JP2014005395A - テトラフルオロエチレンにより化学修飾されたポリエチレンおよびその製造方法 - Google Patents

テトラフルオロエチレンにより化学修飾されたポリエチレンおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【解決課題】従来のコーティング、ラミネーション、蒸着、熱融着等の物理的な接着とは異なり、剥離等の問題が生じない理想的な表面に改質したポリエチレン及びポリエチレン表面改質方法を提供する。
【解決手段】不活性雰囲気下で電離放射線を1〜1000kGy照射し、活性ラジカルをポリエチレン基材に生成させ、その後、不活性雰囲気下で−76〜50℃の温度でテトラフルオロエチレン分子鎖をグラフト重合によりポリエチレン基材に導入して、ポリエチレン基材の表面を改質する。
【選択図】図3

Description

本発明は、機能性プラスチックに関し、特に撥水性に優れた機能性ポリエチレンに関する。
テトラフルオロエチレンの重合体であるポリテトラフルオロエチレンは、最も優れた撥水性を持つ高分子化合物として知られている。その水滴接触角は約115°で、汎用の高分子化合物の中で最も高い。また分子鎖に枝分かれが少ないことも知られている。これらのことから、摩擦係数が少なく潤滑性があり、非粘着性も高く、防汚性に優れるなどの特徴を持つ。加えて、耐薬品性にも優れているため、産業及び医療の分野で幅広く利用されている。
ポリエチレンは、耐水性で耐薬品性が高く製造コストが低いため広く使用されているプラスチックである。しかし、ポリエチレンは、ポリテトラフルオロエチレンよりも撥水性、潤滑性、非粘着性、防汚性が劣る。ポリエチレンに対してポリテトラフルオロエチレンの物性を付与する試みは従来から行われている。しかし、ポリエチレンに対してテトラフロオロエチレンを化学修飾させることは困難であり、その手法や反応条件は十分に理解されていない(非特許文献1及び2)。生体適合性を増大させるためにプラズマの前処理により表面に微細な凹凸を作り、ポリテトラフルオロエチレン等のコーティングを施した、超高分子量ポリエチレンを含む組成物から作成されるモノフィラメント縫合糸(特許文献1)、グラフト重合により基体上に親水性モノマーをグラフトさせた、カテーテルのような医療製品に適した新規コーティング物(特許文献2)などが提案されている。しかし、グラフト重合による基材の表面改質は、ポリエチレンやポリテトラフルオロエチレン等の疎水性高分子を基材とし、基材表面に親水性基をグラフト鎖として成長させて表面を親水性に変える技術である。さらにポリエチレン成形品等をフッ素ガス中で処理してポリエチレン中の一部の水素をフッ素に置き換えた「フッ素加工品」とする製品も存在するが、一部の水素がフッ素に置き換わった構造(例えば下記化1参照)であり、過フッ化物であるテトラフルオロエチレンの分子鎖が化学的に結合した構造(例えば下記化2参照)ではなく、ポリテトラフルオロエチレンに匹敵する表面特性を与える迄には至っていない。
コーティング、ラミネーション、蒸着、熱融着等の技術により、母材をポリエチレン、表面材をポリテトラフルオロエチレンとする複合材ができれば、比較的安価でありながらポリテトラフルオロエチレンの長所を備えた材料が得られる。しかし、ポリテトラフルオロエチレンは表面エネルギーが小さいため、ポリエチレンとの間に強固な接着強度を持たせることは困難である。よって、複雑な最終成形品は勿論のこと、フィルム等の単純な形状製品においても剥離の問題を解決し、実用可能なポリエチレン分子鎖にテトラフルオロエチレンの分子鎖を化学的に結合させた複合品あるいは表面修飾品を得ることは極めて困難である。
ポリエチレンに、ポリテトラフルオロエチレンに匹敵する表面特性を与えるためには、必要量のテトラフルオロエチレン分子鎖を化学的結合により導入させることが理想である。しかし、接着力に乏しい物理的な接合、表面への親水基の導入、一部水素のフッ素置換などの従来技術においては、ポリエチレン表面にテトラフルオロエチレン分子鎖を化学結合により導入させて、表面改質を達成するには至っていない。
特開2007-21194号公報 特開2003-510378号公報
A.l.Kurilenko, E.P.Danilov, V.L.Krpov, Vysokomol. Soedin, 9, 2362(1967) K.Jobst, "Kinetics and Mechanism of Polyreaction," presented at the Interntional Symposium of Macromolecular Chemistry, Prague. Sept. 1969
本発明は、従来のコーティング、ラミネーション、蒸着、熱融着等の物理的な接着とは異なり、剥離等の問題が生じない理想的な表面に改質したポリエチレン及びポリエチレン表面改質方法を提供することを目的とする。特に、ポリテトラフルオロエチレンよりも優れた撥水性を有するポリエチレン及び表面改質方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、ポリエチレンを基材として、テトラフルオロエチレンを気相中で放射線グラフト重合させることによって、ポリエチレン基材の表面に、テトラフルオロエチレン分子鎖を導入し、優れた撥水性を有するポリエチレン基材表面に改質できることを知見し、本発明を完成させるに至った。
本発明によれば、テトラフルオロエチレン分子鎖をグラフト鎖として導入した、表面改質ポリエチレンが提供される。
摩耗係数が0.25以下であることが好ましい。
比摩耗量が20(10-6mm3/N・m)以下であることが好ましい。
水接触角が116゜以上であることが好ましい。
ポリエチレン基材に対して0.1〜300wt%の割合でテトラフルオロエチレンが導入されていることが好ましい。
本発明によれば、不活性雰囲気下で電離放射線を1〜1000kGy照射し、活性ラジカルをポリエチレン基材に生成させ、その後、不活性雰囲気下で−76〜50℃の温度でテトラフルオロエチレン分子鎖をグラフト重合によりポリエチレン基材に導入する、ポリエチレン基材の表面改質方法も提供される。
電離放射線照射後、テトラフルオロエチレン分子鎖をグラフト重合により導入する前に、活性ラジカルが生成したポリエチレン基材を空気あるいは酸素に暴露させてもよい。
成形加工されたポリエチレン基材を用いて、形状を維持したまま表面改質を行うことができる。
ポリエチレン基材にマスキングを施し、電離放射線の照射部位及びテトラフルオロエチレン分子鎖の導入部位を制御してもよい。
本発明の表面改質方法は、全ての工程をポリエチレン基材の融点以下の温度で行うため、基材の熱変形を伴わず、成形加工後の最終形状製品への表面修飾方法としても利用できる。また、反応させるテトラフルオロエチレンの量を制御でき、マスキング等により照射部位も制御することができるため、修飾する部位の制御が可能である。
本発明の表面改質方法は、気相中でテトラフルオロエチレンを反応させるため、複雑な形状物、チューブや多孔質体の内部への表面修飾方法としても利用できる。また、液相ではなく気相でテトラフルオロエチレンを反応させるため、その使用量を抑え無駄を削減でき、コスト的にも有利である。さらに使用量を抑えることができるため、事故等に対する安全性も高める事ができ、工業的に有利な技術である。
本発明の表面改質ポリエチレンは、テトラフルオロエチレンが化学結合されているため、剥離の問題を生じることがない。本発明の表面改質ポリエチレンは、水接触角の増大(高い撥水性)、摩擦係数の低減、耐摩耗性が大幅に向上しているため、新たな機能性材料として広範な用途への利用が可能である。
図1は、実施例8(LDPE)のFT−IRスペクトルである。 図2は、実施例27(UHMWPE)のFT−IRスペクトルである。 図3は、実施例30(UHMWPE)について、未処理と表面改質後の19F NMRスペクトルである。 図4は、実施例54について、表面改質前後の試料表面のSEM写真である。
実施形態
本発明では、放射線グラフト法を用いてポリエチレンにテトラフルオロエチレンを化学結合させる。具体的には、基材となるポリエチレンに電離放射線(以下、放射線)を照射し、照射部位に活性ラジカルを生成させ、その後、テトラフルオロエチレンを気相グラフト重合させてポリエチレン基材に導入する。
ポリエチレン基材に放射線を照射する温度は、液体ヘリウム温度である−268.93℃〜50℃、より好ましくは液体窒素温度である−198℃〜30℃、特に好ましくは−198℃〜20℃が適切である。照射温度は低い方がラジカルの消滅が抑制されるが、ハンドリングやコストの点から液体窒素温度以上が好ましい。また照射温度が高いと、材料の劣化が進行し易く、かつ活性ラジカルが消滅しやすいので室温、より好ましくは20℃程度を上限とすることがより好ましい。
放射線の照射線量は1〜1000kGy、好ましくは10〜500kGyが適切である。照射線量が少ないと生成ラジカルが少なく、結果としてポリエチレン基材に導入されるテトラフルオロエチレン量が少なくなる。一方、照射線量が高いとポリエチレン基材自身の特性が変化を受けてしまうため500kGy程度を上限とすることが好ましい。
ポリエチレン基材への放射線照射は、不活性雰囲気下(真空脱気下あるいは不活性ガス下)で行うことが適切である。酸素存在下では、テトラフルオロエチレンとの反応が阻害され、目的とするTFE分子鎖の導入ができないので好ましくない。
放射線照射により活性ラジカルが生成したポリエチレン基材を不活性雰囲気下(真空脱気下あるいは不活性ガス下)で−76℃〜50℃、好ましくは−50℃〜20℃の温度下、テトラフルオロエチレンを供給して、気相重合させる。テトラフルオロエチレンの沸点−76.3℃以上であることが適切であり、後述する実施例の結果から−78℃以下ではほとんど反応が進行しないことが確認された。一方、反応温度が高すぎてもラジカルの消滅が早く、反応が進まなくなることも確認されたため、20℃以下で行うことが好ましい。
ポリエチレン基材に対するテトラフルオロエチレンの割合は、0.1〜300wt%、好ましくは1〜100wt%が適切である。テトラフルオロエチレンの量が少なすぎると表面改質効果が現れず、多すぎるとポリエチレン基材の材料強度を低下させるだけでなく、表面修飾の本来目的(安価で汎用性の高いポリエチレン基材にテトラフルオロエチレンの有する物性を導入する)と合致しなくなる。
放射線照射及びテトラフルオロエチレンのグラフト重合は、共に不活性雰囲気下で行うことが適切であるが、放射線照射後、ポリエチレン基材を空気あるいは酸素に暴露させ、次いで不活性雰囲気下でテトラフルオロエチレンと反応させてもよい(パーオキシラジカル法)。パーオキシラジカル法を用いる場合には、ポリエチレン主鎖の炭素とテトラフルオロエチレンが酸素を介して結合する。もちろん、放射線照射からテトラフルオロエチレンのグラフト重合完了までの全工程を不活性雰囲気下で行ってもよい(トラップドラジカル法)。トラップドラジカル法を用いる場合には、ポリエチレン主鎖の炭素にテトラフルオロエチレンが直接結合する。
ポリエチレン基材としては、特に限定されず、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、架橋ポリエチレンのいずれも用いることができる。また、ポリエチレン基材の形状も特に限定されず、フィルム、多孔質フィルム、チューブ、織布、モノフィラメント、繊維、発泡体のいずれも用いることができる。
導入するテトラフルオロエチレンとしては、分子量100、沸点−76℃、融点−142℃の物性を有するものであり、固体、気体あるいは液体のいずれの状態で貯蔵されているものでも良く、その他の不活性ガス等により希釈されて貯蔵されていても良い。照射後のポリエチレン材料への導入も固体、気体あるいは液体のいずれの形態でも良い。ただし扱い易さの点では気体での導入が好ましい。
本発明の表面改質ポリエチレンは、ポリエチレン基材にテトラフルオロエチレン分子鎖がグラフト重合により導入され、ポリエチレン本来の優れた物性に加えて、テトラフルオロエチレンと同等以上の撥水性及び耐摩耗性を呈する。特に、ポリエチレン基材に酸素不在下で電離放射線を照射することで架橋させた上に、テトラフルオロエチレン分子鎖をグラフト重合させることにより、耐熱性(融点上昇)、耐摩耗性、機械的強度(弾性率)、耐クリープ性、耐薬品性が向上する。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ポリエチレン基材として、いずれも厚み0.05mmの低密度ポリエチレン(LDPE)フィルム(プライムポリマー社製「モアテック」)、高密度ポリエチレン(HDPE)フィルム(プライムポリマー社製「ハイゼックス」)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)フィルム(作新工業社製「イノベート」)、及び低密度ポリエチレン(LDPE)チューブ(プライムポリマー社製「エボリュー」)、多孔質ポリエチレンフィルム(日東電工社製超高分子量ポリエチレン多孔質フィルム「サンマップ」厚さ0.1mm)、架橋ポリエチレン(日立化成社製「ハイエチレンS」)を用いた。
テトラフルオロエチレンとして、アルゴン希釈テトラフルオロエチレンガス(Ar20%希釈)を用いた。テトラフルオロエチレンの導入にあたっては、予め秤量した基材ポリエチレン重量(0.1〜1g)の約10倍の重さ(1〜10g)のテトラフルオロエチレンを貯蔵ボンベより気体で導入した。
表1に示す条件にて、放射線照射及びテトラフルオロエチレンのグラフト重合を行った後、得られた表面改質ポリエチレンのグラフト率、水接触角、摩擦係数、摩耗量を測定した。また、表面改質前のポリエチレンと表面改質後のポリエチレンについて、FT−IR分析及び19F NMR分析を行った。各分析方法は以下の通りである。
[グラフト率]
表面改質前のポリエチレン基材の初期重量と、グラフト後の表面改質ポリエチレンの重量を測定し、重量差を初期重量で除して求めた。
[水接触角]
水滴接触角の測定は、協和界面科学社製DM−301を用いて、室温で測定した。比較のため、未処理の各ポリエチレンおよびポリテトラフルオロエチレン製フィルム(淀川化成社製「ヨドフロン」厚さ0.5mm)の接触角の測定も行った。
[摩擦係数]
摩擦係数の測定はスラスト型摩擦摩耗試験機(米倉製作所製 スラスト摩擦摩耗試験機FRC-R)により、JIS K 7218-1986に準拠し、外径φ20mm、内径φ16mmのSUS304製ステンレスリングに59.9Nの荷重をかけ回転速度60m/minにて1時間実施した。比較のため、未処理の各ポリエチレンおよびポリテトラフルオロエチレン製フィルム(淀川化成社製「ヨドフロン」厚さ0.5mm)の摩擦係数の測定も行った。
[比摩耗量]
比摩耗量(mm3/N・m)は試験前後での質量減少量と密度から求めた減少体積V(mm3)を試験荷重P(N)および平均滑り距離L(m)で除して求めた。
[FT−IR測定]
日本分光株式会社製FT/IR−4200を用いて分析した。比較のため、未処理のポリエチレンについても分析した。
実施例8(LDPE)のFT−IRスペクトルを図1に、実施例27(UHMWPE)のFT−IRスペクトルを図2に示す。どちらにおいてもテトラフルオロエチレンによる表面修飾を行うと1100cm−1と1200cm−1に新たなシグナルが見られた。これらのシグナルはC−Fの伸縮振動の吸収に帰属されるため、ポリエチレンに対してテトラフルオロエチレンが結合したことが示唆された。
[19F NMR測定]
測定装置:日本電子製JNM−ECX400、プローブ:固体試料用(4mmMAS)、観測核:19F、観測周波数:376MHz、積算回数:128、MAS速度:18mz、測定方法:19FMAS(マジック角回転)、基準物質:ヘキサフルオロベンゼン(164.9ppm)、測定温度:80℃の条件にて分析した。比較のため、未処理のポリエチレンについても分析した。
実施例30(UHMWPE)について、未処理と表面改質後の両者のスペクトルを図3に示す。未処理のUHMWPEにはピークは見られないが、テトラフルオロエチレン修飾品においては図3に示す新たなピークが確認された。−110.9ppmのシグナルはポリエチレン分子鎖に生成したアルキルラジカルにテトラフルオロエチレンがグラフト重合した構造であり、−115.2ppmのシグナルはポリエチレンの分子鎖末端ラジカルにテトラフルオロエチレンがグラフト重合した構造であることが明らかとなった。このことによりポリエチレンの分子鎖にテトラフルオロエチレンが化学結合をしていることが明確に示された。
[表面SEM写真]
測定装置:JOEL製JSM-6700F Field Emission Scanning Electron Microscope (FESEM)
測定時の電子によるチャージアップを防止するため、試料台に載せたPTFE試料には金蒸着を施した。また観測時の電子加速電圧は5kVで行った。
実施例54について、表面改質前後の試料表面のSEM写真を図4に示す。試料表面にグラフト重合による生成物が確認された。放射線照射により生成したラジカルを起点としてTFEが結合したことに起因するものである。ラジカルはポリエチレン試料内部でも生成しており、気体状のTFEは拡散によりそれらのラジカルと反応する機会を得るので、グラフト重合はある程度試料内部まで進行しているものと考えられる。

Claims (9)

  1. テトラフルオロエチレン分子鎖をグラフト鎖として導入した、表面改質ポリエチレン。
  2. 摩耗係数が0.25以下である、請求項1に記載の表面改質ポリエチレン。
  3. 比摩耗量が20(10-6mm3/N・m)以下である、請求項1に記載の表面改質ポリエチレン。
  4. 水接触角が116゜以上である、請求項1に記載の表面改質ポリエチレン。
  5. ポリエチレン基材に対して0.1〜300wt%の割合でテトラフルオロエチレンが導入されている、請求項1〜4のいずれかに記載の表面改質ポリエチレン。
  6. 不活性雰囲気下で電離放射線を1〜1000kGy照射し、活性ラジカルをポリエチレン基材に生成させ、その後、不活性雰囲気下で−76〜50℃の温度でテトラフルオロエチレン分子鎖をグラフト重合によりポリエチレン基材に導入する、ポリエチレン基材の表面改質方法。
  7. 電離放射線照射後、テトラフルオロエチレン分子鎖をグラフト重合により導入する前に、活性ラジカルが生成したポリエチレン基材を空気あるいは酸素に暴露させることを含む、請求項6に記載の方法。
  8. 成形加工されたポリエチレン基材を用いて、形状を維持したまま表面改質を行う、請求項6又は7に記載の方法。
  9. ポリエチレン基材にマスキングを施し、電離放射線の照射部位及びテトラフルオロエチレン分子鎖の導入部位を制御する、請求項6〜8のいずれかに記載の方法。
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