JP2007016185A - 被処理物ガス化システムと被処理物ガス化方法 - Google Patents

被処理物ガス化システムと被処理物ガス化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】バイオマス等からガス化したガスのように、硫黄分を含むガスからメタノールを製造するガス化処理技術において、本来なら廃棄される使用済のメタノール合成触媒を効果的に使用して、被処理物の処理コストを低減可能にする被処理物ガス化システムと被処理物ガス化方法を提供する。
【解決手段】被処理物をガス化するガス化設備2と、このガス化設備2により得られたガス化ガス3を精製するガス精製設備4と、このガス精製設備4で精製されたガス化ガスからメタノールを製造するメタノール合成触媒を有するメタノール製造装置5と、を有する。メタノール製造装置5から発生する使用済みメタノール合成触媒6が、ガス精製設備4の脱硫剤として使用される被処理物ガス化システム。
【選択図】図1

Description

本発明は被処理物ガス化システムと被処理物ガス化方法に関し、詳しくは、被処理物をガス化するガス化設備と、このガス化設備により得られたガスを精製するガス精製設備と、このガス精製設備で精製されたガス化ガスが送られてメタノールを製造するメタノール製造装置と、を有する被処理物ガス化システムと被処理物ガス化方法に関する。
一般に、工業的に用いられているメタノールの合成触媒は、メタノール合成の主な原料である天然ガス中の硫黄濃度が低くなったことに伴い、活性は高いが硫黄に被毒し易い銅を主成分とした触媒が主流となっている。銅を含んだメタノール合成触媒の被毒を防ぐためには、硫黄分を0.1ppm未満にまで低減する必要がある。
一方、天然ガス、石炭などからメタノールを製造する大規模なプラントとは別に、新エネルギー利用およびCO2 排出削減を目的として、木屑、廃建材などの木質系および下水汚泥・し尿汚泥などの汚泥系のバイオマスをガス化したガスからメタノールを製造する提案がなされている(例えば、特許文献1)。
この場合は、天然ガスを原料とする場合と異なり、バイオマスからのガス化ガスには、高濃度の硫黄分(主に、硫化水素、硫化カルボニル)が数ppm〜数百ppm含まれており、銅を主成分とするメタノール合成触媒を用いる合成塔の前段には、高度脱硫設備が不可欠となる。脱硫剤としては、一般に、酸化鉄や酸化亜鉛などが用いられるが、硫黄分を0.1ppm未満に低減するには、大量の脱硫剤を必要とする。
特開平9−150143号公報
しかしながら、脱硫剤は再生ができないこともあって、大量の脱硫剤を使用する従来技術では、メタノールを製造するための製造コストの高騰は避けられない。しかも、メタノール合成触媒は、メタノール合成時に合成ガス中に含まれる微量の触媒被毒成分(硫黄分、塩化水素、酸素、不飽和炭化水素の一部など)の存在により、徐々に触媒活性が低下し、初期性能の60〜70%程度の性能になった時点で、メタノール合成触媒は交換される。メタノール合成触媒交換時に排出された使用済みのメタノール合成触媒は、再生が困難なため、廃棄処分される。
また、メタノール合成触媒は、メタノール合成時には還元処理して用いられるが、硫黄分などにより被毒されず性能が劣っていない場合でも、触媒塔内のメンテナンス時やトラブルの発生時に、触媒を酸素存在雰囲気に曝すと、空気中の酸素により酸化され、その場合には再度還元処理しても、十分な性能は得られないため、使用済み触媒は廃棄される。
さらに、メタノール製造設備の前段に脱硫設備を設置せず、触媒層の前段は硫黄分などに被毒されることを想定して、メタノール製造性能に必要な量よりも多いメタノール合成触媒を触媒塔に充填することが考えられる。この場合、前段の触媒の被毒が進んだ時点で、被毒されていない後段の触媒を前段に移し、後段に新たに触媒を充填する操作が必要になる。しかしながら、メタノール合成反応は還元雰囲気(酸素0.1%未満)で行う必要があり、一旦酸素に曝され酸化されたメタノール合成触媒は、再度還元処理を行っても、初期の性能を得ることはできない。
そこで、本発明の目的は、バイオマス等を原料としてガス化したガスのように、硫黄分を含むガスからメタノールを製造するガス化処理技術において、本来なら廃棄される使用済のメタノール合成触媒を効果的に使用して、被処理物の処理コストを低減可能にする被処理物ガス化システムと被処理物ガス化方法を提供することにある。
上記課題は、請求項記載の発明により達成される。すなわち、本発明に係る被処理物ガス化システムの特徴構成は、被処理物をガス化するガス化設備と、このガス化設備により得られたガス化ガスを精製するガス精製設備と、このガス精製設備で精製されたガス化ガスからメタノールを製造するメタノール合成触媒を有するメタノール製造装置と、を有するシステムにおいて、前記メタノール製造装置から発生する使用済みメタノール合成触媒が、前記ガス精製設備の脱硫剤として使用されることにある。
この構成によれば、これまで廃棄するだけであった使用済みメタノール合成触媒をガス精製設備における脱硫剤として有効利用することにより、ガス化ガスのガス精製コストを低減できて、被処理物の処理コストの低減が図れると共に、通常の脱硫触媒よりも使用済みメタノール合成触媒の性能が優れていることから、脱硫効率を高めることができる。しかも、使用済みメタノール合成触媒は、脱硫剤としてだけでなく、ガス化ガス中の塩化水素を除去する作用を有することから、使用済みメタノール合成触媒を用いることにより、ガス化ガスの精製効果を高めることができる。のみならず、ガス化ガス中に、エチレン、アセチレン等の不飽和炭化物が含まれている場合にも、使用済みメタノール合成触媒は不飽和炭化物の水添触媒としての効果を発揮し得て都合がよい。
その結果、バイオマス等を原料としてガス化したガスのように、硫黄分を含むガスからメタノールを製造するガス化処理技術において、本来なら廃棄される使用済のメタノール合成触媒を効果的に使用して、被処理物の処理コストを低減可能にする被処理物ガス化システムを提供することができた。
前記被処理物が硫黄分を含むバイオマスであることが好ましい。
この構成によれば、高濃度の硫黄分を含むバイオマスに対しても、処理コストを低減できて、効果的にメタノールを製造できる。
前記メタノール合成触媒が、酸化銅20〜70wt%、酸化亜鉛10〜60wt%を含み、前記酸化銅と酸化亜鉛の総計が50wt%以上であることが好ましい。
この構成によれば、メタノール合成触媒として高効率に作用すると共に、使用後に脱硫剤として再使用した場合にも、効果的に脱硫効果を発揮し得ると共に、脱塩化水素効果をも発揮し得る。
また、本発明に係る被処理物処理方法の特徴構成は、被処理物をガス化設備にてガス化し、このガス化ガスをガス精製設備により精製し、この精製されたガス化ガスを、メタノール合成触媒を有するメタノール製造装置に送給してメタノールを製造するガス化方法において、前記メタノール製造装置から発生する使用済みメタノール合成触媒を、前記ガス精製設備の脱硫剤として使用することにある。
この構成によれば、バイオマス等を原料としてガス化したガスのように、硫黄分を含むガスからメタノールを製造するガス化処理技術において、本来なら廃棄される使用済のメタノール合成触媒を効果的に使用して、被処理物の処理コストを低減可能にする被処理物ガス化方法を提供することができる。
前記被処理物が硫黄分を含むバイオマスであることが好ましい。
この構成によれば、処理コストを低いメタノールを製造できる。
前記メタノール合成触媒は、酸化銅20〜70wt%、酸化亜鉛10〜60wt%を含み、前記酸化銅と酸化亜鉛の総計が50wt%以上であることが好ましい。
この効果は上記したとおりである。
本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るメタノール製造システムの概略フロー図を示す。以下、本実施形態に係るメタノール製造システムを、図1を参照して説明する。
このメタノール製造システムは、木屑、下水処理場またはし尿処理場などから発生した被処理物である汚泥などのバイオマス原料(以下、単に原料という)1を、ガス化設備(例えば、循環流動層ガス化炉)2に送給し、原料を700〜900℃程度に加熱してガス化(水素、一酸化炭素などを含む)する。ガス化設備2により得られたガス化ガス3をガス精製設備4に送給して精製する。これは、ガス化ガス中には、メタノール合成を阻害する硫黄分(硫化水素、硫化カルボニルなど)が含まれており、これらを0.1ppm未満にまで低減する必要がある。
このガス精製設備4では、後述するように、下流側のメタノール製造装置5において生じた廃メタノール合成触媒6を、脱硫剤として導入するようにしている。このようにして、従来技術では全て廃棄されていた廃メタノール合成触媒を廃棄せず、ガス精製設備4に用いることにより、ガス化ガス中の硫黄分を効果的に除去する。
ガス精製設備4にて精製されたガス化ガスは、メタノール製造装置5に送られてメタノール製造に供される。製造されたメタノール7は、そのまま薬剤として利用されたり、下水処理場(図示略)等に送給され脱窒処理の炭素源として利用されたりする。また、循環流動層ガス化炉2により得られたガス化ガスは、メタノール製造装置5に送給される他、外部の発電装置(図示略)に送給されて電力として利用されてもよい。
以下に各装置の構成について、より詳しく説明する。原料1が汚泥である場合には、循環流動層ガス化炉2に送給される前に、減量・減容化されるべく脱水され乾燥されることが好ましい。脱水あるいは乾燥は、種々の方式を採用することができ、特に限定されるものではない。乾燥装置として、例えば、直接加熱式、間接加熱式、あるいはヒータを使用したもの蒸気を使用したものなど、種々の形式のものを用いることができる。
原料1は、循環流動層ガス化炉2に投入されて加熱され、ガス化される。この循環流動層ガス化炉2は、ガス化温度を制御し易く、安定した操業を可能にするので都合がよい。循環流動層ガス化炉2では、珪砂などの流動媒体が送給される空気などの流体により流動し、汚泥を加熱しガス化する。炉内の操業温度は、上記したように、700〜900℃程度になるようにして稼働されるが、燃料の他、酸素、蒸気などのガス化剤を必要に応じて投入してもよい。ガス化剤を使用すると、より安定した操業ができる。
加熱され部分燃焼された原料1からは、一酸化炭素、水素、炭化水素などを含むガスが生成される。このようにして得られたガスを精製するガス精製設備4を、循環流動層ガス化炉2の下流側に接続し、ガス中の灰分、タール分、酸性成分、アルカリ成分などの有害成分を除去して、精製したガスから下流側でメタノール製造装置5によりメタノールを生成する。硫黄分は、ガス精製設備4を構成する脱硫装置に充填されている脱硫剤により除去されるが、後述するように、ガス精製設備4の脱硫装置に導入された廃メタノール合成触媒が脱硫剤として作用する。
脱硫剤による脱硫は、温度;20〜400℃、圧力;大気圧〜5MPa程度の条件で行うことができ、温度300〜400℃で最も効果的に脱硫される。400℃以上では、脱硫性能が低下し、更に高温になると触媒成分の揮発が生じる。もっとも、ガス精製設備4はメタノール製造装置の前段に配置されるので、メタノール合成条件である180〜250℃程度の温度域で脱硫すると、ガス精製設備4の脱硫装置を加熱あるいは冷却する必要がないため都合がよい。また、圧力を高くするほど、一般に脱硫性能が向上するが、あまり高くすると設備構成に費用がかかるため、上記範囲が好ましい。ガス流量が同じ場合、圧力が高いほど線速度が遅くなり、触媒塔での滞留時間が長くなるので反応率が高まり、その結果、脱硫性能が良くなる。この場合の主たる脱硫反応は、下記(1),(2)式に示すとおりであり、化学吸着が生じる。
2 S+ZnO→ZnS+H2 O (1)
2 S+Cu+O2−→CuSH+OH (2)
脱硫装置の設置位置としては、下流側に位置するメタノール製造装置のメタノール合成用の昇圧工程の後段に設置する場合と、昇圧工程の前段に設置する場合とが考えられる。メタノール合成用の昇圧工程の後段に設置する場合には、高圧(3〜5MPa)条件となり、高い脱硫性能が得られるため必要な脱硫剤の容量は少なくてよいため、脱硫装置の容量も小さくて済む。しかし、高圧条件に適合した設備として、高圧ガス保安法による特定設備として規定を満たす必要があり、重厚な設備設計を要する。
一方、昇圧工程の前段の低圧部(0〜3MPa)に設置する場合の脱硫性能は、メタノール合成用の昇圧工程の後段に設置する高圧条件に比べて悪くなるため、必要な脱硫剤の量も多くなり、脱硫装置の寸法容量も大きくならざるを得ないが、高圧ガス保安法による特定設備としての設備構成は不要となる。従って、ガス化処理システムとしての各種条件(ガス量、硫化水素濃度、温度、圧力など)から適宜有利な条件を選定して脱硫装置を設置することができる。なお、ガス化ガス中の灰分はセラミックフィルターやバグフィルターを用いて除去され、タール分は触媒による除去手段によって除かれ、その他の有害成分は、ガス洗浄方式などを用いて除去される。
ガス精製設備4により精製されたガスは、メタノール製造装置5に送給される。メタノール製造装置5は、メタノール合成触媒が充填された反応塔などからなり、ここに送給されたガスは、メタノール合成に必要な加圧、温度条件下にて、メタノール合成触媒によってメタノール合成に供される。メタノール合成触媒は、酸化銅20〜70wt%、酸化亜鉛10〜60wt%を主成分として含み、これらが全組成の約50%を占めることが好ましい。酸化銅、酸化亜鉛が、いずれか一方のみの場合あるいは上記範囲から外れる場合、脱硫剤としての機能は維持されるが、メタノール合成触媒としての性能が低下して好ましくない。また、メタノール製造装置5としては、従来の装置を使用することができるが、特に、温度200〜240℃、圧力2〜4MPa程度で、循環工程を経ることなく1パス工程によりメタノール合成することが好ましい。このような条件であると、従来技術に比べて低温、低圧であるため、消費エネルギーが少なくて済むだけでなく、従来技術のように循環式のものに比べて、循環時のエネルギーロスを回避でき、しかもコンプレッサーの配置数を少なくできて、システム全体の設備コストを低減できる。
本実施形態においては、上記したように、メタノール製造装置5において、例えば、被毒して性能劣化した触媒や触媒塔の空気開放時に酸素に被爆され酸化した触媒などのような廃メタノール合成触媒6を、ガス精製設備4に導入して脱硫剤として利用する。廃メタノール合成触媒6中の酸化銅、酸化亜鉛は、共に硫黄分と反応し、硫黄分を化学吸着することにより、脱硫剤として作用する。更に、ガス化ガス中にはメタノールの製造を阻害する塩化水素が含まれている場合があるが、この場合も、酸化亜鉛が脱塩化水素性能を有していることから、脱塩化水素剤として作用する。このようなガス精製設備4で精製されたガス化ガスを用いて、メタノール合成触媒が充填されたメタノール製造装置5にて、メタノール7を製造する。なお、ガス精製設備4によって使用された廃メタノール合成触媒(脱硫剤)は、再生不可のため廃棄される。
(実施例1)
ガス化炉にてガス化ガス100Nm3 /hを生成させ、上記実施形態の製造方法に基づいてメタノールを製造するに際して、使用済のメタノール合成触媒を用いて脱硫を試みた。ガス化ガス中に含まれる硫黄分(硫化水素、硫化カルボニルなど)は約20ppmであり、ガス精製設備の脱硫装置(脱硫塔)における脱硫剤の必要充填量は、1塔当たり100kg(SV値(空間速度)1000h−1)として、2塔を直列にして用いた。このときの脱硫条件は200℃であり、稼働日数を連続360日(8640時間)とし、硫黄除去率99.5%/2塔(95%/1塔)となるように使用済のメタノール合成触媒を2塔に充填して、このガス精製設備にて精製されたガス化ガス中の硫黄分を、0.1ppm未満となるように維持するために要する交換頻度(日数)を測定したところ、300日まで維持できた。その後、脱硫剤を補充し、上記稼働日数で消費した消費量は、総計120kgであった。その間、脱硫剤としては使用済のメタノール合成触媒のみを使用したので、新たな脱硫剤としての費用は不要であった。なお、メタノール合成に用いる触媒消費量は、充填量100kg(SV値1000h−1)に対して交換頻度24時間×90日/回であり、年間およそ400kgの使用済メタノール合成触媒が発生するため、実施例1で消費する使用済のメタノール合成触媒を十分に確保することができる。
(比較例1)
実施例1と同様の条件で、ガス化ガスの脱硫を行ったが、使用済のメタノール合成触媒を用いることなく、市販の酸化亜鉛を用いて脱硫した。その場合、精製されたガス化ガス中の硫黄分を、0.1ppm未満となるように維持するために要する交換頻度(日数)を測定したところ、120日で交換する必要が生じ、結局、360日で脱硫剤を3回交換した。その間に要した費用は、300,000円であった。以上の結果を表1に示す。
Figure 2007016185
表1に示されるように、使用済みメタノール合成触媒を用いた実施例1の方が脱硫性能に優れ、しかもランニングコストに大きな差異の生じることが判る。
(実施例2)
次に、使用済みメタノール合成触媒を用いて脱硫試験を行った結果を、説明する。100時間メタノール合成に使用後、大気中への開放により酸化した使用済みメタノール合成触媒(ZnO:20wt%,CuO:50%)の脱硫剤粒径1〜2mm、12mL(SV値7500h−1)を内径21.4mmの脱硫塔に充填し、温度200±5℃、圧力3±0.1MPa、入口ガス流量1.5L/分、入口ガス組成(H2 /CO/CO2 /N2 /H2 S=35%/15%/15%/balance/400ppm)の条件で上記脱硫塔に通ガスを行い、脱硫塔後段でガスを冷却した後、背圧弁により大気圧に減圧したガスをサンプリングし、数中のH2 S濃度を測定した。その結果を図2に示す。図に示すように、H2 Sの破過率([出口濃度/入口濃度]×100)5%のときの通ガス時間は3600分であり、従って、脱硫設備入口ガス中のH2 S濃度が20ppm未満の場合は、脱硫塔を2基直列に接続することにより、3600分後に脱硫目標値0.1ppm未満を達成できることになる。脱硫設備入口ガス中のH2 S濃度が20ppmを越える場合は、脱硫塔を3基以上直列に接続するか、あるいは前段に湿式ガス精製設備を設けることで、脱硫目標値0.1ppm未満を達成できる。
以上のことから、脱硫設備入口ガス中のH2 S濃度が20ppmの場合、SV値1000h−1の脱硫剤充填塔を用いたとすると、破過率5%に達するまでの時間は、次のようになる。
(3600分/60)×(400ppm/20ppm)×(7500/1000)/24h=375日
かかる充填塔を2基直列に接続して設置することにより、出口のH2 S濃度を0.1ppm未満にできることになり、実施例1に示したように、300日で交換することにより、出口のH2 S濃度を0.1ppm未満にできたことになる。
更に、使用済みメタノール合成触媒と市販の合成触媒(ZnO)と脱硫性能について、以下に比較する。
上記実施例2で用いた使用済みメタノール合成触媒を充填した脱硫塔(充填量:12mL)に対して、温度200℃、大気圧下で400ppm(窒素ベース)のH2 Sを通流して、出口のH2 S濃度を測定した結果を図3に示す。図3より、市販の合成触媒(イ)よりも使用済みメタノール合成触媒(ロ)の脱硫性能の方が優れていることが判る。
〔別実施の形態〕
(1)本発明に適用される原料としては、木屑、草木などの植物バイオマスや各種汚泥などはもとより、その他の有機系廃棄物などであってもよく、また、ガス化したガス中に含まれる硫黄分の量に限定されるものではない。
(2)上記実施形態では、ガス化設備として循環流動層ガス化炉を例に挙げて説明したが、これと同等程度の温度域の生成ガスを排出することができれば、他の流動層炉、ガス化炉であってもよい。
本発明の一実施形態に係る被処理物処理システムの概略フロー図 使用済みメタノール合成触媒を用いた脱硫試験結果を示すグラフ 使用済みメタノール合成触媒と市販の合成触媒との脱硫性能比較試験結果を示すグラフ
符号の説明
2 ガス化設備
3 ガス化ガス
4 ガス精製設備
5 メタノール製造装置
6 使用済みメタノール合成触媒

Claims (6)

  1. 被処理物をガス化するガス化設備と、このガス化設備により得られたガス化ガスを精製するガス精製設備と、このガス精製設備で精製されたガス化ガスからメタノールを製造するメタノール合成触媒を有するメタノール製造装置と、を有する被処理物ガス化システムにおいて、
    前記メタノール製造装置から発生する使用済みメタノール合成触媒が、前記ガス精製設備の脱硫剤として使用されることを特徴とする被処理物ガス化システム。
  2. 前記被処理物が硫黄分を含むバイオマスである請求項1記載の被処理物ガス化システム。
  3. 前記メタノール合成触媒が、酸化銅20〜70wt%、酸化亜鉛10〜60wt%を含み、前記酸化銅と酸化亜鉛の総計が50wt%以上である請求項1又は2記載の被処理物ガス化システム。
  4. 被処理物をガス化設備にてガス化し、このガス化ガスをガス精製設備により精製し、この精製されたガス化ガスを、メタノール合成触媒を有するメタノール製造装置に送給してメタノールを製造する被処理物ガス化方法において、
    前記メタノール製造装置から発生する使用済みメタノール合成触媒を、前記ガス精製設備の脱硫剤として使用することを特徴とする被処理物ガス化方法。
  5. 前記被処理物が硫黄分を含むバイオマスである請求項4記載の被処理物ガス化方法。
  6. 前記メタノール合成触媒は、酸化銅20〜70wt%、酸化亜鉛10〜60wt%を含み、前記酸化銅と酸化亜鉛の総計が50wt%以上である請求項4又は5記載の被処理物ガス化方法。
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