JP2017154425A - ブランケット胴、印刷胴対及びオフセット輪転印刷機 - Google Patents
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Abstract
【課題】刷版装着用溝及びブランケット装着用溝に起因する版胴の振動を低減させることができると共に、刷版の端部に残留したインキが被印刷体の表面に印刷されることを抑制することが可能なブランケット胴、印刷胴対及びオフセット輪転印刷機を提供する。【解決手段】軸方向に沿って延びるブランケット装着用溝が形成されたブランケット胴本体と、ブランケット胴本体の外周面に装着されるシート状の印刷用ブランケットと、ブランケット胴本体のブランケット装着用溝に沿って延び、該ブランケット装着用溝に埋め込まれる埋め部材とを備え、埋め部材は、ブランケット胴本体に装着された印刷用ブランケットの外周面と周方向に連続する天面部を有し、該天面部が、印刷用ブランケットの外周面よりも高い撥インキ性を有している。【選択図】図3
Description
本発明は、オフセット輪転印刷機に用いられるブランケット胴並びに該ブランケット胴を備える印刷胴対及びオフセット輪転印刷機に関するものである。
従来、新聞用オフセット輪転印刷機に用いられる印刷ユニットは、多数のインキ供給ローラーを有するインキ供給装置と、刷版が装着される版胴と、ブランケットが装着されるブランケット胴とを備えており、インキ供給装置から供給されたインキが版胴を介してブランケット胴に供給され、ブランケット胴が走行する連続紙(被印刷体)と所定の圧力で接触することにより、連続紙に刷版の内容(文字や画像等)が転写されるよう構成されている。
このような印刷ユニットに用いられる従来の版胴は、軸方向に沿って延びる刷版装着用溝と、刷版装着用溝に連続する内部空間である収容部とが形成されており、刷版装着用溝のエッジ部に刷版の一端部を係止させると共に、収容部に収容された刷版装着装置の刷版装着用係止部材によって刷版の他端部を牽引することにより、刷版を周面に巻き付けるよう構成されている。また、従来のブランケット胴も同様に、軸方向に沿って延びるブランケット装着用溝と、ブランケット装着装置を収容する収容部とが形成されており、ブランケット装着用溝のエッジ部及びブランケット装着装置によってブランケットを周面に巻き付けるよう構成されている。
近年、新聞用オフセット輪転印刷機として、4(W)×1(L)の周面を有する版胴(所謂、1倍胴の版胴)と、4(W)×2(L)の周面を有するブランケット胴(所謂、2倍胴のブランケット胴)とを備えるオフセット輪転印刷機(以下、「4(W)×1(L)型オフセット輪転印刷機」という)が提案されている(例えば、特許文献1)。ここで、「4(W)×1(L)」とは、胴の周面が、新聞(例えばブランケット判)1頁の横幅の約4倍に相当する軸方向の長さ(W)を有し、かつ、新聞1頁の縦方向の長さと略等しい周方向の長さ(L)を有することを意味している。また、「4(W)×2(L)」とは、胴の周面が、新聞(例えばブランケット判)1頁の横幅の約4倍に相当する軸方向の長さを有し、かつ、新聞1頁の縦方向の長さの約2倍に相当する周方向の長さを有することを意味している。このような4(W)×1(L)型オフセット輪転印刷機は、4(W)×2(L)の周面を有する版胴と、4(W)×2(L)の周面を有するブランケット胴とを備える一般的なオフセット輪転印刷機と比較して、使用する刷版の量を減らすことができると共に、輪転印刷機の小型化及び軽量化を図ることができ、また、消費電力を抑えることができるという様々な利点を有するものである。
しかしながら、従来の4(W)×1(L)型オフセット輪転印刷機は、版胴の径が細く撓み易い上、図8に示すように、刷版装着用溝112が版胴110の一端部110aから他端部110bに亘って一本の直線状に形成されている。このため、印刷用ブランケット104,104が装着されたブランケット胴120と刷版102,102が装着された版胴110とが所定の印圧作用下で接触しながら回転している状態で、版胴110の刷版装着用溝112がブランケット胴120のブランケット装着用溝122と対向すると、版胴110の長手方向の全域に亘って印圧変動が生じ、この衝撃で版胴110が大きく振動し、連続紙(被印刷体)の表面にショック目やダブリ等の印刷障害が生じるおそれがあるという問題がある。また、このような版胴110の振動は、印刷障害だけでなく、版胴110や版胴110内に内蔵する刷版装着装置(図示せず)等の破損を引き起こすおそれがある。
そこで、本発明者は、鋭意検討の結果、ブランケット胴120のブランケット装着用溝122に埋め部材(図示せず)を取り付け、ブランケット装着用溝122を埋めることにより、ブランケット装着用溝122に起因する振動を低減させることを見出した。しかしながら、一般に、ブランケット装着用溝122の溝幅は、刷版装着用溝112の溝幅よりも大きく、それゆえ、ブランケット装着用溝122に埋め込まれる埋め部材の幅も、刷版装着用溝112の溝幅よりも大きく形成される。このため、版胴110の刷版装着用溝112に装着されている刷版102,102の端部に残留したインキが埋め部材に転移し、その結果、埋め部材に転移した残留インキが連続紙(被印刷体)の表面に印刷され、印刷品質が低下する等の不都合が生じるおそれがあるという新たな問題が生じた。
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、刷版装着用溝及びブランケット装着用溝に起因する版胴の振動を低減させることができると共に、刷版の端部に残留したインキが被印刷体の表面に印刷されることを抑制することが可能なブランケット胴、印刷胴対及びオフセット輪転印刷機を提供することにある。
本発明に係るブランケット胴は、軸方向に沿って延びるブランケット装着用溝が形成されたブランケット胴本体と、ブランケット胴本体の外周面に装着されるシート状の印刷用ブランケットと、ブランケット胴本体のブランケット装着用溝に沿って延び、該ブランケット装着用溝に埋め込まれる埋め部材とを備え、埋め部材は、ブランケット胴本体に装着された印刷用ブランケットの外周面と周方向に連続する天面部を有し、該天面部が、印刷用ブランケットの外周面よりも高い撥インキ性を有していることを特徴とする。
本発明に係るブランケット胴において、埋め部材の天面部は、印刷用ブランケットの外周面よりもインキに対する親和性が低い材料からなる撥インキ層を有するとしても良い。
この場合において、埋め部材の天面部は、撥インキ層と、撥インキ層に積層された粘着層とを有するシート材からなることが好ましい。
また、本発明に係るブランケット胴において、埋め部材は、印刷用ブランケットの外周面よりもインキに対する親和性が低い材料を含有する材料から形成されるとしても良い。
本発明に係るブランケット胴において、印刷用ブランケットは、長手方向の各端部にブランケット胴本体のブランケット装着用溝に対する取付部が設けられたシート状のブランケット本体と、ブランケット本体の長手方向の中央部において、該ブランケット本体の幅方向の一端部又はその近傍から幅方向の他端部又はその近傍に亘って、該ブランケット本体の幅方向に沿って設けられた帯状の撥インキ部とを備え、埋め部材の天面部及び印刷用ブランケットの撥インキ部は、ブランケット本体の外周面よりも高い撥インキ性を有することが好ましい。
この場合において、撥インキ部は、ブランケット本体の外周面よりもインキに対する親和性が低い材料からなる撥インキ層と、撥インキ層をブランケット本体の外周面に貼り付ける粘着層とを有するシート材からなることが好ましい。
本発明に係る印刷胴対は、上述したブランケット胴と、外周面に刷版が装着された版胴とを備え、ブランケット胴の印刷用ブランケットと版胴の刷版とが接触した状態で印刷稼働回転することにより、刷版のインキを印刷用ブランケットを介して被印刷体に印刷する印刷胴対であって、ブランケット胴は、版胴の周長の2倍の周長を有していることを特徴とする。
また、本発明に係るオフセット輪転印刷機は、上述した印刷胴対を備えることを特徴とする。
本発明によれば、刷版装着用溝及びブランケット装着用溝に起因する版胴の振動を低減させることができると共に、刷版の端部に残留したインキが被印刷体の表面に印刷されることを抑制することが可能なブランケット胴、印刷胴対及びオフセット輪転印刷機を提供することができる。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
まず、第1実施形態に係るオフセット輪転印刷機について、図1〜図6を用いて説明する。第1実施形態に係るオフセット輪転印刷機は、4(W)×1(L)型オフセット輪転印刷機であり、連続紙(被印刷体)をロール状に巻いたロール紙をセットする連続紙供給ユニット(図示せず)と、連続紙供給ユニットから供給される連続紙の両面にオフセット印刷を施す印刷ユニット(図示せず)と、オフセット印刷後の連続紙を断裁して個々の枚葉状シートを形成すると共に、一枚の枚葉状シート又は複数の枚葉状シートからなる枚葉状シート群を折り畳んで折丁を形成する折機(図示せず)と、折機により形成された折丁を更に二つ折りする等の所定の処理を行い集積する後処理機構(図示せず)と、各構成の各種制御を実行する一又は複数の制御部(図示せず)とを備えている。なお、第1実施形態に係るオフセット輪転印刷機において、連続紙供給ユニット、折機、後処理機構及び制御部は、種々の公知のものを任意に用いることができるため、その説明を省略する。
印刷ユニットは、多数のインキ供給ローラーを有するインキ供給装置(図示せず)と、インキ供給装置から供給されたインキによって連続紙(被印刷体)に印刷を行う印刷胴対1とを備えている。また、印刷胴対1は、図1及び図2に示すように、印刷用ブランケット20a,20bが軸方向に並べて2つ装着されるブランケット胴10と、刷版32,34が軸方向に並べて2つ装着される版胴30とを備えている。
この印刷ユニットは、従来の印刷ユニットと同様に、ブランケット胴10の印刷用ブランケット20a,20bと版胴30の刷版32,34とが接触した状態で印刷稼働回転することにより、インキ供給装置から供給されたインキが版胴30の刷版32,34を介してブランケット胴10の印刷用ブランケット20a,20bに供給され、印刷用ブランケット20a,20bが走行する連続紙(被印刷体)と所定の圧力で接触することにより、連続紙に刷版32,34の内容(文字や画像等)が転写されるよう構成されている。
なお、第1実施形態に係る印刷ユニットにおいて、インキ供給装置は、種々の公知のものを任意に用いることができるため、その説明を省略する。また、図1、図2及び図6では、ブランケット胴10のブランケット胴本体11及び印刷用ブランケット20a,20bと、版胴30の版胴本体31及び刷版32,34のみを図示し、例えばブランケット胴本体11及び版胴本体31の両端部に設けられる取付け軸や、ブランケット胴10のブランケット装着用溝12,14内に装備されるブランケット装着機構16(図3参照)や、版胴30の刷版装着用溝36内に装備される刷版装着機構等については、種々の公知の構造を採用できるため、図示を省略している。
ブランケット胴10は、図1及び図2に示すように、円柱状に形成されたブランケット胴本体11と、ブランケット胴本体11の周面部分に軸方向に並べて2つ装着された印刷用ブランケット20a,20bと、ブランケット胴本体11のブランケット装着用溝12,14に埋め込まれる埋め部材(フィラー)40とを備えている。なお、図2は、図1(a)に示す状態から、ブランケット胴10が半回転(180度回転)し、版胴30が1回転(360度回転)した状態を示している。
ブランケット胴本体11は、新聞1頁の横方向の長さの4倍に略等しい軸方向の長さ(W)と、新聞1頁の縦方向の長さの2倍に略等しい周方向の長さ(L)とを有する周面を有し、この周面部分に図4に示すような印刷用ブランケット20a,20bを軸方向に並べて2つ装着することが可能な所謂4(W)×2(L)型の回転体(2倍胴)である。このブランケット胴本体11は、その両端部にそれぞれ取付け軸(図示せず)が設けられており、これら取付け軸が軸受け(図示せず)を介してフレーム(図示せず)に取り付けられ、一方の取付け軸に接続される回転駆動手段(図示せず)により、版胴30の周速度と同期して同速で回転駆動されるよう構成されている。
また、ブランケット胴本体11は、図1(a)に示すように、軸方向の一端部10aから軸方向の中央部(中間位置)に亘って開口する第1ブランケット装着用溝12と、図2に示すように、軸方向の他端部10bから軸方向の中央部(中間位置)に亘って開口する第2ブランケット装着用溝14とが形成されている。これら第1ブランケット装着用溝12及び第2ブランケット装着用溝14は、それぞれ、ブランケット胴本体11の軸方向長さの二分の一の長さを有し、ブランケット胴本体11の軸方向と平行となるよう形成されている。また、これら第1ブランケット装着用溝12及び第2ブランケット装着用溝14は、互いに周方向の位置を180度ずらして形成されている。すなわち、第2ブランケット装着用溝14は、図2に示すように、第1ブランケット装着用溝12に対してブランケット胴本体11の周方向に180度の間隔をおいて形成されている。
第1ブランケット装着用溝12及び第2ブランケット装着用溝14は、図3に示すように、それぞれ、その溝内にブランケット装着機構16を収容可能な収容凹部17が形成されている。第1ブランケット装着用溝12及び第2ブランケット装着用溝14の回転方向後方側の端縁部(エッジ部15a)は、収容凹部17内の咥え側の壁部とブランケット胴本体11の外周面との交点を頂点とした角度が鋭角となるよう構成されている。収容凹部17内の咥え側の壁部には、印刷用ブランケット20a,20bの後述する咥え側取付部26が係合可能な係止凹部15bが形成されており、この係止凹部15bに印刷用ブランケット20a,20bの咥え側取付部26を係合させることにより、印刷用ブランケット20a,20bの咥え側端部がエッジ部15aに係止されるよう構成されている。ここで、版胴回転方向とは、図3に示す矢印Aの方向である。
ブランケット装着機構16は、図3に示すように、第1ブランケット装着用溝12又は第2ブランケット装着用溝14に沿って延びる棒状の巻込み軸と、巻込み軸を角変位(回転)させる操作手段とを備えており、この巻込み軸に、印刷用ブランケット20a,20bの後述する咥え尻側取付部28が係合可能な溝部16aが形成されている。このブランケット装着機構16は、巻込み軸の溝部16aに印刷用ブランケット20a,20bの咥え尻側取付部28を係合させた状態で操作手段によって巻込み軸を角変位させることにより、印刷用ブランケット20a,20bの咥え尻側取付部28を脱着させるよう構成されている。なお、第1実施形態に係るブランケット胴10において、ブランケット装着機構16は、図示の例に限定されず、種々の公知のブランケット装着機構を採用可能である。
印刷用ブランケット20a,20bは、図4に示すように、それぞれ、シート状のブランケット本体22と、ブランケット本体22の長手方向の中央部において、ブランケット本体22の幅方向に沿って設けられた帯状の撥インキ部24とを備えている。
ブランケット本体22は、布製のシート材からなる基布層と、基布層上に積層された弾性層とを備えるシート状ブランケットであり、長手方向の一端部にブランケット胴本体11の係止凹部15bに係止される咥え側取付部26が設けられ、長手方向の他端部にブランケット装着機構16の溝部16aに係止される咥え尻側取付部28が設けられている。このブランケット本体22は、ブランケット胴本体11の軸方向長さの半分の幅方向長さと、ブランケット胴本体11の外周面に1周して装着可能な長手方向長さとを有している。なお、ブランケット本体22は、公知の布製ブランケットを用いることができるため、その詳細な説明は省略する。
撥インキ部24は、ブランケット本体22の外周面(表面)よりも高い撥インキ性を有しており、図1(a)、図2及び図4に示すように、ブランケット本体22の長手方向の中央部(中間位置)において、ブランケット本体22の幅方向の一端部又はその近傍から幅方向の他端部又はその近傍に亘って、ブランケット本体22の幅方向に沿って帯状に設けられている。この撥インキ部24は、ブランケット本体22の外周面よりもインキに対する親和性が低い材料からなる撥インキ層と、撥インキ層の下面側に積層され、撥インキ層をブランケット本体22の外周面に貼り付ける粘着層とを有する撥インキ性シート材をブランケット本体22の外周面に貼り付けることにより形成されている。撥インキ層は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の高い撥インキ性を有する材料(インキに対する親和性が低い材料)から形成されている。
一方の印刷用ブランケット20aは、図1に示すように、咥え側取付部26及び咥え尻側取付部28がブランケット胴本体11の第1ブランケット装着用溝12内に差入れられ、咥え尻側取付部28が第1ブランケット装着用溝12内に装備されたブランケット装着機構16によって溝内に引き込まれることにより、第1ブランケット装着用溝12が形成された側のブランケット胴本体11の外周面に均等に緊張した状態で装着されるよう構成されている。また、他方の印刷用ブランケット20bは、図2に示すように、一方の印刷用ブランケット20aと同様の方法により、第2ブランケット装着用溝14が形成された側のブランケット胴本体11の外周面に均等に緊張した状態で装着されるよう構成されている。
埋め部材40は、図1〜図3及び図5に示すように、ブランケット胴本体11のブランケット装着用溝12,14に沿って延びる長尺な埋め部材本体42と、埋め部材本体42の天面全域に貼り付けられた長尺な撥インキ性シート材(天面部)48とを備えている。
埋め部材本体42は、図3及び図5に示すように、頭部44と、頭部44から下方かつブランケット胴10の回転方向の後方側(図3の左側)に向けて傾斜して延びる脚部46とを有しており、第1ブランケット装着用溝12(第2ブランケット装着用溝14)の軸方向の長さと略等しい軸方向の長さを有している。
脚部46は、斜め下方に向けて先細りとなる楔形の断面形状を有しており、印刷用ブランケット20a(20b)が装着された状態のブランケット胴本体11の第1ブランケット装着用溝12(第2ブランケット装着用溝14)に差し込み可能な大きさを有している。脚部46は、印刷用ブランケット20a(20b)が装着された状態のブランケット胴本体11の第1ブランケット装着用溝12(第2ブランケット装着用溝14)に差し込まれた際に、図3に示すように、ブランケット胴10の回転方向の後方側(図3の左側)を向く第1傾斜面46aがブランケット本体22の咥え側の外周面と密に接触すると共に、ブランケット胴10の回転方向の前方側(図3の右側)を向く第2傾斜面46bがブランケット本体22の咥え尻側の外周面と密に接触し、ブランケット本体22との間の接触摩擦及びブランケット本体22からの反力等によって、第1ブランケット装着用溝12(第2ブランケット装着用溝14)からの抜け出しが防止されるよう構成されている。脚部46の第1傾斜面46aには、金属板等の硬質の補強板材47が設けられており、頭部44よりも脚部46の強度が高くなるよう構成されている。
頭部44は、下方に向けて先細りとなる略逆三角形の断面形状を有しており、印刷用ブランケット20a(20b)が装着された状態のブランケット胴本体11の第1ブランケット装着用溝12(第2ブランケット装着用溝14)に脚部46が差し込まれた際に、印刷用ブランケット20a(20b)の咥え側及び咥え尻側の屈曲部にフィットし、第1ブランケット装着用溝12(第2ブランケット装着用溝14)を塞ぐことが可能な大きさを有している。頭部44の天面は、平面状又はブランケット胴10の回転方向に湾曲する曲面状に形成されており、撥インキ性シート材48を貼り付け可能に構成されている。
以上の埋め部材本体42は、例えば、所定の剛性及び緩衝性を有する素材、例えばニトリルゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、シリコーンゴム(Q)及びエチレンプロピレンゴム(EPM)等から形成されている。埋め部材本体42は、印圧変動を抑制する観点から、ブランケット胴本体11と同程度の硬度を有することが好ましい。
撥インキ性シート材48は、図3及び図5に示すように、埋め部材本体42の天面全域を被覆可能な大きさを有する帯状のシート材であり、図3に示すように、ブランケット本体22の外周面及びブランケット胴本体11の外周面よりもインキに対する親和性が低い材料からなる撥インキ層48aと、撥インキ層48aを埋め部材本体42の天面に貼り付ける粘着層48bとを有している。撥インキ層は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の高い撥インキ性を有する材料(インキに対する親和性が低い材料)から形成されている。この撥インキ性シート材48は、埋め部材本体42の天面全域に貼り付けられることにより、埋め部材40の天面部を構成している。
以上の埋め部材40は、図1〜図3に示すように、埋め部材本体42が、印刷用ブランケット20a(20b)が装着された状態のブランケット胴本体11の第1ブランケット装着用溝12(第2ブランケット装着用溝14)に差し込まれることにより、撥インキ性シート材48の外周面(埋め部材40の天面部)が、ブランケット胴本体11に装着された印刷用ブランケット20a(20b)の外周面と周方向に連続し、撥インキ性シート材48の外周面(埋め部材40の天面部)と印刷用ブランケット20a(20b)の外周面とが一体となってブランケット胴10の外周面を形成するよう構成されている。
以上のとおり、第1実施形態に係るブランケット胴10は、図1及び図2に示すように、第1ブランケット装着用溝12及び第2ブランケット装着用溝14が周方向に180度ずれて形成され、これら第1ブランケット装着用溝12及び第2ブランケット装着用溝14にそれぞれ埋め部材40が埋め込まれると共に、長手方向(ブランケット胴本体11に巻き付けられた際の周方向)の中央部に撥インキ部24が設けられた印刷用ブランケット20a,20bを、第1ブランケット装着用溝12が形成された側のブランケット胴本体11の外周面と、第2ブランケット装着用溝14が形成された側のブランケット胴本体11の外周面とにそれぞれ装着させるよう構成されている。すなわち、第1実施形態に係るブランケット胴10は、第1ブランケット装着用溝12及び第2ブランケット装着用溝14に印刷用ブランケット20a,20b及び埋め部材40,40が装着された際に、埋め部材40の撥インキ性の天面部(撥インキ性シート材48)と印刷用ブランケット20a,20bの撥インキ部24とがそれぞれブランケット胴10の軸方向に沿って一直線状に並び、これにより、ブランケット胴10の軸方向の一端部から他端部に亘って延びる帯状の撥インキ部が、周方向に180度の間隔をおいて二本形成されるよう構成されている。
版胴30は、図1(a)及び図2に示すように、円柱状に形成された版胴本体31と、版胴本体31の周面部分に軸方向に並べて2つ装着された刷版32,34とを備えている。
版胴本体31は、新聞1頁の横方向の長さの4倍に略等しい軸方向の長さ(W)と、新聞1頁の縦方向の長さと略等しい周方向の長さ(L)とを有する周面を有し、この周面部分に刷版32,34を軸方向に並べて2つ装着することが可能な所謂4(W)×1(L)型の回転体(1倍胴)である。この版胴本体31は、その両端部にそれぞれ取付け軸(図示せず)が設けられており、これら取付け軸が軸受け(図示せず)を介してフレーム(図示せず)に取り付けられ、一方の取付け軸に接続される回転駆動手段(図示せず)により、ブランケット胴10の周速度と同期して同速で回転駆動されるよう構成されている。
また、版胴本体31は、軸方向の一端部から他端部に亘って開口する刷版装着用溝36が形成されている。刷版装着用溝36は、その溝内に刷版装着機構(図示せず)を装備する溝であり、版胴本体31の軸方向長さと等しい長さを有し、版胴本体31の軸方向と平行となるよう形成されている。
刷版32,34は、金属製の可撓性を有する薄板材から形成されており、長手方向の一方側の端縁部を折り曲げることにより形成された咥え側端部37と、長手方向の他方側の端縁部を折り曲げることにより形成された咥え尻側端部38とを備えている。刷版32,34は、版胴本体31の軸方向長さの半分の幅方向長さと、版胴本体31の周方向長さよりも咥え側端部37及び咥え尻側端部38分だけ長い長手方向長さとを有している。なお、刷版32,34は、公知の刷版を用いることができるため、その詳細な説明は省略する。また、刷版32,34は、版胴本体31の軸方向長さの4分の1の幅方向長さを有するものを用いても良く、この場合には、版胴本体31の周面部分に軸方向に並べて4つ装着されることとなる。
この刷版32,34は、それぞれ、咥え側端部37及び咥え尻側端部38が版胴本体31の刷版装着用溝36内に差入れられ、刷版装着用溝36内に装備された刷版装着機構(図示せず)によって咥え尻側端部38が溝内に引き込まれることにより、版胴本体31の外周面に均等に緊張した状態で装着されるよう構成されている。
第1実施形態に係るオフセット輪転印刷機は、図6(a)〜図6(d)に示すように、印刷用ブランケット20a,20b及び埋め部材40,40が装着されたブランケット胴10と、刷版32,34が装着された版胴30とを、一組の印刷胴対として組み合わせ、印刷稼働時に、二組の印刷胴対が、それぞれのブランケット胴10に装着された印刷用ブランケット20a,20bの外周面を、例えば連続紙である被印刷体Wを介して、互いに押付けられて接触させられ、互いに周面の接触位置が被印刷体Wを走行させる方向に変位して回転するよう構成されている。
具体的には、両ブランケット胴10,10は、図6(a)及び図6(c)に示すように、印刷稼動回転時において、第1ブランケット装着用溝12及び第2ブランケット装着用溝14にそれぞれ装着された埋め部材40,40並びにこれら埋め部材40,40の撥インキ性の天面部に軸方向に連続する印刷用ブランケット20a,20bの撥インキ部24,24が、被印刷体Wを介して互いに相対する関係で配されている。また、各印刷胴対は、図6(b)及び図6(d)に示すように、印刷稼動回転時において、ブランケット胴10に装着された印刷用ブランケット20a,20bの外周面と版胴30に装着された刷版32,34の版面が接触して互いに接触周面が同一方向に変位して回転するとともに、ブランケット胴10の一方のブランケット装着用溝(第1ブランケット装着用溝12又は第2ブランケット装着用溝14)に装着された埋め部材40の撥インキ性の天面部及びこの埋め部材40の撥インキ性の天面部に連続する印刷用ブランケット(印刷用ブランケット20b又は印刷用ブランケット20a)の撥インキ部24と、版胴30の刷版装着用溝36の開口とが相対する関係で配されている。そして、この印刷胴対では、ブランケット胴10が2倍胴であり、版胴30が1倍胴であることから、ブランケット胴10が1回転したときに版胴30が2回転するよう構成されている。
以上説明したとおり、第1実施形態に係るブランケット胴10は、軸方向に沿って延びるブランケット装着用溝12,14が形成されたブランケット胴本体11と、ブランケット胴本体11の外周面に装着されるシート状の印刷用ブランケット20a,20bと、ブランケット胴本体11のブランケット装着用溝12,14に沿って延び、ブランケット装着用溝12,14に埋め込まれる埋め部材40とを備え、埋め部材40は、ブランケット胴本体11に装着された印刷用ブランケット20a,20bの外周面と周方向に連続する天面部(撥インキ性シート材48)を有し、この天面部が印刷用ブランケット20a,20bの外周面よりも高い撥インキ性を有している。
このようなブランケット胴10によれば、ブランケット胴本体11のブランケット装着用溝12,14に、印刷用ブランケット20a,20bの外周面と周方向に連続する天面部を有する埋め部材40が埋め込まれることにより、ブランケット装着用溝12,14に起因する凹みを無くす又は低減させることが可能となるため、ブランケット装着用溝12,14に起因する振動を低減させることができる。また、第1実施形態に係るブランケット胴10によれば、埋め部材40の天面部(撥インキ性シート材48)が撥インキ性を有していることにより、刷版32,34の折曲げ位置近傍の刷版32,34面上に残留するインキが埋め部材40の天面部に転移されることを効果的に抑制することができ、これにより、残留インキが埋め部材40の天面部を介して被印刷体Wの表面に印刷されることを確実に防止することができる。
また、第1実施形態に係るブランケット胴10では、印刷用ブランケット20a,20bの長手方向(ブランケット胴本体11に巻き付けられた際の周方向)の中央部にも撥インキ部24が設けられていることにより、埋め部材40の天面部に対する残留インキの転移だけでなく、印刷用ブランケット20a,20bに対する転移をも効果的に抑制することができるため、版胴30の残留インキがブランケット胴10を介して被印刷体Wの表面に印刷されることをより確実に防止することができる。特に、第1実施形態に係るブランケット胴10では、特許文献1に記載の印刷用ブランケットと異なり、印刷用ブランケットの中央部(中間位置)に凹みを形成する必要がないため、ブランケット胴10と版胴30とが印圧作用下で接触しながら回転した場合であっても印圧変動が生じることがなく、被印刷体Wの表面にショック目やダブリ等の印刷障害が生じるおそれや、印圧変動に伴う版胴の振動の発生を効果的に抑制することができる。
さらに、特許文献1に記載の印刷用ブランケットは、基部が可撓製を有する金属製の板材からなり、この基部の表面上に弾性層(ゴム層)が貼り付けられて構成される、所謂メタルバックブランケットであるため、基部が布製のブランケットと比較するとコストが割高であり、ランニングコストが嵩むという問題がある。これに対し、第1実施形態に係るブランケット胴10では、基部が布製の安価な印刷用ブランケット20a,20bを用いることができるため、ランニングコストを低減させることができる。
次に、第2実施形態に係るオフセット輪転印刷機について、図7を用いて説明する。なお、第2実施形態に係るオフセット輪転印刷機において、埋め部材40´以外の構成については、第1実施形態に係るオフセット輪転印刷機と同様の構成を採用することが可能であるため、それらの説明を省略する。
第2実施形態に係る埋め部材40´は、第1実施形態に係る埋め部材40と異なり、撥インキ層48a及び粘着層48bを有する撥インキ性シート材48を有しておらず、補強板材47´を除く埋め部材40´の全体が、ブランケット本体22の外周面よりもインキに対する親和性が低い材料を含有する材料から形成されている。このような埋め部材40´を形成する材料としては、例えば、埋め部材40´を構成する主たる素材、例えばニトリルゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、シリコーンゴム(Q)及びエチレンプロピレンゴム(EPM)等の所定の剛性及び緩衝性を有する素材に、撥油・撥水性を付加する添加材、例えばモリブデン(MO)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ニッケル(Ni)、胴(Cu)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、銀(Ag)及び金(Au)等を添加したものを用いることが可能である。
このような第2実施形態に係る埋め部材40´によれば、第1実施形態に係る埋め部材40と同様に、ブランケット胴本体11のブランケット装着用溝12,14に埋め込まれることにより、刷版装着用溝36及びブランケット装着用溝12,14に起因する版胴30の振動を低減させることができる。また、第2実施形態に係る埋め部材40´によれば、第1実施形態に係る埋め部材40と同様に、ブランケット胴本体11に装着された印刷用ブランケット20a,20bの外周面と周方向に連続する天面部がブランケット本体22の外周面よりも高い撥インキ性を有することにより、刷版32,34の端部に残留したインキが被印刷体の表面に転移されることを抑制することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に記載の範囲には限定されない。上記各実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
例えば、上述した実施形態における説明では、ブランケット本体22が、布製のシート材からなる基布層と、基布層上に積層された弾性層とを備えるものとして説明したが、これに限定されず、種々のブランケット本体を用いることが可能である。
上述した実施形態における説明では、ブランケット胴10が4(W)×2(L)の周面を有し、版胴30が4(W)×1(L)の周面を有するものとして説明したが、これに限定されず、ブランケット胴の周長が版胴の周長の整数倍であれば良い。
上述した実施形態における説明では、印刷用ブランケット20a,20bの撥インキ部24が撥インキ層及び粘着層を有する撥インキ性シート材からなるものとして説明したが、これに限定されず、例えばブランケット本体22の外周面に、ブランケット本体22の外周面よりもインキに対する親和性が低い(撥インキ性が高い)材料からなる撥インキ剤が塗布されることにより形成された薄膜(撥インキ層)であるとしても良い。また、上述した実施形態における説明では、埋め部材40の天面部が、埋め部材本体42の天面に貼り付けられた撥インキ性シート材48により構成されるものとして説明したが、これに限定されず、埋め部材本体42の天面に撥インキ剤が塗布されることにより形成された薄膜(撥インキ層)であるとしても良い。このような撥インキ剤としては、例えば、有機化合物(有機溶媒)と有機塩素化合物からなる混合物、又は、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、アラビアゴム、高吸水性樹脂、寒天若しくはセルロース系樹脂又はこれらを2種以上混合させた混合物を例示することができる。アラビアゴム等の湿し水に溶解するものは、水なし版を使用する場合にのみ使用可能である。また、親水性基を多く含むものや、水分を多量に含有することができる物質を使用する場合には、水分と共にグリセリン等のアルコールを含有させて、膨潤の程度を調整することが好ましい。
上述した実施形態における説明では、埋め部材本体42の脚部46の第1傾斜面46aに補強板材47,47´が設けられるものとして説明したが、これに限定されず、脚部46の第2傾斜面46bに補強板材47,47´が設けられる構成としても良いし、脚部46に補強板材47,47´が設けられない構成としても良い。また、脚部46に補強板材47,47´が設けられない構成とした場合には、例えば、埋め部材本体42を形成する材料における硬化助剤の混合比率を変えることにより、脚部46を硬質(例えばデュロメーター硬さが90〜100程度)に形成し、頭部44の天面近傍、例えば天面から1.5〜2ミリメートル程度を軟質(例えばデュロメーター硬さが30〜80程度)に形成しても良いし、硬化助剤の混合比率を変えずに、頭部44及び脚部46を略同程度の硬さに形成しても良い。さらに、埋め部材40,40´は、上述した実施形態の構成に限定されずに、ブランケット装着用溝12,14に埋め込み可能で、かつ、ブランケット胴本体11に装着された印刷用ブランケット20a,20bの外周面と周方向に連続する天面部を有し、この天面部が印刷用ブランケット20a,20bの外周面よりも高い撥インキ性を有するものであれば、種々の構成のものを採用することが可能である。
1 印刷胴対、10 ブランケット胴、11 ブランケット胴本体、12 第1ブランケット装着用溝、14 第2ブランケット装着用溝、15a エッジ部、15b 係止凹部、16 ブランケット装着機構、16a 溝部、17 収容凹部、20a,20b 印刷用ブランケット、22 ブランケット本体、24 撥インキ部、26 咥え側取付部、28 咥え尻側取付部、30 版胴、31 版胴本体、32,34 刷版、36 刷版装着用溝、40,40´ 埋め部材、42 埋め部材本体、44 頭部、46 脚部、46a 第1傾斜面、46b 第2傾斜面、47,47´ 補強板材、48 撥インキ性シート材(天面部)、48a 撥インキ層、48b 粘着層
Claims (8)
- 軸方向に沿って延びるブランケット装着用溝が形成されたブランケット胴本体と、
ブランケット胴本体の外周面に装着されるシート状の印刷用ブランケットと、
ブランケット胴本体のブランケット装着用溝に沿って延び、該ブランケット装着用溝に埋め込まれる埋め部材と
を備え、
埋め部材は、ブランケット胴本体に装着された印刷用ブランケットの外周面と周方向に連続する天面部を有し、該天面部が、印刷用ブランケットの外周面よりも高い撥インキ性を有している
ことを特徴とするブランケット胴。 - 請求項1に記載のブランケット胴であって、
埋め部材の天面部は、印刷用ブランケットの外周面よりもインキに対する親和性が低い材料からなる撥インキ層を有している
ことを特徴とするブランケット胴。 - 請求項2に記載のブランケット胴であって、
埋め部材の天面部は、撥インキ層と、撥インキ層に積層された粘着層とを有するシート材からなる
ことを特徴とするブランケット胴。 - 請求項1に記載のブランケット胴であって、
埋め部材は、印刷用ブランケットの外周面よりもインキに対する親和性が低い材料を含有する材料から形成されている
ことを特徴とするブランケット胴。 - 請求項1〜4いずれか1項に記載のブランケット胴であって、
印刷用ブランケットは、
長手方向の各端部にブランケット胴本体のブランケット装着用溝に対する取付部が設けられたシート状のブランケット本体と、
ブランケット本体の長手方向の中央部において、該ブランケット本体の幅方向の一端部又はその近傍から幅方向の他端部又はその近傍に亘って、該ブランケット本体の幅方向に沿って設けられた帯状の撥インキ部と
を備え、
埋め部材の天面部及び印刷用ブランケットの撥インキ部は、ブランケット本体の外周面よりも高い撥インキ性を有している
ことを特徴とするブランケット胴。 - 請求項5に記載のブランケット胴であって、
撥インキ部は、ブランケット本体の外周面よりもインキに対する親和性が低い材料からなる撥インキ層と、撥インキ層をブランケット本体の外周面に貼り付ける粘着層とを有するシート材からなる
ことを特徴とするブランケット胴。 - 請求項1〜6いずれか1項に記載のブランケット胴と、外周面に刷版が装着された版胴とを備え、ブランケット胴の印刷用ブランケットと版胴の刷版とが接触した状態で印刷稼働回転することにより、刷版のインキを印刷用ブランケットを介して被印刷体に印刷する印刷胴対であって、
ブランケット胴は、版胴の周長の2倍の周長を有している
ことを特徴とする印刷胴対。 - 請求項7に記載の印刷胴対を備える
ことを特徴とするオフセット輪転印刷機。
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---|---|---|---|
JP2016040944A JP2017154425A (ja) | 2016-03-03 | 2016-03-03 | ブランケット胴、印刷胴対及びオフセット輪転印刷機 |
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JP2016040944A Pending JP2017154425A (ja) | 2016-03-03 | 2016-03-03 | ブランケット胴、印刷胴対及びオフセット輪転印刷機 |
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JP (1) | JP2017154425A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019127019A (ja) * | 2018-01-26 | 2019-08-01 | 三菱重工機械システム株式会社 | ブランケット及びブランケット胴並びに印刷機 |
JP7477854B2 (ja) | 2019-11-06 | 2024-05-02 | 株式会社東京機械製作所 | ブランケット胴、印刷ユニット及びオフセット輪転印刷機 |
-
2016
- 2016-03-03 JP JP2016040944A patent/JP2017154425A/ja active Pending
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