理工程と
をさらに含み、
前記H2O調整工程は、前記排水処理工程により処理された水を前記COS処理工程前
に前記ガスへ混入する工程である請求項6または請求項7記載のガス精製方法。 - 前記H2O調整工程は、水蒸気を前記COS処理工程前に前記ガスへ混入する工程であ
る請求項6〜請求項8のいずれかに記載のガス精製方法。 - 石炭の水分を除去することにより石炭を乾燥する石炭乾燥工程と、
乾燥した前記石炭をガス化するガス化工程と
をさらに含み、
前記H2O調整工程は、前記石炭乾燥工程で前記石炭の水分量を調整する工程である請
求項6〜請求項9のいずれかに記載のガス精製方法。
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