JP2017150045A - マルテンサイト系ステンレス鋼 - Google Patents

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Abstract

【課題】塩化物に対する耐食性及びカルボン酸に対する耐食性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼の提供。【解決手段】マルテンサイト系ステンレス鋼は、0.15質量%以上0.40質量%以下のC、1.0質量%以下のSi、2.0質量%以下のMn、0.60質量%以下のNi、12.0質量%以上17.0質量%以下のCr、2.0質量%以下のMo、0.1質量%以上1.5質量%以下のCu、及び0.07質量%以上0.15質量%以下のNを含む。残部は、Fe及び不可避的不純物である。この鋼では、クロム当量とニッケル当量との比(Creq/Nieq)は、1.91以下である。HVは、50.0以上である。PRは、13.0以上である。GCRは、−8.0以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、マルテンサイト系ステンレス鋼に関する。特には、本発明は、内燃機関の燃料系部品等に適したマルテンサイト系ステンレス鋼に関する。
マルテンサイト系ステンレス鋼は強度に優れるので、様々な用途に用いられている。マルテンサイト系ステンレス鋼の改良についても、種々の提案がなされている。
特開平6−264194号公報には、1.0質量%以上のNiを含むマルテンサイト系ステンレス鋼が開示されている。この鋼は、屋外環境下での耐食性に優れている。この鋼は、タッピングネジ等に適している。
特開平11−106869号公報には、N及びMoを含むマルテンサイト系ステンレス鋼が開示されている。この鋼は、熱間加工性に優れている。さらにこの鋼は、屋外環境下での耐食性に優れている。
特開2003−41348公報には、Cr、Mo及びNを含むマルテンサイト系ステンレス鋼が開示されている。この鋼は、冷間加工性に優れている。さらにこの鋼は、屋外環境下での耐食性に優れている。
自動車エンジン等の内燃機関の燃料系部品には、強い応力がかかるので、強度が必要である。この燃料系部品に、マルテンサイト系ステンレス鋼が用いられている。具体的には、SUS440C、SUS420J2等のステンレス鋼が、燃料系部品に用いられている。
特開平6−264194号公報 特開平11−106869号公報 特開2003−41348公報
自動車は、道路を走行する。この道路には、融雪剤が散布されることが多い。融雪剤の主成分は、塩化カリウム等の塩化物である。この塩化物は、燃料系部品に付着する。燃料系部品には、塩化物に対する耐食性が必要である。マルテンサイト系ステンレス鋼の耐食性の、さらなる向上が望まれている。
ガソリンの品質には、ばらつきがある。粗悪ガソリンや劣化したガソリンが、内燃機関に用いられることがある。さらに、ガソリンとアルコールとの混合燃料が、内燃機関に用いられることもある。粗悪ガソリン、劣化したガソリン、混合燃料等は、ギ酸、酢酸等のカルボン酸を含む。内燃機関の燃料系部品は、カルボン酸と接触する。この燃料系部品には、カルボン酸に対する耐食性が必要である。
塩化物に対する耐食性及びカルボン酸に対する耐食性の向上は、燃料系部品以外の用途でも、望まれている。
本発明の目的は、塩化物に対する耐食性及びカルボン酸に対する耐食性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼の提供にある。
本発明に係るマルテンサイト系ステンレス鋼は、
0.15質量%以上0.40質量%以下のC、
1.0質量%以下のSi、
2.0質量%以下のMn、
0.60質量%以下のNi、
12.0質量%以上17.0質量%以下のCr、
2.0質量%以下のMo、
0.1質量%以上1.5質量%以下のCu、
及び
0.07質量%以上0.15質量%以下のN
を含む。この鋼の残部は、実質的にFe及び不可避的不純物である。この鋼では、下記数式(1)で算出されるクロム当量Creqと下記数式(2)で算出されるニッケル当量Nieqとの比(Creq/Nieq)は、1.91以下である。
Creq = Cr + 1.37Mo + 1.5Si (1)
Nieq = Ni + 0.31Mn + 22C + 14.2N + Cu (2)
この鋼では、下記数式(3)で算出されるHVは、50.0以上である。
HV = 59.7 + 39.7C + 79.6N - 1.4Cr - 2.1Mo (3)
この鋼では、下記数式(4)で算出されるPRは、13.0以上である。
PR = Cr + 3.3Mo + 16N - 30C (4)
この鋼では、下記数式(5)で算出されるGCRは、−8.0以上である。
GCR = 3.6Ni - Cr + 4.7Mo + 11.5Cu + 1.4N - 2.1Mn (5)
上記数式(1)−(5)における元素記号は、鋼における当該元素の含有率(質量%)を表す。
好ましくは、この鋼では、焼入れ及び焼戻しがなされた状態でのδフェライトの面積率Pdは、0.5%以下である。
好ましくは、この鋼では、焼入れ及び焼戻しがなされた状態でのロックウェル硬さHRは、50.0以上である。
この鋼は、内燃機関の燃料系部品に適している。
本発明に係るマルテンサイト系ステンレス鋼は、塩化物に対する耐食性及びカルボン酸に対する耐食性に優れる。
本発明に係るマルテンサイト系ステンレス鋼の主成分は、Feである。この鋼は、C、Si、Mn、Ni、Cr、Mo、Cu及びNを含む。これらの元素の残部は、実質的には、Fe及び不可避的不純物である。この鋼では、γループに昇温された状態からの焼入れにより、マルテンサイト組織が得られる。この鋼は、比較的多量のCrを含む。この鋼から得られた製品では、その表面にCrの不働態被膜が形成される。この不働態被膜は、この製品の耐食性に寄与する。
Cは、焼入れによりFeに固溶する。この固溶により、鋼が強化される。Cが固溶した鋼は、高硬度かつ高強度である。さらにCは、オーステナイト安定化元素である。従ってCは、後に詳説されるδフェライトの形成を抑制する。換言すれば、Cは鋼の耐食性に寄与しうる。これらの観点から、Cの含有率は0.15質量%以上が好ましく、0.18質量%以上がより好ましく、0.20質量%以上が特に好ましい。Cの含有率が過剰であると、このCの一部がFeに固溶せず、炭化物を形成する。この炭化物は、鋼の耐食性を損なう。耐食性の観点から、Cの含有率は0.40質量%以下が好ましく、0.35質量%以下がより好ましく、0.30質量%以下が特に好ましい。
Siは、鋼の脱酸に寄与しうる。この観点から、Siの含有率は0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.2質量%以上が特に好ましい。鋼が、Siを実質的に含まなくてもよい。換言すれば、この鋼におけるSiの含有率は、0.0以上である。過剰のSiは、鋼の冷間加工性を低下させる。冷間加工性の観点から、Siの含有率は1.0質量%以下が好ましく、0.8質量%以下がより好ましく、0.6質量%以下が特に好ましい。
Mnは、鋼の脱酸に寄与しうる。Mnは、焼入れ前の加熱において、オーステナイトの形成に寄与する。さらにMnは、後述されるNのFeへの固溶を促す。これらの観点から、Mnの含有率は0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が特に好ましい。過剰のMnを含む鋼では、MnSが形成される。このMnSは、鋼の耐食性を損なう。耐食性の観点から、Mnの含有率は2.0質量%以下が好ましく、1.5質量%以下がより好ましく、1.0質量%以下が特に好ましい。
Niを含む鋼は、焼入れ及び焼戻しの後の靱性に優れる。この観点から、Niの含有率は0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.2質量%以上が特に好ましい。過剰のNiを含む鋼の焼鈍後の硬さは、大きい。この鋼は、冷間加工性に劣る。冷間加工性の観点から、Niの含有率は0.60質量%以下が好ましく、0.55質量%以下がより好ましく、0.50質量%以下が特に好ましい。
Crは、前述の通り、鋼の表面において不働態被膜を形成する。この不働態被膜は、塩化物に対する鋼の耐食性に寄与する。耐食性の観点から、Crの含有率は12.0質量%以上が好ましく、12.5質量%以上がより好ましく、13.0質量%以上が特に好ましい。Crは、フェライト形成元素である。このCrを過剰に含む鋼では、後述されるδフェライトが形成されうる。このδフェライトは、鋼の耐食性を阻害する。耐食性の観点から、Crの含有率は17.0質量%以下が好ましく、16.5質量%以下がより好ましく、16.0質量%以下が特に好ましい。
Moを含む鋼では、Crの不働態被膜が緻密である。Moは、鋼の耐食性に寄与しうる。耐食性の観点から、Moの含有率は0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1.0質量%以上が特に好ましい。Moは、高価である。鋼の低コストのの観点から、Moの含有率は2.0質量%以下が好ましく、1.8質量%以下がより好ましく、1.7質量%以下が特に好ましい。
Cuを含む鋼は、カルボン酸に対する耐食性に優れる。耐食性の観点から、Cuの含有率は0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、0.8質量%以上が特に好ましい。Cuを過剰に含む鋼は、熱間加工性に劣る。熱間加工性の観点から、Cuの含有率は1.5質量%以下が好ましく、1.4質量%以下がより好ましく、1.3質量%以下が特に好ましい。
Nを含む鋼は、塩化物に対する耐食性に優れる。耐食性の観点から、Nの含有率は0.07質量%以上が好ましく、0.08質量%以上がより好ましく、0.10質量%以上が特に好ましい。Nを過剰に含む鋼では、凝固欠陥が生じやすい。凝固欠陥の抑制の観点から、Nの含有率は0.15質量%以下が好ましく、0.14質量%以下がより好ましく、0.13質量%以下が特に好ましい。
本発明では、クロム当量Creqは下記数式(1)で算出され、ニッケル当量Nieqは下記数式(2)で算出される。
Creq = Cr + 1.37Mo + 1.5Si (1)
Nieq = Ni + 0.31Mn + 22C + 14.2N + Cu (2)
本発明に係る鋼では、比(Creq/Nieq)は、1.91以下である。比(Creq/Nieq)が1.91以下である鋼では、焼入れ及び焼戻しの後のδフェライトが少ない。この鋼は、耐食性に優れる。この観点から、比(Creq/Nieq)は1.90以下がより好ましく、1.89以下が特に好ましい。比(Creq/Nieq)は、1.50以上が好ましい。
本発明では、HVは、下記数式(3)で算出される。
HV = 59.7 + 39.7C + 79.6N - 1.4Cr - 2.1Mo (3)
このHVは、鋼の硬さと相関する指標である。本発明に係る鋼では、HVは50.0以上である。HVが50.0以上である組成を有する鋼では、50.0以上の硬さHRが達成されうる。硬さHRは、焼入れ及び焼戻しの後の鋼のロックウェル硬さである。硬さHRが50.0以上である鋼は、強度に優れる。強度の観点から、HVは53.0以上がより好ましく、55.0以上が特に好ましい。HVは、65.0以下が好ましい。
本発明では、PRは、下記数式(4)で算出される。
PR = Cr + 3.3Mo + 16N - 30C (4)
このPRは、塩化物に対する鋼の耐食性と相関する指標である。本発明に係る鋼では、PRは13.0以上である。PRが13.0以上である鋼では、塩害環境下で錆が発生しにくい。この観点から、PRは13.5以上がより好ましく、14.0以上が特に好ましい。PRは、16.0以下が特に好ましい。
本発明では、GCRは、下記数式(5)で算出される。
GCR = 3.6Ni - Cr + 4.7Mo + 11.5Cu + 1.4N - 2.1Mn (5)
このGCRは、カルボン酸に対する鋼の耐食性と相関する指標である。本発明に係る鋼では、GCRは−8.0以上である。GCRが−8.0以上である鋼では、カルボン酸の存在下での腐食が生じにくい。この観点から、GCRは1.0以上がより好ましく、2.0以上が特に好ましい。GCRは、9.0以下が好ましい。
この鋼の、焼入れ及び焼戻しがなされた後におけるδフェライトの面積率Pdは、0.5%以下が好ましい。面積率Pdが0.5%以下である鋼は、耐食性に優れる。この観点から、面積率Pdは0.3%以下が好ましく、0.1%以下が特に好ましい。理想的には、面積率Pdは、0.0%である。
面積率Pdは、100倍に拡大された鋼の顕微鏡写真に基づいて算出される。算出は、画像解析装置によってなされる。
焼入れ及び焼戻しがなされた後における鋼のロックウェル硬さHRは、50.0以上が好ましい。硬さHRが50.0以上である鋼は、強度に優れる。この観点から、硬さHRは52.0以上がより好ましく、54.0以上が特に好ましい。硬さHRは、65.0以下が好ましい。
硬さHRは、ロックウェルCスケールによって測定される。測定は、鋼材の長手方向に対して垂直な断面においてなされる。測定は、この断面の、表面と中心との中間点においてなされる。5回の測定が繰り返され、平均値が算出される。
以下、本発明に係るマルテンサイト系ステンレス鋼からなる製品の製造方法の一例が説明される。まず、所定の組成を有する溶鋼から、鋳造によってビレットが形成される。このビレットに多段圧延が施され、条鋼が得られる。この条鋼に塑性加工、切削加工等が施され、加工品が得られる。この加工品が、高温環境下に保持される。この環境の温度は、通常は1050℃以上1300℃以下である。この加工性が急冷される。換言すれば、加工性に焼入れが施される。この焼入れにより、加工性にマルテンサイト組織が生じる。この成形体に、焼戻しが施される。焼戻し温度は、通常は100℃以上400℃以下である。焼戻しでは、加工性が徐冷される。こうして、製品が得られる。この製品は、焼戻しマルテンサイト組織を有している。
本発明に係るマルテンサイト系ステンレス鋼は、強度、塩化物に対する耐食性及びカルボン酸に対する耐食性に優れる。この鋼は、内燃機関の燃料系部品に、特に適している。この燃料系部品としては、例えば、燃料タンク、燃料ポンプ及び吸気用配管が例示される。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
真空誘導溶解炉にて、下記の表1及び2に示される組成を有する鋼塊を溶製した。この鋼塊の質量は、100kgであった。この鋼塊に熱間鍛伸を施し、直径が20mmであり長さが約1000mmである円柱状の試験片を得た。この試験片に、焼鈍を施した。焼鈍温度は、870℃であった。この試験片に、焼入れを施した。この焼入れでは、1030℃の温度下に、試験片が30分間保持された。この焼入れでは、試験片は油冷された。この試験片に、焼戻しを施した。この焼戻しでは、180℃の温度下に、試験片が1時間保持された。この焼戻しでは、試験片が空冷された。
[塩水噴霧試験]
前述の試験片に、温度が35℃である5%塩化ナトリウム水溶液を噴霧した。16時間の噴霧の後、試験片に発錆があるか否かを、目視で判定した。この結果が、下記の表3及び4に示されている。
[ギ酸水への浸漬試験]
前述の試験片の質量を測定した。この試験片を、温度が25℃である5%ギ酸水溶液に浸漬した。24時間の噴霧の後、試験片の質量を測定し、質量の減少量(腐食減量)を算出した。この結果が、下記の表3及び4に示されている。腐食減量が10.0g/mh以下である鋼が、好ましい。
Figure 2017150045
Figure 2017150045
Figure 2017150045
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比較例26に係る鋼では、オーステナイト安定化元素であるCの含有率が低いので、δフェライトの面積率Pdが大きい。従ってこの鋼は、塩化物に対する耐食性に劣る。
比較例27に係る鋼では、Cの含有率が高いので、Feに固溶しないCが炭化物を形成する。従ってこの鋼は、塩化物に対する耐久性に劣る。
比較例28に係る鋼は、Siの含有率が高いので、冷間加工性に劣る。比較例29に係る鋼は、Mnの含有率が高いので、塩化物に対する耐食性に劣る。比較例30に係る鋼は、Niの含有率が高いので、冷間加工性に劣る。比較例31に係る鋼は、Crの含有率が低いので、塩化物に対する耐食性に劣る。比較例32に係る鋼では、Crの含有率が高いので、δフェライト面積率Pdが大きい。比較例33に係る鋼は、Moの含有率が高いので、高価である。比較例34に係る鋼は、Cuの含有率が低いので、カルボン酸に対する耐食性に劣る。比較例35に係る鋼は、Cuの含有率が高いので、熱間加工性に劣る。比較例36に係る鋼は、Nの含有率が低いので、塩化物に対する耐食性に劣る。比較例37に係る鋼では、Nの含有率が高いので、凝固欠陥が形成される。比較例38に係る鋼では、比(Creq/Nieq)が大きいので、δフェライトの面積率Pdが大きい。比較例39に係る鋼では、HVが小さいので、硬さHRが不十分である。比較例40に係る鋼は、PRが小さいので、塩化物に対する耐食性に劣る。比較例41に係る鋼は、GCRが小さいので、カルボン酸に対する耐食性に劣る。
一方、実施例1−25に係るマルテンサイト系ステンレス鋼は、諸性能に優れている。この評価結果から、本発明の優位性は明かである。
本発明に係るマルテンサイト系ステンレス鋼は、強度と耐食性とが要求される種々の用途に適している。

Claims (3)

  1. 0.15質量%以上0.40質量%以下のC、
    1.0質量%以下のSi、
    2.0質量%以下のMn、
    0.60質量%以下のNi、
    12.0質量%以上17.0質量%以下のCr、
    2.0質量%以下のMo、
    0.1質量%以上1.5質量%以下のCu、
    及び
    0.07質量%以上0.15質量%以下のN
    を含んでおり、残部がFe及び不可避的不純物であり、
    下記数式(1)で算出されるクロム当量Creqと下記数式(2)で算出されるニッケル当量Nieqとの比(Creq/Nieq)が、1.91以下であり、
    下記数式(3)で算出されるHVが50.0以上であり、
    下記数式(4)で算出されるPRが13.0以上であり、
    下記数式(5)で算出されるGCRが−8.0以上である、マルテンサイト系ステンレス鋼。
    Creq = Cr + 1.37Mo + 1.5Si (1)
    Nieq = Ni + 0.31Mn + 22C + 14.2N + Cu (2)
    HV = 59.7 + 39.7C + 79.6N - 1.4Cr - 2.1Mo (3)
    PR = Cr + 3.3Mo + 16N - 30C (4)
    GCR = 3.6Ni - Cr + 4.7Mo + 11.5Cu + 1.4N - 2.1Mn (5)
  2. 焼入れ及び焼戻しがなされた状態でのδフェライトの面積率Pdが0.5%以下である請求項1に記載のマルテンサイト系ステンレス鋼。
  3. 焼入れ及び焼戻しがなされた状態でのロックウェル硬さHRが50.0以上である請求項1又は2に記載のマルテンサイト系ステンレス鋼。
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