JP5217295B2 - 石炭ガス化ガス精製方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、石炭ガス化ガス精製方法及び装置に関するものである。
一般に、石炭のガス化プロセスでは、酸素や空気を用いた部分酸化プロセスによるガス化が知られているが、従来の部分酸化プロセスは、部分酸化熱による1300℃以上の高温で石炭をガス化しており、生成されるガス化ガスに含まれるタール分は非常に少ないことから、該タール分の除去に関してはほとんど問題はなかった。しかし、この場合、ガス化プロセスが高温・高圧で行われるため、ガス化炉のコストが高くなるといった欠点を有していた。
そこで、石炭を700℃〜900℃の低温で水蒸気を用いてガス化することにより、ガス化プロセスを低圧で行い、ガス化炉のコスト削減を図る方法が本発明者等によって開発されているが、生成されるガス化ガスに含まれるタール分が高温でのガス化に比べて非常に高いといった問題を有していた。ガス化ガスに含まれるタール分は、ガス化ガスを化学合成原料に利用する場合、下流の機器類や化学合成プロセスにおいて、凝縮による配管閉塞や機器類のトラブル、合成触媒で被毒する等といった問題を引き起こすため、前記タール分はガス化ガスから除去する必要がある。
ところで、石炭の高温でのガス化に比べて低い温度でガス化が行われるバイオマスや廃棄物のガス化プロセスにおいて、ガス化ガス中に含まれるタール分は、石炭の高温でのガス化ガスに含まれるタール分よりも高い量を示すことから、バイオマス等のガス化ガスに含まれるタール等の不純物質を除去する方法を、石炭の低温でのガス化ガスに適用することも検討されている。
尚、廃棄物のガス化ガスに含まれるタール等の微量成分を除去するガス化ガス精製方法の一般的技術水準を示すものとしては、例えば、特許文献1、2、3がある。
特開2007−45857号公報 特開2005−60533号公報 特開2003−326241号公報
しかしながら、バイオマス等のガス化ガスに含まれるタール等の不純物質を除去する方法の場合、特許文献1にも記載されているように、塔内で洗浄油を噴霧しガスと洗浄油とを接触させることでガス中に含まれる軽油分を洗浄油に溶解させる軽油スクラバーや、該軽油スクラバーで回収された洗浄油から軽油分を蒸留・分離する蒸留塔等が必要になり、プロセスが複雑で且つコスト面でも不利となる。又、ガス化ガスから除去されたタール分は排水側に移行し、水処理プロセスにおけるタール処理量が多くなることから、油水分離槽や安水活性汚泥処理設備等の排水処理に要する敷地面積が非常に広く必要になるといった欠点をも有していた。
このため、石炭を低温でガス化するプロセスを検討する場合、特許文献1に記載されているような、バイオマス等のガス化ガスに含まれるタール等の不純物質を除去する方法をそのまま適用することは難しく、改善の余地が多く残されていると言える。
又、特許文献2に記載のものでは、高温での酸化分解を行うために蓄熱体及び燃料ガスを用いて1100℃以上の温度でタール分を熱分解して除去するようになっているが、この方法ではタール分を熱分解することにより余分なカーボンを煤として除去し、タール分を軽質化するため、ガス化ガスの熱量が減少し、原料のガス化効率が低下してしまい、好ましい方法であるとは言えなかった。
更に又、特許文献3に記載のものでは、タール含有ガスを800℃〜900℃に保持してタール分を改質するようになっており、この場合、タールの改質温度が低いためにタール分解塔の滞留時間を長くすることが必要となり、装置容量の増加が避けられなかった。
本発明は、斯かる実情に鑑み、プロセスの簡略化とコストダウン、排水処理に要する敷地面積削減、並びにガス化効率の向上を図りつつ、石炭の低温でのガス化ガスに含まれるタール分を確実に除去し得、石炭低温ガス化の実現化に寄与し得る石炭ガス化ガス精製方法及び装置を提供しようとするものである。
本発明は、石炭をガス化炉で700℃〜900℃の低温にてガス化したガス化ガスを精製して合成ガスを得るための石炭ガス化ガス精製方法において、
前記ガス化ガスを酸化改質炉で900℃より高い高温にて酸化・水蒸気改質することでガス化ガスに含まれるタール分を除去し、該改質したガス化ガスを熱交換器で冷却して熱回収し、該冷却後のガス化ガスを第一間接冷却器で温度が30℃以下まで低下するよう間接冷却してガス化ガスに残存するタール分及び水蒸気を凝縮させ、該間接冷却した常圧のガス化ガスを昇圧器において1MPa〜5MPaまで加圧することによりガス化ガス中のタール分の飽和蒸気濃度を下げ、該昇圧されて温度の上昇したガス化ガスを第二間接冷却器で温度が30℃以下まで低下するよう間接冷却してタール分を凝縮・ミスト化し、除去することを特徴とする石炭ガス化ガス精製方法にかかるものである。
前記石炭ガス化ガス精製方法においては、前記熱交換器で冷却したガス化ガスを水スプレー噴霧による直接冷却器で温度が30℃〜90℃まで低下するよう直接冷却し、該直接冷却したガス化ガスを前記第一間接冷却器に導くようにすることが有効となる。
この場合、前記第一間接冷却器で間接冷却した常圧のガスをミスト・粉塵除去器で処理してミスト状のタール分及び粉塵を除去し、該ミスト状のタール分及び粉塵を除去したガスを昇圧器に導くようにしても良い。
又、前記石炭ガス化ガス精製方法においては、前記熱交換器で冷却したガス化ガスを補助熱交換器でその顕熱が蒸気熱源として回収されるよう150℃〜200℃まで冷却し、該冷却したガス化ガスを前記第一間接冷却器に導くようにすることも有効となる。
更に又、前記石炭ガス化ガス精製方法においては、前記タール分除去プロセスにおいて発生するタール分を含有した排水を排水処理器で処理することにより可燃性物質を濃縮し、該濃縮した可燃性物質をガス化の原料或いは熱源としてガス化炉に投入することが望ましい。
一方、本発明は、石炭をガス化炉で700℃〜900℃の低温にてガス化したガス化ガスを精製して合成ガスを得るための石炭ガス化ガス精製装置において、
前記ガス化ガスを900℃より高い高温にて酸化・水蒸気改質することでガス化ガスに含まれるタール分を除去する酸化改質炉と、
該酸化改質炉で改質したガス化ガスを冷却して熱回収する熱交換器と、
該熱交換器で冷却した後のガス化ガスを温度が30℃以下まで低下するよう間接冷却してタール分及び水蒸気を凝縮させる第一間接冷却器と、
該第一間接冷却器で間接冷却した常圧のガス化ガスを1MPa〜5MPaまで加圧することによりガス化ガス中のタール分の飽和蒸気濃度を下げる昇圧器と、
該昇圧器で昇圧されて温度の上昇したガス化ガスを温度が30℃以下まで低下するよう間接冷却してタール分を凝縮・ミスト化し除去する第二間接冷却器と
を備えたことを特徴とする石炭ガス化ガス精製装置にかかるものである。
前記石炭ガス化ガス精製装置においては、前記熱交換器で冷却したガス化ガスを水スプレー噴霧により温度が30℃〜90℃まで低下するよう直接冷却し、該直接冷却したガス化ガスを前記第一間接冷却器に導く直接冷却器を備えることが有効となる。
この場合、前記第一間接冷却器で間接冷却した常圧のガスを処理してミスト状のタール分及び粉塵を除去し、該ミスト状のタール分及び粉塵を除去したガスを昇圧器に導くミスト・粉塵除去器を備えるようにしても良い。
又、前記石炭ガス化ガス精製装置においては、前記熱交換器で冷却したガス化ガスをその顕熱が蒸気熱源として回収されるよう150℃〜200℃まで冷却し、該冷却したガス化ガスを前記第一間接冷却器に導く補助熱交換器を備えることも有効となる。
更に前記石炭ガス化ガス精製装置においては、前記タール分を除去する機器において発生するタール分を含有した排水を処理することにより可燃性物質を濃縮し、該濃縮した可燃性物質をガス化の原料或いは熱源としてガス化炉に投入する排水処理器を備えることが望ましい。
本発明の石炭ガス化ガス精製方法及び装置によれば、プロセスの簡略化とコストダウン、排水処理に要する敷地面積削減、並びにガス化効率の向上を図りつつ、石炭の低温でのガス化ガスに含まれるタール分を確実に除去し得、石炭低温ガス化の実現化に寄与し得るという優れた効果を奏し得る。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1は本発明を実施する形態の一例であって、
ガス化原料としての石炭と水蒸気とが供給され、石炭を700℃〜900℃の低温にてガス化してガス化ガスを生成するガス化炉1と、
該ガス化炉1で生成されたガス化ガスを高温にて酸化・水蒸気改質することでガス化ガスに含まれるタール分を除去する酸化改質炉20と、
該酸化改質炉20で改質したガス化ガスを冷却して熱回収する熱交換器2と、
該熱交換器2で冷却した後のガス化ガスを水スプレー噴霧により温度が30℃〜90℃まで低下するよう直接冷却する直接冷却器3と、
該直接冷却器3で直接冷却したガス化ガスを温度が30℃以下まで低下するよう間接冷却してタール分及び水蒸気を凝縮させる第一間接冷却器4と、
該第一間接冷却器4で間接冷却した常圧のガス化ガスからミスト状のタール分及び粉塵を除去するミスト・粉塵除去器5と、
該ミスト・粉塵除去器5で処理したガス化ガスを1MPa〜5MPaまで加圧することによりガス化ガス中のタール分の飽和蒸気濃度を下げる昇圧器6と、
該昇圧器6で昇圧されて温度の上昇したガス化ガスを温度が30℃以下まで低下するよう間接冷却してタール分を凝縮・ミスト化し除去する第二間接冷却器7と、
前記タール分を除去する機器としての、直接冷却器3、第一間接冷却器4、ミスト・粉塵除去器5、昇圧器6、第二間接冷却器7において発生するタール分を含有した排水を処理することにより可燃性物質(タール分、チャー)を濃縮し、該濃縮した可燃性物質をガス化の原料或いは熱源として前記ガス化炉1に投入する排水処理器9と
を備えるようにしたものである。
前記ガス化ガスを酸化・水蒸気改質する酸化改質炉20においては、ガス化炉1を出たガス化ガスに支燃剤である酸素又は空気を投入してガス化ガスに含まれる水素及び/又は一酸化炭素及び/又は炭化水素を燃焼させることでガス化ガス温度を900℃〜1500℃まで上昇させ、ガス化ガスに含まれる水蒸気を改質剤として利用し、ガス化ガスに含まれるタール分を水蒸気改質することによって低級な炭化水素ガス及び/又は水素及び/又は一酸化炭素に転換し、ガス化ガスの熱量を増加させつつ、ガス化ガスに含まれるタール分を除去するようにしてある。尚、前記酸化改質炉20においてガス化ガス温度を900℃〜1500℃の高温まで上昇させることは、従来のようにガス化炉のコストが高くなる高温・高圧での石炭ガス化プロセスに比べれば、ガス化炉1のコスト削減を図れる低温・低圧での石炭ガス化としたシステムにおいて、コスト面でそれほど問題となることはない。
前記第二間接冷却器7においてタール分を凝縮・ミスト化し除去したガス化ガスには、H2SやCOS、CS2といった硫黄分が数十ppm以下の濃度で存在するため、該硫黄分をガス化ガス中から除去する、湿式脱硫プロセス或いは乾式脱硫プロセスを用いた脱硫器10を設けてある。湿式脱硫プロセスとしては、石灰石を用いた石灰石石膏法や、アンモニアを吸収剤としたタカハックスプロセス、フマックスプロセス、ダイヤモックスプロセス、カールスチルプロセスがあり、炭酸ソーダを用いたストレットフォードプロセスがある。更に、数ppbレベルでの脱硫性能が求められる場合には、化学処理を施した活性炭を充填した活性炭充填塔等の精密脱硫器13を必要に応じて設け、該精密脱硫器13にガス化ガスを通気して微量の硫黄分を吸着除去するようにすれば良い。
前記ガス化原料の性状により窒素分や塩素分が多い場合、前記直接冷却器3において除去されなかった窒素分や塩素分を吸収除去するための脱アンモニア器11や脱塩器12を必要に応じて設けるようにすれば良い。
尚、前記直接冷却器3としては、充填塔、モレタナ塔、サイクロンスクラバー、荷電式スクラバー、ベンチュリースクラバー、ジェットスクラバー、溜水式スクラバーを用いることができる。
又、前記ミスト・粉塵除去器5としては、電気集塵機やバグフィルタ、スプレー塔や充填塔、モレタナ塔、サイクロンスクラバー、荷電式スクラバー、ベンチュリースクラバー、ジェットスクラバー、溜水式スクラバーを用いることができる。
次に、上記図示例の作用を説明する。
先ず、ガス化炉1においては、700℃〜900℃の低温で石炭がガス化される。ガス化原料は低温でガス化しやすいものがよく、石炭の中でも比較的ガス化しやすい褐炭やペトロコーク、黒液が挙げられる。ガス化剤には水蒸気が用いられ水蒸気ガス化が行われる。これらの原料のガス化に伴って発生するガス化ガスに含まれるタール分の量は、石炭の高温ガス化に比べて多く、バイオマス等のガス化に比べて若干少ない。
前記ガス化炉1を出たガス化ガスは700℃〜900℃であり、酸化改質炉20において、前記ガス化ガスに支燃剤である酸素又は空気が投入されてガス化ガスに含まれる水素及び/又は一酸化炭素及び/又は炭化水素が燃焼し、ガス化ガス温度が900℃〜1500℃まで上昇し、ガス化ガスに含まれる水蒸気が改質剤として利用され、ガス化ガスに含まれるタール分が水蒸気改質されることによって低級な炭化水素ガス及び/又は水素及び/又は一酸化炭素に転換され、ガス化ガスの熱量が増加されつつ、ガス化ガスに含まれるタール分が除去される。
前記酸化改質炉20を出たガス化ガスは900℃〜1500℃であり、熱交換器2において蒸気と熱交換し、出口ガス温度が300℃〜600℃になるまで、ガス化ガスの顕熱が蒸気として回収される。
前記熱交換器2を出たガス化ガスは、直接冷却器3において水をスプレー噴霧することにより冷却され、凝縮したタール分及び粉塵がガス化ガス中から除去される。該直接冷却器3に一例としてスプレー冷却器が用いられた場合、噴霧する水の流量は入口のガス化ガス温度により調節され、出口ガス化ガス温度が30℃〜90℃になるようにしている。即ち、該直接冷却器3では、ガス化ガスを冷却してタール分の飽和蒸気濃度を低減し、凝縮・ミスト化したタール分及び粉塵をスプレー噴霧水との衝突によりガス化ガス中から除去するようになっている。尚、ミスト化したタール分を効率よく除去するため、噴霧する水の液滴は最適なものを用いる。噴霧水の液滴径は噴霧するスプレーノズルの型式及び噴霧水の供給圧力によって制御できる。噴霧水滴径は小さいほどタールミストとの接触面積及び接触効率が増えるため望ましいが、小さくしすぎると処理すべきガス化ガスに随伴されて飛ばされてしまうため、スプレー噴霧水滴径はガス化ガスのスプレー塔内実流速以上の終端速度を有する径を下限として、なるべく小さな値とする。
前記直接冷却器3を出たガス化ガスは、第一間接冷却器4において30℃以下になるように冷却される。該第一間接冷却器4ではなるべく温度を下げることでガス化ガス中の残存タール分の飽和蒸気濃度を低減し、タール分を可能な限り凝縮・ミスト化して除去する。冷却媒体としては海水や、ブラインを用いて深冷冷却するとより効果的である。該第一間接冷却器4内部で凝縮したタール分によるガス化ガスラインの閉塞を回避するため、定期的に若しくは圧力損失が規定値を超えた場合に間欠的に、タール凝縮面である熱交換面に温水若しくは水を噴霧し、堆積したタール分を洗浄して除去する。
前記第一間接冷却器4を出たガス化ガスはミスト状のタール分を除去することを目的として、ミスト・粉塵除去器5に通気される。該ミスト・粉塵除去器5として電機集塵機を用いる場合、印加電圧が高いほどタール除去率は高くなるが、印加電圧が高くなると放電線と集電面との間でスパークが生じてミスト除去率が低下する。そこで、通気するガス化ガスの組成、ガス流速に応じてスパークの生じない範囲で安定的に運転ができる最大の印加電圧において運転を行うようになっている。又、集電面に堆積するタール分が増えると集電効率が低下するため、定期的に温水若しくは水を集電面にスプレー噴霧し、堆積したタール分を洗浄して除去する。
前記ミスト・粉塵除去器5を出たガス化ガスは昇圧器6により1MPa〜5MPaまで昇圧される。該昇圧器6には圧縮機若しくはポンプを用い、ターボ型及び容積型の二種類のいずれかを用いる。前記第一間接冷却器4及びミスト・粉塵除去器5において凝縮してミスト化したタール分を除去し、飽和蒸気濃度までタール分を除去している場合、圧縮機においてはタール分の凝縮は発生しない。但し、第一間接冷却器4において軽質タール分を代表としてミスト化したタール分が除去しきれていない場合、昇圧器6内部において凝縮したタール分が昇圧器6内に滞留してトラブルを引き起こすため、昇圧器6内に凝縮するタール分を排出する機構を設けるものとする。
前記昇圧器6を出たガス化ガスは100℃〜200℃であり、第二間接冷却器7において30℃以下まで冷却される。
一方、前記タール分を除去する機器としての、直接冷却器3、第一間接冷却器4、ミスト・粉塵除去器5、昇圧器6、第二間接冷却器7において発生するタール分を含有した排水は、排水処理器9に集められて処理され、可燃性物質(タール分、チャー)が濃縮され、該濃縮された可燃性物質がガス化の原料或いは熱源として前記ガス化炉1に投入される。
前記第二間接冷却器7を出たガス化ガスは、脱硫器10で硫黄分が除去され、前記ガス化原料の性状により窒素分や塩素分が多い場合、前記脱硫器10を出たガス化ガスが必要に応じて脱アンモニア器11や脱塩器12に導かれ、前記直接冷却器3において除去されなかった窒素分や塩素分が吸収除去され、更に、数ppbレベルでの脱硫性能が求められる場合には、精密脱硫器13にガス化ガスが通気されて微量の硫黄分が吸着除去される。
尚、前記ガス化炉1には、ガス化ガスの一部が必要に応じて供給される。
この結果、石炭を低温でガス化するプロセスにおいて、バイオマス等のガス化ガスに含まれるタール等の不純物質を除去する方法のように、塔内で洗浄油を噴霧しガスと洗浄油とを接触させることでガス中に含まれる軽油分を洗浄油に溶解させる軽油スクラバーや、該軽油スクラバーで回収された洗浄油から軽油分を蒸留・分離する蒸留塔等を設けなくても、石炭の低温でのガス化ガスに含まれるタール分を確実に除去することが可能となり、プロセスが複雑とならず、且つコスト面でも有利となる。又、前記タール分を除去する機器としての、直接冷却器3、第一間接冷却器4、ミスト・粉塵除去器5、昇圧器6、第二間接冷却器7において発生するタール分を含有した排水は、排水処理器9に集められて処理されるが、既に前記酸化改質炉20においてガス化ガスに含まれるタール分が除去されており、前記排水処理器9におけるタール処理量が少なくなることから、排水処理に要する敷地面積を大幅に削減することが可能となる。
又、酸化改質炉20においては、高温でのガス化ガスの酸化・水蒸気改質によりガス化ガスの熱量が増加されつつ、ガス化ガスに含まれるタール分が除去されるため、従来の特許文献2に記載のもののように、高温での酸化分解を行うために蓄熱体及び燃料ガスを用いて1100℃以上の温度でタール分を熱分解することにより余分なカーボンを煤として除去し、タール分を軽質化するのとは異なり、ガス化ガスの熱量が減少せず、原料のガス化効率が低下しなくなる一方、従来の特許文献3に記載のもののように、タール含有ガスを800℃〜900℃に保持してタール分を改質するのとは異なり、酸化改質炉20でのガス化ガスの滞留時間を長くしなくて済み、装置容量の増加が避けられる。
こうして、プロセスの簡略化とコストダウン、排水処理に要する敷地面積削減、並びにガス化効率の向上を図りつつ、石炭の低温でのガス化ガスに含まれるタール分を確実に除去し得、石炭低温ガス化の実現化に寄与し得る。
図2は本発明を実施する形態の他の例であって、図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図1に示すものと同様であるが、本図示例の特徴とするところは、図2に示す如く、前記酸化改質炉20での酸化・水蒸気改質によるガス化ガスに含まれるタール分の除去率が高く、前記直接冷却器3を設ける必要がないと想定される場合に、前記熱交換器2で冷却したガス化ガスをその顕熱が蒸気熱源として回収されるよう150℃〜200℃まで冷却し、該冷却したガス化ガスを前記第一間接冷却器4に導く補助熱交換器30を備え、前記第一間接冷却器4を出たガス化ガスを直接、前記昇圧器6に導くように構成した点にある。
この場合、前記熱交換器2を出たガス化ガスは、補助熱交換器30に通気することにより150℃〜200℃まで冷却され、該補助熱交換器30は、ガス化プロセスに利用される蒸気用の予熱器としての機能を果たす。
前記補助熱交換器30を出たガス化ガスは、第一間接冷却器4において30℃以下になるように冷却され、ガス化ガス中の残存タール分の飽和蒸気濃度が低減され、タール分が可能な限り凝縮・ミスト化されて除去される。
前記第一間接冷却器4を出たガス化ガスは、直接、前記昇圧器6に導かれ、該昇圧器6により1MPa〜5MPaまで昇圧される。
尚、以降の作用については、図1に示す例と同様となるので、説明は省略する。
こうして、図2に示す例のように構成しても、図1に示す例の場合と同様、プロセスの簡略化とコストダウン、排水処理に要する敷地面積削減、並びにガス化効率の向上を図りつつ、石炭の低温でのガス化ガスに含まれるタール分を確実に除去し得、石炭低温ガス化の実現化に寄与し得る。
尚、本発明の石炭ガス化ガス精製方法及び装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明を実施する形態の一例を示す全体概要構成図である。 本発明を実施する形態の他の例を示す全体概要構成図である。
符号の説明
1 ガス化炉
2 熱交換器
3 直接冷却器
4 第一間接冷却器
5 ミスト・粉塵除去器
6 昇圧器
7 第二間接冷却器
9 排水処理器
10 脱硫器
11 脱アンモニア器
12 脱塩器
13 精密脱硫器
20 酸化改質炉
30 補助熱交換器

Claims (10)

  1. 石炭をガス化炉で700℃〜900℃の低温にてガス化したガス化ガスを精製して合成ガスを得るための石炭ガス化ガス精製方法において、
    前記ガス化ガスを酸化改質炉で900℃より高い高温にて酸化・水蒸気改質することでガス化ガスに含まれるタール分を除去し、該改質したガス化ガスを熱交換器で冷却して熱回収し、該冷却後のガス化ガスを第一間接冷却器で温度が30℃以下まで低下するよう間接冷却してガス化ガスに残存するタール分及び水蒸気を凝縮させ、該間接冷却した常圧のガス化ガスを昇圧器において1MPa〜5MPaまで加圧することによりガス化ガス中のタール分の飽和蒸気濃度を下げ、該昇圧されて温度の上昇したガス化ガスを第二間接冷却器で温度が30℃以下まで低下するよう間接冷却してタール分を凝縮・ミスト化し、除去することを特徴とする石炭ガス化ガス精製方法。
  2. 前記熱交換器で冷却したガス化ガスを水スプレー噴霧による直接冷却器で温度が30℃〜90℃まで低下するよう直接冷却し、該直接冷却したガス化ガスを前記第一間接冷却器に導くようにした請求項1記載の石炭ガス化ガス精製方法。
  3. 前記第一間接冷却器で間接冷却した常圧のガスをミスト・粉塵除去器で処理してミスト状のタール分及び粉塵を除去し、該ミスト状のタール分及び粉塵を除去したガスを昇圧器に導くようにした請求項2記載の石炭ガス化ガス精製方法。
  4. 前記熱交換器で冷却したガス化ガスを補助熱交換器でその顕熱が蒸気熱源として回収されるよう150℃〜200℃まで冷却し、該冷却したガス化ガスを前記第一間接冷却器に導くようにした請求項1記載の石炭ガス化ガス精製方法。
  5. 前記タール分除去プロセスにおいて発生するタール分を含有した排水を排水処理器で処理することにより可燃性物質を濃縮し、該濃縮した可燃性物質をガス化の原料或いは熱源としてガス化炉に投入するようにした請求項1〜4のいずれか一つに記載の石炭ガス化ガス精製方法。
  6. 石炭をガス化炉で700℃〜900℃の低温にてガス化したガス化ガスを精製して合成ガスを得るための石炭ガス化ガス精製装置において、
    前記ガス化ガスを900℃より高い高温にて酸化・水蒸気改質することでガス化ガスに含まれるタール分を除去する酸化改質炉と、
    該酸化改質炉で改質したガス化ガスを冷却して熱回収する熱交換器と、
    該熱交換器で冷却した後のガス化ガスを温度が30℃以下まで低下するよう間接冷却してタール分及び水蒸気を凝縮させる第一間接冷却器と、
    該第一間接冷却器で間接冷却した常圧のガス化ガスを1MPa〜5MPaまで加圧することによりガス化ガス中のタール分の飽和蒸気濃度を下げる昇圧器と、
    該昇圧器で昇圧されて温度の上昇したガス化ガスを温度が30℃以下まで低下するよう間接冷却してタール分を凝縮・ミスト化し除去する第二間接冷却器と
    を備えたことを特徴とする石炭ガス化ガス精製装置。
  7. 前記熱交換器で冷却したガス化ガスを水スプレー噴霧により温度が30℃〜90℃まで低下するよう直接冷却し、該直接冷却したガス化ガスを前記第一間接冷却器に導く直接冷却器を備えた請求項6記載の石炭ガス化ガス精製装置。
  8. 前記第一間接冷却器で間接冷却した常圧のガスを処理してミスト状のタール分及び粉塵を除去し、該ミスト状のタール分及び粉塵を除去したガスを昇圧器に導くミスト・粉塵除去器を備えた請求項7記載の石炭ガス化ガス精製装置。
  9. 前記熱交換器で冷却したガス化ガスをその顕熱が蒸気熱源として回収されるよう150℃〜200℃まで冷却し、該冷却したガス化ガスを前記第一間接冷却器に導く補助熱交換器を備えた請求項6記載の石炭ガス化ガス精製装置。
  10. 前記タール分を除去する機器において発生するタール分を含有した排水を処理することにより可燃性物質を濃縮し、該濃縮した可燃性物質をガス化の原料或いは熱源としてガス化炉に投入する排水処理器を備えた請求項6〜9のいずれか一つに記載の石炭ガス化ガス精製装置。
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