[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係るクレーン及びクレーンの仕様変更方法について、図面を参照しながら説明する。
[ラッフィングジブ仕様のクレーン]
図1は、本発明の第1実施形態に係るクレーン10Aの全体構成を示す側面図であり、ラッフィングジブ仕様に組み立てられた状態を示している。図2は、図1に示すクレーン10Aにおけるブーム14の先端部14Bを拡大した側面図である。図4は、本発明の第1実施形態に係るクレーン10Bであって固定ジブ仕様のクレーンを示す側面図である。本実施形態に係るクレーンは、ラッフィングジブ仕様のクレーン10Aから固定ジブ仕様のクレーン10Bへ仕様変更可能に構成されている。
なお、本実施形態では、例えば図1において、上部旋回体12の中央からキャブ12Aに向かう方向を前方とし、上部旋回体12の中央からカウンタウエイト13に向かう方向を後方とする。
ラッフィングジブ仕様のクレーン10Aは、自走可能な下部走行体11と、この下部走行体11上に軸回りに旋回可能に搭載された上部旋回体12と、ブーム14と、ラッフィングジブ17と、上部ストラット22(フロントストラット22)と、下部ストラット21(リヤストラット21)と、マスト20と、補助シーブブロック70と、上部旋回体12の後部に積載されたカウンタウエイト13と、を備えている。下部走行体11及び上部旋回体12はクレーン本体を構成している。
ブーム14は、上部旋回体12に回動可能に取り付けられている。図1に示されるブーム14は、いわゆるラチス型のブーム本体15と、基端部14Aと、先端部14Bとを有する。
第1実施形態では、図1及び図2に示すように、ラッフィングジブ仕様におけるブーム14の先端部14Bは、ブームヘッド14Bによって構成されている。当該ブームヘッド14Bは、ラッフィングジブ17、上部ストラット22と、下部ストラット21と、を取り付けるための取付部を有する部材である。ブームヘッド14Bは、ブーム本体15の先端部151に着脱可能に取り付けられている。
ブーム本体15は、基端側部材15Aと、一又は複数(図例では2個)の中間部材15B,15Cと、先端側部材15Dとで構成される。具体的に、前記基端側部材15Aは、上部旋回体12の前部に起伏方向に回動可能となるように連結される。前記中間部材15B,15Cは、その順に前記基端側部材15Aの先端側に着脱可能に継ぎ足される。前記先端側部材15Dは前記中間部材15Cの先端側に着脱可能に継ぎ足される。なお、中間部材15B,15Cは省略することが可能である。
ラッフィングジブ17は、ブーム14の先端部14Bに回動可能でかつ着脱可能に取り付けられている。ラッフィングジブ17は、図例ではラチス型の構造を有する。ラッフィングジブ17の基端部17Aは、ブーム14の先端部14Bに回動可能に連結されている。ラッフィングジブ17の回動中心軸は、上部旋回体12に対するブーム本体15の回動中心軸と平行な横軸になっている。
上部ストラット22及び下部ストラット21は、ラッフィングジブ17を回動させるために設けられている。上部ストラット22及び下部ストラット21は、ラチス型の構造を有する。上部ストラット22は、ブーム14の先端部14Bに回動可能に取り付けられている。下部ストラット21は、上部ストラット22の後方又は下方の位置でブーム14の先端部14Bに回動可能に取り付けられている。上部ストラット22及び下部ストラット21は、ブーム14の先端部14Bから着脱可能に構成されている。
具体的に、第1実施形態では、上部ストラット22は、基端側部材22Cと、先端側部材22Dとで構成されている。基端側部材22Cは、ブーム14の先端部14Bに回動可能に取り付けられ、先端側部材22Dは、基端側部材22Cの先端に着脱可能に連結されている。下部ストラット21の構造も上部ストラット22と同様である。
上部旋回体12上には左右一対のバックストップ23が設けられる。これらのバックストップ23は、ブーム14が図1に示される起立姿勢まで到達した時点で当該ブーム14の基端側部材15Aの左右両側部に当接し、この当接によって、前記ブーム14が強風等で後方に煽られるのを規制する。
下部ストラット21は、ブーム14の先端部14Bからブーム起立側(図1では左側)に張り出す姿勢で保持される。この姿勢を保持する手段として、当該下部ストラット21とブーム14との間に左右一対のバックストップ25及び左右一対のストラットガイライン26が介在する。バックストップ25は、先端側部材15Dと下部ストラット21の中間部位との間に介在し、下部ストラット21を下から支える。ガイライン26は下部ストラット21の先端部21Bと基端側部材15Aとを結ぶように張設され、その張力によって下部ストラット21の位置を規制する。
上部ストラット22は、ラッフィングジブ17と連動して回動するようにこのラッフィングジブ17と連結される。具体的に、上部ストラット22の先端部22Bとラッフィングジブ17の先端部17Bとを結ぶように左右一対のジブガイライン28が張設される。従って、この上部ストラット22の回動駆動によってラッフィングジブ17も回動駆動される。
マスト20は、基端部20A及び回動端部20Bを有する。マスト20の基端部20Aが上部旋回体12に回動可能に連結される。マスト20の回動軸は、ブーム14の回動軸と平行でかつ当該ブーム14の回動軸のすぐ後方に位置している。すなわち、このマスト20はブーム14の起伏方向と同方向に回動可能である。一方、このマスト20の回動端部20Bは左右一対のブーム用ガイライン24を介してブーム14の先端部14Bに連結される。この連結は、マスト20の回動とブーム14の回動とを連携させる。
クレーン10Aには、各種ウインチが搭載される。具体的には、ブーム14を起伏させるためのブーム起伏用ウインチ30と、ラッフィングジブ17を起伏方向に回動させるためのジブ起伏用ウインチ32と、吊り荷の巻上げ及び巻下げを行うための主巻用ウインチ34及び補巻用ウインチ36とが搭載される。
ブーム起伏用ウインチ30は、ブーム起伏用ロープ38の巻取り及び繰出しを行う。そして、この巻取り及び繰出しによりマスト20が回動するようにブーム起伏用ロープ38が配索される。具体的に、マスト20の回動端部20B及び上部旋回体12の後端部にはそれぞれ複数のシーブが幅方向に配列されたシーブブロック40,42が設けられ、ブーム起伏用ウインチ30から引き出されたブーム起伏用ロープ38がシーブブロック40,42間に掛け渡される。従って、ブーム起伏用ウインチ30がブーム起伏用ロープ38の巻取りや繰出しを行うことにより、両シーブブロック40,42間の距離が変化し、これによってマスト20さらにはこれと連動するブーム14が起伏方向に回動する。
ジブ起伏用ウインチ32は、ジブ起伏用ロープ44の巻取り及び繰出しを行う。そして、この巻取りや繰出しによって上部ストラット22が回動するようにジブ起伏用ロープ44が配索される。具体的には、下部ストラット21の長手方向中間部にはガイドシーブ46が設けられるとともに、この下部ストラット21の先端部21B及び上部ストラット22の先端部22Bにそれぞれ複数のシーブが幅方向に配列されたスプレッダ47,48(シーブブロック)が設けられる。ジブ起伏用ウインチ32から引き出されたジブ起伏用ロープ44はガイドシーブ46に掛けられ、かつ、スプレッダ47,48間に掛け渡される。従って、ジブ起伏用ウインチ32によるジブ起伏用ロープ44の巻取りや繰出しは、両スプレッダ47,48間の距離を変え、上部ストラット22さらにはこれと連動するラッフィングジブ17を起伏方向に回動させる。
主巻用ウインチ34は、主巻ロープ50による吊り荷の巻上げ及び巻下げを行う。この主巻について、下部ストラット21の基端部21Aの近傍部位、上部ストラット22の基端部22Aの近傍部位及びラッフィングジブ17の先端部17Bには、それぞれ主巻用ガイドシーブ52,53,54が回転可能に設けられている。さらに、主巻用ガイドシーブ54に隣接する位置(ジブ17の先端部17B)には、ジブポイントシーブ56が設けられている。主巻用ウインチ34から引き出された主巻ロープ50は、主巻用ガイドシーブ52,53,54に順に掛けられ、かつ、ジブポイントシーブ56と、吊荷用の主フック57に設けられたフックシーブ58と、の間に掛け渡される。従って、主巻用ウインチ34が主巻ロープ50の巻取りや繰出しを行うと、両シーブ56,58間の距離が変わって主フック57の巻上げ及び巻下げが行われる。
同様にして、補巻用ウインチ36は、補巻ロープ60による吊り荷の巻上げ及び巻下げを行う。この補巻については、主巻用ガイドシーブ52,53,54とそれぞれ同軸に補巻用ガイドシーブ62,63,64が回転可能に設けられている。補巻用ガイドシーブ64に隣接する位置(ジブ17の先端部17B)には、補助シーブ72が回転可能に設けられている。補助シーブ72は、補巻ロープ60をかけ回すためのシーブである。すなわち、補巻用ウインチ36から引き出された補巻ロープ60は、補巻用ガイドシーブ62,63,64に順に掛けられ、かつ、補助シーブ72から垂下される。従って、補巻用ウインチ36が補巻ロープ60の巻取りや繰出しを行うと、補巻ロープ60の末端に連結された図略の吊荷用の補フックが巻上げられ、又は巻下げられる。
図1に示すラッフィングジブ仕様の具体例では、補助シーブブロック70は、ラッフィングジブ17の先端部17Bに対して着脱自在に接続されているが、例えば図3に示すようにブーム14の先端部14Bに接続されていてもよい。補助シーブブロック70は、補助シーブ72と、補助シーブ72を回転可能に保持するとともに前記被支持部78A,80Bを含む補助シーブ保持体74と、を有している。
補助シーブ72がラッフィングジブ17の先端部17Bに取り付けられる場合、主巻ロープ50を介してジブポイントシーブ56の下方に吊り下げられた主フック57と補巻ロープ60を介して補助シーブ72の下方に吊り下げられた補フック(図示略)との干渉を回避するために、ジブポイントシーブ56及び補助シーブ72間の距離が確保されている。
ブーム14の先端部14Bには、補助シーブブロック70を支持するブーム側支持部16A,16B(図3参照)が形成されており、ラッフィングジブ17の先端部17Bには、補助シーブブロック70を支持するジブ側支持部19(図1を参照)が形成されている。そして、補助シーブブロック70は、ブーム側支持部16A,16B及びジブ側支持部19に対して択一的に接続されることが可能な被支持部78A,80B(図3参照)を有している。
補助シーブブロック70がブーム側支持部16A,16Bに接続される場合、ブーム14の先端部14Bに取り付けられたブームポイントシーブ59に主巻ロープ50が掛けられ、ブーム14の先端部14Bに取り付けられた補助シーブ72に補巻ロープ60が掛けられる。
また、補助シーブブロック70がジブ側支持部19に接続される場合、上述のとおり、ラッフィングジブ17の先端部17Bに取り付けられたジブポイントシーブ56に主巻ロープ50が掛けられ、ラッフィングジブ17の先端部17Bに取り付けられた補助シーブ72に補巻ロープ60が掛けられる。
図5は、ラッフィングジブ仕様における上部ストラット22の先端部22Bを拡大した平面図である。図5に示すように、上部ストラット22の先端部22Bには、固定ジブ仕様において用いられる固定ジブ用シーブ5を有するシーブブロック1が取り付けられている。上部ストラット22の先端部22Bには、当該シーブブロック1を取り付けるためのシーブ取付部221が設けられている。
上部ストラット22は、当該上部ストラット22を図4に示す固定ジブ仕様において固定ジブ22として用いるために、上部ストラット22をラッフィングジブ仕様のときよりも前方に回動させた前方位置(図4に示す位置)でブーム14に対して固定する支持部材101(固定部材)、ガイライン102(固定部材)及び結合ピン103,104(固定部材)を取り付けるための固定部材取付部222,223を有している(図4参照)。固定部材取付部222は、例えば、上部ストラット22(固定ジブ22)の基端部22Aに設けられたピン孔222によって構成されており、固定部材取付部223は、例えば、上部ストラット22(固定ジブ22)の先端部22Bに設けられたガイライン接続部223などによって構成されている。
ブーム14は、上部ストラット22を固定ジブ仕様において固定ジブ22として用いるために、上部ストラット22を前記前方位置でブーム14に対して固定する支持部材101(固定部材)、ガイライン102(固定部材)及び結合ピン103,105(固定部材)を取り付けるための固定部材取付部141,142を有している(図4参照)。固定部材取付部141は、例えばブーム14の先端部14Bに設けられたピン孔などによって構成されており、固定部材取付部142は、例えばブーム14の中間部に設けられたガイライン接続部142などによって構成されている。
図5に示すように、ラッフィングジブ仕様のクレーン10Aは、図4に示す固定ジブ仕様のクレーン10Bにおいて用いられる固定ジブ用シーブ5をさらに備える。当該固定ジブ用シーブ5は、ラッフィングジブ仕様のクレーン10Aにおいて上部ストラット22の先端部22Bに設けられるロープ44(図1参照)と干渉しない位置において上部ストラット22の先端部22Bに取り付けられている。当該ロープ44は、図1及び図5に示すスプレッダ48に架け渡される。
[固定ジブ仕様のクレーン]
第1実施形態に係る固定ジブ仕様のクレーン10Bは、上述したラッフィングジブ仕様のクレーン10Aを構成する複数の部材のうち、少なくとも下部走行体11、上部旋回体12、ブーム14、上部ストラット22、マスト20、カウンタウエイト13などの部材を兼用している。
第1実施形態では、図4に示すように、固定ジブ仕様におけるブーム14の先端部14Bは、ブームヘッド14Bによって構成されている。当該ブームヘッド14Bは、ラッフィングジブ仕様におけるブームヘッド14Bと同じものである。なお、ラッフィングジブ仕様から固定ジブ仕様に仕様変更する際には、ブーム本体15を構成する複数の部材15A~15Dの一部を取り外してブーム本体15の長さを短くしたり、ブーム本体15を構成する部材を追加してブーム本体15の長さを長くしたりすることもできる。
図4に示すように、固定ジブ仕様のクレーン10Bは、ラッフィングジブ仕様のクレーン10Aにおけるラッフィングジブ17の代わりに、固定ジブ22を備えている。当該固定ジブ22は、ラッフィングジブ仕様のクレーン10Aでは、上部ストラット22として用いられていた部材である。固定ジブ22は、ブーム14に対する角度が固定された状態でブーム14に取り付けられている。
具体的に、固定ジブ22の基端部22Aは、ブーム14の先端部14Bに対して揺動可能に取り付けられているが、固定ジブ22の先端部22Bは、支持部材101の先端部101Bを経て張設された複数のガイライン102,102によってブーム14に支持されている。これにより、固定ジブ22のブーム14に対する角度は、通常の作業時には変化しない。
具体的に、支持部材101(固定ジブ用ストラット)の基端部は、ブーム14の先端部14B又は固定ジブ22の基端部22A(例えば固定部材取付部222など)に取り付けられている。複数のガイライン102,102のそれぞれの一端は、支持部材101の先端部101Bに接続されている。一方のガイライン102の他端は、ブーム14の中間部に設けられた固定部材取付部142(ガイライン接続部142)に固定されている。他方のガイライン102の他端は、固定ジブ22の先端部22Bに設けられた固定部材取付部223(ガイライン接続部223)において固定されている。
図4に示す固定ジブ仕様のクレーン10Bにおいても、マスト20(図1参照)はブーム14の起伏方向と同方向に回動可能である。このマスト20の回動端部20B(図1参照)は左右一対のブーム用ガイライン24を介してブーム14の先端部14Bに連結される。この連結は、マスト20の回動とブーム14の回動とを連携させる。
また、固定ジブ22の先端部22Bには、主巻ロープ50による吊り荷の巻上げ及び巻下げを行うための固定ジブ用シーブ5が設けられている。図4及び図6に示す本実施形態では、固定ジブ仕様においては主巻ロープ50が2本掛け仕様であるので、上部ストラット22の先端部22Bには、リンク部材3を介してロープエンド接続部4が取り付けられている。主巻用ウインチ34(図1参照)から引き出された主巻ロープ50は、支持部材101の中間部に設けられたシーブ106を介して固定ジブ用シーブ5とフックシーブ58との間に掛け渡され、ロープ50の端部がロープエンド接続部4に固定される。従って、主巻用ウインチ34が主巻ロープ50の巻取りや繰出しを行うと主フック57の巻上げ及び巻下げが行われる。
[クレーンの仕様変更方法]
以下、本発明の第1実施形態に係るクレーンの仕様変更方法について説明する。当該仕様変更方法は、図1に示すラッフィングジブ仕様のクレーン10Aから固定ジブ仕様のクレーン10Bへの仕様変更を行うための方法である。
本実施形態に係る仕様変更方法は、ラッフィングジブ取外工程と、ストラット取外工程と、スプレッダ取外工程と、固定工程と、を備える。
ラッフィングジブ取外工程では、図1に示すラッフィングジブ仕様のクレーン10Aのうち、ラッフィングジブ17がブーム14の先端部14Bから取り外される。ラッフィングジブ17が例えば所定のピンによってブーム14の先端部14Bに固定されている場合には、当該ピンを連結部分から取り外すことによりラッフィングジブ17とブーム14とを分離できる。
ストラット取外工程では、図1に示すラッフィングジブ仕様のクレーン10Aのうち、下部ストラット21がブーム14の先端部14Bから取り外される。下部ストラット21が例えば所定のピンによってブーム14の先端部14Bに固定されている場合には、当該ピンを連結部分から取り外すことにより下部ストラット21とブーム14とを分離できる。
スプレッダ取外工程では、図1及び図5に示すスプレッダ48が上部ストラット22の先端部22Bから取り外される。スプレッダ48は、図5に示すように上部ストラット22の先端部22Bに設けられたリンク部材2に対して、所定のピンなどによって連結されている。したがって、スプレッダ取外工程では、当該ピンを連結部分から取り外すことによりスプレッダ48と上部ストラット22とを分離できる。
固定工程では、ラッフィングジブ仕様における上部ストラット22を、固定ジブ仕様において固定ジブ22として用いるために、当該上部ストラット22をラッフィングジブ仕様のときよりもブーム14に対して前方に回動させた前方位置においてブーム14に対して固定する。具体的には、固定工程では、ラッフィングジブ仕様における上部ストラット22をブームの先端部14B(ブームヘッド14B)から取り外さずに取り付けた状態のままラッフィングジブ仕様のときよりも前方に回動させた前方位置で前記ブームに対して固定する。上部ストラット22(固定ジブ22)は、上述したように支持部材101、ガイライン102などの前記固定部材を用いてブーム14に対して固定される(図4参照)。
本実施形態では、ラッフィングジブ仕様のクレーン10Aは、図5に示すように固定ジブ仕様のクレーン10Bにおいて用いられる固定ジブ用シーブ5を有するシーブブロック1を上部ストラット22の先端部22Bに備えている。そして、当該固定工程では、図1及び図6に示すように、シーブブロック1を上部ストラット22の先端部22Bに取り付けたまま上部ストラット22を前記前方位置でブーム14に対して固定する。
なお、本実施形態では、図4に示すように固定ジブ仕様においては主巻ロープ50が2本掛け仕様であるので、当該仕様変更方法は、図6に示すように上部ストラット22の先端部22Bに、リンク部材3を介してロープエンド接続部4を取り付ける工程をさらに備える。
[変形例]
次に、上記第1実施形態に係るクレーンの仕様変更方法の変形例について説明する。
当該変形例に係る仕様変更方法は、ラッフィングジブ取外工程と、ストラット取外工程と、スプレッダ取外工程と、固定工程と、を備える点で上述の仕様変更方法と同様であるが、さらに、補助シーブ取外工程と、補助シーブ取付工程とを備える点で上述の仕様変更方法と相違している。以下では、当該相違点について説明する。
図7は、当該変形例に係るラッフィングジブ仕様における上部ストラット22の先端部22Bを拡大した平面図である。図8は、当該変形例に係る固定ジブ仕様における固定ジブ22の先端部22Bを拡大した平面図であり、図7に示す上部ストラット22を固定ジブ22として用いた状態を示している。
図7に示すように、変形例に係るラッフィングジブ仕様のクレーン10Aでは、上部ストラット22の先端部22Bには、図5に示すような固定ジブ用シーブ5を有するシーブブロック1が取り付けられていない。この変形例では、ラッフィングジブ仕様において用いられる補助シーブ72を、固定ジブ仕様において固定ジブ用シーブとして兼用する。
変形例に係る補助シーブ取外工程では、ラッフィングジブ仕様においてラッフィングジブ17の先端部17Bに取り付けられる補助シーブブロック70(図1参照)又はブーム14の先端部14Bに取り付けられる補助シーブブロック70(図3参照)を、ラッフィングジブ17の先端部17B又はブーム14の先端部14Bから取り外す。
そして、補助シーブ取付工程では、補助シーブ72を固定ジブ仕様のクレーン10Bにおいて固定ジブ用シーブ72として用いるために、図8に示すようにラッフィングジブ17の先端部17B又はブーム14の先端部14Bから取り外された補助シーブ72を上部ストラット22(固定ジブ22)の先端部22Bに取り付ける。
図9は、図8に示す固定ジブ22(上部ストラット22)の先端部22Bを拡大した斜視図であって、固定ジブ22の先端部22Bに設けられた位置決め用フック6と、補助シーブ72を有する補助シーブブロック70とを連結する前の状態を示すものである。図10は、図8に示す固定ジブ22の先端部22Bを拡大した斜視図であって、位置決め用フック6と、補助シーブブロック70とを連結した状態を示すものである。
補助シーブブロック70は、補助シーブ72と、補助シーブ72を回転可能に保持するとともに前記被支持部78A,80Bを含む補助シーブ保持体74と、係合部73とを有している。図9に示すように、被支持部78A,80Bは、例えばピンが挿入されるピン孔によって構成されており、係合部73は、棒状の突起部によって構成されている。
位置決め用フック6は、補助シーブブロック70を支持するための支持部6A,6Bが形成されている。支持部6Aは、例えば、補助シーブブロック70の係合部73としての棒状の突起部が係合する凹部によって構成されている。支持部6Bは、被支持部78A,80Bとしてのピン孔に対応する位置に設けられたピン孔によって構成されている。なお、図9に示す支持部6Aは、図1に示すジブ側支持部19及び図3に示すブーム側支持部16A,16Bに相当する部分である。
上述の補助シーブ取付工程では、図10に示すように、補助シーブブロック70の係合部73を位置決め用フック6の支持部6Aに係合させた状態で、被支持部78A,80Bと支持部6Bとの位置を合わせてこれらのピン孔に所定のピンを挿入する。これにより、補助シーブ72が上部ストラット22(固定ジブ22)の先端部22Bに取り付けられる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係るクレーン及びその仕様変更方法について説明する。図11は、第2実施形態に係る固定ジブ仕様のクレーン10Cを示す側面図である。
第2実施形態におけるラッフィングジブ仕様のクレーン10Aは、図1などに示す第1実施形態におけるラッフィングジブ仕様のクレーン10Aと同じであるので、説明を省略する。第2実施形態における固定ジブ仕様のクレーン10C及び第2実施形態に係る仕様変更方法は、第1実施形態と比較して以下に示す相違点を有する。
上述の第1実施形態では、ラッフィングジブ仕様から固定ジブ仕様に仕様変更する際に、ラッフィングジブ仕様におけるブーム14のうちブーム本体15だけでなくブームヘッド14B(ブームの先端部14B)も固定ジブ仕様において兼用する。
一方、第2実施形態では、図1及び図2に示すラッフィングジブ仕様におけるブーム14のうち、ブーム本体15を固定ジブ仕様において兼用するが、ブームヘッド14Bを兼用せずにブーム本体15から取り外し、当該ブーム本体15にブームヘッド14Bとは別の上部ブーム部材140を取り付ける。
当該上部ブーム部材140は、部材本体15Eと、部材先端部14Cと、を有する。第2実施形態では、上部ブーム部材140の部材本体15Eは、図1に示す部材15A~15Dとともにブーム本体15を構成する。上部ブーム部材140の部材本体15Eは、部材15A~15Dと同様にラチス型の構造を有する部材である。
上部ブーム部材140の部材先端部14Cは、ブーム14の先端部を構成する。当該部材先端部14Cは、部材本体15Eの先端部152(すなわち、ブーム本体15の先端部152)に対して着脱可能に取り付けられている。固定ジブ仕様における部材先端部14Cは、固定ジブ22(ラッフィングジブ仕様における上部ストラット22)を取り付けるための取付部を有する点で、ラッフィングジブ仕様におけるブームヘッド14Bと同様である一方で、ラッフィングジブ17及び下部ストラット21を取り付けるための取付部を有していない点で、ラッフィングジブ仕様におけるブームヘッド14Bと相違する。すなわち、上部ブーム部材140の部材先端部14Cは、ブームヘッド14Bに比べてシンプルな構造を有する先端部材である。したがって、図11に示す第2実施形態では、図1に示す形態に比べて軽量化できる(吊り能力が向上する)。また、当該部材先端部14Cは、軽量であるため、輸送時に当該部材先端部14Cを分離して輸送する必要がない。また、図1に示すようなブームヘッド14Bが設けられている場合に比べて、図11に示す形態では、ブーム角度が同じ場合にはクレーン本体に近い位置での吊り作業が可能になる。
第2実施形態では、固定ジブ22は、複数の部材22C,22D,22Eによって構成されている。具体的に、固定ジブ22は、基端側部材22Cと、先端側部材22Dと、これらの間に位置する中間部材22Eとで構成されている。これらの部材22C,22D,22Eのうち基端側部材22Cと先端側部材22Dとは、図1に示すラッフィングジブ仕様における上部ストラット22を構成する基端側部材22Cと先端側部材22Dとを利用している。このようにラッフィングジブ仕様から固定ジブ仕様に仕様変更する際には、中間部材22Eを継ぎ足すことによって固定ジブ22の長さを調節することもできる。
図11に示すように、第2実施形態における固定ジブ仕様のクレーン10Cは、図1に示すラッフィングジブ仕様のクレーン10Aにおけるラッフィングジブ17の代わりに、固定ジブ22を備えている。当該固定ジブ22は、ラッフィングジブ仕様のクレーン10Aでは、上部ストラット22として用いられていた部材である。固定ジブ22は、ブーム14に対する角度が固定された状態でブーム14に取り付けられている。第2実施形態における固定ジブ22のブーム14に対する固定方法は、第1実施形態と同様である。
すなわち、固定ジブ22の基端部22Aは、ブーム14の先端部14Cに対して揺動可能に取り付けられているが、固定ジブ22の先端部22Bは、支持部材101の先端部101Bを経て張設された複数のガイライン102,102によってブーム14に支持されている。これにより、固定ジブ22のブーム14に対する角度は、通常の作業時には変化しない。
支持部材101(固定ジブ用ストラット)の基端部は、ブーム14の先端部14C又は固定ジブ22の基端部22Aに取り付けられている。複数のガイライン102,102のそれぞれの一端は、支持部材101の先端部101Bに接続されている。一方のガイライン102の他端は、ブーム14の中間部に設けられた固定部材取付部142(ガイライン接続部142)に固定されている。他方のガイライン102の他端は、固定ジブ22の先端部22Bに設けられた固定部材取付部223(ガイライン接続部223)において固定されている。また、固定ジブ22の先端部22Bには、主巻ロープ50による吊り荷の巻上げ及び巻下げを行うための固定ジブ用シーブ5が設けられている。
[クレーンの仕様変更方法]
以下、本発明の第2実施形態に係るクレーンの仕様変更方法について説明する。当該仕様変更方法は、図1に示すラッフィングジブ仕様のクレーン10Aから図11に示す固定ジブ仕様のクレーン10Cへの仕様変更を行うための方法である。
第2実施形態に係る仕様変更方法は、ラッフィングジブ取外工程と、ストラット取外工程(下部ストラット取外工程)と、スプレッダ取外工程と、固定工程と、を備える点で、第1実施形態に係る仕様変更方法と同様であるが、以下の点で第1実施形態と相違する。すなわち、第2実施形態に係る仕様変更方法は、上記工程の他、上部ストラット取外工程と、ブームヘッド取外工程と、上部ブーム部材取付工程と、ストラット取付工程と、をさらに備える。
以下、第2実施形態に係る仕様変更方法の上記複数の工程を簡単に説明する。
まず、ラッフィングジブ取外工程では、図1に示すラッフィングジブ仕様のクレーン10Aのうち、ラッフィングジブ17がブーム14の先端部14Bから取り外される。ストラット取外工程(下部ストラット取外工程)では、図1に示すラッフィングジブ仕様のクレーン10Aのうち、下部ストラット21がブーム14の先端部14Bから取り外される。これらの工程は、第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、上部ストラット22も取り外される。すなわち、上部ストラット取外工程では、上部ストラット22がブーム14の先端部14Bから取り外される。上部ストラット22が例えば所定のピンによってブーム14の先端部14Bに固定されている場合には、当該ピンを連結部分から取り外すことにより上部ストラット22とブーム14とを分離できる。
スプレッダ取外工程では、図1及び図5に示すスプレッダ48が上部ストラット22の先端部22Bから取り外される。当該工程は、第1実施形態と同様である。
ブームヘッド取外工程では、図1に示すブームヘッド14Bがブーム本体15の先端部151から取り外される。ブームヘッド14Bが例えば所定のピンによってブーム本体15の先端部151に固定されている場合には、当該ピンを連結部分から取り外すことによりブームヘッド14Bとブーム本体15とを分離できる。
上部ブーム部材取付工程では、ブーム本体15の先端部151にブームヘッド14Bとは別の上部ブーム部材140が着脱可能に取り付けられる。上部ブーム部材140が例えば所定のピンによってブーム本体15の先端部151に固定される場合には、当該ピンを連結部分に取り付けることにより上部ブーム部材140をブーム本体15の先端部151に取り付けることができる。
ストラット取付工程では、上部ブーム部材140の部材先端部14Cに、上述の上部ストラット取外工程及び下部ストラット取外工程において取り外された上部ストラット22及び下部ストラット21の一方のストラット(例えば上部ストラット22)が取り付けられる。一方のストラットが例えば所定のピンによって上部ブーム部材140の部材先端部14Cに固定される場合には、当該ピンを連結部分に取り付けることにより前記一方のストラットを上部ブーム部材140の部材先端部14Cに取り付けることができる。
固定工程では、前記ストラット取付工程において取り付けられた前記一方のストラットを、ラッフィングジブ仕様のときよりもブーム14に対して前方に回動させた前方位置においてブーム14に対して固定する。前記一方のストラットは、固定ジブ仕様のクレーン10Cにおいては、固定ジブ22として機能する。当該固定ジブ22は、第1実施形態と同様に、支持部材101、ガイライン102などの前記固定部材を用いてブーム14に対して固定される(図11参照)。
[仕様変更方法の変形例]
前記第1実施形態及び第2実施形態では、ラッフィングジブ仕様のクレーン10Aから固定ジブ仕様のクレーン10B,10Cに仕様変更する場合(直接的な仕様変更を行う場合)について説明したが、本発明の仕様変更方法は、上記実施形態に限られない。すなわち、本発明の仕様変更方法では、ラッフィングジブ仕様のクレーンから、ラッフィングジブ仕様及び固定ジブ仕様のクレーン以外の他の仕様のクレーンに仕様変更し、当該他の仕様のクレーンから固定ジブ仕様のクレーン10B,10Cに仕様変更してもよい。すなわち、本発明の仕様変更方法は、このような間接的な仕様変更も含む。具体的には次の通りである。
クレーンの仕様としては、「ラッフィングジブ仕様」(例えば図1に示す仕様)及び「固定ジブ仕様」(例えば図4及び図11に示す仕様)の以外に、「クレーン仕様」や「タワー仕様」などの他の仕様が存在する。
前記クレーン仕様のクレーンは、上部旋回体12と、当該上部旋回体12に取り付けられたブーム14とを備える一方で、当該ブーム14の先端部にジブが取り付けられていないタイプのクレーンである。このようなクレーン仕様のクレーンでは、吊り荷用のフックは、ブーム14の先端部から吊り下げられる。
前記クレーン仕様のクレーンは、大きく分けてさらに2種類に分類できる。まず、第1のクレーン仕様は、ブーム14の先端部が例えば図1、図2などに示されるブームヘッド14Bによって構成されているタイプである。第1のクレーン仕様のクレーンとしては、例えば図1に示すラッフィングジブ仕様のクレーン10Aからラッフィングジブ17、上部ストラット22及び下部ストラット21を省略したものを例示できる。また、第1のクレーン仕様のクレーンとしては、例えば図4に示す固定ジブ仕様のクレーン10Bから固定ジブ22を省略したものを例示できる。
第2のクレーン仕様は、ブーム14の先端部が前記ブームヘッド14B以外のブーム部材によって構成されているタイプである。当該ブーム部材としては、例えば図11に示される部材先端部14Cが挙げられるが、これに限られない。第2のクレーン仕様のクレーンとしては、例えば図11に示す固定ジブ仕様のクレーン10Cから固定ジブ22を省略したものを例示できる。
前記タワー仕様のクレーンは、上部旋回体12と、当該上部旋回体12に取り付けられたブーム14と、当該ブーム14の先端部に取り付けられたジブとを備え、ブーム14が所定の角度(例えば地面に対して90°)に固定されるタイプのクレーンである。
前記タワー仕様のクレーンは、大きく分けてさらに2種類に分類できる。まず、第1のタワー仕様は、ブーム14の先端部が例えば図1、図2などに示されるブームヘッド14Bによって構成されているタイプである。第1のタワー仕様のクレーンとしては、例えば図1に示すラッフィングジブ仕様のクレーン10Aにおいて、ブーム14が所定の角度に固定されたものを例示できる。
第2のタワー仕様は、ブーム14の先端部が前記ブームヘッド14B以外のブーム部材によって構成されているタイプである。当該ブーム部材としては、例えば図11に示される部材先端部14Cが挙げられるが、これに限られない。当該ブーム部材としては、例えば、タワー仕様のクレーンにおいて一般に用いられるタワーキャップと呼ばれる部材を用いることもできる。
したがって、上記の間接的な仕様変更を行う場合、すなわち、ラッフィングジブ仕様のクレーンから、前記他の仕様のクレーンに仕様変更し、当該他の仕様のクレーンから固定ジブ仕様のクレーン10B,10Cに仕様変更する場合、その仕様変更パターンとしては、少なくとも次の8つのパターンを例示できる。
第1のパターンでは、ラッフィングジブ仕様のクレーンから、第1のクレーン仕様のクレーンに仕様変更し、当該第1のクレーン仕様のクレーンから、例えば図4に示す固定ジブ仕様のクレーン10Bに仕様変更する。図4に示す当該固定ジブ仕様は、ブーム14がブームヘッド14Bを備える固定ジブ仕様である。
第2のパターンでは、ラッフィングジブ仕様のクレーンから、第1のクレーン仕様のクレーンに仕様変更し、当該第1のクレーン仕様のクレーンから、例えば図11に示す固定ジブ仕様のクレーン10Cに仕様変更する。図11に示す固定ジブ仕様は、ブーム14がブームヘッド14B以外のブーム部材(例えば図11の部材先端部14C)を備える固定ジブ仕様である。
第3のパターンでは、ラッフィングジブ仕様のクレーンから、第2のクレーン仕様のクレーンに仕様変更し、当該第2のクレーン仕様のクレーンから、例えば図4に示す固定ジブ仕様のクレーン10Bに仕様変更する。
第4のパターンでは、ラッフィングジブ仕様のクレーンから、第2のクレーン仕様のクレーンに仕様変更し、当該第2のクレーン仕様のクレーンから、例えば図11に示す固定ジブ仕様のクレーン10Cに仕様変更する。
第5のパターンでは、ラッフィングジブ仕様のクレーンから、第1のタワー仕様のクレーンに仕様変更し、当該第1のタワー仕様のクレーンから、例えば図4に示す固定ジブ仕様のクレーン10Bに仕様変更する。
第6のパターンでは、ラッフィングジブ仕様のクレーンから、第1のタワー仕様のクレーンに仕様変更し、当該第1のタワー仕様のクレーンから、例えば図11に示す固定ジブ仕様のクレーン10Cに仕様変更する。
第7のパターンでは、ラッフィングジブ仕様のクレーンから、第2のタワー仕様のクレーンに仕様変更し、当該第2のタワー仕様のクレーンから、例えば図4に示す固定ジブ仕様のクレーン10Bに仕様変更する。
第8のパターンでは、ラッフィングジブ仕様のクレーンから、第2のタワー仕様のクレーンに仕様変更し、当該第2のタワー仕様のクレーンから、例えば図11に示す固定ジブ仕様のクレーン10Cに仕様変更する。
上記の第1のパターンでは、ラッフィングジブ仕様におけるブーム14のブームヘッド14Bは、第1のクレーン仕様におけるブーム14の先端部としてそのまま利用でき、しかも、固定ジブ仕様におけるブーム14の先端部14Bとしてもそのまま利用できる。
同様に、上記の第5のパターンでは、ラッフィングジブ仕様におけるブーム14のブームヘッド14Bは、第1のタワー仕様におけるブーム14の先端部としてそのまま利用でき、しかも、固定ジブ仕様におけるブーム14の先端部14Bとしてもそのまま利用できる。
ただし、上記の間接的な仕様変更、上記の8つのパターンに限定されない。また、上記の間接的な仕様変更における前記他の仕様は、前記クレーン仕様及び前記タワー仕様に限られず、これら以外の仕様であってもよい。
[その他の変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
前記実施形態に係る仕様変更方法は、スプレッダ48を上部ストラット22の先端部22Bから取り外す工程を備えていたが、当該工程は省略することができる。
図7~図10を参照して説明した前記第1実施形態の変形例に係る特徴は、第2実施形態に係るクレーンの仕様変更方法にも適用可能である。すなわち、第2実施形態に係る仕様変更方法は、前記補助シーブ取外工程と、前記補助シーブ取付工程とを備えていてもよい。
前記第1,第2実施形態では、ラッフィングジブ仕様における上部ストラット22を固定ジブ仕様における固定ジブ22として用いたが、これに限られず、上部ストラット22に代えて下部ストラット21を固定ジブ仕様における固定ジブ22として用いてもよい。
前記第1実施形態において、ラッフィングジブ仕様と固定ジブ仕様においてブーム14のブーム本体15とブームヘッド14Bとを兼用する場合であっても、ブームヘッド14Bを、ブーム本体15の先端部151から一旦取り外し、その後、ブーム本体15の先端部151に再び取り付けてもよい。
前記第1実施形態における固定工程では、ラッフィングジブ仕様における上部ストラット22を、ブーム14の先端部14Bから一旦取り外し、その後、当該上部ストラット22をブーム14の先端部14Bに再び取り付けてもよい。