JP2007182468A - ガス精製システムおよびガス精製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガス中の硫黄分を低温で除去することができ、しかも、燃焼させずに脱硫剤が再生できるようにしたガス精製システムおよびガス精製方法を提供することにある。
【解決手段】水で洗浄されたガスを、湿式脱硫装置を経由した後、或いは経由することなく、乾式脱硫装置に送り、合成ゼオライトよりなる脱硫触媒を用いて脱硫処理を行う。水で洗浄後のガスは、冷却して0〜10℃の温度に下げることが望ましい。また、乾式脱硫装置には、水分吸着能の優れた合成ゼオライトを前段に配置し、後段に硫黄分吸着能の優れた合成ゼオライトを配置することが望ましい。合成ゼオライトは、ガス精製システムにおける酸素製造装置の副生物である乾燥窒素を用いて再生できる。
【選択図】図1

Description

本発明は生成されたガスを精製する過程までを含むガス精製システムに係り、また、精製方法に関する。
石炭のガス化によって生成されたガスすなわち石炭ガスを、ガスタービンや燃料電池の燃料に用いることが検討されている。石炭ガスをガスタービン或いは燃料電池に用いる場合、石炭ガスに含まれている腐食性の硫黄化合物を1ppm以下の濃度に下げることが要求される。このようなことから、石炭ガスの硫黄化合物を下げる検討が行われている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1には、石炭ガスを冷却、脱塵、脱硫して燃料電池の燃料ガスに用いることが記載されている。
硫黄化合物の除去方法には湿度処理方法と、吸着剤,触媒等の脱硫剤を用いる乾式処理方法とがある。脱硫剤としては主に酸化亜鉛系脱硫剤が用いられており、350℃程度の高温で高い吸着性能を有することが知られている。また、石炭ガスの脱硫には殆ど用いられていないが、天然ガス等の炭化水素系ガスの脱硫剤として合成ゼオライトが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許第3108079号公報(請求項2) 特開平10−237473号公報(要約)
酸化亜鉛系脱硫剤を用いた場合、再生処理時に、酸素を供給して硫黄分を燃焼させる必要がある。硫黄分を燃焼すると二酸化硫黄が発生し、このガスが再生後の脱硫剤中に残留して、再生後の脱硫剤の硫黄吸着能が低下するという問題がある。また、酸化亜鉛系脱硫剤を用いた場合には、この脱硫剤は350℃程度の高温での吸着性能が優れるために、脱硫塔内に熱交換器を設置する場合が多く、脱硫塔の構造が複雑化して、脱硫剤交換作業が煩雑になるという問題がある。
本発明の目的は、ガス中の硫黄分を低温で除去することができ、しかも、燃焼させずに脱硫剤を再生できるようにしたガス精製システムおよびガス精製方法を提供することにある。
本発明は、ガスの脱硫装置として湿式脱硫装置と乾式脱硫装置を備え、湿式脱硫装置で精製された精製ガスを、その後、合成ゼオライトよりなる脱硫触媒を有する乾式脱硫装置で処理するようにしたガス精製システムにある。
また、本発明は、ガスを湿式脱硫処理し、その後、合成ゼオライトよりなる脱硫触媒により乾式脱硫処理を行うようにしたガス精製方法にある。
本発明では、除去機能の異なる複数種類の合成ゼオライトを用い、ガスをまず水分除去能力の優れた合成ゼオライトたとえば3Aで処理し、次いで、硫黄化合物除去能力の優れた合成ゼオライトたとえば4A,5Aなどを用いて乾式脱硫処理することが望ましい。また、乾式脱硫を行う前に、ガスの温度を0〜10℃に下げることが望ましい。
本発明によれば、ガスに含まれる硫黄化合物を低温で除去することができる。また、合成ゼオライトを用いているので、燃焼させずに再生することができる。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明による石炭ガス化システムの第一の実施形態を示している。本実施例の石炭ガス化システムは、石炭ホッパ1A,1Bからなる石炭供給系統と、酸素製造装置2と、ガス化炉3と、熱回収器4と、フィルタ5と、洗浄塔6と、吸収塔7と、再生塔8と、硫黄分回収装置9および精密脱硫塔11A,11Bを主要な構成要素としている。
この石炭ガス化システムの処理の流れについて説明する。石炭10はガス化に適した平均粒径40μm前後の微粉炭に粉砕されて、石炭ホッパ1Aへ供給されたのち、ガス化炉3の圧力よりも高い圧力に保った石炭ホッパ1Bへ供給される。酸素製造装置2は、図示を省略しているが空気分離塔と窒素圧縮機および酸素圧縮機から構成されており、空気を窒素と酸素1001に分離する。酸素1001は酸素圧縮機で圧縮され、微粉炭とともにガス化炉へ供給され、石炭をガス化するための酸化剤として用いられる。分離された窒素1003A,1003Bは窒素圧縮機で圧縮されたのち、微粉炭をガス化炉3に搬送するための搬送ガス、或いは合成ゼオライトを再生処理するための再生用ガスとして使用される。
ガス化炉3では、微粉炭と酸化剤である酸素1001からなる燃料1002により石炭のガス化反応が生じ、水素及び一酸化炭素を主成分とする可燃性の生成ガス1101が発生する。ガス化炉3内は1600℃程度の高温であるので、石炭中に含まれている灰分は溶融し、ガス化炉3の下部から取り出され、水冷破砕されて、ガラス状の固形物であるスラグとなる。生成ガス1101は1000℃前後の高温であり、排熱回収ボイラ等の熱回収器4により400℃程度の温度まで冷却される。
生成ガス1101には、未燃のチャーのほかに、硫黄分、ハロゲンなどの不純物が含まれていることから、フィルタ5を含む乾式の脱塵系でまずチャーなどの固形物を回収する。脱塵系は図示しないサイクロンとフィルタ5により構成される。回収されたチャーは、ガス化炉3に再供給して灰分を溶融してスラグとし、未反応の炭素分はガス化反応させる。
脱塵後の石炭ガスには、脱塵系で除去できなかった微細な固形物、石炭中に含まれていた窒素分や硫黄分などから生成したアンモニア,硫化カルボニル,硫化水素等の不純物が含まれている。微細な固形物は下流に設置されている各種装置の閉塞或いは磨耗の原因になり、また、アンモニアや硫黄化合物などはガスを燃焼した際に、窒素酸化物や硫黄酸化物という有害なガスを発生する原因になることから、これらを除去する必要がある。微細な固形物は洗浄塔6内でガスを水洗いすることにより除去する。この洗浄塔6でガスを110℃程度の温度に冷却することにより、石炭ガス中のアンモニアも水に吸収されて除去される。石炭ガス中の洗浄後に、硫化カルボニルを図示しない硫化カルボニル転換器を用いて除去する。硫化カルボニル転換器には、触媒を用いて硫化カルボニルを水分と反応させて硫化水素に転換する反応器を用いることができる。これにより、石炭ガス中の硫黄化合物の大部分は硫化水素となるので、次に硫化水素を吸収塔7により除去する。吸収塔7内には、アミン化合物である硫化水素吸収液が循環しており、石炭ガスを通じることにより硫化水素が吸収され、ガス中の硫黄化合物の濃度は10ppm程度まで減少する。
吸収塔7内に循環しているアミン化合物からなる硫化水素吸収液は、硫化水素及び二酸化炭素を含んだリッチ液1201になり、熱交換器23で熱回収された後、リッチ液1202となって再生塔8の上部へ投入される。再生塔8では、下部に設置されたリボイラ(図示せず)から蒸気が供給され、上部より供給されたリッチ液1202と接触することで、リッチ液中の硫化水素及び二酸化炭素を分離する。リッチ液中から硫化水素及び二酸化炭素が除去されたリーン液は、再生塔8の下部よりリーン液1203として抜き出され、熱交換器23を経由して吸収塔7の上部へ投入される。
一方、再生塔8の上部より抜き出された、主として水蒸気,二酸化炭素及び硫化水素からなる酸性ガス1211は、硫黄分回収装置9へ送られ、ここで硫黄分は燃焼されて石膏として回収され、残りのガス1212は排ガス100として系外へ排出される。
石炭ガスを吸収塔7で処理することによって精製された精製ガス1106は、熱交換器22,21を経由して精製ガス1108となって精密脱硫塔11A、11Bのいずれか一方に供給される。図1に精密脱硫塔が2基設置されているのは、一方で脱硫処理が行われているときに、他方で再生処理が行われるようにするためである。
精製ガス1108が精密脱硫塔11Aに送られる場合を例にとって説明する。精製ガス1108はバルブ51を介して精密脱硫塔11Aへ精製ガス1109Aとして送られる。精密脱硫塔11Aでは硫化水素、硫化カルボニルなどの硫黄含有ガスが合成ゼオライトによって除去され、清浄な精製ガス1110Aとなり、バルブ53を介して燃料101となる。この燃料は燃料電池などの燃料として使用される。
精密脱硫塔11Aで脱硫処理を行っているときに、精密脱硫塔11Bでは脱硫剤を再生する処理が行われる。精密脱硫塔11Bでは、既に精製ガス1109Bを供給して脱硫処理を実施済みである。再生処理では、再生用ガス貯槽12へ貯蔵されている再生用ガス1302を、バルブ62を介して精密脱硫塔11Bに供給する。これにより、合成ゼオライトに吸着されていた硫化水素や硫化カルボニルは脱着される。硫化水素や硫化カルボニルを含む再生排ガス1110Bは、バルブ64を経由して、排ガス102として系外へ排出される。なお、再生用ガス貯槽12には、再生用ガス圧縮機13で昇圧された再生用ガス1301を貯蔵しておく。再生用ガスとしては乾燥空気或いは乾燥窒素などがある。
本実施形態の石炭ガス化システムによれば、石炭ガス中の不純物である硫黄成分を、分子篩まで高精度に除去することができる。
精密脱硫塔11A,11Bでは、脱硫剤として合成ゼオライトを用いる。合成ゼオライトには、ガス中分子のサイズ及び分極性により、吸着できる成分が決まるという分子選択性がある。分子の吸着能力は、水分>硫化水素>二酸化硫黄>硫化カルボニル>二酸化炭素の順であり、硫化水素や硫化カルボニルを吸着するが、同時に水分や二酸化炭素も吸着するという性質がある。これらの吸着能力は、合成ゼオライトの種類によって異なる。
本発明では、合成ゼオライトとして3A,4A及び5Aを用いることが望ましい。3Aの合成ゼオライトは、有効直径が0.3nm以下である分子たとえば水分,アンモニア及びヘリウムの吸着性能が優れる。4Aの合成ゼオライトは、有効直径が0.4nm以下の分子たとえば硫化水素,硫化カルボニル,二酸化炭素を吸着するのに優れるが、3Aで吸着できる水分,アンモニアも吸着する。5Aのゼオライトは、有効直径が0.5nm以下の分子たとえばn−パラフィン,n−オレフィンなどを吸着するのに優れるが、4Aで吸着できる分子も吸着する。
吸収塔7で処理後の精製ガスには、通常、二酸化炭素が数%、硫黄化合物が10ppm程度含まれている。このように二酸化炭素が数%も含まれるガスでは、合成ゼオライトによって数ppmオーダの硫黄化合物を除去することは困難と考えられ、従来は酸化亜鉛系の脱硫剤が用いられてきた。ところが、本発明に至る過程で、数%の二酸化炭素が含まれていても、数ppmオーダの硫黄化合物を合成ゼオライトによって除去できることが確認された。
合成ゼオライトによって硫黄化合物を除去するにあたっては、吸着能の異なる複数の合成ゼオライトを多段に積層するか、或いは、合成ゼオライトを充填した脱硫塔を直列に複数基設置することが望ましい。そして、水分吸着能が優れた3Aのような合成ゼオライトを用いて水分を、先ず除去し、その後、硫黄化合物吸着能が優れた4A,5Aのような合成ゼオライトを用いて、硫黄化合物の除去処理を行うことが望ましい。
図2は、種類の異なる合成ゼオライトを二段に設置した構成の精密脱硫塔11を示している。吸収塔7からの精製ガス1109が流入する入口部分には3Aのように水分除去能力の優れた合成ゼオライト110が配置され、精製ガス1110の出口部分には4A,5Aのように硫黄化合物除去能力の優れた合成ゼオライト120が配置される。このように構成することにより、精密脱硫塔に流入した精製ガスは乾燥され、硫黄成分と水分とに分離されるので、後段の合成ゼオライトによる硫黄化合物除去性能が高まるという効果がある。
図7は、二酸化炭素が数%含まれ、硫化水素が数十ppm含まれる石炭ガスを、合成ゼオライト5Aを用いて脱硫処理したときの硫黄分吸着能を示している。二酸化炭素の量が多いと、硫黄分の吸着能は低下するが、それでも、二酸化炭素の量が数%の範囲内であれば、合成ゼオライトによって硫黄分を吸着除去することができる。
本発明では、精密脱硫塔で脱硫処理を行うに際して、石炭ガスの温度を0〜10℃程度に下げておくことが好ましい。石炭ガスの温度を下げることにより、ガス中の水分量が減り、その後の合成ゼオライトによる脱硫性能が高まるという効果がある。図6は、吸収塔による石炭精製ガスの温度と合成ゼオライト5Aによる硫黄分吸着能との関係を示したものであり、石炭ガスの温度が0〜10℃の範囲では、硫黄分吸着能が高いことが分かる。
図3は、本発明の第二の実施形態による石炭ガス化システムを示している。図3が図1と相違しているのは、精密脱硫塔11A,11Bの脱硫剤の再生に使用するガスに、酸素製造装置2で得られた窒素1310を用いるようにした点である。
酸素製造装置2を具備した石炭ガス化炉システムでは、石炭の燃焼に必要な酸素1001は空気から製造しており、副生物として酸素の4倍近い量の窒素が製造される。この窒素は深層冷却法で製造されるので乾燥しており、不純物を吸着した合成ゼオライトを再生するのに好適な条件となっている。合成ゼオライトによる脱硫処理は、硫黄分を物理吸着させることによって行われるので、窒素ガスを流すことによって吸着した硫黄分を容易に脱着させることができる。
この第二の実施形態によれば、石炭ガス化システムに備えられている酸素製造装置の副生物である乾燥した窒素を、合成ゼオライトの再生用ガスに利用できるので、石炭ガス化システムのシステム効率を高くできるという効果がある。この実施形態は石炭ガス化システム特有の、酸素製造装置により副生物として製造された窒素ガスを再生ガスに用いるものである。
但し、酸素製造装置で製造された窒素は、石炭の搬送、フィルタの逆洗などにも使用され、脱硫剤の再生のためだけに無条件に使用できるわけではない。酸素製造装置の容量を大きくすれば、他の窒素利用状況に関係なく、窒素を再生に利用することが可能になるが、酸素が余ることになり、システムの製造費及び運用コストが高くなり効率的でない。
そこで、酸素製造装置で製造された窒素を図4に示すように運用することが望ましい。図4は上段に窒素供給量(定格容量に対する割合)を示し、下段に精密脱硫触媒である合成ゼオライトの吸着容量に対する吸着量の比率の時間経過を示している。上段の窒素供給量では、常時定格で使用している石炭供給系の窒素量や圧力検出端の閉塞を防止するための窒素量がある。これとは別に、石炭ガス中に含まれるチャーを捕集するフィルタの詰まりを解消するために使用する逆洗用の窒素量があり、また、石炭を石炭ホッパ1003Aから石炭供給ホッパ1003Bへ供給する際に使用するロックホッパ供給窒素量がある。フィルタの詰まり防止或いはロックホッパへの供給のために使用する窒素の使用時間間隔は不定期である。
これに対して、精密脱硫における吸着量は吸収塔7からの精製ガス1106のガス量とガス中の硫黄分から算出できる。これらは投入する石炭中の硫黄分濃度と投入石炭量で変動する。精密脱硫塔11A,11Bの出口での硫黄分濃度がほとんどないとすると、精製ガス1106の流量とガス中硫黄濃度の積から、精密脱硫塔11A,11Bに吸着された硫黄分は推定でき、どのくらいの時間で精密脱硫塔11A,11Bを再生する必要があるかが推定できる。そこで、図4中のLLで示した再生下限の精密脱硫吸着量とULで示した再生上限量(通常、これには安全率を見込んでいるので、ULは100%以下の値である。)を設定する。精密脱硫吸着量がLLに到達した時間aはロックホッパ供給窒素量が必要な時間であるので、直ぐには、再生はできないことになる。そこで、ロックホッパ供給窒素がゼロであり、他の不定期になる窒素使用量がない時間帯bから再生を開始することで、必要窒素量の合計が窒素供給可能量を超えないように運用する。
図4に示す窒素ガスの運用によれば、酸素製造装置の副生物である、乾燥した窒素を再生用ガスに効率的に利用できるので、石炭ガス化システムのシステム効率を高くできるという効果がある。
本発明の第三の実施形態を、図5を用いて説明する。図5が図1と相違しているのは、吸収塔を省略して、洗浄塔6から出た石炭ガス1104を精密脱硫塔11A,11Bに直接供給していることである。洗浄塔を出た石炭ガス1104には、硫黄化合物が含まれ、その数倍量の数%単位の二酸化炭素が含まれている。石炭ガス1104の温度は40℃程度である。このような硫黄化合物及び二酸化炭素の含有状態であれば、合成ゼオライトによる脱硫処理が可能である。そこで、洗浄後の石炭ガスを熱交換器22,21で冷却して、合成ゼオライトで脱硫処理するのに好適な0〜10℃の温度まで冷却し、精密脱硫塔11A又は11Bに供給する。精密脱硫塔には、吸着能力が異なる複数の合成ゼオライトを多段に設けておくことが望ましいことは、既に述べたとおりである。本実施形態によれば、石炭ガス化システムのシステム構成の簡素化が図れる。
なお、この第三の実施形態により、石炭ガスを水で洗浄した後、冷却し、その後、合成ゼオライトよりなる脱硫触媒により乾式脱硫処理を行う石炭ガス精製方法が提案できる。
なお、以上の実施例では対象ガスを石炭ガス化ガスとして説明しているが、硫黄化合物を含有するガスであれば、石炭ガスだけに適用できるものではなく、硫黄化合物を含有する都市ガスやLPガスに適用できることは言うまでもなく、二酸化炭素含有率が少ないガスほど脱硫に要する脱硫剤の所要量が少なくなることは自明である。
本発明の第一の実施形態による石炭ガス化システムを示したシステム構成図。 本発明の一実施例による精密脱硫塔の概略構成図。 本発明の第二の実施形態による石炭ガス化システムを示したシステム構成図。 本発明の石炭ガス化システムにおける窒素ガス運用例を示す図。 本発明の第三の実施形態による石炭ガス化システムを示したシステム構成図。 合成ゼオライトの硫黄分吸着能と石炭ガス温度との相関を示した図。 二酸化炭素と硫黄化合物が含まれている石炭ガスに対する、合成ゼオライトの硫黄吸着能を示す図。
符号の説明
2…酸素製造装置、3…ガス化炉、4…熱回収器、5…フィルタ、6…洗浄塔、7…吸収塔、8…再生塔、9…硫黄回収装置、10…石炭、11…精密脱硫塔、11A…精密脱硫塔、11B…精密脱硫塔、12…再生ガス貯槽、13…再生ガス圧縮機、21…熱交換器、22…熱交換器、23…熱回収熱交換器、1101…生成ガス、1106…精製ガス。

Claims (19)

  1. ガスに含まれる硫黄化合物を除去する脱硫装置を具備するガス精製システムにおいて、前記脱硫装置として湿式脱硫装置および乾式脱硫装置を備え、前記湿式脱硫装置で精製された精製ガスに含まれる微量の硫黄化合物を、その後、合成ゼオライトよりなる脱硫触媒を有する前記乾式脱硫装置で処理するようにしたことを特徴とするガス精製システム。
  2. 請求項1記載のガス精製システムにおいて、前記乾式脱硫装置に充填されている前記脱硫触媒が3A,4Aおよび5Aの合成ゼオライトから選ばれた少なくとも1種よりなることを特徴とするガス精製システム。
  3. 請求項1記載のガス精製システムにおいて、前記乾式脱硫装置に3Aの合成ゼオライトと、4A及び/又は5Aの合成ゼオライトよりなる複数種類の脱硫触媒が充填されていることを特徴とするガス精製システム。
  4. 請求項1記載のガス精製システムにおいて、前記乾式脱硫装置に前記脱硫触媒を複数段に渡って配置した脱硫塔が備えられ、前記脱硫塔の入口部分に水分除去能力の優れた合成ゼオライトが配置され、出口部分に硫黄化合物除去能力の優れた合成ゼオライトが配置されていることを特徴とするガス精製システム。
  5. 請求項4記載のガス精製システムにおいて、前記脱硫塔の入口部分に3Aよりなる合成ゼオライトが配置され、出口部分に4A及び/又は5Aよりなる合成ゼオライトが配置されていることを特徴とするガス精製システム。
  6. 請求項4記載のガス精製システムにおいて、前記脱硫塔に前記脱硫触媒が二段に渡って配置されていることを特徴とするガス精製システム。
  7. 請求項1記載のガス精製システムにおいて、石炭を酸化剤と反応させてガス化するガス化炉を有し、前記ガス化炉で使用する酸化剤を製造するための酸素製造装置を有し、前記酸素製造装置で空気から酸素または酸素富化空気を製造したときの副生物である窒素ガスを、前記合成ゼオライトの再生用ガスとして用いるようにしたことを特徴とするガス精製システム。
  8. 請求項4記載のガス精製システムにおいて、前記脱硫塔を複数基備え、少なくとも1基で脱硫処理が行われているときに、残りの少なくとも1基で再生処理が行われるようにしたことを特徴とするガス精製システム。
  9. 生成されたガスに含まれる硫黄化合物を除去する脱硫装置と具備するガス精製システムにおいて、前記脱硫装置として湿式脱硫装置および乾式脱硫装置を備え、前記湿式脱硫装置で精製された精製ガスに含まれる微量の硫黄化合物を、その後、合成ゼオライトよりなる脱硫触媒を有する前記乾式脱硫装置で処理するようにし、前記湿式脱硫装置と前記乾式脱硫装置との間に前記湿式脱硫装置で処理された精製ガスを熱回収して冷却する冷却装置を備えたことを特徴とするガス精製システム。
  10. 請求項9記載のガス精製システムにおいて、前記冷却装置が前記精製ガスを0〜10℃の温度範囲に冷却できる機能を有する冷却装置であることを特徴とするガス精製システム。
  11. 請求項9記載のガス精製システムにおいて、前記乾式脱硫装置に前記脱硫触媒が複数段に渡って配置された脱硫塔が備えられ、前記脱硫塔の入口部分に水分除去能力の優れた合成ゼオライトが配置され、出口部分に硫黄化合物除去能力の優れた合成ゼオライトが配置されていることを特徴とするガス精製システム。
  12. 請求項11記載のガス精製システムにおいて、前記脱硫塔の入口部分に3Aよりなる合成ゼオライトが配置され、出口部分に4A及び/又は5Aよりなる合成ゼオライトが配置されていることを特徴とするガス精製システム。
  13. 生成されたガスに含まれる固形物を水で洗浄する洗浄塔と、前記洗浄塔で洗浄後のガスに含まれる硫黄化合物を除去する脱硫装置とを具備したガス精製システムにおいて、前記脱硫装置として合成ゼオライトよりなる脱硫触媒が充填された乾式脱硫装置を備え、前記乾式脱硫装置の上流側に前記洗浄塔で洗浄されたガスを熱回収して冷却する冷却装置を備え、前記冷却装置にて冷却された前記ガスが前記乾式脱硫装置で処理されるようにしたことを特徴とするガス精製システム。
  14. 請求項13記載のガス精製システムにおいて、前記冷却装置が石炭生成ガスを0〜10℃の温度範囲に冷却できる機能を有する冷却装置であることを特徴とするガス精製システム。
  15. 請求項13記載のガス精製システムにおいて、前記乾式脱硫装置に前記脱硫触媒が複数段に渡って配置された脱硫塔が備えられ、前記脱硫塔の入口部分に水分除去能力の優れた合成ゼオライトが配置され、出口部分に硫黄化合物除去能力の優れた合成ゼオライトが配置されていることを特徴とするガス精製システム。
  16. 請求項15記載のガス精製システムにおいて、前記脱硫塔の入口部分に3Aよりなる合成ゼオライトが配置され、出口部分に4A及び/又は5Aよりなる合成ゼオライトが配置されていることを特徴とするガス精製システム。
  17. 生成されたガスを脱硫触媒と接触させて硫黄化合物を除去するようにしたガス精製方法において、生成ガスを湿式脱硫処理し、その後、合成ゼオライトよりなる脱硫触媒により乾式脱硫処理を行うことを特徴とするガス精製方法。
  18. 請求項17記載のガス精製方法において、前記湿式脱硫処理によって得られた精製ガスを熱交換して0〜10℃の温度に冷却した後、前記乾式脱硫処理を行うことを特徴とするガス精製方法。
  19. 請求項18記載のガス精製方法において、前記乾式脱硫処理では、前記精製ガスをまず水分除去能力の優れた合成ゼオライトで処理し、次いで、硫黄化合物の除去能力の優れた合成ゼオライトで処理することを特徴とするガス精製方法。
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