以下に添付図面を参照して、本発明に係る印刷ユニット及び印刷機の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
[第1実施形態]
図4は、新聞用オフセット輪転印刷機を表す概略構成図、図5は、新聞用オフセット輪転印刷機における印刷ユニットを表す概略構成図である。
本実施形態の印刷機は、図4に示すように、新聞用オフセット輪転印刷機であって、給紙装置Rと、インフィード装置Iと、印刷装置Uと、ウェブパス装置Dと、折機Fとから構成されている。給紙装置Rは、複数(第1実施形態では、7台)の給紙ユニットR1〜R7を有し、インフィード装置Iは、複数(第1実施形態では、7台)のインフィードユニットI1〜I7を有し、印刷装置Uは、複数(第1実施形態では、6台)の印刷ユニットU1〜U6を有し、ウェブパス装置Dは、複数(第1実施形態では、2台)のウェブパスユニットD1,D2を有し、折機Fは、複数(第1実施形態では、2個)の折ユニットF1,F2を有している。
この場合、印刷ユニットU1〜U6を6台として説明したが、各印刷ユニットU1〜U6は、4色刷りが可能であると共に、上下に分割して12台の2色刷りが可能な印刷ユニットU11,U12,U21・・・U61,U62として用いることができる。また、2つの折ユニットF1,F2を上下に並べて記載したが、実際には、紙面に直交する方向に並んで配置される操作側折ユニットF1と駆動側折ユニットF2となっている。更に、印刷装置Uを2つの部分から記載したが、機能上2つに分けて記載しただけであり、実際には、1つの装置となっている。
そして、この新聞用オフセット輪転印刷機では、図示しない建屋の1階の床面上に給紙ユニットR1〜R7が設置され、2階にインフィードユニットI1〜I7が設置され、2階及び3階に印刷ユニットU1〜U6が設置され、3階から5階にウェブパス装置Dが設置され、また、2階、3階に折機Fが設置されている。
給紙装置Rにおいて、給紙ユニットR1〜R7は、ほぼ同様の構成をなし、ウェブ(印刷媒体)Wがロール状に巻かれた3つの巻取紙を保持する保持アーム11を有し、この保持アーム11を回動することで、巻取紙を給紙位置に回動することができる。また、この各給紙ユニットR1〜R7には、図示しない紙継装置が設けられており、給紙位置で繰り出されている巻取紙が残り少なくなると、この紙継装置により給紙位置にある巻取紙に対して、待機位置にある巻取紙を紙継することができる。
インフィード装置Iにおいて、インフィードユニットI1〜I7は、ほぼ同様の構成をなし、印刷装置Uの各印刷ユニットU1〜U6に送り込むウェブWのテンションを調整することで、印刷装置Uを走行するウェブWのテンションを適正値に安定して維持するようにしている。例えば、各インフィードユニットI1〜I7は、インフィードローラ、紙押えゴムローラ、ダンサローラ、ガイドローラなどを有している。そして、ダンサローラがウェブWの張り方向に力を加えることでウェブWのテンションを適正にし、このダンサローラの揺動に応じてインフィードローラの周速を変更し、ウェブWの適正なテンションを維持している。
なお、給紙装置Rからインフィード装置IまでのウェブWのテンションは、給紙ユニットR1〜R7に設けられた図示しないブレーキ装置により設定されており、給紙装置Rに設けられたテンション検出ローラの検出結果に基づいて、このブレーキ装置を制御している。また、印刷装置Uの下流側には、駆動源により駆動回転可能なドラグローラ12が設けられており、このドラグローラ12の周速やダンサローラに加えている力を制御することで、ウェブWのテンションを調整している。
印刷装置Uにおいて、印刷ユニットU1〜U6は、両面4色印刷を行うことができる多色刷印刷ユニットである。但し、各印刷ユニットU1〜U6は、上下に分割することで、両面2色印刷を行うことができる印刷ユニットU11〜U62とすることができる。各印刷ユニットU11〜U62は、ほぼ同様の構成をなし、後述するが、インキ供給装置、版胴、ブランケット胴などを有している。本実施形態では、各印刷ユニットU1〜U6は、版胴に周方向に沿って印刷物としての新聞の1頁分に対応する刷版を装着可能であり、この版胴の周長(直径)に対して、ブランケット胴の周長(直径)が同じに設定されている。
なお、本実施形態では、印刷ユニットU1〜U6を、全て多色刷印刷ユニットにより構成したが、この構成に限定されるものではない。例えば、両面2色刷印刷ユニット、両面単色刷印刷ユニット、一面4色または単色刷印刷ユニットなど、印刷物に応じて適宜各種ユニットを組み合わせて使用すればよい。
ウェブパス装置Dにおいて、ウェブパスユニットD1は、印刷ユニットU1〜U3に対して設けられ、ウェブパスユニットD2は、印刷ユニットU4〜U6に対して設けられている。各ウェブパスユニットD1,D2は、ほぼ同様の構成をなし、ウェブWを縦(ウェブWの天地長手方向、ウェブWの搬送方向)に沿ってその幅方向の中央部で裁断するスリッタ、縦裁断したウェブWの搬送経路を設定するターンバー、ウェブWにおける天地長手方向における搬送位置を調整するコンペンセータなどを有している。
即ち、各印刷ユニットU1〜U3で印刷が施された各ウェブWは、ウェブパスユニットD1にて、スリッタにより縦裁断され、ターンバーにより搬送経路が変更され、コンペンセータにより搬送位置が調整されてから所定の順番に重ね合わされる。また、印刷ユニットU4〜U6で印刷が施された各ウェブWは、ウェブパスユニットD2にて、スリッタにより縦裁断され、ターンバーにより搬送経路が変更され、コンペンセータにより搬送位置が調整されてから所定の順番に重ね合わされる。
折機Fにて、2つの折ユニットF1,F2は、操作側と駆動側に配設されている。即ち、ウェブパスユニットD1から複数のウェブW1が重ねられて導入されると、折ユニットF1は、ウェブW1を縦折りし、所定の長さで横裁断し、横折りして折帖を形成し、新聞として排紙することができる。また、ウェブパスユニットD2から複数のウェブW2が重ねられて導入されると、折ユニットF2は、ウェブW2を縦折りし、所定の長さで横裁断し、横折りして折帖を形成し、新聞として排紙することができる。この場合、折機Fでは、折ユニットF1,F2が各ウェブパスユニットD1,D2からのウェブW1,W2を処理するだけでなく、各折ユニットF1,F2の一方がまとめて処理することもできる。
従って、新聞用オフセット輪転印刷機では、給紙装置Rの各給紙ユニットR1〜R7からそれぞれ供給された各ウェブWは、インフィード装置Iの各インフィードユニットI1〜I7によりテンションが調整され、印刷装置Uの各印刷ユニットU1〜U6に供給される。この印刷装置Uにおける各印刷ユニットU1〜U6にて、各ウェブWの両面に印刷が施される。そして、各印刷ユニットU1〜U3で印刷が施された各ウェブWは、ウェブパスユニットD1にて、スリッタにより縦裁断され、ターンバーにより搬送経路が変更され、コンペンセータにより搬送位置が調整されてから所定の順番に重ね合わされる。また、印刷ユニットU4〜U6で印刷が施された各ウェブWは、ウェブパスユニットD2にて、スリッタにより縦裁断され、ターンバーにより搬送経路が変更され、コンペンセータにより搬送位置が調整されてから所定の順番に重ね合わされる。
その後、折機Fでは、ウェブパスユニットD1から複数のウェブW1が重ねられて導入されると、折ユニットF1は、ウェブW1を縦折りし、所定の長さで横裁断し、横折りして折帖を形成し、新聞として排紙する。また、ウェブパスユニットD2から複数のウェブW2が重ねられて導入されると、折ユニットF2は、ウェブW2を縦折りし、所定の長さで横裁断し、横折りして折帖を形成し、新聞として排紙する。
ここで、印刷装置Uにおける印刷ユニットU1について詳細に説明する。印刷ユニットU1は、図5に示すように、4色印刷が可能となるように、H型のタワーユニットとなっている。この印刷ユニットU1は、ウェブWの搬送方向(下から上)に沿って、墨(Black)、藍(Cyan)、紅(Magenta)、黄(Yellow)ごとの4つのスタック21,22,23,24が配置されて構成されており、各スタック21,22,23,24は、それぞれ左右対称となるローラ配列となっている。
即ち、印刷ユニットU1における各スタック21,22,23,24は、左右に対向してブランケット胴31a,31b,32a,32b,33a,33b,34a,34bがウェブWの搬送経路を挟んで対接可能であり、各ブランケット胴31a,31b,32a,32b,33a,33b,34a,34bに版胴41a,41b,42a,42b,43a,43b,44a,44bが対接している。そして、各スタック21,22,23,24は、各版胴41a,41b,42a,42b,43a,43b,44a,44bに対して、インキ供給装置51a,51b,52a,52b,53a,53b,54a,54bが設けられている。また、各版胴41a,41b,42a,42b,43a,43b,44a,44bに対して、湿し装置61a,61b,62a,62b,63a,63b,64a,64bが設けられている。
この場合、スタック21,23は、ブランケット胴31a,31b,33a,33bと版胴41a,41b,43a,43bがハの字形状に配列され、スタック22,24は、ブランケット胴32a,32b,34a,34bと版胴42a,42b,44a,44bが逆ハの字形状に配列されている。そして、各版胴41a,41b,42a,42b,43a,43b,44a,44bにて、外周面に異なる絵柄を印刷する刷版(図示略)が軸方向、つまり、ウェブWの幅方向に2つ(または、4つ)並べて装着可能となっている。なお、刷版の装着数は適宜設定すればよい。
なお、インキ供給装置51a,51b,52a,52b,53a,53b,54a,54bは、一般的に、インキつぼ(デジタルインキポンプ)、インキ元ローラ、インキ受渡しローラ、インキ練ローラ、インキ往復ローラ、インキ着ローラなどにより構成されている。
上述したように、各印刷ユニットU1にて、各版胴41a,41b,42a,42b,43a,43b,44a,44bは、外周部に軸方向に沿って複数の刷版が装着されており、各版胴41a,41b,42a,42b,43a,43b,44a,44bの各刷版が対応するブランケット胴31a,31b,32a,32b,33a,33b,34a,34bに対接している。ブランケット胴31aと31b、ブランケット胴32aと32b、ブランケット胴33aと33b、ブランケット胴34aと34bは、それぞれ外周面同士が対接しており、この間にウェブWが走行するとき、ブランケット胴31a,31b,32a,32b,33a,33b,34a,34bとウェブWとの間に所定の印圧が作用することで、ブランケット胴31a,31b,32a,32b,33a,33b,34a,34bのインキがウェブWに転写される。
近年、印刷ユニットのコンパクト化が望まれており、各版胴41a,41b,42a,42b,43a,43b,44a,44bは、外周部に周方向に沿って新聞の1頁分に対応する刷版が軸方向に沿って複数装着可能となっており、各版胴41a,41b,42a,42b,43a,43b,44a,44bの周長(直径)とブランケット胴31a,31b,32a,32b,33a,33b,34a,34bの周長(直径)が同じに設定されている。そのため、ブランケット胴31a,31b,32a,32b,33a,33b,34a,34bは、長尺物となる。このブランケット胴31a,31b,32a,32b,33a,33b,34a,34bは、左右の軸部が軸受を介してフレームに回転自在に支持されている。そのため、左右のブランケット胴31a,31b,32a,32b,33a,33b,34a,34bの間にウェブWを通過させ、所定の印圧を作用させて印刷を行うとき、各ブランケット胴31a,31b,32a,32b,33a,33b,34a,34bは、左右の軸部を支点として撓んでしまい、軸方向の中間部同士の印圧が低下し、印刷品質が低下してしまう。
そこで、第1実施形態の新聞用オフセット輪転印刷機における印刷ユニットU1は、互いに対接する左右のブランケット胴31a,31b,32a,32b,33a,33b,34a,34bの軸方向における中間部同士が接近する方向に押圧する押圧装置を設けている。
図1は、第1実施形態の印刷ユニットを表す概略構成図、図2は、印刷ユニットにおける一側部の断面(図1のII−II断面)図、図3は、ブランケット胴に作用する荷重の方向を説明するための概略図である。なお、図1は、ブランケット胴と版胴だけを表し、インキ供給装置を省略している。また、ここでは、印刷ユニットU1におけるスタック21,22について説明するが、スタック23,24も同様の構成となっている。また、他の印刷ユニットU2〜U6も同様の構成となっている。
図1及び図2に示すように、スタック21にて、ブランケット胴(第1ブランケット胴)31aとブランケット胴(第2ブランケット胴)31bは、略水平方向に沿って配置され、外周面が対接している。そして、ブランケット胴31aは、版胴(第1版胴)41aが対接し、ブランケット胴31bは、版胴(第2版胴)41bが対接している。このスタック21は、各版胴41a,41bが各ブランケット胴31a,31bに対して、ウェブWの走行方向における下流側(上方側)にずれて配置されることで、ハの字型に配設される下部配列群を構成している。
一方、スタック22にて、ブランケット胴(第1ブランケット胴)32aとブランケット胴(第2ブランケット胴)32bは、略水平方向に沿って配置され、外周面が対接している。そして、ブランケット胴32aは、版胴(第1版胴)42aが対接し、ブランケット胴32bは、版胴(第2版胴)42bが対接している。このスタック22は、各版胴42a,42bが各ブランケット胴32a,32bに対して、ウェブWの走行方向における上流側(下方側)にずれて配置されることで、逆ハの字型に配設される上部配列群を構成している。
そして、スタック22は、スタック21に対してウェブWの走行方向における下流側(上方側)に所定間隔を空けて配置されており、ブランケット胴31a,31bとブランケット胴32a,32bが接近した位置にある。
このスタック21,22にて、ブランケット胴31aとブランケット胴31b、ブランケット胴32aとブランケット胴32bの軸方向における中間部同士が接近する方向に押圧する押圧装置101が設けられている。この押圧装置101は、ブランケット胴31a,31b,32a,32bにおける各軸部に対して径方向に荷重を付与する荷重付与装置102である。
即ち、スタック21にて、ブランケット胴31a,31bは、外周部にブランケット(図示略)が装着される胴部111a,111bと、胴部111a,111bの軸方向における各端部に設けられる左右の軸部112a,112bとを有し、左右の軸部112a,112bが左右のフレーム100にそれぞれ軸受113a,113bを介して回転自在に支持されている。この場合、軸受113a,113bは、太鼓形状をなすコロがハの字形状をなすように配置される調心軸受となっている。
版胴41a,41bは、外周部に刷版(図示略)が装着される胴部121a,121bと、胴部121a,121bの軸方向における各端部に設けられる左右の軸部122a,122bとを有し、左右の軸部122a,122bが左右のフレーム100にそれぞれ軸受123a,123bを介して回転自在に支持されている。そして、ブランケット胴31a,31bと版胴41a,41bは、ベアラ114a,114b,124a,124b同士が接触することで、所定の印圧に設定されている。
一方、スタック22にて、ブランケット胴32a,32bは、外周部にブランケット(図示略)が装着される胴部131a,131bと、胴部131a,131bの軸方向における各端部に設けられる左右の軸部132a,132bとを有し、左右の軸部132a,132bが左右のフレーム100にそれぞれ軸受133a,133bを介して回転自在に支持されている。この場合、軸受133a,133bは、太鼓形状をなすコロがハの字形状をなすように配置される調心軸受となっている。
版胴42a,42bは、外周部に刷版(図示略)が装着される胴部141a,141bと、胴部141a,141bの軸方向における各端部に設けられる左右の軸部142a,142bとを有し、左右の軸部142a,142bが左右のフレーム100にそれぞれ軸受143a,143bを介して回転自在に支持されている。そして、ブランケット胴32a,32bと版胴42a,42bは、ベアラ(図示略)同士が接触することで、所定の印圧に設定されている。
そして、荷重付与装置102は、左右のフレーム100の外側に配置されている。即ち、スタック21にて、ブランケット胴31a,31bは、軸部112a,112bからフレーム100の外側に突出する延長軸部115a,115bが一体に設けられている。第1リンク116aは、一端部がブランケット胴31aの延長軸部115aに軸受117aを介して回転自在に連結されている。第2リンク116bは、一端部がブランケット胴31bの延長軸部115bに軸受117bを介して回転自在に連結されている。そして、第1リンク116aと第2リンク116bは、他端部同士がブランケット胴31a,31bの軸方向に重なり、連結部材118及び連結軸119により回動自在に連結されている。
また、スタック22にて、ブランケット胴32a,32bは、軸部132a,132bからフレーム100の外側に突出する延長軸部135a,135bが一体に設けられている。第1リンク136aは、一端部がブランケット胴32aの延長軸部135aに軸受137aを介して回転自在に連結されている。第2リンク136bは、一端部がブランケット胴32bの延長軸部135bに軸受137bを介して回転自在に連結されている。そして、第1リンク136aと第2リンク136bは、他端部同士がブランケット胴32a,32bの軸方向に重なり、連結部材138及び連結軸139により回動自在に連結されている。
荷重付与装置102は、第1リンク116a,136aと第2リンク116b,136bを有すると共に、スタック21側の第1リンク116a及び第2リンク116bの他端部に連結されると共にスタック22側の第1リンク136a及び第2リンク136bの他端部に連結されるエアシリンダ(荷重付与部材)151を有している。
このエアシリンダ151は、下方に延出する第1駆動ロッド152と、上方に延出する第2駆動ロッド153とを有し、第1駆動ロッド152の先端部が連結部材118に連結され、第2駆動ロッド153の先端部が連結部材138に連結されている。
この場合、スタック21にて、ブランケット胴31aの軸部112a(延長軸部115a)の中心O1aと、ブランケット胴31bの軸部112b(延長軸部115b)の中心O1bと、第1リンク116aと第2リンク116bとを連結する連結軸(リンク連結部)119の中心O1cとがなす版胴41a,41bの配置位置とは反対側の連結角度θ1が180度より小さい角度に設定されている。また、スタック22にて、ブランケット胴32aの軸部132a(延長軸部135a)の中心O2aと、ブランケット胴32bの軸部132b(延長軸部135b)の中心O2bと、第1リンク136aと第2リンク136bとを連結する連結軸(リンク連結部)139の中心O2cとがなす版胴42a,42bの配置位置とは反対側の連結角度θ2が180度より小さい角度に設定されている。
そして、エアシリンダ151は、各駆動ロッド152,153を収縮させることで、各連結角度θ1,θ2が大きくなる方向に荷重を付与することができる。
そのため、図1及び図3に示すように、エアシリンダ151が各駆動ロッド152,153を収縮させると、各駆動ロッド152,153を介して各連結軸119,139に吸引力F1,F2が作用する。すると、第1リンク116aと第2リンク116bは、連結角度θ1が大きくなる方向に荷重が付与され、第1リンク136aと第2リンク136bは、連結角度θ2が大きくなる方向に荷重を付与される。即ち、スタック21にて、連結軸119に吸引力F1が作用すると、第1リンク116aは、図1の時計回り方向に回動し、第2リンク116bは、図1の反時計回り方向に回動し、第1、第2リンク116a,116bが一直線上になろうとする。すると、ブランケット胴31a,31bは、左右の延長軸部115a,115bが互いに離間する径方向の荷重F1a,F1bを受ける。
ブランケット胴31a,31bは、左右の延長軸部115a,115bで離間する径方向の荷重F1a,F1bを受けると、てこの原理により、フレーム100の軸受113a,113bを支点として、軸方向の中間部が互いに接近しようとする応力F10,F20が作用する。その結果、ブランケット胴31a,31bは、応力F10,F20により、軸方向の中間部が互いに離間するような撓み変形が抑制され、軸方向における印圧がほぼ均一となる。
また、スタック22にて、連結軸139に吸引力F2が作用すると、第1リンク136aは、図1の反時計回り方向に回動し、第2リンク136bは、図1の時計回り方向に回動し、第1、第2リンク136a,136bが一直線上になろうとする。すると、ブランケット胴32a,32bは、左右の延長軸部135a,135bが互いに離間する径方向の荷重F2a,F2bを受ける。ブランケット胴32a,32bは、左右の延長軸部135a,135bで離間する径方向の荷重F2a,F2bを受けると、てこの原理により、フレーム100の軸受133a,133bを支点として、軸方向の中間部が互いに接近しようとする応力(図3のF10,F20と同様)が作用する。その結果、ブランケット胴32a,32bは、軸方向の中間部が互いに離間するような撓み変形が抑制され、軸方向における印圧がほぼ均一となる。
このように第1実施形態の印刷ユニットにあっては、版胴41a,41b,42a,42bと、版胴41a,41b,42a,42bにそれぞれ対接すると共に互いに対接するブランケット胴31a,31b,32a,32bと、ブランケット胴31a,31b及びブランケット胴32a,32bの軸方向における中間部同士が接近する方向に押圧する押圧装置101とを設けている。
従って、押圧装置101は、ブランケット胴31a,31b同士、ブランケット胴32a,32b同士を、軸方向における中間部同士が接近する方向に押圧することから、各ブランケット胴31a,31b,32a,32bが長尺物であっても、印刷時における撓みを抑制することができる。そのため、各ブランケット胴31a,31b,32a,32bは、軸方向における中間部での印圧の低下が抑制され、この位置でのブランケット胴31a,31b,32a,32bからウェブWへのインキ転写量の減少が抑制され、印刷品質の向上を図ることができる。
第1実施形態の印刷ユニットでは、押圧装置101として、ブランケット胴31a,31b,32a,32bにおける各軸部112a,112b,132a,132bに対して径方向に荷重を付与する荷重付与装置102を設けている。従って、簡単な構成で容易に印刷時におけるブランケット胴31a,31b,32a,32bの撓みを抑制することができる。
第1実施形態の印刷ユニットでは、荷重付与装置102を左右のフレーム100の外側に配置している。従って、フレーム100の内側にあるブランケット胴31a,31b,32a,32bの支持構成などを変更することなく、荷重付与装置102を容易に配置することができ、コストの増加を抑制することができる。
第1実施形態の印刷ユニットでは、荷重付与装置102として、一端部がブランケット胴31a,32aの軸部112a,132aに連結される第1リンク116a,136aと、一端部がブランケット胴31b,32bの軸部112b,132bに連結される第2リンク116b,136bと、第1リンク116a,136aの他端部と第2リンク116b,136bの他端部に連結されるエアシリンダ151とを設けている。従って、2個のリンク116a,116b,136a,136bを用いてブランケット胴31a,31b,32a,32bにおける軸部112a,112b,132a,132bに荷重を付与することで、構造の簡素化を図ることができる。
第1実施形態の印刷ユニットでは、ブランケット胴31a,32aの延長軸部115a,135aの中心O1a,O2aと、ブランケット胴31b,32bの延長軸部115b,135bの中心O1b,O2bと、第1リンク116a,136aと第2リンク116b,136bとを連結する連結軸(リンク連結部)119,139の中心O1c,O2cとがなす版胴41a,41b,42a,42bの配置位置とは反対側の連結角度θ1,θ2を180度より小さい角度に設定している。従って、2個のリンク116a,116b,136a,136bの回動によりブランケット胴31a,31b,32a,32bにおける延長軸部115a,115b,135a,135bに荷重を付与することとなり、効率的にブランケット胴31a,31b,32a,32bの延長軸部115a,115b,135a,135bに荷重を付与することができ、構造の簡素化を図ることができる。
第1実施形態の印刷ユニットでは、スタック21をブランケット胴31a,31bと版胴41a,41bによりハの字型に配設される下部配列群とし、スタック22をブランケット胴32a,32bと版胴42a,42bにより逆ハの字型に配設される上部配列群とし、スタック21の連結軸119とスタック22の連結軸139との間にエアシリンダ151を介装している。従って、1個のエアシリンダ151により2個の配列群におけるブランケット胴31a,31b,32a,32bに対して荷重を付与することができ、構造の簡素化を図ることができる。
また、第1実施形態の印刷機にあっては、巻取紙からウェブWを供給する給紙装置Rと、給紙装置Rから繰り出されたウェブWに画像を印刷する印刷装置Uと、印刷装置Uにより印刷が施されたウェブWを重ねると共に断裁してから折り畳むことで折帖を形成する折機Fとを設け、印刷装置Uとして、上述した複数の印刷ユニットU1〜U6を設けている。従って、各ブランケット胴31a,31b,32a,32bは、軸方向における中間部での印圧の低下が抑制され、この位置でのブランケット胴31a,31b,32a,32bからウェブWへのインキ転写量の減少が抑制され、印刷品質の向上を図ることができる。
[第2実施形態]
図6は、第2実施形態の印刷ユニットを表す概略構成図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第2実施形態の印刷ユニットは、図6に示すように、スタック21にて、ブランケット胴31aとブランケット胴31bの軸方向における中間部同士が接近する方向に押圧する押圧装置201が設けられている。この押圧装置201は、ブランケット胴31a,31bにおける各軸部に対して径方向に荷重を付与する荷重付与装置202である。
即ち、スタック21にて、ブランケット胴31a,31bは、胴部111a,111bと左右の軸部112a,112bとを有し、左右の軸部112a,112bが左右のフレーム100にそれぞれ軸受113a,113bを介して回転自在に支持されている。荷重付与装置202は、左右のフレーム100の外側に配置されている。ブランケット胴31a,31bは、軸部112a,112bからフレーム100の外側に突出する延長軸部115a,115bが一体に設けられている。第1リンク116aは、一端部がブランケット胴31aの延長軸部115aに回転自在に連結され、第2リンク116bは、一端部がブランケット胴31bの延長軸部115bに回転自在に連結されている。そして、第1リンク116aと第2リンク116bは、他端部同士が連結部材118及び連結軸119により回動自在に連結されている。
荷重付与装置202は、第1リンク116aと第2リンク116bを有すると共に、第1リンク116a及び第2リンク116bの他端部に連結されるエアシリンダ(荷重付与部材)161を有している。このエアシリンダ161は、上方に延出する駆動ロッド162を有し、駆動ロッド162の先端部が連結部材118に連結されている。また、このエアシリンダ161は、フレーム100の外面部に固定された取付ブラケット163に固定されている。
この場合、ブランケット胴31aの軸部112a(延長軸部115a)の中心O1aと、ブランケット胴31bの軸部112b(延長軸部115b)の中心O1bと、第1リンク116aと第2リンク116bとを連結する連結軸119の中心O1cとがなす版胴41a,41bの配置位置とは反対側の連結角度θ1が180度より小さい角度に設定されている。そして、エアシリンダ161は、駆動ロッド162を伸長させることで、連結角度θ1が大きくなる方向に荷重を付与することができる。
そのため、図6及び図3に示すように、エアシリンダ161が駆動ロッド162を伸長させると、駆動ロッド162を介して連結軸119に吸引力F1が作用する。すると、第1リンク116aと第2リンク116bは、連結角度θ1が大きくなる方向に荷重が付与される。即ち、連結軸119に吸引力F1が作用すると、第1リンク116aは、図6の時計回り方向に回動し、第2リンク116bは、図6の反時計回り方向に回動し、第1、第2リンク116a,116bが一直線上になろうとする。すると、ブランケット胴31a,31bは、左右の延長軸部115a,115bが互いに離間する径方向の荷重F1a,F1bを受ける。
ブランケット胴31a,31bは、左右の延長軸部115a,115bで離間する径方向の荷重F1a,F1bを受けると、てこの原理により、フレーム100の軸受113a,113bを支点として、軸方向の中間部が互いに接近しようとする応力F10,F20が作用する。その結果、ブランケット胴31a,31bは、応力F10,F20により、軸方向の中間部が互いに離間するような撓み変形が抑制され、軸方向における印圧がほぼ均一となる。
このように第2実施形態の印刷ユニットにあっては、ブランケット胴31a,31bの軸方向における中間部同士が接近する方向に押圧する押圧装置201及び荷重付与装置202として、エアシリンダ161を設けている。
従って、エアシリンダ161は、ブランケット胴31a,31bの軸方向における中間部同士が接近する方向に押圧することから、各ブランケット胴31a,31bが長尺物であっても、印刷時における撓みを抑制することができる。そのため、各ブランケット胴31a,31bは、軸方向における中間部での印圧の低下が抑制され、この位置でのブランケット胴31a,31bからウェブWへのインキ転写量の減少が抑制され、印刷品質の向上を図ることができる。
[第3実施形態]
図7は、第3実施形態の印刷ユニットを表す概略構成図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第3実施形態の印刷ユニットは、図7に示すように、スタック21にて、ブランケット胴31aとブランケット胴31bの軸方向における中間部同士が接近する方向に押圧する押圧装置211が設けられている。この押圧装置211は、ブランケット胴31a,31bにおける各軸部に対して径方向に荷重を付与する荷重付与装置212である。
荷重付与装置212は、第1支持部材171aと第2支持部材171bを有すると共に、第1支持部材171a及び第2支持部材171bに連結されるエアシリンダ(荷重付与部材)172を有している。第1支持部材171aは、ブランケット胴31aにおける延長軸部115aに回転自在に装着され、第2支持部材171bは、ブランケット胴31bにおける延長軸部115bに回転自在に装着されている。エアシリンダ172は、左右に延出する第1駆動ロッド173及び第2駆動ロッド174を有し、第1駆動ロッド173の先端部が第1支持部材171aに連結され、第2駆動ロッド174の先端部が第2支持部材171bに連結されている。そして、エアシリンダ172は、各駆動ロッド173,174を伸長させることで、延長軸部115a,115bが離間する方向に荷重を付与することができる。なお、荷重付与部材をエアシリンダ172としたが、圧縮ばねとしてもよい。
そのため、図7及び図3に示すように、エアシリンダ172が各駆動ロッド173,174を伸長させると、ブランケット胴31a,31bは、左右の延長軸部115a,115bが互いに離間する径方向の荷重F1a,F1bを受ける。ブランケット胴31a,31bは、左右の延長軸部115a,115bで離間する径方向の荷重F1a,F1bを受けると、てこの原理により、フレーム100の軸受113a,113bを支点として、軸方向の中間部が互いに接近しようとする応力F10,F20が作用する。その結果、ブランケット胴31a,31bは、応力F10,F20により、軸方向の中間部が互いに離間するような撓み変形が抑制され、軸方向における印圧がほぼ均一となる。
このように第3実施形態の印刷ユニットにあっては、ブランケット胴31a,31bの軸方向における中間部同士が接近する方向に押圧する押圧装置211及び荷重付与装置212として、エアシリンダ172を設けている。
従って、エアシリンダ172は、ブランケット胴31a,31bの軸方向における中間部同士が接近する方向に押圧することから、各ブランケット胴31a,31bが長尺物であっても、印刷時における撓みを抑制することができる。そのため、各ブランケット胴31a,31bは、軸方向における中間部での印圧の低下が抑制され、この位置でのブランケット胴31a,31bからウェブWへのインキ転写量の減少が抑制され、印刷品質の向上を図ることができる。
また、第3実施形態の印刷ユニットでは、ブランケット胴31a,31bにおける延長軸部115a,115bの間にエアシリンダ172を設けている。従って、構造の簡素化を図ることができる。
[第4実施形態]
図8は、第4実施形態の印刷ユニットを表す概略構成図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第4実施形態の印刷ユニットは、図8に示すように、スタック21にて、ブランケット胴31aとブランケット胴31bの軸方向における中間部同士が接近する方向に押圧する押圧装置221が設けられている。この押圧装置221は、ブランケット胴31a,31bにおける各軸部に対して径方向に荷重を付与する荷重付与装置222である。
荷重付与装置222は、第1支持部材171aと第2支持部材171bを有すると共に、第1支持部材171a及び第2支持部材171bに連結される第1エアシリンダ(荷重付与部材)175aと第2エアシリンダ(荷重付与部材)175bを有している。第1エアシリンダ175aは、伸縮する第1駆動ロッド176aを有し、第1駆動ロッド176aの先端部が第1支持部材171aに連結されている。第2エアシリンダ175bは、伸縮する第2駆動ロッド176bを有し、第2駆動ロッド176bの先端部が第2支持部材171bに連結されている。また、このエアシリンダ175a,175bは、フレーム100の外面部に固定された取付ブラケット177a,177bに固定されている。そして、各エアシリンダ175a,175bは、各駆動ロッド176a,176bを収縮させることで、延長軸部115a,115bが離間する方向に荷重を付与することができる。
そのため、図8及び図3に示すように、各エアシリンダ175a,175bが各駆動ロッド176a,176bを収縮させると、ブランケット胴31a,31bは、左右の延長軸部115a,115bが互いに離間する径方向の荷重F1a,F1bを受ける。ブランケット胴31a,31bは、左右の延長軸部115a,115bで離間する径方向の荷重F1a,F1bを受けると、てこの原理により、フレーム100の軸受113a,113bを支点として、軸方向の中間部が互いに接近しようとする応力F10,F20が作用する。その結果、ブランケット胴31a,31bは、軸方向の中間部が互いに離間するような撓み変形が抑制され、軸方向における印圧がほぼ均一となる。
このように第4実施形態の印刷ユニットにあっては、ブランケット胴31a,31bの軸方向における中間部同士が接近する方向に押圧する押圧装置221及び荷重付与装置222として、エアシリンダ175a,175bを設けている。
従って、エアシリンダ175a,175bは、ブランケット胴31a,31bの軸方向における中間部同士が接近する方向に押圧することから、各ブランケット胴31a,31bが長尺物であっても、印刷時における撓みを抑制することができる。そのため、各ブランケット胴31a,31bは、軸方向における中間部での印圧の低下が抑制され、この位置でのブランケット胴31a,31bからウェブWへのインキ転写量の減少が抑制され、印刷品質の向上を図ることができる。
[第5実施形態]
図9は、第5実施形態の印刷ユニットにおける一側部の断面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第5実施形態の印刷ユニットは、図9に示すように、スタック21にて、ブランケット胴31aとブランケット胴31bの軸方向における中間部同士が接近する方向に押圧する押圧装置231が設けられている。この押圧装置231は、ブランケット胴31a,31bにおける各軸部に対して径方向に荷重を付与する荷重付与装置232である。
荷重付与装置232は、左右のフレーム100の内側に配置される第1支持部材181aと第2支持部材181bを有すると共に、第1支持部材181a及び第2支持部材181bに連結されるエアシリンダ(荷重付与部材)182を有している。第1支持部材181aは、ブランケット胴31aにおける軸部112aに回転自在に装着され、第2支持部材181bは、ブランケット胴31bにおける軸部112bに回転自在に装着されている。エアシリンダ182は、左右に延出する第1駆動ロッド183及び第2駆動ロッド184を有し、第1駆動ロッド183の先端部が第1支持部材181aに連結され、第2駆動ロッド184の先端部が第2支持部材181bに連結されている。そして、エアシリンダ182は、各駆動ロッド183,184を収縮させることで、軸部112a,112bが接近する方向に荷重を付与することができる。
そのため、図9に示すように、エアシリンダ182が各駆動ロッド183,184を収縮させると、ブランケット胴31a,31bは、左右の軸部112a,112bが互いに接近する径方向の荷重を受ける。ブランケット胴31a,31bは、左右の軸部112a,112bで接近する径方向の荷重を受けると、てこの原理により、フレーム100の軸受113a,113bを支点として、軸方向の中間部が互いに接近しようとする応力が作用する。その結果、ブランケット胴31a,31bは、軸方向の中間部が互いに離間するような撓み変形が抑制され、軸方向における印圧がほぼ均一となる。
このように第5実施形態の印刷ユニットにあっては、ブランケット胴31a,31bの軸方向における中間部同士が接近する方向に押圧する押圧装置231及び荷重付与装置232として、エアシリンダ182を設けている。
従って、エアシリンダ182は、ブランケット胴31a,31b同士の軸方向における中間部同士が接近する方向に押圧することから、各ブランケット胴31a,31bが長尺物であっても、印刷時における撓みを抑制することができる。そのため、各ブランケット胴31a,31bは、軸方向における中間部での印圧の低下が抑制され、この位置でのブランケット胴31a,31bからウェブWへのインキ転写量の減少が抑制され、印刷品質の向上を図ることができる。
また、第5実施形態の印刷ユニットでは、左右のフレーム100の内側にて、各軸部112a,112bに第1支持部材181aと第2支持部材181bを設け、エアシリンダ182により連結している。従って、第1支持部材181aと第2支持部材182bとエアシリンダ182は、フレーム100の内側に配置されることとなり、外管品質を向上することができる。
[第6実施形態]
図10は、第6実施形態の印刷ユニットにおける一側部の断面図、図11は、印刷ユニットの側面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第6実施形態の印刷ユニットは、図10及び図11に示すように、スタック21にて、ブランケット胴31aとブランケット胴31bの軸方向における端部同士が離間する方向に押圧する押圧装置241が設けられている。この押圧装置241は、ブランケット胴31a,31bにおける各軸部に対して径方向に荷重を付与する荷重付与装置242である。
荷重付与装置242は、左右のフレーム100の外側に軸受191a,191bを介して配置される第1支持部材192aと第2支持部材192bを有している。第1支持部材192aは、ブランケット胴31aにおける軸部112aに相対回転自在に装着され、第2支持部材192bは、ブランケット胴31bにおける軸部112bに相対回転自在に装着されている。この第1支持部材192aと第2支持部材192bは、対向する平面部を有する立方体形状をなし、第1支持部材192aと第2支持部材192bが当接することで、軸部112a,112bが離間する方向に荷重を付与している。
そのため、ブランケット胴31a,31bは、てこの原理により、フレーム100の軸受113a,113bを支点として、軸方向の中間部が互いに接近しようとする応力が作用する。その結果、ブランケット胴31a,31bは、軸方向の中間部が互いに離間するような撓み変形が抑制され、軸方向における印圧がほぼ均一となる。
このように第6実施形態の印刷ユニットにあっては、ブランケット胴31a,31bの軸方向における中間部同士が接近する方向に押圧する押圧装置241及び荷重付与装置242として、互いに当接する第1支持部材192aと第2支持部材192bを設けている。
従って、第1支持部材192a及び第2支持部材192bにより、ブランケット胴31a,31b同士の軸方向における中間部同士が接近する方向に押圧することから、各ブランケット胴31a,31bが長尺物であっても、印刷時における撓みを抑制することができる。そのため、各ブランケット胴31a,31bは、軸方向における中間部での印圧の低下が抑制され、この位置でのブランケット胴31a,31bからウェブWへのインキ転写量の減少が抑制され、印刷品質の向上を図ることができる。
なお、この実施形態では、第1支持部材192aと第2支持部材192bは、対向する平面部を有する立方体形状としたが、対向する部分は曲面でもよい。また、第1支持部材192aと第2支持部材192bは、互いの距離を調整できる構造としてもよい。
また、上述した実施形態では、押圧装置及び荷重付与装置をエアシリンダとしたが、この構成に限定されるものではない。押圧装置及び荷重付与装置として、例えば、油圧シリンダ、電動シリンダ、駆動モータ、ねじ機構、ばねなどを適用してもよい。
また、上述した実施形態では、本発明の印刷機を新聞用オフセット輪転印刷機に適用して説明したが、商業用オフセット輪転印刷機などに適用してもよい。