JP2017154838A - クレーン - Google Patents

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【課題】組立分解時にブームなどの構造体がマストによって吊り上げられる場合でも、マストの先端部とシーブユニットの周辺部材とが干渉することを抑止したクレーンを提供する。【解決手段】クレーン10は、旋回体12と、ブーム16と、ラチスマスト17と、マスト側ユニット18と、上部スプレッダ19と、ブーム起伏用ロープ22と、ブーム起伏用ウインチ38と、当接ブラケット60と、を備える。上部スプレッダ19がブーム16から脱離され、ラチスマスト17が上方に向かって延びる姿勢とされ、更に、マスト側ユニット18がブーム起伏用ロープ22を介して上部スプレッダ19を支持しながらマスト先端部17Qから垂下された状態において、当接ブラケット60がマスト側ユニット18に当接することで、下部シーブブロック181とマスト先端部17Qとの間隔Hが保持される。【選択図】図2

Description

本発明は、被吊り上げ体を吊り上げ可能なクレーンに関する。
従来、クレーンとして、クレーン本体と、ブームと、マストと、を備えたものが知られている。ブームはクレーン本体の前部に回動可能に取り付けられ、マストはブームの後方においてクレーン本体に回動可能に備え付けられる。マストは、ブームの回動における支柱となる。
特許文献1には、ブームおよびマストを備えたクレーンが開示されている。クレーンの使用状態において、ブームはクレーン本体から前方かつ上方に延び、マストはクレーン本体から後方かつ上方に延びている。マストの上端部とブームの上端部とは、一対のシーブユニット(スプレッダ)間に掛け回されたロープと、ガイラインとによって接続される。
米国特許第4579234号明細書
上記のようなクレーンでは、クレーンの組立分解時に、ブームなどの構造体がマストによって吊り上げられることがある。この際、マストの対地角が90度に近づくような姿勢とされると、マストの先端部とシーブユニットとが干渉し、シーブやロープなどの周辺部材が損傷する恐れがあるという問題があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、組立分解時にブームなどの構造体がマストによって吊り上げられる場合でも、マストの先端部とシーブユニットの周辺部材とが干渉することを抑止したクレーンを提供することを目的とする。
本発明の一の局面に係るクレーンは、クレーン本体と、前記クレーン本体に回動可能に支持されるブーム基端部と、長手方向において前記ブーム基端部とは反対側に配置されるブーム先端部と、を備えるブームと、前記ブームの後側の位置で前記ブームの回動軸と平行な回動軸回りに前記クレーン本体に回動可能に支持されるマスト基端部と、長手方向において前記マスト基端部とは反対側に配置されたマスト先端部と、前記マスト先端部に配置された軸支部と、を備えるマストと、ブラケットと、前記ブラケットの一端側に支持される第1シーブと、前記ブラケットのうち前記一端側とは反対の他端側に配置され、前記マストの回動軸と平行に延びるとともに前記マストの前記軸支部に軸支される第1支点部と、を備え、前記マスト先端部に前記第1支点部回りに回動可能に支持される第1シーブユニットと、第2シーブを備え、前記ブーム先端部に着脱可能に接続される第2シーブユニットと、前記第1シーブと前記第2シーブとの間で掛け回されるブーム起伏用ロープと、前記ブーム起伏用ロープの巻き取りおよび繰り出しを行うことで前記第1シーブユニットと前記第2シーブユニットとの間の距離を変化させ、前記ブームを前記マストに対して相対的に回動させながら前記ブームを起伏させるブーム起伏用ウインチと、前記第2シーブユニットが前記ブーム先端部から脱離され、前記マストが前記クレーン本体から上方に向かって延びる姿勢とされ、更に、前記第1シーブユニットが前記ブーム起伏用ロープを介して前記第2シーブユニットを支持しながら前記軸支部から垂下された垂下状態において、前記第1シーブよりも上方の前記ブラケットに配置された当接部と、前記当接部に対向するように前記マスト先端部に配置され、前記第1シーブユニットの前記垂下状態において前記当接部が当接することで、前記第1シーブと前記マスト先端部との間の間隔を保持する被当接部と、を有することを特徴とする。
本構成によれば、クレーンの組立分解時に、第1シーブユニットがマスト先端部から垂下された状態でマストの姿勢が変化されても、マスト先端部と第1シーブなどの第1シーブユニットの周辺部材とが接触することが防止される。このため、第1シーブやブーム起伏用ロープなどの周辺部材が損傷する恐れが解消される。また、マスト先端部から垂下されたブーム起伏用ロープを利用して、ブームなどの構造体を吊り上げ、組立分解作業を行うことが可能となる。この際、マスト先端部と第1シーブユニットの周辺部材との干渉を抑止しながら、マストが鉛直方向に沿う姿勢に近づくことができるため、クレーン本体に近い位置で構造体を吊り上げることができる。
上記の構成において、前記第1シーブユニットの前記ブラケットは、前記第1支点部と、前記第1支点部とは反対側に配置された第2支点部と、を備え、前記マスト先端部の前記軸支部に回動可能に支持されるリンク部材と、前記第1シーブを支持し、前記リンク部材の前記第2支点部に回動可能に軸支されるシーブブラケットと、を備えることが望ましい。
本構成によれば、第1シーブユニットのブラケットは、第2支点部を支点として屈曲することが可能となる。このため、当接部が被当接部に当接した場合であっても、第1シーブユニットにかかる負荷が軽減される。また、マスト先端部から垂下されたブーム起伏用ロープを利用してブームなどの構造体が吊り上げられる際に、シーブブラケットが鉛直方向に沿う姿勢となりやすい。このため、第1シーブユニットの振動が低減され、構造体の吊り上げが安定して実現される。
上記の構成において、前記マスト先端部は、前記ブームに対向して配置され、前記マストの前記長手方向に沿って延びるフレームと、前記フレームから前記ブーム先端部側に向かって突設され、前記第1シーブユニットの前記垂下状態において前記ブラケットに対向して配置され、前記被当接部として機能する突出部と、を備え、前記ブラケットが前記当接部として前記突出部に当接することで、前記第1シーブと前記マスト先端部との間の間隔が保持されることが望ましい。
本構成によれば、突出部が第1シーブユニット側に配置される場合と比較して、第1シーブユニットを軽量化することができる。
上記の構成において、前記マスト先端部は、前記ブームに対向して配置され、前記マストの前記長手方向に沿って延びるフレームと、前記フレームから前記ブーム先端部側に向かって突設され、前記第1シーブユニットの前記垂下状態において前記ブラケットの前記シーブブラケットに対向して配置され、前記被当接部として機能する突出部と、を備え、前記シーブブラケットが前記当接部として前記突出部に当接することで、前記第1シーブと前記マスト先端部との間の間隔が保持されることが望ましい。
本構成によれば、ブラケットのうちシーブブラケットが突出部に当接するため、第1シーブにより近い位置で、第1シーブとマスト先端部との間隔を安定して保持することができる。また、突出部が第1シーブユニット側に配置される場合と比較して、第1シーブユニットを軽量化することができる。
上記の構成において、前記第1シーブユニットは、前記マストの回動軸の軸方向に沿って延びる長手形状を備えるとともに、前記軸方向の中央部において前記第1シーブを支持し、前記マスト先端部の前記フレームは、前記軸方向の両端部に配置され、前記マストの長手方向に沿って延びる一対の外側フレームと、前記一対の外側フレームよりも前記軸方向の内側に配置され、前記マストの長手方向に沿って延びる一対の内側フレームと、を備え、前記突出部は、前記一対の内側フレームからそれぞれ前記垂下状態の前記第1シーブユニットに向かって突設されていることが望ましい。
本構成によれば、一対の外側フレームおよび内側フレームによって、マスト先端部の剛性が高く維持される。また、突出部が内側フレームから突設されているため、第1シーブユニットの軸方向の長さを一対の外側フレームの間隔よりも短く設定することができる。
上記の構成において、前記突出部は、更に隣接する前記外側フレームと前記内側フレームとを前記マストの回動における軸方向に沿って接続するように配置されていることが望ましい。
本構成によれば、突出部によって、マスト先端部の剛性を高めることができる。また、突出部が第1シーブユニットに当接した際に、突出部にかかる負荷を低減することができる。
上記の構成において、前記一対の内側フレームは、それぞれ、前記マスト基端部側から前記マスト先端部側に向かって互いの間隔が近づくように傾斜した第1フレーム部と、前記第1フレーム部の先端側に接続され、前記外側フレームに沿って延びる第2フレーム部と、からなり、前記突出部は、前記第2フレーム部に配置されていることが望ましい。
本構成によれば、軸方向の間隔が狭く設定された一対の第2フレーム部を利用して、突出部を配置することができる。
上記の構成において、前記突出部は、前記マストが地上に倒伏された状態において、地面に当接することで前記マスト先端部を支持可能なことが望ましい。
本構成によれば、突出部が、マストの受け台としての機能を兼ね備えることができる。
本発明によれば、組立分解時にブームなどの構造体がマストによって吊り上げられる場合でも、マストの先端部とシーブユニットの周辺部材とが干渉することを抑止したクレーンが提供される。
本発明の一実施形態に係るクレーンの側面図である。 本発明の一実施形態に係るクレーンのマストの先端側を拡大した側面図である。 本発明の一実施形態に係るクレーンのマストの先端側を拡大した正面図である。 本発明の一実施形態に係るクレーンにおいて、突出部と第1シーブユニットとが当接する様子を示す上面図である。 本発明の一実施形態に係るクレーンの組立作業時において、マストによってブームの一部を吊り上げる様子を示す側面図である。 本発明の変形実施形態に係るクレーンのマストの先端側を拡大した正面図である。 本発明の変形実施形態に係るクレーンのマストの先端側を拡大した側面図である。 本発明の実施形態と比較される他のクレーンにおいて、ブームが吊り上げられる様子を示す側面図である。 本発明の実施形態と比較される他のクレーンにおいて、マストの先端側を拡大した側面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の各実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るクレーン10の側面図である。なお、以後、各図には、「上」、「下」、「前」および「後」の方向が示されているが、当該方向は、本発明に係るクレーン10の構造および組立方法を説明するために便宜上示すものであり、クレーン10の移動方向や使用態様などを限定するものではない。
クレーン10は、クレーン本体に相当する旋回体12と、この旋回体12を旋回可能に支持する走行体14と、起伏部材として機能するブーム16と、ブーム起伏用部材であるラチスマスト17(マスト)と、箱マスト21と、を備える。
ブーム16は、旋回体12に回動可能に支持されるブーム基端部16Pと、長手方向においてブーム基端部16Pとは反対側に配置されるブーム先端部16Qと、を備える。なお、図1に示されるブーム16は、いわゆるラチス型であり、基端側部材16A(図5参照)と、一または複数(図例では2個)の中間部材と、先端側部材とから構成される。基端側部材16Aは、旋回体12の前部に起伏方向に回動可能となるように連結される。中間部材は、基端側部材16Aの先端側に着脱可能に継ぎ足される。先端側部材は中間部材の先端側に着脱可能に継ぎ足される。
ただし、本発明ではブームの具体的な構造は限定されない。例えば、当該ブームの中間部材の数は、上記とは異なるものでもよい。また、ブームは、単一の部材で構成されたものでもよい。更に、ブームは伸縮式の形態からなるものでもよい。
ブーム16のブーム基端部16P側には左右一対のバックストップ45が設けられる。これらのバックストップ45は、ブーム16が図1に示される起立姿勢まで到達した時点で旋回体12に当接する。この当接によって、ブーム16が強風等で後方に煽られることが規制される。
ラチスマスト17は、マスト基端部17Pと、マスト先端部17Qと、を備える。マスト基端部17Pは、ブーム16の後側の位置でブーム16の回動軸と平行な回動軸回りに旋回体12に回動可能に支持される。すなわち、ラチスマスト17もブーム16の起伏方向と同方向に回動可能である。マスト先端部17Qは、長手方向においてマスト基端部17Pとは反対側に配置された、ラチスマスト17の先端部である。図1に示すように、ラチスマスト17のマスト先端部17Qには、第1マストシーブ171と、第2マストシーブ172と、が配置されている。第1マストシーブ171および第2マストシーブ172には、後記のブーム起伏用ロープ22が掛けられる。また、マスト先端部17Qは、後記の軸支部17S(図2)を備える。ラチスマスト17は、ブーム16の回動における支柱となる。なお、他の実施形態において、ラチスマスト17によって例示される本発明のマストは、箱型のマストなど他の形態からなるものでもよい。
ラチスマスト17のマスト基端部17P側には左右一対のバックストップ46が設けられる。これらのバックストップ46は、ラチスマスト17が図1に示される起立姿勢まで到達した時点で旋回体12に当接する。この当接によって、ラチスマスト17が強風等で後方に煽られることが規制される。
更に、クレーン10は、マスト側ユニット18(第1シーブユニット)と、上部スプレッダ19(第2シーブユニット)と、ガイライン20と、ブーム起伏用ロープ22と、ブーム起伏用ウインチ38と、を備える。
マスト側ユニット18は、マスト先端部17Qの軸支部17S(図2)回りに回動可能に支持される。マスト側ユニット18は、下部シーブブロック181(第1シーブ)を備える。下部シーブブロック181には、複数のシーブが幅方向(左右方向)に配列されている。更に、マスト側ユニット18は、リンク18Aと、下部スプレッダ18Bと、を備える(図2)。なお、マスト側ユニット18の詳細な構造については、後記で更に説明する。
上部スプレッダ19は、マスト側ユニット18の前方に所定の間隔をおいて配置される。上部スプレッダ19は、ガイライン20を介してブーム先端部16Qに着脱可能に接続される。上部スプレッダ19は、上部シーブブロック191(第2シーブ)を備える。上部シーブブロック191には、複数のシーブが幅方向(左右方向)に配列されている。
ガイライン20は、図1の紙面と直交する左右方向に一対配置されている。ガイライン20の後端部は、上部スプレッダ19に接続され、ガイライン20の前端部は、ブーム先端部16Qに着脱可能に接続される。ガイライン20は、ガイリンク(金属製の板材)、ガイロープ、ガイワイヤ(金属製の線材)などを含む。
ブーム起伏用ロープ22は、ブーム起伏用ウインチ38から引き出され、マスト先端部65Qの第1マストシーブ171、第2マストシーブ172に掛けられた後、下部シーブブロック181と上部シーブブロック191との間で複数回掛け回される。なお、下部シーブブロック181および上部シーブブロック191に掛け回された後のブーム起伏用ロープ22の先端部は、ラチスマスト17のマスト先端部17Qに固定される。
ブーム起伏用ウインチ38は、ラチスマスト17のマスト基端部17P側に配置される。ブーム起伏用ウインチ38は、ブーム起伏用ロープ22の巻き取りおよび繰り出しを行うことでマスト側ユニット18の下部シーブブロック181と上部スプレッダ19の上部シーブブロック191との間の距離を変化させ、ブーム16をラチスマスト17に対して相対的に回動させながらブーム16を起伏させる。
箱マスト21は、基端及び回動端(先端)を有し、ラチスマスト17の後側で旋回体12に回動可能に連結される。箱マスト21は、断面視で矩形形状からなる。箱マスト21の回動軸は、ブーム16の回動軸と平行でかつラチスマスト65の回動軸とほぼ同じ位置に配置されている。すなわち、この箱マスト21もブーム16の起伏方向と同方向に回動可能である。
更に、クレーン10は、ガイライン23と、マスト起伏用ロープ26と、マスト起伏用ウインチ30と、を備える。
ガイライン23は、図1の紙面と直交する左右方向に一対配置されている。ガイライン23は、ラチスマスト17のマスト先端部17Qと箱マスト21の回動端部とを接続する。この接続は、ラチスマスト17の回動と箱マスト21の回動とを連携させる。
マスト起伏用ロープ26は、旋回体12に配置され複数のシーブが幅方向に配列されたたシーブブロック24と、箱マスト21の回動端部に配置され複数のシーブが幅方向に配列されたシーブブロック25との間で複数回掛け回される。
マスト起伏用ウインチ30は、箱マスト21の基端部側に配置される。マスト起伏用ウインチ30は、マスト起伏用ロープ26の巻き取りおよび繰り出しを行う。マスト起伏用ウインチ30の巻き取り、繰り出し動作によって、箱マスト21の先端部のシーブブロック25と旋回体12の後端部のシーブブロック24との間の距離が変化し、旋回体12に対して箱マスト21およびラチスマスト17が一体的に回動しながら、ラチスマスト17が起伏する。なお、ラチスマスト17および箱マスト21の回動は、主にクレーン10の組立分解時に行われ、クレーン10の使用時にはラチスマスト17および箱マスト21の位置(対地角)はほぼ固定されている。
クレーン10には、前述のマスト起伏用ウインチ30およびブーム起伏用ウインチ38以外に、吊り荷の巻上げ及び巻下げを行うための主巻用ウインチ34及び補巻用ウインチ36が搭載される。本実施形態に係るクレーン10では、主巻用ウインチ34、及び補巻用ウインチ36がいずれもブーム16の基端側部材16A(図5参照)に据え付けられる。クレーン10のウインチ34,36は旋回体12に搭載されていてもよい。
主巻用ウインチ34は、主巻ロープ51(図1)による吊り荷の巻上げ及び巻下げを行う。この主巻について、ブーム16のブーム先端部16Qには不図示の主巻用ガイドシーブが回転可能に設けられ、さらに主巻用ガイドシーブに隣接する位置に複数の主巻用ポイントシーブが幅方向に配列された主巻用シーブブロックが設けられている。主巻用シーブブロックから垂下された主巻ロープ51には、吊り荷用の主フック53が連結されている。そして、主巻用ウインチ34から引き出された主巻ロープ51が主巻用ガイドシーブに順に掛けられ、かつ、主巻用シーブブロックのシーブと、主フック53に設けられたシーブブロックのシーブとの間に掛け渡される。従って、主巻用ウインチ34が主巻ロープ51の巻き取りや繰り出しを行うと、主フック53の巻上げ及び巻下げが行われる。
同様にして、補巻用ウインチ36は、補巻ロープ52による吊り荷の巻上げ及び巻下げを行う。この補巻については、上記の主巻と同様の不図示の構造が備えられている。そして、補巻用ウインチ36が補巻ロープ52の巻き取りや繰り出しを行うと、補巻ロープ52の末端に連結された図略の吊荷用の補フックが巻上げられ、または巻下げられる。
また、旋回体12の後部には、クレーン10のバランスを調整するためのカウンタウエイト40が積載されており、旋回体12の後方には、カウンタウエイト41が更に配置されている。カウンタウエイト41は、クレーン10が重量物を吊り上げるために備えられるSHL(Super Heavy Lifting)用ウェイトとして、クレーン10のバランスを保つ機能を有する。カウンタウエイト41は、ウエイトライン42によってラチスマスト17のマスト先端部17Qに接続されている。
図8は、本実施形態と比較される他のクレーン10Zにおいて、ラチスマスト17Zによってブーム16Zが地面Gから吊り上げられ、旋回体12Zに装着される様子を示した側面図である。図9は、クレーン10Zにおいて、ラチスマスト17Zの先端側を拡大した側面図である。なお、図9では、ラチスマスト17Zの側板の一部か切り欠かれて示され、内部のフレーム175Zが露出している。クレーン10Zは、下部スプレッダ18Zと、上部スプレッダ19Zと、ブーム起伏用ロープ22Zと、を備える。ラチスマスト17Zは、旋回体12Zに回動可能に支持されている。なお、図8では、説明のために、ラチスマスト17Zの対地角(長手方向に延びるラチスマスト17Zの中心線と水平線とがなす角度)が第1の対地角に配置された場合(10X)と、ラチスマスト17Zの対地角が第1の対地角よりも小さな第2の対地角に配置された場合(10Y)とが、部分的に重なって示されている。
ブーム起伏用ロープ22Zは、下部スプレッダ18Zのシーブ181Z(図9)および上部スプレッダ19Zに備えられた不図示のシーブ間に掛け回される。クレーン10Zにおいて、ブーム16Zが吊り上げられる場合、図8に示すように、ラチスマスト17Zの先端部から下部スプレッダ18Z、ブーム起伏用ロープ22Zおよび上部スプレッダ19Zが垂下される。ガイライン67Zの先端には吊り具80が備えられ、ブーム16Zに接続される。
このようなクレーン10Zでは、ブーム16Zの重心Wよりも基端側(PX)を吊り上げるためには、ラチスマスト17Zの対地角が大きく設定される必要がある(図8の10X)。この場合、ラチスマスト17Zの先端部に軸支された下部スプレッダ18Zが、ラチスマスト17のフレーム175Zと干渉する(図9)。この結果、クレーン10Zの下部スプレッダ18Zのシーブ181Zやブーム起伏用ロープ22Zなどの周辺部材が損傷する恐れがある。更に、図9のフレーム175Zや当該フレーム175Zと垂直な方向(図9の左右方向)に交差して延びる不図示のパイプなども、ロープが擦れることで損傷する恐れがある。換言すれば、ラチスマスト17Zの先端部の幅方向(左右方向)の強度を向上させるために配置されるパイプなども、下部スプレッダ18Zとの干渉が問題となる可能性がある。このように、クレーン10Zの姿勢によって、ラチスマスト17Zの先端部を構成する周辺部材と下部スプレッダ18Zの周辺部材との干渉、およびこれらの周辺部材の損傷の恐れが問題となりやすい。
一方、上記のような干渉を避けるために、ラチスマスト17Zの対地角を小さく設定した場合(図8の10Y)、ブーム16Zの重心Wよりも先端側(PY)を吊り上げることとなる。この場合、ブーム16Zの基端側が上昇せず、ブーム16Zの先端側が上昇しやすい。このため、ブーム16Zの取付が円滑に実施できない。この場合、ブーム16Zの重心Wの位置を先端側にずらすために、ブーム16Zの先端にアンカーウェイトを配置する必要が生じ、ブーム16Zの取付工程が複雑化してしまう。
上記のような課題を解決するために、本実施形態では、クレーン10がラチスマスト17の構造に特徴を有する。図2は、本実施形態に係るクレーン10のラチスマスト17の先端側(マスト先端部17Q)を拡大した側面図である。図3は、クレーン10のラチスマスト17の先端側を拡大した正面図である。図4は、本実施形態に係るクレーン10において、後記の当接ブラケット60がマスト側ユニット18に当接する様子を示す上面図である。図5は、クレーン10の組立作業時において、ラチスマスト17によってブーム16の基端側部材16A(ブームの一部)を吊り上げる様子を示す側面図である。なお、図2乃至図5では、図1のブーム16は旋回体12に未だ装着されていない。また、ラチスマスト17は、旋回体12から上方に向かって延びる姿勢とされており、ラチスマスト17のマスト先端部17Qからマスト側ユニット18、ブーム起伏用ロープ22および上部スプレッダ19が垂下された状態とされている。
図2および図3を参照して、ラチスマスト17は、その先端に前述の第1マストシーブ171および第2マストシーブ172を回転可能に軸支するシーブ軸部171S、172Sを備える。また、ラチスマスト17は、長手方向と直交する断面で見た場合、矩形形状を備え、複数のパイプ状のフレームによって構成されている。ラチスマスト17は、ラチスマスト17の先端に配置された角材からなるマストトップ17T(図3)と、一対の後フレーム173と、一対の前フレーム174(外側フレーム)と、一対の中フレーム175(内側フレーム)と、4つの横フレーム176と、一対の斜めフレーム177と、支持ブラケット178(図3)と、を備える。
図2に示すようにラチスマスト17が上方に向かって延びる姿勢とされた場合において、一対の後フレーム173は、ラチスマスト17のマスト先端部17Qの後端部に配置される。一対の後フレーム173は、左右方向に間隔をおいて配置され、マスト先端部17Qの角部を画定する。一対の前フレーム174は、後フレーム173の前方で、図2のマスト先端部17Qの前端部に配置される。この一対の前フレーム174は、ラチスマスト17の回動における軸方向において、マスト先端部17Qの両端部に配置され、ラチスマスト17の長手方向に沿って延びている。また、一対の前フレーム174は、マスト先端部17Qの前側の角部を画定する。横フレーム176は、マスト先端部17Qの軸支部17Sから所定の間隔をおいた位置で、一対の後フレーム173および前フレーム174をそれぞれ連結するように、4本配置されている。
なお、図2に示すように、横フレーム176よりもラチスマスト17の先端側には、後フレーム173、前フレーム174および横フレーム176で画定される空間を塞ぐように、左側板17Lが配置されている。図2には現れていないが、マスト先端部17Qの左端部にも、同様に右側板17R(図3)が配置されている。また、図2では、左側板17Lおよび前フレーム174の前側の一部が波線で仮想的に切り欠かれている。この結果、図2には、中フレーム175の一部が現れている。中フレーム175は、一対の前フレーム174よりも軸方向(左右方向)の内側に配置され、ラチスマスト17の長手方向に沿って延びている。図3を参照して、一対の中フレーム175はそれぞれ第1フレーム部175Aと第2フレーム部175Bと、を備える。第1フレーム部175Aは、マスト基端部17P側からマスト先端部17Q側に向かって(図2、図3において下方から上方に向かって)互いの間隔が近づくように傾斜している。また、第2フレーム部175Bは、第1フレーム部175Aの先端側に接続され、前フレーム174に沿って延びている(図3)。本実施形態では、第1フレーム部175Aと第2フレーム部175Bとの境界部分に横フレーム176が配置されている。換言すれば、一対の中フレーム175は、横フレーム176を境に屈曲するように配置されている。斜めフレーム177は、横フレーム176の下方(マスト基端部17P側)において、後フレーム173と前フレーム174とを接続するように傾斜して延びる斜材フレームである。
支持ブラケット178は、マストトップ17Tに左右方向に間隔をおいて一対配置されている。それぞれの支持ブラケット178は所定の間隔をおいて配置された一対の板材からなる。支持ブラケット178は、マスト側ユニット18を回動可能に支持する機能を備えている。このため、一対の板材の間に、前述の軸支部17Sが形成されている。
また、前述のマスト側ユニット18は、ブラケット18Hと、前述の下部シーブブロック181と、を備える。また、ブラケット18Hは、リンク18A(リンク部材)と、下部スプレッダ18B(シーブブラケット)とを備える(図2、図3)。
リンク18Aは、軸支部17Sに接続される板状部材である。リンク18Aは、リンク支点部18Sと、スプレッダ支点部18Tとを備える。リンク支点部18Sは、マスト先端部17Qの軸支部17Sに軸支される。この結果、リンク18Aは、マスト先端部17Qの軸支部17Sに回動可能に支持される。スプレッダ支点部18Tは、リンク支点部18Sとは反対側に配置され、下部スプレッダ18Bを回動可能に軸支する。
下部スプレッダ18Bは、リンク18Aに連結される。下部スプレッダ18Bは、下部シーブブロック181のシーブを回転可能に支持し、リンク18Aのスプレッダ支点部18Tに回動可能に軸支される。なお、図3に示すように、下部スプレッダ18Bは、左右方向(ラチスマスト17の回動軸の軸方向)に沿って延びる長手形状を備えるとともに、その軸方向の中央部において下部シーブブロック181を支持している。また、下部シーブブロック181には、複数のシーブ間に配置された複数(図3では4枚)の支持板182を備えている。なお、本実施形態では、クレーン10の組立段階において、ラチスマスト17の軸支部17Sには予めリンク18Aが連結されている。そして、ラチスマスト17が地上に倒伏された状態で、マスト先端部17Qから突出したリンク18Aに下部スプレッダ18Bが連結される。このため、地上に倒伏されたラチスマスト17の軸支部17Sに、マスト側ユニット18全体を連結する場合と比較して、容易に下部スプレッダ18Bの連結作業を行うことができる。
更に、ラチスマスト17は、当接ブラケット60(突出部)を備える(図2、図3)。当接ブラケット60は、本発明の被当接部として機能する。当接ブラケット60は、軸支部17Sよりもマスト基端部17P側のマスト先端部17Qから突設された突起部材である。本実施形態では、当接ブラケット60は、一対の中フレーム175の第2フレーム部175Bからそれぞれ突設された立方体形状からなり、その先端面は平坦面からなる。なお、図1に示すクレーン10の姿勢では、当接ブラケット60は、マスト先端部17Qからブーム先端部16Q側に向かって突出している。また、当接ブラケット60の先端面は、曲面からなるものでもよい。
図5を参照して、マスト起伏用ウインチ30および不図示の補助クレーンなどによって予めラチスマスト17が旋回体12に装着される。なお、箱マスト21は旋回体12に予め支持され、走行体14によって移動される。そして、上部スプレッダ19から下方に延びるガイライン20の先端が、ブーム16の基端側部材16Aに接続される。図5に示す状態で、ブーム起伏用ウインチ38(図1)がブーム起伏用ロープ22を巻き上げると、マスト側ユニット18と上部スプレッダ19との距離が縮小し、基端側部材16Aを吊り上げることが可能となる。そして、マスト起伏用ウインチ30がマスト起伏用ロープ26を巻き上げることでラチスマスト17が起立し、基端側部材16Aのブームフット16Sが旋回体12のブーム軸支部12Sに位置合わせされる。その後、不図示のピンによってブームフット16Sおよびブーム軸支部12Sが固定される。なお、基端側部材16Aの装着に際して、旋回体12が旋回されてもよい。また、基端側部材16Aが旋回体12に装着された後、ブーム16の中間部材、先端側部材が順に連結される。
このようにクレーン10の組立分解過程で、上部スプレッダ19(ガイライン20)がブーム先端部16Qから脱離され、ラチスマスト17が旋回体12から上方に向かって延びる姿勢とされ、更に、マスト側ユニット18がブーム起伏用ロープ22を介して上部スプレッダ19を支持しながら軸支部17S(図2)から垂下された状態において、当接ブラケット60は、マスト側ユニット18の下部スプレッダ18Bに当接する。この際、下部スプレッダ18Bは、本発明の当接部(図2のCP)として機能する。この結果、図2に示すように、当接ブラケット60は、下部シーブブロック181のシーブとマスト先端部17Qの中フレーム175との間の間隔Hを保持する。したがって、ラチスマスト17の対地角が90度に近づくようにラチスマスト17の姿勢が変化されても(図5)、マスト先端部17Qとマスト側ユニット18のシーブとが接触することが防止される。このため、下部シーブブロック181のシーブおよびブーム起伏用ロープ22などの周辺部材が損傷する恐れが解消される。また、マスト先端部17Qから垂下されたブーム起伏用ロープ22を利用して、ブーム16などの構造体を吊り上げ、組立分解作業を行うことが可能となるため、補助クレーンのみを利用してクレーン10を組み立てる場合と比較して、クレーン10の組立が安全かつ効率的に実現される。
なお、図2では、ラチスマスト17の対地角が70度以上と大きく設定された際、マスト側ユニット18のスプレッダ支点部18Tと下部シーブブロック181の中心とを結ぶ直線が鉛直方向に沿うように、下部スプレッダ18Bがリンク18Aに対して屈曲可能とされている。そして、この下部スプレッダ18Bの当接面18B1(図4)に当接ブラケット60の先端面が面接触する。したがって、当接ブラケット60がマスト側ユニット18に当接する際の衝撃が低減される。
また、マスト先端部17Qとマスト側ユニット18の下部シーブブロック181との干渉を抑止しながら、ラチスマスト17が鉛直方向に沿う姿勢に近づくことができるため、旋回体12に近い位置でブーム16などの構造体を吊り上げることができる。なお、図2では、横フレーム176の前端縁とブーム起伏用ロープ22との間にも好適に隙間が形成されている。このため、ブーム起伏用ロープ22の損傷する恐れが更に解消される。また、本実施形態では、当接ブラケット60によってマスト先端部17Qとマスト側ユニット18の周辺部材とが干渉することが抑止されるため、マスト先端部17Qに複数のフレーム材を追加することが可能とされ、ラチスマスト17の剛性を高めることができる。
また、本実施形態では、マスト側ユニット18がリンク18Aと下部スプレッダ18Bとを備えている。このため、マスト側ユニット18は、スプレッダ支点部18T(図2)を支点として屈曲することが可能となる。この結果、当接ブラケット60がマスト側ユニット18に当接した場合であっても、マスト側ユニット18にかかる負荷が軽減される。また、この場合、図2に示すように、リンク18Aの下方に位置する下部スプレッダ18Bが鉛直方向に沿う姿勢となりやすい。このため、吊り上げ作業時のマスト側ユニット18の振動が低減され、構造体の吊り上げが安定して実現される。したがって、図2において、当接ブラケット60はスプレッダ支点部18Tよりも下方に位置することが望ましい。また、図2に示すように、当接ブラケット60が、マスト側ユニット18のうち下部スプレッダ18B側に当接することで、下部シーブブロック181により近い位置で、マスト側ユニット18のシーブとマスト先端部17Qとの間の間隔Hを保持することができる。このため、ブーム16などの構造体が吊り上げられる際に、マスト側ユニット18の振動がより低減され、構造体の吊り上げが安定して実現される。
更に、本実施形態では、当接ブラケット60がマスト先端部17Qの中フレーム175から突設されている(図2〜図4)。このため、マスト側ユニット18の軸方向の両端側で、下部シーブブロック181とマスト先端部17Qとの間の間隔Hを保持することができる。また、当接ブラケット60が前フレーム174から突設される場合と比較して、マスト側ユニット18の軸方向の長さをラチスマスト17の軸方向の長さ(一対の前フレーム174の間隔)よりも短く設定することができるため(図3)、マスト側ユニット18をコンパクトに設定することができる。また、中フレーム175のうち第2フレーム部175Bから当接ブラケット60が突設されているため、軸方向の間隔が狭く設定された一対の第2フレーム部175Bを利用して、一対の当接ブラケット60を下部スプレッダ18Bに対向するように配置することができる。
なお、本実施形態では、図2に示すように、当接ブラケット60が前フレーム174およびマストトップ17T(図3)よりも前方に突出している。このため、クレーン10の組立分解段階において、ラチスマスト17が地上に倒伏されると、当接ブラケット60が地面に当接することでマスト先端部17Qを支持することが可能となる。このため、当接ブラケット60が、倒伏されたラチスマスト17の受け台としての機能を兼ね備えることができる。
以上、本発明の一実施形態に係るクレーン10について説明した。なお、本発明はこれらの形態に限定されるものではない。本発明に係るクレーンは、所定のブームおよびマストを備えるものであればよい。更に、本発明では、以下のような変形実施形態が可能である。
(1)上記の実施形態では、クレーン10が当接ブラケット60(図3)を備える態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。図6は、本発明の変形実施形態に係るクレーンのラチスマスト17Mの先端側を拡大した正面図である。本変形実施形態では、先の実施形態の当接ブラケット60の代わりに当接ブラケット61(突出部)が備えられている。当接ブラケット61は、左右方向において隣接する前フレーム174と中フレーム175とを接続するように長手形状をもって配置されている。このため、当接ブラケット61によって、マスト先端部17Qの剛性を高めることができる。また、当接ブラケット61がマスト側ユニット18に当接した際に、当接ブラケット61にかかる負荷を低減することができる。
(2)また、上記の実施形態では、当接ブラケット60が、マスト先端部17Qから突設されマスト側ユニット18に当接する態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。図7は、本発明の変形実施形態に係るクレーンのラチスマスト17Nの先端側を拡大した正面図である。本変形実施形態では、先の実施形態の当接ブラケット60の代わりに、クレーンが当接ブラケット62(突出部)を備えている。当接ブラケット62は、マスト側ユニット18の下部スプレッダ18Bから突設された突起部材である。そして、図7に示すように、マスト側ユニット18がブーム起伏用ロープ22を介して上部スプレッダ19を支持しながら軸支部17Sから垂下された状態において、当接ブラケット62は、マスト先端部17Qの中フレーム175に当接する。この場合、当接ブラケット62が本発明の当接部として機能する。また、中フレーム175が本発明の被当接部として機能する(図7のCQ)。この結果、図7に示すように、当接ブラケット62は、下部シーブブロック181のシーブとマスト先端部17Qの中フレーム175との間の間隔Hを保持する。したがって、ラチスマスト17Nの対地角が90度に近づくようにラチスマスト17Nの姿勢が変化されても、マスト先端部17Qとマスト側ユニット18のシーブなどとが干渉することが抑止される。なお、先の実施形態のように、当接ブラケット60がマスト先端部17Q側に配置された場合(図2)、本変形実施形態と比較して、マスト側ユニット18を軽量化することができる。
(3)また、上記の実施形態では、当接ブラケット60がマスト側ユニット18の下部スプレッダ18Bに当接する態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。当接ブラケット60は、マスト側ユニット18のリンク18A側に当接するものでもよい。
(4)また、上記の実施形態では、ブーム16のブーム先端部16Qから主フック53が垂下される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。ブーム16のブーム先端部16Qに回動可能にジブが備えられ、当該ジブの先端部から主フック53が垂下される態様でもよい。
10 クレーン
12 旋回体(クレーン本体)
14 走行体
16 ブーム
16P ブーム基端部
16Q ブーム先端部
17、17M、17N ラチスマスト(マスト)
173 後フレーム
174 前フレーム(外側フレーム)
175 中フレーム(内側フレーム)
175A 第1フレーム部
175B 第2フレーム部
17P マスト基端部
17Q マスト先端部
17S 軸支部
18 マスト側ユニット(第1シーブユニット)
181 下部シーブブロック(第1シーブ)
182 支持板
18A リンク(リンク部材)
18B 下部スプレッダ(シーブブラケット)
18B1 当接面
18H ブラケット
18S リンク支点部(第1支点部)
18T スプレッダ支点部(第2支点部)
19 上部スプレッダ(第2シーブユニット)
191 上部シーブブロック(第2シーブ)
20 ガイライン
21 箱マスト
22 ブーム起伏用ロープ
26 マスト起伏用ロープ
30 マスト起伏用ウインチ
38 ブーム起伏用ウインチ
60、61、62 当接ブラケット(突出部)

Claims (8)

  1. クレーン本体と、
    前記クレーン本体に回動可能に支持されるブーム基端部と、長手方向において前記ブーム基端部とは反対側に配置されるブーム先端部と、を備えるブームと、
    前記ブームの後側の位置で前記ブームの回動軸と平行な回動軸回りに前記クレーン本体に回動可能に支持されるマスト基端部と、長手方向において前記マスト基端部とは反対側に配置されたマスト先端部と、前記マスト先端部に配置された軸支部と、を備えるマストと、
    ブラケットと、前記ブラケットの一端側に支持される第1シーブと、前記ブラケットのうち前記一端側とは反対の他端側に配置され、前記マストの回動軸と平行に延びるとともに前記マストの前記軸支部に軸支される第1支点部と、を備え、前記マスト先端部に前記第1支点部回りに回動可能に支持される第1シーブユニットと、
    第2シーブを備え、前記ブーム先端部に着脱可能に接続される第2シーブユニットと、
    前記第1シーブと前記第2シーブとの間で掛け回されるブーム起伏用ロープと、
    前記ブーム起伏用ロープの巻き取りおよび繰り出しを行うことで前記第1シーブユニットと前記第2シーブユニットとの間の距離を変化させ、前記ブームを前記マストに対して相対的に回動させながら前記ブームを起伏させるブーム起伏用ウインチと、
    前記第2シーブユニットが前記ブーム先端部から脱離され、前記マストが前記クレーン本体から上方に向かって延びる姿勢とされ、更に、前記第1シーブユニットが前記ブーム起伏用ロープを介して前記第2シーブユニットを支持しながら前記軸支部から垂下された垂下状態において、前記第1シーブよりも上方の前記ブラケットに配置された当接部と、
    前記当接部に対向するように前記マスト先端部に配置され、前記第1シーブユニットの前記垂下状態において前記当接部が当接することで、前記第1シーブと前記マスト先端部との間の間隔を保持する被当接部と、
    を有することを特徴とするクレーン。
  2. 前記第1シーブユニットの前記ブラケットは、
    前記第1支点部と、前記第1支点部とは反対側に配置された第2支点部と、を備え、前記マスト先端部の前記軸支部に回動可能に支持されるリンク部材と、
    前記第1シーブを支持し、前記リンク部材の前記第2支点部に回動可能に軸支されるシーブブラケットと、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のクレーン。
  3. 前記マスト先端部は、
    前記ブームに対向して配置され、前記マストの前記長手方向に沿って延びるフレームと、
    前記フレームから前記ブーム先端部側に向かって突設され、前記第1シーブユニットの前記垂下状態において前記ブラケットに対向して配置され、前記被当接部として機能する突出部と、
    を備え、
    前記ブラケットが前記当接部として前記突出部に当接することで、前記第1シーブと前記マスト先端部との間の間隔が保持されることを特徴とする請求項1または2に記載のクレーン。
  4. 前記マスト先端部は、
    前記ブームに対向して配置され、前記マストの前記長手方向に沿って延びるフレームと、
    前記フレームから前記ブーム先端部側に向かって突設され、前記第1シーブユニットの前記垂下状態において前記ブラケットの前記シーブブラケットに対向して配置され、前記被当接部として機能する突出部と、
    を備え、
    前記シーブブラケットが前記当接部として前記突出部に当接することで、前記第1シーブと前記マスト先端部との間の間隔が保持されることを特徴とする請求項2に記載のクレーン。
  5. 前記第1シーブユニットは、前記マストの回動軸の軸方向に沿って延びる長手形状を備えるとともに、前記軸方向の中央部において前記第1シーブを支持し、
    前記マスト先端部の前記フレームは、
    前記軸方向の両端部に配置され、前記マストの長手方向に沿って延びる一対の外側フレームと、
    前記一対の外側フレームよりも前記軸方向の内側に配置され、前記マストの長手方向に沿って延びる一対の内側フレームと、
    を備え、
    前記突出部は、前記一対の内側フレームからそれぞれ前記垂下状態の前記第1シーブユニットに向かって突設されていることを特徴とする請求項3または4に記載のクレーン。
  6. 前記突出部は、更に隣接する前記外側フレームと前記内側フレームとを前記マストの回動における軸方向に沿って接続するように配置されていることを特徴とする請求項5に記載のクレーン。
  7. 前記一対の内側フレームは、それぞれ、
    前記マスト基端部側から前記マスト先端部側に向かって互いの間隔が近づくように傾斜した第1フレーム部と、
    前記第1フレーム部の先端側に接続され、前記外側フレームと平行に延びる第2フレーム部と、からなり、
    前記突出部は、前記第2フレーム部に配置されていることを特徴とする請求項5または6に記載のクレーン。
  8. 前記突出部は、前記マストが地上に倒伏された状態において、地面に当接することで前記マスト先端部を支持可能なことを特徴とする請求項3乃至7の何れか1項に記載のクレーン。
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