JP2009061613A - インキ供給ローラ - Google Patents

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Hideaki Sakurai
秀明 櫻井
Fumito Kajitani
史人 梶谷
Shigeo Makino
重雄 牧野
Yukikazu Shoji
幸和 小路
Yoshiaki Kanda
義昭 神田
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Abstract

【課題】印刷機に装備され、刷版表面にインキを供給するインキ供給ローラに関し、インキ供給ローラを一つだけに低減しながらも刷版表面に均等なインキ膜厚を形成することができるようにする。
【解決手段】印刷機に装備され、刷版の表面にインキを供給するインキ供給ローラであって、ローラ基材10と、ローラ基材10の外周に装備された表層部11とをそなえ、表層部11の外周に位置して刷版表面に接触しインキを転写する転写層12が、硬度50〜100°の高硬度ゴムにより形成されるように構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、印刷機に装備され、刷版の表面にインキを供給するインキ供給ローラに関するものである。
オフセット印刷機では、版胴に装備された刷版に供給されたインキをブランケット胴に一旦転写した後、印刷用紙に転写する。また、この時の版胴の表面(つまり、刷版の表面)へのインキの供給には、インキ供給ローラが用いられる(特許文献1参照)。なお、インキ供給ローラには、インキ壷等から多数の練りローラ群を経てインキが供給される。
例えば、図7は従来技術にかかる印刷機のインキ系統の要部構成図であり、図7に示すように、1つの版胴1に対して複数(ここでは3個)のインキ供給ローラ3a〜3cが接触可能に配備され、インキ供給ローラ3a〜3cから版胴1に供給されたインキがブランケット胴2から印刷用紙4に転写されるようになっている。
このように複数のインキ供給ローラをそなえるのは、単一のインキ供給ローラにより版胴へインキを転移させると、刷版表面への転移量が不均等になり易いが、複数のインキ供給ローラにより版胴へインキを転移させれば、インキの転移量を均等化し、刷版表面に均等なインキ膜厚状態にインキを供給することができるためである。
ところで、従来のインキ供給ローラの表面は、鉄等の金属性のローラ基材の表面に、インキを刷版表面へ転写する転写層としてゴム層を設けたものである。ゴム層のゴム材質としては、NBR(ニトリルゴム)等が用いられている。特に、ゴム硬度30°(新JIS K 6253)のゴムを用い、ゴム層を10mm程度の厚みに形成している。
インキ供給ローラの表面にゴムを用いるのは、インキ供給ローラが版胴の刷版に圧接しても刷版表面に損傷を与えないようにするためである。また、NBRを用いるのは、圧縮永久歪み,引張り強さ,耐磨耗性,耐油性といった点で優れているためである。
ゴム硬度30°と比較的柔らかいゴムを用いることやゴム層を10mmと比較的大きく採っているのは、インキ供給ローラが版胴のギャップを乗り越える際のショックを低減するためである。
特開2001−219542号公報
ところで、上述のように複数のインキ供給ローラを設けると、刷版表面に均等なインキ膜厚を形成するのに有利ではあるものの、印刷機の構成の簡素化や印刷機稼動時の消費エネルギの抑制を考えると、インキ供給ローラの数は少ないほうが好ましく、インキ供給ローラを一つだけに低減することが最も好ましい。
しかしながら、刷版表面に均等なインキ膜厚を形成し難くなり、均等なインキ膜厚を形成できなければ、版面へのインキ転移不良が発生し、印刷品質低下が起こる。
そこで、インキ供給ローラを一つだけに低減しながらも刷版表面に均等なインキ膜厚を形成することができる技術の開発が要望されている。
また、従来のゴム層の場合、刷版表面への押付けにより、ゴムの潰れによるスリップの発生が原因と思われる転写層の潰れ(バルジ)が発生し、印刷品質の低下原因ともなっている。
本発明はこのような課題に鑑み案出されたもので、インキ供給ローラを一つだけに低減しながらも刷版表面に均等なインキ膜厚を形成し印刷品質を確保することができるようにした、インキ供給ローラを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明(請求項1)は、印刷機に装備され、刷版の表面にインキを供給するインキ供給ローラであって、ローラ基材と、該ローラ基材の外周に装備された表層部とをそなえ、前記表層部の外周に位置して刷版表面に接触しインキを転写する転写層が、硬度50〜100°の高硬度ゴムにより形成されていることを特徴としている。
転写層に用いる高硬度ゴムの硬度は、60〜100°であることがより好ましく、70〜90°であることがさらに好ましい。
前記表層部の前記転写層の直下に、圧縮力を受けると収縮する圧縮層をそなえていることが好ましい(請求項2)。この圧縮層には、例えば発泡ゴムを用いることができる。
前記表層部の前記圧縮層の直下に、圧縮力を受けても収縮しない非圧縮層をそなえていることが好ましい(請求項3)。この非圧縮層には、例えばPETフィルムを用いることができる。
前記表層部はシート状に形成され、前記ローラ基材の外周に巻き付けて装着されていることが好ましい(請求項4)。この場合、表層部を巻付け機構等によりローラ基材に巻き付け固定する。
あるいは、前記表層部はスリーブ状に形成され、前記ローラ基材の外周に配置されていることが好ましい(請求項5)。この場合、表層部をローラ基材とは別体に形成してローラ基材の外周に巻き付け固定するか、或いは、ローラ基材上に表層部を直に加硫成形してもよい。
さらに、インキ供給ローラの有効径が、前記刷版が装着された版胴の該刷版を含む外径と等しく設定されていることが好ましい(請求項6)。
この場合、インキ供給ローラが、前記版胴に対して1つだけそなえられていることが好ましい(請求項7)。
本発明のインキ供給ローラ(請求項1)によれば、表層部の外周に位置し刷版表面に接触しインキを転写する転写層が、硬度50〜100°の高硬度ゴムにより形成されているので、転写層の刷版表面への接触面積をある程度確保しながら、転写層の刷版表面への押付圧を高めることができ、接触面積の確保により刷版表面での画像形成性(画線部と非画線部との分離)を確保しながら、押付圧向上によるインキ転写性能を高めることができる。このため、従来、版胴周りに複数そなえていたインキ供給ローラの数を1本のみに削減することが可能になる。また、転写層に高硬度ゴムを用いることにより、刷版表面への押付けによる転写層ゴムの潰れ(バルジ)が抑制され、この点からも画像形成性を向上させることができる。
表層部の転写層の直下に圧縮層をそなえれば、インキ供給ローラを刷版表面への押付けると、この圧縮層が圧縮力を受けて収縮するため、高硬度ゴムが用いられた転写層は、表層部が刷版表面へ押付けられると、圧縮層を収縮させながら自身は体積変化せずに(つまり、潰れることなく)刷版表面に沿って変形するようになり、刷版表面への押付けによる転写層の潰れ(バルジ)を抑制しながら、転写層の刷版表面への接触面積を拡大することができ、刷版表面での画像形成性を一層向上させることができる(請求項2)。
表層部の圧縮層の直下に、非圧縮層をそなえれば、表層部をローラ基材に対して着脱し易くなり、ローラ基材の外周に非圧縮層を通じて表層部を貼り付けて使用し、その後、表層部が使用により劣化したら、非圧縮層をローラ基材の外周から分離させて非圧縮層を通じて表層部をローラ基材に巻き付け固定すればよい(請求項3)。
表層部をシート状に形成し、前記ローラ基材の外周に巻き付けて固定すれば、表層部の製造を容易に行うことができる(請求項4)。
或いは、表層部をスリーブ状に形成し、前記ローラ基材の外周に配置すれば、周方向に連続したシームレス或いはギャップレスの表層部を形成することができ、例えば、シームレス或いはギャップレスの版胴に対して使用することにより、印刷機の運転時に、シーム部或いはギャップ部による振動の発生を防止することができる(請求項5)。
また、インキ供給ローラの有効径を、刷版が装着された版胴の使用外径と等しく設定すれば、インキ供給ローラを版胴と同期させて回転させることができる。例えば、表層部をシート状に形成しローラ基材の外周に巻き付ける構造を使用する場合、インキ供給ローラの外周にシーム部或いはギャップ部が形成されるが、これをシーム部或いはギャップ部をそなえた版胴に対して使用する際、両方のシーム部或いはギャップ部を同期して接触させるようにして、版胴の版面の何れの箇所にもインキ供給ローラから確実にインキを供給できるようにすることができる(請求項6)。
また、1つの版胴に対してインキ供給ローラを1つだけそなえれば、印刷機の構成の簡素化や印刷機稼動時の消費エネルギの抑制を促進することができる(請求項7)。
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
(第1実施形態)
図1〜図5は本発明の第1実施形態に係るインキ供給ローラについて説明するもので、これらの図に基づいて本発明の第1実施形態を説明する。
図2は本実施形態にかかる印刷機のインキ系統の要部構成図であり、図2に示すように、1つの版胴1に対して1つのインキ供給ローラ3が版胴1表面、即ち、刷版の表面に接触可能に配備されている。インキ供給ローラ3から版胴1の刷版表面に転写供給されたインキはさらにブランケット胴2に転写されてから印刷用紙4に転写されるようになっている。
また、本実施形態にかかるインキ供給ローラ3の有効径は、版胴1の外径と等しい大きさに形成されている。ここで、インキ供給ローラ3の有効径とは、版胴1表面に接触する使用時の外径をいう。また、版胴1の外径とは、版胴1に装着された刷版表面の外径をいう。したがって、インキ供給ローラ3から版胴1表面へのインキ転写時には、インキ供給ローラ3と版胴1表面とは、常に同位置で接触するようになっている。
インキ供給ローラ3は、図1に示すように、円筒状の外周面をそなえたローラ基材10の外周に表層部11をそなえている。本実施形態の場合には、表層部11が、その外表面側から、刷版表面に接触しインキを転写する転写層12と、この転写層12の直下に配置され圧縮力を受けると収縮する圧縮層13と、圧縮層13の直下に配置され圧縮力を受けても収縮しない非圧縮層14とをそなえた多層構造(複合ゴム)になっており、非圧縮層14がローラ基材10の外周に固着されている。
ローラ基材10は、鉄系等の金属で形成されるが、所要の剛性が得られればCFRP(carbon fiber reinforced plastics)等の非金属素材を用いてもよい。
表層部11の転写層12は、ゴム硬度80°(新JIS K 6253)程度の高硬度ゴムが用いられている。なお、この転写層(高硬度ゴム層)12のゴム硬度は、80°が略最適な硬度と考えられるが、50〜100°であればよく、60〜100°(80°±20°)であればより好ましく、70〜90°(80°±10°)であればさらに好ましい。
これは、ゴム硬度が50°よりも小さいと押し付け圧が不足し、インキ転移が不十分となり、逆に、ゴム硬度が100°を超えるとゴム硬度が硬すぎるために版表面を傷つける等のダメッジを与えるおそれが生じるためである。
また、インキがさらに下流へ移行し、最終的に紙に転写された場合、ゴム硬度が硬すぎると白抜け等の印刷品質等への影響も及ぼすことになる。
したがって、ゴム硬度はこれらのトータルバランスを勘案して設定する必要があるが、各種実験の結果を踏まえると、最適なゴム硬度は80°±10°とするのが好ましい。
また、このような高硬度ゴムには耐石油系溶剤性能を有するNBR(ニトリルゴム)や耐極性溶剤のゴムであるEPDM(エチレン-プロピレンゴム)等を適用することができる。
圧縮層13は、圧縮力を受けると体積変化して収縮するものであり、例えば発泡ゴムやウレタンフォームやポリエチレンフォームを適用することができる。
このように、転写層12の直下に縮力を受けると収縮する圧縮層13を設けることにより、インキ供給ローラ3が版胴1に押付けられたときに、図3に示すように、圧縮層13は体積変化(収縮)するが、転写層(高硬度ゴム層)12は体積変化しないが版胴1の外周面に沿って凹状に変形することができ、刷版表面への押付けによる転写層12の潰れ(バルジ)を抑制しながら、転写層12の刷版表面への接触面積を拡大することができる。
また、圧縮層13の直下に配置された非圧縮層14は、圧縮力を受けても収縮しない材料で形成され、ローラ基材10の外周面に固定するための層であり、フィルムで構成されることが好ましい。つまり、表層部11を、非圧縮層(非圧縮性固定層)14の上に圧縮層13,転写層12を形成されたシート状に形成すれば、非圧縮性で扱い易い非圧縮層14をローラ基材10の外周面に固定したり、ローラ基材10の外周面から取り外したりすれば作業性がよい。この非圧縮層14にはPET(ポリ・エチレン・テレフタレート)製のフィルムを適用することができる。あるいは、高密度に編込んだ糸(ゴム等の密着性が良好)や、ステンレス等の金属板を適用することもできる。なお、ローラ基材10の外周面への着脱を考慮しなければ、非圧縮層(非圧縮性固定層)14を省略してもよい。
そして、転写層12の厚みは0.2〜2.0mm、さらに好ましくは0.5〜1.0mm、圧縮層13の厚みは0.3〜1.5mm、さらに好ましくは0.5〜1.0mm、非圧縮層14の厚みは0.5〜2.0mm、さらに好ましくは1.0〜1.5mm、とし、転写層12,圧縮層13,非圧縮層14を合わせた表層部11の厚み(総厚み)は、1.0〜5.5mm、さらに好ましくは2.0〜3.5mmとしている。
転写層12の厚みが小さいとゴムの耐久性が低くなり、かかる耐久性を確保するには、転写層12の厚みは、0.2mm以上が好ましく、0.5mm以上であればより好ましい。また、転写層12の厚みが大きいとゴム変形により圧縮層13から剥がれ易くなり、このゴム変形による剥がれを抑えるには、転写層12の厚みは、2.0mm以下が好ましく、1.0mm以下であればより好ましい。
圧縮層13の厚みが小さいと、圧縮力を受けると収縮するという圧縮層としての効果が得られなくなるので、かかる収縮可能量を確保するには、圧縮層13の厚みは、0.3mm以上が好ましく、0.5mm以上であればより好ましい。また、圧縮層13の厚みが大きいと、圧縮層13の硬度が支配的となり表層部11全体としての硬度が低下してしまうので、この硬度低下を回避するためには、圧縮層13の厚みは、2.0mm以下が好ましく、1.5mm以下であればより好ましい。
非圧縮層14の厚みが小さいとローラへ巻付ける際の強度が不足するので、かかる強度を確保するには、非圧縮層14の厚みは、0.5mm以上が好ましく、1.0mm以上であればより好ましい。また、非圧縮層14の厚みが大きいと逆に強度が強くなり過ぎて巻付けが困難となるので、この巻付け性を確保するためには、非圧縮層14の厚みは、2.0mm以下が好ましく、1.5mm以下であればより好ましい。
そして、シート状に形成した表層部11を予め作成しておき、この表層部11を、ローラ基材10の外周に巻き付けて固定すれば、インキ供給ローラを形成することができる。
ただし、高硬度ゴムのみの場合、基本的にはシート状のものを巻付けるのではなく、ローラに直接加硫する方式となる。
本発明の第1実施形態にかかるインキ供給ローラは上述のように構成されているので、表層部11の外周に位置して刷版表面に接触しインキを転写する転写層12が、硬度80前後の高硬度ゴムにより形成され、さらに、転写層12の直下に圧縮力を受けて収縮する圧縮層13がそなえられているので、インキ供給ローラを刷版表面への押付けると、この圧縮層13が収縮変形するため、高硬度ゴムが用いられた転写層12は、自身は体積変化せずに(つまり、潰れることなく)刷版表面に沿って変形するようになり、刷版表面への押付けによる転写層の潰れ(バルジ)を抑制しながら、転写層12の刷版表面への接触面積を拡大することができる。
しかも、転写層12には、高硬度ゴムが用いられているので、転写層の潰れ(バルジ)の限界は高く、転写層12の刷版表面への押付圧を高めることができる。
したがって、転写層12の刷版表面への接触面積を十分に確保しながら、転写層12の刷版表面への押付圧を高めることができ、接触面積の確保により刷版表面での画像形成性(画線部と非画線部との分離)を確保しながら、押付圧向上によるインキ転写性能を高めることができる。
このため、従来、版胴1の周りに複数そなえていたインキ供給ローラの数を1本のみに削減しながらも、刷版表面へのインキの転移量を均等化することができ、刷版表面に均等なインキ膜厚状態にインキを供給することができる。
したがって、印刷機の構成の簡素化や印刷機稼動時の消費エネルギの抑制を促進することができる。
なお、図4は、インキ15の転写状態を、本実施形態にかかるインキ供給ローラ3A[図4(a)参照]と、後述の第2実施形態にかかるインキ供給ローラ3B[図4(b)参照]と、従来技術にかかるインキ供給ローラ3C[図4(c)参照]とで比較した模式図である。本実施形態にかかるインキ供給ローラ3Aの場合、版胴1の表面との見かけ上の接触面積は従来技術にかかるインキ供給ローラ3Cよりもやや少なくなる。しかし、従来技術にかかるインキ供給ローラ3Cでは転写層の潰れ(バルジ)が発生するため押付け圧を高められないが、本実施形態にかかるインキ供給ローラ3Aの場合、転写層の潰れ(バルジ)が発生し難いため押付け圧を高めることができる。
例えば、図5は、本構造(インキ供給ローラ3A)と従来構造(インキ供給ローラ3C)とで押付け圧を比較したもので、本構造は従来構造に比べて押付け圧を高められることがわかる。なお、この押付け圧の比較に関しては、板状の供試体をローラに取付け、上から別のローラで一定距離を押込んだ状態で、表層部に掛かる圧力を測定したものである。
また、印刷紙面上のベタ部(100%画線部)の拡大画像の画像処理により、インキ転移不良として白抜け率(インキ未付着面積率)を測定したところ、本インキ供給ローラ3Aを1本のみ用いた場合を従来のインキ供給ローラ3Cを1本のみ用いた場合と比べると、白抜け率は5〜6%から1〜2%へ低減した。これにより、押付圧向上によるインキ転写性能が高められたことを確認できた。
また、本実施形態のように、インキ供給ローラ3の有効径を、刷版1が装着された版胴の使用外径と等しく設定することにより、インキ供給ローラ3を版胴1と同期させて回転させることができる。本実施形態のように、表層部11をシート状に形成しローラ基材10の外周に巻き付ける構造の場合、インキ供給ローラ3の外周にシーム部或いはギャップ部が形成されるが、これをシーム部或いはギャップ部をそなえた版胴1に対して使用する際に、両方のシーム部或いはギャップ部を同期して接触させるようにすれば、版胴の版面(非ギャップ部)の何れの箇所にもインキ供給ローラ3の転写面(非ギャップ部)から確実にインキを供給できるようにすることができる。
また、非圧縮性で扱い易い非圧縮層(非圧縮性固定層)14をそなえているので、非圧縮層14をローラ基材10の外周面に固定したり、ローラ基材10の外周面から取り外したりすることが容易であり、表面ゴム層が劣化した場合にも、従来のようにはローラを外してオフラインでゴムを巻き直すような必要がなく、ローラを印刷機から取外すことなく、インキ供給ローラを再生することができる。
なお、表層部11をスリーブ状に形成し、ローラ基材10の外周に配置することにより、周方向に連続したシームレス或いはギャップレスの表層部11を形成することができる。
例えば、シームレス或いはギャップレスの版胴に対してかかるスリーブ状表層部11のインキ供給ローラを使用することにより、印刷機の運転時に、インキ供給ローラのシーム部或いはギャップ部に起因する振動の発生を防止することができる。
(第2実施形態)
図6は本発明の第2実施形態に係るインキ供給ローラについて説明するものである。
図6に示すように、本実施形態では、インキ供給ローラ3は、円筒状の外周面をそなえたローラ基材10の外周に表層部11をそなえ、本実施形態の場合、表層部11は、刷版表面に接触しインキを転写する転写層12のみから形成されている。そして、表層部11の転写層12は、ゴム硬度80°(新JIS K 6253)程度の高硬度ゴムが用いられている。なお、この転写層(高硬度ゴム層)12のゴム硬度は、第1実施形態と同様に、80°が略最適な硬度と考えられ、50〜100°であればよく、60〜100°(80°±20°)であればより好ましく、70〜90°(80°±10°)であればさらに好ましい。これらの好適なゴム硬度については第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
また、このように表層部11が転写層12のみからなる場合、転写層12の厚みは3〜15mmが好ましく、5〜10mmがより好ましい。
転写層12の厚みが3mmよりも薄い場合、ローラ基材10の影響を受けてしまい、規定したゴム硬度が得られず、規定したゴム硬度以上となってしまう。
また、転写層12の厚みが15mmよりも厚い場合、印刷中に発生する熱(ローラ間のニップ回転により発生)が転写層12内に蓄積し、ゴムの変性等の原因となり、転写層12の耐久性が低下してしまう。
特に、転写層12の厚みを5〜10mm程度とすれば、規定したゴム硬度をより確実に得ることができ、また、蓄積した熱をローラ基材11へより確実に逃がすことができる。
本発明の第2実施形態にかかるインキ供給ローラは上述のように構成されているので、第1実施形態に比べて、転写層12の直下の圧縮層13がそなえられない分だけ、転写層12の刷版表面への接触面積は確保し難い(図4(b)参照)が、高硬度ゴムが用いられた転写層12は、自身は体積変化ほとんどせずに(つまり、ほとんど潰れることなく)刷版表面に沿って微小に変形するため、刷版表面への押付けによる転写層の潰れ(バルジ)を抑制して、転写層12の刷版表面への接触面積をある程度確保しながら、高い押付け圧を実現することができ、インキ転写性能を高めることができる。
このため、インキ供給ローラの数を1本のみに削減しながらも、刷版表面へのインキの転移量を均等化することができ、刷版表面に均等なインキ膜厚状態にインキを供給することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はかかる構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、かかる構成を適宜変更して実施することができるものである。
本発明は、新聞輪転機、商業用オフセット輪転機、枚葉印刷機等の印刷機に広く適用することができる。
本発明の第1実施形態にかかるインキ供給ローラの表層部の構成を示す模式的断面図である。 本発明の第1実施形態にかかるインキ系統の要部構成を示す模式的断面図である。 本発明の第1実施形態にかかるインキ供給ローラの表層部における複合ゴムの変形特性について示す模式的断面図である。 本発明の第1,2実施形態にかかるインキ供給ローラの表層部に適用するゴムの種類によるインキ供給状態を示す模式的断面図であり、(a)は第1実施形態にかかる複合ゴム層の表層部について示し、(b)は第2実施形態にかかる高硬度ゴム単層の表層部について示し、(c)は従来技術にかかる低硬度ゴム単層の表層部について示している。 本発明の第1実施形態にかかるインキ供給ローラの効果を説明するグラフである。 本発明の第2実施形態インキ供給ローラの表層部の構成を示す模式的断面図である。 従来技術かかるにかかるインキ系統の要部構成を示す模式的断面図である。
符号の説明
1 版胴
2 ブランケット胴
3,3A,3B,3C,3a,3b,3c インキ供給ローラ
4 印刷用紙
10 ローラ基材
11 表層部
12 転写層(高硬度ゴム層)
13 圧縮層
14 非圧縮層
15 インキ

Claims (7)

  1. 印刷機に装備され、刷版表面にインキを供給するインキ供給ローラであって、
    ローラ基材と、該ローラ基材の外周に装備された表層部とをそなえ、
    前記表層部の外周に位置して刷版表面に接触しインキを転写する転写層が、硬度50〜100°の高硬度ゴムにより形成されている
    ことを特徴とする、インキ供給ローラ。
  2. 前記表層部の前記転写層の直下に、圧縮力を受けると収縮する圧縮層をそなえている
    ことを特徴とする、請求項1記載のインキ供給ローラ。
  3. 前記表層部の前記圧縮層の直下に、圧縮力を受けても収縮しない非圧縮層をそなえている
    ことを特徴とする、請求項2記載のインキ供給ローラ。
  4. 前記表層部はシート状に形成され、前記ローラ基材の外周に巻き付けて装着されている
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載のインキ供給ローラ。
  5. 前記表層部はスリーブ状に形成され、前記ローラ基材の外周に配置されている
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載のインキ供給ローラ。
  6. 有効径が、前記刷版が装着された版胴の該刷版を含む外径と等しく設定されている
    ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載のインキ供給ローラ。
  7. 前記版胴に対して1つだけそなえられている
    ことを特徴とする、請求項6記載のインキ供給ローラ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016028881A (ja) * 2014-07-23 2016-03-03 和行 北村 インキ撹拌押し込みロール及びこれを備えた輪転印刷機
CN115230314A (zh) * 2022-07-29 2022-10-25 湖北华工图像技术开发有限公司 一种单版无缝光银底专版镭射膜的模压结构

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