JP2017160330A - 成形体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、ブリードアウトが生じず、均一な表面を有する成形体を得るための製造方法の提供。
【解決手段】成形用材料から、成形体を製造する方法であって、成形用材料が、含フッ素グラフト鎖を有することを特徴とする方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、成形体の製造方法、より詳しくは、含フッ素グラフト鎖を有する成形用材料から樹脂成形体を製造する方法に関する。
樹脂成形体は、様々な分野、例えば医療部材、光学部材、建築部材、衣料、包装、容器、モールドの分野等で利用されている。このような樹脂成形体には、用途に応じて、様々な機能、例えば、撥水性、撥油性等が付加される。
従来、樹脂成形体に、撥水性、撥油性等の機能を付与する方法として、成形時にフッ素系撥剤を加えることにより、得られる成形体の表面にフッ素を偏析させる方法(特許文献1)、あるいは、成形後、成形体表面に電離放射線を照射してラジカルを生成させ、その後、含フッ素モノマーをグラフトさせる方法が知られている(特許文献2)。
特開2006−37085号公報 国際公開第2015/152310号
成形時にフッ素系撥剤を加える従来の方法では、添加したフッ素系撥剤がブリードアウトし、白濁する等の問題が生じ得る。また、成形後に成形体の表面をグラフトする方法では、表面にムラができやすく、また、操作が煩雑になるという問題が生じ得る。
従って、本発明は、ブリードアウトが生じず、均一な表面を有する成形体を得るための製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意検討した結果、成形体の原料、即ち成形用材料を成形する前に、この成形用材料をグラフト処理し、次いで、成形を行うことにより、簡便な操作で、ブリードアウトが生じず、表面にムラのない成形体を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
[1] 成形用材料から、成形体を製造する方法であって、成形用材料が、含フッ素グラフト鎖を有する
ことを特徴とする方法;
[2] さらに成形用材料を、樹脂材料に電離放射線を照射し、次いで、含フッ素グラフト化合物と反応させることにより得ることを含む、上記[1]に記載の方法;
[3] 成形用材料がペレットであることを特徴とする、上記[1]または[2]に記載の方法;
[4] 成形用材料が粉体であることを特徴とする、上記[1]または[2]に記載の方法;
[5] グラフト鎖を有する樹脂材料からなる、含フッ素成形体の成形用材料;
[6] ペレットであることを特徴とする、上記[5]に記載の成形用材料;
[7] 粉体あることを特徴とする、上記[5]に記載の成形用材料
を提供する。
本発明の方法によれば、従来熱可塑性樹脂に、特定の含フッ素重合体を溶融混練した後、成形体にすることにより、フッ素化合物を表面に偏析させた時に生じる、ブリードアウト現象による撥水撥油性の経時的な低下を防止することができる。そして、含フッ素グラフト鎖が導入された成形用材料を用いて成形を行うことにより、ブリードアウトの発生を防止し、均一な表面を有する成形体を製造することができる。
以下、本発明の成形体を製造する方法について、詳細に説明する。
本発明の方法に用いられる成形用材料は、樹脂材料上に含フッ素グラフト鎖を有する材料である。
上記成形用材料は、樹脂成形体を成形するために用いられる材料であって、成形方法にもよるが、比較的小さなサイズを有する。
成形用材料は、好ましくは600mm以下、より好ましくは400mm以下、さらに好ましくは300mm以下、さらにより好ましくは150mm以下、例えば100mm以下または80mm以下の表面積を有する。また、成形用材料は、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは1.0mm以上、さらに好ましくは2.0mm以上、さらにより好ましくは10.0mm以上、例えば30.0mm以上または50.0mm以上の表面積を有する。
成形用材料は、好ましくは800mm以下、より好ましくは500mm以下、さらに好ましくは300mm以下、さらにより好ましくは200mm以下、例えば100mm以下または80mm以下の体積を有する。また、成形用材料は、好ましくは0.01mm以上、より好ましくは0.5mm以上、さらに好ましくは1.0mm以上、さらにより好ましくは5.0mm以上、例えば20.0mm以上または30.0mm以上の体積を有する。
成形用材料のサイズをより大きくすることにより、成形用材料の取り扱いが容易になる。一方、成形用材料のサイズをより小さくすることにより、成形処理が容易になる。
成形用材料の形状は、成形体を成形するのに適した形態であれば特に限定されず、例えば、粉状、粒子状、チップ状、またはペレット状であり得る。
本明細書において粉(または粉体)は、例えば、平均粒径が、0.1〜500μm、好ましくは1.0〜300μm、例えば10〜200μmまたは30〜100μmである粉末である。
本明細書において粒子は、平均粒径が、例えば、平均粒径が、500〜1000μm、好ましくは60〜800μmである粒子である。
本明細書においてペレットは、例えば、最大径が、0.8〜8.0mm、好ましくは1.2〜5.0mm、より好ましくは1.5〜3.0mmの、球状、長球状、偏平球、棒状、板状、ブロック状またはこれらに類似する任意の形状を有する。
本明細書においてチップは、例えば、最大長が、8.0〜20mm、好ましくは10〜15mmの、球状、長球状、偏平球、棒状、板状、ブロック状またはこれらに類似する任意の形状を有する。
一の態様において、成形用材料は、粉体またはペレット、あるいはこれらの混合物である。
好ましい態様において、成形用材料は、粉体である。
別の好ましい態様において、成形用材料は、ペレットである。
さらに、別の好ましい態様において、成形用材料は、粉体およびペレットの混合物である。
上記「含フッ素グラフト鎖」とは、樹脂材料のポリマー主鎖に対して枝分れした分枝鎖であって、下記する含フッ素グラフト化合物をポリマー主鎖に共有結合したものであり得る。
成形用材料の表面が、含フッ素グラフト鎖を有することは、成形用材料の表面(例えば、深さ0.1μmまで)を元素分析することにより確認することができる。元素分析の方法は、例えばX線光電子分光分析法(X-ray Photoelectron Spectroscopy:XPS)、または全反射測定法(Attenuated Total Reflection:ATR)を用いることができる。
上記成形用材料は、少なくとも表面に含フッ素グラフト鎖を有する。この含フッ素グラフト鎖は、成形用材料の表面から、最大で深さ20mm、好ましくは最大で1mm、より好ましくは最大で500μmまで、さらに好ましくは最大で200μmまで存在する。また、好ましくは最大で深さ100μmまで、より好ましくは最大で深さ40μmまで、さらに好ましくは最大で深さ20μmまで存在する。また、グラフト鎖は、成形用材料の表面から、好ましくは少なくとも深さ0.2μm、より好ましくは少なくとも深さ1μm、さらに好ましくは少なくとも深さ3μmまで、例えば深さ10μmまで、深さ50μmまで、または深さ100μmまで存在する。例えば、グラフト鎖は、成形用材料の表面から、深さ0.2〜20mmまで、深さ0.2〜1mmまで、深さ0.2〜500μmまで、深さ0.2〜200μmまで、深さ1〜100μmまで、深さ3〜40μmまで、または深さ10〜20μmまで存在する。含フッ素グラフト鎖が存在する厚みが大きいほど、得られる成形体に発現する所望の機能が向上する。また、含フッ素グラフト鎖が存在する厚みが小さいほど、成形用材料および得られる成形体の強度が向上する。
好ましくは含フッ素グラフト鎖が存在する深さは、成形用材料の表面から、成形用材料の厚みの0.001〜99%までの深さ、例えば0.01〜99%までの深さ、または0.1〜99%までの深さであり得る。含フッ素グラフト鎖が存在する深さは、成形用材料の表面から、好ましくは1〜95%までの深さ、より好ましくは3〜90%、より好ましくは5〜80%までの深さ、さらに好ましくは10〜60%までの深さ、さらにより好ましくは20〜60%までの深さであってもよい。
グラフト重合後の成形用材料における含フッ素グラフト鎖が存在する深さは、表面グラフト重合後の成形用材料の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)によるEDX(Energy dispersive X-ray)分析、EPMA(Electron Probe Microanalyser)分析、走査透過電子顕微鏡(STEM)などにより測定することができる。また、グラフト鎖が存在する深さは、顕微FT−IRや、ラマン顕微鏡などによっても測定することができる。
また、グラフト重合後の成形用材料における含フッ素グラフト鎖が存在する深さは、陽電子寿命測定によっても測定することができる。陽電子が発生してから電子と対消滅するまでの時間を計測して得られる陽電子寿命は、高分子の非晶質自由体積および結晶中の原子空孔のサイズと相関を持つため、グラフト鎖がグラフトするにつれて成形用材料における非晶質の自由体積が小さくなり、陽電子寿命も短くなる。このことから、陽電子寿命測定により、グラフト鎖が存在する深さを測定することができる。陽電子寿命測定は、一般に、β+崩壊時に放出されるガンマ線と消滅ガンマ線を異なるシンチレーション検出器で検出し、それらの入射時間差から、ある時間で消滅した陽電子の頻度を計数する。このようにして得られた減衰曲線を解析することで陽電子寿命を決定することができる。例えば、The 2nd Japan-China Joint Workshop on Positron Science (JWPS2013) で発表された T. Okaによる「Free volume study of the functionalized fluorinated polymer」において、フッ素樹脂にスチレンがグラフトされた例が紹介されている。本発明においても、この方法によりグラフト鎖の存在を計測することができる。
本発明の成形用材料は、好ましくは0.001〜150%、より好ましくは0.01〜150%、さらに好ましくは0.05〜100%、さらにより好ましくは0.10〜50%、例えば、0.10〜10%、0.20〜10%、または0.20〜5.0%のグラフト率を有し得る。
「グラフト率」とは、樹脂材料に対して導入されたグラフト鎖の割合を意味する。具体的には、グラフト率(Dg)は、グラフト重合反応前の樹脂材料とグラフト重合反応後の成形用材料の重量変化を測定し、下記式により算出することができる。
グラフト率:Dg[%]=(W−W)/W×100
[式中、Wは、グラフト重合前の樹脂材料の重量であり、Wは、グラフト重合後の成形用材料の重量である。]
また、上記グラフト率は、熱重量測定(TG:thermogravimetric analysis)により算出することもできる。具体的には、グラフト鎖を有する成形用材料を、成形用材料の温度を一定のプログラムに従って変化させて(加熱または冷却させて)、成形用材料の重量の変化を測定し、この重量変化から算出することができる。熱重量測定は、例えば、Rigaku社製や島津製作所のTGA測定器を用いて行うことができる。
樹脂材料に含フッ素グラフト鎖を導入する方法としては、例えば、樹脂材料を、電離放射線で処理し、次いで、後に記載する含フッ素グラフト化合物と反応させる方法が挙げられる。樹脂材料に電離放射線を照射することにより、樹脂材料において、例えば、樹脂材料を形成する化合物から水素原子またはフッ素原子が脱離し、あるいは樹脂材料を形成する化合物の主鎖および/または側鎖が放射線化学反応によって切断されて、ラジカルが生成する。このラジカルが、樹脂材料に機能を付与する含フッ素化合物(以下、「含フッ素グラフト化合物」ともいう)と表面グラフト重合し、樹脂材料に含フッ素グラフト鎖が導入される。
従って、本発明の方法は、一の態様において、成形用材料を、樹脂材料に電離放射線を照射し、次いで、含フッ素グラフト化合物と反応させることにより得る工程をさらに含み得る。
上記樹脂材料を構成する樹脂は、特に限定されないが、所望の機能、例えば防汚性、撥水性、撥油性等を有しない、あるいは所望の機能が十分でない樹脂、例えば非フッ素樹脂(または汎用樹脂ともいう)またはフッ素樹脂であり得る。
上記非フッ素樹脂は、グラフト鎖を導入することができる樹脂、例えば、下記する電離放射線を利用してグラフト鎖を導入する場合には、電離放射線の照射によりラジカルを生成し得る樹脂であれば特に限定されない。例えば、非フッ素樹脂は、ポリエチレン、ポロプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン系樹脂、シクロオレフィン樹脂、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル等のポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂、アクリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタラート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、スチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩素化ポリエチレン系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリジメチルシリコーン(PDMS)、ポリウレタン等、あるいはこれらを含む共重合体、ブレンド、ポリマーアロイ等が挙げられる。中でも、シクロオレフィン樹脂、ポリエチレン、ポロプロピレンが表面に防汚性、撥水性、撥油性等の機能を付与できるため好ましい。
上記フッ素樹脂は、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)や、フッ化ビニリデン−6フッ化プロピレン−4フッ化エチレン共重合体(FKM)、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、パーフルオロアルコキシ共重合体(PFA)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(VdF−HFP)、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(VdF−TFE−HFP)、その他フッ素系樹脂、フッ素ゴム等が挙げられるほか、これらのブレンド樹脂、ポリマーアロイであってもよい。なかでも、ETFEが防汚性、撥水性、撥油性等のほか、滑り性の機能を付与できるため好ましい。
上記含フッ素グラフト化合物は、樹脂材料とグラフト重合することが可能であり、樹脂材料に所望の機能を付与できるものであれば特に限定されず、例えば、フッ素原子を含む部分、およびラジカルと反応性を有する部分を有する化合物が挙げられる。
一の態様において、含フッ素グラフト化合物は、パーフルオロポリエーテル基またはパーフルオロアルキル基、およびラジカルと反応性の基を有する化合物であり得る。
上記パーフルオロポリエーテル基(以下、「PFPE」ともいう)は、下記式:
−(OC−(OC−(OC−(OCF
[式中、a、b、cおよびdは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、a、b、cおよびdの和は少なくとも1であり、括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。]
で表される基を意味する。
上記式中、a、b、cおよびdは、それぞれ独立して0または1以上の整数であって、a、b、cおよびdの和が少なくとも1であれば特に限定されるものではない。好ましくは、a、b、cおよびdは、それぞれ独立して0以上200以下の整数、例えば1以上200以下の整数であり、より好ましくは、それぞれ独立して0以上100以下の整数、例えば1以上100以下の整数である。さらに好ましくは、a、b、cおよびdの和は、10以上、好ましくは20以上であり、200以下、好ましくは100以下である。また、a、b、cまたはdを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。
上記の繰り返し単位のうち、−(OC)−は、−(OCFCFCFCF)−、−(OCF(CF)CFCF)−、−(OCFCF(CF)CF)−、−(OCFCFCF(CF))−、−(OC(CFCF)−、−(OCFC(CF)−、−(OCF(CF)CF(CF))−、−(OCF(C)CF)−および−(OCFCF(C))−のいずれであってもよいが、好ましくは−(OCFCFCFCF)−である。−(OC)−は、−(OCFCFCF)−、−(OCF(CF)CF)−および−(OCFCF(CF))−のいずれであってもよいが、好ましくは−(OCFCFCF)−である。また、−(OC)−は、−(OCFCF)−および−(OCF(CF))−のいずれであってもよいが、好ましくは−(OCFCF)−である。
一の態様において、PFPEは、−(OC−(式中、bは1以上200以下、好ましくは10以上100以下の整数である)であり、好ましくは−(OCFCFCF−(式中、bは上記と同意義である)である。
別の態様において、PFPEは、−(OC−(OC−(OC−(OCF−(式中、aおよびbは、それぞれ独立して0以上または1以上30以下、好ましくは0以上10以下の整数であり、cおよびdは、それぞれ独立して1以上200以下、好ましくは10以上100以下の整数である。a、b、cおよびdの和は、10以上、好ましくは20以上であり、200以下、好ましくは100以下である。添字a、b、cまたはdを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である)であり、好ましくは−(OCFCFCFCF−(OCFCFCF−(OCFCF−(OCF−(式中、a、b、cおよびdは上記と同意義である)である。例えば、PFPEは、−(OCFCF−(OCF−(式中、cおよびdは上記と同意義である)であってもよい。
さらに別の態様において、PFPEは、−(OC−R11−で表される基である。式中、R11は、OC、OCおよびOCから選択される基であるか、あるいは、これらの基から独立して選択される2または3つの基の組み合わせである。OC、OCおよびOCから独立して選択される2または3つの基の組み合わせとしては、特に限定されないが、例えば−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、および−OCOCOC−等が挙げられる。上記nは、2〜100の整数、好ましくは2〜50の整数である。上記式中、OC、OCおよびOCは、直鎖または分枝鎖のいずれであってもよく、好ましくは直鎖である。この態様において、PFPEは、好ましくは、−(OC−OC−、−(OC−OCOC−または−(OC−OC−である。
一の態様において、パーフルオロ(ポリ)エーテル基は、炭素数1〜2のオキシペルフルオロアルキレン基の少なくとも1種からなる基(α)の1〜3つと、炭素数3〜6のオキシペルフルオロアルキレン基の少なくとも1種からなる基(β)の1〜3つとを有する単位(αβ)を単位とし、前記単位(αβ)の2つ以上が連結してなる鎖((αβ))を有する基であってもよい。
上記化合物は、鎖((αβ))に属さない他のオキシペルフルオロアルキレン基を有していてもよい。
単位(αβ)中の基(α)と基(β)の順は特に限定されない。例えば、基(α)が2つ存在する場合、2つの基(α)は連結していてもよく、少なくとも1つの基(β)を介して結合していてもよい。
上記パーフルオロ(ポリ)エーテル基は、単位(αβ)の2つ以上が連結してなる鎖((αβ)n)を有していてもよい。単位(αβ)の一方の端部が基(α)であり、他方の端部が基(β)である場合、鎖((αβ))としては、単位(αβ)の2つ以上が、単位間で基(α)と基(β)とが交互に配置されるように連結することが好ましい。すなわち、隣接する単位(αβ)が頭−尾構造(ヘッド ツー テイル構造)となるように結合していることが好ましい。
上記パーフルオロ(ポリ)エーテル基の好ましい態様は、具体的には、下式(1)で表される。
Rf−O−[(RfO)x1(RfO)x2(RfO)x3(RfO)x4(RfO)x5(RfO)x6−Β ・・・(1)。
ただし、式(1)中の記号は以下の通りである。
n:2以上の整数。
x1〜x2:それぞれ独立に0〜3の整数であり、x1+x2は1〜3の整数である。
x3〜x6:それぞれ独立に0〜3の整数であり、x3+x4+x5+x6は1〜3の整数である。
Rf:炭素数1のペルフルオロアルキレン基。
Rf:炭素数2のペルフルオロアルキレン基。
Rf:炭素数3のペルフルオロアルキレン基。
Rf:炭素数4のペルフルオロアルキレン基。
Rf:炭素数5のペルフルオロアルキレン基。
Rf:炭素数6のペルフルオロアルキレン基。
Rf;炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基、エーテル性酸素原子を有する炭素数2〜6のペルフルオロアルキル基。
nは、1以上の整数である。nの上限は45が好ましい。nは、4〜40が好ましく、5〜35が特に好ましい。
単位(αβ)において、基(α)基(β)の結合順序は限定されない。すなわち、基(α)と基(β)がランダムに配置されてもよく、基(α)と基(β)とが交互に配置されてもよく、複数の基からなるブロックの2以上が連結してもよい。
単位(αβ)としては、下記が例示される。
(CFCFO−CFCFCFO)、
(CFCFO−CFCFCFCFO)、
(CFCFO−CFCFCFOCFCFCFO)、
(CFCFO−CFCF(CF)OCFCFCFO)、
(CFCFO−CFCFCFCFOCF(CF3)CFO)。
上記パーフルオロアルキル基は、C2n+1(nは、1〜30の整数、好ましくは3〜20の整数、例えば5〜10の整数である)で表される基である。パーフルオロアルキル基は、直鎖であってもよく分枝鎖であってもよいが、好ましくは直鎖である。
上記ラジカルと反応性の部分としては、特に限定されないが、例えばエチレン性二重結合を有する基および含酸素環状基(例えば、グリシジル基、オキセタニル基)、ならびにそれらの誘導体が挙げられる。
好ましいラジカルと反応性の基は、下記式:
Figure 2017160330
[式中、Rは、結合または−OC(O)−であり、
は、水素原子、フッ素原子、あるいはフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基(好ましくは、炭素数1〜3のアルキル基、より好ましくはメチル基)またはフェニル基を表し、好ましくは、メチル基または水素原子であり、
は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、あるいはフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基(好ましくは、炭素数1〜3のアルキル基、より好ましくはメチル基)またはフェニル基を表し、好ましくはメチル基または水素原子であり、より好ましくは水素原子であり、
nは、1〜5の整数であり、好ましくは1または2であり、より好ましくは1である。]
で表される基である。
好ましいラジカルと反応性の基は、下記式:
Figure 2017160330
[式中、Rは、結合、−O−、−CO−または−OC(O)−であり、
は、水素原子、フッ素原子、あるいはフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基(好ましくは、炭素数1〜3のアルキル基、より好ましくはメチル基)、ラクタム基(好ましくは、β-ラクタム、γ-ラクタムまたはδ-ラクタム基、より好ましくはγ-ラクタム基)またはフェニル基を表し、好ましくは、メチル基または水素原子である。]
で表される基である。
より好ましいラジカルと反応性の基は、下記式:
Figure 2017160330
[式中、Rは、上記と同意義である。]
で表される基である。
さらに好ましいラジカルと反応性の基は、アクリロイル基またはメタクリロイル基である。
含フッ素グラフト化合物の例としては、限定するものではないが、例えば、下記式(A1)、(A2)、(B1)、(B2)および(C1)のいずれか:
Figure 2017160330
[式中、Rfは、それぞれ独立して、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜16のアルキル基を表し、
PFPEは、上記と同意義であり、
は、それぞれ独立して、ラジカルと反応性の基を表し、
Xは、2価の有機基を表し、
は、下記式:
−(Q)−(CFZ)−(CH
(式中、Qは、各出現においてそれぞれ独立して、酸素原子、フェニレン、カルバゾリレン、−NR−(式中、Rは、水素原子または有機基を表す)または2価の極性基を表し、Zは、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子または低級フルオロアルキル基を表し、e、fおよびgは、それぞれ独立して、0以上50以下の整数であって、e、fおよびgの和は少なくとも1であり、括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。)
で表される基であり、
は、それぞれ独立して、2価の有機基を表し、
は、各出現においてそれぞれ独立して、R4aまたはR4bを表し:ただし、少なくとも1つのRはR4aであり、
4aは、各出現においてそれぞれ独立して、ラジカルと反応性の基を有する2価の有機基を表し、
4bは、各出現においてそれぞれ独立して、ラジカルと反応性の基を有しない2価の有機基を表し、
n1は、それぞれ独立して、1以上50以下の整数であり、
は、それぞれ独立して、−O−、−S−、−NH−または単結合を表し、
は、それぞれ独立して、1価の有機基または水素原子を表し、
は、環構造、ヘテロ原子および/または官能基を有してもよい(n2+n3)価または(n5+n6+n7)価の有機基を表し、
は、2価の有機基を表し、
n2は、1以上3以下の整数であり、
n3は、1以上3以下の整数であり、
は、3〜8価の有機基を表し、
n4は、2以上7以下の整数であり、
11は、−R−Rまたは−R(Rn4であり、
12は、Siを含む基であり、
n5は、1以上3以下の整数であり、
n6は、1以上3以下の整数であり、
n7は、1以上3以下の整数である。]
で表される少なくとも1つの化合物が挙げられる。
本明細書において用いられる場合、「1価の有機基」および「2価の有機基」とは、それぞれ、炭素を含有する1価および2価の基を意味する。
上記式(A1)および(A2)中、Rは、それぞれ独立して、ラジカルと反応性の基を表す。
は、好ましくは、下記式:
Figure 2017160330
[式中、Rは、結合、−O−、−CO−または−OC(O)−であり、
は、水素原子、フッ素原子、あるいはフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基(好ましくは、炭素数1〜3のアルキル基、より好ましくはメチル基)、ラクタム基(好ましくは、β-ラクタム、γ-ラクタムまたはδ-ラクタム基、より好ましくはγ-ラクタム基)またはフェニル基を表し、好ましくは、メチル基または水素原子である。]
で表される基である。
より好ましいラジカルと反応性の基は、下記式:
Figure 2017160330
[式中、Rは、上記と同意義である。]
で表される基である。
さらに好ましくは、Rは、アクリロイル基またはメタクリロイル基である。
上記式(A1)、(B1)および(C1)中、Rfは、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜16のアルキル基を表す。
上記1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜16のアルキル基における「炭素数1〜16のアルキル基」は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよく、好ましくは、直鎖または分枝鎖の炭素数1〜6、特に炭素数1〜3のアルキル基であり、より好ましくは直鎖の炭素数1〜3のアルキル基である。
また、Rfは、好ましくは、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されている炭素数1〜16のアルキル基であり、より好ましくはCFH−C1−15パーフルオロアルキレン基であり、さらに好ましくは炭素数1〜16のパーフルオロアルキル基であり、さらにより好ましくは炭素数1〜6、特に炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基である。
上記式(A1)および(A2)中、Xは、それぞれ独立して、2価の有機基を表す。当該X基は、PFPEとRとを連結するリンカーと解される。したがって、当該X基は、上記(A1)および(A2)で表される化合物が、安定に存在し得るものであれば、いずれの2価の有機基であってもよい。
上記Xの例としては、特に限定するものではないが、例えば、下記式:
−(CFZ)−(CH−(Y)
[式中、Zは、フッ素原子または炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基またはその誘導体基を表し、
Yは、−OCO−、−OCONH−または−CONH−、あるいはこれらの1種を含有する有機基を表し、
x、yおよびzは、それぞれ独立して、0〜3の整数であり、
x、yまたはzを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。]
で表される基が好ましい。
上記Xの具体的な例としては、例えば:
−CFCFCH
−CFCFCH−OCO−
−CFCFCH−CONH−
−CFCFCH−OCONH−
等が挙げられる。
上記式(B1)および(B2)中、Rは、式:−(Q)−(CFZ)−(CH−で表される基である。ここに、e、fおよびgは、それぞれ独立して、0以上50以下の整数であって、e、fおよびgの和は少なくとも1であり、括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。
上記式中、Qは、酸素原子、フェニレン、カルバゾリレン、−NR−(式中、Rは、水素原子または有機基を表す)または2価の極性基を表し、好ましくは酸素原子または2価の極性基であり、より好ましくは酸素原子である。
上記Qにおける「2価の極性基」としては、特に限定されないが、−C(O)−、−C(=NR)−、および−C(O)NR−(これらの式中、Rは、水素原子または低級アルキル基を表す)が挙げられる。当該「低級アルキル基」は、例えば、炭素数1〜6のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピルであり、これらは、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい。
上記式中、Zは、水素原子、フッ素原子または低級フルオロアルキル基を表し、好ましくはフッ素原子である。
上記「低級フルオロアルキル基」は、例えば、炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜3のフルオロアルキル基、好ましくは炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、より好ましくはトリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、更に好ましくはトリフルオロメチル基である。
は、好ましくは、式:−(O)−(CF−(CH−(式中、e、fおよびgは、上記と同意義であり、括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である)で表される基である。
上記式:−(O)−(CF−(CH−で表される基としては、例えば、−(O)e’−(CFf’−(CHg’−O−[(CHg”−O−]g’’’(式中、e’は0または1であり、f’、g’およびg”は、それぞれ独立して、1〜10の整数であり、g’’’は、0または1である)で表される基が挙げられる。
上記式(B1)および(B2)中、Rは、2価の有機基を表す。
基は、好ましくは、−C(R3a)(R3b)−である。ここに、R3aおよびR3bは、それぞれ独立して、水素原子、またはアルキル基を表し、好ましくは、R3aおよびR3bの一方はアルキル基である。
上記式(B1)および(B2)中、Rは、各出現において、それぞれ独立して、R4aまたはR4bである。ただし、少なくとも1つのRは、R4aである。
上記R4aは、各出現においてそれぞれ独立して、ラジカルと反応性の基を有する2価の有機基を表す。
4aは、好ましくは、下記式:
Figure 2017160330
で表される基である。
上記式中、R31は、各出現において、それぞれ独立して、水素原子、またはアルキル基を表す。当該R31は、好ましくは水素原子である。
上記式中、R32は、各出現において、それぞれ独立して、水素原子、またはアルキル基を表す。当該R32は、好ましくはメチル基または水素原子であり、より好ましくは水素原子である
上記式中、R33は、各出現において、それぞれ独立して、ラジカルと反応性の基を有する有機基を表す。
かかるラジカルと反応性の基としては、上記と同様のものが挙げられるが、CH=CX−C(O)−(式中、Xは、水素原子、塩素原子などのハロゲン原子、フッ素原子またはフッ素により置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表す)が好ましく、具体的にはCH=C(CH)−C(O)−またはCH=CH−C(O)−が挙げられる。
上記式中、Yは、−O−、−N(R)−、フェニレンまたはカルバゾリレンを表す。ここでRは有機基を表し、好ましくはアルキル基である。
は、好ましくは−O−、フェニレン、またはカルバゾリレンであり、より好ましくは−O−またはフェニレンであり、更に好ましくは−O−である。
上記式中、Yは、主鎖の原子数が1〜16(より好ましくは2〜12、更に好ましくは2〜10)であるリンカーを表す。当該Yとしては、特に限定されるものではないが、例えば、−(CH−CH−O)p1−(p1は、1〜10の整数、例えば2〜10の整数を表す)、−(CHRp2−O−(p2は、1〜40の整数であり、Rは、水素、またはメチル基を表す)、−(CH−CH−O)p3−CO−NH−CH−CH−O−(p3は、1〜10の整数、例えば2〜10の整数を表す)、−CH−CH−O−CH−CH−、−(CHp4−(p4は1〜6の整数を表す)、−(CHp5−O−CONH−(CHp6−(p5は1〜8の整数、好ましくは、2または4を表し、p6は1〜6の整数、好ましくは3を表す)、または−O−(但し、Yは−O−ではない)が挙げられる。好ましいYとしては、−(CH−CH−O)p1−(p1は、1〜10の整数、例えば2〜10の整数を表す)または−(CHRp2−O−(p2は、1〜40の整数であり、Rは、水素、またはメチル基を表す)、具体的には、−(CH−CH−O)−または−CH−CH−O−が挙げられる。なお、これらの基は、左端が分子主鎖側(Y側)に結合し、右端がラジカルと反応性の基側(R33側)に結合する。
4aは、さらに好ましくは、下記式:
Figure 2017160330
で表される基である。
上記式中、Xは、水素原子、塩素原子などのハロゲン原子、フッ素原子またはフッ素により置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表し、好ましくは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、例えばメチル基である。上記式中、q1は、1〜10の整数であり、好ましくは1〜5の整数、例えば1または2である。q2は、1〜10の整数であり、好ましくは1〜5の整数、例えば2である。
上記R4bは、各出現においてそれぞれ独立して、ラジカルと反応性の基を有しない2価の有機基である。
4bは、好ましくは、−(CHR4c−CR4d4e−である。ここに、R4cおよびR4dは、それぞれ独立して、水素原子、またはアルキル基を表し、sは0から50の整数であり、R4e基は、−Q’−R4fである。ここに、Q’は上記Qと同意義であり、R4fは、ラジカルと反応性の基を有しない有機基であり、後記の基R4gがリンカーを介して、または直接Q’に結合する基である。
当該リンカーは、好ましくは、
(a)−(CH−CH−O)s1−(s1は、1〜10の整数、例えば2〜10の整数を表す。)、
(b)−(CHR4hs2−O−(s2は、1〜40の整数である繰り返し数を表す。R4hは、水素またはメチル基を表す。)、
(c)−(CH−CH−O)s1−CO−NH−CH−CH−O−(s1は、上記と同意義である。)、
(d)−CH−CH−O−CH−CH−、
(e)−(CHs3−(s3は1〜6の整数を表す。)、または
(f)−(CHs4−O−CONH−(CHs5−(s4は1〜8の整数、好ましくは、2または4を表す。s5は1〜6の整数、好ましくは3を表す。)、または
(g)−O−(但し、Q’は−O−ではない)
である。
4gは、好ましくは以下の基である。
(i)アルキル基
例:メチル、エチル
(ii)フッ素で置換されたアルキル基を含有する鎖状基
例:
Figure 2017160330
(iii)単環式炭素環、二環式炭素環、三環式炭素環、および四環式炭素環からなる群より選択される1個以上の環状部を含有する基
例:
Figure 2017160330
(iv)1個以上(好ましくは1または2個)のカルボキシ基で置換された炭化水素基を含有する基
例:
Figure 2017160330
(v)1個以上(好ましくは1個)のアミノ基を含有する基
(vi)水素
(vii)イミダゾリウム塩を含有する基
例:
Figure 2017160330
4gは、より好ましくは、水素原子、またはフッ素化されていてもよく、かつエチレン鎖を介して結合してもよいアルキル基であり、より好ましくは、水素原子、メトキシエチル基、イソブチル基、またはR3i−CF−(CFs6−(CHs7−O−(CH−(Rはフッ素原子または水素原子であり、s6は0〜6の整数であり、およびs7は1〜6の整数である)であり、更に好ましくは、3−(ペルフルオロエチル)プロポキシエチル基[示性式:CF−(CF)−(CH−O−(CH−]である。
上記R中、構成単位R4aと構成単位R4bは、それぞれがブロックを形成していてもよく、ランダムに結合していてもよい。
上記式(B1)および(B2)中、n1は、1以上100以下の整数、好ましくは1以上50以下の整数、更に好ましくは2以上30以下の整数である。
上記式(B1)および(B2)中、Rは、−O−、−S−、−NH−または単結合を表し、好ましくは−O−である。
上記式(B1)および(B2)中、Rは、1価の有機基または水素原子を表す。
は、好ましくは、Rf−PFPE−R(式中、Rf、PFPEおよびRは、上記と同意義である)、またはフッ素により置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、更に好ましくはメチルである。
上記式(C1)中、Rは、環構造、ヘテロ原子および/または官能基を有してもよい(n2+n3)価の有機基を表す。
上記式(C1)中、n2は、1以上3以下の整数である。
上記式(C1)中、n3は、1以上3以下の整数である。
好ましくは、n2+n3は、3であり、例えばn2が1であり、かつn3が2であり、あるいはn2が2であり、かつn3が1である。
上記Rにおける「環構造、ヘテロ原子および/または官能基を有してもよい(n2+n3)価の有機基」としては、例えば、1価の有機基からさらに水素原子を(n2+n3−1)個除去することによって誘導される基が挙げられる。
は、好ましくは、下記式:
Figure 2017160330
で表される基である。
より好ましくは、Rは、下記式:
Figure 2017160330
で表される基である。
上記式(C1)中、Rは、2価の有機基を表す。当該Rは、好ましくは、−O−(CH−(式中、rは1以上10以下の整数、好ましくは1以上3以下の整数である)、−NH−(CH−(式中、rは上記と同意義である)であり、より好ましくは、−O−(CH−(式中、rは1以上3以下の整数である)である。
一の態様において、上記式(B1)および(B2)で表される化合物は、それぞれ、以下の一般式(B1a)および(B2a):
Figure 2017160330
[式中、Rf、PFPE、R、R、X、Z、およびn1は、上記と同意義であり、
gは0または1であり、
hは1または2であり、
q1は1以上5以下の整数である。]
で表される少なくとも1種の化合物であってもよい。
別の態様において、上記式(C1)で表される化合物は:
(a)ジイソシアネートを3量体化させたトリイソシアネートに存在するNCO基と、
(b)下記式(a1)あるいは式(a1)および(a2):
Figure 2017160330
[式中、Rf、PFPE、Z、gおよびhは、上記と同意義である。]
で表される少なくとも1種の活性水素含有化合物、および、下記式(a3):
Figure 2017160330
[式中、Xは、上記と同意義であり、
30は、2価の有機基を表す。]
で表される少なくとも1種の活性水素含有化合物の活性水素を反応させることにより得られる少なくとも1種の化合物である。
式(a3)におけるR30は、好ましくは、−(CHr’−(式中、r’は1以上10以下の整数、好ましくは1以上3以下の整数である)、−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−CH(CHOC)−であり、より好ましくは、−(CHr’−(式中、r’は1以上3以下の整数である)である。
上記式(D1)中、Rは、3〜8価の有機基を表す。式(D1)から明らかなように、当該Rは、(n4+1)価となる。
上記Rの具体的な例としては、例えば:
−O−CH−C(CH−);または
−O−CH−C(CH−)−CHOCH−C(CH−)
が挙げられる。
好ましい態様において、R(Rn4は、
−O−CH−C(CH−OC(O)−CR=CH;または
−O−CH−C(CH−OC(O)−CR=CH−CHOCH−C(CH−OC(O)−CR=CH
が挙げられる。
上記式(D1)中、n2は、1以上3以下の整数である。
上記式(D1)中、n3は、1以上3以下の整数である。
上記式(D1)中、n4は、2以上7以下、好ましくは3以上6以下の整数である。
上記式(E1)中、Rは、上記(C1)と同意義である。ただし、式(E1)中においてRの価数は、(n5+n6+n7)価となる。
上記式(E1)中、R11は、−R−Rまたは−R(Rn4である。これら−R−Rおよび−R(Rn4基は、それぞれ、式(C1)および式(D1)と同意義である。
式(E1)中、R12は、Siを含む基である。
上記Siを含む基は、好ましくは、下記式:
Figure 2017160330
で表される少なくとも1種の化合物であり得る。
上記式中、R21、R22、R23、R24およびR25は、それぞれ独立して、アルキル基またはアリール基である。
上記アルキル基としては、特に限定されるものではないが、炭素数1〜10のアルキル基、および炭素数3〜20のシクロアルキル基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基である。当該アルキル基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよいが、好ましくは、直鎖である。好ましい具体的としては、R21に関してはn−ブチル基であり、R22〜R25に関してはメチル基である。
上記アリール基としては、特に限定されるものではないが、炭素数6〜20のアリール基が挙げられる。当該アリール基は、2個またはそれ以上の環を含んでいてもよい。好ましいアリール基は、フェニル基である。
上記アルキル基およびアリール基は、所望により、その分子鎖または環中に、ヘテロ原子、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含有していてもよい。
さらに、上記アルキル基およびアリール基は、所望により、ハロゲン;1個またはそれ以上のハロゲンにより置換されていてもよい、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−10シクロアルキル基、C3−10不飽和シクロアルキル基、5〜10員のヘテロシクリル基、5〜10員の不飽和ヘテロシクリル基、C6−10アリール基、5〜10員のヘテロアリール基から選択される、1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよい。
上記式中、R26は、2価の有機基を表す。好ましくは、R26は、−(CH−(式中、rは1〜20の整数、好ましくは1〜10の整数である)である。
上記式中、lおよびnは、それぞれ独立して、0または1であり;mは、1〜500の整数、好ましくは1〜200、より好ましくは5〜150の整数であり;oは、0〜20の整数、例えば1〜20の整数であり、pは0または1である。
上記式で示される具体的な基としては、例えば、下記の基が挙げられる。
Figure 2017160330
上記式(E1)中、n5は、1以上3以下の整数である。
上記式(E1)中、n6は、1以上3以下の整数である。
上記式(E1)中、n7は、1以上3以下の整数である。
また、別の含フッ素グラフト化合物の例としては、
2n+1−X−R
[式中、RおよびXは、上記と同意義であり、
nは、1〜30の整数、好ましくは3〜20の整数、例えば4〜10の整数である。]
で表される化合物である。
さらに別の含フッ素グラフト化合物は、式(I):
Figure 2017160330
[式中、Xは、水素原子またはメチル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、CFX基(但し、XおよびXは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。)、シアノ基、炭素数1〜21の直鎖状または分岐状のフルオロアルキル基、置換または非置換のベンジル基、置換または非置換のフェニル基、
Yは、炭素数1〜10の脂肪族基、炭素数6〜10の芳香族基または環状脂肪族基、−CHCHN(R)SO−基(但し、Rは炭素数1〜4のアルキル基である。)または−CHCH(OY)CH−基(但し、Yは水素原子またはアセチル基である。)、
Rfは、炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のフルオロアルキル基またはフルオロアルケニル基である。]
で示される含フッ素アクリレートエステルである。
含フッ素アクリレートエステルにおいて、Xが水素原子またはメチル基であることが好ましい。
式(I)において、Rf基が、パーフルオロアルキル基またはパーフルオロアルケニル基であることが好ましい。フルオロアルキル基またはフルオロアルケニル基の炭素数は、1〜6、例えば1〜4である。
フルオロアルキル基の例は、−CF、−CFCF、−CFCFCF、−CF(CF、−CFCFCFCF、−CFCF(CF、−C(CF、−(CFCF、−(CFCF(CF、−CFC(CF、−CF(CF)CFCFCF、−(CFCF、−(CFCF(CF等である。
フルオロアルケニル基の例は、−CF=CF、−CFCF=CF、−(CFCF=CF、−CFC(CF)=CF、−CF(CF)CF=CF、−(CFCF=CF、−C(CFCF=CF、−(CFC(CF)=CF、−(CFCF=CF、−(CFCF=CF、−(CFC(CF)=CF、等である。
Yは、炭素数1〜10の脂肪族基、炭素数6〜10の芳香族基または環状脂肪族基、−CHCHN(R)SO−基(但し、Rは炭素数1〜4のアルキル基である。)または−CHCH(OY)CH−基(但し、Yは水素原子またはアセチル基である。)である。脂肪族基はアルキレン基(特に炭素数1〜4、例えば、1または2)であることが好ましい。芳香族基および環状脂肪族基は、置換されていてもあるいは置換されていなくてもどちらでもよい。
含フッ素グラフト化合物の例として、式:
Figure 2017160330
[式中、Rfは炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基
は、水素または炭素数1〜10のアルキル基、
は、炭素数1〜10のアルキレン基、
は、水素原子またはメチル基、
Arは、置換基を有することもあるアリール基、
nは、1〜10の整数を表す。]
で示される含フッ素アクリレートエステルを挙げることができる。
含フッ素グラフト化合物の具体例は、
CF(CF(CH)OCOCH=CH
CF(CF(CH)OCOC(CH)=CH
CF(CF(CH)OCOCH=CH
CF(CF(CH)OCOC(CH)=CH
(CFCF(CF(CHOCOCH=CH
CF(CF(CHOCOC(CH)=CH
CF(CF(CHOCOCH=CH
CFCF(CHOCOCH=CH
CF(CFSON(CH)(CHOCOCH=CH
CF(CFSON(C)(CHOCOC(CH)=CH
(CFCF(CFCHCH(OCOCH)CHOCOC(CH)=CH
(CFCF(CFCHCH(OH)CHOCOCH=CH
を例示することができる。
別の態様において、含フッ素グラフト化合物は、エチレン性二重結合を有する炭化水素であって、その一部または全部の水素原子がフッ素原子に置換された化合物であり得る。
エチレン性二重結合を有する炭化水素であって、その一部または全部の水素原子がフッ素原子に置換された化合物としては、例えば、フッ素置換された、エチレン、プロピレン、ブチレン等、好ましくはフッ素により全置換されたエチレン、プロピレン、ブチレン等が挙げられる。好ましい態様において、エチレン性二重結合を有する炭化水素であって、その一部または全部の水素原子がフッ素原子に置換された化合物は、テトラフルオロエチレンであり得る。
上記電離放射線は、樹脂材料に照射した場合にラジカルを発生させることができるものであれば特に限定されず、例えば、電子線(β線)、X線、γ線、中性子線、紫外線、プラズマ、イオン照射等を用いることができる。電離放射線の浸透深さ(飛程)の制御が容易で、樹脂中にラジカルを発生させやすいことから、電子線が好ましい。
照射される電離放射線の吸収線量は、1〜1000kGy、好ましくは10〜500kGy、より好ましくは50〜300kGyである。1000kGy以下の吸収線量とすることにより、表層での樹脂材料の劣化を最小限に抑えることできる。また、1kGy以上の吸収線量とすることにより、表面グラフト重合に十分な量のラジカルを生成することができる。樹脂材料のエネルギー吸収量は、シンチレーション検出器や半導体検出器にて計測可能であるが、より好ましくは、例えば三酢酸セルロースフィルム(CTA:Cellulose triacetate)線量計や、ラジオクロミックフィルム線量計により測定することができる。
電子線を用いる場合、電子加速器を用い、樹脂材料に照射される電子線の電子のエネルギーは、樹脂材料表面で、好ましくは5keV〜10000keV、より好ましくは10keV〜1000keV、さらに好ましくは30keV〜100keV、さらにより好ましくは40keV〜70keVである。樹脂材料表面での電子のエネルギーを100keV以下とすることにより、実質的に樹脂材料の表面付近のみで電子線が吸収され、基材の内部にまで浸透する電子線が少なくなるので、電子線による樹脂材料の劣化を抑制することができる。さらに、表面グラフト重合に関与しない樹脂内部での電子線の吸収が少なく、また、樹脂材料を透過する電子線が少ないので、エネルギー吸収効率も高めることができる。一方、樹脂材料表面での電子のエネルギーを5keV以上とすることにより、樹脂材料表面において、表面グラフト重合に十分な程度のラジカルを生成することができる。
電子加速器からの電子線を用いる場合、電子銃から樹脂材料まで間が真空環境であれば、電子のエネルギーは、加速電圧と対応しその加速電圧は、好ましくは5〜10000kV、より好ましくは10〜1000kV、さらに好ましくは30〜100kV、さらにより好ましくは40〜70kVであればよい。
例えば、電子ビームの加速電圧が60kVの時、電子ビームの到達深度はそれぞれ、照射される成形用材料が非フッ素樹脂の時、約60μm、また照射される成形用材料がフッ素樹脂の時、約30μmとなり得る。
一方、電子銃から試料(即ち、樹脂材料)までの間に、大気中への取り出しのための照射窓があるような電子加速器の場合、真空中の照射であっても電子のエネルギーは、照射窓通過の際に減衰するので、加速電圧は、電子のエネルギーの減衰に応じてより高くする必要がある。もちろん、窒素気流中を通過する場合も同様に、樹脂材料までの気流中の密度と距離に応じて減衰するエネルギーを考慮して高くする必要がある。
電子線を用いる場合、樹脂材料に照射される電子の照射線量は、10μC/cm〜10mC/cm、好ましくは、50μC/cm〜1mC/cm、より好ましくは100μC/cm〜300μC/cm、例えば200μC/cmである。このような範囲の照射線量とすることにより、効率よくラジカルを発生させることができる。
樹脂材料への電離放射線の照射は、生成したラジカルの対消滅を抑制する観点から、好ましくは、実質的に酸素が存在しない雰囲気下、例えば、酸素濃度が1000ppm以下、より好ましくは、500ppm、さらにより好ましくは、100ppm以下の雰囲気下で行われる。例えば、電離放射線の照射は、真空中または不活性ガス雰囲気下、例えば窒素またはアルゴン雰囲気下で行われる。尚、真空とは、完全に真空である必要はなく、実質的に真空であればよく、例えば103Pa程度の低真空、10−2Pa程度の高真空のいずれであってもよい。また、別の態様において、電離放射線の照射は、過酸化ラジカルを得るために、大気下で行ってもよく、また、ラジカル生成後に酸素を供給することもできる。また、樹脂材料に生成したラジカルの失活を防止するために、照射後の樹脂材料は、当該樹脂を構成するポリマーのガラス転移温度以下の低温で保管されることが好ましく、真空あるいは不活性雰囲気下での保管がより好ましい。
電離放射線の浸透深さは、好ましくは樹脂材料の厚みの0.001〜99%、例えば0.01〜99%、0.1〜99%または0.2〜99%、より好ましくは1.0〜95%、さらにより好ましくは3〜90%、例えば5〜80%、10〜60%、または20〜60%である。例えば、電離放射線の浸透深さは、樹脂材料の表面から、0.2〜20mmまで、0.2〜1mmまで、または0.2〜500μmまでの深さ、好ましくは0.2〜200μmまで、より好ましくは1〜100μmまで、さらに好ましくは2〜60μmまで、さらにより好ましくは3〜50μmまでの深さ、例えば5〜50μmまで、または10〜50μmまでの深さであってもよい。
電離放射線の浸透深さとは、樹脂材料が電離放射線のエネルギーを吸収する深さを意味する。電離放射線の浸透深さは、表面グラフト重合が起きる領域と実質的に同じであるが、表面グラフト反応により、樹脂材料表面はわずかに膨潤するため、グラフト反応後の成形用材料におけるグラフト鎖が存在する深さは、電離放射線の浸透深さよりも深くなり得る。
上記樹脂材料上に生成したラジカルと、含フッ素グラフト化合物とのグラフト重合は、電離放射線を照射することにより生成した樹脂材料中のラジカルと、含フッ素グラフト化合物を接触させることにより行われる。樹脂材料中のラジカルと、含フッ素グラフト化合物との接触は、例えば、樹脂材料を含フッ素グラフト化合物の溶液に浸漬する、含フッ素グラフト化合物を樹脂材料上に滴下または塗布する、あるいは気体の含フッ素グラフト化合物の存在下に樹脂材料を置くことにより行われる。樹脂材料の表面と含フッ素グラフト化合物の濡れ性が低い場合であっても、均一かつ確実に接触させることができることから、樹脂材料を、含フッ素グラフト化合物の溶液に浸漬する方法が好ましい。
上記グラフト重合の反応温度は、特に限定されないが、例えば室温〜100℃、好ましくは30〜80℃、より好ましくは30〜60℃である。
上記グラフト重合の反応時間は、特に限定されないが、例えば30分〜32時間、好ましくは1〜12時間、より好ましくは2〜6時間である。
尚、グラフト重合は、上記したように、電離放射線を照射した後に、樹脂材料と含フッ素グラフト化合物を接触させることにより行うことができるが、これに限定されず、電離放射線照射と同時に樹脂材料と含フッ素グラフト化合物を接触させてもよい。例えば、樹脂材料を含フッ素グラフト化合物の溶液に浸漬させた状態で、または気体の含フッ素グラフト化合物が存在する雰囲気下で、電離放射線を照射してもよい。また、予め樹脂材料と含フッ素グラフト化合物を接触させ、その状態で電離放射線を照射してもよい。例えば、樹脂材料上に含フッ素グラフト化合物を滴下または塗布等により存在させて、電離放射線を照射してもよい。
本発明においては、上記のような成形用材料を成形することにより、成形体を得る。
成形用材料を成形体に成形する方法は、特に限定されず、一般的な成形方法、例えば押出成形、射出成形、プレス成形、真空成形、トランスファ成形等を用いることができ、押出成形が好ましい。
成形時の温度は、用いる樹脂材料の種類に応じて適宜選択することができ、ガラス転移点以上、分解温度以下の温度、好ましくは融点以上、分解温度以下の温度であり得る。
得られる成形体の形状は、特に限定されず、所望するいずれの形状、例えば、ブロック状、シート状、フィルム状、棒状、その他用途に応じた種々の形状であってもよい。
本発明の方法によれば、上記したグラフト鎖を有する成形用材料を用いることにより、従来の成形時に含フッ素撥剤等を添加して成形する方法よりも、透明度が高く、表面が滑らかな成形体を得ることができる。
例えば、得られる成形体は、例えば、2.0%以下、好ましくは1.0%以下、より好ましくは0.30%以下のヘイズ値を有し得る。上記ヘイズ値は、市販のヘイズメーターにより測定することができる。
また、本発明の方法によれば、上記したグラフト鎖を有する成形用材料を用いることにより、従来と同様に成形した場合であっても、例えば、従来の成形用材料と同様の形状を有する成形用材料(例えば、ペレット材料等)を用いて、従来の成形方法(例えば、射出成形、押出成形等)で成形した場合であっても、グラフト鎖に由来する優れた機能(例えば、撥水性、撥油性等)を有する成形体を得ることができる。即ち、本発明の方法によれば、成形後に成形体の表面をグラフト化するよりも簡便に、成形体に機能を付与することができる。
上記したように、本発明の方法は、含フッ素グラフト鎖を有する成形用材料を用いることを特徴とする。従って、本発明はまた、上記した含フッ素グラフト鎖を有する成形用材料をも提供する。
一の態様において、本発明の成形用材料は、グラフト鎖を有する樹脂材料からなり、成形用材料の表面から、最大で200μmの深さまで含フッ素グラフト鎖が存在し、その表面積は、100mm以下であり得る。
実施例1
樹脂材料としての熱可塑性樹脂COP(シクロオレフィンポリマー)のペレット(2mm×2mm×5mm)の表面に、電子線照射装置を用いて、低エネルギー電子線を、窒素雰囲気下で照射線量20kGyにて照射した(照射条件:加速電圧250kV、照射電流1mA、試料−照射窓間距離15mm)。次いで、ペレットを取り出し、窒素下で容器に入れ、含フッ素グラフト化合物としてのC13CHCHOCOCH=CH(予め脱酸素処理を行った)溶液中に、内温60℃で4時間浸漬した。浸漬後、アセトンで洗浄し、乾燥して、パーフルオロアルキル基(C13−)を含むグラフト鎖を有する成形用材料(原料ペレット)を得た。
さらに、上記で得られたペレットを260℃で加熱溶融して、続いて0.0136MPaの加圧下でフィルム成形し、厚さ0.5mmのフィルムを得た。
実施例2〜18
樹脂材料、含フッ素グラフト化合物のパーフルオロアルキル基、および照射線量を、表1に示すように変更する以外は、実施例1と同様の方法で、成形用材料(原料ペレット)およびフィルムを製造した。
Figure 2017160330
*COP:シクロオレフィンポリマー
PP:ポリプロピレン
比較例1
電子線処理およびグラフト重合を行わず、未処理ペレットを用いて、実施例1と同様にフィルムを成形した。
比較例2
フィルム成形時に、ペレットにフッ素系撥剤(C13CHCHOCOCH=CH(C6SFA)とC1837OCOCH=CH(StA)との共重合体、C6SFA/StA=40/60(重量%))を添加したこと以外は、比較例1と同様にして、フィルムを成形した。
比較例3
COPの代わりにPPを用いたこと以外は、比較例1と同様にフィルムを成形した。
比較例4
フィルム成形時に、ペレットにフッ素系撥剤(C13CHCHOCOCH=CH(C6SFA)とC1837OCOCH=CH(StA)との共重合体、C6SFA/StA=40/60(重量%))を添加したこと以外は、比較例3と同様にして、フィルムを成形した。
(試験例)
・グラフト鎖の確認
実施例1〜18で得られた成形用材料(原料ペレット)について、断面切片の表面フッ素分布を、走査透過電子顕微鏡(STEM:日本電子株式会社製)を用いて測定したところ、表面から20μm深さまでグラフト鎖が存在することが確認された。
・グラフト率の測定
実施例1〜18で得られた原料ペレットについて、グラフト重合前の樹脂材料であるペレット(初期重量)と、グラフト重合後の成形用材料であるペレットの重量(グラフト後重量)を測定し、下記式からグラフト率を求めた。結果を下記表2に示す。
グラフト率(%)=((グラフト後重量−初期重量)/初期重量)×100
・接触角の測定
実施例1〜18および比較例1で得られたフィルムについて、室温で水およびn−ヘキサデカンの初期接触角を測定した。具体的には、初期静的接触角は、接触角測定装置(協和界面科学社製)を用いて、水およびn−ヘキサデカンそれぞれ2μLにて実施した。結果を下記表2に示す。
・外観評価
実施例1〜18および比較例1〜4で得られたフィルムについて、外観を評価した。評価基準は下記の通りであり、結果を表2に示す。
評価基準
○:透明で均一
△:白濁
×:混合せず
Figure 2017160330
以上の結果から、実施例で得られた成形用材料(原料ペレット)において、電子線照射による表面グラフト重合が進行していることが確認された。また、実施例で得られた成形用材料(ペレット)から成形されたフィルムは、外観に優れ、撥水性および撥油性が発現していることが確認された。
本発明の方法は、撥油性、撥水性等が要求される種々の成形体に、例えば、医療用シリンジバレル、バイアル瓶、コンタクトモールド、携帯端末用の表面保護フィルム、生活関連での容器包装部材、浴室内での排水溝部材、合成化学素材からなる衣類の糸素材等の製造に用いることができる。また、本発明の方法は、撥油性、撥水性が求められる成形体のみならず、滑り性や離型耐久性が求められる成形体、例えば時計バンドや表示素子などの表面部材などの製造に用いることができる。そのほか、家庭用品、文房具、内装資材、サニタリー用品、医療用品などとして使用でき、さらに表面エネルギーが低い成形体を製造することができることから、建築物側壁や屋根などに貼り付ける撥水性被膜としての成形体の製造にも用いることができる。

Claims (7)

  1. 成形用材料から、成形体を製造する方法であって、
    成形用材料が、含フッ素グラフト鎖を有する
    ことを特徴とする方法。
  2. さらに成形用材料を、樹脂材料に電離放射線を照射し、次いで、含フッ素グラフト化合物と反応させることにより得ることを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 成形用材料がペレットであることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 成形用材料が粉体であることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  5. グラフト鎖を有する樹脂材料からなる、含フッ素成形体の成形用材料。
  6. ペレットであることを特徴とする、請求項5に記載の成形用材料。
  7. 粉体であることを特徴とする、請求項5に記載の成形用材料。
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