JP2017151461A - 駆動装置 - Google Patents

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Kenjiro Fujimoto
健二郎 藤本
高橋 宏和
Hirokazu Takahashi
宏和 高橋
山村 雄一
Yuichi Yamamura
雄一 山村
満 小荒井
Mitsuru Koarai
満 小荒井
友崇 矢部
Tomotaka Yabe
友崇 矢部
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Yuji Fukazawa
雄次 深澤
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Abstract

【課題】被駆動部を好適に駆動させる。【解決手段】駆動装置101は、第1ベース部110と、第1ベース部の外部に配置される第2ベース部120と、第2ベース部に回転可能に支持される被駆動部400と、第1ベース部に対して、当該第1ベース部を回転させる駆動力を付与する当該第1ベース部に配置されたコイル300と、コイルの近傍に配置されたヨークとを有する駆動力付与部と、第1ベース部と第2ベース部とを連結し、被駆動部を回転させるように第1ベース部に付与された駆動力を前記第2ベース部に伝達する弾性部210とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、例えばミラー等の被駆動物を駆動させるMEMSスキャナ等の駆動装置の技術分野に関する。
例えば、ディスプレイ、プリンティング装置、精密測定、精密加工、情報記録再生などの多様な技術分野において、半導体工程技術によって製造されるMEMS(Micro Electro Mechanical System)デバイスについての研究が活発に進められている。このようなMEMSデバイスとして、例えば、光源から入射された光を所定の画面領域に対して走査して画像を具現するディスプレイ分野、または所定の画面領域に対して光を走査して反射された光を受光して画像情報を読み込むスキャニング分野では、微小構造のミラー駆動装置(光スキャナないしはMEMSスキャナ)が注目されている。
ミラー駆動装置では、コイルと磁石を用いてミラーを駆動する構成が一般的である。この場合、コイルに電流を流すことで生ずる磁界と磁石の磁界との間の相互作用によってミラーに対して回転方向の力が加えられ、その結果、ミラーが回転させられる(例えば、特許文献1から3参照)。
特開2008−203497号公報 米国特許出願公開第2011/0199172号明細書 特開2011−180322号公報
上述した特許文献1から3には、駆動力が付与されるベース(或いは、フレーム)に一体的に被駆動部が支持される駆動装置が開示されている。このような従来の駆動装置に対して、本発明は、例えば、新たな態様で被駆動部を駆動させることが可能な駆動装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、駆動装置は、第1ベース部と、前記第1ベース部の外部に配置される第2ベース部と、前記第2ベース部に回転可能に支持される被駆動部と、前記第1ベース部に対して、当該第1ベース部を回転させる駆動力を付与する当該第1ベース部に配置されたコイルと、前記コイルの近傍に配置されたヨークとを有する駆動力付与部と、前記第1ベース部と前記第2ベース部とを連結し、前記被駆動部を回転させるように前記第1ベース部に付与された前記駆動力を前記第2ベース部に伝達する弾性部とを備える。
第1実施例に係るMEMSスキャナを表側から見た場合の構成を示す平面図である。 第1実施例に係るMEMSスキャナを裏側から見た場合の構成を示す平面図である。 第1実施例に係るMEMSスキャナの積層構造を示す断面図である。 第1実施例に係るMEMSスキャナにおける第1ベースの動作の態様を概念的に示す断面図(その1)である。 第1実施例に係るMEMSスキャナにおける第1ベースの動作の態様を概念的に示す断面図(その2)である。 第1実施例に係るMEMSスキャナの動作の態様を概念的に示す側面図である。 第1比較例に係るMEMSスキャナにおける支持層の境界周辺の構成を示す拡大断面図である。 第1実施例に係るMEMSスキャナのバネ部の構成を示す拡大平面図である。 第1変形例に係るMEMSスキャナのバネ部の構成を示す拡大平面図である。 第2変形例に係るMEMSスキャナのバネ部の構成を示す拡大平面図である。 第3変形例に係るMEMSスキャナのバネ部の構成を示す拡大平面図である。 第2実施例に係るMEMSスキャナの構成を示す平面図である。 第2実施例に係るMEMSスキャナの構成を示す断面図である。 第2比較例に係るMEMSスキャナの構成を示す平面図である。 第2比較例に係るMEMSスキャナの構成を示す断面図である。 第3実施例に係るMEMSスキャナの構成を示す平面図である。 第3実施例に係るMEMSスキャナの動作の態様を概念的に示す側面図である。
以下、駆動装置の実施形態について順に説明する。
<1>
本実施形態の駆動装置は、第1ベース部と、第2ベース部と、前記第1ベース部と前記第2ベース部とを連結する弾性部と、駆動可能な態様で前記第2ベース部に支持される被駆動部とを備える。
本実施形態の駆動装置によれば、第1ベース部と第2ベース部とが、弾性を有する弾性部(例えば、後述するバネ部等)によって直接的に又は間接的に連結(言い換えれば、接続)されている。ここで、弾性部が弾性を有していることに起因して、弾性部の剛性は、第1ベース部及び第2ベース部の双方又は一方の剛性よりも低いことが好ましい。言い換えれば、弾性部は、第1ベース部及び第2ベース部の双方又は一方よりも相対的に変形しやすいことが好ましい。更に言い換えれば、弾性部が相対的に変形し易い一方で第1ベース部及び第2ベース部の双方又は一方は相対的に変形しにくいことが好ましい。
第2ベース部は、被駆動部を支持している。このとき、第2ベース部は、被駆動部が駆動可能(例えば、回転可能又は移動可能)となるように被駆動部を支持している。例えば、第2ベース部と被駆動部とが弾性を有する弾性部によって連結されることで、第2ベース部は、駆動可能な態様で第1被駆動部を支持していてもよい。
このような構成を有する本実施形態の駆動装置は、被駆動部を好適に駆動させる(例えば、回転させる又は移動させる)ことができる。つまり、このような構成を有する本実施形態の駆動装置によれば、被駆動部は好適に駆動する(例えば、回転する又は移動する)ことができる。具体的には、例えば、第1ベース部が動くと、弾性部を介して第1ベース部に連結されている第2ベース部もまた、当該第1ベース部の動きに伴って動くことになる。第2ベース部が動くと、第2ベース部によって支持されている被駆動部もまた、当該第2ベース部の動きに伴って動くことになる。その結果、被駆動部は好適に駆動することができる。
ここで、上述した被駆動部の具体的な駆動態様は、2つの剛体(即ち、第1ベース部及び第2ベース部に相当)が1つのバネ(即ち、弾性部に相当)で接続されている系を考えることで理解できる。このような系では、複数の固有振動モード、及びその固有振動モードの各々に対する固有振動数を持つようになると考えられる。この場合、所定の固有振動数に相当する周波数で一方の剛体に偶力を与えると、一方の剛体を回転運動させることができる。そして、一方の剛体の回転運動は、慣性モーメントとしてバネを介して他方の剛体に伝達される。よって、所定の固有振動数に対応した固有振動モードを実現できる。
尚、被駆動部を好適に駆動させるという点から言えば、第1ベース部と第2ベース部とは、弾性部以外の構造体(例えば、弾性を有していない又は第1ベース部及び第2ベース部よりも変形し易いという性質を有していない構造体)によって連結されていてもよい。この場合であっても、第1ベース部の動きに伴って被駆動部を駆動することができる。
<2>
本実施形態の駆動装置の他の態様では、前記第1ベース部に対して、前記被駆動部を駆動させるための駆動力を付与する駆動力付与部を更に備え、前記被駆動部は、前記第1ベース部から前記弾性部を介して前記第2ベース部に伝達される駆動力により駆動する。
この態様によれば、第1ベース部に付与される駆動力に起因して、第1ベース部は動く。第1ベース部が動くと、第1ベース部に連結されている第2ベース部もまた動くことになる。第2ベース部が動くと、被駆動部もまた動くことになる。このように、被駆動部は、第1ベース部に付与される駆動力(つまり、第1ベース部から弾性部を介して実質的に伝達される駆動力)によって好適に駆動することができる。
<3>
上述の如く駆動力付与部を備える態様では、前記第1ベース部は、前記駆動力付与部から付与される駆動力により、第1の方向及び該第1の方向とは異なる第2の方向に沿った軸を回転軸として回転可能であり、前記被駆動部は、前記第1ベース部から前記弾性部を介して前記第2ベース部に伝達される駆動力により、前記第1の方向及び前記第2の方向に沿った軸を回転軸として回転可能であってもよい。
この場合、駆動力付与部から付与される駆動力によって、第1ベース部が第1の方向に沿った軸を回転軸として回転されると、第1ベース部の回転による駆動力が弾性部により第2ベース部へと伝達され、第2ベース部もまた第1の方向に沿った軸を回転軸として回転される。同様に、第1ベース部が第2の方向に沿った軸を回転軸として回転されると、第1ベース部の回転による駆動力が弾性部により第2ベース部へと伝達され、第2ベース部もまた第2の方向に沿った軸を回転軸として回転される。
このように、第2ベース部は、第1ベース部の回転軸と同じ方向の回転軸で回転される。よって、第1のベース部の回転方向を変化させれば、第2ベース部の回転方向(言い換えれば、被駆動部の回転方向)も変化する。従って、第1ベース部に付与する駆動力を変更することで、被駆動部の回転方向を変化させることができる。
<4>
或いは駆動力付与部を備える態様では、前記駆動力付与部は、前記第1ベース部の開孔部の周囲に配置されたコイルと、前記第1ベース部の開孔部に挿通されたヨークとを有してもよい。
この場合、第1ベース部は開孔部を有するように構成される。例えば、第1ベース部は、枠状のフレームとして構成される。第1ベース部の開孔部の周囲には、駆動力付与部の一部として機能するコイルが配置される。コイルは、例えば開孔部を周回するように巻回されている。
他方、第1ベース部の開孔部には、磁束を集束するためのヨークが挿通されている。ヨークは例えば純鉄、パーマロイ、ケイ素鉄、センダスト等の比透磁率が高い軟磁性材料を含んで構成されることが好ましい。開孔部にヨークを配置することで、コイルに制御電流を流すことで発生するローレンツ力を高めることができる。即ち、駆動力付与部により付与可能な駆動力を大きくすることができる。よって、例えば磁束を与える磁石等の小型化を実現でき、装置全体としても小型化が可能となる。
尚、ヨークによる磁束の集束効果を高めるためには、ヨークとコイルとの距離は小さい方が好ましい。このためヨークは、コイルの配置された第1ベース部の駆動を妨げない範囲で大きくされることが好ましい。また、ヨークの断面は、第1ベース部の開孔部の形状に近い形状であることが好ましい。
更に、ヨークは、例えば第1ベース部の下方側から上方側へ挿通されるが、ヨークによる磁束の集束効果を高めるためには、ヨークをある程度上方まで延びるように構成することが好ましい。このためヨークは、コイルの配置された第1ベース部の駆動を妨げない範囲で長く構成されることが好ましい。
以下、図面を参照しながら、本発明の駆動装置の実施例について説明する。尚、以下では、駆動装置をMEMSスキャナに適用した例について説明する。但し、本発明の駆動装置をMEMSスキャナ以外の任意の駆動装置に適用してもよいことは言うまでもない。
(1)第1実施例
先ず、第1実施例に係るMEMSスキャナ101について、図1から図11を参照して説明する。
(1−1)基本構成
初めに、図1から図3を参照して、第1実施例に係るMEMSスキャナ101の構成について説明する。ここに、図1は、第1実施例に係るMEMSスキャナ101を表側から見た場合の構成を示す平面図であり、図2は、第1実施例に係るMEMSスキャナ101を裏側から見た場合の構成を示す平面図である。また図3は、第1実施例に係るMEMSスキャナ101の積層構造を示す断面図である。
図1及び図2に示すように、本実施例に係るMEMSスキャナ101は、第1ベース110と、第2ベース120と、バネ部210と、配線バネ部220と、コイル300と、ミラー400と、トーションバー450とを備えて構成されている。
第1ベース110は、内部に空隙(開孔部)を備える枠形状を有している。つまり、第1ベース110は、図中のY軸方向に延伸する2つの辺と図中のX軸方向(つまり、Y軸方向に直交する方向)に延伸する2つの辺とを有すると共に、Y軸方向に延伸する2つの辺とX軸方向に延伸する2つの辺とによって取り囲まれた空隙を有する枠形状を有している。なお、図1及び図2に示す例では、第1ベース110は、正方形の形状を有しているが、これに限定されることはなく、例えばその他の形状(例えば、長方形等の矩形の形状や円形の形状等)を有していてもよい。また、第1ベース110は、枠形状に限定されるものでものない。
第1ベース110は、不図示の基板ないしは支持部材等に対して固定されている(言い換えれば、MEMSスキャナ101という系の内部においては固定されている)。或いは、第1ベース110は、不図示のサスペンション等によって吊り下げられていてもよい。
第1ベース110上には、コイル300が配置されている。コイル300は、例えば相対的に導電率の高い材料(例えば、金や銅等)から構成される複数の巻き線である。本実施例では、コイル300は、第1ベース110に沿った正方形の形状を有している。但し、コイル300は、任意の形状(例えば、長方形やひし形や平行四辺形や円形や楕円形やその他の任意のループ形状)を有していてもよい。
コイル300には、図示せぬ電源端子等を介して、電源から制御電流が供給される。尚、電源は、MEMSスキャナ101自身が備えている電源であってもよいし、MEMSスキャナ101の外部に用意される電源であってもよい。コイル300の周辺には、図示せぬ磁石が配置されており、コイル300に制御電流を流すことで生ずる磁界と磁石の磁界との間の相互作用によって回転方向の力が加えられ、その結果、コイル300が設けられている第1ベース110が、磁界と制御電流の方向に応じた方向に回転させられる。コイル300は、「駆動力付与部」の一具体例である。
第2ベース部120は、第1ベース部110と同様に、内部に空隙を備える枠形状を有している。そして、第2ベース120の空隙内には、ミラー400が配置されている。ミラー400は、トーションバー450によって吊り下げられる又は支持されるように配置される。
トーションバー450は、例えばシリコン、銅合金、鉄系合金、その他金属、樹脂等を材料とするバネ等のような弾性を有する部材である。トーションバー450は、図1中Y軸方向に延伸するように配置される。言い換えれば、トーションバー450は、Y軸方向に延伸する長手を有すると共にX軸方向に延伸する短手を有する形状を有している。トーションバー450の一方の端部は、第2ベース110に接続される。また、トーションバー450の他方の端部は、ミラー400に接続される。このため、ミラー400は、トーションバー120の弾性によって、Y軸方向に沿った軸を回転軸として回転可能となる。ミラー400は、「被駆動部」の一具体例である。
第1ベース110及び第2ベース120間は、バネ部210によって互いに連結されている。バネ部210は、「弾性部」の一具体例であり、第1ベース110においてコイル300から得られた駆動力を、第2ベース120に伝達する機能を有している。また、第1ベース110及び第2ベース120間には、配線バネ部220が設けられている。配線バネ部220は、第1ベース110及び第2ベース120の電気的接続を実現するために設けられている。具体的には、配線バネ部220には、第1ベース110のコイル300と、第2ベース120の配線500とを接続するための接続配線225が配置されている。
図3に示すように、本実施例に係るMEMSスキャナ101は、支持層10、活性層20、BOX層30及び金属層40の積層構造によって構成されている。ただし、他の層を含む積層構造とされても構わない。
支持層10及び活性層20の各々は、例えばシリコン等を含んで構成されている。BOX層30は、例えばSiO等の酸化膜等によって構成されており、支持層10及び活性層20間に配置されている。BOX層30は、支持層10と活性層20とを絶縁している。金属層40は、例えば導電率の高い金属等を含んで構成されており、活性層20上に配置されている。金属層40は、第1ベース110におけるコイル300や、第2ベース120における配線500、配線バネ部220における接続配線225等を構成している。
ここで本実施例では特に、支持層10は、第1ベース110から、バネ部210及び第2ベース120に至るまで延在するように形成されている(具体的には、図2を参照)。一方で、活性層20、BOX層30及び金属層40は、第1ベース110及び第2ベース120には夫々形成されているものの、バネ部210には形成されていない。言い換えれば、バネ部210は、支持層20のみによって構成されている。また、バネ部210は、第1ベース110の支持層10及び第2ベース120の支持層と一体的に構成されている。なお、バネ部210には活性層20が形成されていないが、配線バネ部220には活性層20が形成されている(図1を参照)。このため、第1ベース110と第2ベース120の電気的接続を実現できる。
(1−2)MEMSスキャナの動作
次に、図4から図6を参照して、本実施例に係るMEMSスキャナ101の動作について説明する。ここに図4及び図5は夫々、第1実施例に係るMEMSスキャナ101における第1ベースの動作の態様を概念的に示す断面図である。また図6は、第1実施例に係るMEMSスキャナ101の動作の態様を概念的に示す側面図である。なお、図4以降の図では、説明の便宜上、図1から図3等に記載したMEMSスキャナ101を構成する詳細な部材について、適宜省略して簡略的に図示している。
本実施例に係るMEMSスキャナ101の動作時には、まず、コイル300に制御電流が供給される。制御電流は、Y軸方向に沿った軸を回転軸として第1ベース110を回転させるための電流成分(つまり、Y軸駆動用制御電流)を含んでいる。
図4に示すように、コイル300には、磁石によりX軸マイナス方向の磁界が付与されている。従って、コイル300には、コイル300に供給されているX軸駆動用制御電流とコイル300に付与されているY軸駆動用磁界との間の電磁相互作用に起因したローレンツ力が発生することになる。
ここで、図1における時計周りの方向に流れるY軸駆動用制御電流がコイル300に供給された場合について説明する。この場合、図4(a)に示すコイル300の2つの長辺のうちの右側(つまり、図1では上側)の長辺には、図4(a)における下側の方向に向かうローレンツ力が発生する。同様に、図4(a)に示すように、コイル300の2つの長辺のうちの左側(つまり、図1では下側)の長辺には、図4(a)における上側の方向に向かうローレンツ力が発生する。つまり、X軸方向に沿って対向するコイル300の2つの長辺には、相互に異なる方向のローレンツ力が発生する。言い換えれば、X軸方向に沿って対向するコイル300の2つの長辺には、偶力となるローレンツ力が発生する。従って、コイル300は、図4(a)における時計周りの方向に向かって回転する。
一方で、制御電流が交流電流であるため、コイル300に対して図1における反時計周りの方向にY軸駆動用制御電流が供給される場合も生ずる。この場合、図4(b)に示すように、X軸方向に沿って対向するコイル300の2つの長辺のうちの右側(つまり、図1では上側)の長辺には、図4(b)における上側の方向に向かうローレンツ力が発生する。同様に、図4(b)に示すように、X軸方向に沿って対向するコイル300の2つの長辺のうちの左側(つまり、図1では下側)の長辺には、図4(b)における下側の方向に向かうローレンツ力が発生する。つまり、X軸方向に沿って対向するコイル300の2つの長辺には、相互に異なる方向のローレンツ力が発生する。言い換えれば、X軸方向に沿って対向するコイル300の2つの長辺には、偶力となるローレンツ力が発生する。従って、コイル300は、図4(b)における半時計周りの方向に向かって回転する。
このようなローレンツ力によって、コイル300は、Y軸方向に沿った軸を回転軸として回転する(より具体的には、回転するように往復駆動する)。
他方、本実施例に係るMEMSスキャナ101の動作時には、X軸方向に沿った軸を回転軸として第1ベース110を回転させるための電流成分(つまり、X軸駆動用制御電流)を含む制御電流がコイル300に供給される。
図5に示すように、コイル300には、磁石によりY軸プラス方向の磁界が付与されている。従って、コイル300には、コイル300に供給されているX軸駆動用制御電流とコイル300に付与されているX軸駆動用磁界との間の電磁相互作用に起因したローレンツ力が発生することになる。
ここで、図1における時計周りの方向に流れるX軸駆動用制御電流がコイル300に供給された場合について説明する。この場合、図5(a)に示すコイル300の2つの長辺のうちの右側の長辺には、図5(a)における上側の方向に向かうローレンツ力が発生する。同様に、図5(a)に示すように、コイル300の2つの長辺のうちの左側の長辺には、図5(a)における下側の方向に向かうローレンツ力が発生する。つまり、Y軸方向に沿って対向するコイル300の2つの長辺には、相互に異なる方向のローレンツ力が発生する。言い換えれば、Y軸方向に沿って対向するコイル300の2つの長辺には、偶力となるローレンツ力が発生する。従って、コイル300は、図5(a)における反時計周りの方向に向かって回転する。
一方で、制御電流が交流電流であるため、コイル300に対して図1における反時計周りの方向にX軸駆動用制御電流が供給される場合も生ずる。この場合、図5(b)に示すように、Y軸方向に沿って対向するコイル300の2つの長辺のうちの右側の長辺には、図5(b)における下側の方向に向かうローレンツ力が発生する。同様に、図5(b)に示すように、Y軸方向に沿って対向するコイル300の2つの長辺のうちの左側の長辺には、図5(b)における上側の方向に向かうローレンツ力が発生する。つまり、Y軸方向に沿って対向するコイル300の2つの長辺には、相互に異なる方向のローレンツ力が発生する。言い換えれば、Y軸方向に沿って対向するコイル300の2つの長辺には、偶力となるローレンツ力が発生する。従って、コイル300は、図5(b)における時計周りの方向に向かって回転する。
このようなローレンツ力によって、コイル300は、X軸方向に沿った軸を回転軸として回転する(より具体的には、回転するように往復駆動する)。
以上説明したコイル300の回転動作は、第1ベース110からバネ部210を介して第2ベース120へと伝達される。これにより、第2ベース120が駆動される。即ち、第2ベース120は、第1ベース110におけるコイル300に付与された駆動力によって駆動される。
図6に示すように、特にコイル300がX軸方向に沿った軸を回転軸とする回転動作(図5参照)を行う場合には、ミラー400が、X軸方向に沿った軸を回転軸とする回転方向に大きく駆動される。
具体的には、図6(a)及び(b)に示すように、第1ベース110が時計周りの方向に回転する場合、第2ベース120は反時計周りの方向に回転する。これにより、図6(a)のように、第2ベース120に配置されたミラー400は、反時計周りの方向(即ち、第2ベース120と同じ回転方向)に大きく回転する。或いは図6(b)のように、第2ベース120に配置されたミラー400は、時計周りの方向(即ち、第2ベース120と異なる回転方向)に大きく回転する。なお、図6(a)のような回転をさせるか、或いは図6(b)のような回転をさせるかは、各部バネの硬さ等の設計によって選択できる。
一方、図6(c)に示すように、第1ベース110が反時計周りの方向に回転する場合、第2ベース120は時計周りの方向に回転する。これにより、第2ベース120に配置されたミラー400は、時計周りの方向(即ち、第2ベース120と同じ回転方向)に大きく回転する。
(1−3)MEMS駆動時の応力集中
次に、既出の図6に加えて図7を参照して、MEMSスキャナの駆動時に発生し得る問題点について説明する。ここに図7は、第1比較例に係るMEMSスキャナにおける支持層の境界周辺の構成を示す拡大断面図である。
図6に示すようなMEMSスキャナ101の駆動において、第1ベース110のコイル300で発生した駆動力は、バネ部210を介して、第2ベース120のミラー400に伝達される。よって、図6を見ても分かるように、バネ部210は、駆動によって大きく変形することになる。バネ部210の形状や硬さは、駆動の共振モードの態様やその共振周波数に大きく影響するため、求められるデバイスの特性を満たすために適した形状、硬さにすることが望まれる。また、バネ部210は、強度に関する要件(例えば、駆動による変形等で破損しないような強度)も満たすことが望まれる。
ここで特に、バネ部210と、第1ベース110及び第2ベース120との境界周辺には、駆動力を伝達する場合に応力が集中し易い。よって、一定以上の強度を有さないバネ部210は、第1ベース110及び第2ベース120との境界周辺において、駆動時に破損してしまうおそれがある。
ここで図7に示すように、支持層10が一体的に形成されていない第1比較例を考える。即ち、本実施例(図3参照)のように、支持層10が第1ベース110からバネ部210、第2ベース120に至るまで延在するよう形成されておらず、部分的に支持層が存在しない例を考える。
このような第1比較例では、支持層10が一体的に形成されていないため、図に示すような支持層10の境界が存在することになる。そして、この支持層10の境界部分では、加工の都合上、図の破線で囲う領域のようなノッチが入りやすい。よって、応力に対して更に弱い形状となってしまう。
これに対し、本実施例に係るMEMSスキャナ101では、図3等に示したように、応力が集中し易いバネ部210が、第1ベース110及び第2ベース120の支持層10と同じ層によって一体的に構成されている。よって、上述したような応力集中による破損を効果的に防止することができる。
また、本実施例に係るMEMSスキャナ101では、図3等に示したように、バネ部210が支持層10のみで構成されているため、例えば支持層10と他の層(例えば、活性層20やBOX層30)との境界部分に駆動時の応力が集中することで、バネ部210が破損してしまうことを効果的に防止できる。ただし、バネ部210が単一の層で構成されない場合(例えば、BOX層30等を含む場合)であっても、バネ部210が第1ベース110及び第2ベース120の支持層10と同じ層によって一体的に構成されている限り、破損耐性を向上させる効果は相応に得られる。
(1−4)バネ部の具体的構成
次に、図8を参照して、本実施例に係るバネ部210の具体的な構成について詳細に説明する。ここに図8は、実施例に係るMEMSスキャナのバネ部の構成を示す拡大平面図である。
図8に示すように、本実施例に係るMEMSスキャナ101のバネ部210は、X軸方向に沿う方向に延在する部分(以下、適宜「第1部分」と称する)と、Y軸方向に沿う方向に延在する部分(以下、適宜「第2部分」と称する)とを夫々有している。具体的には、第1ベース110及び第2ベース120の各々には、第1部分が夫々接続されており、これら2つの第1部分間に第2部分が設けられている。
このような形状とすれば、バネ部210が互いに異なる方向に延びる第1部分及び第2部分を有するため、応力の集中を低減でき、破損耐性を効果的に高めることができる。具体的には、連結方向に交わる方向(即ち、Y軸方向に沿った方向)に延びる第2部分が曲がる(ねじれる)ことによって、破損を効果的に防止できる。
また本実施例では特に、上述した第1部分の幅L1は、第2部分の幅L2より太くなるように形成されている。このようにすれば、連結方向(即ち、X軸方向に沿った方向)に延びる第1部分が比較的太く形成されるため、接続部材としての強度を効果的に高めることができる。一方で、連結方向に交わる方向(即ち、Y軸方向に沿った方向)に延びる第2部分が比較的細く形成されるため、より曲がり易くなり、効果的に破損耐性を高めることができる。
加えて本実施例では、バネ部210と、第1ベース110及び第2ベース120の各々との接続部分において、活性層20が部分的に存在しない領域が設けられている(図中の破線で囲った領域を参照)。この場合、応力の集中し易い接続部分に、破損耐性の低い活性層20の境界が存在してしまうことを防止できる、従って、より効果的に破損耐性を高めることが可能である。
以上説明したように、本実施例に係るバネ部210によれば、駆動時における破損を効果的に抑制できる。
なお、バネ部210の構造は、図8で示すものに限られる訳ではない。以下では、図9から図11を参照して、上述したバネ部の変形例について説明する。ここに図9は、第1変形例に係るMEMSスキャナのバネ部の構成を示す拡大平面図であり、図10は、第2変形例に係るMEMSスキャナのバネ部の構成を示す拡大平面図である。また図11は、第3変形例に係るMEMSスキャナのバネ部の構成を示す拡大平面図である。
図9に示すように、第1変形例に係るバネ部211は、第1部分における第1ベース110及び第2ベース120との接続部分周辺が、より太くなるように形成されている(図中の破線で囲った領域を参照)。このように構成すれば、第1部分の中でも特に応力の集中し易い接続部分が太く形成されるため、効果的に破損耐性を高めることができる。
図10に示すように、第2変形例に係るバネ部212は、2つのバネ部が一体的に構成されている。即ち、図1等において、MEMSスキャナ101をX軸方向に沿った方向で見た場合に、対照的な位置に配置される2つのバネ部が、1つのバネ部として構成されている。具体的には、第1ベース110から延びる1つの第1部分、及び第2ベース120から延びる2つの第1部分が、1つの第2部分によって互いに連結されている。このように構成した場合であっても、第1部分及び第2部分を上述した各種構成とすることで、破損耐性を高める効果を得ることができる。
図11に示すように、第3変形例に係るバネ部213は、第1変形例に係るバネ部211と同様の形状として構成されている。一方で、第3変形例では、配線バネ部223の幅L3が、バネ部213の第2部分の幅L2よりも小さい幅L3を有するように構成されている。また、配線バネ部223を延ばした場合の全長は、バネ部213を延ばした場合の全長より長くなるように構成されている。このような構成によれば、配線バネ部223の硬さを柔らかくすることができる。よって、バネ部213とは異なり、活性層20のみで構成される配線バネ部223の破損耐性を、効果的に高めることができる。
尚、本実施例及び第1変形例から第3変形例で説明した各構成の一部を適宜組み合わせてもよい。この場合であっても、上述した各種構成に対応する各種効果を好適に享受することができる。
(2)第2実施例
次に、第2実施例に係るMEMSスキャナ102について、図12から図15を参照して説明する。尚、第2実施例は、上述した第1実施例と比べて一部の構成が異なるのみであり、その他の構成については概ね同様である。このため、以下では第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
(2−1)基本構成
先ず、第2実施例に係るMEMSスキャナ102の構成について、図12及び図13を参照して説明する。ここに図12は、第2実施例に係るMEMSスキャナの構成を示す平面図である。また図13は、第2実施例に係るMEMSスキャナの構成を示す断面図である。
図12において、第2実施形態に係るMEMSスキャナ102は、第1実施形態に係るMEMSスキャナ101の構成(例えば、図1参照)に加えて、第1ベース110の開孔部に挿通されるヨーク600を備えて構成されている。ヨーク600は、例えば純鉄、パーマロイ、ケイ素鉄、センダスト等の比透磁率が高い軟磁性材料を含んで構成されることが好ましい。
図13において、ヨーク600は、MEMSスキャナ101の下方側に配置された下部ヨーク650から、MEMSスキャナ101の上方側に延びるように形成されている。ヨーク600の側方には、磁束を発生させる第1磁石710及び第2磁石720が配置されている。第1磁石710は、上面(即ち、MEMSスキャナ102に対向する面)がS極とされており、第2磁石720は、上面がN極(即ち、第1磁石710とは異なる極)とされている。よって、磁束は第2磁石720の上面から第1磁石710の上面に向かう。尚、第1磁石710及び第2磁石720の上面側には、図示せぬミドルヨークが設けられてもよい。また、コイル300の外側には、図示せぬヨークポストが設けられてもよい。
ヨーク600を配置することで、上述した第1磁石710及び第2磁石720によって発生される磁束を集束することができる。これにより、コイル300に制御電流を流すことで発生するローレンツ力を高めることができる。即ち、ヨーク600によれば、コイル300や第1磁石710及び第2磁石720を大きくせずとも、第1ベース110に付与可能な駆動力を大きくすることができる。よって、装置の小型化が実現できる。
尚、ヨーク600による磁束の集束効果を高めるためには、ヨーク600とコイル300との距離L4(図12参照)は小さい方が好ましい。このためヨーク600は、コイル300の配置された第1ベース110の駆動を妨げない範囲で大きくされることが好ましい。また、ヨーク600の断面は、第1ベース110の開孔部の形状に近い形状であることが好ましい。
更に、ヨーク600による磁束の集束効果を高めるためには、ヨーク600をある程度MEMSスキャナ102の上方まで延びるように構成することが好ましい。このためヨーク600は、コイル300の配置された第1ベース110の駆動を妨げない範囲で、或いはミラー400に入射するレーザ光の経路を妨げない範囲で長く構成されることが好ましい。
(2−2)第2比較例との比較
次に、図14及び図15を参照して説明する第2比較例に係るMEMSスキャナ102bとの比較により、第2実施例に係るMEMSスキャナ102の有利な点について具体的に説明する。ここに図14は、第2比較例に係るMEMSスキャナの構成を示す平面図である。また図15は、第2比較例に係るMEMSスキャナの構成を示す断面図である。
図14において、第2比較例に係るMEMSスキャナ102bでは、コイル300が設けられる第1ベース110にミラー400が設けられている。より具体的には、第2比較例に係るミラー400は、第1ベース110の開孔部にトーションバー450で支持されている。このような構成によれば、コイル300によって付与される駆動力により第1ベース110が駆動されると、それに伴いミラー400も駆動されることになる。
図15において、第2比較例に係るMEMSスキャナ102bは、第1ベース110の開孔部にミラー400が配置されているため、第2実施形態に係るMEMSスキャナ102(例えば、図13参照)のように、ヨーク600を挿通させることができない。即ち、第2比較例に係るMEMSスキャナ102bでは、ヨーク600をMEMSスキャナ102bの下方までしか伸ばすことができない。よって、第2比較例に係るMEMSスキャナ102bは、第2実施形態に係るMEMSスキャナ102と比較して、ヨーク600の磁束の集束効果が劣る。
従って、例えば第2比較例に係るMEMSスキャナ102bにおいて、第2実施形態に係るMEMSスキャナ102と同等の駆動力を付与したい場合、コイル300や第1磁石710及び第2磁石720の大型化が要求される。或いは、図15にも示すように、MEMSスキャナ102bの上方に他の磁束発生手段(具体的には、第3磁石730、第4磁石740、第1上部ヨーク660及び第2上部ヨーク670)を配置することが要求される。このような設計変更は、装置の大型化を避けることが困難である。
以上説明したように、第2実施形態に係るMEMSスキャナ102によれば、第1ベース110の開孔部にヨーク600を挿通させることができるため、装置の大型化を回避しつつ、極めて効果的に磁束の集束効果を高めることができる。よって、駆動力の大きい装置が求められる場合であっても、装置の小型化を実現できる。
(3)第3実施例
次に、第3実施例に係るMEMSスキャナ103について、図6及び図7を参照して説明する。尚、第3実施例は、上述した第2実施例と比べて一部の構成及び動作が異なるのみであり、その他の部分については概ね同様である。このため、以下では第2実施形態と異なる部分について詳細に説明し、他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
(3−1)基本構成
先ず第3実施形態に係るMEMSスキャナ103の構成について、図16を参照して説明する。ここに図16は、第3実施例に係るMEMSスキャナの構成を示す平面図である。
図16において、第3実施形態に係るMEMSスキャナ103は、第2ベース120から見て、第1ベース110とは反対側に、第3ベース130が設けられている。第3ベース130には、第1ベース110と同様に、コイル300bが設けられており、開孔部にヨーク600bが挿通されている。また、第3ベース130は、バネ部210b及び配線バネ部220bによって第2ベース120と物理的に接続されており、配線バネ部220bに設けられた接続配線225bにより電気的にも接続されている。即ち、第3ベース130は、第1ベース110と同様に、第2ベース120に支持されたミラー400に駆動力を伝達させるものとして構成されている。
(3−2)MEMSスキャナの動作
次に、図17を参照して、第3実施例に係るMEMSスキャナ103の動作について説明する。ここに図17は、第3実施例に係るMEMSスキャナの動作の態様を概念的に示す側面図である。なお、図17では、説明の便宜上、図16に記載したMEMSスキャナ103を構成する詳細な部材について、適宜省略して簡略的に図示している。
図3(a)に示すように、例えば第1ベース110の右端周辺に下向きのローレンツ力を発生させ、左端周辺に上向きのローレンツ力を発生させると共に、第3ベース130の右端周辺に下向きのローレンツ力を発生させ、左端周辺に上向きのローレンツ力を発生させると、第1ベース110及び第3ベース130の各々は、それぞれ時計回りに回転運動する。これにより、第2ベース120及びミラー400は、反時計回りに回転運動する。
他方、図3(b)に示すように、例えば第1ベース110の右端周辺に上向きのローレンツ力を発生させ、左端周辺に下向きのローレンツ力を発生させると共に、第3ベース130の右端周辺に上向きのローレンツ力を発生させ、左端周辺に下向きのローレンツ力を発生させると、第1ベース110及び第3ベース130の各々は、それぞれ反時計回りに回転運動する。これにより、第2ベース120及びミラー400は、時計回りに回転運動する。
このように、第3実施例に係るMEMSスキャナ103においても、第1ベース110及び第3ベース130の各々にローレンツ力を発生させることで、ミラー400を所望の向きに回転させることができる。特に第3実施例に係るMEMSスキャナ103では、第1ベース110に設けられたコイル300及び第3ベース130に設けられたコイル300bの各々においてローレンツ力が発生するため、第1実施例に係るMEMSスキャナ110や第2実施例に係るMEMSスキャナ102と比較して、大きな駆動力を得ることができる。
また、第3ベース130においても、第1ベース110と同様に開孔部にヨーク600bを挿通させることで、磁束を効果的に集束させることができる。よって、装置が大型化してしまうことを抑制できる。
なお、上述した各実施例に係るMEMSスキャナ101、102及び103は、例えば、ヘッドアップディスプレイや、ヘッドマウントディスプレイや、レーザスキャナや、レーザプリンタや、走査型駆動装置等の各種電子機器に対して適用することができる。従って、これらの電子機器もまた、本発明の範囲に含まれるものである。
また、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う駆動装置もまた本発明の技術思想に含まれる。
10 支持層
20 活性層
30 BOX層
40 金属層
101,102,103 MEMSスキャナ
110 第1ベース
120 第2ベース
130 第3ベース
210 バネ部
220 配線バネ部
225 接続配線
300 コイル
400 ミラー
450 トーションバー
500 配線
600 ヨーク
650 下部ヨーク
660 第1上部ヨーク
670 第2上部ヨーク
710 第1磁石
720 第2磁石
730 第3磁石
740 第4磁石

Claims (4)

  1. 第1ベース部と、
    前記第1ベース部の外部に配置される第2ベース部と、
    前記第2ベース部に回転可能に支持される被駆動部と、
    前記第1ベース部に対して、当該第1ベース部を回転させる駆動力を付与する当該第1ベース部に配置されたコイルと、前記コイルの近傍に配置されたヨークとを有する駆動力付与部と、
    前記第1ベース部と前記第2ベース部とを連結し、前記被駆動部を回転させるように前記第1ベース部に付与された前記駆動力を前記第2ベース部に伝達する弾性部と
    を備えることを特徴とする駆動装置。
  2. 前記第1ベース部は、内部に第1の空隙を有し、
    前記駆動力付与部は、前記第1の空隙にヨークを有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
  3. 前記第1ベース部は、前記駆動力付与部から付与される駆動力により、第1の方向及び該第1の方向とは異なる第2の方向に沿った軸を回転軸として回転可能であり、
    前記被駆動部は、前記第1ベース部から前記弾性部を介して前記第2ベース部に伝達される回転により、前記第1の方向及び前記第2の方向に沿った軸を回転軸として回転可能である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の駆動装置。
  4. 前記第1ベース部は、第1支持層、第1BOX層及び第1活性層の積層構造により構成され、
    前記第2ベース部は、第2支持層、第2BOX層及び第2活性層の積層構造により構成され、
    前記弾性部は、前記第1支持層及び前記第2支持層と同一の層を含んで形成されており、
    前記第1ベース部及び前記第2ベース部の少なくとも一方における前記弾性部と接続される部分は、少なくとも部分的に前記第1活性層又は前記第2活性層を有さない領域を含んでいる
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の駆動装置。
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