JPH05310979A - 表面グラフト重合法 - Google Patents

表面グラフト重合法

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JPH05310979A
JPH05310979A JP13553991A JP13553991A JPH05310979A JP H05310979 A JPH05310979 A JP H05310979A JP 13553991 A JP13553991 A JP 13553991A JP 13553991 A JP13553991 A JP 13553991A JP H05310979 A JPH05310979 A JP H05310979A
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group
graft polymerization
film
graft
azobis
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JP13553991A
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Takehisa Matsuda
武久 松田
Takashi Sugawara
隆 菅原
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Terumo Corp
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  • Graft Or Block Polymers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基材の極表面だけにグラフト重合を行い、基
材のバルクの性質にほとんど影響を与えず、2次元的な
平面上での微細加工が可能な表面改質法としての表面グ
ラフト重合法を提供することにある。 【構成】 上記諸目的は、有機材料表面の少なくとも一
部に、光反応性基を有し、かつ結合反応活性な基を有す
る前駆体ポリマーを結合させ、更に結合反応活性な基と
ラジカル重合開始剤とを結合し、モノマーの存在下で熱
あるいは光重合することを特徴とする表面グラフト重合
法により達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面グラフト重合法に
関するものである。詳しく述べると、光反応性基を有す
る前駆体ポリマーを用いた表面グラフト重合法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】機能性材料開発の中心課題の一つとし
て、高分子材料の表面改質があり、表面グラフト重合
は、表面改質のために用いらる重要な方法の一つであ
る。この表面改質は、例えば、疎水性の高分子材料の表
面に親水性ポリマー層を形成することにより、その高分
子材料特有の性質を損なうことなく親水性を持たせた機
能性材料等である。
【0003】従来より表面グラフト法としては、化学的
グラフト法、放射線グラフト法、グロー放電グラフト法
およびプラズマ放電グラフト法等があり、高分子材料の
表面改質に用いられているが、これらはいずれも基材の
極表面だけでなく、内部にまでグラフト鎖が侵入し、基
材特有の性質を損なう等の問題があった。また、これら
のグラフト重合法では、基材の表面全体(または広い範
囲)を表面グラフト重合するには適しているが、2次元
的な平面上での微細加工は難しく、各種の機能性材料に
求められている要求を満たすことができないのが現状で
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑み、基材の極表面だけにグラフト重合を行い、基材の
バルクの性質にほとんど影響を与えず、2次元的な平面
上での微細加工が可能な表面改質法としての表面グラフ
ト重合法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記諸目的は、有機材料
表面の少なくとも一部に、光反応性基を有し、かつ結合
反応活性な基を有する前駆体ポリマーを結合させ、更に
結合反応活性な基とラジカル重合開始剤とを結合し、モ
ノマーの存在下で熱あるいは光重合することを特徴とす
る表面グラフト重合法により達成される。
【0006】本発明は、前記光反応性基がナイトレンを
発生する光反応性基であることを特徴とする表面グラフ
ト重合法あり、また、前記結合反応活性な基がアミノ
基、カルボキシル基および水酸基よりなる群から選ばれ
た少なくとも1種の結合反応活性な基であることを特徴
とする表面グラフト重合法である。さらに本発明は、前
記ラジカル重合開始剤がアゾ系ラジカル重合開始剤であ
ることを特徴とする表面グラフト重合法であり、また、
前記光反応性基が芳香族アジド基であり、前記結合反応
活性な基がアミノ基であることを特徴とする表面グラフ
ト重合法である。
【0007】
【作用】本発明の表面グラフト重合法を図面を用いて説
明する。まず、図1(B)のごとく、光反応性基と結合
反応活性な基を合せ持つ前駆体ポリマー層を有機材料表
面に形成し、これに光、好ましくは紫外線を照射するこ
とにより該前駆体ポリマーの光反応性基を有機材料表面
に光化学結合により図1(C)のごとく表面化学固定さ
せる。このときフォトマスクを用いることにより所望の
パターンのみに表面化学固定を行うことが可能である。
この場合、有機材料表面に物理吸着した余分な前駆体ポ
リマーは、該前駆体ポリマーが水溶性であるため、水中
で撹拌、洗浄することにより容易に除去することができ
る。
【0008】次に、ラジカル重合開始剤図1(D)をイ
ソブチルクロロホルメート、N,N´−ジシクロヘキシ
ルカルボジイミド、NHNH/HNO、塩化チオ
ニル、ジフェニルホスホリルアミド、五塩化リン、N−
エチル−5−フェニルイソチリゾリウム−3´−スルホ
ン酸塩、カルボジイミダゾールおよび水溶性カルボジイ
ミドよりなる群から選ばれた少なくとも1種の縮合剤を
用いて図1(E)のごとく該前駆体ポリマーの結合反応
活性な基とを縮合させ、これに表面改質に用いる所望の
モノマーを図1(F)のごとく重合(共重合を含む)す
るものである。
【0009】本発明の前駆体ポリマーは、光反応性基と
結合反応活性基を合せ持つもので、結合反応活性基を持
つポリマー、例えばポリアリルアミン、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アルキルアクリレ
ート、ポリ(メタ)アミドアクリレート、ポリアクリロ
ニトリル、ポリヒドロキシメチレン、ポリアクリルアミ
ド等、好ましくはポリアリルアミンと、光反応性基、例
えばp−アジド安息香酸、p−アジドベンゾイルクロリ
ド、p−アジドベンゾイルアミン、p−アジドフタル
酸、p−アジドベンゾアミン、アジドマレイン酸、アジ
ドベンジル安息香酸、アジドフェニルカルボニルスクシ
ンイミド等のフェニルアジド基を持ち、光、好ましくは
紫外線の照射によりただちにナイトレンに転化するもの
を、1:99〜999:1、好ましくは99:1〜4:
1の割合で適宜組み合わせて高分子反応によりアジド機
を導入したものであり、好ましくはp−安息香酸を導入
した前駆体ポリマーである。この前駆体ポリマーの合成
に際しては、必要により水溶性カルボジイミド等の縮合
剤を加えてもよい。
【0010】本発明において用いられるラジカル重合開
始剤は、アゾ系ラジカル重合開始剤で、例えば2,2´
−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオンアミ
ジン)ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス[N−
(4−クロロフェニル)−2−メチルプロピオンアミジ
ン]ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス[N−
(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロピオンア
ミジン]ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス[N
−(4−アミノフェニル)−2−メチルプロピオンアミ
ジン]テトラヒドロクロライド、2,2´−アゾビス
[2−メチル−N−(フェニルメチル)メチルプロピオ
ンアミジン]ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス
[2−メチル−N−プロペニルプロピオンアミジン]ジ
ヒドロクロライド、2,2´−アゾビス(2−メチルプ
ロピオンアミジン)ジヒドロクロライド、2,2´−ア
ゾビス[N−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルプ
ロピオンアミジン]ジヒドロクロライド、2,2´−ア
ゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシ
メチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミ
ド}、2,2´−アゾビス{2−メチル−N−[1,1
−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミ
ド}、2,2´−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒ
ドロキシエチル]プロピオンアミド]、2,2´−アゾ
ビス(2−メチルプロピオンアミド)ジヒドラート等の
アゾアミジン化合物、2,2´−アゾビス[2−(5−
メチル−2−イミダゾリン2−イル)プロパン]ジヒド
ロクロライド、2,2´−アゾビス[2−(2−イミダ
ゾリン2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,
2´−アゾビス[2−(4,5,6,7−テトラヒドロ
−1H−1,3−ジアゼピン−2−イル)プロパン]ジ
ヒドロクロライド、2,2´−アゾビス[2−(3,
4,5,6−テトラヒドロ−ピリミジン−2−イル)プ
ロパン]ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス[2
−(5−ヒドロキシ−3,4,5,6−テトラヒドロ−
ピリミジン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライ
ド、2,2´−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシ
エチル)2−イミダゾリン2−イル]プロパン}ジヒド
ロクロライド、2,2´−アゾビス[2−(2−イミダ
ゾリン2−イル)プロパン]等のシクロアゾアミジン化
合物、ジメチル−2,2´−アゾビス(2−メチルプロ
ピオナート)、4,4´−アゾビス(4−シアノ吉草
酸)、2,2´−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)
プロピオニトリル等およびコハク酸パーオキサイド、t
−ブチルパーオキシマレイン酸等のパーオキサイド化合
物等が挙げられる。
【0011】本発明においてグラフト重合することので
きるモノマーは、ラジカル重合性モノマーであればどの
ようまものでもよいが、例えばエチレン、プロピレン、
酢酸ビニル、スチレン、ビニルアルコール、塩化ビニ
ル、アクリロニトリル等の各種ビニル系モノマー、アク
リル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、3−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト等のヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリレ−ト、メトキシエチル(メ
タ)アクリレ−ト、エトキシエチル(メタ)アクリレ−
ト等のアルコキシアルキルアクリレ−ト、エチルアミノ
エチル(メタ)アクリレ−ト、ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレ−ト、ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレ−ト、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリ
レ−ト等のアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレ−
ト、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトン
(メタ)アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジ
エチルアクリルアミド、ジメチルメタクリルアミド、ジ
エチルメタクリルアミド等のジアルキル(メタ)アクリ
ルアミド、ビニルシラン、ビニルピリジン等の親水性モ
ノマー等が好ましい。
【0012】本発明において、表面グラフト重合を行う
基材は、通常有機材料であればいずれでもよく、例えば
ポリビニル(塩化ビニル、酢酸ビニル等)、ポリエチレ
ン、ポリビニリデン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリ
アクリル、ポリエステル、各種ゴム(エラストマー)等
や各種のコポリマー等が挙げられる。
【0013】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0014】合成例1 前駆体ポリマーの合成1。容量300ミリリットルの反
応容器にp−アジド安息香酸0.82g(5.0ミリモ
ル)と等モルの炭酸水素ナトリウム0.42g(5.0
ミリモル)を70重量%のジメチルホルムアミド水溶液
70gに溶かし、ポリアリルアミン(平均分子量60,
000)を2.4g(25ミリモル)加え、均一になる
ように更に20重量%のジメチルホルムアミド水溶液1
00gを加えた。この溶液に、水溶性カルボジイミドを
1.1g(5.5ミリモル)加えて、室温で約18時間
放置した。その後溶媒をエバポレーターにより留去し少
量の水に溶かして、ミリポアフィルター(0.22μ
m)で不溶物を除去後、ビスキング社製のセルロース透
析膜により透析した。2日後、冷凍乾燥して前駆体ポリ
マー0.645gを得た。
【0015】合成例2 前駆体ポリマーの合成2。合成例1でp−アジド安息香
酸を0.41g(2.5ミリモル)、炭酸水素ナトリウ
ムを0.21g(2.5ミリモル)および水溶性カルボ
ジイミドを1.1g(5.5ミリモル)にした以外は、
合成例1と同様に操作し、前駆体ポリマー0.1932
gを得た。
【0016】実施例1 グラフト膜の形成1。合成例1の前駆体ポリマー20m
gをメタノールの40重量%水溶液2gに溶解し、1.
0重量%溶液として、ポリ酢酸ビニルフィルム(2×5
cm)に塗布し、スピンコーターにより厚さ約30μm
均一な膜とした。表面化学固定は、フォトマスクを置
き、紫外線を40秒照射して行った。未露光部の前駆体
ポリマーを水中で1昼夜撹拌して洗浄、除去した。この
フィルムにラジカル重合開始剤として4,4´−アゾビ
ス(4−シアノ吉草酸)(カルボキシル基を持つアゾビ
スイソブチロニトリル誘導体;3mg/ml)と水溶性
カルボジイミド(4mg/ml)の20重量%のジメチ
ルホルムアミド水溶液に浸漬し、縮合反応を行った。こ
のフィルムを取りだし、過剰の4,4´−アゾビス(4
−シアノ吉草酸)をアセトンで洗浄し、スチレンの50
重量%ベンゼン溶液に浸漬して封管、脱気し、グラフト
重合(20時間)を行った。このフィルムを、ベンゼン
を用いてソックスレー洗浄を行い、スチレンを表面グラ
フト重合したポリ酢酸ビニルフィルムを得た。
【0017】実施例1 グラフト膜の形成2。合成例2の前駆体ポリマー40m
gをメタノールの40重量%水溶液2gに溶解し、2.
0重量%溶液として、ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム(2×5cm)に塗布し、スピンコーターにより厚
さ約30μm均一な膜とした。表面化学固定は、フォト
マスクを置き、紫外線を40秒照射して行った。未露光
部の前駆体ポリマーを水中で1昼夜撹拌して洗浄、除去
した。このフィルムにラジカル重合開始剤として4,4
´−アゾビス(4−シアノ吉草酸)(カルボキシル基を
持つアゾビスイソブチロニトリル誘導体;3mg/m
l)と水溶性カルボジイミド(4mg/ml)のジメチ
ルホルムアミド溶液に浸漬し、縮合反応を行った。この
フィルムを取りだし、過剰の4,4´−アゾビス(4−
シアノ吉草酸)をアセトンで洗浄し、アクリルアミドの
10重量%水溶液に浸漬して封管、脱気し、グラフト重
合(1.5時間)を行った。フィルム表面に物理吸着し
た余分なアクリルアミドは、60℃の水中で2日、更に
室温の水中で5日間大量の水の中で撹拌して除去し、ア
クリルアミドを表面グラフト重合したポリエチレンテレ
フタレートフィルムを得た。
【0018】試験例1 ESCAスペクトルによるグラフト重合膜の検証1。図
2に実施例1について、未処理のポリ酢酸フィルム
(a)、合成例1の前駆体ポリマーの造膜面(b)、ス
チレンのグラフト重合膜表面(c)のそれぞれについて
ESCAスペクトルを示した。
【0019】(b)では、N1sのピークの存在から、
合成例1の前駆体ポリマーが光化学固定されていること
がわかる。(c)では、C1sスペクトルの292eV
のサテライトピークの存在およびN1sのピークの消失
から、スチレンのグラフト重合膜が形成されていること
がわかる。このとき表面は親水性から疎水性へとなっ
た。試験例2 ESCAスペクトルによるグラフト重合膜の検証2。図
3に実施例2について、未処理のポリエチレンテレフタ
レートフィルム(a)、合成例2の前駆体ポリマーの造
膜面(b)アクリルアミドのグラフト重合膜表面(c)
のそれぞれについてESCAスペクトルを示した。
【0020】(b)では、N1sのピークの存在から、
合成例1の前駆体ポリマーが光化学固定されていること
がわかる。(c)では、N1sスペクトルのC1sスペ
クトルに対する相対比N/Cが理想値の0.33に近い
0.31であること、また、N/Oの値が理想値の1.
0に近い1.09であることから、アクリルアミドのグ
ラフト重合膜が形成されていることがわかる。このとき
表面は疎水性から親水性へとなった。
【0021】試験例3 表面グラフト重合による微細パターンの検証1。実施例
1のポリ酢酸ビニルフィルム上のスチレン表面微細加工
の検証。
【0022】図4にグラフト重合によるパターン形成表
面の写真を示す。直線上の不透明に見える部分がスチレ
ンのグラフト重合膜ができている部分であり、ポリスチ
レンのグラフト重合鎖による表面微細加工ができている
のがわかる。
【0023】試験例4 表面グラフト重合による微細パターンの検証2。実施例
2のポリエチレンテレフタレートフィルム上のアクリル
アミド表面微細加工の検証。
【0024】実施例2のアクリルアミドをグラフト重合
したフィルムを0.01規定の水酸化ナトリウム水溶液
中に浸漬し(10分間)、アクリルアミドを加水分解し
てアクリル酸にする。このフィルムをマラカイトグリー
ンの水溶液(希塩酸添加により酸性にして可溶性にして
ある)に浸漬して着色した。図5に着色した写真を示
す。非常にきれいにアクリル酸の部分が染色され、ポリ
アクリルアミドのグラフト重合鎖による表面微細加工が
できているのがわかる。
【0025】
【発明の効果】本発明の有機材料表面の少なくとも一部
に、光反応性基を有し、かつ結合反応活性な基を有する
前駆体ポリマーを結合させ、更に結合反応活性な基とラ
ジカル重合開始剤とを結合し、モノマーの存在下で熱あ
るいは光重合することを特徴とする表面グラフト重合法
により、有機材料の極表面にのみグラフト重合すること
が可能となり有機材料特有の性質を損うことなく、表面
改質ができ、特に汎用のラジカル重合開始剤を用いてい
るので、他のグラフト重合(放射線、プラズマ放電、グ
ロー放電、光等)にみられる誘起されるラジカルがなん
らかの共鳴構造を持ち(例えば、ラジカル近傍に6員環
が存在する場合等)攻撃性が低い場合、あるいは、ラジ
カルが近傍の分子鎖との架橋反応により消費される場合
等による重合開始剤効率の低下を考えずにすむという利
点がある。更に、前駆体ポリマーによるミクロンオーダ
ーの微細加工が光反応を用いることにより可能となるの
で、任意の場所をグラフト重合鎖(共重合体を含む)に
よって表面改質できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は本発明の表面グラフト重合法を表した模式図
である。
【図2】は実施例1の、未処理のポリ酢酸フィルム
(a)、合成例1の前駆体ポリマーの造膜面(b)、ス
チレンのグラフト重合膜表面(c)のそれぞれについて
のESCAスペクトルである。
【図3】は実施例2の、未処理のポリエチレンテレフタ
レートフィルム(a)、合成例2の前駆体ポリマーの造
膜面(b)、アクリルアミドのグラフト重合膜表面
(c)のそれぞれについてのESCAスペクトルであ
る。
【図4】は実施例1のポリ酢酸ビニルフィルム上のスチ
レン表面微細加工のパターン形成表面の写真である。
【図5】は実施例2のポリエチレンテレフタレートフィ
ルム上のアクリルアミド表面微細加工のパターン形成表
面の写真である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】は本発明の表面グラフト重合法を表した模式図
である。
【図2】は実施例1の、未処理のポリ酢酸フィルム
(a)、合成例1の前駆体ポリマーの造膜面(b)、ス
チレンのグラフト重合膜表面(c)のそれぞれについて
のESCAスペクトルである。
【図3】は実施例2の、未処理のポリエチレンテレフタ
レートフィルム(a)、合成例2の前駆体ポリマーの造
膜面(b)、アクリルアミドのグラフト重合膜表面
(c)のそれぞれについてのESCAスペクトルであ
る。
【図4】はスチレン表面微細加工を行った薄膜(ポリ酢
酸ビニルフィルム)の写真である。
【図5】はアクリルアミド表面微細加工を行った薄膜
(ポリエチレンテレフタレートフィルム)の写真であ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機材料表面の少なくとも一部に、光反
    応性基を有し、かつ結合反応活性な基を有する前駆体ポ
    リマーを結合させ、更に結合反応活性な基とラジカル重
    合開始剤とを結合し、モノマーの存在下で熱あるいは光
    重合することを特徴とする表面グラフト重合法。
  2. 【請求項2】 前記光反応性基がナイトレンを発生する
    光反応性基であることを特徴とする請求項1に記載の表
    面グラフト重合法。
  3. 【請求項3】 前記結合反応活性な基がアミノ基、カル
    ボキシル基および水酸基よりなる群から選ばれた少なく
    とも1種の結合反応活性な基であることを特徴とする請
    求項1または請求項2に記載の表面グラフト重合法。
  4. 【請求項4】 前記ラジカル重合開始剤がアゾ系ラジカ
    ル重合開始剤であることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれか一つに記載の表面グラフト重合法。
  5. 【請求項5】 前記光反応性基が芳香族アジド基であ
    り、前記結合反応活性な基がアミノ基であることを特徴
    とする請求項4に記載の表面グラフト重合法。
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